JP4300462B2 - 情報記録再生方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は情報記録再生方法及び装置に係り、特に高速の誤り訂正を実現する情報記録再生方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、メモリカードにデータを記録する場合、物理的な記録領域を論理空間上に配置することで、効率的なデータ操作を可能にしている。物理的な領域を論理空間に対応させる方法として、図6に示すように物理的な構成単位(A,B,C,…)毎に論理アドレスを割り当てる方法が使用される。そして、メモリカードを使用する場合、最初にメモリカード内の全ての論理アドレスを読み出し、論理アドレスを物理アドレスに変換する論理/物理アドレス変換テーブルを作成することで、記録領域を論理空間に配置し、物理空間上で不連続に記録された集合を、仮想空間上で連続させるようにしている。
【0003】
ところで、メモリカードの製造時や使用中に記憶素子の一部が破損することがあり、その結果、メモリカードから読み出した論理アドレスが誤っている場合がある。
【0004】
従来、データや論理アドレスの誤りを検出及び訂正するために、図7に示すように物理空間の構成単位毎に、データ・付加情報・論理アドレスに対してリードソロモン符号のような誤り訂正符号を計算して冗長部に付加し、この誤り訂正符号により誤り訂正が行われている。
【0005】
また、特許文献1には、半導体メモリの誤りを訂正するために、1つのアドレスの1つのビットに対して3個以上の奇数個のメモリセルを割り当て、読み出し時に多数決判定によって誤りを訂正する技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−52697号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、論理アドレスの読み出しと論理/物理アドレス変換テーブルの作成は、高速に行う必要があるが、リードソロモン符号のような誤り訂正符号技術による復号には時間がかかるという問題がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、論理アドレス等の特定部分の情報を高速で誤り訂正することができる情報記録再生方法及び装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために請求項1に係る発明は、記録媒体の記録領域を物理的に小さいページに区分けするとともに、これらのページを複数ページまとめた物理的なブロックに区分けし、該ブロック毎に前記記録媒体に対する情報の記録再生を行う情報記録再生方法において、前記ブロック毎の情報の記録時に特定部分の情報であって、1ビットのパリティビットが付加された特定部分の情報を該ブロック内の各ページ毎に重複して記録し、前記記録媒体に記録された情報の再生時に前記ブロック内に重複して記録された複数の特定部分の情報のうちの1つの特定部分の情報を読み出すとともに該特定部分の情報の誤り検出をパリティチェックによって行い、前記特定部分の情報の誤りが検出されると、その誤りが検出されたブロック内に重複して記録された複数の特定部分の情報の多数決判定によって特定部分の誤り訂正を行うことを特徴としている。
【0010】
即ち、物理的なブロックに対する特定部分の情報を、そのブロック内の各ページにそれぞれ重複して記録しておき、前記特定部分の情報に誤りがあった場合には、そのブロック内に重複して記録された複数の特定部分の情報の多数決判定によって特定部分の情報の誤りを訂正するようにしている。尚、多数決判定は、リードソロモン符号のような誤り訂正符号技術による復号よりも短時間で行うことができる。
【0011】
請求項2に示すように請求項1の情報記録再生方法において、前記ページの情報毎に該情報に対する誤り訂正符号を付したことを特徴としている。これにより、特定部分以外の情報の誤り訂正も可能にしている。
【0013】
請求項3に示すように請求項1又は2の情報記録再生方法において、前記特定部分の情報は、論理アドレスである。論理/物理アドレス変換テーブルの作成時に論理アドレスを高速かつ大量に読む必要があるが、多数決論理により論理アドレスの訂正を可能にしたことで、高速に論理/物理アドレス変換テーブルを作成することができる。
【0014】
