JP4299135B2 - ラマン分光分析法によるポリマーの性質のオンライン測定及び制御 - Google Patents

ラマン分光分析法によるポリマーの性質のオンライン測定及び制御 Download PDF

Info

Publication number
JP4299135B2
JP4299135B2 JP2003544430A JP2003544430A JP4299135B2 JP 4299135 B2 JP4299135 B2 JP 4299135B2 JP 2003544430 A JP2003544430 A JP 2003544430A JP 2003544430 A JP2003544430 A JP 2003544430A JP 4299135 B2 JP4299135 B2 JP 4299135B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
principal component
sample
raman
reactor
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003544430A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005509851A (ja
Inventor
ロング、ロバート・エル
マロウ、ディビッド・ジー
Original Assignee
エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク filed Critical エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク
Publication of JP2005509851A publication Critical patent/JP2005509851A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4299135B2 publication Critical patent/JP4299135B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J8/00Chemical or physical processes in general, conducted in the presence of fluids and solid particles; Apparatus for such processes
    • B01J8/18Chemical or physical processes in general, conducted in the presence of fluids and solid particles; Apparatus for such processes with fluidised particles
    • B01J8/1809Controlling processes
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/28Investigating the spectrum
    • G01J3/44Raman spectrometry; Scattering spectrometry ; Fluorescence spectrometry
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/0006Controlling or regulating processes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F10/00Homopolymers and copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F210/00Copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F210/16Copolymers of ethene with alpha-alkenes, e.g. EP rubbers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/63Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
    • G01N21/65Raman scattering
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2208/00Processes carried out in the presence of solid particles; Reactors therefor
    • B01J2208/00796Details of the reactor or of the particulate material
    • B01J2208/00946Features relating to the reactants or products
    • B01J2208/00955Sampling of the particulate material, the reactants or the products
    • B01J2208/00964Reactants
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2400/00Characteristics for processes of polymerization
    • C08F2400/02Control or adjustment of polymerization parameters

