JP4301425B2 - オーディオ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放送受信機を備えると共にCDプレーヤ等のオーディオ記録媒体を再生するオーディオプレーヤを接続しているオーディオ装置に関し、特にデジタル放送等の多チャンネル放送を受信する放送受信機を備え、且つ多数の曲をそのオーディオ記録媒体に収録しているとき、オーディオ記録媒体に収録されていない曲を放送しているチャンネルを選択して受信することができるようにしたオーディオ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
オーディオ装置においてはデジタル化が進み、各種オーディオを再生するオーディオプレーヤとして、従来広く用いられていたアナログデータを扱うカセットテープレコーダから、CDやMD等光ディスクにオーディオデータをデジタルで記録したデジタル型オーディオプレーヤが広く用いられるようになっている。その他近年はDVDにオーディオデータを記録したDVDオーディオプレーヤも用いられるようになっている。このようにオーディオ装置におけるいわゆるパッケージメディアはデジタル化し、且つ多様化している。
【0003】
更にこれらのデジタル型オーディオプレーヤにおいて、記録するオーディオデータは各種の方式で圧縮して記録することが行われるているが、その中でも近年はMP3形式でオーディオデータを圧縮して記録することが広く行われている。この技術によると1枚のCD−RやCD−RWに100曲以上収録することができるようになり、これを持ち運んで例えば車両用オーディオ装置におけるMP3対応のCDプレーヤで聞くことができるようになっている。特に近年のインターネットの発達により、各種オーディオデータがインターネットにより無料で、あるいは有料で配信されるようになっており、利用者はこれをダウンロードし、CD−R等に記録して利用することが行われている。
【0004】
オーディオ装置としては上記のようなオーディオ記録媒体を再生するオーティオプレーヤ以外に、ラジオによるオーディオ放送受信機が従来から広く用いられているが、近年は特に衛星放送によるデジタル化が進み、CSデジタルオーディオ放送においては現在既に100チャンネル以上の放送が行われている。また、BS放送もデジタル化され、この中でオーディオ放送も多チャンネル化して放送している。更に今後地上波AM放送FM放送のデジタル化による多チャンネル放送も計画されている。特に車等の移動体での受信に適した衛星放送の計画が各国で進められている等、今後更に多くのデジタルオーディオ放送が行われることとなる。また、これらのデジタルオーディオ放送は、単に放送を受信したときに聞くだけでなく、近年の上記のような各種デジタルオーディオプレーヤの発達により、放送によって送信されたデジタルオーディオデータをデジタルデータ記録媒体に記録して利用することも行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、近年のオーディオプレーヤにおいて、CD、MD、DVD等のオーディオ記録媒体を用いるものにおいては、これらに記録するオーディオデータの圧縮技術の進歩によって1つの記録媒体に大量の曲を記録して利用するようになっている。また、これらの記録媒体に記録されるオーディオデータは市販のもののほか、CSデジタル放送を初めとする各種放送を録音したものや、インターネットからダウンロードしたもの等、種々のオーディオデータをMP3等で圧縮して大量に記録し、これをオーディオプレーヤにかけて聞くことも広く行われている。また、オーディオ放送もCS、BS、地上波等においてデジタル化し、極めて多くのチャンネルで放送が行われ、あるいはその放送が行われようとしているている。
【0006】
特に車両用オーディオ装置においては、CDチェンジャ、MDチェンジャ、更にはDVDチェンジャ等も用いられ、運転者が容易に希望の曲を選択することができるように、一つのプレーヤで多量の曲を一度に取り扱うことができるようになっている。更に車両用オーディオ装置においてはそのオーディオシステム内にラジオ受信機を備えており、これによりデジタルオーディオ放送が受信できるようになっている場合には、このオーディオプレーヤにおいては常に数100曲以上の中から希望する曲を選択して聞くことができるようになっている。
【0007】
そのため、例えばオーディオ放送を聞いているとき、現在聴いている曲が例えばCD−RにMP3等によって圧縮して記録し、このオーディオシステムにおいていつでも利用することができるように準備されている曲のことがある。その際には特に自分の好きな曲の場合は繰り返し聴くこともあり得るが、多くの場合にはいつでもこのオーディオシステムにおいて利用することができるようになっている、オーディオ記録媒体に記録されている曲以外の曲を視聴することを希望する。そのため、現在聴いている曲以外の曲を放送しているチャンネルに切り替えることが多く行われることとなる。
