JP4298881B2 - プレス装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅の建設に用いられるパネルを構築する際に使用される面材と枠体を圧着するためのプレス装置に関する。
【0002】
【背景の技術】
近年、住宅の構築についてはその工業化が進み、例えば壁や床、屋根といった構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てることにより、住宅を構築するといったパネル工法が一部に採用されている。
図4は、住宅の床面にパネルを敷設する際に使用される床パネル110を示す。この床パネル110は、2つの縦框材111及び2つの横框材112とが矩形状に組み立てられるとともに、この矩形枠の内部に補強用桟113が組まれて枠体114が形成され、さらにこの枠体114内にグラスウール等の断熱材や遮音材(図示省略)が充填された状態で枠体114の片面に合板等の面材115が貼設されることにより構成されている。
【0003】
従来、上述のように、パネル組立て時に枠体の片面に面材を貼設する際には、特開平7−16809号公報「パネル用面材貼付装置」に開示されているように、予め面材の裏面に接着剤を塗布し、面材セット台上に載置しておき、その後、面材セット台を位置決め台側へ移動させ、面材セット台上の面材を吸着機により吸着して枠体を載置している位置決め台上へ移送する。そして、吸着機から面材を脱離させる事により、面材を枠体上に載置し、枠体に向けてプレス機が降下していくことにより、面材を枠体に押圧させてパネルを形成する装置が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、住宅の床材として敷設される床パネルの四方の端部はこの床パネルに対して垂直方向下部に配置されている基礎や壁パネル等により支持されている。従って、住宅の間取りによっては、床パネルを支持している基礎や壁パネル等が離れて配置されることによって、床パネルのスパンが長くなるため、この床パネルの強度を高めたり、また、部屋に配置される家具等の重みにより床パネルにかかる荷重を考慮し、前もって床パネル自体の強度を高める必要が生じる場合がある。このように床パネルの強度を床パネルが敷設される場所の状況に応じて変化させる際には、通常床パネルの上下幅(厚み)を変えることで対応する場合が多い。
そこで、厚みが様々に異なる複数の床パネルを並べて敷設する際に、図5に示すように床パネル116の下面側端部に予め切欠き117を設けておくことによって、それぞれ異なる床パネル116の厚みを調節し、床パネル116の上面が面一になるようにしている。
なお、図5に示す住宅の1階から2階にかけての外壁部構造において、符号118は床パネル116を構成する框材、符号119は面材、符号120は枠体、符号121は壁パネル、符号122は外装材、符号123は防水シート、符号124は胴差しを示す。
【0005】
上述のように、下面側端部に切欠き117が設けられている枠体120の上面側に面材119を載置し、面材119の上側からプレス機で押圧し枠体120と面材119を接合する際には、切欠き117が設けられている枠体120の上面側切欠き部近傍においては、プレス機の押圧の効果が十分でなく、枠体120と面材119が完全に接合されないおそれがある。そこで、図6に示すように、切欠き117によってプレス台129の上面との間に生じる空間を埋めるための部材(スペーサー)125を前記空間に挿入し、プレス機の押圧による効果が枠体120の上面側切欠き部近傍においても十分得られるような工夫がなされていた。
なお、図6に示すプレス装置126において、符号127は加圧板、符号128は加圧板の上面に取り付けられるラム、符号129は面材119および枠体120を載置するプレス台を示す。なお、ラム128の上部には油圧シリンダが取り付けられる。
【0006】
しかし、上記作業は従業員による手作業でおこなわれているため、スペーサーの脱着に時間がかかり、パネル組立て時の作業効率を悪化させる原因となっている。