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

発明の詳細な説明
本発明は、2001年11月9日に出願された米国暫定特許出願第60/345,337号の利益を享受するものであり、その開示を全体として引用により本明細書に組み込む。
発明の分野
本発明は、一般的に、重合反応器系においてオンラインでポリマーの性質を測定し、重合反応を制御するために、それらの測定された性質を用いる方法に関する。特に、本発明は、ラマン分光分析法を用いてオンラインで、メルトインデックス及び密度のようなポリオレフィンの性質を測定する方法、及びラマン分光測定により提供されるリアルタイムのオンラインのポリマー性質データーを用いて反応器を制御する方法を提供する。
背景
モノマー、特にオレフィンモノマーの単独重合及び共重合のための気相法は、本技術分野でよく知られている。そのような方法は、例えば、一種又は複数種の気体モノマーを、樹脂粒子及び触媒の攪拌床及び/又は流動床に導入することにより行われ得る。
オレフィンの流動床重合において、重合は、流動床反応器において行われ、ポリマー粒子の床は、気体の反応モノマーを含む上昇する気体流れの手段により流動状態で維持される。攪拌床反応器におけるオレフィンの重合は、その床の流動化に寄与する反応域内の機械的攪拌機の作用によって、気体流動床反応器における重合とは異なる。本明細書で用いられているように、「流動床」という用語は、攪拌床法及び攪拌床反応器も包含する。
流動床反応器の操作開始は、一般的に、予備成形されたポリマー粒子の床を用いる。重合過程の間に、新しいポリマーは、モノマーの触媒による重合により得られ、ポリマー生成物は、一定の容量においてその床を維持するために取り出される。工業的に有利な方法は、流動する気体をその床に分布させるために、及び気体の供給が中断されるときに、その床のための支持体として作用するために、流動化グリッドを用いる。一般的には、生成されたポリマーは、反応器のより低い部分であり流動化グリッド付近に配置された一つ以上の排出導管により反応器から取り出される。流動床は、成長するポリマー粒子、ポリマー生成物粒子及び触媒粒子の床を含む。その反応混合物は、添加される組成モノマーとともに、反応器の頂部から取り出される再循環気体を含む流動する気体の、反応器の底からの上部への連続的流れにより流動化条件に維持される。
その流動する気体は、反応器の底に入り、好ましくは流動化グリッドを通って、流動床を上部に進む。
オレフィンの重合は、発熱反応であり、従って、重合の熱を除去するために、その床を冷却する必要がある。そのような冷却の不存在下では、床は、例えば触媒が不活性になるか又はポリマー粒子が融解し、融合するまで、温度の上昇をする。
オレフィンの流動床重合において、重合の熱を除去する典型的な方法は、望ましい重合温度より低い温度における、流動する気体のような冷却気体を流動床に通過させ、重合の熱を連行させることによる。その気体は、反応器から除去され、外部の熱交換器を通過させることにより冷却させ、その床に再循環させる。
望ましい重合温度に流動床を維持するために、再循環気体の温度は、熱交換器において調整され得る。α−オレフィンを重合するこの方法において、再循環気体は、任意に、例えば、不活性希釈気体、又は水素のような気体連鎖移動剤とともに、一般的に、一つ以上のモノマーオレフィンを含む。このように、再循環気体は、床を流動化し、その床を望ましい温度範囲内に維持するためにモノマーを床に供給する役割をする。重合反応の過程においてポリマーへの変換により消費されるモノマーは、通常、組成モノマーを再循環気体流れに添加することにより置換される。
反応器を出る物質には、ポリオレフィン、及び未反応モノマー気体を含有する再循環流れが含まれる。重合の後に、ポリマーは回収される。望ましい場合、再循環流れは、圧縮され、冷却され、供給原料成分と混合され得て、その後に、気相及び液相は反応器に戻される。
重合法は、チーグラー・ナッタ及び/又はメタロセン触媒を用い得る。種々の気相重合法が知られている。例えば、米国特許第4,543,399号及び第4,588,790号に記載されているように、再循環流れは、露点未満の温度に冷却され得て、再循環流れの一部を凝縮させる。液体の再循環流れへの又はそのプロセス中の反応器への意図的導入は、一般的に「凝集されたモード」操作と称される。
流動床反応器及びそれらの操作の更なる詳細は、例えば、米国特許第4,243,619号、第4,543,399号、第5,352,749号、第5,436,304号、第5,405,922号、第5,462,999号及び第6,218,484号に開示されており、その開示を引用により本明細書に組み込む。
反応器において製造されるポリマーの性質は、温度、モノマー供給速度、触媒供給速度及び水素ガス濃度のような種々の操作パラメーターにより影響を受ける。メルトインデックス及び密度のような性質の望ましい組み合わせを有するポリマーを製造するために、反応器を出るポリマーのサンプルを採取し、そのポリマーを特徴付けるために実験室測定を行う。ポリマーの性質の1つ以上が望ましい範囲外にあることが見出された場合、重合条件は調整され、ポリマーのサンプルが再採取される。しかし、サンプリング、及びメルトインデックス、分子量分布及び密度のようなポリマーの性質の実験室試験は時間がかかるので、この周期的なサンプリング、試験及び調整は緩慢であり望ましくない。結果として、従来の方法は、手動による試験及び制御が重合条件を有効に調整し得る前に、多量の「仕様書外の」ポリマーを製造してしまう。それは、特定のグレードの樹脂の製造の間及びグレード間の移行工程の間に生じる。
特定のポリマーの性質の迅速な評価及び重合条件の迅速な調整を提供することを試みる方法は開発されている。PCT特許出願公開WO01/09201及びWO01/09203は、スラリー反応器における成分の濃度を決定するために、主成分分析(PCA)及び部分最小二乗法を用いるラマンに基づく方法を開示している。エチレン又はヘキセンのような特定の成分の濃度は、その成分に相当する公知のラマンピークの測定に基づいて決定される。米国特許第5,999,255号には、ポリマーサンプルのラマンスペクトルの一部を測定し、ラマンスペクトルからの予め選ばれたスペクトル特徴の値を決定し、その決定された値を参照値と比較することにより、ポリマーサンプル、好ましくはナイロン、の物理的性質を測定する方法が開示されている。この方法は、ポリマーの、NH又はメチルのような特定された官能基に相当する予め選ばれたスペクトル特徴の特定及びモニタリングによる。
他の背景情報は、米国特許第6,144,897号及び第5,151,474号、欧州特許EP0561078号、PCT公開WO98/08066並びにArdell,G.G.らによる“Model Prediction for Reactor Control”、Chemical Engineering Progress、American Institute of Chemical Engineers, U.S.、79巻、6号、1983年6月1日、77乃至83頁(ISSN 0360−7275)に見出され得る。
流動床重合反応器においてオンラインでのメルトインデックス、密度及び分子量分布のようなポリマーの性質を決定する方法を有することが望ましい。又、ポリマーの性質のオンラインでの迅速な決定に基づいて、望ましいポリマーの性質を維持するために気相流動床反応器を制御する方法を有することが望ましい。
発明の概要
一つの面において、本発明は、重合反応器系においてポリマーの性質を決定する方法を提供する。本方法は、ポリマーの性質を決定するための、主成分ローディングと主成分スコアを含む回帰モデルを得る段階、ポリオレフィンを含有するポリオレフィンのサンプルのラマンスペクトルを得る段階、ラマンスペクトルの少なくとも一部及び新しい主成分ローディングから新しい主成分スコアを算出する段階、及び新しい主成分スコアを回帰モデルに適用することによりポリマーの性質を算出する段階を含む。
他の面において、本発明は、重合反応器系中のポリマーの性質を制御する方法を提供する。本方法は、ポリマーの性質を決定するための、主成分ローディングと主成分スコアを含む回帰モデルを得る段階、ポリオレフィンを含有するポリオレフィンサンプルのラマンスペクトルを得る段階、ラマンスペクトルの少なくとも一部及び新しい主成分ローディングから新しい主成分スコアを算出する段階、新しい主成分スコアを回帰モデルに適用することによりポリマーの性質を算出する段階、及び算出されたポリマーの性質に基づいて、少なくとも一つの重合パラメーターを調整する段階を含む。特定の態様において、その少なくとも一つの重合パラメーターは、例えば、モノマー供給速度、コモノマー供給速度、触媒供給速度、水素ガス供給速度又は反応温度であることができる。
1つの態様において、ポリオレフィンサンプルの複数のラマンスペクトルを得る段階、主成分分析(PCA)を用いて、そのスペクトルから、主成分ローディングと主成分スコアを算出する段階、及び回帰モデルがポリマーの性質を主成分スコアに相関させるように、その算出された主成分スコアを用いて回帰モデルを作成する段階により、回帰モデルは構築される。
他の態様において、回帰モデルは、局所重みつき回帰モデルである。
他の態様において、本方法は、第一ポリマーの性質を決定するための、主成分ローディングと主成分スコアを含む第一回帰モデルを得る段階、第二ポリマーの性質を決定するための、第二主成分ローディングと第二主成分スコアを含む第二回帰モデルを得る段階、ポリオレフィンを含むサンプルのラマンスペクトルを得る段階、ラマンスペクトルの少なくとも一部及び新しい第一主成分ローディングから新しい第一主成分スコアを算出する段階、ラマンスペクトルの少なくとも一部及び新しい第二主成分ローディングから新しい第二主成分スコアを算出する段階、新しい第一主成分スコアを第一回帰モデルに適用することにより第一ポリマーの性質を算出する段階、及び新しい第二主成分スコアを第二回帰モデルに適用することにより第二ポリマーの性質を算出する段階を含む。
他の態様において、サンプルはポリオレフィン粒子を含有する。
他の態様において、ポリオレフィン粒子のサンプルを提供する段階及びサンプルを照射し、サンプリングプローブを用いて、サンプリング間隔の間に散乱された放射線を集める段階により、ラマンスペクテルは取得され、サンプリング間隔の少なくとも一部の間のサンプルとサンプリングプローブとの間に相対運動がある。相対運動はサンプリングプローブの視野を有効に増大し、より正確なデーターを与える。
他の態様において、重合反応器が流動床反応器である。
他の態様において、適するポリマーの性質には、例えば、密度、メルトインデックス又はフローインデックスのような溶融流量、分子量、分子量分布及びそのような性質の種々の関数が含まれる。
詳細な記載
1つの態様において、本発明は、オンラインで、すなわち、ポリオレフィンが反応器系で製造されるときに、外部でのサンプリング及び分析の必要なしに、ポリオレフィンポリマーの性質を決定する方法を提供する。本方法は、ポリマーの性質を決定するための、主成分ローディングと主成分スコアを含む回帰モデルを得る段階、ポリオレフィンサンプルのラマンスペクトルを得る段階、ラマンスペクトルの少なくとも一部及び新しい主成分ローディングから新しい主成分スコアを算出する段階及び新しい主成分スコアを回帰モデルに適用することによりポリマーの性質を算出する段階を含む。
1つの態様では、本方法は、流動床反応器系においてオンラインでポリマーの性質を決定するために用いられる。流動床反応器は、本技術分野でよく知られており、流動床反応器の特別の非限定的な例を、例示的な目的のために本明細書に記載する。当業者は、望ましい場合に、流動床反応器に多くの改変及び改良がなされ得ることを認識するであろう。
1.流動床反応器
図1は、反応器本体22を有する気相流動床反応器20を示し、反応器本体は、一般的に、その低域に位置する流動化グリッド24を有する直立のシリンダーである。反応器本体22は、流動床域26及び速度低減域28を囲いこんでおり、速度低減域は、反応器本体22の流動床域26の直径よりも大きい直径を有する。
「再循環気体流れ」と称される、反応器本体22の頂部から出る気体反応混合物は、主に、未反応モノマー、未反応水素ガス、イソペンタンのような不活性な凝縮可能な気体及び窒素のような不活性な凝縮不可能な気体を含有する。再循環気体流れは、ライン30により圧縮機32へと移行し、圧縮機32から熱交換器34に移行する。望ましい場合、微細粉末を除去するために、好ましくは、圧縮機の上流に、任意のサイクロン分離機を、示されているように用い得る。種々の成分の濃度を決定するために再循環気体流れをサンプリングするために、望ましい場合、任意の気体分析器38が用いられ得る。典型的には、気体分析器は、気相クロマトグラフ(GPC)又は近赤外分光計又はフーリエ変換近赤外分光光度計(FT−NIR)のような分光写真機である。望ましい場合、付加的な熱交換器(示されていない)も、好ましくは、圧縮機32の上流で用いられ得る。
冷却された再循環気体流れが、ライン40により、熱交換器34を出る。先に記載したように、冷却された再循環気体流れは気体であり得るか又は気相と液相の混合物であることができる。図1は、再循環気体流れの少なくとも一部が液体凝縮体が形成し始める温度(露点)又はその温度より低い温度に冷却される、任意の構成を示している。得られた気液混合物のすべて又は一部は、ライン40により分離機40に移送され、そこでは、液体のすべて又は一部が取り出される。いくらかの液体を含有し得る気体流れのすべて又は一部は、ライン44により反応器の低域における流動化グリッド24の下の地点に移送される。流動化条件において床を維持するのに十分な量の上へと流れる気体がこのように供給される。
当業者は、用いられる反応器が攪拌床反応器である場合に流動化を維持するために、より少ない気体しか必要でないことを理解するであろう。
ライン44により、反応器の底部に流れる気体に十分な速度が付与されるのを確保するために任意の圧縮機46を装備し得る。反応器の底部に入る気体流れは、望ましい場合、凝縮された液体を含有し得る。
分離機42において再循環流れから分離される液相のすべて又は一部は、ライン48により、反応器の頂部又はその近くに位置するマニフォールド50に移送される。望ましい場合、液体のマニフォールド50への移送を容易にするためにライン48においてポンプ52を装備できる。マニフォールド50に入る液体は、良好な熱交換性を有し、反応器の壁と熱交換接触している複数の導管56により、下方へと流れ、マニフォールド54に流れる。導管56の、液体の通過により、温度差並びに熱交換接触の時間及び程度により多少の程度はあるが、反応器の内壁を冷却し、その液体を温める。従って、マニフォールド50に入る液体がマニフォールド54に達する時間までに、加熱された液体になり、その液体が完全に液体状態のままであり得るか又は部分的に又は全体的に蒸発され得る。
図1に示されているように、加熱された流体(気体及び/又は液体)は、流動化グリッド24の下の域において反応器へ入る前に、ライン58によりマニフォールド54を通り、ライン44により分離機42を出る気体と合わされる。同様に、組成モノマーは、液体又は気体形態でライン60により反応器に導入され得る。マニフォールド54に集められた気体及び/又は液体も、直接、流動化グリッドの下の域において反応器(示されていない)に移送される。
生成物ポリマー粒子は、従来のように、例えば、米国特許第4,621,952号に記載された方法及び装置により、ライン62により反応器から取り出される。図1においては1つのライン62のみが示されているが、典型的な反応器は、1つより多いライン62を含み得る。
触媒は、米国特許第3,779,712号に開示されている装置のような触媒供給装置(示されていない)を用いて反応器に注入される。触媒は、好ましくは、反応器に、反応器壁からの反応器直径の20乃至40%の地点において、床の高さの約5乃至約30%の高さにおいて供給される。触媒は、1つ以上のメタロセン触媒、1つ以上のチーグラー・ナッタ触媒、バイメタル触媒又は触媒の混合物のような、流動床反応器における使用のために適しており、エチレンを重合することができる、いずれの触媒でもよい。
窒素又はアルゴンのような触媒に対して不活性である気体が、触媒を床に運ぶために好ましく用いられる。分離機42からの又はマニフォールド54からの冷たい凝縮された液体も、触媒を床に移送するために用いられ得る。
本発明の方法において、流動床反応器は、少なくとも1つのポリオレフィンホモポリマー又はコポリマーを生成するために操作される。適するポリオレフィンには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン並びにそれらのホモポリマー及びコポリマーが含まれるがそれらに限定されない。
1つの態様において、その少なくとも1つのポリオレフィンには、ポリエチレンホモポリマー及び/又はコポリマーが含まれる。低密度ポリエチレン(“LDPE”)は遊離基開始剤を用いて高圧で製造されるか又はチーグラー・ナッタ触媒又はバナジウム触媒を用いて気相法において製造され得て、典型的には、0.916乃至0.940g/cmの範囲の密度を有する。LDPEは、ポリマー主鎖から伸びる比較的多数の長鎖分枝のために、「分岐した」又は「不均質に分岐した」ポリエチレンとしても知られている。線状であり長鎖分枝を有しない、同じ密度範囲、すなわち、0.916乃至0.940g/cmのポリエチレンも知られており、この「線状低密度ポリエチレン」(“LLDPE”)は、従来のチーグラー・ナッタ触媒を用いて又はメタロセン触媒を用いて製造され得る。典型的には、0.928乃至0.940g/cmの範囲の比較的高い密度のLDPEはときどき中密度ポリエチレン(“MDPE”)と称される。さらにより大きい密度を有するポリエチレンは、高密度ポリエチレン類(“HDPE類”)、すなわち、0940g/cmより大きい.密度を有するポリエチレン類は、一般的に、チーグラー・ナッタ触媒を用いて製造される。非常に低い密度のポリエチレン(“VLDPE”)も知られている。VLDPE類は、異なる性質を有するポリマーを生成するいくつかの異なるプロセスにより製造され得るが、一般的に、0.916g/cm未満の、典型的には0.890乃至0.915g/cmの、又は0.900乃至0.915g/cmの、密度を有するポリエチレンとして一般的に記載され得る。
ターポリマーのような、二種より多いモノマーを有するポリマーも、本明細書で用いられる「コポリマー」という用語の範囲に含まれる。適するコモノマーには、C乃至C20α−オレフィン類又はC乃至C12α−オレフィン類のようなα−オレフィン類が含まれ得る。α−オレフィンコモノマーは、線状又は分岐状であり得て、望ましい場合には2以上のコモノマーが用いられ得る。適するコモノマーの例には、線状C乃至C12α−オレフィン類、及び一つ以上のC1乃至Cアルキル分枝又はアリール基を有するα−オレフィンが含まれる。特定の例には、プロピレン;3−メチル−1−ブテン;3,3−ジメチル−1−ブテン;1−ペンテン;一つ以上のメチル、エチル又はプロピル置換基を有する1−ペンテン;一つ以上のメチル、エチル又はプロピル置換基を有する1−ヘキセン;一つ以上のメチル、エチル又はプロピル置換基を有する1−ヘプテン;一つ以上のメチル、エチル又はプロピル置換基を有する1−オクテン;一つ以上のメチル、エチル又はプロピル置換基を有する1−ノネン;エチル、メチル又はジメチル置換された1−デセン;1−ドデセン;及びスチレンが含まれる。先のコモノマーのリストは、単に例示であり、限定されることを意図しないことを認識すべきである。好ましいコモノマーには、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン及びスチレンが含まれる。
