JP4302813B2 - 散髪補助用具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、はさみによって刈られた毛髪が辺りに散らばらないように、それを捕集しながら散髪できるようにした散髪用具を使用する際の補助用具、特に詳細には、毛髪捕集のための空気吸引源の排気によって病原菌等が撒き散らされることを防止し、また騒音の発生を防止する散髪補助用具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
美、理容院等において、あるいは個人的になされる散髪の1つの技法として、一方の手に持ったくしに毛髪の一部を掛けて他の毛髪から離れるように持ち上げ、次にこれらの毛髪をくしに掛かった状態のまま、あるいはそれまでくしを持っていた指に持ち代えてから、他方の手に持ったはさみによってそれらの毛髪の毛先部分を切る、という技法が広く採用されている。
【0003】
従来、このようにくしとはさみとを用いて散髪をする場合、はさみによって刈られた短い毛髪はそのまま自然落下させていた。すなわちこれらの刈られた毛髪は、散髪を受けている者が首部分から下に着用しているエプロン上に落ちたり、あるいはその上を滑って床上に落ちることになる。そしてこれらの刈られた毛髪は、一般に、散髪終了後床上にすべて落としてから、ほうき等を用いて集めて捨てられる。
【0004】
しかし、刈られた細かい毛髪を入念に集める作業は非常に面倒で、多大な労力と時間を要するものとなっていた。
【0005】
また、刈られた毛髪を上述のようにそのまま自然落下させると、それが散髪を受けている者の着衣内(特に襟回り部分)に侵入して、その者に不快な思いをさせることも多々ある。
【0006】
また、上述の刈られた毛髪は、美容師や理容師等の散髪作業者の指先、手先等に付着して、それら作業者に不快な思いをさせ、さらには散髪作業の能率を低下させることもある。
【0007】
このような事情に鑑みて本発明者は、前述したようにくしとはさみとを用いて散髪する際に、刈られた毛髪を自然落下させずに自動捕集しながら散髪作業することを可能にする散髪用具を先に提案した(実公平7−25122号参照)。この散髪用具は、基本的に、
一端が空気吸引口とされた筒状部材と、
この筒状部材の他端に一端が連通された空気吸引通路と、
この空気吸引通路の他端に接続された空気吸引源と、
上記空気吸引通路に介設された毛髪捕捉用フィルターと、
上記空気吸引口よりも前方に突出し、一表面が該空気吸引口内に延びるように筒状部材に固定された毛髪受け板と、
この毛髪受け板に対して、歯先側が上記一表面から突出する向きに起立し、かつ歯の根元が上記一表面よりも歯先側に位置する状態で、上記空気吸引口から離して固定されたくしと、
このくしから空気吸引口側に離れ、かつ上記一表面から離れて、くしの長さ方向に延びる毛髪支持部分を有する毛髪支持部材とから構成されたことを特徴とするものである。
【0008】
ところで、上述した散髪用具は、刈られた毛髪を辺りに散らばすことがないという利点から、病院内でベッドから起き上がるのが困難な状態にある患者や、いわゆる寝たきりの状態になっている老人等に対する散髪作業に特に好適なものとなっている。そこで美、理容師が、この散髪用具を携えて病院や老人ホームに出張し、この病院内等において散髪作業をするということも、実際に広く行なわれつつある。
【0009】
上記散髪用具を構成する空気吸引源としては、美、理容院等にあっては、屋外に設置するような大掛かりなものも使用可能であるが、上述した出張業務のためには、家庭用等の電気掃除機をそのまま、あるいはそれと類似した構造および大きさのものを使用するのが便利である。なお電気掃除機を使用する場合は、そのフィルターをそのまま毛髪捕捉用フィルターとして用いることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この電気掃除機あるいはそれと類似の装置を空気吸引源として用いる場合、そこから排気がなされるので、例えば散髪を受ける患者の体表や寝具類に付着していた病原菌や雑菌等が、排気に混じって室内に広く撒き散らされるおそれがある。
【0011】
また空気吸引源としては、上述の電気掃除機のように、モーターでファンを回して空気を吸引する構造のものが好適に利用されるが、その場合はモーターやファンの回転音が病室内に響きやすく、この騒音が他の患者の静養や安眠を妨げるという問題も認められる。