本発明の課題は、パネルを構成する枠体に切欠きが存在するか否かに拘わらず、パネル組み立て時の面材貼設作業を効率的におこなうための装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1記載のプレス装置(10)は、矩形枠状に組まれた枠体(102)に、面材(101)を貼付して建築用のパネル(床パネル100)を製造する際に、接着剤を介して重ねられた前記枠体(102)と面材(101)とをプレスして圧着するためのプレス装置(10)であって、重ねられた状態の枠体(102)及び面材(101)が載置されるプレス台(20)と、該プレス台(20)の上方から下降して、該プレス台(20)上の前記枠体(102)と面材(101)とをプレスするプレス手段(30)と、前記枠体(102)の端部の下側に切欠部(103)が形成されることにより、前記プレス台(20)上に前記枠体(102)を載置した状態で、前記枠体(102)の端部の下端とプレス台(20)上面との間に間隔があく場合に、プレス時に前記枠体(102)の端部の下端と前記プレス台(20)との間に挿入されるスペーサ(40)と、前記スペーサ(40)を前記プレス台(20)上の前記枠体(102)及び面材(101)から離れた位置と、前記枠体(102)の端部の下端と前記プレス台(20)との間に挿入される位置との間で移動させるスペーサ移動手段(50)とを備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項1記載のプレス装置(10)によれば、スペーサー(40)を前記プレス台(20)上の前記枠体(102)及び面材(101)から離れた位置と、前記枠体(102)の端部の下端と前記プレス台(20)との間に挿入される位置との間で移動させるスペーサ移動手段(50)を備えているので、枠体(102)に切欠き(103)が設けられている場合には、切欠き部(103)におけるスペーサー(40)の脱着作業を速やかにかつ容易に行うことができる。また、枠体(102)に切欠き(103)が設けられていない場合には、スペーサー(40)を枠体(102)及び面材(101)から離れた位置に移動させることによって、スペーサー(40)を使用せずに面材貼設作業を行うことができる。従って、パネル組み立て時の面材貼設作業を枠体(102)に切欠き(103)が設けられているか否かによらず、効率的に行うことができる。
【0009】
なお、前記プレス手段(30)は、面材(101)と枠体(102)を接合する際に、面材(101)の上面をプレスするために使用する金属などの十分な硬度を有する板状の部材(加圧板31)と、該板状の部材(31)に取り付けられる油圧シリンダ(図示せず)を備え、油圧シリンダにより板状の部材(31)が上下に移動可能となっている。
また、前記スペーサー(40)は、例えば、金属等の十分な硬度を有する部材からなり、後述するベルトコンベヤの左右側に架け渡して配置される棒状体であり、少なくとも枠体(102)の前後側2箇所に配置される。スペーサー(40)の上下幅(厚み)を枠体(102)に設けられる切欠き(103)によって生じる枠体(102)の端部の下端から前記プレス台(20)の上面までの距離に対応した厚みとなるように予め加工しておくことが好ましい。
また、前記スペーサ移動手段(50)は、スペーサー(40)を該スペーサー移動手段(50)に取り付けることによって、枠体(102)に切欠き(103)が設けられている場合と、設けられていない場合に対応できるようにスペーサー(40)を移動可能とするものであればよく、例えば、チェーン、ベルト、ウォームネジやラックアンドピニオン等が挙げられる。
【0010】
請求項2記載のプレス装置(10)は、請求項1記載のプレス装置(10)において、前記端部の下端からプレス台(20)の上面までの距離が異なる複数種の前記切欠部(103)を備えた枠体(102)に対応するように、前記スペーサー(40)が階段状に形成されるとともに、前記スペーサー(40)の各段の厚みが、それぞれ異なる種類の切欠部(103)を備えた枠体(102)の端部の下端から前記プレス台(20)の上面までの距離に対応していることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載のプレス装置(10)によれば、請求項1と同様の効果が得られると共に、前記スペーサー(40)が階段状に形成され、スペーサー(40)の各段の厚みがそれぞれ異なる種類の切欠部(103)を備えた枠体(102)の端部の下端から前記プレス台(20)の上面までの距離に対応しているので、枠体(102)の端部の下端からプレス台(20)の上面までの距離が異なる複数種の切欠部(103)を備えた枠体(102)に対応して、枠体(102)の下端から、利用されるスペーサー(40)の階段部の上面との間に隙間が生じないようにすることができる。