他の有用なコモノマーには、極性ビニル、共役した及び非共役のジエン、アセチレン及びアルデヒドモノマーが含まれ、それらは、ターポリマー組成物中に少量含有され得る。コモノマーとして有用な非共役ジエンは好ましくは、6乃至15の炭素原子を有する、直鎖の炭化水素ジオレフィン又はシクロアルケニル置換されたアルケン類である。適する非共役ジエンには、例えば、(a)1,4−ヘキサジエン及び1,6−オクタジエンのような直鎖非環式ジエン類;(b)5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン及び3,7−ジメチル−1,7−オクタジエンのような分岐鎖非環式ジエン類;(c)1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン及び1,7−シクロドデカジエンのような単環脂環式ジエン;(d)テトラヒドロインデン;ノルボルナジエン;メチル−テトラヒドロインデン;ジシクロペンタジエン(DCPD);ビシクロ−(2.2.1)−ヘプタ−2,5−ジエン;5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン及び5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)のようなアルケニル、アルキリデン、シクロアルケニル及びシクロアルキリデンノルボルネン類のような多環脂環式の縮合された及び架橋された環ジエン;並びに(e)ビニルシクロヘキセン、アリルシクロヘキセン、ビニルシクロオクテン、4−ビニルシクロヘキセン、アリルシクロデセン及びビニルシクロドデセンのようなシクロアルケニル置換されたアルケン類が含まれる。典型的に用いられる非共役ジエン類のうち、好ましいジエン類は、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン及びテトラシクロ−(Δ−11,12)−5,8−ドデセンである。特に好ましいジオレフイン類は、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)、ノルボルナジエン及び5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)である。
用いられるコモノマーの量は、ポリオレフィンの密度及び選ばれる特定のコモノマー類による。当業者は、望ましい密度を有するポリオレフィンを製造するために適するコモノマー含量を容易に決定することができる。
2.ラマン分光分析法
ラマン分光分析法は、分子特徴、特定及び定量化のためのよく知られた分析手段である。ラマン分光分析法は、分子の振動−回転状態についての情報を得るために、非共鳴の非イオン化照射線源、典型的には、レーザーのような可視又は近赤外照射線源からの非弾性散乱された照射線の使用をさせる。一般的に、非イオン化、非共鳴照射線は、分子のような散乱中心から弾性的、等方的に散乱される[レイリー(Raleigh)散乱]。よく知られた対称及び選択規則を条件として、入射照射線の非常に小さい部分が非弾性的に等方的に散乱され、各々の非弾性的に散乱した光子はエネルギー、
Figure 0004299135
[式中、hυは入射光子のエネルギーであり、
Figure 0004299135
は、分子の最終(i’,j’)と最初(i,j)の振動−回転状態のエネルギーにおける絶対差である]を有する。この非弾性的に散乱された放射線がラマン散乱であり、散乱された光子が入射光子よりも低いエネルギー
Figure 0004299135
を有するストークス散乱と、散乱された光子が入射光子よりも高いエネルギー
Figure 0004299135
を有する、アンチストークス散乱の両方を含む。
ラマンスペクトルは典型的には、強度(不定の単位)対「ラマンシフト」のプロットとして示され、ラマンシフトは、励起照射線と散乱された放射線との間のエネルギー又は波長における差である。ラマンシフトは、典型的には、波数(cm−1)、すなわちcmでの波長シフトの逆数、の単位で報告される。エネルギー差
Figure 0004299135
と波数(ω)は、式、
Figure 0004299135
(式中、hはプランク定数であり、cはcm/秒での光の速度であり、ωは、cmでの波長シフトの逆数である)により関係づけられる。
獲得するラマンスペクトルのスペクトル範囲は特に限定されないが、有用な範囲は、一般的に、約100cm−1乃至4,000cm−1の多原子の振動数の典型的な範囲に相当するラマンシフト(ストークス及び/又はアンチストークス)を含む。有用なスペクトル情報は、より低い及びより高い振動数域に存在することを認識すべきである。例えば、多くの低振動数分子モードは100cm−1ラマンシフトより下の領域におけるラマン散乱に寄与し、上音振動(調和振動)は、4,000cm−1ラマンシフトより上の領域におけるラマン散乱に寄与する。従って、望ましい場合、本明細書に記載されたラマンスペクトルの取得及び使用には、これらのより低い及びより高い波数のスペクトル領域が含まれる。
逆に、取得されるスペクトル領域は、100cm−1乃至4,000cm−1領域のすべてより小さくあり得る。多くのポリオレフィンでは、大部分のラマン散乱強度は、約500cm−1乃至約3,500cm−1又は1,000cm−1乃至3,000cm−1の領域に存在する。取得される領域には、複数の、隣接する必要のない小領域が含まれる。
後に説明するように、ラマン散乱強度データーは、特定のスペクトル特徴を特定したり、選んだり又は解析したりする必要なく、ポリオレフィン粒子の性質を決定することにおいて有用であるということは、本明細書に記載される方法の特別な利点である。従って、ポリオレフィンの特定の部分の特定のモードによることとして特別なスペクトル特徴を特定する必要はなく、選択されたスペクトル特徴に相当するラマン散乱を選択的にモニターすることは必要ではない。実際に、そのような選択的モニタリングは、特定可能な(そして従って、有用であると仮定された)バンド間にある又は潜在する単に使用不可能な散乱強度であると現在まで一般的に考えられてきたスペクトルに埋め込まれた豊富な情報量を不利に無視することが、予測せずに見出された。従って、本明細書に記載された方法において、取得され、用いられたラマンスペクトルデーターには、従来はスペクトルバンドとして特定された領域、及び従来はバンド間又は解析されない領域として特定された領域を含む、比較的広いスペクトル領域にわたる複数の波数又は波長シフト、散乱強度(x,y)測定が含まれる。
取得されたデーターの波数間隔は、機械分解能及び容量、取得時間、データー分析時間及び情報密度の考察に基づいて、当業者により容易に決定され得る。同様に、用いられるシグナル平均化の量は、機械及び処理効率及び限界に基づいて、当業者により容易に決定される。
測定されるスペクトル領域には、ストークス散乱(すなわち、励起振動数より低い振動数において散乱された放射線)、アンチストークス散乱(すなわち、励起振動数より高い振動数において散乱された放射線)又は両方が含まれ得る。任意に、ラマン散乱シグナルに埋め込まれた局在化情報も用いられ得て、当業者は、いかにラマン局在化情報を取得するかについて容易に理解する。しかし、本明細書に記載されたポリマーの性質を決定することは局在化情報の使用を必要としない。本明細書に記載されたいくつかの態様において、いずれかのラマン局在化は、後に記載されるように、シグナルをシグナル分析器に送るために用いられるファイバーオプチックコンジットとの相互作用の結果として本質的にランダム化される。
3.ラマン器具
図2を参照すると、ラマンデーターを収集し処理するのに用いられる器具は、ラマンサブシステム100、サンプルサブシステム200及びデーターサブシステム300を含む。図2に示されているように、サンプルサブシステム200は、ポリマー出力ライン62により反応器20と連絡している(図1も参照)。それらのサブシステムの各々を以下に記載する。
3.1.ラマンサブシステム
ラマンサブシステムには、ラマン分光器を含み、その主構成エレメントは、励起源102、モノクロメーター104及び検出器106である。ラマン分光器は、よく知られた分析器具であり、従って、本明細書では簡単な記載のみをする。
ラマン分光器は、励起源102を含み、それは、励起照射線をサンプルサブシステム200に送出する。散乱された放射線は、サンプルサブシステム200(後に記載)内に集められ、フィルターにかけられ、レイリー散乱光が取り除かれ、単色分光器104により分散される。後にさらに記載するように、次に、分散されたラマン散乱光は、検知器106に像を造り、続いて、データーサブシステム300において処理される。
励起源
励起源及び振動数は、本技術分野でよく知られた考察に基づいて容易に決定され得る。典型的には、励起源102は、振動数二倍化Nd:YAGレーザー(532nm)、ヘリウム−ネオンレーザー(633nm)又は固体状ダイオードレーザー(785nmのような)のような可視の又は近赤外のレーザーである。レーザーは、望ましい場合は、局在化され又はランダムに局在化された、パルスとしてであるか又は連続波(CW)であることができ、好ましくは単一モードである。より低い仕事率又はより高い仕事率も望ましい場合に用いられ得るが、典型的な励起レーザーは、100乃至400mW仕事率(CW)を有する。レーザー以外の光源が用いられ得て、先に記載したもの以外の他の波長及びレーザータイプ及びパラメーターも用いられ得る。ラマン散乱を含む散乱は、より高い振動数において、蛍光が、比較的に弱いラマンシグナルを典型的には圧倒するという実際的な制限を条件として、ラマン散乱を含む散乱は、励起振動数の四乗に比例することがよく知られている。従って、より高い振動数(より短い波長)源は、シグナルを最大にするために好ましく、一方、より低い振動数(より長い波長)源は蛍光を最小にするために好ましい。当業者は、それらの、及びモード安定性、維持時間及び維持コスト、資本経費、並びに本技術分野でよく理解されている他の因子のような他の考察に基づいて、適切な励起源を容易に決定することができる。
励起照射線は、サンプルサブシステム200に送られ、散乱放射線は、従来のビーム操作オブティックス又はファイバーオプティックケーブルのような本技術分野で公知の従来のいずれかの手段によりサンプルサブシステムから集められる。オンライン処理測定では、励起照射線を送出し、散乱した放射線をファイバーオプティックにより集めることは特に便利である。典型的に用いられる励起照射線がファイバーオプチックにより容易に操作され、従って、励起源が、サンプリング域から遠く離れて配置され得ることはラマン分光分析法の特別な利点である。特定のファイバーオプティックプローブを後に記載するが、当業者は、ラマンシステムは照射線操作の特定の手段に限定されないことを認識するであろう。
モノクロメーター
散乱された放射線を、後に記載するファバーオプチックプローブのような本技術分野で知られた便利な手段により集めて分散させる。集められ、散乱された放射線をフィルターにかけ、レイリー散乱を取り除き、任意にフィルターにかけ蛍光を取り除き、次に、光輝回折格子もしくはハログラフィー回折格子のような適する分散的エレメントを用いて又は干渉計使用(例えばフーリエ変換を用いて)により波数(波長)を分散させる。用いる検出器によって、回折格子は固定であり得るか又は走査であり得る。モノクロメーター104は、連結されたフィルター及びビーム操作オプティックスとともに、いずれかのそのような分散性エレメントであることができる。
検出器
分散されたラマン散乱は検出器106上に画像化する。検出器の選択は、分解能、適する波数範囲に対する感受性、応答時間等のような種々の因子を考慮して、当業者により容易になされる。典型的な検出器には、固定ダイオードアレイもしくは電荷結合素子(CCD)のような、一般的に固定された分散性モノクロメーターとともに用いられるアレイ検出器、又は一般的に走査分散性モノクロメーターとともに用いられる硫化鉛検出器及びインジウム−ガリウム−砒化物検出器のような単一エレメント検出器が含まれる。アレイ検出器の場合、各々の検出器エレメントに相当する波数(波長)が知られているように、検出器は較正される。検出器応答は、データーサブシステム300に送られ、データーサブシステムは、波数シフト、ラマンスペクトルを構成する強度(x,y)データーポイントの一セットを与える。
3.2.サンプルサブシステム
サンプルサブシステム200は、ラマンサブシステム100を重合プロセスに結合させる。従って、サンプルサブシステム200は、励起源102から励起照射線をポリマーサンプルに送り、散乱された放射線を集め、散乱された放射線をモノクロメーター104に送る。
先に記載したように、励起照射線は、従来のオプティックス又はファィバーオプティックケーブルを用いるようないずれかの便利な手段により、ポリマーサンプルに送られ得て、ポリマーサンプルから集められ得る。
一つの態様において、サンプルサブシステムは、ブローブ204及びサンプル室202を含む。図3は、ファイバーオプティックプローブの一つの態様の構成図を示す。ファイバーオプティックプローブは、励起源からサンプルへと励起照射線を運ぶ一つ以上のファイバーオプティックケーブル208、及びサンプルから集められ散乱された放射線を運ぶファイバーオプティックケーブル210を含むファイバーオプティックバンドルを含む。ファイバーオプティックケーブル208は励起源(図2における102)と光学的連絡をし、ファイバーオプティックケーブル210はモノクロメーターと光学的連絡をしている。励起及び散乱された放射線は、よく知られた技術を用いて操作され得る。従って、図3に示されている特定の光学的構成は単に例示であることを認識すべきである。励起照射線212は、オプティックス214により、ハログラフィー格子216及び空間的フィルター218に向けられてファイバーオプティックケーブルに帰するシリカラマンを除去し、次に、鏡220及びビームコンバイナー222によりサンプリングオプティックス224及びサンプル室202に向けられる。散乱された放射線は、サンプリングオプティックス224により集められ、ビームコンバイナー222、ノッチフィルター226に向けられ、レイリー散乱された放射線を除去し、ファイバーオプティックケーブル210に入る。
サンプル室におけるサンプルは、複数のポリマー粒子(粒体)を含み、反応器から排出されたポリマー生成物を表わす。有利なことに、サンプルは、流動床反応器の排出ラインにおけるポリマーに存在し得る残存する溶媒又は他の液体炭化水素のような液相成分を含有しないことを必要としない。
本明細書に記載されているようなラマンプローブは焦点が集められた視野を有することにおいて画像化する。イメージングプローブは、最も効率の良い光学的形態であり、ラマンシグナルは弱いのでイメージングプローブは、できるだけ多くの散乱された光を集める。イメージングプローブの欠点は、一時にサンプルの非常に少量しか「見ない」ということである。典型的な流動床プロセスでは、固定されたイメージングプローブは、1又は2つのポリマー粒体にしか相当しない視野を有する。従って、静止モードで集められたデーターは、塊状物質を表わし得ない。
1つの態様において、イメージングプローブがサンプリング間隔の過程にわたり多くのポリマー粒体からの散乱を集めるように、制限された視野であることの欠点は、サンプルとラマンプローブとの間の相対運動を与えることにより克服される。従って、例えば、イメージングプローブは、サンプリング間隔の少なくとも一部の間、サンプル中を動かされ得て、又は、等しく、サンプル又はサンプル室が、サンプリングの少なくとも一部の間に、固定されたプローブに対して動かされ得るか又は両方が動かされ得る。特定の態様において、サンプル室を定置させておき、ラマンプローブをリニアーアクチュエーターを用いてプローブを一次変換することによりサンプリング間隔中にプローブをサンプル室に出し入れすることは便利である。しかし、当業者は、プローブが、例えば、ポリマー粒体を定置プローブにより通過させるようないくつかの他の機構により、サンプル粒体とそのブローブとの間の相対運動がなされ得ることを容易に認識するであろう。
後に、特定の例として、実施例4乃至7において用いられた特定のサンプリングシステムを記載している。この特定のシステムは例示的であり、限定するものではないことを認識しなくてはならない。
メタロセン触媒で製造されるLLDPE樹脂を製造する1つの反応器及びチーグラー・ナッタ触媒で製造されるLLDPE樹脂を製造する他の反応器を有する2つの反応器を有する流動床重合プラントを用いた。図4を参照すると、各反応器20(1つの反応器のみが示されている)は、代わる代わる反応器から生成物を取り出すために2つの放出弁A及びBを有する。生成物は、90psi(0.6MPa)の窒素を用いて時間当り約60マイル(0.4m/秒)の速度で、生成物排出管62を、空気の作用により運ばれる。この速度において、反応器から排出された生成物のスラッグは、数秒の間その管における一地点に存在するだけである。しかし、60乃至120秒間のラマンシグナルを平均にし、ノイズに対するシグナル比を向上させることが好ましい。このことを達成するために、スラッグが生成物排出管62を通過するときに、少量の生成物(約800g)をサンプル室202に閉じ込め、保持する。サンプル室202は、1インチ(25mm)直径の管62b及び空気により作動されている弁C又はDにより生成物排出管62に取り付けられている。弁C及びDの操作は、ラマン分析器により制御されているが、補助システムによっても制御されている。ラマン分析器は、放出弁A又はBが開いているという反応器からの信号を待っている。次に、ラマン分析器は、サンプル室202を生成物排出管62に連絡させる弁C又はDを開け、生成物のスラッグがサンプル取得地点を通過するようにさせるのに十分であるように予め決定された時間待つ。次にラマン分析器は、サンプル取得弁C又はDを閉め、サンプル室202に生成物の取得したサンプルを閉じ込める。
ラマン分析器プローブ204は、ろ過エレメント及び光学的(電子的でない)シグナル処理エレメントを囲うプローブヘッド230、並びに8インチ長さ×0.5インチ直径(20cm×1.3cm)の管であるサンプル接続器232を含む。管232は、その管がサンプルと接触するように、サンプルが入る地点とは反対の、サンプル室の終端に挿入されている。空気による線形作動器234はプローブ204に取り付けられており、プローブをサンプル室からゆっくりと抜き出し、次にサンプル回収間隔の間に再び挿入する。このプローブの動きは、サンプルをプローブの前を横切って流れさせ、測定のための連続的に変えるサンプルを与える。
反応器20は、弁A及びBにより制御された2つのラインで代わる代わる3乃至6分のサイクルでダンプ(グレードに依存して)する。サンプルは、そのラインの1つのみから回収される。サンプルシステムは、ラマン分析器にサンプルがダンプされると告げる反応器からのサンプルレディーシグナルを待つことにより操作される。サンプルレディシグナルが、ラマン分析器へのディジタル入力の形態である。ラマン分析器がサンプルレディーシグナルを受けるときに、キャプチャーサンプル操作のための弁を設定する前にラマン分析器が行う仕事の順序があり、それは、
1.サンプルレディーが次のストリームのためであるか決定するためのチェック。ラマン制御ソフトウエアにおいて、オペレーターが分析器にどちらの反応器を分析器がサンプリングし及び測定することを告げ始めるストリームシーケンスリストがある。典型的には、これは、2つの反応器系では、1、2、1、2等であるが、反応器1においてグレード移行のようないくつかの環境下では、オペレーターは、例えば、1、1、1、2、1、1、1、2等をサンプリングしようとするかもしれない。従って、分析器は、受け取るダンプ指示器に、現在のストリームシーケンスと矛盾しないことを確かめるためにチェックする。そうでない場合、分析器は、そのシグナルを無視する。
2.この反応器のための反応器オンラインディジタル入力が有効であることをチェックする。典型的なストリームシーケンス1、2、1、2…が有効であり得るが、オペレーターは、移行又はアップセット中のような、単一の反応器をモニターすることのみを決め得る。反応器は、各々の反応器についての別のディジタル入力を受け、そのデイジタル入力は、活発な又は現在のストリームシーケンスリストにかかわらず、特定の反応器のサンプルを採取するか否かについて告げる。
