JP4296980B2 - 騒音対策装置付車両 - Google Patents
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Description
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、作動装置の作動により発せられる音の対策装置を備えた車両の提供を課題として為されたものである。
騒音対策装置を、さらに、第一作動装置を作動させる必要性が発生しているにもかかわらず作動させることなく待機し、第二作動装置の作動を待って第一作動装置を作動させる待機型制御部を有するものとすることが望ましい。
前記第一作動装置を作動させる必要性が発生した場合に、第二作動装置が作動しているとは限らないのであるが、機会創出型制御部を備えていれば、第二作動装置は作動させる必要がないにもかかわらず作動させられて、第一作動装置の作動音をマスキングする作動音を発生させられ、その作動音の発生中に第一作動装置が作動させられる。第二作動装置が作動させることが必要になって作動させられるのを待たなくても第一作動装置を作動させることができるのであり、第一作動装置を、その作動音が乗員に違和感等を覚えさせることを回避しつつ、必要に応じて作動させることができる。
また、車両に、機会創出型制御部に加えて待機型制御部を設ければ、第一作動装置の作動開始条件が満たされても、その作動を遅らせることが可能である場合には、第二作動装置が作動を開始するのを待って、第一作動装置に作動を開始させることができ、状況に応じて、機会創出型制御部と待機型制御部とのいずれかを機能させ、第一作動装置の作動音が乗員に違和感等を覚えさせることを回避しつつ第一作動装置を作動させることができる。
第一設定条件は、例えば、第二作動装置が単に作動することであってもよく、予め設定された作動量以上の作動量で作動することであってもよい。
第二設定条件も同様であり、第二設定条件は第一設定条件と同じ条件でもよく、異なる条件でもよい。
車両の作動装置には、その作動に伴って生じる音が乗員に違和感や不審感を覚えさせる作動装置もあれば、車両の作動のために当然、生ずべき音として聞き流される作動装置もある。したがって、前者の装置を第一作動装置とし、後者の装置を第二作動装置とし、第一作動装置を、第二作動装置が作動している間に作動させるようにすれば、第一作動装置の作動により発せられる作動音が第二作動装置の作動により発せられる作動音によりマスキングされ、乗員に聞こえ難く、あるいは聞こえず、乗員が違和感等を覚えずに済む。
第一作動装置を作動させる際に第二作動装置が作動しているとは限らないのであるが、待機型制御部を備えていれば、第二作動装置が作動していない状態では第一作動装置は作動させられず、第二作動装置が第一設定条件を満たす状態で作動させられるのを待って作動させられるため、第一作動装置は、必ず第二作動装置が作動している状態で作動させられることとなる。第二作動装置が作動させられず、車両が静かな状態では第一作動装置は作動させられないのであり、その作動音によって乗員が違和感を覚えることが回避される。作動の必要性があっても作動を遅らせることができる作動装置であれば、第一作動装置とすることができ、待機型制御部を設けることができる。
また、前記第一作動装置を作動させる必要性が発生した場合に、第二作動装置が作動しているとは限らないのであるが、機会創出型制御部を備えていれば、第二作動装置は第二設定条件を満たす状態で作動させる必要がないにもかかわらず第二設定条件を満たす状態で作動させられ、その作動中に第一作動装置が作動させられる。したがって、第二作動装置が設けられた目的を達成する上で必要となり、第二作動装置が作動させられるのを待たなくても第一作動装置を作動させることができ、第二設定条件の設定により、第一作動装置を、その作動音が乗員に違和感を覚えさせることを回避しつつ、必要に応じて作動させることができる。
したがって、作動装置の作動が必要になった場合に作動開始を遅らせることが望ましくない場合には、その作動装置を第一作動装置とし、別に第二作動装置を定めて機会創出型制御部に制御させることにより、作動音による違和感を覚えさせることなく、第一作動装置を必要に応じて作動させることが可能となる。作動開始を遅らせることがができる作動装置であっても、機会創出型制御部により制御される第一作動装置とすれば、早期に作動させることができる。なお、同じ作動装置であっても、作動の目的によって、作動開始を遅らせることができ、待機型制御部により制御される第一作動装置とすることができる場合と、作動開始を遅らせることが望ましくなく、機会創出型制御部により制御される第一作動装置とされる場合とがある。例えば、イニシャルチェックのためであれば、待機型制御部により制御される第一作動装置とされ、本来、予定された作動を行う場合であれば、機会創出型制御部により制御される第一作動装置とされる作動装置があるのである。
