JP4296994B2 - ボルトの固定方法 - Google Patents

ボルトの固定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4296994B2
JP4296994B2 JP2004171507A JP2004171507A JP4296994B2 JP 4296994 B2 JP4296994 B2 JP 4296994B2 JP 2004171507 A JP2004171507 A JP 2004171507A JP 2004171507 A JP2004171507 A JP 2004171507A JP 4296994 B2 JP4296994 B2 JP 4296994B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bolt
tooth
serration
fixing hole
serration portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004171507A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005351338A (ja
Inventor
照基 亀田
須彦 鵜飼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2004171507A priority Critical patent/JP4296994B2/ja
Publication of JP2005351338A publication Critical patent/JP2005351338A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4296994B2 publication Critical patent/JP4296994B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、まわり止めセレーション付きボルトを固定する方法に関する。
ハブボルトをハブに形成したボルト固定穴に固定する方法としては、ハブボルトのまわり止めトルクを確保する目的で、ハブボルトにセレーションを形成し、ボルト固定穴に圧入・固定する方法がある。ボルトのセレーションをハブに圧入するためにはハブの硬度をボルトセレーションの硬度よりも高くする(例えばHvで100以上硬くする)ことが望ましい。
しかしながら、製造のバラツキから充分な硬度差が得られない場合があり、そうした場合にはセレーションがつぶれたり、ハブに食いつかないなど、まわり止めの機能を充分に発揮できない場合がある。
ハブボルトとハブとの間の硬度差を向上するためにハブボルトに浸炭加工を行うことがある。しかしながら、浸炭加工は材料の延性を低下する場合もある(例えば高カーボン材料に浸炭加工を行った場合)ほか、製品性能の安定化の観点からは好ましくないことがある。そこで、従来技術として、ボルト固定穴にもセレーションを形成する方法が提案されている。
しかしながら、ボルトのセレーションとハブのボルト固定穴のセレーションとの位相を合わせることが容易でなく、位相が異なる状態でボルト固定穴にボルトを圧入することがあった。そうすると、ボルトのセレーションがボルト固定穴のセレーションを潰してしまい、充分なまわり止め性能を発揮できないことがある。
従来技術としては、ボルトに形成したセレーションとボルト固定穴に形成したセレーションとの係合位置をばらつかせることで、位相を合わせなくても必要最小限のセレーション間での係合が実現できる方法が開示されている。
特開平9−158932号公報
しかしながら、多数形成したセレーションのうちの一部しか嵌合に用いていないので、絶対的なまわり止め性能が低いといった不都合があった。また、ボルトのセレーションとボルト固定穴のセレーションとの嵌合する部分が予期できないので精度良くボルトの中心軸を決めることが困難であった。
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、セレーション付きのボルトをセレーション付きのボルト固定穴に固定する場合に、双方のセレーションの位相を容易に合わせることができ、強固に締結できるまわり止めセレーション付きボルトの固定方法を提供することを解決すべき課題とする。また、ボルト固定穴に対してボルトを固定するときにボルトの中心軸を精度良く合わせることができるボルトの固定方法を提供することも解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明のボルトの固定方法は、ねじ部を備えるボルト本体部と該ボルト本体部の一端に配設されるボルト頭部とを有するボルトを、該ボルトが圧入固定できるボルト固定穴を有する部材に圧入固定する方法であって、