3.サンプルレディーシグナルとキャプチャーサンプルのための据え付け弁の間の設定時間間隔を待つ。
4.キャプチャーサンプルのために弁を設定する。
生成物排出ライン62のA弁からのサンプリングするシーケンスのための弁状態が下の表に示されており、状態“C”は閉められており、状態“O”は開いている。
Figure 0004299135
サンプルキャプチャーは、サンプル室弁C及びDを開けることにより行われる。生成物が、生成物排出ライン62のA弁により排出される設定では、開放弁Cはサンプルをサンプル室202に入れ、開放弁Dは排出口の役目をする。90psigの窒素において排出されたポリマー生成物の一部は、時間当たり約60マイルのパックで、生成物排出ライン62における曲り管に連結されたサンプル室202に送られる。サンプル室202が一杯になったら、分析器は一連の操作をし、データー収集を完了させ、次のサンプルのために準備する。これらの操作には、
1.キャプチャーサンプル弁状態を設定した後に、特定の時間間隔待つ。
2.メジャースペクトル弁状態を設定する。
3.サンプルを取り出す。
4.プローブポジションを再設定する。
5.サンプルフォーウエイティング弁状態を設定する。
6.ストリームシーケンス情報を最新のものにする。
プローブをリニアーアクチュエーターに、サンプル室を出入りするように取り付ける。ウエイテイングフォーサンプル状態(5)において、サンプル室が一杯になった後に、プローブのシャフトをサンプルに浸すようにプローブをサンプル室に挿入する。メジャースペクトル弁状態(2)は弁C及びDを閉めるだけでなく、データーが収集される間にプローブがサンプルからゆっくりと引き抜かれるようにリニアーアクチュエーターを制御する両スリーウエイ弁を作動させる。スペクトル収集操作の完了時に、サンプル室におけるサンプルを弁C及びEを開放することによりサンプル送りラインに戻す。
3.3 データーサブシステム
再び、図2を参照すると、データーサブシステムは、検出器106の応答シグナルを受ける分析器302を含む。分析器は、例えば、ラマンデーターを保存し処理することができるコンピューターであり得る。分析器の他の機能は、例えば、後に記載するように、回帰モデルを作成し、PCA/LWR分析を行うことを含む。先に記載した一つの態様において、データーサブシステムは、サンプリングプローブの動きを制御する。先に記載した他の態様において、データーサブシステムは、サンプル室を満たす又は空にするための弁を制御する。他の態様において、データーサブシステムは、一つ以上のポリマーの性質の算出値を目標値と比較し、算出値と目標値との間の偏差に応答して一つ以上の反応器パラメーターを調整する。反応器制御を後にさらに記載する。
PCA/LWR分析
ラマンスペクトルは、ポリオレフィンサンプルの種々の性質に直接的又は間接的に関連する情報を含む。従来から、サンプル成分は、分子の特定の振動モードによると認識される特定のバンドのようなサンプル成分を特有のスペクトルのしるしの存在により特定する。例えば、特定のピーク下の面積の総和を示し、その面積を較正サンプルと比較すること等により、時間の関数として特定のピークにおける散乱された強度をモニターすることにより、サンプル成分について、濃度のような量的情報が得られる。それらの従来のアプローチとは異なり、本願発明者らにより、多変量モデルを用いてポリマーの性質をラマン散乱データーと相関させることにより、特定のスペクトル特徴を特定する又は選ぶ必要なしにポリマーの性質がラマンスペクトルから決定され得ることが予期せずに見出された。本モデルは、個別のスペクトルバンドでなく、スペクトルの大きな隣接領域を用い、それにより、従来の分析では入手できなかった、又、認識できなかった多量の情報濃度を獲得する。さらに、そのスペクトルデーターは、光学的スペクトルから容易に明らかでない溶融流量(後で定義される)、密度、分子量分布等のようなポリマーの性質に相関される。
一つの態様において、後に記載されるデーター分析は、溶融流量、密度、分子量、分子量分布及びそれらの関数から選ばれるポリオレフィン粒子の少なくとも一つの性質のために予測するモデルを構築し、適用するのに用いられる。
本明細書で用いられるように、「溶融流量」という用語は、ASTM D−1238、条件E(2.16kg荷重、190℃)により測定され、通常「メルトインデックス」と名づけられたI2.16、ポリマーの溶融流量と、ASTM D−1238、条件F(21.6kg荷重、190℃)により測定され、通常「フローインデックス」と名づけられたI21.6、ポリマーの溶融流量、を含むASTM D−1238により定義される種々の量のいずれかを意味する。他の溶融流量は、異なる温度又は異なる荷重において特定され得る。2つの溶融流量の比は「メルトフロー比」又はMFRであり、最も通常には、I21.6/I2.16の比である。“MFR”は、一般的に、より低い荷重(分母)に対する、より高い荷重(分子)において測定される溶融流量の比を意味するのに用いられる。
本明細書で用いられているように、「分子量」は、数平均、重量平均又はZ平均分子量のような分子量分布のいずれかのモーメントを意味し、「分子量分布」は、2つのそのような分子量の比を意味する。一般的に、分子量Mは、式、
Figure 0004299135
(式中、Nは、分子量Mを有する分子の数である)から算出され得る。n=0である場合、Mは、数平均分子量Mnである。n=1のとき、Mは重量平均分子量Mwである。n=2のとき、MはZ平均分子量Mzである。それらの及びそれより高いモーメントは、「分子量」という用語に含まれる。望ましい分子量分布(MWD)関数(例えば、Mw/Mn又はMz/Mw)は、相当するM値の比である。ゲル透過クロマトグラフィーのような従来の方法によるM及びMWDの測定は、本技術分野でよく知られており、例えば、Slade,P.E.編、Polymer Molecular Weights Part II、Marcel Dekker,Inc.(ニューヨーク)(1975年)、287−368頁;Rodriguez,F.によるPrinciples of Polymer Systems 3版、Hemisphere Pub. Corp.(ニューヨーク)(1989年)、155−160頁;米国特許第4,540,753号;VerstrateらによるMacromolecules、21巻(1988年)、3360頁及びそれらに引用されている文献に、より詳細に記載されている。
本発明の方法は、ポリマーの性質を決定するための、主成分ローディングと主成分スコアを含む回帰モデルを得る段階、ポリオレフィンサンプルのラマンスペクトルを得る段階、ラマンスペクトルの少なくとも一部及び新しい主成分ローディングから新しい主成分スコアを算出する段階及び新しい主成分スコアを回帰モデルに適用することによりポリマーの性質を算出する段階を含む。
回帰モデルは、好ましくは、主成分分析(PCA)固有ベクトルを用いる局所重みつき回帰(LWR)モデルである。PCAはよく知られた分析法であり、例えば、ウィンドウスソフトウェアマニュアルのためのPiroouetteTM Multivariate Data Analysis、Infometrix,Inc.(ワシントン州、Woodinville)(1985−2000)、PLS ToolboxTMソフトウェアマニュアル、Eigenvector Research,Inc.(ワシントン州、Manson)(1998)及びそれらに引用されている文献に記載されている。LWRは、例えば、Naes及びIsakssonによるAnalytical Chemistry、62巻、664−673頁(1990年)、SekulicらによるAnalytical Chemistry、65巻、835A−845A(1993)及びそれらに引用されている文献に記載されている。
主成分分析は、一組の互いに直交固有ベクトルを構築するために未処理の変数の線形組み合わせを形成する数学的方法である(主成分ローディング)。固有ベクトルは互いに直交するので、それらの新しい変数は、相互関連しない。さらに、PCAは分散を減少させる順序で固有ベクトルを計算する。本分析は、元の分散の数と等しい数の固有ベクトルを算出するが、実際には、最初の二、三の固有ベクトルは、多量のサンプル分散を取得する。従って、望ましい場合、比較的少数の固有ベクトルのみが、分散を適切に取得するために必要とされ、最小の分散を取得する多数の固有ベクトルは無視され得る。
そのデーターは、m(行)にn(列)行列Xで表現され、各サンプルは行であり、各分散は、任意に平均が中央にあり、自動概算され、他の関数により概算されるか又は概算されない列である。データー行列の共分散、cov(X)は、
cov(X)=XX/(m−1)
(式中、上付きTは、転置行列を意味する)
として表される。PCA分析は、下記のように、データー行列を主成分スコアベクトルSと主成分ローディングベクトル(固有ベクトル)Lの線形の組み合わせとしてデーター行列を分解する。
X=S +S +S +…
固有ベクトルLは共分散行列の固有ベクトルであり、相当する固有値λは、各固有ベクトルにより取得される共分散の相対量を意味する。従って、線形組み合わせは、残存する固有値の合計が容認できる小さな値に達した後に、先端を切られ得る。
モデルは、少し例を挙げると、主成分回帰(PCR)、部分最小二乗法(PLS)、射影追跡回帰(PPR)、交替条件付き期待値(ACE)、多変量適応的回帰スプラインス(MARS)及びニューラルネットワークス(NN)のような種々の線形又は非線形の数学的モデルを用いてラマン散乱強度をPCA空間におけるポリマー性質と相対づけて構築され得る。
特定の態様において、モデルは、局所重みつき回帰モデルである。局所重みつき回帰(LWR)は、滑らかな非線形関数が、線形又は比較的単純な非線形(二次のような)関数により近似され得て、最も近いデーターポイントのみが回帰において用いられると仮定する。q、最も近い点、が用いられ、近接により重みつけされ、回帰モデルが局所に重みつけされた値が与えられた値に適用される。
較正相において、ラマンスペクトルが取得され、サンプルのポリマーの性質が実験室で測定される。測定される性質には、密度、溶融流量、分子量、分子量分布及びそれらの関数のような、モデルが予測するものを含む。望ましいポリマーの性質のために、測定されたポリマーの性質、サンプル、サンプルのためのラマンスペクトルデーターを含むデーターセットはPCA空間に分解され、較正データーセットを得る。較正サンプルの特定の数は必要としない。当業者は、モデルの性能、及び付加的な較正データーを用いる性能における漸増的変化に基づいて較正サンプルの適切な数を決定できる。同様に、要求されるPCA固有ベクトルの特定の数がなく、当業者は、取得された分散の量、固有ベクトルの選ばれた数及び付加的な固有ベクトルの漸増的効果に基づいて適する数を選択することができる。
LWRモデルは、本技術分野において公知の方法を用いて確認され得る。較正サンプルを二セット、較正データーセット及び確認データーセットに分けるのが便利である。較正データーセットはモデルを作成し、確認データーセットラマンスペクトルを用いて、確認データーセットにおけるサンプルについての適切なポリマーの性質を予測するために用いられる。確認データーセットサンプルのための選ばれるポリマーの性質が算出され、測定され、モデルの有効性は、算出された値と測定された値を比較することにより評価され得る。
次に確認されたモデルは、望ましいポリマーの一つ又は複数の性質を予測するためにサンプルスペクトルに適用されることができる。
望ましい場合、単一のモデルが、2つ以上のポリマーの性質を予測するために用いられ得る。好ましくは、各ポリマーの性質のために別のモデルが作成される。従って、一つの態様において、本発明は、最初のポリマーの性質を決定するための、主成分ローディングと主成分スコアを含む最初の回帰モデルを得る段階、第二のポリマーの性質を決定するための、第二の主成分ローディングと第二の主成分スコアを含む第二の回帰モデルを得る段階、ポリオレフィンを含有するサンプルのラマンスペクトルを得る段階、ラマンスペクトルの少なくとも一部及び新しい第一の主成分ローディングから新しい第一の主成分スコアを算出する段階、ラマンスペクトルの少なくとも一部及び新しい第二の主成分ローディングから、新しい第二の主成分スコアを算出する段階、新しい第一の主成分スコアを第一の回帰モデルに適用することにより第一のポリマーの性質を算出する段階、及び新しい第二の主成分スコアを第二の回帰モデルに適用することにより第二のポリマーの性質を算出する段階を含む。
当然、2つより多くのポリマーの性質は、三番目又はより多い回帰モデルを含むことにより決定され得る。有利に、複数のポリマーの性質は、同じラマンスペクトルを用い、スペクトルデーターにいくつかの回帰モデルを適用することにより本質的に同時に決定され得る。
特定の態様において、2つの回帰モデルが用いられ、溶融流量(メルトインデックスI2.16又はフローインデックスI21.6のような)及び密度の両方が決定される。
5.反応制御
一つの態様において、算出されたポリマーの性質を目的のポリマーの性質と比較し、少なくとも一つの反応器パラメーターを、算出されたポリマーの性質と目的のポリマーの性質との間の偏差に基づいて調整する。その少なくとも一つの反応器パラメーターには、モノマーの量、コモノマーの量、触媒の量及び助触媒の量、反応器の操作温度、モノマーに対するコモノマーの比、モノマー又はコモノマーに対する水素の比、並びに選ばれたポリマーの性質に影響を与える他のパラメーターが含まれ得る。例えば、選ばれるポリマーの性質が密度であり、PCA/LWRモデルから算出された密度が目的の密度より低い場合、反応器パラメーターは、例えば、コモノマー供給速度を低減させること及び/又はモノマーの供給速度を増大させることのように、密度を増大させるために反応器パラメーターが調整され得る。
例えば、オフの流動床重合の場合において、水素は、連鎖移動剤として作用し得る。このように、ポリマー生成物の分子量は制御されることができる。又、オレフィン重合反応器における水素濃度を変えることにより、又、メルトインデックスI2.16(MI)のようなポリマー溶融流量を変えることができる。本発明は、選ばれたMI範囲を有するポリマーを製造するために反応器の制御を可能にする。このことは、水素濃度と、特定の反応器により製造されるポリマーのMIとの関係を知ること、及び目的のMI又はMI範囲を反応器制御システムプロセッサーにプログラミングすることにより達成される。ラマン分析器により出されるポリマーのMIデーターをモニターし、そのデーターを目的のMI範囲と比較することにより、反応器容器への水素の流れが、ポリマー生成物のMI範囲が目的のMI範囲内にあるように調整され得る。
他の反応器構成性質及び他の反応器パラメーターが用いられ得ることは当業者により理解されるであろう。同様に、先に記載したように、最終的なポリマーの性質は、ラマン分析器により出されたデーターに応答して制御された計器で調整する反応器パラメーターにより達成され得る。
実施例
密度(g/cm)の実験室決定は、圧縮成形されたサンプルが用いられ、ASTM D1505及びASTM D1928、操作Cにより、時間当り15℃において冷却され、室温において40時間状態調整された。
溶融流量の実験室決定は、ASTM D−1238により、190℃において行われた。I21.6は、ASTM D1238、条件Fにより測定されたポリマーの「フローインデックス」又は溶融流量であり、I2.16は、ASTM D1238、条件Eにより測定されたポリマーの「フローインデックス」又は溶融流量である。I2.16に対するI21.6の比は「メルトフロー比」又は“MFR”である。
EXCEEDTM350は、ExxonMobil Chemical Co.(テキサス州、ヒューストン)から入手可能な、気相でメタロセンにより製造された、1.0g/10分のメルトインデックス(I2.16)及び0.918g/cmの密度を有するLLDPEエチレン/ヘキセンコポリマーである。EXCEEDTM350樹脂は、現在、EXCEEDTM3518として市販されている。
EXCEEDTM357は、ExxonMobil Chemical Co.(テキサス州、ヒューストン)から入手可能な、気相でメタロセンにより製造された、3.4g/10分のメルトインデックス(I2.16)及び0.917g/cmの密度を有するLLDPEエチレン/ヘキセンコポリマーである。EXCEEDTM357樹脂は、現在、EXCEEDTM3518として市販されている。
ExxonMobil LL−1002は、ExxonMobil Chemical Co.(テキサス州、ヒューストン)から入手可能な、気相でチーグラー・ナッタにより製造された、2.0g/10分のメルトインデックス(I2.16)及び0.918g/cmの密度を有するLLDPEエチレン/ブテンコポリマー樹脂である。
ExxonMobil LL−1107は、ExxonMobil Chemical Co.(テキサス州、ヒューストン)から入手可能な、気相でチーグラー・ナッタにより製造された、0.8g/10分のメルトインデックス(I2.16)及び0.922g/cmの密度を有するLLDPEエチレン/ブテンコポリマー樹脂である。
ExxonMobil LL−6100は、ExxonMobil Chemical Co.(テキサス州、ヒューストン)から入手可能な、気相でチーグラー・ナッタにより製造された、20g/10分のメルトインデックス(I2.16)及び0.925g/cmの密度を有するLLDPEエチレン/ブテンコポリマー樹脂である。
ExxonMobil LL−6101は、ExxonMobil Chemical Co.(テキサス州、ヒューストン)から入手可能な、気相でチーグラー・ナッタにより製造された、20g/10分のメルトインデックス(I2.16)及び0.925g/cmの密度を有するLLDPEエチレン/ブテンコポリマー樹脂である。
ExxonMobil LL−6201は、ExxonMobil Chemical Co.(テキサス州、ヒューストン)から入手可能な、気相でチーグラー・ナッタにより製造された、50g/10分のメルトインデックス(I2.16)及び0.926g/cmの密度を有するLLDPEエチレン/ブテンコポリマー樹脂である。
実施例1乃至3
実施例1乃至3を用いて、本発明の態様の実行可能性を示す。実施例1乃至3において、測定は実験室で行い、重合反応器におけるオンラインで行われる測定をシミュレーションした。
実施例1乃至3のために用いたラマンシステムは、Kaiser Optical Systems, Inc.(ミシガン州、Ann Arbor)から入手可能なKaiser Optical Holoprobe Process Raman Analyzerであった。その用いられたラマンシステムは、785nmにおいて操作する125mWダイオードレーザーを用い、その分析器に、ファイバーオプティックスにより連結されている2.5(6.3cm)インチのイメージングオプティックスを有するプローブ、ホログラフィックノッチフイルター、ホログラフィック分散格子、冷却されたCCD検出器(−40℃)、並びに分析器制御及びデーター分析用コンピューターを備えていた。この市販の器具の、より詳細な記載は、“Electro−Optic,Integrated Optic,and Electonic Technologies for Online Chemical Process Monitoring”、Proceedings SPIE、3537巻、200−212頁(1998)に見出され、その開示を引用により本明細書に組み込む。
データー収集は、約2.5インチ(6.3cm)の距離で、ポリマー粒体サンプルの表面の上にラマンプローブを配置することにより行った。プローブは、励起シグナル及び散乱シグナルのためのラマン分析器にファイバーオプティックスにより連結された。データーは、3分間(すなわち、3分間平均されたシグナル)、各サンプルから集められた。CCD検出器は、アレイエレメントにおけるスピリアスのシグナルをもたらし得る宇宙線に感受性を有する。“宇宙線チェッキング”は、それらのアーティファクトをチェックし、それらを捨てる検出器機能である。下記の実施例において、宇宙線チェッキング機能を用いた。