【0008】
このように、多くのオーディオを選択できるようになっている場合は、特に同じ曲が選択されることも多くなり、例えば現在ヒットチャートの1番の曲は多くのチャンネルで放送され、自分のCDにも存在すること多い。このときも何回も同じ曲を聴くことが好ましくないと思う際には利用者は他のチャンネルに切り替えることとなり、その操作が頻繁に行われる。このような操作は特に車両用オーディオ装置の場合は、これを取り扱っている人が運転者であることが多く、安全運転の面からも好ましくない。
【0009】
したがって本発明は、デジタル放送等の多チャンネル放送を受信する放送受信機等の受信機を備え、且つ多数の曲を収録しているオーディオ記録媒体を再生するオーディオプレーヤを接続しているオーディオ装置において、オーディオ記録媒体に収録されていない曲を放送しているチャンネルを選択して受信することができるようにしたオーディオ装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るオーディオ装置は上記課題を解決するため、デジタルオーディオ放送受信機とオーディオ記録媒体を再生するオーディオプレーヤとを接続したオーディオ装置において、前記オーディオプレーヤに装填したオーディオ記録媒体の収録曲情報を記録する収録曲情報メモリと、前記受信機で受信した曲が前記収録曲情報メモリに記録されているか否かを検索する収録曲検索部と、前記収録曲検索部で前記受信した曲が収録曲メモリに記録されていることを検索したとき、前記受信機の受信チャンネルを変更する受信チャンネル変更手段を備えたものである。
【0011】
また、本発明に係る他のオーディオ装置は、前記収録曲検索部で前記受信した曲が収録曲情報メモリに記録されていることを検出し、収録曲情報メモリに同一アーティストの曲が所定数以上収録され、前記アーティストの曲を放送しているチャンネルが存在するとき、前記受信チャンネル変更手段は当該チャンネルを選択するようにしたものである。
【0012】
また、本発明に係る他のオーディオ装置は、利用者が前記受信機の選局用キーを操作したとき、前記受信チャンネル変更手段で前記受信チャンネルの変更を行うようにしたものである。
【0013】
また、本発明に係る他のオーディオ装置は、オーディオ放送の複数のチャンネルで放送している曲の情報を記録するチャンネル毎放送楽曲情報メモリと、特定の曲が前記チャンネル毎放送楽曲情報メモリに記録されているか否かを検索する放送楽曲情報検索部とを備え、前記収録曲検索部で前記受信した曲が収録曲メモリに記録されていることを検出したとき、前記放送楽曲情報検索部で前記収録曲メモリに記録されていない曲を放送しているチャンネルを前記チャンネル毎放送楽曲情報メモリから検索し、前記受信チャンネル変更手段は当該チャンネルを選択するようにしたものである。
【0014】
また、本発明に係る他のオーディオ装置は、前記オーディオ放送受信機においてデジタル放送を受信するようにしたものである。
【0015】
また、本発明に係る他のオーディオ装置は、前記オーディオ装置を車両に搭載したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。図1は本発明によるオーディオ装置の例を示し、特にデジタルオーディオ放送受信機と、MP3形式等のデータ圧縮技術によって圧縮されたオーディオデータを記録しているCD−RやCD−RWを再生するディスクプレーヤを備えたオーディオ装置の一実施例において、主要機能ブロックとそれらの相互の関係を示す機能ブロック図を示している。
【0017】
オーディオプレーヤ全体を制御するヘッドユニット28には、この実施例においてはデジタルオーディオ放送受信機9とオーディオプレーヤ10とが接続されており、ヘッドユニット28のシステムコントローラ24によってデジタルオーディオ放送受信機9の制御部8の作動を制御すると共に、オーディオプレーヤ10の制御部21の作動を統合的に制御することができるようにしている。なお、このほか必要に応じて例えばCDチェンジャ、DVDオーディオプレーヤ等を接続して、同様のシステムにより使用することもできる。
【0018】
デジタルオーディオ放送[DAB(Digital Audio Broadcasting)]は、所定の番組の音声信号データを周波数多重で挿入した複数のオーディオデータと、番組とオーディオデータの対応及び種々の情報を記録した番組付加情報データとを含み、周波数多重放送受信機でこの周波数多重放送信号を受信し、別途ユーザにより指定された番組に応じたデータフィールドに挿入されていた周波数多重信号を復調し、オーディオ信号に変換して出力するものである。
【0019】
