JP4295503B2 - 禁煙パイプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、喫煙者に対して負担やストレスをかけずに、ニコチン,タールを排除し、吸い込む煙の量も減らし、最終的に禁煙に至るようにし、極めてシンプル且つ永続性のある使用ができる禁煙パイプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、種々の喫煙用パイプが存在しており、その中には禁煙用のパイプも存在している。その禁煙用のパイプは、たとえばパイプ内に水分を含んだ綿材が装着されたものが存在している。これによって、喫煙時には煙が水分の入った綿を通過するので、タバコのニコチン,タール等を吸収することができる。さらに、パイプ内部に種々のフィルタを装着して煙からニコチン,タールを除去しようとするものが存在している。さらにパイプ内にモータ及びファンを具備したものが存在し、煙を強制排除しようとするものがある。また、下記特許文献1に記載されたものは、パイプに着色部分を設けており、種々の模様が表示され、喫煙状態を確認するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−78476
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記種々の禁煙用パイプは、フィルターを使用するものは、フィルターを一定以上の期間使用するとその中にニコチン,タールが溜まってしまい、これら有害物質を除去できないようになってしまう。そのため、次々と新しいものに交換して使用してゆかねばならず、喫煙を習慣的に行う者にとっては、金銭的にも負担となるものであった。
【0005】
また、電動モータが装着されてファンが回転するものでは、電池が必要であり、電池が切れた場合に、その場ですぐに手に入らない場合には、喫煙することが出来ず、極めて不便なものである。さらに電動モータを組み込むことにより、構造が複雑となり、それゆえに故障しやすいものであるし、本体も大きく且つ電池などをふくめて極めて重くなる。そのために喫煙者には大きな負担がかかり結局、この種のパイプを使用する気持ちにはなれなくなってしまうおそれがある。
【0006】
さらに、特許文献1に記載されたものも構造が複雑であり、また保守,管理も面倒である。本発明の目的は喫煙者に対して負担やストレスをかけずに、喫煙時にパイプ外部から空気を取り入れてタバコの煙を希薄にして吸い込む煙の量を減らすとともに、ニコチン,タールを排除し、これを繰り返して最終的に禁煙に至るようにし、さらにパイプにはフィルター又は電動モータ等を装着することなく、極めてシンプル且つ永続性のある使用ができるものを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本体中心部と吸い口部とタバコ装着部を着脱自在に取り付けてパイプ本体を構成し、前記本体中心部の外周に、通気孔とダイアルの回動中心軸とガイド周壁を設けたダイアル座部を構成する一方、円周方向に沿って形成される外気流入孔を有し、前記ダイアル座部の回動中心軸に回動自在に軸支される円板状のダイアルを構成し、このダイアルはダイアル座部に対して所定の等角度で仮固定される仮固定手段を備え、前記ダイアルの回動で前記通気孔と外気流入孔との交わり領域を前記通気孔の全閉状態から全開状態における適宜の範囲で増減自在とした禁煙パイプとしたことにより、喫煙者に対して負担やストレスをかけずに、ニコチン,タールを排除し、吸い込む煙の量も減らし、最終的に禁煙に至るようにできる。
また交わり領域の調整を段階的に行うことができ、現在の喫煙状態でどの程度のニコチンの吸込み量となるかを目視にて容易に確認することができると共に、ダイアルを容易、確実に所望の角度位置に回動させ、かつ所望の角度位置で仮固定できるから、交わり領域の調整を確実に行うことができる。
さらに、極めてシンプルな構造で保守,管理を行いやすく、かつ本体中心部と吸い口部とタバコ装着部を分離して清掃可能で永続性のある使用ができるものを提供することにより上記問題点を解消したものである。
【0008】
【作用】