従って、プレス時の押圧の効果を枠体(102)の上面側端部近傍においても十分得ることができる。また、枠体(102)に設けられる様々に異なった形状の切欠き(103)に対応した複数個のスペーサー(40)を用意しておく必要がないので、面材貼設作業を速やかに、かつ、効率的に行うことができる。
【0012】
請求項3記載のプレス装置(10)は、請求項2記載のプレス装置(10)において、階段状に形成された前記スペーサー(40)の各段の上面の前縁部が前縁に向かうほど低くなるように斜めにされていることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載のプレス装置(10)によれば、請求項2と同様の効果が得られると共に、スペーサー(40)の各段の上面の前縁部が前縁に向かうほど低くなるように斜めにされているので、スペーサー(40)を容易に切欠き部(103)に挿入でき、面材貼設作業を速やかに行うことができる。
【0014】
請求項4記載のプレス装置(10)は、請求項1〜3のいずれか1つに記載のプレス装置(10)において、前記スペーサ移動手段(50)は、チェーン(51)と該チェーン(51)を駆動するスプロケット(52)とを備え、周回移動する前記チェーン(51)の往路側と復路側との両方が前記スペーサー(40)の移動経路に沿って配置され、前記チェーン(51)の往路側と復路側とにそれぞれ少なくとも一つずつスペーサー(40)が接続されていることを特徴とする。
【0015】
請求項4記載のプレス装置(10)によれば、請求項1〜3のいずれか1つと同様の効果が得られると共に、周回移動する前記チェーン(51)の往路側と復路側との両方が前記スペーサー(40)の移動経路に沿って配置され、前記チェーン(51)の往路側と復路側とにそれぞれ少なくとも一つずつスペーサー(40)が接続されていることにより、前記スプロケット(52)を一方向に移動させるだけで、複数のスペーサー(40)を枠体(102)から離れる方向又は枠体(102)に近づく方向に同時に移動させることができる。従って、枠体(102)の前後側に設けられている切欠き部(103)に、ほぼ同時にスペーサー(40)を挿入することができる。また、枠体(102)の前後から同時にスペーサー(40)を枠体(102)に近づけることにより、プレス時に枠体(102)の位置決めを行うことが出きる。
例えば、面材(101)及び枠体(102)を取り除いた状態で、予め複数のスペーサー(40)をプレス装置(10)の内部方向へ、複数のスペーサー(40)同士が当接する位置まで移動させ、複数のスペーサー(40)同士の接触面が前記プレス手段(30)の前後方向の中心部と一致するように調整しておく。このように複数のスペーサー(40)の位置を調整しておくことによって、スペーサー(40)が同時に枠体(102)の前後の切欠き部(103)に挿入される際に、枠体(102)の前後方向の中心は、常に前記プレス手段(30)の前後方向の中心部に配置されることになるので、正確な位置決めが可能となり、面材(101)および枠体(102)をプレス台(20)上に載置する際の位置決めが必要なくなり、面材貼設作業を速やかに行うことができる。
【0016】
請求項5記載のプレス装置(10)は、請求項4記載のプレス装置(10)において、前記プレス台(20)の上面には、前記枠体(102)及び面材(101)の搬入及び搬出を行うベルトコンベヤのベルト(60)の上側の部分が配置され、前記チェーン(51)は、前記ベルトコンベヤの搬送方向に沿って、該ベルトコンベヤの左右両側縁部側にそれぞれ配置されるとともに、周回移動する前記チェーン(51)の前後二カ所の折り返し部分が、上側に延出するように曲げて配置され、前記スペーサー(40)は、前記ベルトコンベヤの搬送方向に直交するように配置されるとともに、左右両端部がそれぞれ前記チェーン(51)に接続され、前記スペーサー(40)が前記チェーン(51)の折り返し部分において、前記プレス台(20)上の前記枠体(102)及び面材(101)より上に移動可能となっていることを特徴とする。