第二作動装置は本来、作動の必要はないが、第一作動装置の作動音を紛らすために作動させられる。そのため、作動の必要がないにもかかわらず作動させることができる作動装置、すなわち必要の有無に関係なく作動させることができ、かつ、必要がない場合の作動が、その作動装置の作動に対して本来予定されている結果を生じさせないため、他の作動装置の作動に影響を及ぼすことがない、あるいはその作動装置の作動がその時点では必要がないが将来必要となる作動であって無駄にはならない作動装置が、機会創出型制御部により制御される第二作動装置とされる。
(2)当該車両が、当該車両の運転開始当初に、前記第一作動装置が正常に作動するか否かをチェックするイニシャルチェック装置を備え、前記騒音対策装置が、そのイニシャルチェック装置の構成要素である(1)項に記載の騒音対策装置付車両。
例えば、第一作動装置が作動開始を遅らせることができる装置であれば、待機型制御部を設け、第二作動装置の作動を待ってイニシャルチェックを行うことができ、作動開始を遅らせることが望ましくない装置であれば、機会創出型制御部を設け、第二作動装置を作動させて、その作動中にイニシャルチェックを行うことができる。
イニシャルチェックは、車両のイグニッションスイッチがON状態に切り換えられた後、自動的に行われ、第一作動装置は運転者の操作によらずに作動させられるため、運転者が作動音に違和感を覚えることが多いが、本項の車両においては、第一作動装置のイニシャルチェックが、その作動音による違和感や不信感を乗員に覚えさせることなく行われる。
(3)前記第一作動装置が、液圧ブレーキ装置の、アキュムレータ蓄圧用のポンプとそのポンプを駆動するポンプモータとを含むポンプ装置と、作動液の流れを制御する制御弁との少なくとも一方を含む(2)項に記載の騒音対策装置付車両。
制御弁には、ブレーキシリンダ圧を制御する液圧制御弁や、作動液の流れを許容,遮断する許容・遮断弁等が含まれ、例えば、電磁弁の一種である電磁開閉弁,電磁方向切換弁,リニア液圧制御弁等が具体例である。
ポンプ装置と制御弁との少なくとも一方のイニシャルチェックが、それらの作動音による違和感や不信感を乗員に覚えさせることなく行われる。
(4)前記制御弁が、作動液通路の連通,遮断を制御する開閉弁を含む(3)項に記載の騒
音対策装置付車両。
開閉弁は、その開閉時に衝突音等が発生するが、それによって乗員が違和感等を覚えることなく、イニシャルチェックが行われる。
(5)前記第二作動装置が、当該車両を駆動するエンジンを含む(1)項ないし(4)項のいずれかに記載の騒音対策装置付車両。
エンジンはその作動に伴って音が発生するが、車両においてエンジンが作動することは必然と認識されており、その作動音が乗員に違和感や不信感を覚えさせることはなく、第
二作動装置として好適である。
(6)当該車両がエンジンと車両駆動モータとにより選択的に駆動されるハイブリッド車であり、前記第二作動装置が少なくとも前記エンジンを含む(3)項または(4)項に記載の騒音対策装置付車両。
ハイブリッド車は駆動源の選択により、エンジンのみあるいは車両駆動モータのみにより駆動され、あるいはエンジンおよび車両駆動モータの両方により駆動される。
ハイブリッド車が車両駆動モータのみにより駆動される状態では、エンジンにより駆動される場合より静かであり、ポンプ装置や制御弁の作動音が乗員に聞こえ易く、本項の騒音対策装置を設ける効果が大きい。
(7)前記待機型制御部が、前記エンジンの前記第一設定条件を満たす状態の作動を待って前記ポンプ装置と前記制御弁との少なくとも一方をイニシャルチェックのために作動させるイニシャルチェック用待機型制御部を含む(6)項に記載の騒音対策装置付車両。
例えば、スタータが作動させられてエンジンが起動中であること、起動後、エンジンが回転状態にあること、あるいはエンジンの回転数が設定回転数以上であることが第一設定条件とされる。
ハイブリッド車では、エンジンは、車両を駆動するために回転させられ、あるいはモータジェネレータに発電させ、バッテリを充電するために回転させられる。いずれにしてもエンジンの作動(起動を含む)を待つことにより、ポンプ装置と制御弁との少なくとも一方のイニシャルチェックがエンジンの作動中に行われ、ポンプ装置等の作動音がエンジンの作動音に紛れ、乗員に違和感を覚えさせることが回避される。