本発明の禁煙パイプは、図1,図2等に示すように、管路内の中間箇所に通気孔を有するパイプ本体Aと、円周方向に沿って形成される外気流入孔7を有するダイアルBとから構成されている。前記外気流入孔7は前記通気孔3と連通するように前記ダイアルBがパイプ本体Aに回動自在装着され、ダイアルBの回動により、図6に示すように、前記通気孔3と前記外気流入孔7とが交わることにより交わり領域Sが形成される。該交わり領域Sは、通気孔3と外気流入孔7とが連通する領域のことである〔図6(B),(C)参照〕。
【0009】
前記交わり領域Sは、通気孔3の開口の露出部位であり、ダイアルBの回動に伴ってその交わり領域Sを適宜増減させることができる。すなわち、交わり領域Sにおける通気孔3からパイプ本体A内への空気の流入量を調整することができるものである。そして、本発明の喫煙パイプを使用するには、初期段階では、前記ダイアルBを適宜に回動させて、図6(A),図7▲1▼等のようにすることで、前記通気孔3と外気流入孔7との交わり領域Sがゼロである、すなわち非交わり状態に設定することで前記通気孔3は全閉状態となる。
【0010】
この状態では、喫煙時に通気孔3から外気が流入することがなく、タバコの煙のみが喫煙者に吸い込まれる。これは、ほぼ通常の喫煙状態である。次に、そのダイアルBを適宜回動させて、少量の交わり領域Sが形成されるように設定することで、喫煙時においてパイプ本体Aの外部から前記通気孔3を介して少量の空気が流入し、喫煙者はタバコの煙が少量の外部空気に希薄された状態で喫煙することになる。この時点で喫煙者はニコチンの吸込み量を減少させることができるものである。このように初期段階から中期段階にかけて、図7▲2▼乃至▲5▼に示すように、前記ダイアルBを適宜回動させて、通気孔3と外気流入孔7との交わり領域Sを徐々に増加させてゆき、吸引するタバコの煙に混ぜられる空気を増加させてゆく。
【0011】
さらに、最終段階では、ダイアルBを適宜回動させて、交わり領域Sを最大にすることにより、その通気孔3は全開状態となり、喫煙時においてパイプ本体Aの外部からの空気流入量を最大にして、吸引するタバコの煙を最も希薄な状態にすることができ、喫煙者はニコチンをほとんど吸い込まないようにできるものである。このようにして、最終的に禁煙に至るようにすることができる。図14(A)は、喫煙時において、タバコ装着部5から中心管部1に流入するタバコの煙が前記通気孔3から流入した空気により希薄される状態を示している。
【0012】
また、図14(B)は、本発明の喫煙パイプを使用することで、喫煙者がタバコの煙からニコチンを吸い込む量が次第に減少する状態を示すグラフである。まず、時間tが0(ゼロ)すなわち禁煙初期段階において、前記交わり領域Sが形成されない状態,すなわち通気孔3が全閉状態のときに、喫煙者が吸い込むニコチン量は最大となっている。そして、禁煙開始から一定期間に亘り、時間tの経過にともなって、前記交わり領域Sを増加させて、通気孔3の開口を徐々に露出させてゆくことで、喫煙者の吸い込むニコチンの量が次第に減少することを示している。さらに、最終段階で交わり領域Sを最大にして、その通気孔3を全開状態でニコチンがほとんどゼロとなり、やがて禁煙に達する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の構成は、図1(A,B)に示すように、主にパイプ本体A,ダイアルBとから構成される。まずパイプ本体Aは、本体中心部A1 、吸い口部4、タバコ装着部5とから構成される。これら本体中心部A1 ,吸い口部4及びタバコ装着部5はそれぞれ分解(分離)自在であり、分解することによって、それぞれの内部の清掃が容易に行えるものである。前記本体中心部A1 は、後述するダイアルBが装着される主要部位である。その本体中心部A1 は、図1(C),図2(A)等に示すように、中心管部1とダイアル座部2とから構成されている。前記中心管部1は、ほぼ円筒管状に形成され、その内部の管路には長手方向に直交するようにして隔壁1aが形成されている。
【0014】
