JP4299005B2 - 生産設備管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生産設備管理システムに関するものである。さらに詳しくは、本発明は、生産ラインにおける各種生産設備を制御するNCデータ群を最適に設定することを支援する生産設備管理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の生産工程について、基板に部品を実装する生産ラインを例として、以下に説明する。
【0003】
主に、部品の実装工程を実施するための生産設備は、生基板に対してクリーム半田を印刷する印刷設備と、微小部品を実装する装着設備と、異形部品を実装する多機能装着設備手段と、部品を装着した基板を硬化させるリフロー設備と、部品が正しい位置に装着されたか否かを検査する外観検査設備とから構成されている。以上の生産設備においては、NCデータに基づき各生産設備の動作が制御される。主なNCデータとしては、基板の大きさ、基準ピン位置を示す基板プログラム、部品の実装位置を示すNCプログラム、部品の置く場所を示す部品配列プログラム、部品の動作条件を示す部品ライブラリ、設備における部品の供給形態を示す供給ライブラリ、印刷設備やリフロー設備のプロセス条件を示す工法プログラム、および、外観検査機の検査条件を示す検査ライブラリなどが挙げられる(以下、NCデータ群と呼ぶ)。
【0004】
部品形状データを量産立ち上げ時においては、オペレータが、実装工程におけるプロセス機(メタルマスク印刷機、リフロー機)や装着機の工法データや設備動作条件に関してデータ調整を行い、さらに、外観検査機を用いることで、良品が生産されているか否かについて製品の品質の確認を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、外観検査機により得られる製品品質データから、NCデータ群の種別あるいはパラメータの値を効率的に決定し、また、修正が行われた度にどれだけの量が修正されたかを特定することは極めて困難であり、無駄な試行工数を費やしていた。
【0006】
そこで、本発明は、上記の問題点を解決し、生産ラインにおける生産設備を制御するNCデータ群の最適値の決定を効率的に行うことを可能とする新しい生産設備管理システムを提供することを目的とするものである。
【0007】
また、現場におけるデータ変更をデータベースファイルにフィードバックしたデータ変更管理システムとして、実装設計後に割り当てられたアドレスをデータベースファイルに出力し、機能設計部で、データベースファイル内の前記アドレスを論理ファイルにフィードバックするようにしたものは公知である(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−249066号公報(5頁・図11〜13)
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するものとして、本発明の生産設備管理システムは、複数の生産設備と外観検査機とからなる製品生産ラインにおいて、生産設備の動作を制御するNCデータ群の最適な設定を支援する生産設備管理システムであって、生産設備において修正されたNCデータ群を、ラインコントロールシステムにより収集するNCデータ群収集手段と、NCデータ群収集手段において収集されたNCデータ群を、生産設備種別、データ種別、生産基板名、プログラム名、ファイルバージョン、および検証区分に関して、バージョン管理するNCデータ群バージョン管理手段と、NCデータ群バージョン管理手段によりバージョン管理されたNCデータ群のバージョン間差分データを、差分データファイルとして出力する差分データファイル出力手段と、外観検査機により検出された製品品質データを収集して管理する製品品質データ管理手段と、差分データファイル出力手段により出力された差分データファイルから、NCデータ群をなす任意のパラメータを製品品質データ管理手段により管理されている製品品質データとともに時系列に並べ分析グラフとして出力し、NCデータ群の変化点分析を行う変化点分析手段と、変化点分析手段において出力された分析グラフから、NCデータ群におけるパラメータの最適値を要因分析結果ファイルとして出力する要因分析手段とからなり、前記差分データファイル出力手段は、NCデータ群のデータ種別によりデータフォーマットおよびキーが定義されている差分機能定義ファイルを読み込む差分機能定義ファイル読み込み手段と、収集したNCデータ群と前バージョンのNCデータ群との差分データを差分機能定義ファイルに基づき取得する差分データ取得手段と、差分データ取得手段により取得された差分データを差分データファイルとして記録する差分データファイル記録手段とからなるようにしたものである。
