JP4297822B2 - 吸収式冷凍機 - Google Patents

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本発明は、再生器と凝縮器と吸収器と蒸発器と、蒸発器から冷水などの冷凍用媒体を取出す冷凍用媒体取出し管と、冷媒蒸発後の吸収液により冷媒吸収後の吸収液を加熱する熱交換器とを備え、更に、冷凍用媒体取り出し管から取り出される冷凍用媒体の取出し負荷に応じて、吸収器から再生器に戻す冷媒吸収後の吸収液の量を調整するように構成した吸収式冷凍機に関する。
この種の吸収式冷凍機としては、従来、高温再生器と低温再生器とを備え、高温再生器から吸収器に供給される冷媒蒸発後の吸収液により、吸収器から低温再生器に供給される冷媒吸収後の吸収液を加熱するように構成されている。
また、冷水取り出し用の蒸発器管(冷凍用媒体取り出し管)に冷水温度を検出する温度検出器を取り付け、その温度検出器により検出した負荷信号を調節器に入力し、温度検出器で検出される負荷信号をもとに制御弁の開度を変え、高温再生器に設けられた加熱手段に供給される燃料ガス量や重油量を増減するように構成されている。
更に、制御弁には、その開度を検出するためのポテンショが取り付けられ、制御弁の開度信号をもとにインバータを作動させ、吸収液ポンプや中間濃度吸収液ポンプの回転数を変え、負荷に応じた最適な吸収液の循環量になるように調整するように構成されている(特許文献1参照)。
特開平1−98864号公報
しかしながら、上述従来例のものでは、負荷が部分負荷になって吸収液の循環量を減少させるに伴い、必要な加熱手段の量が増加することがあり、吸収式冷凍機の部分負荷性能が低下する欠点があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1に係る発明は、熱交換器の伝熱性能の低下を抑制して吸収式冷凍機の部分負荷性能を向上できるようにすることを目的とし、請求項2に係る発明は、吸収式冷凍機の部分負荷性能をより適確に向上できるようにすることを目的とし、請求項3に係る発明は、熱交換器の伝熱性能の低下を簡単な構成で抑制して吸収式冷凍機の部分負荷性能を向上できるようにすることを目的とする。
請求項1に係る発明は、上述のような目的を達成するために、
冷媒を含んだ吸収液を加熱して冷媒を再生する再生器と、
前記再生器で再生・蒸発した冷媒を供給して凝縮液化する凝縮器と、
前記再生器から冷媒蒸発後の吸収液を供給する吸収器と、
前記吸収器に接続されて前記凝縮器で凝縮液化した冷媒を供給して前記吸収器による冷媒吸収により冷媒を蒸発する蒸発器と、
前記蒸発器に付設されて前記蒸発器での蒸発潜熱により冷却した冷凍用媒体を取出す冷凍用媒体取出し管と、
前記吸収器と前記再生器とに接続されて冷媒を吸収した吸収液を前記再生器に戻す吸収液戻し管と、
前記再生器から前記吸収器に冷媒蒸発後の吸収液を供給する供給管と、
前記吸収液戻し管と前記供給管との間で冷媒蒸発後の吸収液により冷媒吸収後の吸収液を加熱する熱交換器と、
前記冷凍用媒体取り出し管から取り出される冷凍用媒体の取出し負荷に応じて、前記吸収器から前記再生器に戻す冷媒吸収後の吸収液の量を調整する吸収液循環量調整手段と、
を備えた吸収式冷凍機において、
前記熱交換器を互いに並列に複数個設け、前記冷凍用媒体取り出し管から取り出される冷凍用媒体の取出し負荷に応じて熱交換する前記熱交換器の個数を変更する伝熱性能制御手段を備えて構成する。
(作用・効果)
吸収式冷凍機の負荷が部分負荷になるに伴ってその性能が低下する要因について考察した結果、熱交換器において、負荷率の減少に応じて吸収液の循環量を減少させるに伴い、図3の負荷率と伝熱性能比との相関を示すグラフのAに示すように、負荷率が特定の領域より低くなると伝熱性能比が急激に減少することを見出すに至った。