(8)前記機会創出型制御部が、前記エンジンを前記第二設定条件を満たす状態で作動させ、そのエンジンの作動中に前記ポンプ装置と前記制御弁との少なくとも一方をイニシャルチェックのために作動させるイニシャルチェック用機会創出型制御部を含む(6)項また
は(7)項に記載の騒音対策装置付車両。
例えば、スタータが作動させられてエンジンが起動されること、起動後、エンジンが回転状態にあること、あるいはエンジンの回転数が設定回転数以上であることが第二設定条件とされる。
ハイブリッド車においては、エンジンと車両駆動モータとが選択的に駆動に用いられるため、エンジンが駆動源として用いられない状態がある。そのため、大きい作動音が得られるエンジンを、作動の必要がないにもかかわらず、第一作動装置の作動音を紛らすために作動させる第二作動装置とし、車両の駆動状態に影響を与えることなく、騒音対策用作動音発生装置として利用することができ、機会創出型制御部を有する騒音対策装置を容易に構成することができる。
(9)前記待機型制御部が、前記エンジンの第一設定条件を満たす状態の作動を待って前記ポンプ装置と前記制御弁との少なくとも一方をイニシャルチェックのために作動させるイニシャルチェック用待機型制御部を含み、前記機会創出型制御部が、前記イニシャルチェック用待機型制御部による待機中に第三設定条件が満たされた場合に、前記エンジンを前記第二設定条件を満たす状態で作動させ、そのエンジンの作動中に前記ポンプ装置と前記制御弁との少なくとも一方をイニシャルチェックのために作動させるイニシャルチェック用機会創出型制御部を含む(6)項に記載の騒音対策装置付車両。
本項の車両によれば、エンジンの第一設定条件を満たす状態の作動を待ってイニシャルチェックを行うことができるとともに、機会創出型制御部により、イニシャルチェックのためにエンジンを第二設定条件を満たす状態で作動させることができる。エンジンの第一設定条件を満たす状態の作動を待ち続けなくてもよいのであり、第三設定条件の設定により、イグニッションスイッチがON状態に切り換えられた後、乗員に違和感等を覚えさせることなく、イニシャルチェックを比較的早期に行うことができ、ポンプ装置と制御弁との少なくとも一方が、イニシャルチェックが行われない状態で作動させられることを回避することが可能である。
ハイブリッド車においては、イグニッションスイッチのON状態への切換え後、必ずしもエンジンを作動させる必要がなく、車両が車両駆動モータのみによって駆動され続けることがあるが、そのような場合でも、エンジンを第二設定条件を満たす状態で作動させることにより、イグニッションスイッチのON状態への切換え後、比較的早い時期にイニシャルチェックを行うことができるのである。
(10)前記第三設定条件が、待機時間が設定時間以上になることと、当該車両の走行速度が設定速度以上になることとの少なくとも一方を含む(9)項に記載の騒音対策装置付車両。
待機時間が設定時間以上になり、あるいは走行速度が設定速度以上になる状態では、減速のために液圧ブレーキ装置が作動させられる可能性が高く、第三設定条件の設定により、液圧ブレーキ装置の作動前にイニシャルチェックが行われ易い。
また、第三設定条件が成立するまでの間はエンジンは作動させられず、燃費が向上する。
(11)前記第一作動装置が、液圧ブレーキ装置のマスタシリンダとブレーキシリンダとを接続する液通路の途中に設けられて前記マスタシリンダを前記ブレーキシリンダから遮断するマスタカット弁を含み、前記第二作動装置が当該車両を駆動するエンジンを含み、前記待機型制御部が、そのエンジンが設定回転数以上で回転することと、当該車両を設定速度以上で走行させる状態で回転することとの少なくとも一方を、前記第一設定条件を満たす状態の作動として、前記マスタカット弁を作動させる通常走行時用待機型制御部を含む(1)項ないし(10)項のいずれかに記載の騒音対策装置付車両。
エンジンと、エンジンにより駆動される駆動車輪との間には、動力伝達装置等、種々の装置が介在するため、エンジンの回転数と車両の走行速度とは一義的には対応せず、「エンジンが当該車両を設定速度以上で走行させる状態で回転すること」は「車両が設定速度以上で走行していること」と同義である。車両自体は本発明における作動装置とはいえないため、上記表現としたものである。
