JP2932485B2 - 四重極質量分析装置 - Google Patents

四重極質量分析装置

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JP2932485B2 JP1044027A JP4402789A JP2932485B2 JP 2932485 B2 JP2932485 B2 JP 2932485B2 JP 1044027 A JP1044027 A JP 1044027A JP 4402789 A JP4402789 A JP 4402789A JP 2932485 B2 JP2932485 B2 JP 2932485B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は四重極質量分析装置に係り、詳しくは、その
四重極電極に印加される直流電圧を生成するための電源
回路に関する。
(ロ)従来の技術 四重極質量分析装置は、4本の電極棒からなる四重極
電極に直流電圧Uと高周波交流電圧Vcos ω tとを重畳
して印加することによって四重極電極の内部に電界を形
成し、この電界内にイオンを導入するとともに、U/Vの
比を一定に保ちながらVを変化させることによってイオ
ンの質量分析を行うように構成されている。そして、こ
の四重極質量分析装置の電源回路においては、その四重
極電極に印加される直流電圧が高周波交流電圧から生成
されるように構成するのが一般的となっている。
ところで、このような電源回路の第1従来例として
は、第2図で示す回路図のように構成されてなるものが
知られている。すなわち、この第1従来例においては、
発振器1から出力された高周波交流信号が変調器2で制
御信号に応じて変調され、高周波増幅器3によって増幅
されたのち、共振器4で昇圧して生成された高周波交流
電圧が四重極電極5に印加される。そして、この高周波
交流電圧は、その振幅を検出するための検波器6から出
力された低圧の直流電圧が制御信号として変調器2にフ
ィードバックされることによって制御されている。一
方、この共振器4の後段には共振器4で生成された高周
波交流電圧を分圧して整流する整流器7が直接的に接続
されており、この整流器7で生成された数百Vというよ
うな高圧の直流電圧が前記高周波交流電圧と重畳された
うえで四重極電極5に印加されるようになっている。な
お、このようにして生成された直流電圧は、整流器7を
構成する素子などからの影響を受ける結果、必ずしも高
周波交流電圧に対する良好な比例関係を有していない。
そこで、この第1従来例においては、検波器6から出力
された低圧の直流電圧を直流増幅器8で増幅して整流器
7に印加することにより、この整流器7から出力される
直流電圧を補正するようになっている。
また、直流電圧を生成する電源回路の第2従来例とし
ては、第3図で示すように、第1従来例の整流器7に代
わる直流増幅器9,10を共振器4とは別に設けて構成した
ものがある。そして、この第2従来例では、検波器6か
ら出力された低圧の直流電圧を直流増幅器9,10で増幅す
ることによって四重極電極5に印加される高圧の直流電
圧を生成している。なお、この第3図における他の符号
を付した部品は、第2図における同一符号を付した部品
と互いに対応している。
(ハ)発明が解決しようとする課題 ところで、前述した第1従来例においては、高圧の直
流電圧を生成する整流器7が高周波交流電圧を生成する
共振器4に対して直接的に接続されているため、共振器
4を構成するコイルが発熱するばかりか、この共振器4
の尖鋭度Qが低下して高調波が発生してしまう結果、四
重極質量分析装置の性能を低下させてしまうことになっ
ていた。
また、前記第2従来例においては、検波器6から出力
された低圧の直流電圧を直流増幅器9,10で増幅すること
によって高圧の直流電圧を生成することから、これらの
直流増幅器9,10そのものが大型化するのみならず、これ
らを駆動する大型の高圧電源(図示していない)が必要
となる結果、回路構成が複雑化してコストアップを招い
てしまうという不都合があった。
本発明は、このような不都合を解消すべく創案された
ものであって、高圧の直流電圧を簡素な構成によって生
成することが可能な電源回路を備えた四重極質量分析装
置の提供を目的としている。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明に係る四重極質量分析装置は、四重極電極に直
流電圧と高周波交流電圧とを重畳して印加し、導入した
イオンの質量分析を行うものであり、与えられた高周波
交流信号を増幅する高周波増幅器からの出力を整流して
直流電圧を生成する直流発生器が、高周波増幅器からの
出力を昇圧して高周波交流電圧を生成する共振器とは独
立した系統で設けられていることを特徴とする。
(ホ)作用 上記構成によれば、高周波交流電圧を生成すべく与え
られて高周波増幅器で増幅された高周波交流信号の一部
を直接的に整流して高圧の直流電圧を生成する直流発生
器を、高周波交流電圧を生成する共振器とは別の独立し
た系統で設けているので、四重極電極に印加される高圧
の直流電圧が高周波交流電圧とは関わりなく、独立的に
生成されることになる。
(ヘ)実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は、本発明に係る四重極質量分析装置の電源回
路を示す回路図である。なお、この第1図で示す電源回
路を構成する部品のうち、前述した第2図および第3図
に基づいて説明した第1および第2従来例を構成する部
品と互いに同一もしくは相当する部品には同一符号を付
している。
本実施例に係る電源回路における発振器1から出力さ
れた高周波交流信号は、検波器6から出力された制御信
号に応じて変調器2で変調されたうえで高周波増幅器3
によって増幅され、共振器4で昇圧して生成された高周
波交流電圧が四重極電極5に印加される。
一方、この電源回路には、高圧の直流電圧を生成する
直流発生器11が高周波交流電圧を生成する共振器4とは
別の独立した系統で設けられている。そして、この直流
発生器11は、高周波増幅器3からの出力を変圧するトラ
ンスT1と、これからの出力を整流・平滑化するダイオー
ドD1,D2およびコンデンサC1,C2を備えている。そこで、
この直流発生器11においては、高周波増幅器3からの出
力を変圧して整流することによって共振器4で生成され
る高周波交流電圧とほぼ比例した関係を有する高圧の直
流電圧が直接的に生成されることになる。
さらに、この直流発生器11には、検波器6から出力さ
れた低圧の直流電圧がそれぞれ印加される反転増幅器12
および非反転増幅器13が接続されている。したがって、
直流発生器11で生成された高圧の直流電圧は、反転増幅
器12および抵抗R1,R2と、非反転増幅器13および抵抗R3,
R4とによって高周波交流電圧と比例するように補正され
ることになる。なお、この直流発生器11を構成するトラ
ンスT1に代えてコンデンサ(図示していない)を用いる
こともでき、コンデンサを用いる場合には必要に応じて
倍電圧整流などを行えばよい。また、第1図における符
号14で示すような直流電圧発生専用の高周波増幅器を変
調器2の後段に設けてもよい。
ところで、これらの増幅器12,13に印加される検波器
6からの出力に対して適当な制御電圧を加えれば、この
直流発生器11で生成された直流電圧と共振器4で生成さ
れた高周波交流電圧との比例関係、すなわち、分解能を
容易に調整することができる。また、ダイオードD1,D2
およびコンデンサC1,C2の整流出力を適当な抵抗によっ
てシャントすれば、応答性(レスポンス)を高めること
が可能となるばかりか、これらの抵抗として可変抵抗器
を用いる場合には、整流出力が反転増幅器12および非反
転増幅器13の動作範囲内に収まるように調整することが
できることはいうまでもない。
(ト)発明の効果 以上説明したように、本発明に係る四重極質量分析装
置の電源回路においては、与えられた高周波交流信号を
増幅する高周波増幅器からの出力を整流して直流電圧を
生成する直流発生器を高周波交流電圧を生成する共振器
とは別の独立した系統で設けているので、四重極電極に
印加される高圧の直流電圧が高周波交流電圧とは関わり
なく、直流発生器によって独立的に生成されることにな
る。
その結果、第1従来例のような発熱や尖鋭度Qの低下
に伴う高周波の発生が少なくなって高い安定性が得られ
ることになるばかりか、第2従来例では必要とされてい
た直流増幅器や高圧電源を設ける必要がなくなり、回路
構成を簡素化してコストダウンを図ることができるとい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る四重極質量分析装置の
電源回路を示す回路図であり、第2図は第1従来例に、
また、第3図は第2従来例にそれぞれ係る四重極質量分
析装置の電源回路を示す回路図である。 図における符号3は高周波増幅器、5は四重極電極、11
は直流発生器、12は反転増幅器、13は非反転増幅器であ
る。 なお、図中の同一符号は、互いに同一もしくは相当する
部品、部分を示している。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】四重極電極に直流電圧と高周波交流電圧と
    を重畳して印加し、導入したイオンの質量分析を行う四
    重極質量分析装置であって、 与えられた高周波交流信号を増幅する高周波増幅器から
    の出力を整流して直流電圧を生成する直流発生器を、高
    周波増幅器からの出力を昇圧して高周波交流電圧を生成
    する共振器とは独立した系統で設けていることを特徴と
    する四重極質量分析装置。
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