該隔壁1aには、煙孔1a1 が形成されており、喫煙者はこの煙孔1a1 を通して、タバコの煙を吸うことができる。前記本体中心部A1 の中心管部1の外周には、ダイアル座部2が形成され、後述するダイアルBを装着する部位となっている。そのダイアル座部2は、図2(A),図3に示すように、平面的に見てほぼ円形状をなしている。該ダイアル座部2は、その外周付近より内方側に円周状の段差部が形成されており、その段差部を介してダイアル座部2の中心箇所の底面が一段低くなるガイド底部2aが形成されている。該ガイド底部2aは、ダイアルBの回動が安定した状態で行われるガイドの役目をなしている。
【0015】
前記ダイアル座部2には、図2(A)に示すように、通気孔3が穿孔されている。該通気孔3は、本体中心部A1 の中心管部1の内部から外部に向かって貫通する孔として形成されたものであり、後述するダイアルBの外気流入孔7にて閉塞及び開口面積が調整されるものである。その通気孔3は、図1(B),(C)に示すように、前記中心管部1の隔壁1aに対してタバコ装着部5との接続側に位置して形成されている。しかし、必ずしもこの構造に限定されるものではなく、前記通気孔3は隔壁1aに対して吸い口部4との接続側に形成してもかまわない。その通気孔3は、直径ほぼ1mm程度の小孔であるが、特にこの直径に限定されるものではなく、喫煙者の喫煙度合いに応じて、本発明における禁煙パイプを製造する時に、種々のパターンとして、その通気孔3の直径は適宜に設定されるものであってもかまわない。
【0016】
そのダイアル座部2の外周には、図2(A),図3に示すように、ガイド周壁2bが形成されている。該ガイド周壁2bは、ほぼ円周状或いは環状の立上がり壁形状であり、ダイアルBの外周を包囲するようにして支持するものである。そのガイド周壁2bの内径は、ダイアルBの外形よりも僅かに大きく形成され、ガイド周壁2bとダイアルBとの間に僅かの隙間が形成される程度が好適である。さらに、前記ガイド周壁2bの一部は、切除された操作用開放部2b1 が形成されており、ダイアル座部2上に装着されたダイアルBの一部が前記操作用開放部2b1 から突出し、外部からのダイアルBの回動操作を可能にしている。
【0017】
さらに、前記ダイアル座部2の中心には、回動中心軸2cが形成されており、ダイアルBを回動自在となるようにその回動中心位置を支持するものである。また、ガイド周壁2bには、後述する仮固定手段8における機構が配置される仮固定用壁部2dが形成される。該仮固定用壁部2dには、仮固定手段8を構成する部品が装着される。前記本体中心部A1 の長手方向の一方側には、前記吸い口部4が接続され、他方側にはタバコ装着部5が接続される。そのために本体中心部A1 と前記吸い口部4とタバコ装着部5との接続構造は、凹凸によるインロウ接続構造となっている。具体的には、図1(C),図2(A)に示すように、前記本体中心部A1 の長手方向一端側及び他端側に接続用突出部1b1 ,1b2 がそれぞれ形成されている。
【0018】
また、前記吸い口部4には前記接続用突出部1b1 が挿入可能に接続するための被接続用内周部4aが形成され、前記タバコ装着部5には前記接続用突出部1b2 が挿入可能に接続するための被接続用内周部5aが形成されている。そして本体中心部A1 、吸い口部4、タバコ装着部5は適宜分離することができ、前述したように分解して掃除などが行いやすいようになっている。なお、吸い口部4には、図1(A),(B)に示すように、フィルタ4bが着脱自在に装着されている。ここで、吸い口部4は、タバコの煙を吸引する部位でり、タバコ装着部5は、タバコを装着する部位である。
【0019】
次に、ダイアルBは、図2(A)に示すように、主に円板状本体部6及び外気流入孔7から構成されている。その円板状本体部6は、ほぼ適宜の厚さとした円板形状をなしている。その円板状本体部6の中心箇所には、図2(A),図5に示すように、回動中心用軸孔6bが形成されており、前記ダイアル座部2の回動中心軸2cに軸支されるようになっている。さらに、円板状本体部6の裏面側には、図4(B),図5に示すように、円板状本体部6に小円板状突出部6aが形成されている。該小円板状突出部6aは、前記回動中心用軸孔6bを中心とした円板体であり、前記ダイアル座部2のガイド底部2aに挿入されることにより、図1(B)に示すように、前記ダイアルBが回転方向にガイドされて安定した回動動作を行うことができるようになっている。
【0020】