このデジタルオーディオ放送受信機9においては、100チャンネル以上放送されているデジタルオーディ放送の電波をアンテナ1で受信し、ここで受信した電波はデジタル放送RF部2でRF信号を復調すると共に、その信号をデジタル放送デコード部3に出力し、ここでデジタルオーディオデータの中から番組付加情報データ4とオーディオデータ5とを分離するとともに、これを各々デコードし、番組付加情報データ4については制御部8に取り込まれ、オーディオデータ5についてはデジタルアナログ変換器6を介してヘッドユニット28のアンプ29に出力される。
【0020】
デジタルオーディオ放送において採用されるデータのフォーマットは図5(a)に模式的に示しているように、1つの放送フレームにチャンネル1のデータ、チャンネル2のデータ・・・・チャンネルnのn個のデータが送信されており、各チャンネルデータは音楽のデータが記録されているオーディオデータと番組付加情報データが入っている。番組付加情報データは図示するように、番組名、番組ID、タイトル、アーティスト、経過時間等が挿入され、末尾には誤り訂正用のCRC(巡回符号を用いたエラー検出符号)が付加されている。
【0021】
一方、このオーディオプレーヤのヘッドユニット28に接続されるオーディオプレーヤ10は、図示実施例においてはMP3形式等で圧縮することにより100曲以上記録可能なCD−RやCD−RW等のディスク1を再生するものとして示しており、このディスク1がプレーヤ12にかけられ、モータ13により回転すると共に、ディスクの半径方向に移動するピックアップ14によって所定の位置に記録された曲のデータを読み取ることができるようになっている。
【0022】
これらモータ13及びピックアップ14はサーボドライバ16によって制御され、このサーボドライバ16は外部の操作部33から入力される利用者の選曲指示、及びヘッドユニット28のシステムコントローラ24からの選曲変更指示により、ピックアップ14の作動を制御し、任意の曲を選局することができるようになっている。
【0023】
ピックアップ14で取り込まれたRF信号は、RFアンプ15で増幅され、圧縮データデコード部17に入力する。ここでは例えばMP3形式で圧縮して記録されたデータにおけるID3タグ情報のように、各オーディオ記録媒体において収録曲の情報を記録している部分から収録曲の曲名、アーティスト名等の情報を記録した楽曲付加情報データ18と、音楽データを記録したオーディオデータ19とを分離してデコードする。この圧縮データデコード部17は、制御部21により作動が制御され、ここでデコードされたオーディオデータ19は、従来の装置と同様にデジタルアナログ変換器20を介してヘッドユニットのアンプ29に出力する。
【0024】
上記MP3形式等で圧縮して記録されたデータにおいては、例えば図5(b)に模式的に示すように、CD−R、CD−RW、DVD、HDD、メモリスティック等のオーディオ記録媒体には、各曲毎に対応して圧縮オーディオデータと、各オーディオ記録形式に対応した位置に楽曲付加情報データとが記録されており、各曲の楽曲付加情報データは図示するように、タイトル、アーティスト、アルバム、ジャンル、リリース年号等が記録されている。
【0025】
図1に示すヘッドユニット28においては、前記のようにシステムコントローラ24がデジタルオーディオ放送受信機9の作動を制御する制御部8に制御信号を出力し、またオーディオプレーヤ10を制御する制御部21に制御信号を出力することにより、全体を一つのオーディオプレーヤとして統一的に作動することができるようにしている。また、その内部にアンプ29を備え、デジタルオーディオ放送受信機9のデジタルアナログ変換器6からのオーディオ信号、及びオーディオプレーヤ10のデジタルアナログ変換器20からのオーディオ信号を選択的に入力し、いずれかのオーディオ信号を選択してスピーカ30から出力することができるようになっている。なお、このオーディオプレーヤにさらにCDチェンジャ等が接続されるときには、これらのオーディオ信号も選択的に入力することができる。
【0026】
このヘッドユニット28のシステムコントローラ24にはチャンネル毎放送楽曲情報メモリ37を備え、デジタルオーディオ放送受信機9において現在放送している多数のチャンネルの放送番組について、デジタル放送デコード部3の番組付加情報データ4に記録されている部分から、あるいは別途電子番組ガイド(EPG)を受信することにより、制御部8を介してこれを取得し記録している。
【0027】
また、システムコントローラ24には放送楽曲情報検索部38を備え、現在放送されている各チャンネルの中で、後述するような少なくとも利用者が希望しない曲を放送しているチャンネル、あるいは特に利用者の好むアーティストの曲を放送しているチャンネル等を、このデータの中から検索することができるようにしている。
【0028】
更にヘッドユニット28にはオーディオ記録媒体収録曲情報メモリ35を備えており、ここにはオーディオプレーヤ10にCD−R等のオーディオ記録媒体が装填されたとき、制御部21を介してこのオーディオ記録媒体の収録曲に関するアーティストと曲名を全ての曲について読み込み、これを記録している。
【0029】