【0010】
この本発明によれば、生産ラインにおける生産設備を制御するNCデータ群の最適値の決定を効率的に行うことを可能とする新しい生産設備管理システムが得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、複数の生産設備と外観検査機とからなる製品生産ラインにおいて、生産設備の動作を制御するNCデータ群の最適な設定を支援する生産設備管理システムであって、生産設備において修正されたNCデータ群を、ラインコントロールシステムにより収集するNCデータ群収集手段と、NCデータ群収集手段において収集されたNCデータ群を、生産設備種別、データ種別、生産基板名、プログラム名、ファイルバージョン、および検証区分に関して、バージョン管理するNCデータ群バージョン管理手段と、NCデータ群バージョン管理手段によりバージョン管理されたNCデータ群のバージョン間差分データを、差分データファイルとして出力する差分データファイル出力手段と、外観検査機により検出された製品品質データを収集して管理する製品品質データ管理手段と、差分データファイル出力手段により出力された差分データファイルから、NCデータ群をなす任意のパラメータを製品品質データ管理手段により管理されている製品品質データとともに時系列に並べ変化点分析グラフとして出力し、NCデータ群の変化点分析を行う変化点分析手段と、変化点分析手段において出力された変化点分析グラフから、NCデータ群におけるパラメータの最適値を要因分析結果ファイルとして出力する要因分析手段とからなることを特徴としたもので、生産ラインにおける生産設備を制御するNCデータ群の最適値の決定を効率的に行うことが可能となる作用を有する。
【0012】
さらに、本発明は、NCデータ群収集手段が、製品の品質向上を目的としてオペレータによりNCデータ群を収集する手段と、生産ラインにおける製品の量産完了時の段取り替えの際にNCデータ群を収集する手段とからなることを特徴としたもので、修正されたNCデータ群を自動的に収集することが可能となる作用を有する。
【0013】
さらに、本発明は、NCデータ群バージョン管理手段が、製品の設計情報に基づきCAMシステムにより作成されたNCデータ群のバージョンを管理する設計NCデータ群バージョン管理手段と、修正されたNCデータ群のバージョンを管理する修正NCデータ群バージョン管理手段とからなることを特徴としたもので、修正されたNCデータ群のバージョンを高い効率で管理することが可能となる作用を有する。
【0014】
さらに、本発明は、差分データファイル出力手段において、NCデータ群のデータ種別によりデータフォーマットおよびキーが定義されている差分機能定義ファイルを読み込む差分機能定義ファイル読み込み手段と、収集したNCデータ群と前バージョンのNCデータ群との差分データを差分機能定義ファイルに基づき自動的に取得する差分データ取得手段と、差分データ取得手段により取得された差分データを差分データファイルとして記録する差分データファイル記録手段とからなることを特徴としたもので、NCデータ群の修正前後における変更点を自動的に保存することが可能となる作用を有する。
【0015】
さらに、本発明は、変化点分析手段が、変化点の分析対象となる生産ライン、生産設備、パラメータ、および、期間を設定する変化点分析対象設定手段と、変化点分析対象設定手段において設定された変化点の分析対象となる生産設備に関する差分データファイルを読み取り差分データを取得する差分データ取得手段と、製品品質データ管理手段により管理されている製品品質データを取得する製品品質データ取得手段と、差分データおよび製品品質データを時系列に並べて変化点分析グラフとして表示する変化点分析グラフ表示手段と、変化点分析グラフにおける変化の大きい箇所をグラフィカルに強調して表示する強調表示手段とからなることを特徴としたもので、NCデータ群の修正に伴い、製品品質がどのように変化したかを明らかとすることが可能となる作用を有する。
【0019】
【実施の形態】
本発明の生産設備管理システムは、複数の生産設備と外観検査機とからなる製品生産ラインにおいて生産設備の動作を制御するNCデータ群を最適に変更することを支援するものである。
【0020】