【0012】
そこで本発明は、前述の散髪用具を使用する際に、空気吸引源の排気によって病原菌や雑菌等が撒き散らされることを防止可能で、また空気吸引源の駆動音が周囲に響くことも防止できる散髪補助用具を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による散髪補助用具は、前述した通りの筒状部材と、空気吸引通路と、空気吸引源と、毛髪捕捉用フィルターと、くしとからなる散髪用具を使うための補助用具であって、
上記空気吸引源を内部に収納し、この空気吸引源が排出する空気を外部に逃すための排気孔が形成された筐体と、
この筐体の上記排気孔を覆う状態に配設された、銀を含む多孔性材料からなる殺菌フィルターとからなることを特徴とするものである。
【0014】
なお上述の殺菌フィルターとしては、例えば、細い繊維状に加工された銀が他の合成樹脂等からなる繊維状素材とともにメッシュ状あるいはパイル編み込まれてなるものを用いることができる。そのような殺菌フィルターとして具体的には、三ツ富士繊維株式会社製の「ダブルメッシュ」が挙げられる。また、同様に細い繊維状に加工された銀が、他の合成樹脂等からなる繊維状素材の中に漉き込まれてなる不織布状の殺菌フィルターを用いることも可能である。
【0015】
また上記殺菌フィルターは、筐体および/またはこの筐体の内部に固定された部材と空気吸引源とが当接する部分において、両者の間に介在する形で配設されるのが望ましい。
【0016】
一方、この本発明による散髪補助用具において、散髪用具の空気吸引源が、一般的なモーター等、電磁力を利用した駆動手段を有するものである場合、殺菌フィルターは、上記排気孔を覆う部分も含めて筐体に全面的に取り付けられるのが望ましい。
【0017】
【発明の効果】
上記構成を有する本発明の散髪補助用具を用いる場合、筐体内部に収納された空気吸引源が排出する空気は、銀を含む多孔性材料からなる殺菌フィルターを通過して筐体外に排出される。その際、排気中に含まれる病原菌や雑菌等は銀の強力な殺菌作用によって殺菌されるので、この排気によって周囲に病原菌や雑菌等が撒き散らされることを防止できる。
【0018】
また、空気吸引源を筐体内に収納しておけば、空気吸引源が発する駆動音が筐体によって遮音され、周囲に空気吸引源の駆動音が響くことが防止される。特に、筐体および/またはこの筐体の内部に配された部材と空気吸引源とが当接する部分において、両者の間に介在する形で殺菌フィルターが配設されていると、多孔性材料からなるこの殺菌フィルターが緩衝材として作用し、空気吸引源の振動が筐体に伝達することが防止されるので、より一層高い遮音効果が得られるようになる。
【0019】
さらに、散髪用具の空気吸引源が、一般的なモーター等、電磁力を利用した駆動手段を有するものである場合に、殺菌フィルターが、上記排気孔を覆う部分も含めて筐体にほぼ全面的に取り付けられていると、駆動手段が発する電磁波がこの殺菌フィルターの銀の作用でシールドされ、筐体外に漏れ出難くなる。
【0020】
病院等の医療機関においては、患者の集中監視装置や各種医療用機器等の電子装置が多く設置されており、また患者の体内にペースメーカー等の電子機器が埋め込まれていることもあり、それらが外部から電磁ノイズを受けると誤作動したり作動停止するおそれがあるが、上述のようにして空気吸引源の駆動手段が発する電磁波をシールドしておけば、この電磁波によって病院内の電子装置や電子機器が誤作動あるいは作動停止することを防止できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の一つの実施形態による散髪補助用具1を分解して示すものである。この散髪補助用具1は、図2に全体構成を示す散髪用具の電気掃除機70を収納するように構成されたものである。
【0022】
まずこの散髪用具について、図2〜6を参照して説明する。図3に示されるようにこの散髪用具は、一端が空気吸引口10とされ散髪作業者の一方の手に保持される筒状部材11と、この筒状部材11の他端11aに一端が連通された蛇腹状のフレキシブルホース12と、このフレキシブルホース12の他端が接続される電気掃除機70とを有している。
【0023】