その外気流入孔7は、前記パイプ本体Aの通気孔3と交わり領域Sを構成して連通し、パイプ本体Aの内部と外部との間に空気流通を行わせる役目をなす部位である。この外気流入孔7には種々のタイプが存在しており、その第1タイプとしては、図2,図6等に示すように、前記円板状本体部6の円周方向に沿って円弧状の溝状とした弧状貫通孔7aとして形成されたものである。該弧状貫通孔7aは、溝幅が周方向に沿って移動するに従い次第に大きくなるように設定されたり、或いは次第に小さくなるように設定されている。
【0021】
この弧状貫通孔7aは、図6,図7に示すように、前記通気孔3と交わって、空気の流入が可能なように連通する交わり領域Sを構成する。すなわち、交わり領域Sとは、通気孔3と外気流入孔7とが交じり合うことにより形成された通気孔3の露出開口部分である。この交わり領域Sについては、図7▲2▼乃至▲6▼に開示している。
【0022】
この交わり領域Sは、ダイアルBをダイアル座部2上で回動させることによりその広さを適宜増減することができる。このように、ダイアルBが前記ダイアル座部2上で回動させると、前記弧状貫通孔7aは、前記通気孔3上を通過し、該通気孔3と外気流入孔7aとが連通する状態となる。そして、外気流入孔7aと通気孔3との連通箇所は、図7▲1▼乃至▲6▼に示すように、外気流入孔7aとの交わり領域Sの広さにより前記通気孔3の開口露出状態を適宜変化させることができる。
【0023】
前述したように弧状貫通孔7aは、円板状本体部6の周方向に沿って次第に溝幅が拡開するように形成され、ダイアルBの回動操作により、前記弧状貫通孔7aと通気孔3との交わり領域Sが次第に大きくなったり、或いはダイアルBの回動方向を反対にすることにより前記交わり領域Sが次第に小さくなってゆく。ここで、外気流入孔7において、前記通気孔3が全閉状態となるか、或いは該通気孔3と最も小さい交わり領域Sを形成する周方向端部箇所を始端部7p1 と称する。また、外気流入孔7において、前記通気孔3が全開となる交わり領域Sを形成する周方向端部を終端部7p2 と称する。
【0024】
そのダイアルBを適宜に回動させることにより、図6,図7に示すように、外気流入孔7と前記通気孔3との交わり領域Sは、前記始端部7p1 側から終端部7p2 側に向かって次第に広く(大きく)なる。そして、前記始端部7p1 箇所では、図6(A)に示すように、交わり領域Sは形成されず、すなわちゼロであり、外気流入孔7と通気孔3とは流通していない。なお、外気流入孔7の形状によっては、その始端部7p1 で交わり領域Sが僅かに存在する最小状態となることもある。また、前記終端部7p2 では、前記通気孔3は全開状態となる。このようにして、前記通気孔3と外気流入孔7aとの交わり領域Sによる連通箇所は、パイプ本体Aの外部から内部への空気流入量を適宜に調整することができるものである。
【0025】
前記弧状貫通孔7aは、図2,図6に示すように、ほぼ「C」字形で前記円板状本体部6の円周方向に沿って円弧状に形成された貫通孔である。その弧状貫通孔7aは、図6に示すように、前記ダイアルB(円板状本体部6でもよい)の直径方向にて対向する両内周壁面において、前記ダイアルBの外周側寄りの内周壁面7a1 がダイアルBの回動中心に対して渦巻き線状に形成されている。
【0026】
すなわち、内周壁面7a1 は、前記始端部7p1 側から終端部7p2 側に向かって次第に回動中心から離れてゆくように形成されたものである。また、その弧状貫通孔7aの形成範囲、すなわち弧状貫通孔7aの始端部7p1 から終端部7p2 までが前記ダイアルBの回動中心(回動中心用軸孔6bの位置)を基準にして180度から300度の範囲で形成されることが好適である。
【0027】
上記弧状貫通孔7aの渦巻き線状状の内周壁面7a1 は、前記ダイアルBの回動に伴って、図7▲1▼乃至▲6▼に示すように、前記通気孔3の開口と交差するようにして移動し、その交わり領域Sを徐々に増加させながら、前記通気孔3が全閉状態から全開状態となるように次第に変化させることができる。なお弧状貫通孔7aを含めて全タイプの外気流入孔7の終端部7p2 側は、図6(C),図7▲6▼に示すように、前記通気孔3の開口全体が十分に入ることできる広さが確保されている。前記渦巻き線状に形成された内周壁面7a1 は、ダイアルBの外周側寄りとしたが、ダイアルBの回動中心用軸孔6b寄りの内周壁面7a1 を渦巻き線状に形成することもあり、この場合には、内周壁面7a1 は、始端部7p1 から終端部7p2 に向かって回動中心用軸孔6bに次第に近づくように形成される。