またシステムコントローラ24には収録曲検索部36を備え、後述するようにデジタルオーディオ放送受信機9において受信選択しているチャンネルで放送される曲が、前記オーディオ記録媒体収録曲情報メモリ35に存在する曲であるかか否か、あるいは特定のアーティストの曲が所定数以上存在するか否か等を検索している。
【0030】
この収録曲検索部26ではシステムコントローラ24の指示により、現在受信選択しているチャンネルで放送している曲がオーディオ記録媒体収録曲情報メモリ35に存在する曲であることが検索されたときには、放送楽曲情報検索部38によりチャンネル毎放送楽曲情報メモリ37における、例えば次のチャンネルにおいて放送する曲を検索する。次いでこの曲が同様に前記オーディオ記録媒体収録曲情報メモリ26に記録されている曲であるかを再度検索し、最終的にこのメモリに記録されていない曲を放送するチャンネルを検出して、この信号をチャンネル選択部7に出力してこれを受信する。
【0031】
なお、上記のように現在受信選択しているチャンネルで放送している曲がオーディオ記録媒体情報メモリ35に存在する曲であることが検索されたときには、チャンネル毎放送楽曲情報メモリ37に記録されている全ての曲とオーディオ記録媒体収録曲情報メモリ35に記録されている曲とを比較し、収録されていない曲を放送しているチャンネルを全て抽出し、その中から例えば利用者の好みのアーティストの曲を放送しているチャンネル等、各種の選択基準に従って任意のチャンネルを選択してこれを受信選択指示する処理を行うこともできる。
【0032】
上記のようなブロック構成からなるオーディオ装置においては、例えば図2に示すような作動フローによって順に作動させることができる。これを前記図1及び図4に示す実例を参照しつつ説明する。図2のデジタル放送受信チャンネル選択処理に際しては、オーディオ装置の電源をオンした状態から作動が開始され(ステップS1)、後のデジタル放送受信機の作動に備えて直ちにオーディオプレーヤ10のチェックを行い、オーディオ記録媒体はプレーヤに挿入されたか否かを判別し(ステップS2)、挿入されていないときにはこの作動を繰り返して挿入されるのを待つ。
【0033】
このときのオーディオ記録媒体としては種々のものが存在し、前記のようにCD−R、CD−RW、DVD、メモリスティック等が含まれ、更にカード型等のリムーバブル式ハードディスクを用いることもあり、また予めこのオーディオ装置内に固定式のハードディスクドライブを搭載して、これにオーディオを記録することができるようになっている場合もここに含まれる。なお、このような固定式のハードディスクについては、このステップS1では特にオーディオ記録媒体がプレーヤに挿入する作動が存在しないので、この作動フローではオーディオ記録媒体が実質的にプレーヤに挿入された状態にあると判別し、次のステップS3に進むこととなる。
【0034】
前記ステップS2において、オーディオ記録媒体がプレーヤに挿入されたと判別したときには、次いで収録楽曲付加情報の取得を行い(ステップS3)、その後これをオーディオ記録媒体収録曲情報メモリに記録する(ステップS4)。これは図1の例においては、ヘッドユニット28のシステムコントローラ24が、オーディオプレーヤ10において圧縮データデコード部17で分離した楽曲付加情報データ18を制御部21を介して取り込み、オーディオ記録媒体収録曲情報メモリ35に記録することにより行う。なお、このメモリはオーディオプレーヤ側に設けても、同様に作動を行わせることができる。
【0035】
このようにして、予めオーディオプレーヤ10に挿入されたオーディオ記録媒体に記録されている曲の情報の取り込みと記録が行われるが、このオーディオ装置に例えばCD−Rを再生することができるCDプレーヤのほか、カードスロットにオーディオを記録したメモリスティックが挿入され、更にCDチェンジャ等を搭載しているように多くのオーディオ記録媒体を搭載している場合には、このオーディオ装置の電源が入れられた際にこれらの全てのオーディオ記録媒体に記録されている楽曲の情報を、各オーディオ記録媒体毎に分けて取り込み、メモリに記録する。
【0036】
なお、このオーディオ装置の使用中にこれらのオーディオ記録媒体を取り出すことがあった場合には、取り出したオーディオ記録媒体の楽曲情報を全て消去する。また、上記のようにして予め記録した各オーディオ記録媒体の収録曲情報は、このオーディオ装置において後述するような本発明におけるデジタル放送受信の作動のために使用するほか、例えばこの情報を図1の画像表示装置31に任意に表示することができるようにし、オーディオプレーヤ10の作動に際してユーザが曲の選択に際して使用することも可能である。
【0037】
次いでデジタル放送の受信選択をしたか否かの判別を行い(ステップS5)、受信選択を行っていないときには選択が行われるまで待機する。この選択が行われたときには、デジタル放送における各チャンネルにおいて現在放送している楽曲の情報を取得する(ステップS6)。この情報は前記のように、各チャンネルの放送における番組付加情報データにこれが入っているときはこれを使用することができ、また電子番組ガイド(EPG)の放送が行われているときにはここから情報を取り込むことができる。このようにして取り込まれたデータは、図1のヘッドユニット28におけるチャンネル毎放送案内情報メモリ37に記録する(ステップS7)。なお、このメモリはデジタルオーディオ放送受信機9側に設けても、同様に作動させることができる。
【0038】
その後、デジタルオーディオ放送受信機9で現在受信選択されているチャンネルについて、放送されている曲と同一の曲がオーディオ記録媒体収録曲情報メモリ35に存在するか否かを判別する(ステップS8)。このとき、現在放送されている曲の情報は番組付加情報データ4から直接得ることもできるが、図1においては放送楽曲情報検索部38が先の作動により既に取り込んでいるチャンネル毎放送楽曲情報メモリ34から読み出している。
【0039】
ステップS8の判別の結果、検出チャンネルの曲と同一曲が収録曲として存在している場合には、収録曲メモリに無い曲を放送しているチャンネルを選択する(ステップS13)。その選択に際しては、受信選択しているチャンネルで放送する曲が収録曲として存在していることを検出した場合には直ちに次のチャンネルを選択し、そのチャンネルについてチャンネル毎放送楽曲情報メモリ37を検索し同様のチェックを行う、という作動を繰り返すことにより収録されていない曲を放送しているチャンネルを検索することができる。また前記ステップS8の判別の結果、検出チャンネルの曲が収録曲として存在しないと判別されたときには、チャンネルの選択の変更を行わない。
【0040】
なお、現在放送されているデジタル放送において、例えばCSオーディオ放送は100チャンネル以上存在するので、全てのチャンネルについて各チャンネルから放送されている曲が収録されていることはほとんどあり得ないので、いずれかの選択において収録されていない曲が放送されているチャンネルが選択される。このようにして放送している曲と同一曲が収録曲情報メモリに存在しないことが検出されたチャンネルを受信する(ステップS10)。
【0041】
更に、現在選択しているチャンネルで放送される曲がオーディオ記録媒体収録曲情報メモリ35に収録している曲であるときに、収録していない曲を放送しているチャンネルを検索する際には、前記のように1チャンネルずつ順にチェックして、そのようなチャンネルが見つかったときにそのチャンネルを受信するほか、前記のように現在受信選択しているチャンネルで放送している曲がオーディオ記録媒体情報メモリ35に存在する曲であることが検索されたときには、チャンネル毎放送楽曲情報メモリ37に記録されている全ての曲とオーディオ記録媒体収録曲情報メモリ35に記録されている曲とを比較し、収録されていない曲を放送しているチャンネルを全て抽出し、その中から例えば利用者の好みのアーティストの曲を放送しているチャンネル等、各種の選択基準に従って任意のチャンネルを選択してこれを受信選択指示することもできる
【0042】
このような収録曲の選択は、実際には例えば図4に示すようにして行われる。即ち、図1に示すオーディオ記録媒体に収録されている曲が図4(a)に示すようなアーティストと曲名であり、このデータが前記ステップS4において図1のオーディオ記録媒体収録曲情報メモリ35に記録される。また、現在放送されているチャンネルの曲が同図(b)に示すようなアーティストと曲名であり、このデータが図1に示す実施例においてはチャンネル毎放送楽曲情報メモリ37に記録されている。
【0043】
このようなとき、例えば現在2チャンネルを選択している際に、放送されている曲、あるいは次に放送される曲がモーニング娘の「Loveマシーン」であるときには、この曲は既に同図(a)に示されるように収録されている曲であるので他のチャンネルの選択を行うこととなるが、その際に順にチャンネルを検索する方式によると次の3チャンネルを検索することとなる。この3チャンネルで放送される曲は宇多田ヒカルの「タイムリミット」であるので、この曲も同図(a)に示されるように収録されていることがわかる。次いでチャンネル4の選択を行うと、ここで放送される宇多田ヒカルの「はやとちり」は収録曲に存在しないので、このチャンネルの受信を行うこととなる。なお、最初に2チャンネルを受信していたとき、次に選択するチャンネルが1チャンネルであったときには、ここで放送されるサザンオールスターズの「TSUNAMI」は収録曲の中に存在しないので、このチャンネルが直ちに受信選択チャンネルとなる。
【0044】
なお、上記の例においてはチャンネルを順送りにして検索した例を示したが、図4(b)に示される現在放送している全ての曲について、同図(a)に示される曲に存在するか否かを一度に検索し、受信可能チャンネルの全ての中から任意の基準によって適切なチャンネルを選択することもできる。
【0045】