エンジンの作動音はその回転数が大きいほど大きく、また、車両の走行速度が大きいほどエンジン回転数が大きいことが多い。したがって、第一設定条件が満たされていれば、エンジンの作動音が大きく、マスタカット弁が作動させられても、その作動音はエンジン作動音に紛れ、乗員に聞こえることが回避される。通常走行時(走行中の一時停止を含む)であれば、第一設定条件が満たされることが多く、制動が度々行われても、乗員に違和感を覚えさせることなくマスタカット弁の開閉が行われて、ブレーキシリンダ圧の電気制御状態が設定され、あるいは電気制御状態が解除される。エンジンの第一設定条件を満たす状態の作動が待たれれば、マスタカット弁が必要に応じて直ちに作動させられないことがあるが、ブレーキシリンダ圧の電気制御が必要になったときにマスタカット弁が既に閉じられて電気制御可能状態にあればブレーキシリンダ圧の電気制御は支障なく行われる。それに対して、マスタカット弁が閉じていない場合には、マスタシリンダの加圧室において発生させられた液圧によりブレーキを作動させ、マニュアルブレーキとして機能するようにすることも可能である。しかし、電気制御による場合にはマニュアルブレーキとして機能させられる場合よりブレーキシリンダ液圧が高くされること、あるいはブレーキ操作部材の操作感に明瞭な違いが出ること等の事情により、直ちに電気制御が行われるようにすることが望ましい場合には、通常走行時用機会創出型制御部によりエンジンが作動させられ、その作動中にマスタカット弁が作動させられるようにすればよい。この場合には、通常、エンジンは設定時間後に停止させられることとなるが、マスタカット弁は後にエンジンの作動が必要になるまで閉状態に保たれ、液圧ブレーキ装置が電気制御可能状態に保たれることとなる。
(12)前記液圧ブレーキ装置が、前記マスタシリンダと前記マスタカット弁との間に接続通路により接続されたストロークシミュレータと、そのストロークシミュレータを前記マスタシリンダに連通させる状態とマスタシリンダから遮断する状態とに切換えが可能なシミュレータ連通弁とを含み、前記通常走行時用待機型制御部が、前記エンジンが設定回転数以上で回転することと、当該車両を設定速度以上で走行させる状態で回転することとの少なくとも一方を、前記第一設定条件を満たす状態の作動として、前記シミュレータ連通弁を作動させる手段を含む(11)項に記載の騒音対策装置付車両。
マスタカット弁によりマスタシリンダがブレーキシリンダから遮断されたとき、シミュレータ連通弁が開かれてストロークシミュレータに連通させられる。ストロークシミュレータには、ブレーキ操作部材の操作量に対応する液圧が発生させられ、運転者にブレーキ操作部材の操作感が与えられる。したがって、マスタシリンダに発生させられた液圧がブレーキシリンダに供給されてブレーキが作動させられる場合にはストロークシミュレータは不要であり、シミュレータ連通弁は閉じられており、マスタシリンダがブレーキシリンダから遮断され、ブレーキシリンダ圧が電気的に制御される状態では、シミュレータ連通弁が開かれてマスタシリンダがストロークシミュレータに連通させられる。シミュレータ連通弁の開閉時にも作動音が発生するが、第一設定条件が満たされる状態で作動させられることにより、シミュレータ連通弁がマスタカット弁と共に作動させられつつ、その作動音がエンジンの作動音に紛れ、乗員に違和感を覚えさせることが回避される。前述のように、通常走行時用機会創出型制御部によるエンジンの作動時にマスタカット弁が作動させられる場合、シミュレータ連通弁も共に作動させられる。
(13)当該車両がエンジンと車両駆動モータとにより選択的に駆動されるハイブリッド車であり、前記第一作動装置が、液圧ブレーキ装置のマスタシリンダとブレーキシリンダとを接続する液通路の途中に設けられて前記マスタシリンダを前記ブレーキシリンダから遮断するマスタカット弁を含み、前記第二作動装置が前記車両駆動モータを含み、前記待機型制御部が、その車両駆動モータが設定回転数以上で回転することと、当該車両を設定速度以上で走行させる状態で回転することとの少なくとも一方を、前記第一設定条件を満たす状態の作動として、前記マスタカット弁を作動させる通常走行時用待機型制御部を含む(1)項ないし(10)項のいずれかに記載の騒音対策装置付車両。
車両駆動モータもエンジンと同様に、駆動車輪との間に動力伝達装置等、種々の装置が介在するため、車両駆動モータの回転数と車両の走行速度とは一義的に対応せず、「車両駆動モータが当該車両を設定速度以上で走行させる状態で回転すること」は「車両が設定速度以上で走行していること」と同義である。