【0028】
また、第1タイプの弧状貫通孔7aの変形例として、図8に示すように、渦巻き線状は、曲線状ではなく、ほぼ折れ線状としたものであってかまわない。この折れ線状とした弧状貫通孔7aは、多数の短い単位直線が連続したものであるが、これによって、前記通気孔3の開口を交差する内周壁面7a1 は、直線状であるため、交わり領域Sを段階的に調整することができる。具体的には、渦巻き線状の内周壁面7a1 を構成する単位直線の数が多いほど交わり領域Sの段階調整を段数の多い調整にすることができる。
【0029】
次に、外気流入孔7の第2タイプとしては、図9に示すように、一つの内周壁面7a1 のみを渦巻き線状としたものではなく、前記ダイアルBの直径方向において対向する両内周壁面7a1 ,7a1 が渦巻き線状に形成されたものである。この場合に両内周壁面7a1 ,7a1 は、弧状貫通孔7aの始端部7p1 から終端部7p2 に向かって次第に幅が狭くなるように形成されている。
【0030】
この第2タイプの弧状貫通孔7aの終端部7p2 が最も幅広の部分であり、図9(C)に示すように、前記通気孔3の開口全体が入る交わり領域Sとなり、通気孔3の開口全体である。また、弧状貫通孔7aの始端部7p1 に近づくに伴い、図9(B)に示すように、前記通気孔3の開口は直径方向の両側より両内周壁面7a1 ,7a1 により狭められることになる。また、通気孔3の全閉状態は、図9(A)に示すように、弧状貫通孔7aの始端部7p1 よりも円周方向において外れた位置となる。
【0031】
次に、外気流入孔7の第3タイプとしては、サイズの異なる小孔が複数集合して、これらが円周方向に連なる小孔群7bとしたものである。該小孔群7bは各小孔7b1 ,7b2 ,…,7bn が円周状列とした集合体である。添字nは、小孔群7bの個数であり、小孔群7bの数が10個の場合は最終(終端部7p2 側に相当)の小孔7b10となる。小孔群7bを構成する小孔7b1 ,7b2 ,…,7bn は、始端部7p1 から終端部7p2 に向かってそれぞれのその直径が次第に大きくなるように配列されたものである。
【0032】
そして、小孔群7bの個々の小孔が通気孔3と連通することにより、通気孔3の開口露出状態の小から大に変化するようになっている。そして最終の小孔7bn を除く、その他の小孔群7bは、図10(B)に示すように、通気孔3の開口よりも狭く形成されている。最終(終端部7p2 側に相当)の小孔7bn は、図10(C)に示すように、通気孔3の開口よりも大きく、通気孔3が十分に入ることができる広さを有する。
【0033】
次に、パイプ本体Aには、図2(B),図4(A)に示すように、仮固定手段8が具備されている。該仮固定手段8は、その通気孔3と外気流入孔7との交わり領域Sの大きさ(広さ)を適当な段数に設定し、前記通気孔3を所定の大きさの開口露出状態でダイアルBをダイアル座部2上で仮固定する役目をなす。その仮固定手段8は、前記ダイアルBが適宜の回動の角度位置又は所望の角度位置で仮固定させることができるものである。この仮固定とは、前記ダイアルBがダイアル座部2上にて一定以下の外力によっては回動しないように固定されるものである。すなわち一定以上の外力がかかることにより、ダイアルBは回動させることができる。
【0034】
そのダイアルBを仮固定するための仮固定手段8には、複数のタイプが存在し、その第1タイプとしては、図2,図4(A)に示すように、バネ等の弾性部材8aと、該弾性部材8aが嵌合する被嵌合部8bとから構成される。前記弾性部材8aは、図2,図3及び図4(A)に示すように、前記ガイド周壁2bの仮固定用壁部2d箇所に装着されている。その弾性部材8aは、前記仮固定用壁部2d箇所に固着される弾性片8a1 と、前記被嵌合部8bに嵌合する嵌合片8a2 からなる。そして前記弾性片8a1 を介して嵌合片8a2 が弾性的に前記被嵌合部8bと嵌合するものである。
