JP4295720B2 - ステープラ用カセット - Google Patents

Description

発明に属する技術分野
本発明は、針足の長さの異なるステープルをカセットに装填可能としたステープル用カセットに関する。
従来の技術
従来からステープラ用カセットは、針足の長さが異なるステープルごとに専用のカセットを製造していた。用途ごとに針足の長さが異なるステープラ用カセットをステープルに装填していた。
ステープラ用カセットとしては、本願出願人に係る特開平０７−９６４７５号が提案されている。図１０に示すように、ステープラ用カセット３１は、フレーム３２の先端にキャップ３３を装着し、このステープルを装填したガイド３４を収納し、このガイド３４にステープル３５が装填されている。ガイド３４には、ステープル３５の後端をプッシャースプリング３６の先端に取り付けられているプッシャー頂部３７が前後に摺動自在に装着されている。ステープル３５はプレッシャー頂部３７でキャップ３３方向に常に押圧されている。３８はプッシャースプリング３６の後端キャップを示す。
ステープラ用カセットに収納されているステープル３５は、キャップ３３の上方からの押圧で下方に押出される。
発明が解決しようとする課題
しかしながら、前記従来のステープラ用カセットは、ステープルの針足の長さによって、針足の長さに適合する形態の専用カセットを製造しなければならなかった。このために針足の長さに適合するカセットの種類が多くなり製造コストが嵩み、保管管理も容易ではなかった。
また、従来のカセットはステープルの収納が十分でなく、針つまりの現象が生じ、製品の安定性に欠けていた。
よって本願発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、カセットの種類を増やさずに針足の長さが異なるステープルの収納ができ、かつ安価に製造することができるカセットの提供を目的とする。
課題を解決するための手段
上記目的を達成するため、請求項１のステープラ用カセットは、一対の針足を対向して備えた打針を多数並列した単位で収納したステープラ用カセットにおいて、先端部上面に収納されているステープルを押出すプレードを上下動させるブレード送入口を開口した断面がコ字状の細長形状のカセット本体と、該カセット本体のコ字状開口面に嵌着すると共に該カセット本体のブレード送入口の垂直下で、該ブレード送入口の対向する位置にステープル押出口が開口され、前記針足を支持する一対のガイド壁を立設したステープルホルダと、前記ステープルを前記ステープルホルダのステープル押出口方向に押圧するフィーダと、該フィーダを前記ステープルホルダのステープラ押出口方向に付勢するバネと、前記フィーダの移動をガイドするガイドロッドとから成り、前記ステープルを前記フィーダで押圧した状態で、ブレードの上下動で前記ステープラ押出口からステープラを押出すことを特徴とする。
請求項２は、請求項１において、ステープルホルダの側面縁部に沿って前記針足の先端を支持する一対のガイド壁を立設したことを特徴とする。
請求項３は、ステープラに装着するカセットの装着位置を固定する係止突起を前記カセット本体の後部上面及び／または前記ステープルホルダの後部下面に設けたことを特徴とする請求項１記載のステープラのカセットである。
請求項４は、前記カセットが硬質合成樹脂から成ることを特徴とする請求項１記載のステープラ用カセットである。
請求項１及び２によれば、本願発明のステープラ用カセットは、カセット本体に対してステープルホルダが別体として組み込まれる構成であるので、針足の長さに対応した高さのガイド壁を設けたステープルホルダを組み込むことにより、カセット全体を変更することなく、針足の長さの異なるステープルの需要に応じて無駄なく使用することが可能となる。
また、相対する一対のガイド壁がレールとなり、ガイド壁にステープルの針足部を乗せることになるので、ステープルは天井部との間に収納されるので、がたつきが生じない。更に、ガイド壁はステープルの天井部に隙間がないので、ステープルをステープル押出口までガイドすることになり、ステープルの移動時のがたつきがなく、針つまりが生じない。