ラマンスペクトルを100乃至3,500cm−1の領域で集めた。3つの連続的なスペクトルを用いた各サンプルについて収集した。メタロセン触媒を用いて、エチレン及びブテン又はヘキセンのコポリマーを製造する2つの気相流動床反応器のいずれからかサンプルを得た。メルトインデックス及び/又は密度の実験室測定も各サンプルについて行った。
データーを、PCR/LWRモデルを作成するのに用いる較正セット、モデルの正確性を評価するために用いられる確認セットに分けた。比較的低いメルトインデックス範囲、比較的高いメルトインデックス範囲及び密度のために別々のモデルを作成した。
実施例1:低メルトインデックスモデル
73ポリマーサンプルを評価した。そのサンプルを較正(モデル作成)のために用いられる50の群とモデル確認のために用いられる23の群に分けた。各サンプルは、メタロセン触媒により製造された、約0.6乃至約1.2g/分のメルトインデックス範囲における、ヘキセンコモノマーを有するLLDPE樹脂であった。ラマンスペクトル及び実験室メルトインデックス測定値を先に記載したように収集した。
メルトインデックスの実験室値及び較正データーセットのラマンスペクトルを用いて、主成分ローディング及び主成分スコアを用いて、低範囲のメルトインデックスのための局所重みつき回帰モデルを作った。測定されたメルトインデックス、予測されたメルトインデックス及び偏差(すなわち、LWRモデルの予測からの実際のメルトインデックスの偏差)を表1に示す。
Figure 0004299135
(a)モデル(予測された)MIマイナス実験室(測定された)MI
確認データーセットのラマンスペクトルを収集し、新しい主成分スコアを確認スペクトルから算出した。局所重みつき回帰モデルを用いて、次に各確認サンプルのメルトインデックスを算出した。測定されたメルトインデックス、予測されたメルトインデックス及び偏差(すなわち、LWRモデルの予測からの実際のメルトインデックスの偏差)を表2に示す。
Figure 0004299135
(a)モデル(予測された)MIマイナス実験室(測定された)MI
図6Aは、表1及び2からのデーターをグラフで表している。その図における線形は、モデル予測である。算出されたR値は、較正セットでは、0.0155の標準誤差を有して0.99であり、確認セットでは、0.059の標準誤差を有して0.92であった。
実施例2:高いメルトインデックスモデル
より高いメルトインデックスサンプルを用いて実施例1におけるように分析を行った。34ポリマーサンプルを評価した。それらのサンプルをモデル作成のための較正サンプルとして用いたが、確認サブセットは用いなかった。各サンプルは、約4乃至約60g/10分のメルトインデックス範囲における、ブテンコモノマーを有する、メタロセン触媒により製造されたLLDPE樹脂であった。ラマンスペクトル及び実験室のメルトインデックス測定値を先に記載したように収集した。
メルトインデックスの実験室値及び較正データーセットのラマンスペクトルを用い、主成分ローディング及び主成分スコアを用いて高い範囲のメルトインデックスについて、局所重みつき回帰モデルを作った。測定されたメルトインデックス、予測されたメルトインデックス及び偏差(すなわち、LWRモデルの予測からの実際のメルトインデックスの偏差)を表3に示す。
Figure 0004299135
(a)モデル(予測された)MIマイナス実験室(測定された)MI
図6Bは、表3からのデーターをグラフで表している。その図の線形は、モデル予測である。算出されたR値は、0.91の標準誤差を有して0.99であった。
実施例3:密度モデル
予測された性質としてメルトインデックスでなく、密度を用いて、実施例1におけるように分析を行った。実施例1において用いた22のポリマーサンプルのサブセットを評価した。それらのサンプルをモデル作成のための較正サンプルとして用いたが、確認セットは用いられなかった。各サンプルは、ヘキセンコモノマーを有する、メタロセン触媒により製造されたLLDPE樹脂であった。ラマンスペクトル及び実験室の密度測定を先に記載したように収集した。
密度の実験室値及び較正データーセットのラマンスペクトルを用い、主成分ローディング及び主成分スコアを用いて、密度について、局所重みつき回帰モデルを作った。測定された密度、予測された密度及び偏差(すなわち、LWRモデルの予測からの実際の密度の偏差)を表4に示す。
Figure 0004299135
(a)モデル(予測された)密度マイナス実験室(測定された)密度
図7は、そのデーターをグラフで表している。その図の線形は、モデル予測である。算出されたR値は、0.00057の標準誤差を有して0.95であった。
実施例4及び5
実施例4及び5は、メルトインデックス決定についての重合反応系におけるオンラインでの本発明の有効性を示している。
実施例4及び5で用いられたラマンシステムは、レーザーが、785nmにおいて操作する200mWモードの安定化されたダイオードレーザーであった他は実施例1乃至3に記載されたのと同じであった。先に記載したサンプリングシステムを用いて、2つの気相流動床反応器のいずれからかポリマーサンプルを採った。
そのデーターを、PCR/LWRモデルを作成するのに用いる較正セット、モデルの正確性を評価するために用いられる確認セットに分けた。メルトインデックス(実施例4及び5)及び密度(実施例6及び7)のために別々のモデルを作成した。又、2つの気相反応器の各々について別のモデルを作成した。その2つの反応器は、下記において、「反応器1」及び「反応器2」と表示されている。
実施例4:メルトインデックスモデル、反応器1
285ポリマーサンプルを評価した。そのサンプルを較正(モデル作成)のために用いられる216の群とモデル確認のために用いられる69の群に分けた。各サンプルは、メタロセン触媒により製造された、1g/10分未満から約15g/10分までのメルトインデックス範囲における、LLDPE樹脂であった。ラマンスペクトル及び実験室メルトインデックス測定値を先に記載したように収集した。
メルトインデックスの実験室値及び較正データーセットのラマンスペクトルを用いて、主成分ローディング及び主成分スコアを用いて、メルトインデックスのための局所重みつき回帰モデルを作成した。測定されたメルトインデックス及び予測されたメルトインデックスを表5A及び5Bに示す。その表に偏差は示していないが、表のデーターから容易に算出される。このデーターは、ポリマー条件を変化させてモデルの有効性を示すためにとられた順序(縦列により、各表内で)で示されている。記載事項の前の“Vn” という印は、表6における相当する表示により示されているように、印がされた記載事項の前に、n番目のセットの確認スペクトルが取られたことを示す。表5Bは、表5Aの続きである。
Figure 0004299135
Figure 0004299135
確認データーセットのラマンスペクトルを収集し、新しい主成分スコアを確認スペクトルから算出した。局所重みつき回帰モデルを用いて、次に各確認サンプルのメルトインデックスを算出した。測定されたメルトインデックス及び予測されたメルトインデックスを表6に示す。確認スペクトルの取得物には、相当する“Vn”位において、較正スペクトルの取得物が散在していた。
Figure 0004299135
図8Aは、表5A、5B及び6からのデーターをグラフで表わしている。図における線形は、モデル予測である。算出されたR値は、2.78%の標準誤差で0.999であった。
実施例5:メルトインデックスモデル、反応器2
注目されるように、今回は、反応器2のポリマーからのサンプリングの他は、実施例4に記載された操作に従った。291のポリマーサンプルを評価した。そのサンプルを較正(モデル作成)のために用いられる266の群とモデル確認のために用いられる25の群に分けた。各サンプルは、チーグラー・ナッタ触媒により製造された、1g/10分未満から約60g/10分までのメルトインデックス範囲における、LLDPE樹脂であった。ラマンスペクトル及び実験室メルトインデックス測定値を先に記載したように収集した。
メルトインデックスの実験室値及び較正データーセットのラマンスペクトルを用いて、主成分ローディング及び主成分スコアを用いて、メルトインデックスのための局所重みつき回帰モデルを作成した。測定されたメルトインデックス及び予測されたメルトインデックスを表7A及び7Bに示す。その表に偏差は示していないが、表のデーターから容易に算出される。このデーターは、ポリマー条件を変化させてモデルの有効性を示すためにとられた順序(縦列により、各表内で)で示されている。記載事項の前の“Vn”という印は、表8における相当する表示により示されているように、印がされた記載事項の前に、n番目のセットの確認スペクトルが取られたことを示す。表7Bは、表7Aの続きである。表7A及び7Bにおいて、メルトインデックス(MI)の単位はdg/分である。
Figure 0004299135
Figure 0004299135
確認データーセットのラマンスペクトルを収集し、新しい主成分スコアを確認スペクトルから算出した。局所重みつき回帰モデルを用いて、次に各確認サンプルのメルトインデックスを算出した。測定されたメルトインデックス及び予測されたメルトインデックスを表8に示す。確認スペクトルの取得物には、相当する“Vn”位において、較正スペクトルの取得物が散在していた。
Figure 0004299135
図8Bは、表7A、7B及び8からのデーターをグラフで表わす。図における線形は、モデル予測である。算出されたR値は、2.86%の標準誤差で0.997であった。
実施例6及び7
実施例6及び7は、重合反応系においてオンラインでの本発明方法の密度決定についての有効性を示す。
本測定は、PCA/LWRモデルを密度について作成した他は、実施例4及び5に関して先に記載したように行った。用いたサンプル及び取得したスペクトルは実施例4及び5のそれらのサブセットであった。サンプルにおいて先に記載したメルトインデックス測定に加えて密度の実験室での測定を行った。
実施例6:密度モデル、反応器1
146ポリマーサンプルを評価した。そのサンプルを較正(モデル作成)のために用いられる109の群とモデル確認のために用いられる37の群に分けた。各サンプルは、メタロセン触媒により製造された、約0.912乃至約0.921g/cmの密度範囲における、LLDPE樹脂であった。ラマンスペクトル及び実験室密度を先に記載したように収集した。
密度の実験室値及び較正データーセットのラマンスペクトルを用いて、主成分ローディング及び主成分スコアを用いて、密度のための局所重みつき回帰モデルを作った。測定された密度及び予測された密度を表9に示す。その表に偏差は示していないが、表のデーターから容易に算出される。このデーターは、ポリマー条件を変化させてモデルの有効性を示すためにとられた順序(縦列により、各表内で)で示されている。記載事項の前の“Vn” という印は、表10における相当する表示により示されているように、印がされた記載事項の前に、n番目のセットの確認スペクトルが取られたことを示す。
Figure 0004299135
確認データーセットのラマンスペクトルを収集し、新しい主成分スコアを確認スペクトルから算出した。局所重みつき回帰モデルを用いて、次に各確認サンプルの密度を算出した。測定された密度及び予測された密度を表10に示す。確認スペクトルの取得物には、相当する“Vn”位において、較正スペクトルの取得物が散在していた。
Figure 0004299135
図9Aは、表9及び10からのデーターをグラフで表わす。図における線形は、モデル予測である。算出されたR値は、0.00028g/cmの標準誤差で0.978であった。
実施例7:密度モデル、反応器2
注目されるように、今回は、反応器2のポリマーからのサンプリングの他は、実施例6に記載された操作に従った。164のポリマーサンプルを評価した。そのサンプルを較正(モデル作成)のために用いられる151の群とモデル確認のために用いられる13の群に分けた。各サンプルは、チーグラー・ナッタ触媒により製造された、0.916乃至約0.927g/cmの密度範囲における、LLDPE樹脂であった。ラマンスペクトル及び実験室密度測定を先に記載したように集めた。
密度の実験室値及び較正データーセットのラマンスペクトルを用いて、主成分ローディング及び主成分スコアを用いて、密度のための局所重みつき回帰モデルを作った。測定された密度及び予測された密度を表11A及び11Bに示す。その表に偏差は示していないが、表のデーターから容易に算出される。このデーターは、ポリマー条件を変化させてモデルの有効性を示すためにとられた順序(縦列により、各表内で)で示されている。記載事項の前の“Vn”という印は、表12における相当する表示により示されているように、印がされた記載事項の前に、n番目の確認スペクトルのセットが取られたことを示す。表11Bは、表11Aの続きである。
Figure 0004299135
Figure 0004299135
確認データーセットのラマンスペクトルを集め、新しい主成分スコアを確認スペクトルから算出した。局所重みつき回帰モデルを用いて、次に各確認サンプルの密度を算出した。測定された密度及び予測された密度を表12に示す。確認スペクトルの取得物には、相当する“Vn”位において、較正スペクトルの取得物が散在していた。
Figure 0004299135
図9Bは、表11A、11B及び12からのデーターをグラフで表わす。図における線形は、モデル予測である。算出されたR値は、0.00034g/cmの標準誤差で0.989であった。
実施例8及び9
実施例8及び9は、商業規模の流動床重合反応器におけるメルトインデックス及び密度をオンラインで予測することに対する本発明の方法の有効性、精度及び正確さを示している。ラマンシステムは、先に記載したのと同じであるが、785nmにおいて操作する400mWダイオードレーザーを用いた。器具の電気部品をラマンプローブに連結させるために用いられるファイバーオプティックケーブル(約150m離れた)は62μm励起100μmコレクションステップインデックスシリカファイバーであった。
2つの反応器の各々において、3乃至10分毎に個々のスペクトルとしてラマンデーターを連続的に収集し、セーブすることにより、メルトインデックス及び密度モデルを作成した。次に、ポリマーの性質を決定するために、オンラインでモデルを用いることにより、各モデルの確認を行った。
実施例8
種々のグレードのポリエチレンコポリマーを生成する商業的規模の流動床反応器において、オンラインでポリマーメルトインデックスを予測した。約5週間の間、約12分毎に予測を行った。500近いサンプルを、標準ASTM D−1238、条件E(2.16kg荷重、190℃)プロトコールを用いて実験室で試験もした。その結果を表13に示す。表中「MIモデル」は、モデルにより予測されたメルトインデックス12.16を意味し、「MI実験室」は、前記ASTM法により実験室で得られた値を意味する。同じデーターを図10にグラフで示すが、その図は、実験室測定に相当しないサンプルについての予測されたMIも示している。予測されたMI値は、前記図においてMI値が線形で表わされる十分に近い時間間隔にした。
Figure 0004299135
Figure 0004299135
Figure 0004299135
表13及び図10は、長時間にわたりオンラインでの方法の正確さ及び精密さ、並びにメルトインデックス値の範囲を示している。前記図における切れ目は、反応器が作動していない時間を示す。水平域は、特定のグレードの連続している生産を示し、急勾配の垂直域は、異なるグレード間への移行に相当する。そのデーターは、さらに、本発明のオンラインでの方法は、グレード移行の間でさえも正確で精密であることを示している。全5週間にわたる実験室での値と比較した予測の3σ正確さは、±0.069g/10分であった。
又、モデルの精密さ及び長時間のドリフトについて試験するために、約2,200の特定のグレードのサンプルの予測されたMIを4週間にわたり、2つの商業的規模の流動床反応器の各々における、スタティックサンプルについてモニターした。各反応器において、そのデーターは、0.012g/10分の3σ標準偏差を示し(例えば、1.0g/10分及び0.98g/10分のメルトインデックスを有するサンプルについて;すなわち、約1%)、測定可能な長期のドリフトを示さなかった。
実施例9
密度モデルを実施例8におけるのと同じサンプル及びスペクトルに適用し、実施例8のメルトインデックス予測とともにオンラインでポリマー密度を予測した。300近いサンプルを、標準ASTM D1505及びASTM D1928、操作Cプロトコールを用いて実験室で試験もした。その結果を表14に示し、「ρモデル」は、モデルにより予測された密度を意味し、「ρ実験室」は、ASTM法により実験室で得られた値を意味する。同じデーターを図11にグラフで示すが、その図は、実験室測定に相当しないサンプルについての予測された密度も示している。予測された密度は、前記図において線で表わされる十分に近い時間間隔にした。
Figure 0004299135
Figure 0004299135
表14及び図11は、長時間にわたりオンラインでの方法の正確さ及び精密さ、並びに密度値の範囲を示している。先の実施例におけるように、前記図における切れ目は、反応器が作動していない時間を示し、水平域は、特定のグレードの連続している生産を示し、急勾配の垂直域は、異なるグレード間への移行に相当する。そのデーターは、さらに、本発明のオンラインでの方法は、グレード移行の間でさえも正確で精密であることを示している。全5週間にわたる実験室での値と比較した予測の3σ正確さは、±0.0063g/cmであった
又、2つの商業的規模の流動床反応器の各々において、モデル精密さと長期ドリフトのために試験するために、実施例8と同じ約2200のサンプルの予測した密度を4週間にわたり、スタティックサンプルについてモニターした。各反応器において、そのデーターは、0.00006g/cmの3σ標準偏差を示し(例えば、0.9177及び0.9178g/cmの密度を有するサンプルについて)、測定可能な長期ドリフトは示さなかった。
本明細書において用いられる種々の商標は、TM印により示され、その商標は、特定の商標権により保護され得る。いくつかのそのような名称は種々の管轄区域において商標として登録され得る。
優先権証明書である米国暫定出願60/345337号を含む、すべての特許、試験操作、及びそれに引用された他の文献は、その開示が本発明と相反しない程度に引用により、そのような組み込みが許されているすベての管轄区域のために完全に組み込まれる。
図1は、気相反応器の構成図である。 図2は、本発明によるラマン分析器の構成図である。 図3は、ファイバーオプティックラマンプローブの1つの態様を示す。 図4は、サンプル室の1つの態様である。 図5は、粒状の線状低密度ポリエチレンポリマーサンプルの代表的なラマンスペクトルである。 図6a及び図6bは、実施例1及び2による、それぞれ、低い及び高いメルトインデックス範囲内の予測されたメルトインデックス対測定されたメルトインデックスを示す。 図7は、実施例3による予測された密度対測定された密度を示す。 図8a及び8bは、実施例4及び5による、それぞれ、メタロセン触媒での反応及びチーグラー・ナッタ触媒での反応におけるオンラインでのラマン分析からの予測されたメルトインデックス対測定されたメルトインデックスを示す。 図9A及び9bは、実施例6及び7による、それぞれ、メタロセン触媒での反応及びチーグラー・ナッタ触媒での反応におけるオンラインでのラマン分析からの予測された密度対測定された密度を示す。 図10は、約5週間にわたる商業的規模の流動床反応器におけるオンラインでのラマン分析からの予測されたメルトインデックス対測定されたメルトインデックスを示す。 図11は、約5週間にわたる商業的規模の流動床反応器におけるオンラインでのラマン分析からの予測された密度対測定された密度を示す。