前記ねじ部及び前記ボルト頭部の間であって前記ボルト本体部の全周には、該ボルト本体部の軸方向に歯すじが延び且つ該ねじ部よりも外径方向に歯先が突出するように一定間隔で設けられた複数の歯部と、該歯部の該ねじ部側の軸方向の端部に設けられ且つ該ねじ部側に向かうほど先細になる先細部と、をもつボルトセレーション部を備え、
前記ボルト固定穴の内周面には、該ボルトセレーション部の該歯部に塑性変形が進行しないように嵌合でき且つ歯先が該ボルトセレーション部の該歯部がなす溝の底面に当接し且つ該ボルトセレーション部の歯溝の幅よりも歯厚が大きい複数の歯部と、該歯部の該ボルト本体部を圧入する側の軸方向の端部に設けられ且つ該ボルト本体部を圧入される側に向かうほど先細になる先細部と、前記ボルトセレーション部の塑性変形による材料流れを逃がす歯底面と、をもつ固定穴セレーション部を備えており、
前記ボルトを、該ボルト本体部の軸を回転軸として回動自在に保持しながら、前記ボルト固定穴に当接させて、該ボルトセレーション部の該歯部の位相を該固定穴セレーション部の該歯部の位相に合わせる工程と、
該ボルトの該ボルトセレーション部を該ボルト固定穴の該固定穴セレーション部にまで圧入する工程と、を有することを特徴とする。
つまり、ボルトをボルト固定穴に圧入する際に、ボルトセレーション部及び固定穴セレーションの双方に設けた先細部がまず接触して、両者の位相が一致するまで相対回転させることができる。その後、ボルトのボルトセレーション部をボルト固定穴の固定穴セレーション部にまで圧入する工程によりボルトセレーション部及び固定穴セレーション部が強固に嵌合することができる。
そして、前記固定穴セレーション部は、前記ボルトセレーション部の塑性変形による材料流れを逃がす歯底面をもち、該固定穴セレーション部の複数の前記歯部は該ボルトセレーション部の歯溝の幅よりも歯厚が大きいことが好ましい。
固定穴セレーション部の複数の歯部がボルトセレーション部の歯溝の幅よりも歯厚が大きいことで、ボルトセレーション部及び固定穴セレーションが嵌合したときにボルトセレーション部の歯部が塑性変形して両者の締結力が増加する。この場合に、塑性変形により流れる歯部の材料は、固定穴セレーション部の歯底面に逃げることができるようになっている。ここで、固定穴セレーション部の歯部の歯先とボルトセレーション部の歯底とについては両者の嵌合による塑性変形が進行せず両者の位置関係を精度良く保つことができる。
ここで、前記ボルトセレーション部の前記先細部は、該ボルトセレーション部の前記歯部の歯先円の外径が前記ねじ部方向に向かうほど小さくなるように略テーパ状の面取りを行った部分であり、前記固定穴セレーションの前記先細部は、該固定穴セレーション部の前記歯部の歯先円の外径が前記ボルト本体部を圧入する側に向かうほど大きくなるように略テーパ状の面取りを行った部分であり、それぞれの歯先面がなす先端角が該ボルトセレーション部の該先細部の歯先面がなす先端角よりも大きいことが好ましい。このような先細部の組み合わせを採用することで、容易に位置合わせを行うことができる。
更に、上記課題を解決する本発明のボルトの固定方法は、ねじ部を備えるボルト本体部と該ボルト本体部の一端に配設されるボルト頭部とを有するボルトを、該ボルトが圧入固定できるボルト固定穴を有する部材に圧入固定する方法であって、
前記ねじ部及び前記ボルト頭部の間であって前記ボルト本体部の全周には、該ボルト本体部の軸方向に歯すじが延び且つ該ねじ部よりも外径方向に歯先が突出する複数の歯部をもつボルトセレーション部を備え、
前記ボルト固定穴の内周面には、該ボルトセレーション部の塑性変形による材料流れを逃がす歯底面と、該ボルトセレーション部の該歯部と塑性変形が進行しないように嵌合でき且つ歯先が該ボルトセレーション部の該歯部がなす溝の底面に当接し且つ該ボルトセレーション部の歯溝の幅よりも歯厚が大きい複数の歯部と、をもつ固定穴セレーション部を備えており、
該ボルトセレーション部の該歯部の位相を該固定穴セレーション部の該歯部の位相に合わせる工程と、
該ボルトの該ボルトセレーション部を該ボルト固定穴の該固定穴セレーション部にまで該ボルト固定穴に圧入する工程と、を有することを特徴とする。
固定穴セレーション部の複数の歯部がボルトセレーション部の歯溝の幅よりも歯厚が大きいことで、ボルトセレーション部及び固定穴セレーションが嵌合したときにボルトセレーション部の歯部が塑性変形して両者の締結力が増加する。この場合に、塑性変形により流れる歯部の材料は、固定穴セレーション部の歯底面に逃げることができるようになっている。そして、固定穴セレーション部の歯先とボルトセレーション部の歯部がなす溝の底面(歯底)とが当接することで、ボルトとボルト固定穴との間の位置決めを精度良く行うことができる。ここで、固定穴セレーション部の歯部の歯先とボルトセレーション部の歯底とについては両者の嵌合による塑性変形が進行せず両者の位置関係を精度良く保つことができる。
