JP4298351B2 - 高圧回路の共振点の調整装置 - Google Patents

高圧回路の共振点の調整装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高電圧回路の共振点の調整装置に関し、特に、電子銃などの電子ビーム加速電源に用いる高電圧回路の共振点の調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子ビーム式の描画装置では、電子ビームの加速用に高出力高電圧の電源が用いられている。このような電源には、例えば、特許文献1に開示されているように、コッククロフト・ウオルトン型(以下、CWと略す)逓倍回路と、ステップアップトランスとを組合わせた高圧回路が用いられている。
【0003】
図6は、この種の高圧回路の一例を示しており、同図においては、1がCW逓倍回路で、2がステップアップトランスである。このような高圧回路では、小型化して、リップル電圧や内部抵抗を小さくするために、高周波駆動で使用される。
【0004】
ところで、CW逓倍回路1とステップアップトランス2とを組合わせた高圧回路では、その等価回路を図8に示すように、CW逓倍回路1がカラム間に分布容量Csを有しているので、この分布容量Csが、ステップアップトランス2の相互インダクタンスLexと並列接続された状態となる。
【0005】
図7に示した等価回路では、Ll1がステップアップトランス2の一次インダクタンスで、Ll2が同トランス2の二次インダクタンスで、Lexが同トランス2の相互インダクタンスである。
【0006】
このような等価回路において、高周波駆動させる場合には、電圧と電流の位相を一致させることが望ましいので、通常、ステップアップトランスの相互インダクタンスLexと分布容量Csとを並列共振させて、電圧と電流の位相の一致を図っている。
【0007】
この場合、希望する駆動周波数(相互インダクタンスLexと分布容量Csとの並列共振周波数に同じ)とするには、分布容量Csの変更ができないので、一般的には、ステップアップトランス2の相互インダクタンスLexを変更しており、インダクタンスLexを変更する際には、従来、8図に示すように、ステップアップトランス2のトランスコアの分割部分にスペーサを介装して、ギャップを調整することで行っていた。
【0008】
しかしながら、このような従来の高周波トランスの共振点の調整方法には、以下に説明する技術的な課題があった。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−351799号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、図8に示したステップアップトランス2のギャップ調整により共振周波数を調整する方法では、微妙な共振点の調節が困難であり、また、ステップアップトランス2に使用しているトランスコアの透磁率は、周囲温度によって変化し、透磁率が変化すると、共振点も微妙に変位するが、このような場合に、ギャップ調整でこれに対応することは、殆ど不可能であった。
【0011】
また、図6に示した高圧回路では、CW逓倍回路1の出力電圧を一定にするために、同図に示すように、抵抗分圧器3および比較器4を設け、インバータ回路5を介して、ステップアップトランス2に供給される可変出力直流電源6を負帰還制御していた。
【0012】
この際の制御の概要は、抵抗分圧器3でCW逓倍回路1の出力電圧を検出し、比較器4にこれを入力して、基準電圧信号と比較し、出力電圧の状態に応じて、制御信号を可変出力直流電源6に送出する。
【0013】
この場合、インバーター回路5のスイッチング周波数は、通常、固定されているので、ステップアップトランス2の励磁インダクタンスが、温度変化により変動すると、CW逓倍回路1の分布容量Csとの並列共振点が変化し、電流の位相が電圧の位相よりも進み位相になることがある。
【0014】
このような状態になると、分圧器3と比較器4を介して、負帰還制御されている高電圧制御系は、発振ぎみとなり、安定した制御が期待できなくなるという問題があった。