【0035】
該被嵌合部8bは、前記ダイアルBの円板状本体部6の外周側面に複数(多数)形成されたものであって、具体的には円板状本体部6の外周に所定間隔に形成された小凹み(窪み)状として形成されたものである。その被嵌合部8b具体的には、図4(A)に示すように、ほぼ「V」字形状に形成されている。その被嵌合部8bは、前記外気流入孔7aの円周方向における長さが等間隔、又は前記通気孔3の開口面積が等間隔で次第に大きくなるようにして、適正段数が設定される。
【0036】
そして、その設定された段数に応じてダイアルBが適宜の位置で仮固定される構造としている。その適正段数としては、通常10段とすることが好適であるが、必ずしもこの段数に設定されることはなく必要に応じて段数を増加しても或いは減少させてもかまわない。また、仮固定手段8の第1タイプの変形例として、図13に示すように、前記ダイアルBが一方向にのみ回転する構造としたものが存在する。具体的には、前記被嵌合部8bの形状が直角三角形状に形成されている。
【0037】
すなわち、前記被嵌合部8bは、図13に示すように、直角辺8b1 と傾斜辺8b2 とから形成されている。そして、前記直角辺8b1 はダイアルBが前記交わり領域Sの広さを増加させる回転方向の前方側に位置して形成されている。これによって、前記ダイアルBは、交わり領域Sの広さが増加する回転方向には回転が可能であるが、該交わり領域Sの広さが減少する方向には嵌合片8a2 が直角辺8b1 に食い込むように当接し、嵌合片8a2 と被嵌合部8bとがストッパ的な役目をなし、ダイアルBを回転不能にするものである。この仮固定手段8の第1タイプの変形例は、交わり領域Sを大きくするのみで、小さくすることができないようにするものであり、禁煙しようとする意志がくじけそうになることを防止できるものである。
【0038】
さらに、仮固定手段8の第2タイプでは、図11(B)に示すように、ダイアルB側に仮固定用突起8c1 が形成されている。また、前記ダイアル座部2側には、図11(A)に示すように、回動中心軸2cの周囲に多数の凹部8c2 ,8c2 ,…が形成されている。そして、図11(C)に示すように、前記ダイアルBに形成された仮固定用突起8c1 が前記多数の凹部8c2 ,8c2 ,…のいずれかに嵌合して、ダイアルBがダイアル座部2上に仮固定された状態となる。その凹部8c2 は複数形成されるが、具体的には設定された仮固定の段数によって決定されるものである。
【0039】
なお、この仮固定手段8にともなって、ダイアルBに目盛り部10が設けられることもある。そして、前記通気孔3と外気流入孔7との交わり領域Sの大きさを目盛り部10により目視できるようにしたものである。具体的には、図6に示すように、そのダイアル座部2に指針部10aが設けられ、ダイアルBの外周付近に目盛り数値部10bが設けられる。その指針部10aは、ダイアル座部2の操作用開放部2b1 箇所に三角形状に刻印されており、目盛り数値部10bはダイアルBの周囲に数字として記載されている。目盛り数値部10bの数値は、10段階に記載され、「1」乃至「10」が等間隔に記載される。そして、たとえば、目盛り「1」の場合は、通気孔3が全閉状態であり、目盛り「10」の場合は、通気孔3が全開状態とする。その目盛り数値部10bは、数字にしないで、通気孔3と外気流入孔7との交わり領域Sの大きさを示すようにしたものであってもよい。
【0040】
また、前記ダイアルBをダイアル座部2に装着するために、前記パイプ本体Aとは別材からなる押え部材9が使用される。該押え部材9は、複数のタイプが存在している。その第1タイプは、図2(A)に示すように、キャップ材9aとしたものであり、前記本体中心部A1 のダイアル座部2に形成されたガイド周壁2bに被覆する構造としたものである。そのキャップ材9aは、被覆面9a1 及びキャップ側面9a2 及び固定用突起片9a3 とからなる。
【0041】
前記被覆面9a1 は、前記ダイアル座部2の平面形状とほぼ同等形状をなしており、ダイアル座部2に装着されたダイアルB及び仮固定用壁部2d等を被覆し前記ダイアルB及び仮固定手段8を外部より保護する。その被覆面9a1 には、通気孔3,外気流入孔7に連通する空気孔9a4 が形成されている。そして、該空気孔9a4 によって、連通した通気孔3と外気流入孔7に空気を送り込むことができる。
