JP4296264B2 - 塗装ガン - Google Patents
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Description
自動車車体Vの側面下部には、図5に示すように、サイドシルWが設けられている。そして、このサイドシルWのフランジ部Fには、走行中の飛石等による傷や錆を防止するために、塩化ビニール系塗料等を他の車体部分よりも厚めに塗装する必要がある。このフランジ部Fの塗装を吹き付け式の塗装ガンで行う場合、図6に示すように、フランジ部Fの幅Dと塗料の吹付幅(拡散幅)が一致するように、フランジ部Fと塗装ガンのノズル11との間隔Lを一定に保つ必要があった。
また、第2ガイドローラ及び第3ガイドローラは、塗装ガンの移動方向前方において、フランジ部の上端から車両外側に向かって略水平に延出するアウターパネルの下面部と、この下面部の前記フランジ部と反対側の端部から上方に延出するアウターパネルの側面部とに当接するように構成されていることから、かかる下面部と側面部が定規の役割を果たし、塗装ガンをガイド面に沿って移動させることが容易となる。
また、第1乃至第3ガイドローラは、連結手段によってガン本体と連結されていることから、これら3つのガイドローラによってガン本体が支えられて、塗装ガンとワークとの間隔及び角度が一定に保持される。
なお、ガイド面の連続方向と塗装面の連続方向とが一致していれば、「ガイド面」の断面形状は特に限定されず、例えば、自動車車体の側面下部に設けられるサイドシルのアウターパネルのように断面略弓形に湾曲していてもよい。また、第2ガイドローラ及び第3ガイドローラは、塗装ガンの進行方向に対して垂直方向に離間する前記ガイド面上の2点に当接するのが望ましい。これにより、塗装面に対するノズルの距離及び角度を一定に保ちつつ、ワークに沿って塗装ガンを移動させることができる。例えば、自動車のサイドシルを塗装する場合には、第2ガイドローラをアウターパネルの下面部に当接させ、第3ガイドローラをアウターパネルの側面部であって第2ガイドローラの当接点から塗装ガンの進行方向に対して垂直方向に離間した点に当接させる。
なお、本実施形態のサイドシルWは、請求項中の「ワーク」に相当し(図5、図6参照)、フランジ部Fの外側面は、請求項中の「塗装面」に相当し、アウターパネルOの外側面は、請求項中の「ガイド面」に相当する。
塗装ガン1は、図1〜図4に示すように、塗料の吹き付けを行うガン本体10と、このガン本体10をサイドシルWのフランジ部Fの外側面(以下、「塗装面P」という。)に沿って案内するためのガイド機構20とから構成されている。本実施形態にかかる塗装ガン1は、エアを吹き出すことによって塗料を吸い上げて拡散させるエアスプレー方式の塗装ガンである。
はじめに、ガン本体10の構造について説明する。
図4は、ガン本体の構造を示す概略断面図である。なお、説明の都合上、図4はガイド機構20を省略して示している。
ガン本体10は、図4に示すように、側面視すると拳銃のような形状をしており、主にノズル11、ケーシング12、引き金13、塗料供給管14及びエア供給管15から構成されている。
塗料供給管取付部12bの引き金13側の下部には、塗料供給ホースTHが接続される塗料ジョイント16が設けられており、グリップ12aの下端には、エア供給ホースAHが接続されるエアジョイント17が設けられている。
また、ケーシング12の内部には、後記するエア供給管15とエアジョイント17とを連通するエア供給通路APが形成されている。このエア供給通路AP上には、エア供給通路APを開閉するエア制御弁19が設けられている。
ガイド機構20は、図1〜図3に示すように、主に、サイドシルWのフランジ部Fの塗装面P又はアウターパネルOの外側面(以下、「ガイド面G」という。)に当接する3つのガイドローラ21、31、41と、これらを支持してガン本体10と連結する複数の連結部材とから構成されている。以下、これら3つのガイドローラ21、31、41と連結部材の連結構造や支持構造等について説明する。
なお、ここにいう「複数の連結部材」が請求項の「連結手段」に相当し、本実施形態においては、符号22、23、24、25、32、33、42,43が請求項の「連結手段」に相当する。
第1〜第3ガイドローラ21、31、41は、図1〜図3に示すように、第1〜第3ローラ支持部材22、32、42の一端側にそれぞれ回転自在に軸支されている。これにより、第1〜第3ガイドローラ21、31、41を塗装面P又はガイド面Gに当接させながらガン本体10を移動させると、塗装面P又はガイド面Gに沿って第1〜第3ガイドローラ21、31、41が転動するようになっている。
なお、第1〜第3ガイドローラ21、31、41は、塗装面P及びガイド面Gに傷を付けないように、ゴムなどの比較的やわらかい材料で形成されていることが好ましい。