【0017】
請求項5記載のプレス装置(10)によれば、請求項4と同様の効果が得られると共に、前記スペーサー(40)が前記ベルトコンベヤの搬送方向に直交するように配置されるとともに、左右両端部がそれぞれ前記チェーン(51)に接続され、前記スペーサー(40)が前記チェーン(51)の折り返し部分において、前記プレス台(20)上の前記枠体(102)及び面材(101)より上に移動可能となっていることにより、面材(101)および枠体(102)の搬入及び搬出時において、スペーサー(40)が面材(101)及び枠体(102)の進路の妨げとならないので、面材(101)と枠体(102)の接合作業を効率的にかつ速やかに行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1に概略を示すように、本発明にかかるプレス装置10は、面材101および枠体102を載置するプレス台20、面材101と枠体102をプレスするためのプレス手段30、枠体102の切欠き部103に挿入されるスペーサー40、スペーサー40を移動させるためのスペーサー移動手段50、面材101及び枠体102を移動させるためのベルトコンベヤ(図示せず。ベルトコンベヤのベルト60の一部を図示する。)を備えている
【0019】
また、図1〜図3に示すようにプレス台20は、矩形状の板体であり後述する加圧板31により加圧される枠体102の下面を支持するために十分な強度及び表面積を有している。
プレス台20の上面には、ベルトコンベヤを構成するベルト60の上側の部分が配置され、ベルトコンベヤによって面材101および枠体102はプレス台20の上側まで搬入され、加圧板31の押圧により面材101および枠体102は接合される。
【0020】
プレス手段30は、加圧板31、加圧板31に取り付けられる複数のラム32、ラム32を介して加圧板31を上下動させる油圧シリンダ(図示せず)を備える。
【0021】
前記プレス手段30を構成する加圧板31は矩形上の板体で、その上面側端部近傍に取り付けられるラム32を介し、油圧シリンダにより上下に移動可能となっている。予め接着剤を塗布した枠体102の上面に面材101を配置しておき、前記プレス台20の上下面を覆うように配置されているベルトコンベヤによってプレス装置10の搬入側から加圧板31の下側まで搬送された面材101及び枠体102は、油圧シリンダが下降することで加圧板31により最適に押圧され、面材101と枠体102が接合される。
ここで、加圧板31のプレス面の表面積はその下側に送り込まれる面材101の表面積より大きいので、面材101及び枠体102に対する押圧を十分にし、面材101と枠体102の接合が完全に行われるようにしている。
なお、加圧板31の前後には金属などからなるプレート33が取り付けられている。
【0022】
スペーサー40は、例えば、金属等の十分な硬度を有する部材からなり、後述するベルトコンベヤの左右側に架け渡して配置される棒状体である。上述のように、様々に異なる厚みを有する複数の床パネルを並べて敷設する際に、床パネルの下面側端部に予め切欠き103を設けておくことによって、それぞれ異なる床パネルの厚みを調節し、床パネルの上面が面一になるようにしている。
従って、床パネルの構成部材である枠体102には異なる形状の切欠き103が設けられるため、切欠き103が設けられている枠体102の端部の下端面からプレス台20の上面までの距離も異なり、枠体102の切欠き部103に挿入されるスペーサー40にはこの異なる距離に対応した階段状の段差41が設けられている。
【0023】
スペーサー40は切欠き103が設けられている枠体102の前後側に少なくとも1つずつ配置され、スペーサー40の左右両端部は、後述するスペーサー40を移動させるためのチェーン51に取り付けられている。各スペーサー40の左右両端部に取り付けられているチェーン51を駆動させることで、スペーサー40を枠体102の切欠き部103に挿入し、加圧板31の押圧による効果が枠体102の上面側切欠き部103近傍においても十分得られるようになっている。