【0015】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、温度変化などによる共振点の変動に対して、自動的に対応することができ、その結果、安定した帰還制御を確保することができる高周波トランスの共振点の調整装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、分布容量Csを有するコッククロフト・ウオルトン型逓倍回路と、相互インダクタンスLexを有するステップアップトランスと備えた高圧回路における、前記分布容量Csと相互インダクタンスLexとで構成する並列共振の共振点の調整装置において、前記ステップアップトランスの一次側から瞬時電圧と瞬時電流の位相差を検出する位相差検出手段と、前記ステップアップトランスに並列接続された共振点調整用トランスと、前記位相差検出手段で検出された前記位相差の大きさに対応させて、当該位相差が低減されるように、前記共振点調整用トランスに励磁電流を供給する励磁電流制御手段とを備えた高圧回路の共振点の調整装置であって、前記位相差検出手段は、前記ステップアップトランスの一次側から取り出された瞬時電圧と瞬時電流とのゼロクロス点を検出して、検出されたゼロクロス点間に対応した幅の電圧,電流パルス信号に変換するゼロクロス検出器と、前記ゼロクロス検出器から送出される前記電圧,電流パルス信号を受けて、前記電圧,電流パルス信号間の位相差を検出し、前記位相差に対応したパルス信号を送出する位相差検出器とを備えている。
【0018】
このように構成した高圧回路の共振点の調整装置によれば、ステップアップトランスの一次側から瞬時電圧と瞬時電流の位相差を検出し、ステップアップトランスに並列接続された共振点調整用トランスの励磁電流を、検出された位相差の大きさに対応させて、当該位相差が低減されるように供給するので、自動的に、ステップアップトランスに供給される瞬時電圧と瞬時電流の位相差を一致させることができる。
【0019】
この場合、ステップアップトランスに供給される瞬時電圧と瞬時電流の位相差は、例えば、トランスコアの透磁率が周囲温度によって変化した際に発生し、これに伴って、透磁率が変化して共振点も微妙に変位するが、本発明では、発生した位相差を低減するように調整するので、結果的に、並列共振の共振点の調整が自動的に行われる。
【0020】
また、ステップアップトランスに供給される瞬時電圧と瞬時電流の位相差を一致させることができると、負帰還制御されている高電圧制御系が、発振ぎみとなることがなくなり、安定した制御が行える。
【0022】
前記位相差検出器は、前記電圧,電流パルス信号間で、前記電流パルス信号が前記電圧パルス信号よりも進み位相の場合に、その位相差を検出する第1位相差検出器と、前記電流パルス信号が前記電圧パルス信号よりも遅れ位相の場合に、その位相差を検出する第2位相差検出器とを設けることができる。
【0023】
前記共振点調整用トランスは、前記励磁電流による作動点が磁気飽和近傍となるように、オフセットすることができる。
【0024】
前記共振点調整用トランスをオフセットすることにより前記ステップアップトランスに与えるインダクタンスは、前記相互インダクタンスLexの100倍程度に設定することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1から図5は、本発明にかかる高圧回路の共振点の調整装置の一実施例を示している。
【0026】
図1は、調整装置10の全体構成を示した回路図であり、共振点の調整対象となる高圧回路は、図6に示したものと同じ回路であり、CW逓倍回路1と、ステップアップトランス2とを組合わせた構成となっている。
【0027】
図1では、このような構成の高圧回路の等価回路が示されており、分布容量Csは、CW逓倍回路1のカラム間に存在しており、Ll1がステップアップトランス2の一次インダクタンスで、Ll2が同トランス2の二次インダクタンスで、Lexが同トランス2の相互インダクタンスである。
【0028】
このような高圧回路は、高周波電源12により駆動される。なお、図1に示した高周波電源12は、図6に示した、可変出力直流電源6を高周波信号に変換してステップアップトランス2に供給するインバータ回路5や、CW逓倍回路1の出力電圧を一定にするために用いる抵抗分圧器3および比較器4などの負帰還制御系を含んでいる。
【0029】