請求項３によれば、カセット本体の後部上面及び／またはステープルホルダの後部下面に係止突起を設けたことにより、ステープル側の係止部が上下いずれの側に位置していても装着することが可能となる。
請求項４によれば、カセットをプラスチックにて形成しているので安価に製造することができ、使い捨てが可能となる。
発明の実施の形態
以下、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図１は本願発明に係るステープラ用カセットをステープラ本体に挿着した状態の側面説明図、図２は本願発明に係る第１の実施態様に示すステープラ用カセットの一部切欠いた状態の説明図、図３は図２のカセット本体の説明図、図４は同じく図２に示すステープルホルダの説明図、図５は同じく図２に示すステープルホルダの説明図、図６は本願発明に係る第２の実施態様に示すステープラ用カセットのステープルホルダの断面説明図、図７は図６に示すガイド壁を形設したステープルホルダをカセット本体に組み込んだ側面を示す断面図、図８は第１の実施態様に示すステープルをカセットに挿填した側面を示す拡大断面図、図９は第２の実施態様に示すステープルをカセットに挿填した側面を示す拡大断面図である。
本願発明に係るステープラ用カセット１は、図１（ａ）、（ｂ）に示すように、ステープル４を下方に駆動されるカセット式ステープラのステープラ本体２に挿着するものである。カセット挿着後にハンドル８の操作で、ブレード３を上下動させると、ステープル４を上方から押圧して下方に押出し使用するものである。ステープラ本体２は、カセット１を装着する挿入口が形成されているフレーム５と、このフレーム５をガイド部６で支持されているカバー部７が一体に設けられている構成である。このカセットガイド部６の後端下部に回動軸（図示せず）を支点とし、スプリングなどの発条体で上方に付勢されているハンドル８がフレーム５の上部に備えられている。
なお、図中、符号９はカバー７の後端に設けられているカセット１の取出し用のレバー、１０はカセット式ステープラのステープラ本体２のベース台座を示すものである。
本願発明に係るカセット１は、図１（ａ）、（ｂ）に示すように、ハンドル８を下方に押圧することで、ハンドル８に連動してブレード３が下方に駆動し、ステープル４をベース台座１０上に打ち出すことができる。また、カセット１の交換は、カセット１の係止突起に自動的に係止しているのをカバー部７の後方に設けられたレバー９を下方に押圧すると、カセット１の係止を解除する。カセット１は、前方に突出して交換を行うことができる。
第１の実施態様に示すカセット１は、図２〜図５に示すように、先端部上面に収納されているステープル４を押出すブレード３を上下動させるブレード送入口１１を上面に開口した断面がコ字状の細長形状のカセット本体１３と、このカセット本体１３のコ字状開口面に嵌着すると共に該カセット本体１３のブレード送入口１１の垂直下で、該ブレード送入口１１に対向する位置にステープル押出口１２が開口されているステープルホルダ１５と、前記ステープルホルダ１５のステープル押出口１２方向に押圧するフィーダ１６と、該フィーダ１６を前記ステープルホルダ１５のステープラ押出口１２方向に付勢するバネ１７と、前記フィーダ１６の移動をガイドするガイドロッド１８とから構成される。
本願発明は前記ステープルホルダ１５上のステープルをフィーダ１６で押圧した状態で、ブレード３の上下動で前記ステープラ押出口１２からステープラ４をベース台座１０上に押出す。
カセット本体１３は、図２（ａ）、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）並びに図３（ａ）、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）、（ｅ）、（ｆ）に示すように、後部の上面に、ステープル４に装着する際に装着位置を固定する係止突起１５ａが設けられ、両側面の長手方向における３カ所にステープルホルダ１５を装着する係止穴１３ｂが設けられている。また、カセット本体１３の内幅はステープル４の外幅を摺動可能に収納しうる寸法に設定されている。