本発明の生産設備管理システムは、生産設備において修正されたNCデータ群をラインコントロールシステムにより収集するNCデータ群収集手段と、このNCデータ収集手段において収集されたNCデータ群を、生産設備種別、データ種別、生産基板名、プログラム名、ファイルバージョン、および検証区分に関して、自動的にバージョン管理するNCデータ群バージョン管理手段と、NCデータ管理手段によりバージョン管理されたNCデータ群のバージョン間差分データを、自動的に差分データファイルとして出力する差分データファイル出力手段と、外観検査機により検出された製品品質データを収集して管理する製品品質データ管理手段と、差分データファイル出力手段により出力された差分データファイルから、NCデータ群をなす任意のパラメータを製品品質データ管理手段により管理されている製品品質データとともに時系列に並べ変化点分析グラフとして出力し、NCデータ群の変化点分析を行う変化点分析手段と、変化点分析手段において出力された変化点分析グラフから、NCデータ群におけるパラメータの最適値を要因分析結果ファイルとして出力する要因分析手段とから構成されるものである。
【0021】
NCデータ群収集手段は、製品の品質向上を目的としてオペレータによりNCデータ群を収集する手段と、生産ラインにおける製品の量産完了時の段取り替えの際にNCデータ群を収集する手段と有している。また、NCデータ群バージョン管理手段は、製品の設計情報に基づきCAMシステムにより作成されたNCデータ群のバージョンを管理する設計NCデータ群バージョン管理手段と、修正されたNCデータ群のバージョンを管理する修正NCデータ群バージョン管理手段とから構成される。
【0022】
差分データファイル出力手段においては、NCデータ群のデータ種別によりデータフォーマットおよびキーが定義されている差分機能定義ファイルを読み込まれ、次いで、収集されたNCデータ群と前バージョンのNCデータ群との差分データを差分機能定義ファイルに基づき自動的に取得され、さらに、差分データ取得手段により取得された差分データを差分データファイルとして記録される。
【0023】
変化点分析手段においては、変化点の分析対象となる生産ライン、生産設備、パラメータ、および、期間が設定され、次いで、変化点分析対象設定手段において設定された変化点の分析対象となる生産設備に関する差分データファイルが読み取られ、差分データが取得される。そして、製品品質データ管理手段により、管理されている製品品質データの取得がなされ、差分データおよび製品品質データが、時系列に並べられ、変化点分析グラフとして表示される。表示された変化点分析グラフにおいて変化の大きい箇所は、グラフィカルに強調して表示されることが好ましい。
【0024】
要因分析手段においては、変化点分析手段において出力された変化点分析グラフから、製品品質データにおける工程不良率が目標工程不良率未満でパラメータの値が一定している期間が安定値領域として抽出され、また、製品品質データにおける工程不良率が目標工程不良率以上でパラメータの値が一定している期間が不安定値領域として抽出される。安定値領域におけるNCデータ群のパラメータの値は、最適値として決定し要因分析結果ファイルとして出力される。この要因分析結果ファイルに保存されるデータとしては、設備動作パラメータ、工法パラメータ、および、部品形状パラメータが挙げられる。
【0025】
本発明の生産設備管理システムにおいては、最終的に出力される要因分析結果ファイルを、設計用アプリケーションプログラムまたはCAMシステムにフィードバックする要因分析結果ファイルフィードバック手段を備えることが好適である。
【0026】
以上は、この出願の発明における形態の一例であり、この出願の発明がこれらに限定されることはなく、その細部について様々な形態をとりうることが考慮されるべきであることは言うまでもない。
【0027】
この出願の発明は、以上の特徴を持つものであるが、以下に実施例を示し、さらに具体的に説明する。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図1〜図16の図面を用いて説明する。ここでは、プリント基板実装工程における本発明の生産設備管理システムの実施例を説明する。
実施例1
図1に、本発明の生産設備管理システムの構成について示す。
【0029】
