JP4299481B2 - 電子部品製造装置用の集塵機構及び集塵方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品製造装置に使用される集塵機構及び集塵方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子部品製造装置用の集塵機構を、図2を参照して説明する。図2は、従来の電子部品製造装置用の集塵機構を示す部分断面図である。
図2において、装置21のチャンバ22内には、製造工程で発生した粉塵23が浮遊している。このような粉塵23は様々な不良の原因になるので、チャンバ22の内部から粉塵23を除去する必要がある。そこで、チャンバ23にダクト24が接続され、ダクト24は集塵機構25に接続されている。集塵機構25の内底部には集塵箱26が、取っ手27により引き出されることができるように設けられている。更に、集塵箱26の上方には、粉塵分離用のフィルタ28,ブロワ29が、それぞれ適当な空間をおいて設けられている。ブロワ29には排気管30が接続され、排気管30からは排気31が排出される。一方、集塵箱26には、粉塵23からなる滞留物32が溜まっている。
【0003】
従来の集塵機構は、ブロワ29により、フィルタ28,ダクト24を順次経由してチャンバ22内の雰囲気を吸引する。そして、粉塵23を含む雰囲気は、フィルタ28により粉塵と清浄な気体とに分離され、粉塵23は滞留物32として集塵箱26に滞留し、清浄な気体は排気31として排気管30から排出される。集塵箱26に滞留物32が溜まると、取っ手27により集塵箱26を引き出して滞留物32を捨て、からになった集塵箱26を再び集塵機構25に装着する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の集塵機構によれば、次のような問題がある。第1に、図2に示すように粉塵分離用のフィルタ28を使用しているので、フィルタ28が目詰まりした場合に、その交換や清掃等のメンテナンスが必要になる。第2に、集塵機構25を床置きにするので、ダクト24と排気管30とが長くなる。したがって、この部分で圧力損失が生じるので集塵効率が低下する。一方、圧力損失を防ぐために、集塵機構25を、装置21の上方、例えば装置21の天井に取り付けることも可能である。しかし、この場合には、フィルタ28の交換や集塵箱26の引き出し等のメンテナンスが困難になる。第3に、集塵効率はフィルタ28の面積に左右されるので、集塵機構25の専有面積を小さくすることができない。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、集塵効率の低下を防止し、メンテナンスが容易であるとともに、専有面積が小さい電子部品製造装置用の集塵機構及び集塵方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために、本発明に係る電子部品製造装置用の集塵機構は、電子部品製造装置が有するチャンバ内の粉塵を集めるとともに清浄な気体を排出する電子部品製造装置用の集塵機構であって、チャンバに連通するダクトと、ダクトが接続された粉塵分離器と、粉塵分離器によって分離された粉塵を所定の方向に案内する案内管と、粉塵が滞留する集塵箱と、粉塵分離器及びダクトを介してチャンバ内の雰囲気を吸引し、かつ、粉塵分離器から受け取った清浄な気体を排出する吸引機構とを備えるとともに、粉塵分離器は該粉塵分離器内における旋回気流による遠心力を使用して粉塵を分離することを特徴とする。
【0007】
これによれば、粉塵分離用のフィルタを使用せずに、粉塵分離器内における旋回気流が引き起こした遠心力により気体から粉塵が分離される。これにより、まず、フィルタの交換や清掃等のメンテナンスが不要になる。また、案内管を長くしても集塵効率が低下しないので、集塵箱を床置きにすることができる。したがって、集塵効率の低下を防止するとともに、集塵箱の脱着というメンテナンスを容易にすることができる。また、面積が集塵効率を左右するフィルタを使用しないので、集塵機構の専有面積を小さくすることができる。
【0008】
また、本発明に係る電子部品製造装置用の集塵方法は、電子部品製造装置が有するチャンバ内の粉塵を集めるとともに清浄な気体を排出する電子部品製造装置用の集塵方法であって、チャンバに連通するダクトを吸引することによりチャンバ内の雰囲気を粉塵分離器に吸入する工程と、粉塵分離器における旋回気流による遠心力を使用して雰囲気から粉塵を分離する工程と、粉塵が除去された清浄な気体を排出する工程とを備えたことを特徴とする。
【0009】
これによれば、粉塵分離用のフィルタを使用せずに、粉塵分離器内における旋回気流が引き起こした遠心力によって気体から粉塵を分離する。これにより、まず、フィルタの交換や清掃等のメンテナンスが不要になる。また、案内管を長くしても集塵効率が低下しないので、集塵箱を床置きにすることができる。したがって、集塵効率の低下を防止するとともに、集塵箱の脱着というメンテナンスを容易にすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る電子部品製造装置用の集塵機構を、図を参照して説明する。図1は、本発明に係る電子部品製造装置用の集塵機構を示す部分断面図である。
図1において、装置1は、半導体等の電子部品の製造工程で使用される電子部品製造装置であって、塗布装置、研磨装置、切断装置、ボンダ、樹脂封止装置等からなる電子部品製造装置である。装置1のチャンバ2内には、製造工程で発生した粉塵3が浮遊している。このような粉塵3は電子部品の製造工程において様々な不良の原因になるので、チャンバ2の内部から粉塵3を除去する必要がある。そこで、チャンバ2にダクト4が接続され、ダクト4は更にサイクロン分離器5に接続されている。サイクロン分離器5の下部には案内管6が接続され、案内管6の下部には集塵箱7が着脱自在に装着されている。そして、集塵箱7には、粉塵3からなる滞留物8が溜まっている。
【0011】
