JP4296994B2 - ボルトの固定方法 - Google Patents
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前記ねじ部及び前記ボルト頭部の間であって前記ボルト本体部の全周には、該ボルト本体部の軸方向に歯すじが延び且つ該ねじ部よりも外径方向に歯先が突出するように一定間隔で設けられた複数の歯部と、該歯部の該ねじ部側の軸方向の端部に設けられ且つ該ねじ部側に向かうほど先細になる先細部と、をもつボルトセレーション部を備え、
前記ボルト固定穴の内周面には、該ボルトセレーション部の該歯部に塑性変形が進行しないように嵌合でき且つ歯先が該ボルトセレーション部の該歯部がなす溝の底面に当接し且つ該ボルトセレーション部の歯溝の幅よりも歯厚が大きい複数の歯部と、該歯部の該ボルト本体部を圧入する側の軸方向の端部に設けられ且つ該ボルト本体部を圧入される側に向かうほど先細になる先細部と、前記ボルトセレーション部の塑性変形による材料流れを逃がす歯底面と、をもつ固定穴セレーション部を備えており、
前記ボルトを、該ボルト本体部の軸を回転軸として回動自在に保持しながら、前記ボルト固定穴に当接させて、該ボルトセレーション部の該歯部の位相を該固定穴セレーション部の該歯部の位相に合わせる工程と、
該ボルトの該ボルトセレーション部を該ボルト固定穴の該固定穴セレーション部にまで圧入する工程と、を有することを特徴とする。
前記ねじ部及び前記ボルト頭部の間であって前記ボルト本体部の全周には、該ボルト本体部の軸方向に歯すじが延び且つ該ねじ部よりも外径方向に歯先が突出する複数の歯部をもつボルトセレーション部を備え、
前記ボルト固定穴の内周面には、該ボルトセレーション部の塑性変形による材料流れを逃がす歯底面と、該ボルトセレーション部の該歯部と塑性変形が進行しないように嵌合でき且つ歯先が該ボルトセレーション部の該歯部がなす溝の底面に当接し且つ該ボルトセレーション部の歯溝の幅よりも歯厚が大きい複数の歯部と、をもつ固定穴セレーション部を備えており、
該ボルトセレーション部の該歯部の位相を該固定穴セレーション部の該歯部の位相に合わせる工程と、
該ボルトの該ボルトセレーション部を該ボルト固定穴の該固定穴セレーション部にまで該ボルト固定穴に圧入する工程と、を有することを特徴とする。
本実施形態のボルトの固定方法は、セレーションを形成したボルトをハブなどの部材に設けたボルト固定穴に圧入することで両者を締結する方法である。本方法に用いるボルトは、ボルト本体部とそのボルト本体部の一端部に配設されたボルト頭部とを有する。ボルト本体部は、ボルト頭部と反対側の端部近傍にねじ部をもつ。ねじ部とボルト頭部との間であって、ボルト頭部が配設される近傍の全周には、ボルトセレーション部が設けられている。ボルトセレーション部は、ボルト本体部の軸方向に延びる複数の歯部とそれら歯部のねじ部側に設けられた先細部とをもつ。歯部はねじ部よりも径方向に突出している部材である。先細部はねじ部側に行くほど先細になる部材である。先細になるとは歯部の歯厚が徐々に小さくなる場合、全歯たけが徐々に小さくなる場合、そして、歯厚及び全歯たけの双方が徐々に小さくなる場合などが例示できる。先細部は(1)ねじ部側近傍の歯部の一部の歯厚を徐々に小さくなるように及び/又は(2)歯部の歯先円の外径がねじ部方向に向かうほど小さくなるように略テーパ状の面取りを行うことなどの方法により形成することができる。
本実施形態のボルトの固定方法は、第1実施形態と同様に、セレーションを形成したボルトをハブなどの部材に設けたボルト固定穴に圧入することで両者を締結する方法である。第1実施形態との相違点は先細部を必須の構成要素にしないことである。本方法に用いるボルトは、ボルト本体部とそのボルト本体部の一端部に配設されたボルト頭部とを有する。ボルト本体部は、ボルト頭部と反対側の端部近傍にねじ部をもつ。ねじ部とボルト頭部との間であって、ボルト頭部が配設される近傍の全周にボルトセレーション部が設けられている。ボルトセレーション部は、ボルト本体部の軸方向に延びる複数の歯部をもつ。歯部はねじ部よりも径方向に突出している部材である。
ボルトは、図1に示すように、ボルト本体部11とその一端に配設されたボルト頭部12とをもつ。ボルト本体部11は軸方向の一部に形成されたねじ部111と、そのねじ部111及びボルト頭部12の間に形成されたボルトセレーション部112とを備える。ボルトセレーション部112はねじ部111の外径よりも径方向に突出する歯部112aと歯部112aのねじ部111側に形成された先細部112bとからなる。ボルトセレーション部112の外径はねじ部111の外径よりも大きい。図1では詳細を省略しているが、先細部112bは、歯部112aの歯先面がなす外径を、ねじ部111側に向かうにつれて、小さくして略テーパ状の形状にしたものである。先細部112bの歯先面の外径はねじ部111側でねじ部111の外径とほぼ同じになっている。先細部112bの歯厚及び全歯たけはねじ部111側に向かうに従い徐々に小さくなっている。
ボルト固定穴は、図2(b)に示すように、ハブ20を貫通する穴である。ボルト固定穴2の内周面には固定穴セレーション部211が形成されている。固定穴セレーション部211は歯部211aと歯部211aのボルト1が圧入される側(図面上方)側に形成された先細部211bとからなる。歯部211aはボルトセレーション部112の歯部112aと嵌合できるピッチで形成されている。図2では歯部211aの詳しい形状を省略しているので、図3にて詳細な断面形状を示す。歯部211aの歯厚Lhは嵌合するボルトセレーション部112の歯溝の幅Lbよりも大きい。従って、両者を組み合わせると、ボルトセレーション部112の歯部112a(及び/又は固定穴セレーション部211の歯部211a)は塑性変形する。固定穴セレーション部211の歯部211aがなす溝の底である歯底面211cは、嵌合するボルトセレーション部112の歯部112aの歯先面との間で隙間が生ずるように、逃がしが形成されている。
位相合わせ工程はボルト本体部11の軸を回転軸として回動自在に保持しながらボルト固定穴2にボルト1を挿入する工程である。図5〜7に示すように、ボルト1には軸方向の両端の中央に位置決め孔113、121が設けられている。ボルト1をボルト固定穴2に挿入する際に、下センター位置決め治具31及び上センター位置決め治具32の先端部を位置決め孔113、121に挿入して固定しながら、ボルト1をボルト固定穴2に挿入する。上センター位置決め治具32は、ばね33により位置決め孔121側に付勢されている。両センター位置決め治具31、32はボルト1に当接する部位が尖った部材であり、位置決め孔113、121とはほぼ点接触になっている。従って、ボルト1はボルト本体部11の軸方向を回転軸にして回動自在に保持される。
圧入工程は双方のセレーション部112、211間の位相が一致した状態でボルト1をボルト固定穴2に圧入する工程である。圧入は、図6に示すように、ハブ20を保持しながら、ボルト頭部12に対して打ち込みパンチ41を用いて圧力を印加することで行う。すると、ボルトセレーション部112の歯部が固定穴セレーション部211に食い込みながら(又は反対に固定穴セレーション211の歯部211aがボルトセレーション部112に食い込みながら)圧入され、両者1、2の間は強力に締結される。
11…ボルト本体部 111…ねじ部 112…ボルトセレーション部 112a…歯部 112b…先細部 113…位置決め孔 12…ボルト頭部 121…位置決め孔
2…ボルト固定穴
211…固定穴セレーション部 211a…歯部 211b…先細部
20…ハブ
31…下センター位置決め治具 32…上センター位置決め治具 33…ばね
41…打ち込みパンチ
Claims (3)
- ねじ部を備えるボルト本体部と該ボルト本体部の一端に配設されるボルト頭部とを有するボルトを、該ボルトが圧入固定できるボルト固定穴を有する部材に圧入固定する方法であって、
前記ねじ部及び前記ボルト頭部の間であって前記ボルト本体部の全周には、該ボルト本体部の軸方向に歯すじが延び且つ該ねじ部よりも外径方向に歯先が突出するように一定間隔で設けられた複数の歯部と、該歯部の該ねじ部側の軸方向の端部に設けられ且つ該ねじ部側に向かうほど先細になる先細部と、をもつボルトセレーション部を備え、
前記ボルト固定穴の内周面には、該ボルトセレーション部の該歯部に塑性変形が進行しないように嵌合でき且つ歯先が該ボルトセレーション部の該歯部がなす溝の底面に当接し且つ該ボルトセレーション部の歯溝の幅よりも歯厚が大きい複数の歯部と、該歯部の該ボルト本体部を圧入する側の軸方向の端部に設けられ且つ該ボルト本体部を圧入される側に向かうほど先細になる先細部と、前記ボルトセレーション部の塑性変形による材料流れを逃がす歯底面と、をもつ固定穴セレーション部を備えており、
前記ボルトを、該ボルト本体部の軸を回転軸として回動自在に保持しながら、前記ボルト固定穴に当接させて、該ボルトセレーション部の該歯部の位相を該固定穴セレーション部の該歯部の位相に合わせる工程と、
該ボルトの該ボルトセレーション部を該ボルト固定穴の該固定穴セレーション部にまで圧入する工程と、を有することを特徴とするボルトの固定方法。 - 前記ボルトセレーション部の前記先細部は、該ボルトセレーション部の前記歯部の歯先円の外径が前記ねじ部方向に向かうほど小さくなるように略テーパ状の面取りを行った部分であり、
前記固定穴セレーションの前記先細部は、該固定穴セレーション部の前記歯部の歯先円の外径が前記ボルト本体部を圧入する側に向かうほど大きくなるように略テーパ状の面取りを行った部分であり、それぞれの歯先面がなす先端角が該ボルトセレーション部の該先細部の歯先面がなす先端角よりも大きい請求項1に記載のボルトの固定方法。 - ねじ部を備えるボルト本体部と該ボルト本体部の一端に配設されるボルト頭部とを有するボルトを、該ボルトが圧入固定できるボルト固定穴を有する部材に圧入固定する方法であって、
前記ねじ部及び前記ボルト頭部の間であって前記ボルト本体部の全周には、該ボルト本体部の軸方向に歯すじが延び且つ該ねじ部よりも外径方向に歯先が突出する複数の歯部をもつボルトセレーション部を備え、
前記ボルト固定穴の内周面には、該ボルトセレーション部の塑性変形による材料流れを逃がす歯底面と、該ボルトセレーション部の該歯部と塑性変形が進行しないように嵌合でき且つ歯先が該ボルトセレーション部の該歯部がなす溝の底面に当接し且つ該ボルトセレーション部の歯溝の幅よりも歯厚が大きい複数の歯部と、をもつ固定穴セレーション部を備えており、
該ボルトセレーション部の該歯部の位相を該固定穴セレーション部の該歯部の位相に合わせる工程と、
該ボルトの該ボルトセレーション部を該ボルト固定穴の該固定穴セレーション部にまで該ボルト固定穴に圧入する工程と、を有することを特徴とするボルトの固定方法。
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