本発明の生産設備管理システムは、前述の通り、生産設備(1〜4)において修正されたNCデータ群をラインコントロールシステムにより収集するNCデータ群収集手段(6)と、このNCデータ収集手段(6)において収集されたNCデータ群を、生産設備種別、データ種別、生産基板名、プログラム名、ファイルバージョン、および検証区分に関して、自動的にバージョン管理するNCデータ群バージョン管理手段(8)と、NCデータ管理手段によりバージョン管理されたNCデータ群のバージョン間差分データを、自動的に差分データファイルとして出力する差分データファイル出力手段(9)と、外観検査機(5)により検出された製品品質データを収集して管理する製品品質データ管理手段(7)と、差分データファイル出力手段により出力された差分データファイルから、NCデータ群をなす任意のパラメータを製品品質データ管理手段により管理されている製品品質データとともに時系列に並べ変化点分析グラフとして出力し、NCデータ群の変化点分析を行う変化点分析手段(10)と、変化点分析手段において出力された変化点分析グラフから、NCデータ群におけるパラメータの最適値を要因分析結果ファイルとして出力する要因分析手段(11)と、要因分析結果ファイルを、設計用アプリケーションプログラムまたはCAMシステムにフィードバックする要因分析結果ファイルフィードバック手段(12)とから構成される。
【0030】
NCデータ群収集手段(6)においては、図2に示すフローチャートに基づき、ラインコントロールシステムが、現場の各生産設備(1〜4)において修正されたNCデータ群をNCデータ群バージョン管理手段に対してアップロードする。ラインコントロールシステムによるNCデータ群のアップロードにおいては、図2に示したアップロードAのように、ある基板を初めて流す時点で品質が良くならず各生産設備のNCデータ群を常に修正しているような状況において、個別に修正されたNCデータ群をラインコントロールにより個別にアップロードする場合と、アップロードBのように、ある基板が量産実装可能であり製品品質の安定性が実証済みである状況において、各生産設備における全NCデータ群を一括してアップロードする場合との2種類に分岐する。
【0031】
製品品質データ管理手段(7)においては、図3に示すように、外観検査機(5)により、製品品質データが定期的にネットワーク(14)あるいは任意の記録媒体を介して取得され、製品品質データ管理用サーバ(13)に保持される。
【0032】
NCデータ群バージョン管理手段(8)においては、NCデータ群収集手段(6)で取得されたNCデータ群を設備、データ種別、生産基板名、プログラム名、ファイルバージョン、および、検証区分を管理対象とするバージョン管理を自動的に行う。NCデータ群バージョン管理手段における管理対象の具体例を、図9に示す。
【0033】
差分データファイル出力手段(9)においては、NCデータ群バージョン管理手段(8)においてバージョン管理されているNCデータ群について、同一の生産設備、データ種別、および、生産基板名に関して、自動的に前バージョンとの差分を差分データとして取得し、差分データファイルとして出力する。図11に、差分データファイルの具体例を示す。
【0034】
変化点分析手段(10)においては、差分データファイルをもとに、任意のNCデータ群のパラメータをキーとして、データの変化点を、品質データと併せて、時系列に並べ、変化点分析グラフとして表示し、変化点分析を行う。図12は、表示される変化点分析グラフの一例である。
【0035】
要因分析手段(11)においては、変化点分析手段(10)により出力された分析グラフから、製品品質データにおける工程不良率が目標工程不良率未満でパラメータの値が一定している期間を安定値領域として抽出し、また、製品品質データにおける工程不良率が目標工程不良率以上でパラメータの値の値が一定している期間を不安定値領域として抽出し、さらに、安定値領域におけるNCデータ群のパラメータの値を最適値として決定し要因分析結果ファイルとして出力する。図14は、抽出された安定値領域および不安定値領域である。
【0036】
要因分析結果ファイルフィードバック手段(12)においては、要因分析手段(11)において出力された要因分析結果ファイルに記載された安定値領域を示す設備動作パラメータ、工法パラメータ、および部品形状パラメータを、フィードバックシステムを用いて、設計部門やCAMヘフィードバックする。
実施例2
実施例1に示したNCデータ群収集手段(6)における、各生産設備(1〜4)において修正されたNCデータ群のアップロードに関して、図4〜6を用いて、さらに詳細に説明する。
【0037】
