JP4296265B2 - 低温ガスハイドレート法を用いた二酸化炭素ガス濃縮方法及び二酸化炭素ガス分離法 - Google Patents

低温ガスハイドレート法を用いた二酸化炭素ガス濃縮方法及び二酸化炭素ガス分離法 Download PDF

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Description

本発明は、ガス濃縮方法およびガス分離方法、とくに二酸化炭素の濃縮方法及び分離方法に関し、より詳しくは、低温ガスハイドレートを用いたガス分離方法を提供する。
ガス分離を目的とした手法としては、吸着剤を用いる方法(アミン吸着法など)によるガス分離技術(特許文献1、特許文献2)があり、これを用いて二酸化炭素をはじめとして酸素、アルゴンなど各種ガスを分離する従来からの手法がある。
また、ガスハイドレート(水分子と対象ガス分子のみからなる結晶性の化合物)の生成法としては、(1)水とガスをオートクレーブ型高圧容器内で攪拌しながら冷却・加圧するもの(非特許文献1)(2)気―液の接触や生成効率を上げるためスプレーノズル方式としたもの(特許文献3)や逆に(3)気体を微粒化して生成を促進するもの(非特許文献2)(4)結晶生成初期の誘導時間を短縮するため微細な孔隙内での反応を利用するもの(非特許文献3)などがある。
ここで、吸着法では有害な有機物などが使用され、その回収が必要である。ガスハイドレートを生成する方法では系内に対象ガス分子と水のみが存在するため環境への負荷は小さいが、従来の手法では、常温(0℃以上)の反応条件を用いており、(i)ハイドレート生成に高圧の反応条件が必要であること(ii)原理的に低濃度のガスを混合ガス中から一段で高濃度に濃縮することが不可能であるなどの問題点がある。
米国特許第6274108号明細書 米国特許第4112052号明細書 特許第3433288号公報 Chemical Engineering Science Vol.38,No.7,pp.1061-1972,1983 A Kinetic Study of Methane Hydrate Formation J.Phys.Chem B,Vol.107,No.10,2003 2171-2173 Effect of Shrinking Microbubble on gas hydratre formation Powder Technology,122(2002) 239-246 Synthesis of methane gas hydrate in porous sediments and its dissociation by depressurizing
吸着法では、低濃度のガス(二酸化炭素など)を高濃度に濃縮することができるが、有害な有機物等を分離に用いるため、環境への負荷が大きいことが問題である。一方、ガスハイドレートを用いる方法では、系内に対象ガス分子と水のみが存在するため、環境への負荷は小さいが、従来の常温(0℃以上の温度)を反応に用いるハイドレート生成法では、(i)ハイドレート生成に高圧の反応条件が必要であること(ii)原理的に低濃度のガスを混合ガス中から一段で高濃度に濃縮することが不可能であるなどの問題点がある。
そこで、本発明は、ハイドレート法を用いて低濃度の混合ガスから一段で高濃度のガスを得ることにより、二酸化炭素ガスを濃縮及び分離する方法を提供することを目的とするものである
本発明は、低温(0℃〜-273℃)で微小な氷とガスを接触させることにより、大気圧(0.1MPa)を含む低い反応圧力条件下でハイドレートを生成することを見いだしたものであり、低温による生成ハイドレートのガス組成及び結晶構造変化を用いて、低濃度の混合ガスから一段で高濃度のガスを分離・生成することができ、また、生成したハイドレートは加温または減圧により水と生成ガス分子に分離され、生成ガスとして回収できるというものである。
すなわち、本発明は、パウダー状の氷と、二酸化炭素を含む混合ガスを接触させ、温度−35℃以下圧力8.0MPa以下の条件でガスハイドレート化することにより、前記混合ガス中の二酸化炭素が濃縮されたガスハイドレートを得ることを特徴とする二酸化炭素の濃縮方法を提供するものである
また、本発明においては、前記ガスハイドレート化を、温度−60℃以下、圧力0.4〜3.0MPaの条件で行うことを特徴とする二酸化炭素の濃縮方法を提供するものである
さらに、本発明は、これらの方法で得られたガスハイドレートを分解することにより二酸化炭素が濃縮された混合ガスを得ることを特徴とする二酸化炭素ガスの分離方法を提供するものである
本発明の低温ガスハイドレートを用いた二酸化炭素ガス濃縮方法及び二酸化炭素ガスガス分離法は、地球温暖化ガスである二酸化炭素の効率的採取及び効率的分離を可能とするものであり、ハイドレート生成に常圧を含む低圧の反応条件が容易に利用可能となるため、高圧装置を用いずにハイドレート生成が行える。また、本発明の低温ガスハイドレート法によれば、従来法では分離不可能な成分を含む混合ガス、或いは、目的成分ガスが非常に低濃度の混合ガスからの目的成分ガスの分離・回収が可能となる。
本発明は、混合ガス体におけるガス組成割合と混合ガスのハイドレート中における組成割合が異なることに注目し、二酸化炭素ガスと窒素ガスを用いて詳細に実験を繰り返した。