【0042】
また、被覆面9a1 の周囲に前記キャップ側面9a2 が形成されている。該キャップ側面9a2 は前記ガイド周壁2bと重合する状態で装着される。また前記固定用突起片9a3 は前記ガイド周壁2bに形成された被嵌合溝2b2 に嵌合する。これによって、キャップ側面9a2 は、ダイアル座部2に固着される。このとき、図1(A)に示すように、ダイアル座部2にキャップ材9aを被せた状態でもダイアルBの一部が外部に突出して、ダイアルBを回動操作可能となっている。
【0043】
その押え部材9の第2タイプとしては、図12(A)に示すように、前記ダイアルBをダイアル座部2上に適宜の押圧力にて押さえ付けるようにしてダイアルBを支持するアタッチ材9bとしたものである。該アタッチ材9bは、ダイアル座部2上のダイアルBを被覆するための押え片9b1 と、前記本体中心部A1 の中心管部1の外周に巻きつけるようにして装着する抱持部9b2 とから構成される。該抱持部9b2 は、図12(B)に示すように、適正な弾性を有するものであり、前記押え片9b1 が前記ダイアルBをダイアル座部2に対して適正な押圧で且つ弾性的に押さえることができる。これによって、前記ダイアルBは、仮固定用突起8c1 と凹部8c2 との嵌合及び嵌合解除時にダイアル座部2上を上下動することができ、良好な回動動作とともに仮固定状態を実現できる。
【0044】
【発明の効果】
請求項1の発明は、喫煙者に対して負担やストレスをかけずに、ニコチン,タールを排除し、吸い込む煙の量も減らし、最終的に禁煙に至るようにできる。また交わり領域の調整を段階的に行うことができ、現在の喫煙状態でどの程度のニコチンの吸込み量となるかを目視にて容易に確認することができると共に、ダイアルを容易、確実に所望の角度位置に回動させ、かつ所望の角度位置で仮固定できるから、交わり領域の調整を確実に行うことができる。
さらに極めてシンプルな構造で保守,管理を行いやすく、かつ本体中心部と吸い口部とタバコ装着部を分離して清掃可能で永続性のある使用ができる等の効果を奏する。
【0045】
上記効果を詳述すると、パイプ本体Aには、通気孔3が形成され、ダイアルBには前記通気孔3と連通する外気流入孔7が形成されたものである。その外気流入孔7と通気孔3との交わり領域Sを徐々に変化させることで、通気孔3の開口露出状態を全閉状態から全閉状態に亘って,徐々に或いは次第に大きくなるように調整することができる。これによって、最初は交わり領域Sをゼロ又は小さくすることで、前記通気孔3の開口露出状態が全閉又は最小状態にして使用することができ、喫煙者は、タバコの煙をほぼ吸い込むことができ、通常の喫煙状態にできる。
【0046】
そして、適宜の一定使用期間に亘って、交わり領域Sを増加させてゆくことで、その通気孔3の開口露出状態が次第に大きくなり、パイプの外部より通気孔3を介して空気が流入し、喫煙者が吸い込もうとするタバコの煙が流入した空気により希薄される。そして喫煙者は、タバコの煙の吸引量を減らし、通気孔3から流入する空気を吸うことになり、結果としてタバコの煙内のニコチンの量を減らすことができる。このようにして、ダイアルBを回動させて交わり領域Sを大きくして、空気の流入量を増加させることで、喫煙者は喫煙時の有害なニコチン,タールから保護されるとともに、次第にタバコの味が希薄となり、やがて禁煙を達成しうるものである。
【0047】
請求項2の発明は、仮固定手段を、ダイアル周囲に設けた小凹み状の複数の被嵌合部と、ダイアル座部のガイド周壁に設けた弾性部材により構成し、前記被嵌合部に前記弾性部材を嵌合することでダイアルを仮固定するようにしたから、簡単な操作で弾性部材の弾発力を利用してダイアルを仮固定することができる。
【0048】
請求項3の発明は、仮固定手段を、ダイアル周囲に設けた直角辺と傾斜辺からなる直角三角形状の複数の被嵌合部と、ダイアル座部のガイド周壁に設けた弾性部材により構成し、前記被嵌合部に前記弾性部材を嵌合することでダイアルを仮固定するようにしたから、ダイアルが一方向にのみ回転する構造であるため、交わり領域を小さくすることができないため、禁煙しようとする意思がくじけそうになることを防止して、確実な禁煙効果を得ることができる。