なお、図3に示すように、連結棒24の他端側は、第1連結部材25の下側部材25bから突出して固定されており、かかる他端側には、ハンドル取付部材52を介してハンドル51が取り付けられている。
また、第1ガイドローラ21は、第1ローラ支持部材22、第1ローラ受け部材23、連結棒24及び第1連結部材25を介してガン本体10に固定されると共に、ガン本体10の移動方向前方において塗装面Pと当接することとなる。これにより、塗装ガン1を塗装面Pの連続方向に移動させるために力を加えた場合にも、第1ガイドローラ21とガン本体10とを連結する各部材が筋交の役目を果たし、塗装ガン1が傾いて塗装面Pとノズル11との角度Rが変化することを防止できる。
なお、本実施形態においては、第3ローラ支持部材42は、その一端部に取り付けた第3ガイドローラ41が、ガイド面Gと当接しやすいように中間部が折り曲げられている(図1参照)。異なる形状のワークを塗装する場合には、他のワークの形状に合う他の形状のローラ支持部材を備えたガイドローラを用意しておき、交換するのが望ましい。
なお、第1ガイドローラ21と、第2ガイドローラ31及び第3ガイドローラ41との間隔が広いほど、ガン本体10を安定して支えることができる。
はじめに、ガン本体10の塗料ジョイント16とエアジョイント17に、塗料供給ホースTHとエア供給ホースAH(図4参照)をそれぞれ接続する。エア供給ホースAHは、図示しないコンプレッサに接続されており、塗装ガン1に圧縮空気を供給する。塗料供給ホースTHは、図示しない塗料貯留槽に接続されており、ノズル11からエアとともに塗料が噴射されるのに伴い、塗料貯留槽から塗料を吸い上げて塗装ガン1に塗料を供給する。
各ガイドローラ21、31、41は、各ローラ支持部材22、32、42にそれぞれ回転自在に軸支されているため、塗装ガン1は、ガイド機構20によって塗装面Pとノズル11との間隔L及び角度Rを維持されたまま力を加えた方向に移動する。このとき、第1ガイドローラ21は、塗装ガン1の移動方向前方において塗装面Pと当接しているため、移動方向に力を加えても、塗装ガン1が傾くことがない。
また、第2ガイドローラ31及び第3ガイドローラ41は、ノズル11の近傍においてガイド面Gと当接しており、かかるガイド面Gを定規代わりにして、塗装ガン1を塗装面Pの連続方向に案内する。
また、第2ガイドローラ31と第3ガイドローラ41は、図2に示すように、塗装ガン1の移動方向前方(図2においてガン本体10の左側)に配置するのが好ましい。このように配置すると、塗りはじめの位置において3つのガイドローラ21、31、41をガイド面Gに確実に当接させることができるため、塗りはじめから塗装面Pに対するノズル11の距離及び角度を正確に合わせることができる。
10 ガン本体
11 ノズル
20 ガイド機構
21 第1ガイドローラ
31 第2ガイドローラ
41 第3ガイドローラ
W サイドシル(ワーク)
F フランジ部
P 塗装面
G ガイド面
Claims (3)
- 自動車の車体側面下部に前後方向に沿って延在するフランジ部と、このフランジ部の上端から車両外側に向かって略水平に延出するアウターパネルの下面部と、この下面部の前記フランジ部と反対側の端部から上方に延出するアウターパネルの側面部と、を有するサイドシルの前記フランジ部を塗装するための塗装ガンであって、
塗料を噴射するノズルを備えるガン本体と、
前記フランジ部に対する前記ノズルの距離及び角度を一定に保持しつつ、前記フランジ部に沿って前記ガン本体を案内するガイド機構と、を有し、
前記ガイド機構は、
前記ガン本体の移動方向前方において前記フランジ部に当接する第1ガイドローラと、
前記ガン本体の移動方向前方において前記下面部に当接する第2ガイドローラと、
前記ガン本体の移動方向前方において前記側面部に当接する第3ガイドローラと、
これら第1乃至第3のガイドローラと前記ガン本体とをそれぞれ連結する連結手段と、を有し、
前記連結手段の連結棒の一端側に前記第1ガイドローラが回転自在に軸支され、前記連結棒の他端側にハンドルが取り付けられていることを特徴とする塗装ガン。
- 前記第1乃至第3のガイドローラのうち、少なくとも1つのガイドローラは、前記連結手段に着脱自在に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の塗装ガン。
- 前記第1乃至第3のガイドローラのうち、少なくとも1つのガイドローラは、前記連結手段に固定位置を調節自在に連結されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗装ガン。
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