請求項4に係る発明は、記録媒体の記録領域を物理的に小さいページに区分けするとともに、これらのページを複数ページまとめた物理的なブロックに区分けし、該ブロック毎に前記記録媒体に対する情報の記録再生を行う情報記録再生装置において、前記記録媒体の未使用のブロックへの情報の記録時に該ブロック内の各ページ毎に特定部分の情報を重複して記録する記録手段であって、前記特定部分の情報について1ビットのパリティビットを演算し、該特定部分の情報にパリティビットを付加して記録する記録手段と、前記記録媒体に記録された情報の再生時に前記ブロック内に重複して記録された複数の特定部分の情報のうちの1つの特定部分の情報を読み出し、該特定部分の情報の誤り検出をパリティチェックにより行う誤り検出手段と、前記誤り検出手段による誤りが検出されると、その誤りが検出されたブロック内に重複して記録された複数の特定部分の情報をそれぞれ読み出し、複数の特定部分の情報の多数決判定によって特定部分の誤り訂正を行う誤り訂正手段と、を備えたことを特徴としている。
【0015】
請求項5に示すように請求項4の情報記録再生装置において、前記記録手段は、前記記録媒体に記録するページの情報毎に該情報に対する誤り訂正符号を計算し、該ページの情報とともに誤り訂正符号の冗長部を記録することを特徴としている。
【0018】
請求項6に示すように請求項4又は5の情報記録再生装置において、前記誤り訂正手段は、前記複数の特定部分の情報の各ビット毎に多数決判定し、ビット単位で誤り訂正を行うことを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る情報記録再生方法及び装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0020】
まず、本発明に係る情報記録再生方法の概要について説明する。
【0021】
メモリカード等の記録媒体の記録領域は、物理的に小さいページ(例えば、512バイト)に区分けされ、更に連続する複数ページの物理的なブロックに区分けされ、各ブロックには物理空間上のアドレス(物理アドレス)が割り当てられる。尚、記録媒体に対する情報の読み書きは、上記ブロック単位で行われる。
【0022】
本発明に係る各ページは、図1に示すようにデータ領域と付加情報領域と論理アドレス部と誤り訂正冗長部とから構成されている。データ領域には、本来のデータが格納され、論理アドレス部には、物理的な各ブロックを、論理空間上に配置するための論理アドレスとともに、その論理アドレスをパリティチェックするためのパリティビット(1ビットのデータ)が格納される。また、誤り訂正冗長部には、図7に示すように各ページ単位毎のデータ・付加情報・論理アドレスに対して計算されたリードソロモン符号が格納される。
【0023】
本発明では、図1に示すようにブロックの各ページに同一の論理アドレスを重複して書き込むようにしている。そして、論理/物理アドレス変換テーブルの作成時に、各ブロックの先頭ページの論理アドレス部から論理アドレス部分だけを読み出し、パリティチェックによってその論理アドレスの誤り検出を行い、誤りが検出された場合には、ブロック内の全てのページに記録された論理アドレスを読み出し、各ビットについて多数決判定を行って論理アドレスの誤りを訂正する。尚、ブロック内のページ数は、3以上の奇数ページが好ましいが、4以上の偶数ページでもよい。
【0024】
図2は本発明に係る情報記録再生装置の実施の形態を示す要部ブロック図である。この実施の形態の情報記録再生装置10は、メモリカード12に読み書きを行う電子機器(例えばデジタルカメラ、パーソナルコンピュータ等)に適用できるもので、主として制御回路14と、通信コネクタ16と、内部メモリ18と、リードソロモン符号化/復号化回路20とから構成されている。
【0025】
制御回路14は、メモリカード12、通信コネクタ16、内部メモリ18及びリードソロモン符号化/復号化回路20を統括制御するもので、通信コネクタ16を通じて外部からデータを入力すると、メモリカード14にデータを記録し、読み出し命令を受けると、メモリカード14からデータを読み出して出力する。尚、データの読み書き時の処理の詳細については後述する。
【0026】