カセット本体１３の内部に組み込まれるステープルホルダ１５は、図２（ａ）に示すように、ステープル４の内幅を摺動自在にガイドする幅を有するガイドヘッド２０と、カセット本体１３の後端に至る長手方向のベースプレート２１とで形成されている。ベースプレート２１の側面には長手方向の３カ所にカセット本体１３側に嵌着する係止突起１５ｃが設けられている。
更に、ベースプレート２１の後端下面にはステープラ２に装着する際に装着位置を固定する係止突起２１ｂが設けられている。
ステープル４をカセット１の先端側に押圧するフィーダ１６は、その前面にステープル４のコ字形に対応した形状の押圧端面１６ａが形成され、後面にバネ１７が当接するバネ座１６ｂが形成されている。更に、バネ座１６ｂの中央にはガイドロッド１８が摺動自在に挿通する穴１６ｃが設けられている。
ガイドロッド１８は、前端のステープル４のステープル押出口１２側から後端に至る長さを有し、後端に固定端部１８ａが一体形成され、図１（ｂ）に示すように、固定端部１８ａの両側面に設けられた係止突起１８ｂを介してカセット本体側の係止凹部１８ｃに固定され、ガイドロッド１８にはフィーダ１６が嵌着され、フィーダ１６と固定端部１８ａとの間にバネ１７が装着されている。
次に、第２の実施態様に示すカセット１は、図６〜図７に示すように、先端部上面に収納されているステープル４を押出すブレード３を上下動させるブレード送入口１１を上面に開口した断面がコ字状の細長形状のカセット本体１３と、このカセット本体１３のコ字状開口面に嵌着すると共に該カセット本体１３のブレード送入口１１の垂直下で、該ブレード送入口１１に対向する位置にステープル押出口１２が開口され、前記ステープル４の針足を支持する一対のガイド壁１４を側縁に沿って立設したステープルホルダ１５と、前記ガイド壁１４上のステープル４を前記ステープルホルダ１５のステープル押出口１２方向に押圧するフィーダ１６と、該フィーダ１６を前記ステープルホルダ１５のステープラ押出口１２方向に付勢するバネ１７と、前記フィーダ１６の移動をガイドするガイドロッド１８とから構成されている。
本願発明は前記ガイド壁１４上のステープルをフィーダ１６で押圧した状態で、ブレード３の上下動で前記ステープル押出口１２からステープル４をベース１０方向に押出す。
この実施例の特徴は、ステープルホルダ１５は、図４〜図５に示すように、ベースプレート２１の上面における両側方の長手方向に沿ってステープル４の針長さに対応した各種高さのガイド壁１４が設けられている。なお、図９に示すように、ガイド壁１４は、ステープル４の針長さが最も長いものに対応してガイド壁１４ａ、１４ｂ、１４ｃが設けられている。これにより、ガイド壁１４の高さを変更することにより針長さの異なる各種ステープル４を所定の高さに保持して収納することができるようになっている。
以上の構成のカセットは、ステープルを押圧するバネを除いてすべてがプラスチックにより形成されている。
次に、カセットの作用について説明する。
本願発明のカセットは、図９に示すように、ステープル４の針長さに対応した高さを有するガイド壁１４が設けられたステープルホルダ１５をカセット本体１３の装着してガイド壁１４上にステープル４の針先を保持させることによりステープル４が所定の高さに保たれ、ガイド壁１４上のステープル４は、図８〜図１２における各図の（ｂ）に示すように、ステープル４はカセット本体１３内の上面に接した位置になる。この状態は、ステープル４の上端とブレード３の下端との相対位置が針長さに無関係に同一となり、同一条件にて打ち出し操作することが可能となる。
発明の効果
本願発明によれば、ステープルをカセット本体１３の内壁面で支持すると共に、ガイドヘッド２０で、送り出しの際のがたつきを防止する。ブレードがスムーズに作動できる。特に、カセットの種類を増やさずに針足の長さが異なるステープルの収納ができ、かつ安価に製造することができる。
また、針長さに対応した高さのガイド壁を設けたステープルホルダを用いてカセット本体に別体として組み込むことによりステープルの針長さが異なってもカセット全体を変更することなく収納することが可能となる。