【0024】
上述のように、スペーサー40は枠体102に設けられる切欠き103によって生じる枠体102の端部の下端からプレス台20の上面までの距離に対応した厚みを有する階段状の段差41を備えており、スペーサー40を枠体102の切欠き部103に挿入する際に、複数の段差41のうち、挿入される枠体102の端部の下端面とほぼ当接可能となる厚みを有する段差41を利用することで、スペーサー40の上面と枠体102の端部の下端面との間に隙間が生じないようにすることができる。
また、スペーサー40に設けられている複数の段差41の上面の前縁部が前縁に向かうほど低くなるように斜めになっているので、容易にスペーサー40を枠体102の切欠き部103に挿入できる。
【0025】
スペーサー移動手段50は、スペーサー40を移動させるためのチェーン51及びチェーン51を駆動させるための複数のスプロケット52を備える。
チェーン51は、ベルトコンベヤの搬送方向に沿って、ベルトコンベヤの左右両側縁部側にそれぞれ配置され、前後2箇所の折り返し部分でベルトコンベヤの搬送方向に対して垂直上方に延出するように曲げて配置される無端部材であり、上方に延出したチェーン51の端部は後述するスプロケット52に掛け回されている。
少なくとも2つ配置される前記スペーサー40のうちの一方は、ベルトコンベヤの搬送方向に沿って配置されているチェーン51の上部側に、ベルトコンベヤの搬送方向に直交するように取り付けられる。この際に、スペーサー40の左右の端部の上部から突出してスペーサー取付け部(図示せず)を設けておき、このスペーサー取り付け部を介して、スペーサー40をチェーン51に取り付ける。また、他方のスペーサー40をベルトコンベヤの搬送方向に沿って配置されているチェーン51の下部側に、ベルトコンベヤの搬送方向に直交するように取り付ける。この際に、スペーサー40の左右の端部の下部から突出してスペーサー取付け部(図示せず)を設けておき、このスペーサー取り付け部を介して、スペーサー40をチェーン51に取り付ける。
【0026】
上述のように2つのスペーサー40をチェーン51に取り付け、チェーン51が掛け回されているスプロケット52を一方向に回転させることにより、2つのスペーサー40は同時に、2つのスペーサー40に前後を挟まれるように配置されている枠体102に対して近づく方向に移動し、スプロケット52を反対側に回転させることで、2つのスペーサー40を同時に、枠体102から離れる方向に移動させることができる。
【0027】
また、2つのスペーサー40をチェーン51の前後2箇所の折り返し部分で、ベルトコンベヤ上に載置された面材101及び枠体102より高い位置に移動させておくことで、面材101及び枠体102の搬出入の際に2つのスペーサー40が進路の妨げとならず、面材101と枠体102の接合作業を効率的に行うことができる。
【0028】
スプロケット52は、プレス装置10の壁部となる前記ベルトコンベヤに対して垂直方向に設けられる壁70に取り付けられ、チェーン51が、チェーン51の左右両側の前後2箇所で、ベルトコンベヤの搬送方向に対して垂直上方に折り曲げられている部分に取り付けられる第1のスプロケット52aと、そこから垂直上方に延出するように配置されるチェーンの折り返し部分に取り付けられる第2のスプロケット52bと、前後2箇所に配置される第1のスプロケット52aの間に在するチェーン51をベルトコンベヤの搬送方向に対して平行に、かつ、第1のスプロケット52aと第2のスプロケット52bとの間に在するチェーン51をベルトコンベヤの搬送方向に対して垂直になるように配置される第3のスプロケット52cを備える。
複数個設けれられているスプロケット52のうち、少なくとも1つのスプロケットにモーター等の駆動手段(図示せず)を取り付け、この駆動手段によって、スプロケット52を回転させることによってチェーン51を介して、スペーサー40を移動させる。
【0029】