本実施例の共振点の調整装置10は、位相差検出手段14と、共振点調整用トランス16と、励磁電流制御手段18とを備えている。位相差検出手段14は、ステップアップトランス2の一次側から、当該トランス2に供給されている瞬時電圧vと、瞬時電流iとの位相差を検出するものであって、ゼロクロス検出器14aと、第1位相差検出器14bおよび第2位相差検出器14cとを備えている。
【0030】
ゼロクロス検出器14aは、2本の入力端子を備え、一方の入力端子がステップアップトランス2の一次コイル側に接続されて、瞬時電圧vが取り込まれるとともに、他方の入力端子が変流器CTを介して、ステップアップトランスに接続され、この変流器CTを介して、瞬時電流iが入力されている。
【0031】
ゼロクロス検出器14aでは、このような瞬時電圧vと瞬時電流iとを受けて、各瞬時電圧vないしは瞬時電流iのゼロクロス点を検出して、図2に示すような、電圧パルス信号Vpと電流パルス信号Ipとを送出する。
【0032】
この場合、各パルス信号Vp,Ipは、検出されたゼロクロス点間の間隔が、各パルス信号Vp,Ipのパルス幅になる。第1および第2位相差検出器14b,14cは、ゼロクロス検出器14aから送出される電圧,電流パルス信号Vp,Ipを受けて、電圧,電流パルス信号Vp,Ip間の位相差を検出し、位相差に対応したパルス信号a1,a2,b1,b2を送出する。
【0033】
本実施例の場合、第1および第2位相差検出器14b,14cは、フリップフロップ回路とアンプから構成されていて、第1位相差検出器14bのフリップフロップ回路には、D端子に電流パルス信号IpがアンプA1を介して入力され、クロック端子に電圧パルス信号Vpが入力されている。
【0034】
第2位相差検出器14cのフリップフロップ回路には、D端子に電圧パルス信号VpがアンプA2を介して入力され、クロック端子に電流パルス信号Ipが入力されている。
【0035】
第1位相差検出器14bのフリップフロップ回路は、電圧,電流パルス信号Vp,Ip間で、電流パルス信号Ipが電圧パルス信号Vpよりも進み位相の場合に作動して、図3に示すように、電圧パルス信号Vpの立ち上がりと、電流パルス信号Ipの立下りとの間に、Q端子から出力信号a1が送出され、この出力信号a1は、電圧,電流パルス信号Vp,Ipの位相差に応じたパルス幅になっている。
【0036】
この場合、第2位相差検出器14cのフリップフロップ回路は、作動せず、出力信号b1は、ゼロレベルとなる。第2位相差検出器14bのフリップフロップ回路は、図4に示すように、電圧,電流パルス信号Vp,Ip間で、電流パルス信号Ipが電圧パルス信号Vpよりも遅れ位相の場合に作動して、電流パルス信号Ipの立ち上がりと、電圧パルス信号Vpの立下りとの間に、Q端子から出力信号b2が送出され、この出力信号b2は、電圧,電流パルス信号Vp,Ipの位相差に応じたパルス幅になっている。
【0037】
この場合、第1位相差検出器14cのフリップフロップ回路は、作動せず、出力信号a2は、ゼロレベルとなる。共振点調整トランス16は、一次コイル16aと二次コイル16bとを備えている。
【0038】
一次コイル16aは、一端側が接地され、他端側には、後述する励磁電流制御手段18の一部を構成する出力トランジスタQが接続されている。二次コイル16bは、ステップアップトランス2の相互インダクタンスLexと並列接続されている。具体的には、ステップアップトランス2の一次コイルと、共振点調整トランス16の二次コイル16bとが並列接続される。
【0039】
励磁電流制御手段18は、電圧,電流パルス信号Vp,Ip間に位相差がある場合に、共振点調整トランス16の励磁電流を替えて、電圧,電流パルス信号Vp,Ip間の位相が一致するように制御するものである。
【0040】
本実施例場合、一対のスイチィングトランジスタQ2,Q4と、オフセット電圧発生部18aと、+補正電圧発生部18bと、−補正電圧発生部18cと、出力トランジスタQおよび複数の増幅器A3〜A5とから概略構成されている。
【0041】
オフセット電圧発生部18aは、所定大きさの直流電圧Voを送出し、その出力側がアンプA5を介して、出力トランジスタQのゲートに接続されていて、常時所定大きさの励磁電流が共振点調整用トランス16の一次コイル16aに供給されるようになっている。