一般的に車両駆動モータの作動音はその回転数が大きいほど大きく、また、車両の走行速度が大きいほどモータ回転数が大きく、作動音が大きい。したがって、第一設定条件が満たされていれば、車両駆動モータの作動音が大きく、マスタカット弁が作動させられても、その作動音はモータ作動音に紛れ、乗員に聞こえることが回避される。
本項が(11)項あるいは(12)項に従属する態様では、エンジンと車両駆動モータとの少なくとも一方の第一設定条件を満たす状態での作動中にマスタカット弁を作動させることができ、作動の機会が多く、乗員に違和感を覚えさせることなく、マスタカット弁をほぼ必要に応じて作動させることが可能である。
(14)前記液圧ブレーキ装置が、前記マスタシリンダと前記マスタカット弁との間に接続通路により接続されたストロークシミュレータと、そのストロークシミュレータを前記マスタシリンダに連通させる状態とマスタシリンダから遮断する状態とに切換えが可能なシミュレータ連通弁とを含み、前記通常走行時用待機型制御部が、前記車両駆動モータが設定回転数以上で回転することと、当該車両を設定速度以上で走行させる状態で回転することとの少なくとも一方を、前記第一設定条件を満たす状態の作動として、前記シミュレータ連通弁を作動させる手段を含む(13)項に記載の騒音対策装置付車両。
本項の車両においては、シミュレータ連通弁がマスタカット弁と共に作動させられつつ、シミュレータ連通弁の作動音が車両駆動モータの作動音に紛れ、乗員に違和感を覚えさせることが回避される。
(15)当該車両がエンジンと車両駆動モータとにより選択的に駆動されるハイブリッド車であり、前記第一作動装置が、液圧ブレーキ装置のアキュムレータに蓄圧するポンプとそのポンプを駆動するポンプモータとを含むポンプ装置を含み、前記第二作動装置が前記エンジンと前記車両駆動モータとの少なくとも一方を含み、前記機会創出型制御部が、当該車両が前記エンジンと前記車両駆動モータとの一方の駆動により暗騒音が小さい状態で走行している場合に、他方をその暗騒音より大きい音を発生させる状態で作動させ、その他方の作動中に前記ポンプ装置を作動させるものである(1)項ないし(14)項のいずれかに記載の騒音対策装置付車両。
第二作動装置は、エンジンのみでもよく、車両駆動モータのみでもよく、両方でもよい。エンジンと車両駆動モータとの一方が第二作動装置である場合には、機会創出型制御部が、車両がンジンと車両駆動モータとの他方の駆動により、暗騒音が小さい状態で走行している場合に、上記一方をその暗騒音より大きい音を発生させる状態で作動させることとなる。上記一方が上記他方より大きい音を発生させる運転領域を有するものである必要があることは勿論である。
エンジンと車両駆動モータとの両方が第二作動装置である場合には、エンジンが比較的小さい暗騒音で作動させられている場合に、車両駆動モータが機会創出型制御部によりその暗騒音より大きい音で作動させられることとなり、車両駆動モータが比較的小さい暗騒音で作動させられている場合に、エンジンがその暗騒音より大きい音で作動させられることとなる。
本項の車両の騒音対策装置はポンプ装置のイニシャルチェック装置の構成要素とすることも、通常走行時用における騒音対策装置とすることもでき、乗員に違和感を覚えさせることなく、ポンプ装置のイニシャルチェックを行うことができ、あるいは走行中にアキュムレータに液圧を蓄えさせることができる。機会創出型制御部は、前者の場合、ポンプ装置イニシャルチェック用機会創出型制御部を含み、後者の場合、ブレーキ作動時ポンプ装置作動用機会創出型制御部ないし通常走行時ポンプ装置作動用機会創出型制御部を含む。
ハイブリッド車においては駆動源がエンジンと車両駆動モータとの2つあり、いずれか一方が車両の駆動等、本来の機能のために作動させられない場合があり、その非作動装置を、車両の走行状態等に影響を与えることなく、騒音対策用作動音発生装置として利用することができ、乗員に違和感を覚えさせることなく、必要な場合にポンプ装置を作動させることができる。ポンプ装置は、アキュムレータの圧力が低下したとき、直ちに作動させることが望ましく、通常走行時用機会創出型制御部により制御される第一作動装置とされることにより、アキュムレータに適切な圧力でブレーキ液が蓄えられる。
(16)前記少なくとも一方が前記エンジンである(15)項に記載の騒音対策装置付車両。
エンジンの作動音は車両駆動モータより大きいことが多く、第二作動装置として好適である。
は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