Claims (8)

  1. (a)ポリオレフィン粒子の性質を決定するための、主成分ローディングと主成分スコアを含む回帰モデルを得る段階、
    (b)ポリオレフィン粒子のサンプルを提供する段階及び
    (c)サンプルを照射し、ラマンプローブを用いて、サンプリング間隔の間に分散された放射線を集める段階を含み、ラマンプローブがサンプル中を動かされて、サンプルと、サンプリング間隔の少なくとも一部の間のラマンプローブとの間に、相対運動がある段階、
    )ラマンスペクトルの少なくとも一部及び新しい主成分ローディングから、新しい主成分スコアを算出する段階及び
    )新しい主成分スコアを回帰モデルに適用することにより、ポリオレフィン粒子の性質を算出する段階
    を含む、重合反応器系中のポリオレフィン粒子の性質を決定する方法。
  2. 回帰モデルを得る段階が、
    (i) ポリオレフィン粒子を含有するサンプルの複数のラマンスペクトルを得る段階、
    (ii)主成分分析(PCA)を用いて、(i)において得られたスペクトルから、主成分ローディングと主成分スコアを算出する段階及び
    (iii)回帰モデルがポリオレフィン粒子の性質を主成分スコアに相関させるように、(ii)において算出された主成分スコアを用いて、回帰モデルを作成する段階
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 回帰モデルが、局所重みつき回帰モデルである、請求項1に記載の方法。
  4. ポリオレフィン粒子の性質が、密度、溶融流量、分子量、分子量分布及びそれらの関数から選ばれる、請求項1に記載の方法。
  5. サンプルを定置されたサンプル室に入れ、リニアーアクチュエーターを用いてラマンプローブをサンプル室に出し入れする、請求項1に記載の方法。
  6. ラマンスペクトルを100乃至3,500cm −1 の領域で収集する、請求項1に記載の方法。
  7. 重合反応器が流動床反応器である、請求項1に記載の方法。
  8. (i)第二のポリオレフィン粒子の性質を決定するために、第二主成分ローディングと第二主成分スコアを含む第二回帰モデルを得る段階、
    (ii)ラマンスペクトルの少なくとも一部及び新しい第二主成分ローディングから、新しい第二主成分スコアを算出する段階及び
    (iii)新しい第二主成分スコアを第二回帰モデルに適用することにより第二のポリオレフィン粒子の性質を算出する段階
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
JP2003544430A 2001-11-09 2002-10-15 ラマン分光分析法によるポリマーの性質のオンライン測定及び制御 Expired - Fee Related JP4299135B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US34533701P 2001-11-09 2001-11-09
PCT/US2002/032767 WO2003042646A2 (en) 2001-11-09 2002-10-15 On-line measurement and control of polymer properties by raman spectroscopy