このようにして受信チャンネルが選択され、受信が開始されると、その後上記のようにして選択して受信している未収録曲の演奏が終了したか否かを判別する(ステップS11)。ここでその曲の演奏が終了しないと判別されたときには、利用者が放送受信中に例えばオーディオ装置の選択をラジオからCDに変更する等によりヘッドユニットへの接続の切り替えを行い、あるいはオーディオ装置の電源を切る等の操作を行った等により、利用者が放送の受信を終了する意志を示したか否かを判別する(ステップS14)。
【0046】
そのような操作が行われない場合はステップS11に再び戻って受信を継続する。また、ステップS11において未収録曲の演奏が終了したと判別されたときには、放送の受信を終了するか否かを判別し(ステップS12)、終了しないときには再びステップS6に戻って次に放送される楽曲の情報の取得から上記作動を繰り返す。また、前記ステップS12及びステップS14において受信終了の判別がなされたときには、この放送の受信を終了し、上記作動を終了する(ステップS15)。
【0047】
上記実施例においては、検出チャンネルの曲と同一曲が収録曲情報メモリに存在するときには、次のチャンネルを選択して受信する例を示したが、このようにチャンネルを順送りする以外に、同じジャンルの曲を放送しているチャンネルを順に選択してチェックしていくことも可能である。このとき、収録曲情報メモリにジャンルも記録しているときには、最も多く収録しているジャンルを利用者の好みのジャンルと推定し、そのジャンルを放送しているチャンネルについて順に選択していくこともできる。
【0048】
上記実施例は本発明の基本的な作動を示したものであるが、本発明は更に種々の態様で実施することができ、例えば図3に示す作動フローによって実施することもできる。図3に示す実施例においては、図2の作動フローにおけるステップ7迄は同一の作動を行い、以降を図3のステップS21から図示するようにして作動する。即ち、例えば前記図4(a)に示すようなオーディオ記録媒体の収録曲情報データの取り込みとメモリへの記録とが図2のステップS7以前で行われた後、利用者がアップ・ダウン選局の操作を行ったか否かを判別し、その操作を行わなかったときにはステップS27に進み、現在受信設定がなされているチャンネルを変更することなく、そのまま現在検出されているチャンネルの受信を継続する(ステップS28)。また、その操作を行ったときには前記図2の作動フローのステップS8と同様に、検出チャンネルの曲と同一曲が収録曲情報メモリにあるか否かの判別を行う(ステップS22)。なお、この実施例においてアップダウンキーの操作を検出した例を示しているが、通常の選局用キーの操作を検出しても同様に作動することができる。
【0049】
即ち、この実施例においては、直接受信局を指定するキースイッチの操作ではなく、アップ・ダウンキーによる選曲操作を行ったときには、利用者が現在受信しようとしている曲以外の何らかの曲を受信することを希望しているものと見なして本発明によるチャンネル選択処理を行うようにし、逆に、それ以外のときには本発明によるチャンネル選択処理を行わないようにして、通常の受信と同じ作動を行うようにしている。なお、上記アップ・ダウン選曲操作を行ったときには、実際に図1のチャンネル選択部7において次のチャンネルを選択した後に以下の作動を行っても良いが、このキースイッチ操作は単なる利用者のチャンネル変更の意志と見なし、実際にチャンネルの変更は下記の処理によって選択して行うようにすることもできる。
【0050】
次いで、ステップS22において検出チャンネルの曲と同一曲が収録曲情報メモリに存在すると判別されたときには、この実施例においては収録曲情報メモリにn曲以上収録しているアーティストがあるか否かを判別する(ステップS23)。
【0051】
ここで同じアーティストの曲が、例えば3曲以上のようにn曲以上あると判別されたときには、この利用者はこのアーティストの曲が好きであると判断し、そのアーティストの曲を放送しているチャンネルは存在するか否かをみる(ステップS24)。この作動は図1の放送楽曲情報検索部38がチャンネル毎放送楽曲情報メモリ37にそのアーティストが存在するか否かを検索することにより容易に行うことができる。前記図4に示す実例においては、同図(a)に示されるように宇多田ヒカルの曲が3曲収録されており、利用者は宇多田ヒカルの曲が好きであると判断し、同図(b)に示される現在放送されているチャンネルの中で宇多田ヒカルの曲を放送しているチャンネルの検索を行う。その結果3チャンネルと4チャンネルにおいて宇多田ヒカルの曲が現在放送されていることが検索される。
【0052】
このようにステップS24においてそのアーティストの曲を放送しているチャンネルがあると判別されたときには、そのチャンネルの選択を行うこととなるが、その際に前記図4に示す実例のように複数のチャンネルが存在するときには、その複数のチャンネルの中で収録されていない曲を放送しているチャンネルを選択する(ステップS25)。その結果図4の実例においては3チャンネルで放送している宇多田ヒカルの「タイムリミット」は収録されている曲であり、4チャンネルの「はやとちり」は収録されていない曲であるので4チャンネルが選択される。