本発明のボルトの固定方法は、ボルトをボルト固定穴に圧入する際に、単に両者を当接させるのみで、ボルトセレーション部及び固定穴セレーションの位相を合わせることができる。ボルトセレーション部及び固定穴セレーション部の位相があった状態で圧入を行うので、ボルトセレーション部及び固定穴セレーション部の歯部の間で強固に嵌合することができる。
そして、固定穴セレーション部の歯部の歯厚をボルトセレーション部の歯溝の幅よりも大きくすることで、ボルトセレーション部及び固定穴セレーション部の歯部が嵌合したときにボルトセレーション部の歯部が塑性変形して両者の締結力が増加させることができる。その場合に、塑性変形による歯部の材料流れは、固定穴セレーション部の歯底面に逃げることができるので、ボルトとボルト固定穴との位置精度を高くすることができる。
また、固定穴セレーション部がボルトセレーション部の塑性変形による材料流れを逃がす歯底面をもち且つ固定穴セレーション部の歯部の歯先とボルトセレーション部の歯底とについては両者が嵌合することにより、ボルト及びボルト固定穴の間で位置精度よく且つ強固に締結することができる。
(第1実施形態)
本実施形態のボルトの固定方法は、セレーションを形成したボルトをハブなどの部材に設けたボルト固定穴に圧入することで両者を締結する方法である。本方法に用いるボルトは、ボルト本体部とそのボルト本体部の一端部に配設されたボルト頭部とを有する。ボルト本体部は、ボルト頭部と反対側の端部近傍にねじ部をもつ。ねじ部とボルト頭部との間であって、ボルト頭部が配設される近傍の全周には、ボルトセレーション部が設けられている。ボルトセレーション部は、ボルト本体部の軸方向に延びる複数の歯部とそれら歯部のねじ部側に設けられた先細部とをもつ。歯部はねじ部よりも径方向に突出している部材である。先細部はねじ部側に行くほど先細になる部材である。先細になるとは歯部の歯厚が徐々に小さくなる場合、全歯たけが徐々に小さくなる場合、そして、歯厚及び全歯たけの双方が徐々に小さくなる場合などが例示できる。先細部は(1)ねじ部側近傍の歯部の一部の歯厚を徐々に小さくなるように及び/又は(2)歯部の歯先円の外径がねじ部方向に向かうほど小さくなるように略テーパ状の面取りを行うことなどの方法により形成することができる。
ボルト固定穴は内周面に固定穴セレーション部が形成されている。固定穴セレーション部は、ボルトセレーション部に設けられた歯部に嵌合できる複数の歯部をもつ。つまり、固定穴セレーションの歯部のピッチはボルトセレーション部の歯部のピッチと概ね等しくすることが望ましい。そして、歯部の端部にはボルトセレーション部と同様に先細部が形成されている。先細部は、ボルト本体部が圧入される側に向かうほど先細になっている。先細部はボルトセレーション部の先細部と同様に形成できる。先細部の歯先面がなす先端角は、ボルトセレーション部の先細部の歯先面がなす先端角よりも大きいことが好ましい。固定穴セレーション部の先細部の先端角をボルトセレーション部の先細部の先端角よりも大きくすることで、ボルトセレーション部の先細部はその小径部分から順次固定穴セレーション部の先細部に接するようになり、両者の位相合わせが確実に進行できる。
本方法は、位相合わせ工程と圧入工程とを有する。位相合わせ工程は、ボルト本体部の軸を回転軸として回動自在に保持しながらボルト固定穴にボルトを挿入する工程である。ボルト本体部がボルト固定穴に挿入されるときにまず、ねじ部が挿入され、続いてボルトセレーション部の先細部が挿入されていく。ボルトのボルトセレーション部の位相と固定穴セレーション部の位相とが一致している場合(ボルトセレーション部の歯部が固定穴セレーション部の歯部がなす溝に一致する場合)にはボルトセレーション部の歯部はそのまま固定穴セレーション部の歯部がなす溝の間に侵入できる。両者の位相が異なる場合には挿入に従い、ボルトセレーション部の先細部と固定穴セレーションの先細部とが接する。双方の先細部は先端が細くなっているので、先端が一致して接することはほとんど考えられず、僅かにずれるので、ボルトの挿入に従い、両者の位相が一致するように相対回転する。この場合に、ボルトはボルト本体部の軸を回転軸として回動自在に保持されているので、容易に回転して位相が一致する。
圧入工程は双方のセレーション部間の位相が一致した状態でボルトをボルト固定穴に圧入する工程である。圧入は、ボルトを固定する部材を保持しながら、ボルト頭部に対して圧力を印加することで行う。すると、ボルトセレーション部の歯部が固定穴セレーション部に食い込みながら(又は反対に固定穴セレーションの歯部がボルトセレーション部に食い込みながら)圧入され、両者の間は強力に締結される。
(第2実施形態)