ベルトコンベヤはベルト60及びベルト60を移動させるための駆動手段としての駆動輪及び従属輪(図示せず)を備えている。ベルト60はプレス装置10の搬入側から搬出側に延出し、かつ、前記プレス台20の上下面を覆うように配置されている無端ベルトであり、その両端部は前記プレス台20の前後側にそれぞれ配置される駆動輪及び従属輪に掛け回されている。駆動輪には、チェーン等の無端部材(図示せず)を介してモーター(図示せず)が接続されており、このモーターを回転させることによりベルト60がプレス装置10の搬入側から搬出側に移動し、ベルトコンベヤの上面に載置される面材101及び枠体102の搬入及び搬出を可能にしている。
【0030】
なお、上述の壁70にはチェーン51を保護するための複数のカバー71が取り付けられている。
【0031】
次に、上述のようなプレス装置10を用いた面材101と枠体102との接合方法を図2及び図3を用いて説明する。
まず、上面(面材101との接合面)に接着剤を塗布した枠体102の上面にプライマー等により予め下処理を施しておいた面材101を載置する。
プレス装置10の搬入部及び搬出部からベルトコンベヤの搬送方向に延出して設けられるローラーコンベヤ81等からなる搬送路80上に前記面材101及び枠体102を載置しておく。
次に、面材101及び枠体102を搬送路80からベルトコンベヤ上に移動させる。
なお、枠体102をベルトコンベヤ上に移動させる際には、搬送路80を構成するローラーコンベヤ81に取り付けたモーター等を駆動させることでローラーコンベヤ81を回転させ、面材101及び枠体102を搬送してもいいし、作業員等が直接移動させてもよい。
このとき、図2に示すように、予め前後2つのスペーサー40を、チェーン51の前後2ヶ所の折り返し部分で、ベルトコンベヤ上に載置された面材101及び枠体102より高い位置に移動させておくことで、面材101および枠体102をプレス装置10内へ搬入する際にスペーサー40が進路の妨げとならないようにしておく。
【0032】
上述のように、ベルトコンベヤはベルト60及びベルト60を移動させるための駆動手段としての駆動輪及び従属輪を備えており、駆動輪には、チェーン等の無端部材を介してモーターが接続されている。このモーターを回転させることによりベルト60をプレス装置10の搬入側から搬出側に移動させ、ベルトコンベヤの上面に載置した面材101及び枠体102を前記加圧板31の下部まで移動させる。
そして、図3に示すように、前記スプロケット52に取り付けられている駆動手段を作動させ、スプロケット52を回転させることによって、チェーンの前後2ヶ所の折り返し部分に配置されている2つのスペーサー40を枠体102側に移動させ、枠体102に設けられている切欠き部103に挿入する。
【0033】
この際に、上述のように、スペーサー40は枠体102に設けられる切欠き103によって生じる枠体102の端部の下端からプレス台20の上面までの距離に対応した厚みを有する階段状の段差41を備えているので、複数の段差41のうち、挿入される枠体102の端部の下端面とほぼ当接可能な厚みを有する段差41を利用することで、スペーサー40の上面と枠体102の端部の下端面との間に隙間が生じないようにすることができる。
また、スペーサー40に設けられている複数の段差41の上面の前縁部が前縁に向かうほど低くなるように斜めになっているので、容易にスペーサー40を枠体102の切欠き部103に挿入できる。
【0034】
また、面材101及び枠体102を取り除いた状態で、予め複数のスペーサー40をプレス装置10の内部方向へ、複数のスペーサー40同士が当接する位置まで移動させ、複数のスペーサー40同士の接触面が前記プレス手段30の前後方向の中心部と一致するように調整しておく。このように複数のスペーサー40の位置を調整しておくことによって、加圧板31の下部に在する面材101および枠体102の左右側の側面が、ベルトコンベヤの搬送方向に対して平行になっていない場合や、加圧板31によるプレス位置に対して、その前後方向にずれて配置されている場合においても、枠体102の前後方向から、枠体102を挟むように2つのスペーサー40を枠体102に設けられた切欠き部103に挿入するので、加圧板31による押圧の時点では、上述のような面材101及び枠体102の前後方向のずれは修正されることになる。従って、プレス装置10の搬入部からベルトコンベヤ上に面材101及び枠体102を載せる際の位置決めを行う必要がない。
【0035】
そして、加圧板31に取り付けられている油圧シリンダを下降させることで加圧板31により面材101の上面を押圧し、面材101と枠体102を接合する。
ここで、加圧板31のプレス面の表面積はその下側に在する面材101の表面積より大きいので、面材101及び枠体102に対する押圧を十分にし、面材101と枠体102の接合が完全に行われるようにしている。
加圧板31を上昇させた後、スプロケット52を逆方向に回転させることによって、枠体102に挿入されていたスペーサー40をチェーン51の前後2ヶ所の折り返し部分で、ベルトコンベヤ上に載置された面材101及び枠体102より高い位置に移動させておき、面材101および枠体102の搬出の際にスペーサー40が進路の妨げとならないようにしておく。
【0036】
再びモーターを回転させることによりベルト60をプレス装置10の搬入側から搬出側に移動させ、面材101及び枠体102をプレス装置10の外部に搬出する。
プレス装置10の搬出部には、搬入部と同様にベルトコンベヤの搬送方向に沿って、ローラーコンベヤ等からなる搬送路が設けられており、搬送路上に接合した面材101及び枠体102を載置しておく。
その後、枠体102の内部にグラスウールなどの断熱材や遮音材等を充填し、枠体102の四辺からはみ出た面材101をカットすることで、床パネル100が完成する。
なお、本実施例ではスペーサー移動手段50として、スペーサー40を移動させるためのチェーン51及びチェーン51を駆動させるためのスプロケット52を用いて説明したが、スペーサー移動手段としては、上述のチェーン51の代わりにベルトを使用しても良く、また、ウォームねじやラックアンドピニオン等、スペーサーの両端部に取り付けられ、スペーサーの移動を可能にするものであれば良い。
【0037】
【発明の効果】
請求項1記載のプレス装置によれば、スペーサを前記プレス台上の前記枠体及び面材から離れた位置と、前記枠体の端部の下端と前記プレス台との間に挿入される位置との間で移動させるスペーサ移動手段を備えているので、枠体に切欠きが設けられている場合には、切欠き部におけるスペーサーの脱着作業を速やかにかつ容易に行うことができる。また、枠体に切欠きが設けられていない場合には、スペーサーを枠体及び面材から離れた位置に移動させることによって、スペーサーを使用せずに面材貼設作業を行うことができる。従って、パネル組み立て時の面材貼設作業を枠体に切欠きが設けられているか否かによらず、効率的に行うことができる。
【0038】
請求項2記載のプレス装置によれば、請求項1と同様の効果が得られると共に、前記スペーサが階段状に形成されるとともに、スペーサの各段の厚みがそれぞれ異なる種類の切欠部を備えた枠体の端部の下端から前記プレス台の上面までの距離に対応しているので、枠体の端部の下端からプレス台の上面までの距離が異なる複数種の前記切欠部を備えた枠体に対応して、枠体の下端から利用されるスペーサーの階段部の上面との間に隙間が生じないようにすることができる。従って、プレス時の押圧の効果を枠体の上面側端部近傍においても十分得ることができる。また、枠体に設けられる様々に異なった形状の切欠きに対応した複数個のスペーサーを用意しておく必要がないので、面材貼設作業を速やかに、かつ、効率的に行うことができる。
【0039】
請求項3記載のプレス装置によれば、請求項2と同様の効果が得られると共に、スペーサの各段の上面の前縁部が前縁に向かうほど低くなるように斜めにされているので、スペーサーを容易に切欠きに挿入でき、面材貼設作業を速やかに行うことができる。
【0040】
請求項4記載のプレス装置によれば、請求項1〜3のいずれか1つと同様の効果が得られると共に、周回移動する前記チェーンの往路側と復路側との両方が前記スペーサーの移動経路に沿って配置され、前記チェーンの往路側と復路側とにそれぞれ少なくとも一つずつスペーサーが接続されていることにより、前記スプロケットを一方向に移動させるだけで、複数のスペーサーを枠体から離れる方向又は枠体に近づく方向に同時に移動させることができる。従って、枠体の前後側に設けられている切欠き部に、ほぼ同時にスペーサーを挿入することができる。また、枠体の前後から同時にスペーサーを枠体に近づけることにより、プレス時に枠体の位置決めを行うことができる。
【0041】
請求項5記載のプレス装置によれば、請求項4と同様の効果が得られると共に、前記スペーサが前記ベルトコンベヤの搬送方向に直交するように配置されるとともに、左右両端部がそれぞれ前記チェーンに接続され、前記スペーサが前記チェーンの折り返し部分において、前記プレス台上の前記枠体及び面材より上に移動可能となっていることにより、面材および枠体の搬入及び搬出時において、スペーサーが面材及び枠体の進路の妨げとならないので、面材と枠体の接合作業を効率的にかつ速やかに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のプレス装置の構造を示す要部縦断面図である。
【図2】本発明に係るプレス装置を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るプレス装置を示す斜視図である。
【図4】床パネルの一例を示す斜視図である。
【図5】住宅における1階〜2階にかけての外壁部構造を示す要部断面図である。
【図6】従来のプレス装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 プレス装置
20 プレス台
30 プレス手段
40 スペーサ
50 スペーサ移動手段
51 チェーン
52 スプロケット
60 ベルトコンベヤのベルト
100 床パネル
101 面材
102 枠体
Claims (5)
- 矩形枠状に組まれた枠体に、面材を貼付して建築用のパネルを製造する際に、接着剤を介して重ねられた前記枠体と面材とをプレスして圧着するためのプレス装置であって、
重ねられた状態の枠体及び面材が載置されるプレス台と、
該プレス台の上方から下降して、該プレス台上の前記枠体と面材とをプレスするプレス手段と、
前記枠体の端部の下側に切欠部が形成されることにより、前記プレス台上に前記枠体を載置した状態で、前記枠体の端部の下端とプレス台上面との間に間隔があく場合に、プレス時に前記枠体の端部の下端と前記プレス台との間に挿入されるスペーサと、
前記スペーサを前記プレス台上の前記枠体及び面材から離れた位置と、前記枠体の端部の下端と前記プレス台との間に挿入される位置との間で移動させるスペーサ移動手段とを備えていることを特徴とするプレス装置。 - 請求項1記載のプレス装置において、
前記端部の下端からプレス台の上面までの距離が異なる複数種の前記切欠部を備えた枠体に対応するように、前記スペーサが階段状に形成されるとともに、前記スペーサの各段の厚みが、それぞれ異なる種類の切欠部を備えた枠体の端部の下端から前記プレス台の上面までの距離に対応していることを特徴とするプレス装置。 - 請求項2記載のプレス装置において、
階段状に形成された前記スペーサの各段の上面の前縁部が前縁に向かうほど低くなるように斜めにされていることを特徴とするプレス装置。 - 請求項1〜3のいずれか一つに記載のプレス装置において
前記スペーサ移動手段は、チェーンと該チェーンを駆動するスプロケットとを備え、周回移動する前記チェーンの往路側と復路側との両方が前記スペーサの移動経路に沿って配置され、前記チェーンの往路側と復路側とにそれぞれ少なくとも一つずつスペーサが接続されていることを特徴とするプレス装置。 - 請求項4記載のプレス装置において、
前記プレス台の上面には、前記枠体及び面材の搬入及び搬出を行うベルトコンベヤのベルトの上側の部分が配置され、
前記チェーンは、前記ベルトコンベヤの搬送方向に沿って、該ベルトコンベヤの左右両側縁部側にそれぞれ配置されるとともに、周回移動する前記チェーンの前後二カ所の折り返し部分が、上側に延出するように曲げて配置され、
前記スペーサは、前記ベルトコンベヤの搬送方向に直交するように配置されるとともに、左右両端部がそれぞれ前記チェーンに接続され、
前記スペーサが前記チェーンの折り返し部分において、前記プレス台上の前記枠体及び面材より上に移動可能となっていることを特徴とするプレス装置。
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