また、相対するガイド壁がレールとなり、ステープルの天井部を乗せることになるので、がたつきがなく、ステープルをガイドすることになり、ステープルの移動時のがたつきがなく、かつ針つまりがない。
また、ステープラに装着するための係止突起がカセットの上下両面に設けられているのでステープラ側の係止部が上下のいずれであっても装着が可能となる。
更に、カセットはプラスチックにて安価に形成されているので使い捨てにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
図１は、本願発明の実施の形態に係るステープラに挿着した状態を示す側面図で、（ａ）は挿着した状態を示す側面図、（ｂ）はステープルの移動状態を示す側面図である。
図２は、本願発明の第１の実施形態に係るもので、（ａ）はカセットの側面を示す断面図、（ｂ）は同上面図、（ｃ）は同裏面図、（ｄ）は同端面図である。
図３は、図２のカセット本体の側面を示す断面図で、（ａ）はカセット本体の側面を示す断面図、（ｂ）は同Ａ−Ａ矢視断面図、（ｃ）は同側面図、（ｄ）は同端面図、（ｅ）は同上面図、（ｆ）は同下面図である。
図４は、図２のカセット本体の側面を示す断面図で、（ａ）〜（ｃ）はガイド壁を設けないステープルホルダの側面を示す断面図及び端面図である。
図５は、図２のカセット本体とステープルホルダを示す断面図で、（ａ）〜（ｃ）は各々断面図及び端面図である。
図６は、本願発明の第２の実施形態に係るもので、（ａ）〜（ｃ）はガイド壁の高さを異にするステープルホルダの側面を示す断面図及び端面図である。
図７は、図６のカセット本体の側面を示す断面図で、（ａ）〜（ｃ）はガイド壁を形成したステープルホルダの側面を示す断面図及び端面図である。
図８は、図２に示す第１の実施形態に係るもので、（ａ）はガイド壁の無い状態のステープルホルダをカセット本体に組み込んだ側面を示す断面説明図である。
図９は、図６に示す第２の実施形態に係るもので、（ａ）はガイド壁の無い状態のステープルホルダをカセット本体に組み込んだ側面を示す断面説明図である。
図１０は、従来のステープル用カセットの分解斜視図である。
符号の説明
１．．．カセット
２．．．ステープラ
３．．．ブレード
４．．．ステープル
５．．．フレーム
６．．．ガイド部
７．．．カバー
８．．．ハンドル
９．．．レバー
１０．．．ベース台座
１１．．．ステープル送出口
１２．．．ステープル押出口
１３．．．カセット本体
１４．．．ガイド壁
１５．．．ステープルホルダ
１６．．．フィーダ
１７．．．バネ
１８．．．ガイドロッド

Claims (3)

1. 一対の針足を対向して備えたステープルを多数並列した単位で収納したステープラ用カセットにおいて、
   先端部上面に収納されているステープルを押出すブレードを上下動させるブレード送入口を開口した断面がコ字状の細長形状のカセット本体と、
   該カセット本体のコ字状開口面に嵌着すると共に該カセット本体のブレード送入口の垂直下で、該ブレード送入口の対向する位置にステープル押出口が開口され、
   前記針足を支持するよう前記針足の長さに対応する高さにされた一対のガイド壁を立設したステープルホルダと、
   前記ガイド壁上のステープルを前記ステープルホルダのステープル押出口方向に押圧するフィーダと、
   該フィーダを前記ステープルホルダのステープル押出口方向に付勢するバネと、
   前記フィーダの移動をガイドするガイドロッドとから成り、
   前記ガイド壁上のステープルをフィーダで押圧した状態で、ブレードの上下動で前記ステープル押出口からステープルを押出すことを特徴とするステープラ用カセット。
2. 前記ステープルに装着するカセットの装着位置を固定する係止突起を前記カセット本体の後部上面及び／または前記ステープルホルダの後部下面に設けたことを特徴とする請求項１記載のステープラ用カセット。
3. 前記カセットが硬質合成樹脂から成ることを特徴とする請求項１記載のステープラ用カセット。

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