この電気掃除機70は、ケーシング13と、このケーシング13の内部に配されたファン14と、このファン14を回転させるモータ15と、ケーシング13の内部においてファン14よりもフレキシブルホース12側に配された毛髪捕捉用フィルター(ゴミ収集パック)16と、フレキシブルホース12が接続されるホース接続部37とを有している。
【0024】
上記筒状部材11の空気吸引口10が開口している部分は、一例として2.5 cm×8cm程度のほぼ四角筒状に形成されている。またこの筒状部材11の他端11aは円筒形とされ、フレキシブルホース12の一端12aに対して中心軸回り(矢印A方向)に回転自在に連結されている。そして筒状部材11には、空気吸引口10と他端11aとの間においてジョイント部11bが形成され、空気吸引口10側の部分は他端11a側の部分に対して、ジョイント軸11cを中心にして矢印B方向に回動自在とされている。
【0025】
また筒状部材11の空気吸引口10が開口している部分の底板を構成している部材は、空気吸引口10よりも前方側に突出した形状とされ、この突出した部分は毛髪受け板20とされている。したがってこの毛髪受け板20の一表面(図中上表面)20aは、空気吸引口10内に延びている。そしてこの毛髪受け板20の前端部には、空気吸引口10から離れた状態にしてくし21が固定されている。このくし21は、歯先側が上記一表面20aから図中上方に突出する向きにして、起立状態で固定されている。また筒状部材11の内部には、板状の毛髪支持部材22が固定されている。
【0026】
図4に側断面形状を示すように、くし21はその歯の根元が毛髪受け板20の一表面20aよりも上側(つまり歯先側)に位置するようにして、毛髪受け板20に固定されている。一方毛髪支持部材22は、その上表面22aがくし21の歯の根元とほぼ同じ高さに位置する状態で、毛髪受け板20の一表面20aから離して固定されている。この毛髪支持部材22の上表面22aは毛髪支持部分となるものであり、くし21から空気吸引口10側に離れ、そしてこのくし21の長さ方向にその全長に亘って延びている。なお筒状部材11、毛髪受け板20、くし21および毛髪支持部材22は、通常は合成樹脂により形成するのが便利である。
【0027】
一方電気掃除機70のファン14とモータ15は、フレキシブルホース12側から(すなわち筒状部材11側から)空気を吸引する空気吸引源を構成している。またケーシング13はフレキシブルホース12とともに、上記ファン14が回転された際に空気を流通させる空気吸引通路を構成している。
【0028】
次に、上記構成の散髪用具の作用について説明する。この散髪用具を使用する場合、カット技術者はフレキシブルホース12の先端に接続している筒状部材11の部分を図5に示すように左手51Lで(右利き技術者の場合)保持する。このとき筒状部材11は、くし21の歯先側が上を向くようにして保持される。こうしてくし21は、カット技術者の左手に間接的に保持されるので、図5に示すようにこのくし21により、カットを受ける者の毛髪50の一部50aを下から梳き上げる。このようにしながら、例えば図示外の足踏みスイッチを足で操作する等により、電気掃除機70のモータ15をONにすると、空気吸引口10内に空気が吸引される。
【0029】
このとき、くし21の歯の間から出ている毛髪50aが比較的長くて図4に破線で示すように、筒状部材11の上面に掛かっていたとすると、この毛髪50aは上記空気とともに吸引されて先端側から筒状部材11内に引き込まれる。こうして引き込まれた毛髪50aは、同図に実線で示すように、くし21の歯の根元部分と毛髪支持部材22の上表面22aとによって支持される状態となる。一方、くし21の歯の間から出ている毛髪50aが比較的短い場合、それらは同図に1点鎖線で示すように、筒状部材11に掛かることなく最初からくし21の歯の根元部分と毛髪支持部材22の上表面22aとによって支持されることになる。
【0030】
以上のようにして支持された一部の毛髪50aは、毛髪受け板20から浮いた状態となり、そしてくし21と毛髪支持部材22とは互いに離間しているから、カット技術者は右手51Rに持ったはさみ52の一方の刃(静刃)を、図5に示すように毛髪50aの下方に挿し込み、後は通常と同様にはさみ52を操作すれば、毛髪50aを刈ることができる。こうして刈られる毛髪50aは、刈られたとたん空気とともに空気吸引口10内に吸い込まれ、自然落下することがない。したがって、刈られた毛髪50aがカットを受ける者の着衣内に侵入したり、カット技術者の指先、手先に付着することがなくなる。