ラインコントロールシステムによるNCデータ群のアップロードにおいては、図4に示したアップロードCのように、ある基板を初めて流す時点で品質が良くならず各生産設備のNCデータ群を常に修正しているような状況において、個別に修正された設備動作条件や位置データに関するNCデータ群をラインコントロールにより個別にアップロードする場合と、アップロードDのように、ある基板が量産実装可能であり製品品質の安定性が実証済みである状況において、各生産設備における設備条件や位置データなどの全NCデータ群を一括してアップロードする場合との2種類に分岐する。生産ラインのオペレータは、アップロードCが行われる場合には、図5に示す操作画面により、また、アップロードCが行われる場合には、図6に示す操作画面により、アップロード実行の確認を行い、各ラインの各設備の必要とするNCデータ群を間違いなくアップロードすることができる。図6に示した操作画面においては、生産計画にリンクした基板品番、工程区分(表裏)、生産開始予定日・時刻、計画台数、および、ロットNo.がメイン画面として表示され、各生産ラインの生産設備におけるNCデータ群とバージョンおよび検証区分について一括リンクされている。
実施例3
実施例1に示したNCデータ群バージョン管理手段(8)は、前述の通り、製品の設計情報に基づきCAMシステムにより作成されたNCデータ群のバージョンを管理する設計NCデータ群バージョン管理手段と、修正されたNCデータ群のバージョンを管理する修正NCデータ群バージョン管理手段とから構成される。
【0038】
図7は、設計NCデータ群バージョン管理手段におけるNCデータ群の取り込み処理の流れであり、取り込まれたNCデータ群はNCデータバージョン管理データベースに格納される。また、図8は、修正NCデータ群バージョン管理手段におけるNCデータ群の取り込み処理の流れであり、取り込まれたNCデータ群はNCデータバージョン管理データベースに格納される。
実施例4
実施例1に示した差分データファイル出力手段(9)においては、図10の流れ図に示す手順に従い、収集したNCデータ群と前バージョンのNCデータ群との差分を取得する。
実施例5
実施例1に示した変化点分析手段(10)においては、図13に示す手順に従い、変化点分析を行う。すなわち、変化点管理システムにより、各NCデータ群のパラメータ値と製品品質データとを時系列に並べ、変化点分析グラフとしてグラフ化し、変化点結果ファイルとして出力する。出力する変化点管理システムは、生産ライン、生産設備、NCデータ群をなすパラメータ、および、分析グラフの表示期間を選択して設定する設定手段と、選択された設備の自動差分データを取得する自動差分データ取得手段と、外観検査機より各ライン別の品質データを取得する手段(外観検査機不良結果データベース)と、変化点結果ファイル出力手段とから構成されている。
実施例6
実施例1に示した要因分析手段(11)においては、変化点管理システムにより出力された変化点分析グラフを元に要因分析を行い、生産設備の最適パラメータを決定することを支援する。すなわち、要因分析システムにより、製品品質データにおける実際工程不良率が、目標工程不良率未満で一定しているパラメータの値を安定値領域として、また、実際工程不良率が、目標工程不良率未満で一定しているパラメータの値を安定値領域として、画面上にグラフィカルに出力する。図15に、要因分析システムにおける処理の流れについて示す。安定値領域におけるNCデータ群のパラメータは、最適値として決定され、要因分析結果ファイルとして出力すされる。
実施例7
実施例1に示した要因分析結果ファイルフィードバック手段(12)においては、図16の流れ図に示した手順に従い、要因分析システムにより出力された要因分析結果ファイルを、設計用アプリケーションプログラムまたはCAMシステムにフィードバックする。すなわち、フィードバックシステムにより、オペレータがフィードバックの実施を選択した場合に、要因分析結果ファイルに格納されている安定値領域における設備動作パラメータ、工法パラメータ、および、部品形状パラメータを、CAM、あるいは、設計部門で用いられるアプリケーションプログラムに対してフィードバックされる。
【0039】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、本発明によれば、生産ラインにおける生産設備を制御するNCデータ群の最適値の決定を効率的に行うことを可能とする新しい生産設備管理システムが提供される。本発明の生産設備管理システムにより、無駄な試行工程を経ることなく、NCデータ群をなすパラメータの値の最適値設定を効率的に実現することが可能となり、また、製品品質の向上に貢献するパラメータの特定が容易となり、さらには、特定されたパラメータを、CAMや設計部門で用いられるアプリケーションプログラムにフィードバックすることにより、設計や製造計画の効率化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生産設備管理システムの構成について示した概要図である。