【0042】
この場合の励磁電流は、図5に共振点調整トランス16のBH曲線で示すように、トランス16の励磁電流による作動点Aが、磁気飽和点近傍となるように、オフセットさせている。
【0043】
この場合に、ステップアップトランス2に対して与えられるインダクタンスは、相互インダクタンスLexの、例えば、100倍程度にする。このような大きさに設定すると、付与するインダクタンスが並列接続なので、相互インダクタンスLexに対して、1%の影響しか与えない。
【0044】
スイッチングトランジスタQ2は、+補正電圧発生部18bの出力側に介装され、アンプA3を介在させて、オフセット電圧発生部18aの出力側に接続されているとともに、ゲートに第1位相差検出器14aのフリップフロップ回路の出力側が接続されている。+補正電圧発生部18bは、所定大きさの正電圧V+を常時送出するものである。
【0045】
スイッチングトランジスタQ4は、−補正電圧発生部18cの出力側に介装され、アンプA4を介在させて、オフセット電圧発生部18aの出力側に接続されているとともに、ゲートに第2位相差検出器14cのフリップフロップ回路の出力側が接続されている。−補正電圧発生部18cは、所定大きさの負電圧V−を常時送出するものである。
【0046】
以上のように構成された共振点の調整装置10では、例えば、温度上昇などにより、ステップアップトランス2の相互インダクタンスLexと分布容量Csとで構成する並列共振の共振点が変化すると、この変化は、瞬時電圧vと瞬時電流iの位相差となって現れる。
【0047】
このような位相差は、これがいま、例えば、瞬時電流iが瞬時電圧vよりも遅れ位相にある場合には、図3に示すように、その位相差が第1位相差検出器14aにより検出されて、検出された位相差に応じた幅のパルス信号a1として、スイッチングトランジスタQ2に送出される。
【0048】
パルス信号a1を受けたトランジスタQ2は、その信号a1が送出されている間は、オン状態になり、これに伴って、+補正電圧発生部18bの出力電圧V+が、オフセット電圧発生部18aの出力側に送出される。
【0049】
この結果、出力トランジスタQには、オフセット電圧発生部18aの出力電圧値Voに、補正電圧発生部18bの出力電圧V+が加えられた電圧(Vo+V+)が印加され、共振点調整トランス16は、この電圧に対応した励磁電流で励磁されるので、図5に示したBH曲線における作動点が、右側に移動することになる。
【0050】
つまり、瞬時電流iが瞬時電圧vよりも遅れ位相にある場合には、オフセットさせた作動点Aが、適正な位置から左側に変位した状態になっており、このような状態から作動点を右側に移動させるように、励磁電流を増加させることになる。
【0051】
そして、所定時間経過した後に、瞬時電流iと瞬時電圧vとの位相差を検出した時に、まだ瞬時電流iが瞬時電圧vよりも遅れ位相にある場合には、前述した作動が繰り返される。
【0052】
この際には、一度共振点を調整しているので、瞬時電流iと瞬時電圧vとの間の位相差が、減少しているので、スイッチングトランジスタQ2は、前回よりも短い時間でオン状態になり、共振点調整トランス16は、図5に示したBH曲線における作動点が、さらに右側に移動し、このような作動を複数回繰り返すことで、作動点は、適正な位置、すなわち、ステップアップトランス2の相互インダクタンスLexと分布容量Csとで構成する並列共振の共振点に一致する。
【0053】
以上のような作動は、瞬時電流iが瞬時電圧vよりも進み位相にある場合には、位相差が第2位相差検出器14cにより検出されて、進み位相の場合と実質的に同様な作動を繰り返すことで共振点の調整が行われる。
【0054】
さて、以上のように構成した高圧回路の共振点の調整方法および調整装置によれば、ステップアップトランス2の一次側から瞬時電圧vと瞬時電流iの位相差を検出し、ステップアップトランス2に並列接続された共振点調整用トランス16の励磁電流を、検出された位相差の大きさに対応させて、当該位相差が低減されるように供給するので、自動的に、ステップアップトランス2に供給される瞬時電圧vと瞬時電流iの位相差を一致させることができる。
【0055】