【0031】
ここで、一般的なはさみ52を使用することを前提とすれば、毛髪受け板20の表面20aから毛髪支持部材22の上表面20aまでの高さH、およびくし21と毛髪支持部材22との間の距離L(図4参照)は、ともに8〜12mm程度に設定するのが望ましい。
【0032】
なお、元より短かった毛髪50aや、一度はさみ52によるカットを受けて短くなった毛髪50aは、くし21の歯の間から僅かの長さしか飛び出さないから、先端が毛髪支持部材22上まで達しないこともあり得る。そのような毛髪50aの毛先部分が例えば数mm程度カットされると、その短くカットされた毛髪50aが毛髪受け板20の表面20a上に落ちることもある。そのようになっても、毛髪受け板20の表面20aが空気吸引口10内に延びていて、該表面20aに沿った空気も吸引されるから、この短くカットされた毛髪50aも空気吸引口10内に吸引され得る。
【0033】
上記のようにして吸引された毛髪50aは、フレキシブルホース12内をファン14側に進み、フィルター16によって捕捉されて、そこに集められる。こうして捕集された毛髪50aは、フィルター16ごと処分される。このように本装置によれば、カットされた毛髪50aを自動的に捕集することができるから、カット終了後に毛髪50aをほうき等によって集める作業が不要となり、カット作業の能率も向上する。
【0034】
なおこの散髪用具は以上説明したようにして使用する他、図6に示すように、くし21を歯先側が下を向く状態に保持して毛髪50に挿し込んだ後引き上げ、それにより一部の毛髪50aをくし21に掛けてその他の毛髪から浮き上がらせるように使用することもできる。こうして浮き上がった毛髪50aは、はさみ52によってカットすればよい。このようにする場合も、カットされた毛髪50aは空気吸引口10から吸引される。
【0035】
上記のように使用する場合、くし21に掛けられた毛髪50aをカット技術者が目で確認できるように、毛髪受け板20の図6に記号Wで示した範囲の部分は透明部材で形成するのが好ましい。また図5に示したように使用する際に、カットされた細かい毛髪50aが筒状部材11内に付着しているか否かを確認できるように、毛髪支持部材22も透明部材で形成するのが好ましい。またこの確認がより容易にできるように、毛髪受け板20は毛髪を引き立たせるような色、例えば白色に形成するのが望ましい。
【0036】
図5あるいは図6に示すようにしてこの散髪用具を使用する際、カットする部位やカット技法に応じてくし21をいろいろな向きに設定する必要がある。本例においてはフレキシブルホース12を使用しているので、左手による筒状部材11の保持姿勢は変えないで左肘の曲げ状態を種々に変えることにより(このときそれに追随してフレキシブルホース12が屈曲する)、くし21の向きが変えられる得る。さらに本例の散髪用具においては、左手首を動かして筒状部材11をフレキシブルホース12に対して図3の矢印A方向に回転させたり、あるいは筒状部材11のジョイント部11bよりも先端側の部分を矢印B方向に回動させることにより、より機敏かつ微妙にくし21の向きを変えることもできる。
【0037】
なお筒状部材11の先端側の部分を上記のように回動自在に形成する代りに、あるいはそれに加えて、この先端側を、ジョイント軸11cに対して直角な軸11eを中心に矢印C方向(図3参照)に回動自在に形成してもよい。
【0038】
次に図1に戻って、散髪補助用具1について説明する。この散髪補助用具1は、例えばステンレス板から形成された有底の函体71と、この函体71を閉じる蓋体72とを有している。蓋体72は函体71に対してヒンジ73を介して取り付けられ、函体71の上部開口を開閉する。函体71の上部開口周囲部分には、蓋体72が閉じられたときこの蓋体72の周縁部と接するパッキン(図示せず)が取り付けられ、函体71と蓋体72との間から空気が出入りしないようにされている。
【0039】
また、函体71の1つの側板71aには前記フレキシブルホース12を通すための貫通孔71bが形成され、この側板71aと対面する側板71cには、電気掃除機70が排出する空気を通す排気孔71dが形成されている。
【0040】