リードソロモン符号化/復号化回路20は、メモリカード12へのデータ書込時に図7に示したようにデータ、付加情報及び論理アドレスを含む所定の単位の記録内容に対してリードソロモン符号を計算し、これを所定の単位の記録内容に付加し、一方、メモリカード12からのデータの読出時に所定の単位の記録内容毎にそれぞれ付加されたリードソロモン符号に基づいて誤り検出及び誤り訂正を行う。
【0027】
図3は本発明に係る情報記録再生方法による電源投入後の動作手順を示すフローチャートである。
【0028】
同図に示すように、機器の電源が投入されると、メモリカード12の記録領域を物理的に区分けされた各ブロックから論理アドレスを読み出し、この論理アドレスを物理アドレスに変換する論理/物理アドレス変換テーブルを作成する(ステップS10)。
【0029】
論理/物理アドレス変換テーブルの作成が終了すると、メモリカード12へのデータ書込要求や読出要求に応じて、前記作成した論理/物理アドレス変換テーブルを利用してデータの読み書き処理を行う(ステップS20、S30)。
【0030】
次に、電源投入直後の論理/物理アドレス変換テーブルの作成手順について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0031】
まず、電源が投入されると、メモリカード12の物理アドレスカウンタを0にセットする(ステップS11)。
【0032】
続いて、メモリカード12から物理アドレスカウンタのカウント値が示す記録領域(ブロック)の先頭ページの論理アドレス部に記録されたパリティビットを含む論理アドレスを読み出す(ステップS12)。
【0033】
読み出した論理アドレスのパリティチェックを行い、論理アドレスの誤り検出を行う。尚、パリティビットは1ビットであるため、論理アドレスの1ビットの誤りの検出が可能である。
【0034】
パリティチェックにより論理アドレスの誤りが検出されない場合には、ステップS16に飛び、誤りが検出されると、図1に示すように同一のブロック内の全てのページに重複して記録されている論理アドレスを全て読み出す(ステップS13)。そして、同一ブロック内に記録された複数の論理アドレスをビット単位で比較し、多数決判定によって論理アドレスの各ビットのデータ(即ち、論理アドレス)を決定する(ステップS16)。
【0035】
ステップS16では、誤りのない又は誤り訂正された論理アドレスを論理/物理アドレス変換テーブルに追加する。
【0036】
次に、物理アドレスカウンタのカウント値に1を加え(ステップS17)、そのカウント値に基づいてメモリカード12内の全てのブロックの論理アドレスを読み出したか否かを判別する(ステップS18)。全てのブロックの論理アドレスの読み出しが終了していない場合には、ステップS12に戻り、ステップS12からステップS17の処理を繰り返し、全てのブロックの論理アドレスの読み出しが終了している場合には、論理/物理アドレス変換テーブルの作成が終了する。
【0037】
上記のように電源投入直後の論理/物理アドレス変換テーブルの作成時に、リードソロモン符号に基づく誤り検出及び誤り訂正を行わずに、パリティチェックによって論理アドレスの誤り検出を行い、また、論理アドレスの誤りが検出された場合には、同一のブロックから読み出した複数の論理アドレスの多数決判定によって論理アドレスの訂正を行うようにしたため、高速に論理/物理アドレス変換テーブルを作成することができる。
【0038】
次に、メモリカード12へのデータ書込要求発生時の処理について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0039】
データ書込要求が発生すると、書込要求されたデータの書き込みに必要な未使用領域(即ち、データの書き込みに複数のブロックが必要な場合には、複数の未使用ブロック)がメモリカード12内に存在するか否かを判別する(ステップS21)。
【0040】
データの書込可能な未使用のブロックが存在する場合には、未使用のブロックを論理空間に配置し、そのブロックに論理アドレスを対応付けるとともに、論理アドレスのパリティビットを演算する(ステップS22)。続いて、図1に示したようにブロックの各ページにデータ・付加情報・論理アドレスを書き込みながら、データ・付加情報・論理アドレスに対してリードソロモン符号を計算し、各ページの冗長部にリードソロモン符号を書き込む(ステップS23、S24)。
【0041】
尚、ブロック内の各ページに書き込むパリティビット付きの論理アドレスは、同一アドレスである。また、書き込むデータのサイズにより、複数のブロックにわたって書き込む必要がある場合には、上記ステップS23からステップS24の処理をブロック単位で繰り返し行う。