【0053】
一方、前記ステップS23において収録曲情報メモリにn曲以上収録しているアーティストがないと判別されたとき、即ち利用者のお好みのアーティストが収録曲からは判別することができなかったときには、収録曲メモリに存在しない曲を放送しているいずれかのチャンネルを選択する(ステップS26)。また、前記ステップS24においてn曲以上収録しているアーティストはあるものの、そのアーティストの曲を放送しているチャンネルが存在しないときにも同様に、収録曲メモリに存在しない曲を放送しているいずれかのチャンネルを選択する(ステップS26)。
【0054】
上記ステップS25、ステップS26、ステップS27において各々選択したチャンネルは、ステップS28において受信作動が行われ、選択した曲の演奏が行われる。その後受信局の演奏は終了したか否かを判別し(ステップS29)、終了していないときには利用者によってアップ・ダウン選曲操作が行われたか否かを判別し、操作が行われないときには再びステップS29に戻って同様の操作を繰り返す。また、利用者がアップ・ダウン選曲操作を行ったときには利用者が現在の曲とは異なる曲を聴きたいと判断して、次のチャンネルを選択した後ステップS22に戻り、前記と同様のフローを繰り返す。ステップS29において受信局の演奏は終了したと判別されたときには、図2のステップS6に戻りこのチャンネルにおいて次に放送される楽曲の情報を取得する作動から同様の作動を繰り返す。
【0055】
上記のように、本発明におけるオーディオ放送を受信する際に常にパッケージメディアに収録されていない曲を受信するようにした機能は、オーディオ放送受信機において常に作動させる必要はなく、従来のオーディオ放送受信機の1機能として備え、前記のようなアップダウン選局操作を行ったとき、あるいは別途この機能を用いる設定操作を行ったとき等、利用者の任意の選択によりこの機能を用いるようにすることもできる。
【0056】
また、上記実施例では、デジタルオーディオ放送受信機として衛星放送や地上波デジタル放送等の無線通信によるデジタル放送受信機の例を示したが、今後普及が予想される電話回線や光ケーブル回線等を用いたインターネットによる各種形式のオーディオデータの放送にも適用することができ、更に本発明は上記のようなデジタル放送に限らず、現在放送されている曲の情報をリアルタイムで入手することができるならば、その他の各種のオーディオ放送に対しても適用することができる。
【0057】
また、オーディオ記録媒体が例えばMP3等により百数十曲程度記録したCD−Rのような場合に、特定のアーティストの曲をほとんど網羅して記録していることがほぼ間違いないと利用者がその旨の入力を行った場合には、デジタル放送受信機からそのアーティストの曲で未だ収録されていない曲が放送されたことこのオーディオ装置でを検出したときには、新曲が放送されている旨表示して、これを利用者に対して知らせることもでき、またこのオーディオプレーヤにオーディオデータ記録機能も備えているときには、そのデータを新曲として記録し録音することも可能となる。
【0058】
【発明の効果】
本発明に係るオーディオ装置は上記のように構成したので、オーディオ放送受信機とオーディオ記録媒体を再生するオーディオプレーヤを接続したオーディオ装置において、オーディオ放送受信機で受信した曲がオーディオ記録媒体に収録されている曲のときには自動的にチャンネルを変更することができ、また、変更したチャンネルにおいて放送されている曲がやはりオーディオ記録媒体に収録されている曲のときには更に他のチャンネルに変更することができるので、オーディオ放送では常にパッケージメディアに収録されていない曲を受信することができ、オーディオ放送を有効に活用することができる。
【0059】
また、本発明に係る他のオーディオ装置は、前記収録曲検索部において前記受信した曲が収録曲情報メモリに記録されていることを検出し、収録曲情報メモリに同一アーティストの曲が所定数以上収録され、前記アーティストの曲を放送しているチャンネルが存在するとき、前記受信チャンネル変更手段は当該チャンネルを選択するようにしたので、このオーディオ装置では利用者の好みのアーティストを知ることができ、且つその好みのアーティストの曲を優先して受信することができるので、利用者にとって利用しやすいオーディオ装置とすることができる。
【0060】
また、本発明に係る他のオーディオ装置は、利用者が前記受信機の選局用キーを操作したとき、前記受信チャンネル変更手段で前記受信チャンネルの変更を行うようにしたので、利用者が現在放送している曲は自分の好みではなく、他の曲を聴きたいという意思表示の操作である選局用キーの操作を検出することによって本発明の機能を行うことができ、利用者の意志に対応した適切な選曲を行うことができる。