函体71を構成する5面全ての内面および蓋体72の内面には、殺菌フィルター74が貼着されている。本実施形態においてこの殺菌フィルター74は、例えば、前述したように細い繊維状に加工された銀が他の合成樹脂等からなる繊維状素材とともに厚さ約5mmのメッシュ状あるいはパイル状に編み込まれてなるフィルターと、細い繊維状に加工された銀が、他の合成樹脂等からなる繊維状素材の中に漉き込まれてなる不織布状のフィルターとを、それぞれ1枚ずつ重ね合わせて形成されたものである。
【0041】
なお、上記側板71aに貼着される殺菌フィルター74は、該側板71aの貫通孔71bと整合する孔を有する形状とされている。それに対して側板71cに貼着される殺菌フィルター74は、その種の孔は備えないものであって、側板71cの全面に貼着される。
【0042】
また側板71aの内側には、そこに貼着されている殺菌フィルター74に重ね合わせる状態にして、ステンレス板75が固定される。このステンレス板75は、側板71aの貫通孔71bと整合する貫通孔75aを有し、内面には上記と同様の殺菌フィルター74が貼着される。この殺菌フィルター74は、ステンレス板75の貫通孔75aと整合する貫通孔74aを有している。そしてこのステンレス板75の内面には、電気掃除機70の底部に形成されている溝(これについては後述する)と係合するフック76が固定されている。
【0043】
一方側板71cの内側にも、そこに貼着されている殺菌フィルター74に重ね合わせる状態にして、ステンレス板77が固定される。このステンレス板77は、側板71cの排気孔71dが形成されている部分に整合する貫通孔77aを有し、内面には上記と同様の殺菌フィルター74が貼着される。この殺菌フィルター74は、貫通孔77aに整合する部分もを含めて、ステンレス板77の全面に貼着されている。
【0044】
また側板71cの外側には、排気孔71dを覆う状態にして無菌フィルター78が配され、その上には該無菌フィルター78を押さえるカバー79が取り付けられている。無菌フィルター78としては、例えば無菌室の通風口に取り付けられるもの等を用いることができる。またカバー79は、例えばステンレス板に多数の空気通過孔を設ける等して形成されたものである。なおこの無菌フィルター78およびカバー79は、側板71cの外側に取り付けられた取付枠80に上方から挿し込む等して取り付けるようにすればよい。
【0045】
電気掃除機70は函体71内に、図7に示すようにして固定される。すなわち、電気掃除機70の底部に形成された溝70aが前述のフック76に係合され、また電気掃除機70の前端部が、殺菌フィルター74を介してステンレス板75に軽く圧接する状態とされる。これにより電気掃除機70がステンレス板75と一体化され、函体71内に固定される。
【0046】
こうして電気掃除機70を函体71内に固定した後、図7に示すように、前述したフレキシブルホース12が、側板71aの貫通孔71bを通過させて電気掃除機70に接続される。この状態で電気掃除機70を駆動させれば、先に説明したように、刈られた毛髪を自動的に捕集しながら散髪をすることができる。
【0047】
電気掃除機70が駆動されると、その後部の空気排出口70c(図1参照)から空気が排出される。この空気は、ステンレス板77の貫通孔77aおよび側板71cの排気71dを通って函体71外に排出される。その際この排気は、ステンレス板77の前後に配された2枚の殺菌フィルター74を通過する。
【0048】
例えば散髪を受けている者が病院内の入院患者等である場合は、その周辺から散髪用具の筒状部材11の空気吸引口10(図3参照)を通して病原菌や雑菌等が吸引されることがあり得る。しかし、それらの菌は上記2枚の殺菌フィルター74に含まれる銀の強力な殺菌作用によって殺菌されので、電気掃除機70の排気によって周囲に病原菌や雑菌等が撒き散らされることを防止できる。
【0049】
また、電気掃除機70を函体71と蓋体72とからなる筐体内に収納しておくことにより、電気掃除機70が発する駆動音がこの筐体によって遮音されるので、電気掃除機70の駆動音が周囲に騒音となって響くことが防止される。
【0050】
また殺菌フィルター74は、前述した通り厚さ約5mmのメッシュあるいはパイル状に形成されているので、ある程度の弾力を有する。このような殺菌フィルター74が電気掃除機70とステンレス板75との間に介在し、また電気掃除機70の車輪70bと函体71の底板との間にも介在しているので、殺菌フィルター74が緩衝材として作用し、電気掃除機70の振動が筐体に伝達することが防止される。そこで本例では、より一層高い遮音効果が得られるようになる。