【0049】
請求項4の発明は、仮固定手段を、ダイアル側に形成した仮固定用突起と、ダイアル座部側に形成した多数の凹部により構成し、前記仮固定用突起を前記凹部に嵌合することでダイアルを仮固定するようにしたから、構造がシンプルとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の斜視図
(B)は本発明の縦断側面図
(C)は本発明の一部断面にした分解側面図
【図2】(A)は本発明の要部の拡大分解斜視図
(B)は本発明の要部の拡大斜視図
【図3】ダイアル座部の平面図
【図4】(A)は第1タイプの仮固定手段の要部拡大平面図
(B)はダイアルを下面より見た斜視図
【図5】本発明の要部分解縦断側面図
【図6】(A)は第1タイプの外気流入孔において通気孔の全閉状態とした作用図
(B)は第1タイプの外気流入孔において通気孔の中間開き状態とした作用図
(C)は第1タイプの外気流入孔において通気孔の全開状態とした作用図
【図7】通気孔と外気流入孔との交わり領域が変化する▲1▼〜▲6▼状態を示す作用図
【図8】(A)は第1タイプの変形例の外気流入孔において通気孔の全閉状態とした作用図
(B)は第1タイプの変形例の外気流入孔において通気孔の中間開き状態とした作用図
(C)は第1タイプのの変形例外気流入孔において通気孔の全開状態とした作用図
【図9】(A)は第2タイプの外気流入孔において通気孔の全閉状態とした作用図
(B)は第2タイプの外気流入孔において通気孔の中間開き状態とした作用図
(C)は第2タイプの外気流入孔において通気孔の全開状態とした作用図
【図10】(A)は第3タイプの外気流入孔において通気孔の全閉状態とした作用図
(B)は第3タイプの外気流入孔において通気孔の中間開き状態とした作用図
(C)は第3タイプの外気流入孔において通気孔の全開状態とした作用図
【図11】(A)は第2タイプの仮固定手段におけるダイアル座部の斜視図
(B)は第2タイプの仮固定手段におけるダイアル斜視図
(C)は第2タイプの仮固定手段における要部縦断側面図
【図12】(A)は第2タイプの押え部材の正面図
(B)は第2タイプの押え部材をパイプ本体に装着した正面図
【図13】仮固定手段の第1タイプの変形例を示す要部平面図
【図14】(A)は本発明の作用図
(B)は本発明におけるニコチン除去状態を示すグラフ
【符号の説明】
A…パイプ本体
1 …本体中心部
B…ダイアル
3…通気孔
4…吸い口部
5…タバコ装着部
7…外気流入孔
7a…弧状貫通孔
7b…小孔群

Claims (4)

  1. 本体中心部と吸い口部とタバコ装着部を着脱自在に取り付けてパイプ本体を構成し、
    前記本体中心部の外周に、通気孔とダイアルの回動中心軸とガイド周壁を設けたダイアル座部を構成する一方、
    円周方向に沿って形成される外気流入孔を有し、前記ダイアル座部の回動中心軸に回動自在に軸支される円板状のダイアルを構成し、
    このダイアルはダイアル座部に対して所定の等角度で仮固定される仮固定手段を備え、
    前記ダイアルの回動で前記通気孔と外気流入孔との交わり領域を前記通気孔の全閉状態から全開状態における適宜の範囲で増減自在とした禁煙パイプ。
  2. 前記仮固定手段を、ダイアル外周側面に所定間隔に形成された小凹み状の複数の被嵌合部と、ダイアル座部のガイド周壁に設けた弾性部材により構成し、前記被嵌合部に前記弾性部材を嵌合することでダイアルを仮固定する請求項1記載の禁煙パイプ。
  3. 前記仮固定手段を、ダイアル外周側面に所定間隔に形成された直角辺と傾斜辺からなる直角三角形状の複数の被嵌合部と、ダイアル座部のガイド周壁に設けた弾性部材により構成し、前記被嵌合部に前記弾性部材を嵌合することでダイアルを仮固定する請求項1記載の禁煙パイプ。
  4. 前記仮固定手段を、ダイアルに形成した仮固定用突起と、ダイアル座部の回動中心軸の周囲に形成した多数の凹部により構成し、前記仮固定用突起を前記凹部に嵌合することでダイアルを仮固定する請求項1記載の禁煙パイプ。
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