サイクロン分離器5の上部には、吸入管9が、先端がサイクロン分離器5の中間部まで届くようにして、装着されている。吸入管9は、装置1の上方に設けられた架台(図示なし)に設置されたブロワ10に接続されている。ブロワ10には排気管11が接続され、排気管11からは排気12が排出される。
旋回気流13は、サイクロン分離器5内で発生した渦巻き状の気流である。また、分離された粉塵14は、サイクロン分離器5内で、ダクト4を介して吸引されたチャンバ2内の雰囲気から取り出された粉塵である。
【0012】
本発明に係る電子部品製造装置用の集塵機構の動作を、図1を参照して説明する。まず、ブロワ10により、吸入管9,サイクロン分離器5,ダクト4を順次介して、チャンバ2内の雰囲気を吸引する。これにより、チャンバ2内の粉塵3は、サイクロン分離器5の内部に吸引される。
【0013】
次に、ダクト4を介して吸引された粉塵3は、サイクロン分離器5の内部で発生している旋回気流13が引き起こした遠心力によりサイクロン分離器5の内壁に沿って集められ、案内管6の中を落下していく。そして、粉塵3は、集塵箱7に案内されてその底部に溜まっていく。一方、粉塵3が分離された後の清浄な気体は、ブロワ10によって吸引され、吸入管9と排気管11とを順次経由して排気12として排出される。
【0014】
更に、分離された粉塵14からなる滞留物8が集塵箱7に溜まると、着脱自在に設けられた集塵箱7を取り外して滞留物8を捨て、からになった集塵箱7を再び案内管6に装着する。
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、粉塵分離用のフィルタを使用せずに、サイクロン分離器5の内部において旋回気流13が引き起こした遠心力により、吸入された気体から粉塵3が分離される。これにより、第1に、フィルタの交換や清掃等のメンテナンスが不要になる。第2に、案内管6の内部を粉塵3が落下するだけなので、案内管6を長くしても集塵効率が低下しない。したがって、ブロワ10を装置1の上方に設置して集塵箱7を床置きにすることができる。このことから、集塵効率の低下を防止するとともに、集塵箱7の脱着というメンテナンスを容易にすることができる。第3に、面積が集塵効率を左右する粉塵分離用のフィルタを使用しない。したがって、集塵機構の専有面積を小さくすることができる。
【0016】
なお、上述の説明では、サイクロン分離器5,案内管6,集塵箱7を、装置1の外部に設けた。これに限らず、サイクロン分離器5,案内管6,集塵箱7を、装置1の内部に設けることもできる。
【0017】
また、ブロワ10を、装置1の上方に設けられた架台に設置した。これに代えて、ブロワ10を、装置1の天井自体に設置することもできる。
【0018】
また、装置1の内部において下部にスペースがあれば、ブロワ10を装置1の底面に設置し、集塵箱7,案内管6,サイクロン分離器5を順次積み重ねて装置1の底面に設置することもできる。この場合には、吸入管9を適当に屈曲させてサイクロン分離器5とブロワ10とを接続すればよい。これにより、装置1の専有面積をいっそう小さくすることができるとともに、集塵機構の配置場所の自由度、ひいては装置1の設計の自由度が高まる。
【0019】
また、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に変更し、選択し、又は組み合わせて採用できるものである。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、粉塵分離用のフィルタを使用せずに、旋回気流による遠心力を使用して、吸引されたチャンバ内の雰囲気から粉塵を分離する。このことにより、第1に、フィルタを使用しないので、その交換や清掃等のメンテナンスが不要になる。第2に、案内管を長くしても、集塵効率が低下しない。したがって、吸引機構を電子部品製造装置の上方に設置して集塵箱を床置きにすることができる。このことから、集塵効率の低下を防止するとともに、集塵箱の脱着というメンテナンスを容易にすることができる。第3に、面積が集塵効率を左右する粉塵分離用のフィルタを使用しないので、集塵機構の専有面積を小さくすることができる。
したがって、本発明は、集塵効率の低下を防止し、メンテナンスが容易であるとともに、専有面積が小さい、電子部品製造装置用の集塵機構及び集塵方法を提供できるという優れた実用的な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電子部品製造装置用の集塵機構を示す部分断面図である。
【図2】 従来の電子部品製造装置用の集塵機構を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 装置(電子部品製造装置)
2 チャンバ
3 粉塵
4 ダクト
5 サイクロン分離器(粉塵分離器)
6 案内管
7 集塵箱
8 滞留物
9 吸入管
10 ブロワ
11 排気管
12 排気
13 旋回気流
14 分離された粉塵
Claims (2)
- 電子部品製造装置が有するチャンバ内の粉塵を集めるとともに清浄な気体を排出する電子部品製造装置用の集塵機構であって、
前記チャンバに連通するダクトと、
前記ダクトが接続された粉塵分離器と、
前記粉塵分離器により分離された粉塵を所定の方向に案内する案内管と、
前記粉塵が滞留する集塵箱と、
前記粉塵分離器及びダクトを介して前記チャンバ内の雰囲気を吸引し、かつ、前記粉塵分離器から受け取った清浄な気体を排出する吸引機構とを備えるとともに、
前記粉塵分離器は、該粉塵分離器内における旋回気流による遠心力を使用して前記粉塵を分離することを特徴とする電子部品製造装置用の集塵機構。 - 電子部品製造装置が有するチャンバ内の粉塵を集めるとともに清浄な気体を排出する電子部品製造装置用の集塵方法であって、
前記チャンバに連通するダクトを吸引することにより前記チャンバ内の雰囲気を粉塵分離器に吸入する工程と、
前記粉塵分離器における旋回気流による遠心力を使用して前記雰囲気から前記粉塵を分離する工程と、
前記粉塵が除去された清浄な気体を排出する工程とを備えたことを特徴とする電子部品製造装置用の集塵方法。
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