【図2】NCデータ群収集手段によるNCデータ群のアップロード手順について示した流れ図である。
【図3】製品品質データ管理手段の構成について示した概要図である。
【図4】NCデータ群収集手段によるNCデータ群のアップロード手順について示した流れ図である。
【図5】NCデータ群収集手段における操作画面について示した概要図である。
【図6】NCデータ群収集手段における操作画面について示した概要図である。
【図7】NCデータ群バージョン管理手段における設計NCデータ群バージョン管理手段のNCデータ群の取り込み処理の流れについて示した流れ図である。
【図8】NCデータ群バージョン管理手段における修正NCデータ群バージョン管理手段のNCデータ群の取り込み処理の流れについて示した流れ図である。
【図9】NCデータ群バージョン管理手段におけるNCデータ群バージョン管理手段の管理対象の具体例について示した概要図である。
【図10】差分データファイル出力手段における処理の流れについて示した流れ図である。
【図11】差分データファイル出力手段により出力される差分データファイルの具体例について示した概要図である。
【図12】変化点分析手段により出力される変化点分析グラフの一例について示した概要図である。
【図13】変化点分析手段における処理の流れについて示した流れ図である。
【図14】要因分析手段により抽出される安定値領域および不安定値領域について示した概要図である。
【図15】要因分析手段における処理の流れについて示した流れ図である。
【図16】要因分析結果ファイルフィードバック手段における処理の流れについて示した流れ図である。
【符号の説明】
1 生産設備
2 生産設備
3 生産設備
4 生産設備
5 外観検査機
6 NCデータ群収集手段
8 NCデータ群バージョン管理手段
9 差分データファイル出力手段
10 変化点分析手段
11 要因分析手段
12 要因分析結果ファイルフィードバック手段
13 製品品質データ管理用サーバ
14 ネットワーク
Claims (2)
- 複数の生産設備と外観検査機とからなる製品生産ラインにおいて、生産設備の動作を制御するNCデータ群の最適な設定を支援する生産設備管理システムであって、
生産設備において修正されたNCデータ群を、ラインコントロールシステムにより収集するNCデータ群収集手段と、
NCデータ群収集手段において収集されたNCデータ群を、生産設備種別、データ種別、生産基板名、プログラム名、ファイルバージョン、および検証区分に関して、バージョン管理するNCデータ群バージョン管理手段と、
NCデータ群バージョン管理手段によりバージョン管理されたNCデータ群のバージョン間差分データを、差分データファイルとして出力する差分データファイル出力手段と、
外観検査機により検出された製品品質データを収集して管理する製品品質データ管理手段と、
差分データファイル出力手段により出力された差分データファイルから、NCデータ群をなす任意のパラメータを製品品質データ管理手段により管理されている製品品質データとともに時系列に並べ分析グラフとして出力し、NCデータ群の変化点分析を行う変化点分析手段と、
変化点分析手段において出力された分析グラフから、NCデータ群におけるパラメータの最適値を要因分析結果ファイルとして出力する要因分析手段とからなり、
前記差分データファイル出力手段は、
NCデータ群のデータ種別によりデータフォーマットおよびキーが定義されている差分機能定義ファイルを読み込む差分機能定義ファイル読み込み手段と、収集したNCデータ群と前バージョンのNCデータ群との差分データを差分機能定義ファイルに基づき取得する差分データ取得手段と、差分データ取得手段により取得された差分データを差分データファイルとして記録する差分データファイル記録手段とからなることを特徴とする生産設備管理システム。 - 変化点分析手段が、変化点の分析対象となる生産ライン、生産設備、パラメータ、および、期間を設定する変化点分析対象設定手段と、変化点分析対象設定手段において設定された変化点の分析対象となる生産設備に関する差分データファイルを読み取り差分データを取得する差分データ取得手段と、製品品質データ管理手段により管理されている製品品質データを取得する製品品質データ取得手段と、差分データおよび製品品質データを時系列に並べて変化点分析グラフとして表示する変化点分析グラフ表示手段と、変化点分析グラフにおける変化の大きい箇所をグラフィカルに強調して表示する強調表示手段とからなることを特徴とする請求項1に記載の生産設備管理システム。
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