その結果、二酸化炭素ガスと窒素ガスの混合系においては、混合ガス体におけるガス組成と混合ガスのハイドレート中における組成割合が著しく相違し、二酸化炭素ガスはハイドレート中においてその濃度が高くなる事実を見出した。とくに温度−60℃以下の条件で生成するハイドレートは、−37℃〜−35℃の温度で生成するハイドレートに比して、そのハイドレート中の二酸化炭素ガスの組成割合が全く異なり、より二酸化炭素ガスはハイドレート中においてその濃度が高くなることを見出した。
本発明において用いる、パウダー状の氷は、低温に保持した金属表面に、大気中の水蒸気を凝固させることにより得られる。
また、ハイドレート化は、パウダー状の氷と二酸化炭素ガスを含む混合ガスを恒温槽中の反応容器において、圧力0.4〜8.0MPaにおいて混合撹拌することにより行う。
本発明では、ガスハイドレートとしては、二酸化炭素ガスと窒素ガスとの混合ガスを用いたが、種々のガスを用いて二酸化炭素ガスと混合ガスのハイドレートを作成することが出来る。このようなガスとしては、窒素ガスのほかに酸素、メタンなどの炭化水素、ヘリウムなどの希ガス類、硫化水素等が挙げられる。
図1に示す装置を用いて、ガスハイドレートを製造した。ガスボンベ1からの二酸化炭素ガスを排気孔3からの窒素ガスと混合し、圧力5.0〜8.0MPaに保持して、モーター旋回機4を用いて、撹拌させながら、パウダー状の氷と二酸化炭素ガスを含む混合ガスを恒温槽中の高圧反応容器5において、圧力5.0〜8.0MPaにおいて混合撹拌することによりハイドレート化を行う。このとき、反応容器5は、冷蔵恒温槽8内に置かれ、熱電子対6で温度測定氏し、温度表示装置7で読み取りながら、反応させた。本実施例においては、混合ガスの組成は窒素97.0%、二酸化炭素3.0%であった。また、予め冷蔵恒温槽8内中の高圧反応容器5に氷を装填し、所定の温度まで冷却しておき、温度が安定した後、混合ガスにより氷を加圧し、反応を開始させた。製造の温度・圧力条件はそれぞれ−37.0〜−35.1℃、5.0〜8.0MPaで行った。3〜7日程度反応させた後、高圧容器よりガスハイドレートを捕集した。
得られたガスハイドレートを水中で分解させ、発生したガスを水置換法により捕集した。捕集したガスをガスクロマトグラフィーで分析した結果を表1に示す。表1より、ガスハイドレート中では二酸化炭素が平均23.2%に濃縮されていることが明らかである。すなわち本手法を用いることにより、初期の二酸化炭素濃度3.0%のガスから、二酸化炭素濃度が23.3%まで濃縮できることが明らかとなった。
Figure 0004296265
実施例1の場合より低温でガスハイドレート試料を製造した。製造手法や用いた初期試料は実施例1の場合と同様である。温度・圧力条件はそれぞれ−70.0〜−66.5℃、0.4〜2.7MPaとした。圧力が実施例1に比べて低いのは、温度を低くすることにより、ハイドレートの反応条件がより低圧側にシフトする為である。
得られたガスハイドレート試料の成分をガスクロマトグラフィーで分析した結果を表2に示す。表2より、ガスハイドレート中では二酸化炭素が平均39.3%に濃縮されていることが明らかである。実施例1の場合に比べて、製造温度を低くしたことによって、濃縮性能が向上したことが明らかであり、さらには反応の圧力条件をより低圧力に設定することが可能であった。
Figure 0004296265
次に、二酸化炭素ガス分離方法について、具体例を示す。
二酸化炭素を分離する具体的な方法を図2に示すフローチャートの手順により行った。
まず、図1に示した恒温槽中の高圧反応容器5に氷を装填し、所定の温度まで冷却する。温度が安定した後、混合ガスにより氷を所定の圧力で加圧し、反応を開始させる。反応が完了した後、高圧容器中の未反応のガスを排気する。容器内の圧力が低下することによりガスハイドレートの分解反応が起こり、ガスハイドレートに取り込まれていた分離ガス(二酸化炭素を高濃度で含む)が発生する。容器に充填した分離ガスを回収し、水酸化カルシウム水溶液中をくぐらせることにより、二酸化炭素ガスを水酸化カルシウムと反応させ、炭酸カルシウムとして回収する。
本発明の低温ガスハイドレートを用いた二酸化炭素ガス濃縮方法及び二酸化炭素ガスガス分離法は、他のガスにも転用することが可能であり、例えばメタンに適用すると、メタン等のエネルギー貯蔵が効率的に行える。また、二酸化炭素ガスを効率的に分離回収することが出来るので、地球の温暖化対策への応用が期待される。
二酸化炭素ガスハイドレート合成装置の一例 二酸化炭素ガス分離方法のチャート
符号の説明
1 ガスボンベ
2 圧力計
3 排気口
4 モーター旋回機
5 高圧反応容器
6 熱電子対
7 温度表示装置
8 冷蔵恒温槽

Claims (3)

  1. パウダー状の氷と、二酸化炭素を含む混合ガスを接触させ、温度−35℃以下圧力8.0MPa以下の条件でガスハイドレート化することにより、前記混合ガス中の二酸化炭素が濃縮されたガスハイドレートを得ることを特徴とする二酸化炭素の濃縮方法。
  2. 前記ガスハイドレート化を、温度−60℃以下、圧力0.4〜3.0MPaの条件で行うことを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素の濃縮方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の方法で得られたガスハイドレートを分解することにより二酸化炭素が濃縮された混合ガスを得ることを特徴とする二酸化炭素ガスの分離方法。
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