エータ86とを備える。
ャが予め設定された移動端位置まで移動させられ、弁子が弁座から離間させられてシミュレータ連通弁100が開かれた状態において出力信号が変化するように設けられている。
御コンピュータ62のROMには、図示を省略するメインルーチン,図5,図8および図9にそれぞれフローチャートで示すイニシャルチェック制御ルーチン,ブレーキ制御ルーチンおよびポンプ装置制御ルーチン等が記憶されており、騒音対策の下にブレーキ制御,ポンプ装置制御およびイニシャルチェックが行われるようにされている。コンピュータ22,62においてそれぞれ、制御ルーチンは設定時間間隔毎に実行される。また、ブレーキ制御コンピュータ62においては、イニシャルチェック制御ルーチン等は時分割制御され、一定時間毎に予め設定された順序で実行される。以下、各ルーチンに基づいて、液圧ブレーキ装置60についての騒音対策を説明する。
ン作動指令がハイブリッド制御コンピュータ22およびエンジン制御コンピュータ58に出力され、エンジン10が作動させられる。この際、動力切換機構30は、エンジン10の駆動力が無段変速機28に伝達されない状態とされる。S7が実行されるとき、エンジン10は作動させられておらず、作動の必要がないにもかかわらず、イニシャルチェック時の騒音対策のために作動させられるため、エンジン10によって車両が駆動されることがないようにされるのである。バッテリ38の充電も行われない状態とされる。
が生じていることがわかる。ソレノイドへの電流供給が遮断されても、プランジャの閉位置への移動検出信号が発せられている場合も異常である。
た後、1回のみ行われるのである。
ジン10は作動させられないか、あるいはエンジンブレーキとして利用されるが、ここでは単純化のために回生制動についての説明および騒音対策制御との関連についての説明は省略する。
通常走行時弁用騒音対策制御ルーチンは、本実施例では、エンジン回転数が設定回転数以上であること、フロントモータジェネレータ26のモータ回転数が設定回転数以上であること、および車両走行速度が設定速度以上であることの少なくとも一つの条件が満たされる場合に弁96〜100の作動が許可されるように構成されている。フロントモータジェネレータ26はエンジン10と同様に、ハイブリッド車において作動し、作動音を発するのが当たり前の装置であり、その作動音が乗員に違和感を覚えさせることはなく、本車両では、回転数が多いほど作動音が大きくなり、弁96〜100の作動音を紛らすことができるからである。また、車両の走行に伴って走行音が発生するが、この走行音も乗員に違和感を覚えさせることがなく、走行速度が大きくなるほど走行音が大きくなる。走行速度が設定速度以上であれば、エンジン10およびフロントモータジェネレータ26が、車両を設定速度以上で走行させる状態で回転していると言うことができる。
行され、エンジン停止許可がハイブリッド制御コンピュータ22およびエンジン制御コンピュータ58に出力される。それにより、エンジン10が必要作動状態にあるのでなければ停止させられ、必要作動状態にあれば、そのまま作動が続けられる。次いでS57が実行され、ポンプ装置122の作動が禁止される。本実施例では、ポンプ装置作動許可・禁止設定フラグがOFFにリセットされてポンプモータ作動禁止が記憶される。それにより、ポンプ装置122は、次に作動許可が出力されるまで起動されないが、アキュムレータ圧が低下した場合には、直ちにエンジン作動状態が創られ、あるいはエンジン10の作動状態において起動され、蓄圧が行われる。S56,S57は、ポンプ装置122の作動が許可されている場合のみに行われるようにしてもよい。S55の判定結果がYESになった後、S56の実行前に、ポンプ装置122の作動が許可されているか否かを判定するステップを設けるのである。なお、アキュムレータ圧が下限値以上であって、上限値より小さく、かつ、ポンプ装置122が作動させられていない状態で通常走行時ポンプ装置用騒音対策制御ルーチンが実行されるときには、S51,S55の各判定結果がいずれもNOになってS58が実行されるが、この場合にはポンプ装置作動許可・禁止設定フラグはOFFにリセットされており、S58の判定結果がNOになってルーチンの実行が終了する。
、弁作動が禁止されている状態でブレーキペダル72が踏み込まれれば、S73が実行されるが、この場合、マスタカット弁96,98が開かれ、シミュレータ連通弁100が閉じられているため、S73の判定結果がNOになってルーチンの実行は終了し、ブレーキシリンダ圧の電気制御は行われない。この際、運転者によるブレーキペダル72の踏込みに基づくマニュアルの制動が行われる。