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005509851A JP2005509851A (ja) 2005-04-14
JP4299135B2 true JP4299135B2 (ja) 2009-07-22

Family

ID=23354633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003544430A Expired - Fee Related JP4299135B2 (ja) 2001-11-09 2002-10-15 ラマン分光分析法によるポリマーの性質のオンライン測定及び制御

Country Status (8)

Country Link
US (1) US7116414B2 (ja)
EP (1) EP1451542A4 (ja)
JP (1) JP4299135B2 (ja)
KR (1) KR20040053290A (ja)
CN (1) CN100443868C (ja)
BR (1) BR0213978A (ja)
CA (1) CA2466318A1 (ja)
WO (1) WO2003042646A2 (ja)

Families Citing this family (41)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BR0213978A (pt) 2001-11-09 2004-10-19 Exxonmobil Chemical Patentes I Medição on-line e controle de propriedades de polìmero por espectroscopia raman
AU2003255419A1 (en) * 2002-08-12 2004-03-03 Basell Polyolefine Gmbh Determination of mechanical properties of polymer products using raman spectroscopy
BR0315318A (pt) * 2002-10-15 2005-08-16 Exxonmobil Chemical Patentes I Medição on-line e controle das propriedades de polìmero através de espectroscopia raman
CN102527307A (zh) * 2002-10-28 2012-07-04 伊内奥斯美国公司 采用在线仪器数据转换的化学制造工艺和方法
US7106437B2 (en) * 2003-01-06 2006-09-12 Exxonmobil Chemical Patents Inc. On-line measurement and control of polymer product properties by Raman spectroscopy
WO2005068516A2 (en) * 2004-01-14 2005-07-28 Chevron Phillips Chemical Company Lp Method and apparatus for monitoring polyolefin production
US7400941B2 (en) * 2004-01-14 2008-07-15 Chrevron Phillips Chemical Company Lp Method and apparatus for monitoring polyolefin production
DE102004029465A1 (de) 2004-06-18 2006-01-05 Basell Polyolefine Gmbh Verfahren zur Bestimmung und Regelung der Zusammensetzung von Polymermischungen bei der Polymerisation
RU2266523C1 (ru) * 2004-07-27 2005-12-20 Общество с ограниченной ответственностью ООО "ВИНТЕЛ" Способ создания независимых многомерных градуировочных моделей
US7430479B1 (en) * 2004-08-17 2008-09-30 Science Applications International Corporation System and method for analyzing content data
EP1805229A1 (en) * 2004-10-28 2007-07-11 Dow Gloval Technologies Inc. Method of controlling a polymerization reactor
US7505129B2 (en) 2005-07-22 2009-03-17 Exxonmobil Chemical Patents Inc. On-line analysis of polymer properties for control of a solution phase reaction system
US7505127B2 (en) * 2005-07-22 2009-03-17 Exxonmobil Chemical Patents Inc. On-line raman analysis and control of a high pressure reaction system
US7483129B2 (en) * 2005-07-22 2009-01-27 Exxonmobil Chemical Patents Inc. On-line properties analysis of a molten polymer by raman spectroscopy for control of a mixing device
JP4784387B2 (ja) * 2006-05-02 2011-10-05 日立電線株式会社 光ファイバ温度センサ
KR100817854B1 (ko) * 2006-09-19 2008-03-31 재단법인서울대학교산학협력재단 라만 산란광 및 광산란의 동시 검출 장치
WO2008082503A2 (en) * 2006-12-19 2008-07-10 E. I. Du Pont De Nemours And Company Semibatch copolymerization process for compositionally uniform copolymers
EP2055720A1 (en) * 2007-11-05 2009-05-06 Total Petrochemicals Research Feluy Predictive model for density and melt index of polymer leaving loop reactor
EP2055721A1 (en) * 2007-11-05 2009-05-06 Total Petrochemicals Research Feluy Method for optimising the transition from one polymer grade to another
BRPI0821808A2 (pt) * 2007-12-27 2015-06-16 Univation Tech Llc Sistemas e métodos para remover particulados carregados de fluxos de gás, e sistemas reatores que implementam os mesmos
FR2942879B1 (fr) * 2009-03-09 2012-10-19 Inst Francais Du Petrole Nouvelle methode de mesure en ligne sur les unites en lit mobile simule ou les unites de separation par distillation et application au controle et regulation desdites unites
IT1399261B1 (it) * 2009-06-11 2013-04-11 Galileo Avionica S P A Ora Selex Galileo Spa Rivelazione attiva a distanza di sostanze chimiche
CN101915742B (zh) * 2010-08-10 2012-06-27 北京路源光科技有限公司 基于拉曼技术的生物柴油在线检测仪
US9261403B2 (en) 2010-08-31 2016-02-16 Sicpa Holding Sa Inline spectroscopic reader and methods
US20140271437A1 (en) * 2013-03-14 2014-09-18 Memc Electronic Materials, Inc. Method of controlling a gas decomposition reactor by raman spectrometry
US9297765B2 (en) 2013-03-14 2016-03-29 Sunedison, Inc. Gas decomposition reactor feedback control using Raman spectrometry
FR3007139B1 (fr) * 2013-06-14 2016-11-11 Axens Dispositif et methode d'analyse associee pour la conduite des unites de separation de xylenes en lit mobile simule utilisant un spectrometre raman
US9389161B2 (en) 2014-04-09 2016-07-12 Exxonmobil Chemical Patents Inc. On-line FT-NIR method to determine particle size and distribution
EP2955506A1 (en) * 2014-06-11 2015-12-16 Casale SA A method for in-line quantitative analysis of a stream in a production plant for the synthesis of urea
CN104089941B (zh) * 2014-06-11 2018-01-05 华南理工大学 一种聚合物熔体性质的拉曼光谱在线测量装置与方法
US9765164B2 (en) 2014-06-27 2017-09-19 Dow Global Technologies Llc Polyolefin compositions and uses thereof
CA2891693C (en) * 2015-05-21 2022-01-11 Nova Chemicals Corporation Controlling the placement of comonomer in an ethylene copolymer
US9945790B2 (en) * 2015-08-05 2018-04-17 Viavi Solutions Inc. In-situ spectral process monitoring
IT201600093986A1 (it) * 2016-09-19 2018-03-19 Saipem Spa Sistema e metodo di analisi di effluenti gassosi di un impianto urea
US10139329B2 (en) * 2016-10-14 2018-11-27 Kaiser Optical Systems Inc. Particle size determination using Raman spectroscopy
ES2945741T3 (es) 2018-03-28 2023-07-06 Dow Global Technologies Llc Método para monitorizar y controlar la polimerización de un polímero
EP3775759A4 (en) * 2018-04-06 2022-04-27 Braskem America, Inc. RAMAN SPECTROSCOPY AND QUALITY CONTROL MACHINE LEARNING
CN112154174B (zh) 2018-05-22 2024-02-06 埃克森美孚化学专利公司 形成膜的方法及其相关的计算装置
EP3887803A1 (en) * 2018-11-29 2021-10-06 Basf Se Prediction of physical properties of superabsorbent polymers
US20230416830A1 (en) 2020-11-16 2023-12-28 INSERM (Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale) Methods and compositions for predicting and treating uveal melanoma
KR20220162285A (ko) * 2021-06-01 2022-12-08 사빅 에스케이 넥슬렌 컴퍼니 피티이 엘티디 분광분석기를 이용하여 실시간으로 에틸렌 중합체의 밀도를 예측 및 조절하는 에틸렌 중합체의 제조방법