この場合、ステップアップトランス2に供給される瞬時電圧vと瞬時電流iの位相差は、例えば、トランスコアの透磁率が周囲温度によって変化し際に発生し、これに伴って、透磁率が変化して共振点も微妙に変位するが、本実施例では、位相差をなくすように調整するので、結果的に、並列共振の共振点の調整が自動的に行われる。
【0056】
また、ステップアップトランス2に供給される瞬時電圧vと瞬時電流iの位相差を一致させることができると、負帰還制御されている高電圧制御系が、発振ぎみとなることがなくなり、安定した制御が行える。
【0057】
さらに、本実施例の場合には、位相差検出器は、電圧,電流パルス信号Vp,Ip間で、電流パルス信号Ipが電圧パルス信号Vpよりも遅れ位相の場合に、その位相差を検出する第1位相差検出器14bと、電流パルス信号IPが電圧パルス信号Vpよりも進み位相の場合に、その位相差を検出する第2位相差検出器14cとを設けている。
【0058】
このため、共振点が正負のいずれの方向に変位した場合にも、自動的に対応することができる。
【0059】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかる共振点の調整装置によれば、温度変化などによる共振点の変動に対して、自動的に対応することができ、その結果、安定した帰還制御を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる共振点の調整装置の一実施例を示す全体構成の回路図である。
【図2】図1に示したゼロクロス検出器の入出力信号の波形図である。
【図3】図1に示した第1位相差検出器の入出力信号の波形図である。
【図4】図1に示した第2位相差検出器の入出力信号の波形図である。
【図5】図1に示した共振点調整トランスの作動点の説明図である。
【図6】本発明が適用される高圧回路の回路図である。
【図7】図6の高圧回路の要部等価回路図である。
【図8】従来の共振点の調整方法の説明図である。
【符号の説明】
10 共振点調整装置
12 高周波電源
14 位相差検出手段
16 共振点調整トランス
18 励磁電流制御手段

Claims (4)

  1. 分布容量Csを有するコッククロフト・ウオルトン型逓倍回路と、相互インダクタンスLexを有するステップアップトランスと備えた高圧回路における、前記分布容量Csと相互インダクタンスLexとで構成する並列共振の共振点の調整装置において、
    前記ステップアップトランスの一次側から瞬時電圧と瞬時電流の位相差を検出する位相差検出手段と、
    前記ステップアップトランスに並列接続された共振点調整用トランスと、
    前記位相差検出手段で検出された前記位相差の大きさに対応させて、当該位相差が低減されるように、前記共振点調整用トランスに励磁電流を供給する励磁電流制御手段とを備えた高圧回路の共振点の調整装置であって、
    前記位相差検出手段は、前記ステップアップトランスの一次側から取り出された瞬時電圧と瞬時電流とのゼロクロス点を検出して、検出されたゼロクロス点間に対応した幅の電圧,電流パルス信号に変換するゼロクロス検出器と、
    前記ゼロクロス検出器から送出される前記電圧,電流パルス信号を受けて、前記電圧,電流パルス信号間の位相差を検出し、前記位相差に対応したパルス信号を送出する位相差検出器とを備えたことを特徴とする高圧回路の共振点の調整装置。
  2. 前記位相差検出器は、前記電圧,電流パルス信号間で、前記電流パルス信号が前記電圧パルス信号よりも進み位相の場合に、その位相差を検出する第1位相差検出器と、
    前記電流パルス信号が前記電圧パルス信号よりも遅れ位相の場合に、その位相差を検出する第2位相差検出器とを備えたことを特徴とする請求項1記載の高圧回路の共振点の調整装置。
  3. 前記共振点調整用トランスは、前記励磁電流による作動点が磁気飽和近傍となるように、オフセットされることを特徴とする請求項1または2記載の高圧回路の共振点の調整装置。
  4. 前記共振点調整用トランスをオフセットすることにより前記ステップアップトランスに与えるインダクタンスは、前記相互インダクタンスLexの100倍程度に設定することを特徴とする請求項3記載の高圧回路の共振点の調整装置。
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