これは、熱交換器の熱交換面との接触箇所において、吸収液の循環流量が減少するに伴って乱流状態から層流状態に変化し、総括伝熱係数が大幅に減少することが原因であると推測された。
請求項1に係る発明の吸収式冷凍機の構成によれば、上記結果に着目し、負荷が低くなって循環される吸収液の量が少なくなったときに、熱交換する熱交換器の個数を少なくし、熱交換のために熱交換器内を流れる吸収液の流速が必要以上に低下しないようにすることができる。
したがって、熱交換器内を流れる吸収液の流速が、層流状態に変化する流速以下になることを回避でき、熱交換器の伝熱性能の低下を抑制して吸収式冷凍機の部分負荷性能を向上できる。
請求項2に係る発明は、前述のような目的を達成するために、
請求項1に記載の吸収式冷凍機において、
熱交換器の個数を変更する負荷が、前記熱交換器内での流動状態が乱流状態から層流状態に変化する前の負荷になるように設定する。
(作用・効果)
請求項2に係る発明の吸収式冷凍機によれば、熱交換器内を流れる吸収液の流速が、層流状態に変化する流速以下になることを確実に回避でき、熱交換器の伝熱性能の低下を抑制して吸収式冷凍機の部分負荷性能をより適確に向上できる。
請求項3に係る発明は、前述のような目的を達成するために、
冷媒を含んだ吸収液を加熱して冷媒を再生する再生器と、
前記再生器で再生・蒸発した冷媒を供給して凝縮液化する凝縮器と、
前記再生器から冷媒蒸発後の吸収液を供給する吸収器と、
前記吸収器に接続されて前記凝縮器で凝縮液化した冷媒を供給して前記吸収器による冷媒吸収により冷媒を蒸発する蒸発器と、
前記蒸発器に付設されて前記蒸発器での蒸発潜熱により冷却した冷凍用媒体を取出す冷凍用媒体取出し管と、
前記吸収器と前記再生器とに接続されて冷媒を吸収した吸収液を前記再生器に戻す吸収液戻し管と、
前記再生器から前記吸収器に冷媒蒸発後の吸収液を供給する供給管と、
前記吸収液戻し管と前記供給管との間で冷媒蒸発後の吸収液により冷媒吸収後の吸収液を加熱する熱交換器と、
前記冷凍用媒体取り出し管から取り出される冷凍用媒体の取出し負荷に応じて、前記吸収器から前記再生器に戻す冷媒吸収後の吸収液の量を調整する吸収液循環量調整手段と、
を備えた吸収式冷凍機において、
前記熱交換器を、冷媒吸収後の吸収液を並列に流す圧力損失の異なる複数の流路を備えて構成したことを特徴としている
(作用・効果)
請求項3に係る発明の吸収式冷凍機の構成によれば、前述請求項1に係る発明におけると同じ考察結果に着目し、負荷が低くなって循環される吸収液の量が少なくなるに伴い、圧力損失の少ない流路側に集中して吸収液が流れ、熱交換のために熱交換器内を流れる吸収液の流速が必要以上に低下しないようにすることができる。
したがって、熱交換器内を流れる吸収液の流速が、層流状態に変化する流速以下になることを自ずと回避でき、熱交換器の個数を変更したりせずに、熱交換器の伝熱性能の低下を簡単な構成で抑制して吸収式冷凍機の部分負荷性能を向上できる。
請求項1に係る発明の吸収式冷凍機によれば、吸収式冷凍機の部分負荷性能が低下する要因が、吸収式冷凍機の負荷が部分負荷になって吸収液の循環流量が減少するに伴って乱流状態から層流状態に変化し、総括伝熱係数が大幅に減少することにあるという考察結果に着目し、負荷が低くなって循環される吸収液の量が少なくなったときに、熱交換する熱交換器の個数を少なくし、熱交換のために熱交換器内を流れる吸収液の流速が必要以上に低下しないようにするから、熱交換器内を流れる吸収液の流速が、層流状態に変化する流速以下になることを回避でき、熱交換器の伝熱性能の低下を抑制して吸収式冷凍機の部分負荷性能を向上できる。
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る吸収式冷凍機の実施例1を示す全体概略構成図であり、水を冷媒、リチウム・ブロマイド溶液を吸収液とした作動流体により動作するように構成されており、冷媒を含んだ吸収液を加熱して冷媒を再生する低温再生器1と、再生・蒸発した冷媒を凝縮液化する凝縮器2とが、互いに連通する状態で設けられている。
低温再生器1および凝縮器2の下方に、蒸発器3と吸収器4とが互いに連通する状態で設けられている。
凝縮器2と蒸発器3とが第1の冷媒液配管5を介して接続され、凝縮器2で凝縮液化された冷媒液を蒸発器3に供給するように構成されている。
蒸発器3の上部に蒸発用散布ノズル6が設けられ、その蒸発用散布ノズル6と蒸発器の下部とが、冷媒液ポンプ7を介装した第2の冷媒液配管8を介して接続されるとともに、蒸発用散布ノズル6の下方に冷凍用媒体取出し管9が設けられ、吸収器4による冷媒吸収により冷媒を蒸発するとともに、その蒸発に伴う蒸発潜熱により水やブラインなどの冷凍用媒体を冷却して取出すように構成されている。
吸収器4から凝縮器2にわたって、クーリングタワー(図示せず)からの冷却水配管10が設けられている。
吸収器4と高温再生器11とが、吸収液ポンプ12を介装した第1の配管13、第1の低温溶液熱交換器14、第1の中間配管15、第1の高温溶液熱交換器16および第2の配管17を介して接続されている。
第1の配管13の吸収液ポンプ12よりも下流側箇所と、第2の配管17の第1の高温溶液熱交換器16よりも下流側箇所とが、第1の開閉弁18を介装した第3の配管19、第2の低温溶液熱交換器20、第2の中間配管21、第2の高温溶液熱交換器22および第4の配管23を介して接続されている。
高温再生器11と低温再生器1とが、第5の配管24、第1の高温溶液熱交換器16および第6の配管25を介して接続されている。
また、第5の配管24の第1の高温溶液熱交換器16よりも上流側箇所と、第6の配管25の第1の高温溶液熱交換器16よりも下流側箇所とが、第2の開閉弁26を介装した第7の配管27、第2の高温溶液熱交換器22および第8の配管28を介して接続されている。
低温再生器1と吸収器4の上部に設けた吸収用散布ノズル29とが、第9の配管30、第1の低温溶液熱交換器14および第10の配管31を介して接続されている。
また、第9の配管30の第1の低温溶液熱交換器14よりも上流側箇所と、第10の配管31の第1の低温溶液熱交換器14よりも下流側箇所とが、第3の開閉弁32を介装した第11の配管33、第2の低温溶液熱交換器20および第12の配管34を介して接続されている。
高温再生器11に、加熱手段としてのバーナ35が設けられ、高温再生器11の上部と凝縮器2とが、低温再生器1内の冷媒を加熱蒸発可能な状態で設けられた蒸気配管36を介して接続されている。すなわち、蒸発配管36内を流れる蒸気が低温再生器1の加熱源となるように構成されている。
上記第1の配管13、第1の中間配管15、第2の配管17、第3の配管19、第2の中間配管21および第4の配管23から成る、冷媒を吸収した吸収液を吸収器4から高温再生器11に戻すための構成をして吸収液戻し管と称する。
また、第5の配管24、第6の配管25、第7の配管27、第8の配管28、第9の配管30、第10の配管31、第11の配管33および第12の配管34から成る、冷媒蒸発後の吸収液を高温再生器11から吸収器4に供給するための構成をして供給管と称する。
上記構成により、第1および第2の高温溶液熱交換器16,22ならびに第1および第2の低温溶液熱交換器14,20により、冷媒蒸発後の吸収液により冷媒吸収後の吸収液を加熱できるようになっている。
第1および第2の高温溶液熱交換器16,22、ならびに、第1および第2の低温溶液熱交換器14,20それぞれは、図2の(a)の熱交換器の側面図、および、図2の(b)の熱交換器の断面図〔図2の(a)のX−X線断面図〕に示すように構成されている。
すなわち、ひとつのケーシング37を隔壁37aで区画して一方に第1の高温溶液熱交換器16(第1の低温溶液熱交換器14)が、他方に第2の高温溶液熱交換器22(第2の低温溶液熱交換器20)が形成されている。
ケーシング37の両端それぞれに、前述した吸収液戻し管を接続する合流流路38が形成され、両合流流路38に連通するとともに隣り合うものの間に流路が形成されるように多数のパイプ39が設けられている。
パイプ39の軸心に直交させて、前述した供給管に接続するジグザグ流路を形成するように仕切り板40が設けられ、パイプ39の管壁を介して伝熱するように構成されている。
第1の配管13に、冷媒吸収後の吸収液の温度を測定する第1の温度計41が設けられ、第10の配管31に、冷媒蒸発後の吸収液の温度を測定する第2の温度計42が設けられている。
また、吸収液ポンプ12に、周波数によって吐出容量を調整するインバータ43が付設されるとともに、そのインバータ43に、出力する周波数を感知して吸収液の循環量を検出する循環量検出手段44が付設されている。
第1および第2の温度計41,42それぞれが、図3の(a)の循環量制御系のブロック図に示すように、吸収液循環量調整手段としての第1のコントローラ45に接続され、その第1のコントローラ45にインバータ43が接続されている。
第1のコントローラ45には、濃度幅算出手段46と第1の比較手段47とが備えられている。
濃度幅演算手段46では、第1の温度計41で測定される冷媒吸収後の吸収液の温度と、第2の温度計42で測定される冷媒蒸発後の吸収液の温度との差に基づいて冷媒を含んだ吸収液の濃度幅を算出するようになっている。
第1の比較手段47では、濃度幅算出手段46で算出された濃度幅と設定値とを比較し、算出濃度幅が設定値よりも大きいときには増加信号を出力し、一方、算出濃度幅が設定値よりも小さいときには減少信号を出力するようになっている。
インバータ43では、第1の比較手段47からの増加信号に応答して周波数を高くし、吸収液ポンプ12の吐出容量を増加して吸収液の循環流量を増加し、一方、減少信号に応答して周波数を低くし、吸収液ポンプ12の吐出容量を減少して吸収液の循環流量を減少するように、すなわち、冷凍用媒体取り出し管9から取り出される冷凍用媒体の取出し負荷に応じて、吸収器4から高温再生器11に戻す冷媒吸収後の吸収液の量(吸収液の循環流量)を調整するようになっている。この吸収液の循環流量を調整するのに、吸収液ポンプ12の下流側に流量調整弁を設け、その弁開度を調整するようにしても良い。
循環量検出手段44には、図3の(b)の熱交換器制御系のブロック図に示すように、伝熱性能制御手段としての第2のコントローラ48が接続されている。
第2のコントローラ48には第2の比較手段49が備えられ、この第2の比較手段49において、循環量検出手段44で検出された吸収液の循環量と設定値とを比較し、循環吸収液量が設定値よりも大きいときには開き信号を出力し、第1、第2および第3の開閉弁18,26,32を開き、吸収液を第1および第2の低温溶液熱交換器14,20、ならびに、第1および第2の高温溶液熱交換器16,22に流すようになっている。
一方、循環吸収液量が設定値よりも小さいときには閉じ信号を出力し、第1、第2および第3の開閉弁18,26,32を閉じ、吸収液を第1の低温溶液熱交換器14および第1の高温溶液熱交換器16に流すようになっている。
上記第2の比較手段49に入力される設定値としては、予め、冷凍用媒体取り出し管9から取り出される冷凍用媒体の取出し負荷、すなわち、吸収式冷凍機の負荷率が0.55のときの循環吸収液量が設定される。
詳述すれば、図4の負荷率と伝熱性能比との相関を示すグラフに示すように、前述のように、冷凍用媒体取り出し管9から取り出される冷凍用媒体の取出し負荷に応じて吸収液の循環量を制御すると、熱交換器において、負荷率が0.50〜0.56の範囲で、伝熱性能比が急激に低下する(実線Aで示す)。これは、乱流状態から層流状態(破線Bで示す)に変化してしまうためであると考えられる。
上記の点に着目して吸収液を流す熱交換器の個数を負荷率の低下に伴って切り換えたところ、図5の負荷率と成績係数(COP)の相関を示すグラフに示すように、従来構成J1の場合、負荷率が0.5を越えるに伴って成績係数(COP)が低下するのに対し、実施例1の構成Jの場合、吸収液が熱交換器内を流れる流速を、層流状態に変化する流速以下にならないようにして成績係数(COP)の低下を抑え、高い状態を維持できることが明らかであった。
図6は、本発明に係る吸収式冷凍機の実施例2を示す全体概略構成図、図7の(a)は実施例2の熱交換器の側面図、図7の(b)は実施例2の熱交換器の断面図〔図7の(a)のY−Y線断面図〕であり、実施例1と異なるところは次の通りである。
すなわち、1個づつの低温溶液熱交換器61と高温溶液熱交換器62とが設けられ、それぞれにおいて、ケーシング63の両端それぞれに合流流路64が形成され、両合流流路64に連通するとともに隣り合うものの間に流路が形成されるように多数の小径の第1のパイプ65と大径の第2のパイプ66とが設けられている。
第1および第2のパイプ65,66の軸心に直交させて、ジグザグ流路を形成するように仕切り板67が設けられ、第1および第2のパイプ65,66の管壁を介して伝熱するように構成されている。
第2のパイプ66の内径が第1のパイプ65の内径の√2倍に設定されるとともに、第1のパイプ65の本数が第2のパイプ66の本数の2倍に設定され、更に、第1のパイプ65の流路断面積の総和と第2のパイプ66の流路断面積の総和とが等しくなるように設定されている。これにより、実施例1における、熱交換器を複数にする流路構成や開閉弁、更には開閉弁を切り換えるための制御構成を不要にしている。他の構成は、実施例1と同じであり、同一図番を付すことにより、その説明は省略する。
上記構成により、負荷率が低下して吸収液の循環量が減少すると、吸収液は流動抵抗の少ない大径の第2のパイプ66内に流れ、第1のパイプ65内を流れる吸収液の量が自ずと減少し、第2のパイプ66内で流速を遅くすること無く、乱流状態を維持しながら吸収液を流し、第2のパイプ66において高い伝熱性能比を維持し、成績係数(COP)を高くできるようになっている。
本発明の吸収式冷凍機の作動流体としては、水を冷媒、リチウム・ブロマイド溶液を吸収液としたものに限らず、例えば、アンモニア溶液を冷媒、水を吸収液としたものなど、各種の作動流体が適用できる。
上述実施例では、低温再生器1と高温再生器11とを設けた吸収式冷凍機を示したが、本発明としては、1個の再生器を設けるタイプの吸収式冷凍機でも良い。
また、再生器の加熱手段としては、ガスバーナやヒーター、更には、エンジンや燃料電池から発生する排熱を利用するなど各種のものを用いることができる。
また、上述実施例2では、円形パイプによる熱交換器を示したが、矩形断面の流路を形成するプレート形の熱交換器を用い、その流路断面積の異なるものを設けて構成するものでも良く、要するに、圧力損失の異なる複数の流路を備えて構成するものであれば良い
本発明に係る吸収式冷凍機の実施例1を示す全体概略構成図である。 (a)は熱交換器の側面図、(b)は、図2の(a)のX−X線断面図である。 (a)は吸収液循環量の制御系を示すブロック図、(b)は熱交換器制御系のブロック図である。 負荷率と伝熱性能比との相関を示すグラフである。 負荷率と成績係数(COP)との相関を示すグラフである。 本発明に係る吸収式冷凍機の実施例2を示す全体概略構成図である。 (a)は実施例2の熱交換器の側面図、(b)は、図7の(a)のY−Y線断面図である。
符号の説明
1…低温再生器
2…凝縮器
3…蒸発器
4…吸収器
9…冷凍用媒体取出し管
11…高温再生器
14…第1の低温溶液熱交換器
16…第1の高温溶液熱交換器
20…第2の低温溶液熱交換器
22…第2の高温溶液熱交換器
45…第1のコントローラ(吸収液循環量調整手段)
48…第2のコントローラ(伝熱性能制御手段)
61…低温溶液熱交換器
62…高温溶液熱交換器

Claims (3)

  1. 冷媒を含んだ吸収液を加熱して冷媒を再生する再生器と、
    前記再生器で再生・蒸発した冷媒を供給して凝縮液化する凝縮器と、
    前記再生器から冷媒蒸発後の吸収液を供給する吸収器と、
    前記吸収器に接続されて前記凝縮器で凝縮液化した冷媒を供給して前記吸収器による冷媒吸収により冷媒を蒸発する蒸発器と、
    前記蒸発器に付設されて前記蒸発器での蒸発潜熱により冷却した冷凍用媒体を取出す冷凍用媒体取出し管と、
    前記吸収器と前記再生器とに接続されて冷媒を吸収した吸収液を前記再生器に戻す吸収液戻し管と、
    前記再生器から前記吸収器に冷媒蒸発後の吸収液を供給する供給管と、
    前記吸収液戻し管と前記供給管との間で冷媒蒸発後の吸収液により冷媒吸収後の吸収液を加熱する熱交換器と、
    前記冷凍用媒体取り出し管から取り出される冷凍用媒体の取出し負荷に応じて、前記吸収器から前記再生器に戻す冷媒吸収後の吸収液の量を調整する吸収液循環量調整手段と、
    を備えた吸収式冷凍機において、
    前記熱交換器を互いに並列に複数個設け、前記冷凍用媒体取り出し管から取り出される冷凍用媒体の取出し負荷に応じて熱交換する前記熱交換器の個数を変更する伝熱性能制御手段を備えたことを特徴とする吸収式冷凍機。
  2. 請求項1に記載の吸収式冷凍機において、
    熱交換器の個数を変更する負荷が、前記熱交換器内での流動状態が乱流状態から層流状態に変化する前の負荷になるように設定するものである吸収式冷凍機。
  3. 冷媒を含んだ吸収液を加熱して冷媒を再生する再生器と、
    前記再生器で再生・蒸発した冷媒を供給して凝縮液化する凝縮器と、
    前記再生器から冷媒蒸発後の吸収液を供給する吸収器と、
    前記吸収器に接続されて前記凝縮器で凝縮液化した冷媒を供給して前記吸収器による冷媒吸収により冷媒を蒸発する蒸発器と、
    前記蒸発器に付設されて前記蒸発器での蒸発潜熱により冷却した冷凍用媒体を取出す冷凍用媒体取出し管と、
    前記吸収器と前記再生器とに接続されて冷媒を吸収した吸収液を前記再生器に戻す吸収液戻し管と、
    前記再生器から前記吸収器に冷媒蒸発後の吸収液を供給する供給管と、
    前記吸収液戻し管と前記供給管との間で冷媒蒸発後の吸収液により冷媒吸収後の吸収液を加熱する熱交換器と、
    前記冷凍用媒体取り出し管から取り出される冷凍用媒体の取出し負荷に応じて、前記吸収器から前記再生器に戻す冷媒吸収後の吸収液の量を調整する吸収液循環量調整手段と、
    を備えた吸収式冷凍機において、
    前記熱交換器を、冷媒吸収後の吸収液を並列に流す圧力損失の異なる複数の流路を備えて構成したことを特徴とする吸収式冷凍機。
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