【0042】
この実施の形態では、ブロック内の各ページに同一の論理アドレスを重複して書き込むようにしたが、重複して書き込む情報は論理アドレスに限らず、短い内容で高速かつ大量に読み込む必要がある他の情報でもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、物理的なブロックに対する特定部分の情報を、そのブロック内の各ページにそれぞれ重複して記録しておき、特定部分の情報に誤りがあった場合には、そのブロック内に重複して記録した複数の特定部分の情報の多数決判定によって特定部分の情報の誤りを訂正するようにしたため、論理アドレス等の特定部分の情報を高速で誤り訂正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る情報記録再生装置によってメモリカードに書き込まれるデータのデータ構造を示す図
【図2】本発明に係る情報記録再生装置の実施の形態を示す要部ブロック図
【図3】本発明に係る情報記録再生装置の電源投入後の動作手順の概略を示すフローチャート
【図4】本発明に係る情報記録再生装置の電源投入直後の論理/物理アドレス変換テーブルの作成手順を示すフローチャート
【図5】本発明に係る情報記録再生装置のメモリカードへのデータ書込要求発生時の処理を示すフローチャート
【図6】論理アドレスを使用した物理空間から論理空間への記録領域の配置を示す図
【図7】物理空間の構成単位のデータ構造を示す図
【符号の説明】
10…情報記録再生装置、12…メモリカード、14…制御回路、16…通信コネクタ、18…内部メモリ、20…リードソロモン符号化/復号化回路
Claims (6)
- 記録媒体の記録領域を物理的に小さいページに区分けするとともに、これらのページを複数ページまとめた物理的なブロックに区分けし、該ブロック毎に前記記録媒体に対する情報の記録再生を行う情報記録再生方法において、
前記ブロック毎の情報の記録時に特定部分の情報であって、1ビットのパリティビットが付加された特定部分の情報を該ブロック内の各ページ毎に重複して記録し、
前記記録媒体に記録された情報の再生時に前記ブロック内に重複して記録された複数の特定部分の情報のうちの1つの特定部分の情報を読み出すとともに該特定部分の情報の誤り検出をパリティチェックによって行い、
前記特定部分の情報の誤りが検出されると、その誤りが検出されたブロック内に重複して記録された複数の特定部分の情報の多数決判定によって特定部分の誤り訂正を行うことを特徴とする情報記録再生方法。 - 前記ページの情報毎に該情報に対する誤り訂正符号を付したことを特徴とする請求項1の情報記録再生方法。
- 前記特定部分の情報は、論理アドレスである請求項1又は2の情報記録再生方法。
- 記録媒体の記録領域を物理的に小さいページに区分けするとともに、これらのページを複数ページまとめた物理的なブロックに区分けし、該ブロック毎に前記記録媒体に対する情報の記録再生を行う情報記録再生装置において、
前記記録媒体の未使用のブロックへの情報の記録時に該ブロック内の各ページ毎に特定部分の情報を重複して記録する記録手段であって、前記特定部分の情報について1ビットのパリティビットを演算し、該特定部分の情報にパリティビットを付加して記録する記録手段と、
前記記録媒体に記録された情報の再生時に前記ブロック内に重複して記録された複数の特定部分の情報のうちの1つの特定部分の情報を読み出し、該特定部分の情報の誤り検出をパリティチェックにより行う誤り検出手段と、
前記誤り検出手段による誤りが検出されると、その誤りが検出されたブロック内に重複して記録された複数の特定部分の情報をそれぞれ読み出し、複数の特定部分の情報の多数決判定によって特定部分の誤り訂正を行う誤り訂正手段と、
を備えたことを特徴とする情報記録再生装置。 - 前記記録手段は、前記記録媒体に記録するページの情報毎に該情報に対する誤り訂正符号を計算し、該ページの情報とともに誤り訂正符号の冗長部を記録することを特徴とする請求項4の情報記録再生装置。
- 前記誤り訂正手段は、前記複数の特定部分の情報の各ビット毎に多数決判定し、ビット単位で誤り訂正を行うことを特徴とする請求項4又は5の情報記録再生装置。
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