Family Cites Families (60)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3725378A (en) 1958-12-17 1973-04-03 Monsanto Co Polymerization of ethylene
US4175169A (en) 1971-03-19 1979-11-20 Exxon Research & Engineering Co. Production of polyethylene
US3779712A (en) 1971-11-26 1973-12-18 Union Carbide Corp Particulate solids injector apparatus
US4243619A (en) * 1978-03-31 1981-01-06 Union Carbide Corporation Process for making film from low density ethylene hydrocarbon copolymer
US4182810A (en) 1978-04-21 1980-01-08 Phillips Petroleum Company Prevention of fouling in polymerization reactors
JPS55142008A (en) 1979-04-23 1980-11-06 Mitsui Petrochem Ind Ltd Preparation of polyolefin
US4621952A (en) 1981-07-28 1986-11-11 Union Carbide Corporation Fluidized bed discharge process
US4588790A (en) * 1982-03-24 1986-05-13 Union Carbide Corporation Method for fluidized bed polymerization
US4543399A (en) * 1982-03-24 1985-09-24 Union Carbide Corporation Fluidized bed reaction systems
US4540753A (en) * 1983-06-15 1985-09-10 Exxon Research & Engineering Co. Narrow MWD alpha-olefin copolymers
US4620049A (en) 1984-10-31 1986-10-28 Standard Oil Company (Indiana) Method and apparatus for controlling polybutene production
DE3610159A1 (de) 1986-03-26 1987-10-01 Werner & Pfleiderer Vorrichtung und verfahren zur herstellung eines kunststoffes mit definierten eigenschaften, insbesondere eines polypropylens mit definierter molekularstruktur
US4956426A (en) * 1986-07-24 1990-09-11 Union Carbide Chemicals And Plastics Company Inc. Process for controlled polymerization of stereospecific alpha-olefins having preselected isotacticity
US4888704A (en) 1987-12-18 1989-12-19 Amoco Corporation Advanced control strategies for melt flow rate and reactor concentration in the polypropylene slurry process
FR2625506B1 (fr) 1987-12-31 1992-02-21 Bp Chimie Sa Procede et appareillage de fabrication de polymeres controlee a l'aide d'un systeme de regulation comprenant un spectrophotometre infrarouge
US4817416A (en) 1988-06-13 1989-04-04 Rheometrics, Inc. On-line rheological measurements
DE3921841A1 (de) 1989-07-03 1991-01-10 Goettfert Werkstoff Pruefmasch Echtzeit-kapillarrheometer-anordnung
DE4003696C1 (ja) 1990-02-07 1990-12-13 Petzetakis, George Aristovoulos, Piraeus, Gr
US5151474A (en) * 1990-02-16 1992-09-29 The Dow Chemical Company Process control method for manufacturing polyolefin
US5121337A (en) 1990-10-15 1992-06-09 Exxon Research And Engineering Company Method for correcting spectral data for data due to the spectral measurement process itself and estimating unknown property and/or composition data of a sample using such method
GB9105078D0 (en) 1991-03-11 1991-04-24 Exxon Chemical Patents Inc Manufacturing process control and product characterization
US5589555A (en) 1991-10-03 1996-12-31 Novacor Chemicals (International) S.A. Control of a solution process for polymerization of ethylene
US5675253A (en) 1991-11-20 1997-10-07 Auburn International, Inc. Partial least square regression techniques in obtaining measurements of one or more polymer properties with an on-line nmr system
US5270274A (en) 1991-11-28 1993-12-14 Japan Synthetic Rubber Co., Ltd. Catalyst composition for hydrogenating olefinically unsaturated polymers
US5274056A (en) 1992-01-31 1993-12-28 Phillips Petroleum Company Linear, very low density polyethylene polymerization process and products thereof
US5436304A (en) * 1992-03-19 1995-07-25 Exxon Chemical Patents Inc. Process for polymerizing monomers in fluidized beds
US5352749A (en) * 1992-03-19 1994-10-04 Exxon Chemical Patents, Inc. Process for polymerizing monomers in fluidized beds
NO924031L (no) * 1992-03-20 1993-09-21 Rohm & Haas Fremgangsmaate til styring av molekylvektfordelingen i polymerer
US5343830A (en) 1993-03-25 1994-09-06 The Babcock & Wilcox Company Circulating fluidized bed reactor with internal primary particle separation and return
US5462999A (en) * 1993-04-26 1995-10-31 Exxon Chemical Patents Inc. Process for polymerizing monomers in fluidized beds
RU2120947C1 (ru) * 1993-04-26 1998-10-27 Эксон Кемикэл Пейтентс Инк. Способ газофазной полимеризации в псевдоожиженном слое
US5638172A (en) 1994-05-27 1997-06-10 Eastman Chemical Company On-line quantitative analysis of chemical compositions by raman spectrometry
US5697373A (en) * 1995-03-14 1997-12-16 Board Of Regents, The University Of Texas System Optical method and apparatus for the diagnosis of cervical precancers using raman and fluorescence spectroscopies
US5696213A (en) 1995-04-21 1997-12-09 Exxon Chemical Patents Inc. Ethylene-α-olefin-diolefin elastomers solution polymerization process
US5682309A (en) 1995-04-28 1997-10-28 Exxon Chemical Patents Inc. Feedback method for controlling non-linear processes
US5657404A (en) 1995-05-25 1997-08-12 Eastman Chemical Company Robust spectroscopic optical probe
BE1009406A3 (fr) 1995-06-09 1997-03-04 Solvay Methode de regulation de procedes de synthese de produits chimiques.
US5751415A (en) * 1996-05-13 1998-05-12 Process Instruments, Inc. Raman spectroscopy apparatus and method for continuous chemical analysis of fluid streams
AU6956096A (en) 1996-08-22 1998-03-06 Eastman Chemical Company On-line quantitative analysis of chemical compositions by raman spectrometry
US5892228A (en) 1996-09-30 1999-04-06 Ashland Inc. Process and apparatus for octane numbers and reid vapor pressure by Raman spectroscopy
US6072576A (en) 1996-12-31 2000-06-06 Exxon Chemical Patents Inc. On-line control of a chemical process plant
JP2002510395A (ja) 1997-07-02 2002-04-02 スペクトラ コード インコーポレイテッド 高速同定ラマンシステム
US6239235B1 (en) * 1997-07-15 2001-05-29 Phillips Petroleum Company High solids slurry polymerization
TW396168B (en) * 1997-08-28 2000-07-01 Toho Titanium K K Solid catalyst component and catalyst for polymerization of olefins
US5974866A (en) 1997-08-29 1999-11-02 General Electric Company On-line rheometer device
US5999255A (en) * 1997-10-09 1999-12-07 Solutia Inc. Method and apparatus for measuring Raman spectra and physical properties in-situ
US5864403A (en) * 1998-02-23 1999-01-26 National Research Council Of Canada Method and apparatus for measurement of absolute biaxial birefringence in monolayer and multilayer films, sheets and shapes
US6281300B1 (en) * 1998-03-20 2001-08-28 Exxon Chemical Patents, Inc. Continuous slurry polymerization volatile removal
DE69937260T2 (de) * 1998-03-20 2008-07-03 Chevron Phillips Chemical Co. Lp, The Woodlands Kontinuierliches Entfernen flüchtiger Bestandteile aus Suspensionspolymerisation
US6204664B1 (en) 1998-12-31 2001-03-20 Phillips Petroleum Company Chemometric technique for predicting styrene content in butadiene-styrene resin with an on-line NMR system
US6218484B1 (en) * 1999-01-29 2001-04-17 Union Carbide Chemicals & Plastics Technology Corporation Fluidized bed reactor and polymerization process
EP1214362A1 (en) * 1999-07-30 2002-06-19 ExxonMobil Chemical Patents Inc. Raman analysis system for olefin polymerization control
US6479597B1 (en) * 1999-07-30 2002-11-12 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Raman analysis system for olefin polymerization control
US6723804B1 (en) * 2000-11-03 2004-04-20 Chevron Phillips Chemical Company, Lp Monitoring and control of slurry processes for polymerizing olefins
WO2003033550A1 (en) * 2001-10-17 2003-04-24 Bp Chemicals Limited Process control for the (co)-polymerisation of olefins
BR0213978A (pt) 2001-11-09 2004-10-19 Exxonmobil Chemical Patentes I Medição on-line e controle de propriedades de polìmero por espectroscopia raman
US6673878B2 (en) 2001-12-19 2004-01-06 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Tubular polymerization reactors and polymers made therein
BR0315318A (pt) 2002-10-15 2005-08-16 Exxonmobil Chemical Patentes I Medição on-line e controle das propriedades de polìmero através de espectroscopia raman
US7106437B2 (en) 2003-01-06 2006-09-12 Exxonmobil Chemical Patents Inc. On-line measurement and control of polymer product properties by Raman spectroscopy
US7400941B2 (en) * 2004-01-14 2008-07-15 Chrevron Phillips Chemical Company Lp Method and apparatus for monitoring polyolefin production

Also Published As

Publication number Publication date
CN100443868C (zh) 2008-12-17
EP1451542A4 (en) 2005-07-13
CN1585893A (zh) 2005-02-23
CA2466318A1 (en) 2003-05-22
WO2003042646A3 (en) 2003-08-14
WO2003042646A2 (en) 2003-05-22
JP2005509851A (ja) 2005-04-14
US20040233425A1 (en) 2004-11-25
US7116414B2 (en) 2006-10-03
BR0213978A (pt) 2004-10-19
KR20040053290A (ko) 2004-06-23
EP1451542A2 (en) 2004-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4299135B2 (ja) ラマン分光分析法によるポリマーの性質のオンライン測定及び制御
US20060136149A1 (en) On-line measurement and control of polymer properties by raman spectroscopy
US7106437B2 (en) On-line measurement and control of polymer product properties by Raman spectroscopy
US6723804B1 (en) Monitoring and control of slurry processes for polymerizing olefins
US9389161B2 (en) On-line FT-NIR method to determine particle size and distribution
US7505129B2 (en) On-line analysis of polymer properties for control of a solution phase reaction system
EP1735351B1 (en) Method for online estimation of reactor split for multimodal polyolefins
US6479597B1 (en) Raman analysis system for olefin polymerization control
EP3774022B1 (en) Method to monitor and control the polymerization of a polymer
US7799877B2 (en) Polymerization monitoring and control using leading indicators
EP1214363B1 (en) Raman analysis system for olefin polymerization control
WO2004017056A1 (en) Determination of mechanical properties of polymer products using raman spectroscopy

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080708

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090407

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090416

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120424

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees