JP4299234B2 - 近視を治療するための漢方薬組成物及びその製造方法 - Google Patents
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現在では、西洋医学は青少年の近視に対して、眼鏡で視力を矯正する他に、有効な治療法はまだできない。眼鏡は視力を矯正し、屈折度を調整することができるが、目自身を治療することはなく、必要とする眼鏡の度数が時間につれて上昇し、近視が進むことを防止することができない。
1.漢方薬の経口投与で治療する方法
献1参照)。
(2)補陰壮陽法において、方剤として補陰壮陽湯を用いる。
(3)益気定志法において、方剤として加味定志丸を用いる。
(4)益気安神法において、方剤として加味補心湯を用いる。
(5)舒肝明目法において、方剤として加味舒肝明目湯を用いる。
(6)温補命門法において、方剤として加味補腎丸を用いる。
現在では、市販の近視を治療するための目薬剤の種類が多い。
効果が見られた報告が以下の通りである。
河北医学院付属第二医院は10%紅花の目薬で青少年の近視を治療している(非特許文献2参照)。
上海市閘北区目病防治組は「夏天無目薬」で(非特許文献3参照)、朱有章等は近視1号、11号目薬で(非特許文献4参照)青少年の近視を治療している。
またテトラメチルピラジン塩目薬、塩酸イソコリジン目薬膏等で近視を治療することも報告されている。
針刺激治療法としては、商景珊は漢方薬貼り耳針で(非特許文献5参照)、江洋は腕踝針で(非特許文献6参照)、中医研究院針灸研究所は梅花針で経穴と体表特定部位を叩くことで、梁戴は針刺晴明穴で(非特許文献7参照);鐘梅泉は電梅花針で“正光”穴等を叩くことで(非特許文献8参照)、近視を治療することが報告されている。
前記療法の以外に、貼圧耳穴法もある。
文献11参照)、張正賢等は経穴を按摩した後漢方薬で(非特許文献12参照)、近視を治療することもある。
張正賢の方法では長期間効果が持続すると報道された。
その方法は以下のステップを備えている。
子、茯苓、牛夕、桃仁、紅花、目草それぞれ1.1〜2部を粉砕し、脱イオン水で3時間浸漬し、3回煎薬して、毎回45〜50分、不溶物を濾過して、3回の煎出液を併合し、混合、静置、沈降、濾過、濃縮してエキスが得られる。
(2)人参、鹿茸をそれぞれ2〜2.5部取って、単独に煎薬して、三回煎薬後、不溶物を濾過して、前記煎出液と併合して濃縮する。
(3)乳香、没薬それぞれ3〜3.5部、龍骨2部、磁石1部、丁香、木香、没香、蘇合香それぞれ1.5〜2部、真珠2〜2.5部、麝香、牛黄、熊胆それぞれ1.2〜1.8部、松香20〜25部を取って、一緒に極細な粉末に研磨して、120メッシュの篩をパスした粉末材料が得られる。
(4)樟丹80〜85部、香油120〜130部を取って、煉薬する。
まず、220〜320℃で香油を滴下するとビードの状態になるまで、樟丹を入れて、316℃で油脂酸化重合反応をさせ、脂肪酸鉛塩になってエキスが得られる。エキスを150℃に降温後、徐々に冷水に入れて、火毒を除く。
(5)火毒を除いたエキスを、水煎出液濃縮エキスと混合し、100〜120℃にて、エキス中の水を除く。
(6)粉末材料と蘇合香油を、水を除いたエキスに入れて、均一に混合する。混合温度は65〜70℃である。
(7)前記エキスを丸剤に製造する。直径は7mm、重さは0.55g、軟化点は55℃である。
また、視力を改善、向上し、さらに正常に回復する。
この千里明目膏は、仮性近視を治療するための有効な漢方薬剤である。
それは外用経穴を按摩する硬膏剤を用いるものであって、経穴を按摩して、薬が経穴に刺激することによって、経穴の気を激発して、最適な薬の効用と両向調節作用を発揮させて、血液循環を促進する。
学生の目保健体操に配合して使って、不適感を解消させ、青少年に適用する。さらに療効も良いし、治療時間が短くて、効果が速く見られる。
また、治療後、長時間効果が持続し、副作用もない。
経口投与で、臨床の効果は良いが、湯薬と丸剤は時々胃腸に刺激があり、湯薬のため煎じることは手数がかかり、中小学生への用法としては適切でない。
今までの各地の近視を治療する資料を見れば、中医治療方法が多いが、使い難い、効果が持続しない、または視力が安定ではない。したがって、使い易く、効果が続き、新規な近視を治療する薬を開発することが要望されている。
一方、千里明目膏の製造方法が開示されているが、この目膏の漢方薬の種類が多く、53種類の漢方薬を用いることから、コストが高い。そして、水で有効成分を抽出することから、有機溶媒に溶ける有効成分を抽出し難い。
00〜380重量部、真珠100〜150重量部、乳香150〜240重量部、木香200〜280重量部、没薬100〜200重量部及び医学上許可される賦形剤からなることを特徴とする、近視を治療するための漢方薬組成物である。
請求項2に係る発明は、剤型が軟膏剤、硬膏剤、薬膜剤のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載する近視を治療するための漢方薬組成物である。
請求項3に係る発明は、メチルアクリル酸ポリマー40000〜80000重量部、トリエチルクエン酸エステル4000〜6000重量部、体積比1:1のエタノールとアセトンとの混合液80000〜100000体積単位との混合物を賦形剤とすることを特徴とする、請求項1又は2に記載する近視を治療するための漢方薬組成物である。
請求項4に係る発明は、エタノールが95〜100重量%のエタノールであることを特徴とする、請求項3に記載する近視を治療するための漢方薬組成物である。
請求項5に係る発明は、以下のステップを備えることを特徴とする、近視を治療するための漢方薬組成物の製造方法である。
重量部、麝香10〜40重量部、人参150〜240重量部、菊花300〜380重量部、真珠100〜150重量部、乳香150〜240重量部、木香200〜280重量部、没薬100〜200重量部及び医学上許可される賦形剤を準備する。
し、0.5〜3時間還流抽出し、これを2〜3回繰返す。
3)還流抽出したエタノール抽出液を合併して、60〜70℃で、相対密度1.30〜1.32のエキスになるまで減圧濃縮する。
4)相対密度1.30〜1.32のエキスを40〜60℃で乾燥、粉砕し、200〜240メッシュの篩をパスしたエキス粉末を得る。
5)熊胆の粉末、真珠、麝香、乳香、没薬を−10〜−15℃で粉砕し、240〜300メッシュの篩をパスした超微細な粉末を得る。
6)得られたエキス粉末と前記超微細な粉末を混合して、混合粉末を得る。
7)前記混合粉末に医学上許可される賦形剤を添加して、漢方薬組成物の軟膏剤、硬膏剤、薬膜剤のいずれかに製造する。
請求項6に係る発明は、添加されたエタノール溶液が、40〜60重量%のエタノール溶液であることを特徴とする、請求項5に記載する近視を治療するための漢方薬組成物の製造方法である。
請求項7に係る発明は、還流抽出2回、毎回1〜2時間であることを特徴とする、請求項5に記載する近視を治療するための漢方薬組成物の製造方法である。
請求項8に係る発明は、賦形剤が、メチルアクリル酸ポリマー40000〜80000重量部、トリエチルクエン酸エステル4000〜6000重量部、体積比1:1のエタノールとアセトンとの混合液80000〜100000体積単位の混合物であり、メチルアクリル酸ポリマーを体積比1:1のエタノールとアセトンとの混合液で12〜36時間浸漬した後、トリエチルクエン酸エステルを添加して、25〜35℃にて溶解し、混合粉末を添加し、均一に混合して、黄色粘稠液体とし、塗布後、50〜65℃にて乾燥し、粘着防止層を被覆して、適用量に従って薬膜剤にカットすることを特徴とする、請求項5に記載する近視を治療するための漢方薬組成物の製造方法である。
本発明の漢方薬組成物の治療効果が従来の千里明目膏と同じか、さらにそれより良い。
本発明の製造方法によれば、水にとける薬物の有効成分だけでなく有機溶媒にとける薬物の有効成分もよく抽出できる。
150〜240重量部、菊花300〜350重量部、真珠100〜150重量部、乳香150〜240重量部、木香200〜280重量部、没薬100〜200重量部及び医学上許可される賦形剤で製造した漢方薬組成物製剤である。
前記重量部ついては、銭、g、市両、市斤、キロg、トン等である。
前記体積単位については、ミリリットル、リットル等である。
前記エタノールについては、95〜100重量%のエタノールである。
さらに前記混合粉末をメチルアクリル酸ポリマーとトリエチルクエン酸エステルとの溶液に入れて、黄色粘稠液体とし、塗布、乾燥して、近視を治療するための漢方薬組成物の貼膏薬膜剤に成る。
熊胆は、熊科動物Ursus arctos Lまたは黒熊Selenarctos Thibetanus Cuvierの乾燥胆嚢である。主にタウロウルソデスオキシコール酸、ケノデオキシコール酸及びコール酸、コレステロール、胆汁色素、アミノ酸を含む。
現在では人工麝香を使う。
麝香(一般的に人工麝香を使う)10〜40重量部、人参150〜240重量部、菊花(杭州産菊花、杭菊花)300〜380重量部、真珠100〜150重量部、乳香150〜240重量部、木香200〜280重量部、没薬100〜200重量部及び医学上許可される賦形剤を準備する。
総重量の4〜8倍である。0.5〜3時間還流抽出して、その条件で2〜3回還流抽出する。
3)エタノール抽出液を合併して、60〜70℃で、相対密度1.30〜1.32のエキスになるまで減圧濃縮する。
4)相対密度1.30〜1.32のエキスを40〜60℃で乾燥、粉砕し、200〜240メッシュの篩をパスして、エキス粉末を得る。
5)熊胆、真珠、麝香、乳香、没薬を−10〜−15℃で粉砕し、240〜300メッシュの篩をパスして、超微細粉末を得る。
エキス粉末と超微細粉末を混合して混合粉末を得る。
6)混合粉末に医学上許可される賦形剤添加して、漢方薬組成物の軟膏剤、硬膏剤、薬膜剤のいずれかに形成する。
メチルアクリル酸ポリマーを体積比1:1のエタノールとアセトンとの混合液で12〜36時間浸漬した後、トリエチルクエン酸エステルを添加して、25〜30℃で溶解して、混合粉末を添加、均一に混合し、黄色粘稠液体にし、塗布し、50〜60℃で乾燥し、粘着防止層で被覆して、適用量に従って割って、薬膜剤にする。最後に包装する。
実施例1
本実施例の近視を治療するための漢方薬組成物の原料として、熊胆の粉末40g、黄蓍
40g、真珠125g、乳香195g、木香(雲木香)240g、没薬150gを使用し、賦形剤として、メチルアクリル酸ポリマー60000g、トリエチルクエン酸エステル5000g、体積比1:1のエタノールとアセトンとの混合液90000mlを使用する。前記エタノールについては、98重量%のエタノール水溶液である。最後に薬膜剤を製造した。
製造方法は以下である。
195g、菊花(杭菊花)340g、真珠125g、乳香195g、木香240g、没薬150g、メチルアクリル酸ポリマー60000g、トリエチルクエン酸エステル5000g、体積比1:1のエタノールとアセトンとの混合液10000mlを原料として準備した。
量の6倍である。2時間還流抽出して、エタノール抽出液を濾過して、さらに同量のエタノールを添加して、0.5時間還流抽出した。
3)エタノール抽出液を合併して、65℃で、相対密度1.31のエキスになるまで減圧濃縮した。
4)相対密度1.31のエキスを50℃で乾燥、粉砕し、200メッシュパスしたエキス粉末を得た。
5)熊胆、真珠、麝香、乳香、没薬を−14℃で粉砕し、300メッシュパスした超微細粉末を得た。
6)エキス粉末と超微細粉末を混合して混合粉末を得た。
7)メチルアクリル酸ポリマーを体積比1:1のエタノール(薬用)とアセトン(薬用)との混合液90000ml(用いられたエタノールは98重量%のエタノールである)で24時間浸漬した後、5000gトリエチルクエン酸エステルを添加して、30℃にて溶解した後、混合粉末を添加、均一に混合し、黄色粘稠液体にして、塗布し、60℃にて乾燥し、粘着防止層で被覆して、薬膜剤にカットした。
製造プロセスは大体実施例1と同じである。
50g、菊花300g、真珠100g、乳香150g、木香200g、没薬100g、メチルアクリル酸ポリマー40000g、トリエチルクエン酸エステル4000g、体積比1:1のエタノールとアセトンとの混合液80000mlを用いる。前記エタノールについては、95重量%のエタノール水溶液である。
の4倍である。1.5時間還流抽出した後、さらに前記量のエタノールを添加し、エタノール抽出液を濾過して、0.5時間還流抽出する。2回のエタノール抽出液を合併して、60℃で、相対密度1.30のエキスになるまで減圧濃縮する。相対密度1.30のエキスを40℃で乾燥、粉砕し、200メッシュパスしたエキス粉末を得た。熊胆、真珠、麝香、乳香、没薬を−10℃で粉砕し、240メッシュパスした超微細粉末を得た。エキス粉末と超微細粉末混合して混合粉末を得た。メチルアクリル酸ポリマーを体積比1:1のエタノール(95重量%のエタノール)とアセトンとの混合液80000mlで12時間浸漬した後、4000gトリエチルクエン酸エステルを添加して、25℃にて溶解し、混合粉末を添加し、50℃にて乾燥し、薬膜剤が得られた。
製造プロセスは大体実施例1と同じである。原料としては、熊胆の粉末60g、黄蓍4
香240g、木香280g、没薬200g、メチルアクリル酸ポリマー80000g、トリエチルクエン酸エステル6000g、体積比1:1のエタノールとアセトンとの混合液100000mlを用いる。用いられたエタノールについては、100重量%のエタノール水溶液である。
の8倍である。3時間還流抽出して、さらに同量のエタノールを添加して、1時間還流抽出して、さらに同量のエタノールを添加して、0.5時間還流抽出する。3回のエタノール抽出液を合併して、70℃で、相対密度1.32のエキスになるまで減圧濃縮する。相対密度1.32のエキスを60℃で乾燥、粉砕し、240メッシュパスしたエキス粉末を得た。熊胆の粉末、真珠、麝香、乳香、没薬を−15℃で粉砕し、300メッシュパスした超微細粉末を得た。エキス粉末と超微細粉末混合して混合粉末を得た。メチルアクリル酸ポリマーを体積比1:1のエタノール(100重量%のエタノール)とアセトンとの混合液100000mlで36時間浸漬した後、6000gトリエチルクエン酸エステルを添加して、35℃にて溶解し、混合粉末を添加し、65℃にて乾燥して、薬膜剤が得られた。
(1)一つ治療コースは一ヶ月であって、試験組は本発明薬膜剤を使って、対照組は千里明目膏を使う。
(2)試験対象は小学5年生、中学2年生、12〜16歳である。
(3)試験項目はA主観症状、B視力、C屈折度である。
(4)試験組は150人、300目であって;対照組は75人、150目である。
人体臨床試験の結果は以下である。
Claims (8)
- 剤型が軟膏剤、硬膏剤、薬膜剤のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載する近視を治療するための漢方薬組成物。
- メチルアクリル酸ポリマー40000〜80000重量部、トリエチルクエン酸エステル4000〜6000重量部、体積比1:1のエタノールとアセトンとの混合液80000〜100000体積単位との混合物を賦形剤とすることを特徴とする、請求項1又は2に記載する近視を治療するための漢方薬組成物。
- エタノールは95〜100重量%のエタノールであることを特徴とする、請求項3に記載する近視を治療するための漢方薬組成物。
- 以下のステップを備えることを特徴とする、近視を治療するための漢方薬組成物の製造方法。
重量部、麝香10〜40重量部、人参150〜240重量部、菊花300〜380重量部、真珠100〜150重量部、乳香150〜240重量部、木香200〜280重量部、没薬100〜200重量部及び医学上許可される賦形剤を準備する。
し、0.5〜3時間還流抽出し、これを2〜3回繰返す。
3)還流抽出したエタノール抽出液を合併して、60〜70℃で、相対密度1.30〜1.32のエキスになるまで減圧濃縮する。
4)相対密度1.30〜1.32のエキスを40〜60℃で乾燥、粉砕し、200〜240メッシュの篩をパスしたエキス粉末を得る。
5)熊胆の粉末、真珠、麝香、乳香、没薬を−10〜−15℃で粉砕し、240〜300メッシュの篩をパスした超微細な粉末を得る。
6)得られたエキス粉末と前記超微細な粉末を混合して、混合粉末を得る。
7)前記混合粉末に医学上許可される賦形剤を添加して、漢方薬組成物の軟膏剤、硬膏剤、薬膜剤のいずれかに製造する。 - 添加されたエタノール溶液が、40〜60重量%のエタノール溶液であることを特徴とする、請求項5に記載する近視を治療するための漢方薬組成物の製造方法。
- 還流抽出2回、毎回1〜2時間であることを特徴とする、請求項5に記載する近視を治療するための漢方薬組成物の製造方法。
- 賦形剤が、メチルアクリル酸ポリマー40000〜80000重量部、トリエチルクエン酸エステル4000〜6000重量部、体積比1:1のエタノールとアセトンとの混合液80000〜100000体積単位の混合物であり、メチルアクリル酸ポリマーを体積比1:1のエタノールとアセトンとの混合液で12〜36時間浸漬した後、トリエチルクエン酸エステルを添加して、25〜35℃にて溶解し、混合粉末を添加し、均一に混合して、黄色粘稠液体とし、塗布後、50〜65℃にて乾燥し、粘着防止層を被覆して、適用量に従って薬膜剤にカットすることを特徴とする、請求項5に記載する近視を治療するための漢方薬組成物の製造方法。
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