【0051】
さらに本実施形態では、函体71と蓋体72とからなる筐体に全面的に殺菌フィルター74が取り付けられているので、電気掃除機70のモータ15が発する電磁波がこの殺菌フィルター74が含む銀の作用でシールドされ、筐体外に漏れ出難くなる。そこで、この電磁波によって病院内の電子装置や電子機器が誤作動あるいは作動停止することを防止できる。
【0052】
以上説明した散髪補助用具1は、勿論そのまま床上に置く等して使用可能であるが、図8に示す介護用ラック90に載置して使用すると、移動が容易になって便利である。この介護用ラック90は、一例としてその下部に散髪補助用具1を載置し、上部に引き出しユニット2を載置できるように構成されたものである。
【0053】
引き出しユニット2には、例えば散髪作業に必要なはさみ等の器具類や薬液類を収納するいくつかの引き出しを備えたものであるが、本例のものは特に、複数の消毒液容器92を並べて収納する引き出し93を有するものとされている。消毒液容器92は、例えば銀イオン水からなる消毒液94を貯えた状態で消毒液容器92内にセットされる。
【0054】
消毒液容器92の消毒液94内には、散髪作業に使用された散髪用具の頭の部分、つまりフレキシブルホース12から取り外された部分が浸される。そしてそのフレキシブルホース12には新たなもの、あるいは、それまで消毒液94内に浸されていた消毒済みのものが取り付けられ、それを用いて別の人に対する散髪作業がなされる。こうすることにより、散髪用具を介して病気が感染することを防止できる。
【0055】
なお銀イオン水からなる消毒液94は、一般にそこに60分ほど対象物を浸しておけば、ほぼ完全な消毒効果が得られると言われている。そこで本例では引き出し93に、6個の消毒液容器92を並置できるようにしてある。通常、1人に対する散髪作業は15分ほどで終了するので、6個の消毒液容器92を並置するとともに散髪用具の頭の部分を7個用意し、それらを規則正しく順に消毒しながら使用すれば、各散髪用具の頭の部分は再使用されるまでに約90分間消毒されることになり、十分な消毒効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による散髪補助用具を示す分解斜視図
【図2】上記散髪補助用具とともに使用される散髪用具の全体側面図
【図3】上記散髪用具の一部を詳しく示す概略図
【図4】上記散髪用具の筒状部材の周辺部を示す側断面図
【図5】上記散髪用具の使用状態を示す斜視図
【図6】上記散髪用具の別の使用状態を示す斜視図
【図7】上記散髪補助用具の側断面図
【図8】上記散髪補助用具がセットされる介護用ラック示す斜視図
【符号の説明】
10 空気吸引口
11 筒状部材
11a 筒状部材の他端
11b 筒状部材のジョイント部
12 フレキシブルホース
13 ケーシング
14 電気掃除機のファン
15 電気掃除機のモータ
16 毛髪捕捉用フィルター
20 毛髪受け板
20a 毛髪受け板の一表面
21 くし
22 毛髪支持部材
22a 毛髪支持部材の毛髪支持部分
50 毛髪
50a 一部の毛髪
70 電気掃除機
71 函体
72 蓋体
71d 排気孔
74 殺菌フィルター
Claims (3)
- 一端が空気吸引口とされた筒状部材と、
この筒状部材の他端に一端が連通された空気吸引通路と、
この空気吸引通路の他端に接続された空気吸引源と、
前記空気吸引通路に介設された毛髪捕捉用フィルターと、
前記空気吸引口から離して固定されたくしとからなる散髪用具を使うための補助用具であって、
前記空気吸引源を内部に収納し、この空気吸引源が排出する空気を外部に逃すための排気孔が形成された筐体と、
この筐体の前記排気孔を覆う状態に配設された、銀を含む多孔性材料からなる殺菌フィルターとからなる散髪補助用具。 - 前記筐体および/またはこの筐体の内部に固定された部材と前記空気吸引源とが当接する部分において、両者の間に前記殺菌フィルターが介設されていることを特徴とする請求項1記載の散髪補助用具。
- 前記空気吸引源が電磁力を利用した駆動手段を有する場合に、前記殺菌フィルターが、前記排気孔を覆う部分も含めて前記筐体にほぼ全面的に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2記載の散髪補助用具。
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