【0061】
また、本発明に係る他のオーディオ装置は、オーディオ放送の複数のチャンネルで放送している曲の情報を記録するチャンネル毎放送楽曲情報メモリと、特定の曲が前記チャンネル毎放送楽曲情報メモリに記録されているか否かを検索する放送楽曲情報検索部とを備え、前記収録曲検索部で前記受信した曲が収録曲メモリに記録されていることを検出したとき、前記放送楽曲情報検索部で前記収録曲メモリに記録されていない曲を放送しているチャンネルを前記チャンネル毎放送楽曲情報メモリから検索し、前記受信チャンネル変更手段は当該チャンネルを選択するようにしたもの利用者が前記受信機の選局用アップダウンキーを操作したとき、前記受信チャンネル変更手段で前記受信チャンネルの変更を行うようにしたので、現在放送されているチャンネルの楽曲を一括してチャンネル毎放送楽曲情報メモリに記録しておくことができ、このデータを一括して検索することによりチャンネルを1つづつ順に変更して希望のチャンネルを検索するものよりも速やかに適切なチャンネルの選択を行うことができる。
【0062】
また、本発明に係る他のオーディオ装置は、前記オーディオ放送受信機においてデジタル放送を受信するようにしたので、極めて多数の番組が同時に放送されているデジタル放送の受信に対して特に有効に利用することができ、また各チャンネルで放送されている曲の情報を簡単に入手することができるので、本発明を容易に実行することができる。
【0063】
また、本発明に係る他のオーディオ装置は、前記オーディオ装置を車両に搭載したので、運転者が操作することが多い車両用オーディオ装置に対して本発明を適用することにより、運転者は格別の操作を行うことなく自動的に収録していない曲を聴くことができるので、安全運転に対する注意力が阻害されることが無くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施例の作動フロー図である。
【図3】本発明の他の実施例の作動フロー図である。
【図4】本発明の実例を示す図表であり、(a)はオーディオ記録媒体の収録曲の例を示し、(b)は放送中のチャンネルの放送楽曲情報の例を示す。
【図5】本発明のオーディオ装置で用いられる放送受信機とオーディオ記録媒体を再生するプレーヤで取り扱うデータの例を示し、(a)はデジタル放送のデータフォーマットを示し、(b)はプレーヤに圧縮オーディオを記録したオーディオ記録媒体における圧縮オーディオフォーマットを示す。
【符号の説明】
3 デジタル放送デコード部
4 番組付加情報データ
5 オーディオデータ
9 デジタルオーディオ放送受信機
10 オーディオプレーヤ
17 圧縮データデコード部
18 楽曲付加情報データ
19 オーディオデータ
24 システムコントローラ
28 ヘッドユニット
35 オーディオ記録媒体収録曲情報メモリ
36 収録曲検索部
37 チャンネル毎放送楽曲情報メモリ
38 放送楽曲情報検索部
Claims (6)
- オーディオ放送受信機とオーディオ記録媒体を再生するオーディオプレーヤとを接続したオーディオ装置において、
前記オーディオプレーヤに装填したオーディオ記録媒体の収録曲情報を記録する収録曲情報メモリと、
前記受信機で受信した曲が前記収録曲情報メモリに記録されているか否かを検索する収録曲検索部と、
前記収録曲検索部で前記受信した曲が収録曲メモリに記録されていることを検索したとき、前記受信機の受信チャンネルを変更する受信チャンネル変更手段を備えたことを特徴とするオーディオ装置。 - 前記収録曲検索部で前記受信した曲が収録曲情報メモリに記録されていることを検出し、収録曲情報メモリに同一アーティストの曲が所定数以上収録され、前記アーティストの曲を放送しているチャンネルが存在するとき、前記受信チャンネル変更手段は当該チャンネルを選択することを特徴とする請求項1記載のオーディオ装置。
- 利用者が前記受信機の選局用キーを操作したとき、前記受信チャンネル変更手段で前記受信チャンネルの変更を行うことを特徴とする請求項1記載のオーディオ装置。
- オーディオ放送の複数のチャンネルで放送している曲の情報を記録するチャンネル毎放送楽曲情報メモリと、
特定の曲が前記チャンネル毎放送楽曲情報メモリに記録されているか否かを検索する放送楽曲情報検索部とを備え、
前記収録曲検索部で前記受信した曲が収録曲メモリに記録されていることを検出したとき、前記放送楽曲情報検索部で前記収録曲メモリに記録されていない曲を放送しているチャンネルを前記チャンネル毎放送楽曲情報メモリから検索し、
前記受信チャンネル変更手段は当該チャンネルを選択することを特徴とする請求項1記載のオーディオ装置。 - 前記オーディオ放送受信機は、デジタル放送を受信することを特徴とする請求項1記載のオーディオ装置。
- 前記オーディオ装置を車両に搭載したことを特徴とする請求項1記載の車両用オーディオ装置。
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