おいて説明したように、アキュムレータ圧が下限値より低く、ポンプ装置122を作動させなければならない場合には、エンジン10が、本来の目的を達成する必要上、あるいは騒音対策のために作動状態にあってポンプ装置122の作動が許可され、アキュムレータ圧が上限値を超えるまで作動が許可され続けるようにされているため、作動途中においてポンプ装置122の作動が禁止されることはなく、ポンプ装置122の作動音がエンジン10の作動音によって紛らわされ、乗員に違和感を覚えさせることなく、アキュムレータ圧が高められる。エンジン10の作動音はフロンモータジェネレータ26の作動音より大きく、車両がモータ駆動により走行させられ、エンジン駆動により走行させられる場合より暗騒音が小さい状態で走行している場合でもエンジン10を作動させることにより、フロントモータジェネレータ26の作動による場合より大きい暗騒音が発生させられ、ポンプモータ118やポンプ110の作動音が乗員に聞こえなくされる。
また、騒音対策制御コンピュータ190のS5ないしS7,S9を実行する部分およびブレーキ制御コンピュータ62のS22,S23を実行する部分がイニシャルチェック用機会創出型制御部を構成し、第一作動装置がマスタカット弁96,98およびシミュレータ連通弁100,ポンプ装置122を含み、第二作動装置がエンジン10を含み、そのエンジン10が作動させられることが第二設定条件である。
さらに、騒音対策制御コンピュータ190のS31ないしS33,S35を実行する部分およびブレーキ制御コンピュータ62のS72,S74を実行する部分が通常走行時用待機型制御部(シミュレータ連通弁100を作動させる手段を含む)を構成し、第一作動装置がマスタカット弁96,98およびシミュレータ連通弁100を含み、第二作動装置がエンジン10およびフロントモータジェネレータ26を含み、エンジン10およびフロントモータジェネレータ26がそれぞれ、設定回転数以上で回転すること、あるいは車両を設定速度以上で走行させる状態で回転することが第一設定条件である。
また、騒音対策制御コンピュータ190のS53,S54を実行する部分およびブレーキ制御コンピュータ62のS91,S94を実行する部分が通常走行時用機会創出型制御部を構成し、第一作動装置がポンプ装置122を含み、第二作動装置がエンジン10を含み、エンジン10が作動させられることが第二設定条件である。
さらに、本実施例においては、騒音対策装置は上記イニシャルチェック用待機型制御部,イニシャルチェック用機会創出型制御部,通常走行時用待機型制御部,通常走行時用機会創出型制御部を含み、イニシャルチェック装置は、ブレーキ制御コンピュータ62のS23を実行する部分を含むイニシャルチェック部を有する騒音対策装置を備えている。
また、本車両は、車輪速センサ170〜176およびブレーキ制御コンピュータ62の車速演算部を含む車速検出部,エンジン回転数取得部およびモータ回転数取得部を備えている。駆動回路がコンピュータと共同して制御部を構成すると考えることもできる。
状態においてそれぞれ信号を発し、コンピュータに入力されるようにされる。
Claims (8)
- それぞれ作動時に音を発する第一作動装置および第二作動装置であって、一方を停止状態に保って他方を作動させることと、他方を停止状態に保って一方を作動させることとが可能であるものを備えた車両であって、
前記第一作動装置を作動させる必要性が発生した場合に、前記第二作動装置を作動させる必要がないにもかかわらず作動させ、第一作動装置の作動音をマスキングする作動音を発生させて前記第一作動装置が作動する機会を創出し、その機会に前記第一作動装置を作動させる機会創出型制御部を有する騒音対策装置を備えたことを特徴とする騒音対策装置付車両。 - 前記第一作動装置が、液圧ブレーキ装置の、アキュムレータ蓄圧用のポンプとそのポンプを駆動するポンプモータとを含むポンプ装置と、作動液の流れを制御する制御弁との少なくとも一方を含み、前記第二作動装置が当該車両を駆動するエンジンを含み、当該車両が、当該車両の運転開始当初に、前記ポンプ装置と前記制御弁との前記少なくとも一方が正常に作動するか否かをチェックするイニシャルチェックを行うイニシャルチェック装置を含み、前記機会創出型制御部が、前記エンジンを作動させ、そのエンジンの作動中に前記ポンプ装置と前記制御弁との少なくとも一方をイニシャルチェックのために作動させるイニシャルチェック用機会創出型制御部を含む請求項1に記載の騒音対策装置付車両。
- 当該車両がエンジンと車両駆動モータとにより選択的に駆動されるハイブリッド車であり、前記第一作動装置が、液圧ブレーキ装置のアキュムレータに蓄圧するポンプとそのポンプを駆動するポンプモータとを含むポンプ装置と、作動液の流れを制御する制御弁との少なくとも一方を含む一方、前記第二作動装置が前記エンジンと前記車両駆動モータとの少なくとも一方を含み、前記機会創出型制御部が、当該車両が前記エンジンと前記車両駆動モータとの一方の駆動により暗騒音が小さい状態で走行している場合に、他方をその暗騒音より大きい音を発生させる状態で作動させ、その他方の作動中に前記ポンプ装置と前記制御弁との少なくとも一方を作動させるものである請求項1に記載の騒音対策装置付車両。
- 前記騒音対策装置が、さらに、前記第一作動装置を作動させる必要性が発生しているにもかかわらず作動させることなく待機し、前記第二作動装置の作動を待って前記第一作動装置を作動させる待機型制御部を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の騒音対策装置付車両。
- 当該車両が、エンジンと車両駆動モータとにより選択的に駆動されるハイブリッド車であり、当該車両の運転開始当初に、前記第一作動装置が正常に作動するか否かをチェックするイニシャルチェックを行うイニシャルチェック装置を備え、前記第二作動装置が少なくとも前記エンジンを含み、前記騒音対策装置が、前記イニシャルチェック装置の構成要素であり、前記第一作動装置が、液圧ブレーキ装置の、アキュムレータ蓄圧用のポンプとそのポンプを駆動するポンプモータとを含むポンプ装置と、作動液の流れを制御する制御弁との少なくとも一方を含み、前記待機型制御部が、前記エンジンの作動を待って前記ポンプ装置と前記制御弁との少なくとも一方を前記イニシャルチェックのために作動させるイニシャルチェック用待機型制御部を含み、前記機会創出型制御部が、前記イニシャルチェック用待機型制御部による待機中に、その待機の時間が設定時間以上になることと、当該車両の走行速度が設定速度以上になることとの少なくとも一方が満たされた場合に、前記エンジンを作動させ、そのエンジンの作動中に前記ポンプ装置と前記制御弁との前記少なくとも一方を前記イニシャルチェックのために作動させるイニシャルチェック用機会創出型制御部を含む請求項4に記載の騒音対策装置付車両。
- 当該車両が、エンジンと車両駆動モータとにより選択的に駆動されるハイブリッド車であり、当該車両の運転開始当初に、前記第一作動装置が正常に作動するか否かをチェックするイニシャルチェック装置を備え、前記第二作動装置が少なくとも前記エンジンを含み、前記騒音対策装置が、前記イニシャルチェック装置の構成要素であり、前記第一作動装置が、液圧ブレーキ装置の、アキュムレータ蓄圧用のポンプとそのポンプを駆動するポンプモータとを含むポンプ装置と、作動液の流れを制御する制御弁との少なくとも一方を含み、前記待機型制御部が、前記エンジンの作動を待って前記ポンプ装置と前記制御弁との前記少なくとも一方を前記イニシャルチェックのために作動させるイニシャルチェック用待機型制御部を含むものである請求項4に記載の騒音対策装置付車両。
- 前記第一作動装置が、液圧ブレーキ装置のマスタシリンダとブレーキシリンダとを接続する液通路の途中に設けられて前記マスタシリンダを前記ブレーキシリンダから遮断するマスタカット弁を含み、前記第二作動装置が当該車両を駆動するエンジンを含み、前記待機型制御部が、そのエンジンが設定回転数以上で回転することと、当該車両を設定速度以上で走行させる状態で回転することとの少なくとも一方の条件が満たされるのを待って前記マスタカット弁を作動させる通常走行時用待機型制御部を含む請求項4に記載の騒音対策装置付車両。
- 当該車両がエンジンと車両駆動モータとにより選択的に駆動されるハイブリッド車であり、前記第一作動装置が、液圧ブレーキ装置のマスタシリンダとブレーキシリンダとを接続する液通路の途中に設けられて前記マスタシリンダを前記ブレーキシリンダから遮断するマスタカット弁を含み、前記第二作動装置が前記車両駆動モータを含み、前記待機型制御部が、その車両駆動モータが設定回転数以上で回転することと、当該車両を設定速度以上で走行させる状態で回転することとの少なくとも一方の条件が満たされるのを待って前記マスタカット弁を作動させる通常走行時用待機型制御部を含む請求項4に記載の騒音対策装置付車両。
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