本実施形態のボルトの固定方法は、第1実施形態と同様に、セレーションを形成したボルトをハブなどの部材に設けたボルト固定穴に圧入することで両者を締結する方法である。第1実施形態との相違点は先細部を必須の構成要素にしないことである。本方法に用いるボルトは、ボルト本体部とそのボルト本体部の一端部に配設されたボルト頭部とを有する。ボルト本体部は、ボルト頭部と反対側の端部近傍にねじ部をもつ。ねじ部とボルト頭部との間であって、ボルト頭部が配設される近傍の全周にボルトセレーション部が設けられている。ボルトセレーション部は、ボルト本体部の軸方向に延びる複数の歯部をもつ。歯部はねじ部よりも径方向に突出している部材である。
ボルト固定穴は内周面に固定穴セレーション部が形成されている。固定穴セレーション部は、ボルトセレーション部に設けられた歯部に嵌合できる複数の歯部をもつ。つまり、固定穴セレーションの歯部のピッチはボルトセレーション部の歯部のピッチと概ね等しくすることが望ましい。そして、固定穴セレーション部の歯部の歯厚は、ボルトセレーション部の歯溝の幅よりも大きい。従って、ボルトセレーション部の歯部(又は固定穴セレーション部の歯部)は塑性変形し、両者の締結を強固なものにする。
固定穴セレーション部の歯部がなす溝の底(歯底面)は、ボルトセレーション部の歯部が塑性変形したときの材料流れを逃がすことができる。具体的には歯底面の形状をボルトセレーション部の歯先の形状と単純に比較した場合に、両者の間に所定の隙間が設けられる。この隙間に塑性変形による材料流れを逃がすことができる。なお、固定穴セレーション部の歯先は、ほぼ、ボルトセレーション部の歯部がなす溝の底面に当接するようにして、ボルトとボルト固定穴との間の位置決めを精度良く行うことが好ましい。
更に、両者の位相合わせが容易にできるように、本実施形態で用いるボルト及びボルト固定穴に対して、実施形態1のボルト及びボルト固定穴の特徴部分である先細部を採用することが好ましい。
本方法は、位相合わせ工程と圧入工程とを有する。位相合わせ工程は、ボルトセレーション部と固定穴セレーション部との位相を合わせて、両者の歯部の位置合わせを行う工程である。第1実施形態の特徴部分である先細部を採用した場合には、第1実施形態のように、ボルトをボルト本体部の軸方向に回動自在に保持しながらボルト固定穴に挿入することで容易に位相合わせが完了する。先細部を採用しない場合には、両者の位相を検知して制御する方法を用いることもできる。
圧入工程はボルト固定穴にボルトを圧入する工程である。圧入は、ボルトを固定する部材を保持しながら、ボルト頭部に対して圧力を印加することで行う。すると、ボルトセレーション部の歯部が固定穴セレーションに食い込みながら(又は反対に固定穴セレーションの歯部がボルトセレーション部に食い込みながら)圧入され、両者の間は強力に締結される。その場合に、歯部が塑性変形するのは、固定穴セレーション部の歯底面側であり、固定穴セレーション部の歯部の歯先面の精度は概ね保つことができ、ボルトとボルト固定穴との相対位置精度を高くすることができる。
本実施例のボルトの固定方法は下記ボルトとボルト固定穴との組み合わせに適用する方法であり、位相合わせ工程と圧入工程とを有する。ボルト固定穴はハブに形成されており、ボルトはハブボルトである。以下、図面を利用して説明を行うが、使用する図面は細部が省略・誇張したものである。特に、セレーションの形状は特に言及していない部分については、説明の都合上、精確でない場合がある。
〔ボルト〕
ボルトは、図1に示すように、ボルト本体部11とその一端に配設されたボルト頭部12とをもつ。ボルト本体部11は軸方向の一部に形成されたねじ部111と、そのねじ部111及びボルト頭部12の間に形成されたボルトセレーション部112とを備える。ボルトセレーション部112はねじ部111の外径よりも径方向に突出する歯部112aと歯部112aのねじ部111側に形成された先細部112bとからなる。ボルトセレーション部112の外径はねじ部111の外径よりも大きい。図1では詳細を省略しているが、先細部112bは、歯部112aの歯先面がなす外径を、ねじ部111側に向かうにつれて、小さくして略テーパ状の形状にしたものである。先細部112bの歯先面の外径はねじ部111側でねじ部111の外径とほぼ同じになっている。先細部112bの歯厚及び全歯たけはねじ部111側に向かうに従い徐々に小さくなっている。
〔ボルト固定穴〕
ボルト固定穴は、図2(b)に示すように、ハブ20を貫通する穴である。ボルト固定穴2の内周面には固定穴セレーション部211が形成されている。固定穴セレーション部211は歯部211aと歯部211aのボルト1が圧入される側(図面上方)側に形成された先細部211bとからなる。歯部211aはボルトセレーション部112の歯部112aと嵌合できるピッチで形成されている。図2では歯部211aの詳しい形状を省略しているので、図3にて詳細な断面形状を示す。歯部211aの歯厚Lhは嵌合するボルトセレーション部112の歯溝の幅Lbよりも大きい。従って、両者を組み合わせると、ボルトセレーション部112の歯部112a(及び/又は固定穴セレーション部211の歯部211a)は塑性変形する。固定穴セレーション部211の歯部211aがなす溝の底である歯底面211cは、嵌合するボルトセレーション部112の歯部112aの歯先面との間で隙間が生ずるように、逃がしが形成されている。
先細部211bは、歯部211aの歯先面がなす外径を、ねじ部111側に向かうにつれて、大きくし、開口部に近づくにつれて径が大きくなる略テーパ状の形状にしたものである。先細部211bの歯厚及び全歯たけはボルト本体部11が挿入される側に向かうに従い徐々に小さくなっている。そして、図4に示すように、ボルト固定穴2の軸方向と固定穴セレーション部211の先細部112bの歯先面がなす先端角αhは、ボルト本体部11の軸方向とボルトセレーション部112の先細部112bの歯先面とがなす先端角αbよりも大きい。
〔位相合わせ工程〕
位相合わせ工程はボルト本体部11の軸を回転軸として回動自在に保持しながらボルト固定穴2にボルト1を挿入する工程である。図5〜7に示すように、ボルト1には軸方向の両端の中央に位置決め孔113、121が設けられている。ボルト1をボルト固定穴2に挿入する際に、下センター位置決め治具31及び上センター位置決め治具32の先端部を位置決め孔113、121に挿入して固定しながら、ボルト1をボルト固定穴2に挿入する。上センター位置決め治具32は、ばね33により位置決め孔121側に付勢されている。両センター位置決め治具31、32はボルト1に当接する部位が尖った部材であり、位置決め孔113、121とはほぼ点接触になっている。従って、ボルト1はボルト本体部11の軸方向を回転軸にして回動自在に保持される。
その場合に、ボルトセレーション部112の位相と固定穴セレーション部211の位相とが一致している場合にはボルトセレーション部112の歯部112aはそのまま固定穴セレーション部211の歯部211aがなす溝の間に侵入できる。両者の位相が異なる場合には挿入に従い、ボルトセレーション部112の先細部112bと固定穴セレーションの先細部211bとが接する。双方の先細部112b及び211bは先端が細くなっているので、先端が一致して接することはほとんど考えられず、僅かにずれることで、ボルト1の挿入に従い、両者の位相が一致するまで相対回転する。
〔圧入工程〕
圧入工程は双方のセレーション部112、211間の位相が一致した状態でボルト1をボルト固定穴2に圧入する工程である。圧入は、図6に示すように、ハブ20を保持しながら、ボルト頭部12に対して打ち込みパンチ41を用いて圧力を印加することで行う。すると、ボルトセレーション部112の歯部が固定穴セレーション部211に食い込みながら(又は反対に固定穴セレーション211の歯部211aがボルトセレーション部112に食い込みながら)圧入され、両者1、2の間は強力に締結される。
その場合に、両者1、2の位相が一致しているので、両者の歯部112a、211aは確実にかみ合うことができる。また、固定穴セレーション部211の歯底面211cに歯部112aが塑性変形して流れる材料を逃がすことができるので(図8)、固定穴セレーション部211の歯部211aの歯先面の位置は変化せず、歯部211aの歯先面によりボルトセレーション部112の位置決めが精度良く行うことが可能になる。従って、材料の逃げによる位置決め精度の低下が抑制できる。また、ボルト1を上下方向から両センター位置決め治具31、32により狭持することで、ボルト1が間違って斜め方向に挿入されることが防止できる。
本実施例で用いたボルトの外観を示した概略図である。 本実施例で用いたボルト固定穴の上面図及び断面図である。 本実施例のボルトセレーション部及び固定穴セレーション部の歯部を示した断面図である。 本実施例のボルトセレーション部及び固定穴セレーション部の先細部の歯先面がなす先端角の関係を示す断面図である。 本実施例においてボルトをボルト固定穴に挿入する位相合わせ工程を示した断面図である。 本実施例においてボルトをボルト固定穴に挿入する位相合わせ工程を示した断面図である。 本実施例においてボルトをボルト固定穴に圧入する圧入工程を示した断面図である。 本実施例においてボルトをボルト固定穴に圧入した後のボルトセレーション部及び固定穴セレーション部の歯部を示した断面図である。
符号の説明
1…ボルト
11…ボルト本体部 111…ねじ部 112…ボルトセレーション部 112a…歯部 112b…先細部 113…位置決め孔 12…ボルト頭部 121…位置決め孔
2…ボルト固定穴
211…固定穴セレーション部 211a…歯部 211b…先細部
20…ハブ
31…下センター位置決め治具 32…上センター位置決め治具 33…ばね
41…打ち込みパンチ

Claims (3)

  1. ねじ部を備えるボルト本体部と該ボルト本体部の一端に配設されるボルト頭部とを有するボルトを、該ボルトが圧入固定できるボルト固定穴を有する部材に圧入固定する方法であって、
    前記ねじ部及び前記ボルト頭部の間であって前記ボルト本体部の全周には、該ボルト本体部の軸方向に歯すじが延び且つ該ねじ部よりも外径方向に歯先が突出するように一定間隔で設けられた複数の歯部と、該歯部の該ねじ部側の軸方向の端部に設けられ且つ該ねじ部側に向かうほど先細になる先細部と、をもつボルトセレーション部を備え、
    前記ボルト固定穴の内周面には、該ボルトセレーション部の該歯部に塑性変形が進行しないように嵌合でき且つ歯先が該ボルトセレーション部の該歯部がなす溝の底面に当接し且つ該ボルトセレーション部の歯溝の幅よりも歯厚が大きい複数の歯部と、該歯部の該ボルト本体部を圧入する側の軸方向の端部に設けられ且つ該ボルト本体部を圧入される側に向かうほど先細になる先細部と、前記ボルトセレーション部の塑性変形による材料流れを逃がす歯底面と、をもつ固定穴セレーション部を備えており、
    前記ボルトを、該ボルト本体部の軸を回転軸として回動自在に保持しながら、前記ボルト固定穴に当接させて、該ボルトセレーション部の該歯部の位相を該固定穴セレーション部の該歯部の位相に合わせる工程と、
    該ボルトの該ボルトセレーション部を該ボルト固定穴の該固定穴セレーション部にまで圧入する工程と、を有することを特徴とするボルトの固定方法。
  2. 前記ボルトセレーション部の前記先細部は、該ボルトセレーション部の前記歯部の歯先円の外径が前記ねじ部方向に向かうほど小さくなるように略テーパ状の面取りを行った部分であり、
    前記固定穴セレーションの前記先細部は、該固定穴セレーション部の前記歯部の歯先円の外径が前記ボルト本体部を圧入する側に向かうほど大きくなるように略テーパ状の面取りを行った部分であり、それぞれの歯先面がなす先端角が該ボルトセレーション部の該先細部の歯先面がなす先端角よりも大きい請求項1に記載のボルトの固定方法。
  3. ねじ部を備えるボルト本体部と該ボルト本体部の一端に配設されるボルト頭部とを有するボルトを、該ボルトが圧入固定できるボルト固定穴を有する部材に圧入固定する方法であって、
    前記ねじ部及び前記ボルト頭部の間であって前記ボルト本体部の全周には、該ボルト本体部の軸方向に歯すじが延び且つ該ねじ部よりも外径方向に歯先が突出する複数の歯部をもつボルトセレーション部を備え、
    前記ボルト固定穴の内周面には、該ボルトセレーション部の塑性変形による材料流れを逃がす歯底面と、該ボルトセレーション部の該歯部と塑性変形が進行しないように嵌合でき且つ歯先が該ボルトセレーション部の該歯部がなす溝の底面に当接し且つ該ボルトセレーション部の歯溝の幅よりも歯厚が大きい複数の歯部と、をもつ固定穴セレーション部を備えており、
    該ボルトセレーション部の該歯部の位相を該固定穴セレーション部の該歯部の位相に合わせる工程と、
    該ボルトの該ボルトセレーション部を該ボルト固定穴の該固定穴セレーション部にまで該ボルト固定穴に圧入する工程と、を有することを特徴とするボルトの固定方法。
JP2004171507A 2004-06-09 2004-06-09 ボルトの固定方法 Expired - Fee Related JP4296994B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004171507A JP4296994B2 (ja) 2004-06-09 2004-06-09 ボルトの固定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004171507A JP4296994B2 (ja) 2004-06-09 2004-06-09 ボルトの固定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005351338A JP2005351338A (ja) 2005-12-22
JP4296994B2 true JP4296994B2 (ja) 2009-07-15

Family

ID=35585981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004171507A Expired - Fee Related JP4296994B2 (ja) 2004-06-09 2004-06-09 ボルトの固定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4296994B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008056099A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Jtekt Corp 車輪用転がり軸受装置
JP5426117B2 (ja) 2008-07-07 2014-02-26 株式会社東芝 ジェットポンプビームのボルト固定装置
JP5849453B2 (ja) * 2011-06-17 2016-01-27 トヨタ自動車株式会社 セレーション成形方法およびセレーションボルト
JP6292020B2 (ja) * 2014-05-15 2018-03-14 富士通株式会社 高周波数用電子部品、通信装置及び通信装置製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005351338A (ja) 2005-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4559054B2 (ja) リベット
JP5186064B2 (ja) 板材に対するインサートの固着方法およびインサート
US8267631B2 (en) Fitting member positioning device
US20130034404A1 (en) Fastener
JP2010507764A (ja) ボルト配置構造並びにボルトの位置決め及び回転防止の方法
JP4296994B2 (ja) ボルトの固定方法
US9334888B2 (en) Fastening device
JP5587951B2 (ja) 回転子のバランス調整構造を有する電動機の製造方法
JP2007170645A (ja) インサートナット及びワーク締結構造
US20170266794A1 (en) Drive Element for Transmitting a Torque to a Threaded Insert Sleeve
JP4361511B2 (ja) ボス部材及びボス部材の製造方法
US4251164A (en) Tip for ball point pen
JP4148475B2 (ja) 十字穴付ねじ
JP6372016B2 (ja) 緩み止めナット
JPH10131976A (ja) 回転体固定具
JP7073180B2 (ja) かしめナット及びかしめナットの冷間圧造方法
JP3810001B2 (ja) インサート部品
WO2016089299A1 (en) Rivet
JP4609914B2 (ja) 部材間の接続構造
US20220235811A1 (en) Self-Punching Functional Element, Component Assembly and Method of Manufacturing a Component Assembly
EP1362193B1 (en) Dowel and method of using same
JP4098804B2 (ja) セットスクリュー
EP2331830B1 (en) Fastening device
JP2011112129A (ja) テーブル用脚の取付具及びテーブル
JP5983543B2 (ja) 穴詰栓および加工穴の穴詰方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060911

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081009

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081014

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090302

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090324

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090406

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120424

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120424

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130424

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140424

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees