JP4295125B2 - ブレーキディスク防錆用ホイールカバー - Google Patents

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本発明は、ホイールディスクに形成された飾り孔から、ブレーキディスクに水分が付着することを防止するために、ホイールの表面側から該飾り孔を覆うブレーキディスク防錆用ホイールカバーに関するものである。
例えば、自動車に装着されるホイールには、意匠性の向上や、ブレーキディスクの放熱性向上のため、周方向に沿って複数の飾り孔が形成されていることが一般的である。このホイールは、タイヤが組み付けられた後、自動車の生産ラインで車軸に取り付けられる。このように生産された自動車は、顧客に引き渡されるまでの間に、一時的に保管され、顧客のもとに輸送される。このような保管時や輸送時には、自動車は雨水や水分を含んだ空気等に曝されることから、前記ホイールの飾り孔から覗くブレーキディスクが錆び付き易い。特に、フェリー等の輸送船によって海上輸送される場合には、飾り孔から、塩分を含む空気が直接的にブレーキディスクに触れることとなり、該ブレーキディスクが一層錆び付き易くなっている。このように錆び付いたブレーキディスクは、ブレーキディスク性能に影響しなくとも、飾り孔から比較的簡単に視認できるため、顧客の心証を損なうことともなり得る。このため、自動車メーカーでは、近年、顧客に引き渡されるまでの間における、ブレーキディスクの錆び付き防止を重要視している。
そして、このようなブレーキディスクの錆び着きを防止する手段として、ホイールの表面側からホイールカバーを装着したり、ホイール表面にフィルムを貼ることによって、飾り孔から直接的に水分がブレーキディスクに付着することを防ぐ手段が種々提案されている。ここで、ホイールの表面側から装着されるホイールカバーとして、ホイールの表面形状とほぼ同形状に形成され、ホイール表面に重ね合わせるように装着するものが存在する。このホイールカバーを装着することにより、飾り孔を閉鎖して、水分等が進入することを防ぐようにしている。
また、ホイールカバーとして、例えば、特許文献1にあるように、ホイールディスクの全面を表側から被覆する皿形状をなし、車軸とホイールとを固定する締付ナットに係合させる円筒状係止部を備え、該円筒状係止部を締付ナットに係合することによりホイールに装着するようにした構成が提案されている。このホイールカバーは、ホイール全面を覆うものであるから、水分等が飾り孔から進入してブレーキディスクに付着することを防ぐことができる。
特許第3386957号公報
ところで、上述したホイール表面に重ね合わせて装着するホイールカバーにあっては、ホイール表面形状とほぼ同形状に形成することにより重合可能としているものであるから、適切に飾り孔を閉鎖することが可能である。ここで、例えば自動車用ホイールには、表面形状の異なるホイールが多種類存在する。また、意匠性向上のため、ホイール表面形状が複雑化している。そのため、当該ホイールカバーは、例えリム径が同じであっても、様々な表面形状に応じて複数種類のものを製造する必要がある。そして、複数種類のホイールカバーを、各種類毎に分けて保管したり、装着作業時にはホイール種類に適合するものを準備する必要があり、ホイールカバーの装着作業に準ずる作業が繁雑化することとなっている。さらには、複雑化する形状に合わせてホイールカバーの形状も複雑化することとなり、製造コストが増加すること、及び、市場の嗜好に合わせて刻々と変化する形状に対して、順次新たなホイールカバーを製造する必要があるという問題が生じている。
一方、上記した特許文献1のホイールカバーにあっては、ホイールに装着するために形成された円筒状係止部を、締付ナットにより締め付けられるボルトの配設位置に応じて形成することが必要となる。このボルトは、車軸のハブから突出するように形成されており、ホイールに形成されたボルト孔に挿入されて、前記締付ナットにより締付けられることによって該ホイールを車軸に固定するものである。ここで、自動車では一般的に、車種やメーカーによって、ボルト配設数や該ボルトの形成ピッチ(ホイールのボルト孔ピッチ径P.C.D)が異なっている。このため、この従来のホイールカバーは、例えリム径が同じホイールであっても、前記ボルト配設数やP.C.Dに応じて円筒状係止部の形成位置が異なるものを用意しなければならない。さらには、自動車用ホイールにあっては、ホイールディスクの径方向剛性の向上のため、軸方向に隆起する形状を有しているものが多い。そして、最も隆起した軸方向位置と、締付ナットの軸方向位置との位置間隔も、ホイール種類に応じて様々であることから、前記円筒状係止部の軸方向長さも、該位置間隔に従って設定しなければならず、一層多くの種類のホイールカバーを準備しなければならない。また、このように円筒状係止部の異なる複数種類のホイールカバーを用いる場合には、上述と同様に、装着作業に準ずる作業が繁雑化することとなる。
また、このようなホイールカバーには、上述したように締付ナットに係止して装着する構成の他に、ハブ孔に係止する構成や飾り孔に係止する構成のものも提案されているが、ハブ孔径や飾り孔形状にあっても、車種やメーカーによって異なっていることから、上述と同様に、それぞれの種類に適合する形状のものを用意しなければならない。
一方、ホイールの表面にフィルムを貼り付けるようにした場合では、顧客に引き渡される時に、このフィルムを取り外した跡に、当該フィルムから糊が付着して残っていることがあり、これを取り除く作業を必要とする。また、ホイールは、力学的特性や意匠性向上のため複雑な形状を有しているものであるから、フィルム張り付け時にあって、フィルムにシワが生じたり、フィルムが破れたりすることもあり得る。このようにシワや破損部位が生じると、ここから水分が進入することともなり得るため、フィルムの貼り付け作業が、極めて難しい作業となっている。
本発明は、上述した問題点を生じず、ホイールに容易に装着し得るブレーキディスク防錆用ホイールカバーを提案するものである。
本発明の第一発明は、ホイールディスクに周方向に沿って設けられた複数の飾り孔を、ホイールディスク表面側から覆うほぼ平らな円環状主覆部と、該円環状主覆部の、内周端から径方向外側に至る環状域に形成され、ホイールに装着された場合に、ホイールディスク表面形状に倣って変形可能となる易変形環状域と、前記円環状主覆部の外周端からさらに外方へ延成され、かつホイールリムの表面側ハンプ部の内周面に嵌合されて、径外方向に付勢力を発揮する略U字状折返嵌合部とを備えていることを特徴とするブレーキディスク防錆用ホイールカバーである。
一方、本発明の第二発明は、ホイールディスクに周方向に沿って設けられた複数の飾り孔を、ホイールディスク表面側から覆うほぼ平らな円環状主覆部と、該円環状主覆部の、内周端から径方向外側に至る環状域に形成され、ホイールに装着された場合に、ホイールディスク表面形状に倣って変形可能とする易変形環状域と、前記円環状主覆部の外周端からさらに外方へ延成され、かつホイールリムの表面側フランジ部の内周面に嵌合されて、径外方向に付勢力を発揮する略U字状折返嵌合部とを備えていることを特徴とするブレーキディスク防錆用ホイールカバーである。
かかる第一発明の構成及び第二発明の構成にあって、ほぼ平らな円環状主覆部に形成した易変形環状域は、当該ホイールカバーがホイールに装着された場合に、一般的に軸方向に隆起する形状を有するホイールディスク表面形状に倣うように変形させ、周方向に沿ってホイール表面に当接させるようにしたものである。すなわち、円環状主覆部の易変形環状域は、自動車用ホイールのように、軸方向に隆起する形状やこの隆起高さの異なる様々な形状を有する多種類のホイールにあっても、適正かつ容易に変形してホイールディスク表面と当接することができ得る。したがって、かかる構成のホイールカバーは、ホイールに装着された場合に、円環状主覆部が飾り孔をホイール表面側から覆い、かつ、該円環状主覆部とホイールディスク表面との間が当接して水分の進入を妨げていることから、該飾り孔から水分が進入することを防ぐことができる。
ここで、本発明のホイールカバーにあっては、上述のように、易変形環状域を様々な形状のホイール表面に当接するようにしたものであるから、円環状主覆部はほぼ平らな形状に形成され、飾り孔をホイール表面側から覆うことができるようにしている。このため、円環状主覆部は、ホイール表面形状に関係なく、飾り孔から水分等を進入させないように該飾り孔を覆うことができる。したがって、本発明のホイールカバーは、リム径がほぼ同じであるホイールにあって、ホイール表面形状の異なる様々なホイールに装着することができ得る。また、上述したように、自動車用ホイールは車軸のハブと接合するボルト配設数やP.C.Dが様々に異なるものが存在する。このようなボルト配設数やP.C.Dの異なるホイールにも、本発明のホイールカバーは装着することができる。したがって、本発明のホイールカバーは、同一リム径のホイールに、同じ寸法のものを容易かつ適正に装着することが可能である。而して、上述した従来のホイールカバーのように、ホイールの種類に応じて多種類の形状を用意する必要がなく、装着作業及びこれに準ずる作業も軽微であると共に、市場の嗜好に応じてホイール表面形状が次々に変化するホイールにも対応可能である。
さらに、かかる第一発明にあっては、略U字状折返嵌合部をホイールリムの表面側ハンプ部内周面に嵌合することにより、当該ブレーキディスク防錆用ホイールカバーをホイールに装着するものであり、また、第二発明にあっては、略U字状折返嵌合部をホイールリムの表側フランジ部の内周面に嵌合することにより、当該ブレーキディスク防錆用ホイールカバーをホイールに装着するものである。そして、両者の略U字状折返嵌合部は、それぞれ嵌合された場合に、径内方向へ弾性変形し、この変形に反して径外方向へ付勢力を発揮するものであるから、この付勢力により当該ホイールカバーがホイールにしっかりと装着されることとなり得る。このように、本発明のホイールカバーは、略U字状折返嵌合部の弾性変形により装着されることから、比較的容易にホイールに装着可能であると共に、自動車の輸送時に装着したまま走行しても外れることがない。また、例えば、自動車用ホイールにあって、同じリム径であり、かつハンプ部内周径やフランジ部内周径が異なる寸法である場合でも、略U字状折返嵌合部の弾性変形量を適切に設定することによって、充分な付勢力を発揮して装着させることができる。
また、上述したように、本発明のホイールカバーがホイールに装着された場合にあって、ホイールディスク表面形状に倣うように変形した易変形環状域には、元の状態に回復しようする反力が生じる。この反力により、当該易変形環状域は、ホイールディスク表面に膠着された状態となり、ホイールカバーは内周側でホイールに強く固定されることとなり得る。したがって、当該ホイールカバーは、上述した略U字状折返嵌合部によって外周側で固定され、易変形環状域により内周側で固定されることとなり、ホイールに一層強固に固定されることとなり得る。
このように、本発明のブレーキディスク防錆用ホイールカバーを装着することにより、ホイールの意匠性向上とブレーキディスクの発する熱を放射するために形成された飾り孔から、雨水や水分を含んだ空気がブレーキディスクに付着することを防止できる。したがって、生産された自動車が顧客に引き渡される迄の間に、ブレーキディスクが錆び付くことを防ぎ得る。また、このホイールカバーは、自動車をカーフェリーで輸送する場合に、該カーフェリーへの乗船や降船時等に自走する場合でも外れることがないから、海上での塩分を含んだ空気から適切にブレーキディスクの錆び付きを防止できる。而して、生産国から他の国へ輸出された場合でも、ブレーキディスクは錆び付かず、顧客の信用を低下させることが無い。
さらに、本発明のブレーキディスク防錆用ホイールカバーは、円環状主覆部の内周端から内方領域を空域として、ボルト孔の形成されるホイールディスク中央部を被覆しないようにしていることから、自動車にホイールを取り付ける前に、該ホイールに装着しておくことができるという優れた利点も有する。また、このように略円環形状となっていることから、上述した従来の締付ナットに係合させる構成に比して、この内方空域に相当する重量だけ形態として軽量化されることとなる。また、この空域に相当する量の材料を必要としないことから、材料費も低減される。
ここで、易変形環状域は、ホイールディスク表面形状に倣って変形可能となっているものであるから、径方向内側に向かって徐々に低弾性化する構成が好適に用い得る。この構成では、径内方向に低弾性化するに伴って、ホイールディスク表面形状への倣い作用も高くなることから、易変形環状域がホイールディスク表面形状に倣うように滑らかに変形することとなり得る。このため、易変形環状域は、ホイールディスク表面への当接性に優れたものとなる。この易変形環状域としては、低弾性の材料を用いたり、板厚を薄くすること等により形成することが可能である。さらには、後述のように、スリットや凹溝を設けることによっても形成することができ得る。
上述した第一発明及び第二発明のブレーキディスク防錆用ホイールカバーにあって、易変形環状域が、ホイールに装着された場合に飾り孔の直上に配されないように、周方向にほぼ等角度間隔で、円環状主覆部の内周端から径外方向に沿って切断された複数のスリットを備えてなる構成が提案される。かかる構成にあっては、周方向にほぼ等間隔で形成されたスリットを周方向に拡幅することによって、易変形環状域を、ホイールディスク表面形状に倣って、ホイール軸方向に向かって折り曲げるように変形させることが可能である。したがって、自動車用ホイールのように、軸方向に隆起する形状を有するホイールディスク表面形状にあっても、スリットが周方向に拡幅して、当該易変形環状域が該隆起する形状に倣って変形し、易変形環状域とホイールディスク表面とを適切に密接させ得る。そして、このスリットが形成された易変形環状域を備えることにより、当該円環状主覆部は、上述のように、ホイール表面形状に関係なく装着できることとなる。
さらに、このスリットは、当該ホイールカバーをホイールに装着した場合に、飾り孔の直上に配されないようにすることを要する。これは、ホイールに装着した場合に、拡幅したスリットから水分が飾り孔に進入しないようにするためである。したがって、スリットは、隣り合う飾り孔間に配されるように、飾り孔の形成間隔と同じ間隔で形成するか、或いは、飾り孔の形成間隔とほぼ正数倍となる間隔で形成することが好適である。尚、この易変形環状域は、飾り孔に水分が入らないようにするため、少なくとも、周方向に拡幅したスリットの周辺域がホイールディスク表面に当接することとなるように、該スリットの形成間隔やスリット長さ等を設定している。かかる構成の易変形環状域が形成されてなることにより、上述した本発明の作用効果を正確かつ確実に発揮することができる。
一方、第一発明及び第二発明のブレーキディスク防錆用ホイールカバーにあって、易変形環状域が、ホイールに装着された場合に飾り孔の直上に配されないように、周方向にほぼ等角度間隔で、円環状主覆部の内周端から径外方向に沿って形成された複数の凹溝を備えてなる構成も提案される。かかる構成では、易変形環状域にあって、凹溝の形成部位は局部的に薄肉化されていることから、周方向に沿って低弾性化された部位がほぼ等間隔で存在することとなる。このため、各凹溝を周方向に拡幅するように変形させることができ、この拡幅変形によって、易変形環状域をホイール軸方向に向かって折り曲げるように変形させることが可能である。したがって、自動車用ホイールのように、軸方向に隆起する形状を有するホイールディスク表面形状にあっても、凹溝が周方向に拡幅変形して、当該易変形環状域が該隆起する形状に倣って変形し、易変形環状域とホイールディスク表面とを適切に密接させ得る。そして、この凹溝が形成された易変形環状域を備えることにより、当該円環状主覆部は、上述のように、ホイール表面形状に関係なく装着できることとなる。
さらに、この凹溝は、当該ホイールカバーをホイールに装着した場合に、飾り孔の直上に配されないようにすることを要する。これは、ホイールに装着した場合に、易変形環状域の内周端から凹溝をつたって水分が飾り孔に入らないようにするためである。したがって、凹溝は、上述のスリット同様に、隣り合う飾り孔間に配されるように、飾り孔の形成間隔と同じ間隔で形成するか、或いは、飾り孔の形成間隔にほぼ正数倍となる間隔等により形成されることが好適である。かかる構成の易変形環状域が形成されてなることにより、上述した本発明の作用効果を正確かつ確実に発揮することができる。
ここで、易変形環状域の凹溝が、板厚に対する溝深さが内方に向かうに従って大きくなるように形成されてなる構成が提案される。これにより、凹溝は、内方に向かうに従って周方向に拡幅変形し易くなるから、当該易変形環状域は内方ほどホイールディスク表面形状への倣い作用が高くなる。したがって、易変形環状域は、ホイールディスク表面形状に倣って一層滑らかに変形し、ホイールディスク表面への当接性がさらに優れるものとなると共に、充分な当接面積を確保することができる。而して、上述したように、様々な表面形状を有するホイールに一層適正かつ容易に装着することができると共に、飾り孔から水分が進入しないという作用効果を一層向上させ得る。
本発明は上述したように、ホイールディスクの飾り孔をホイールディスク表面側から覆うほぼ平らな円環状主覆部と、該円環状主覆部の、内周端から径方向外側に至る環状域に形成され、ホイールに装着された場合に、ホイールディスク表面形状に倣って変形可能となる易変形環状域とを備えたブレーキディスク防錆用ホイールカバーであり、第一発明はさらに、前記円環状主覆部の外周端からさらに外方へ延成され、かつホイールリムの表面側ハンプ部の内周面に嵌合されて、径外方向に付勢力を発揮する略U字状折返嵌合部を備えるものである。また、第二発明は、さらに、前記円環状主覆部の外周端からさらに外方へ延成され、かつホイールリムの表面側フランジ部の内周面に嵌合されて、径外方向に付勢力を発揮する略U字状折返嵌合部を備えるブレーキディスク防錆用ホイールカバーである。かかる構成としたことにより、以下の効果を発揮し得る。
(1)ホイールに装着した場合に、易変形環状域がホイールディスク表面と当接して、円環状主覆部により覆われる飾り孔に、水分が進入することを防ぎ得る。
(2)易変形環状域が形成されたほぼ平らな円環状主覆部が形成されていることから、ホイール表面形状や、ボルト配設数やP.C.D等に関係なく、様々な種類のホイールに適正かつ容易に装着することができる。
(3)上述した従来のホイールカバーのように、ホイールの種類に応じて多種類の形状を用意する必要がなく、装着作業及びこれに準ずる作業も軽微であると共に、市場の嗜好に応じてホイール表面形状が次々に変化するホイールにも対応可能である。
(4)第一発明の構成、第二発明の構成が夫々に備える各略U字状折返嵌合部により、当該ホイールカバーをホイールに比較的容易に装着できると共に、装着されるとホイールにしっかり固定させ得る。したがって、自動車の輸送時に当該ホイールカバーを装着したまま自走しても外れることがない。
(5)本発明のブレーキディスク防錆用ホイールカバーを装着することにより、飾り孔から、雨水や水分を含んだ空気がブレーキディスクに付着することを防止でき、顧客に引き渡されるまでの間にブレーキディスクが錆び付くことを防ぐことができる。
上述した第一発明及び第二発明のブレーキディスク防錆用ホイールカバーにあって、易変形環状域が、ホイールに装着された場合に飾り孔の直上に配されないように、周方向にほぼ等角度間隔で、円環状主覆部の内周端から径外方向に沿って切断された複数のスリットを備えてなる構成とした場合には、自動車用ホイールのように、軸方向に隆起する形状を有するホイールディスク表面形状にあっても、スリットが周方向に拡幅して、当該易変形環状域が該隆起する形状に倣って変形し、易変形環状域とホイールディスク表面とを適切に密接させ得る。そして、かかる構成の易変形環状域が形成されていることにより、上述した本発明の作用効果を正確かつ確実に発揮することができる。
一方、第一発明及び第二発明のブレーキディスク防錆用ホイールカバーにあって、易変形環状域が、ホイールに装着された場合に飾り孔の直上に配されないように、周方向にほぼ等角度間隔で、円環状主覆部の内周端から径外方向に沿って形成された複数の凹溝を備えてなる構成とした場合には、上述のスリットを備える構成と同様に、自動車用ホイールのように軸方向に隆起する形状を有するホイールディスク表面形状にあっても、凹溝が周方向に拡幅変形して、当該易変形環状域が該隆起する形状に倣って変形し、易変形環状域とホイールディスク表面とを適切に密接させ得る。そして、かかる構成の易変形環状域が形成されていることにより、上述した本発明の作用効果を正確かつ確実に発揮することができる。
ここで、易変形環状域の凹溝が、板厚に対する溝深さが内方に向かうに従って大きくなるように形成されてなる構成とした場合には、該易変形環状域が一層滑らかに変形し、当接性に優れ、様々な表面形状を有するホイールに一層適正かつ容易に装着できると共に、飾り孔から水分が進入しないという作用効果を一層向上させ得る。
本発明の一実施形態例を添付図面を用いて詳述する。
本実施形態例にあっては、スチール製の自動車用ホイール51に装着するブレーキディスク防錆用ホイールカバー1について例示する。このスチール製の自動車用ホイール51は、図1及び図2に示すように、ホイールリム52にホイールディスク53を内嵌してなる、いわゆる汎用ホイールと呼ばれる、最も一般的な形状のものとしている。尚、図1は、この自動車用ホイール51が自動車の車軸71に連結されたハブ72に接合されている状態を表している。ここで、ホイールリム52にあっては、両側の開口にタイヤのサイドウォール部(図示省略)を支持するリムフランジ部55a,55bが形成され、そのホイール軸方向内側に、タイヤのビードを着座させるビードシート部57a,57bが夫々に連成されている。さらに、ホイール表面側(意匠面側)に設けられたビードシート部57aのホイール軸方向内側には、タイヤ装着時にタイヤのビードを落とすためのドロップ部54が、該ドロップ部54から略径方向に立ち上がったウエル部56aを介して設けられている。このウエル部56aとビードシート部57aとの間には、径方向外側に凸状に形成されたハンプ部59aが設けられている。このハンプ部59aは、ビードシート部57aに着座したタイヤのビードがずれないようにするものであり、裏面側のビードシート部57bにも、ウエル部56bに連成されるレッジ部58との間に、このハンプ部59bが設けられている。尚、このハンプ部59a,59bは、ホイールリム52の内周面では凹溝状を成している。また、ウエル部56aには、エアバルブ(図示省略)を取り付けるためのバルブ孔69が形成されている。
一方、ホイールディスク53は、中心にハブ孔60を有し、その径方向外側に位置し周方向に互いに均等間隔で五個のボルト孔61が形成されている。さらに、各ボルト孔61の径方向外側から、軸方向外側に向かって隆起する隆起部62が周成されている。そして、この隆起部62の径方向外側には、軸方向と略平行となるディスクフランジ部63が周成されている。ここで、隆起部62の、最も突出した頂上からディスクフランジ部63に連成される外側傾斜周面67には、周方向にほぼ等間隔で十六個の飾り孔64が形成されている。この飾り孔64は、ホイール51の意匠性を向上させ、かつブレーキディスクから発生する摩擦熱を放熱する作用を発揮するものである。また、ホイールディスク53の、隆起部62の径方向内側領域がハブ取付部65であり、該ハブ取付部65の裏面が、車軸のハブと連結するハブ取付面66である。
このような自動車用ホイール51は、上述したホイールリム52のドロップ部54の内周面に、ホイールディスク53のディスクフランジ部63を内嵌した後、隅肉溶接によって、ディスクフランジ部63の周端域をドロップ部54に溶接して一体化されてなる。なお、隅肉溶接には、アーク溶接、レーザー溶接等の公知技術が用いられる。そして、この自動車用ホイール51に所定のタイヤが組み付けられた後、図1のように、自動車の車軸71に連結されているハブ72に取付られる。ここで、ハブ72には、五個のボルト部74が突成されており、自動車用ホイール51はハブ孔60をガイドとして、該ボルト部74をホイール裏面側からボルト孔61に夫々に挿入させる。尚、ホイール51のボルト孔61のピッチ径(P.C.D)と、ボルト部74のピッチ径とはほぼ同じとなっている。その後、このボルト部74を、ホイール表面側から締付ナット73により所要の締付けトルクで締め付けることにより、ハブ72にハブ取付面66を圧着させて、当該ホイール51を車軸に接合し固定する。ここで、ハブ72の軸方向内側には、ブレーキディスク75が車軸71に連結されており、当該自動車用ホイール51のホイールリム52の内側領域に位置している。そして、このブレーキディスク75は、当該ホイール51の飾り孔64から視認可能となっている。
次に、本発明にかかるブレーキディスク防錆用ホイールカバー1について説明する。
本実施形態例にあっては、上述した一般的な汎用の自動車用ホイール51に装着するものとして、三種類の具体例を示す。実施例1は、ホイールリム52のハンプ部59a内周面に嵌合し、かつ、スリット6が形成された易変形環状域3を備える構成のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1である(図3,図4,図5参照)。また、実施例2は、前記実施例1と同様にハンプ部59aの内周面に嵌合するものであって、凹溝11が形成された易変形環状域3xを備える構成のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1xである(図6,図7参照)。さらにまた、実施例3は、リムフランジ部55の内周面に嵌合し、かつ、凹溝11yが形成された易変形環状域3yを備える構成のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1yである(図8,図9参照)。
以下、これら各実施例を順次詳説する。
(実施例1)
実施例1のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1にあっては、図3(イ)及び図3(ロ)のように、ほぼ平らな円環状主覆部2と、該円環状主覆部2の内周端5から径外方向に切断されたスリット6が形成された易変形環状域3と、前記円環状主覆部2の外周縁から外方に延成された略U字状折返嵌合部4とから構成されている。ここで、円環状主覆部2は、径内方向に向かって軸方向外側に僅かに傾斜するように形成されている。また、この円環状主覆部2は、その径方向長さを、ホイールディスク53に形成された飾り孔64を覆い得るように設定されてなるものである(図4、図5参照)。尚、このホイールカバー1は、ポリプロピレンを主成分とする樹脂材料により成形している。また、スリット6は、易変形環状域3で、周方向にほぼ等間隔で十六箇所に形成されており、この形成間隔は、上述したホイールディスク53の飾り孔64の形成間隔とほぼ等しい。さらに、この易変形環状域3は、内方に向かうに従って徐々に薄肉化された形状となっており、内方に向かって弾性率が低下するようにしている。これにより、この易変形環状域3は、内方ほど容易に変形し易くなっている。
一方、この略U字状折返嵌合部4にあっては、円環状主覆部2の外周縁から軸方向裏側に連成され、そして折り返されて周成されてなる。この略U字状折返嵌合部4の先端が、ホイールリム52のハンプ部59a内周面に嵌着される先端嵌着部7となっている。このブレーキディスク防錆用ホイールカバー1が、上述した自動車用ホイール51に装着される場合には、図4のように、前記略U字状折返嵌合部4の先端嵌着部7が、ハンプ部59aの凹溝状を成す内周面に嵌着されることとなる。ここで、略U字状折返嵌合部4は、ハンプ部59aの内周面に嵌合された場合に、径内方向に弾性変形するように、この先端嵌着部7における外径が、自動車用ホイール51のハンプ部59aの内周径に比して大きく形成されている。これにより、略U字状折返嵌合部4は、先端嵌着部7からハンプ部59aに付勢力を発揮して、充分な力で嵌合されることとなっている。
さらに、本実施例1のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1には、外周に形成された略U字状折返嵌合部4の、一部位に、ホイールに装着されるエアバルブ(図示省略)を該カバー1から突出させるためのバルブ突出孔10が設けられている。ここで、上述した自動車用ホイール51には、エアバルブが、ホイールリム52の表面側ウエル部56aに形成されたバルブ孔69に結合され、表面側に突出するように固定される(図示省略)。そして、ブレーキディスク防錆用ホイールカバー1をこの自動車用ホイール51に装着した場合に、前記のエアバルブを当該ホイールカバー1に形成したバルブ突出孔10からカバー表面側に突出させるようにしている(図示省略)。これにより、本ブレーキディスク防錆用ホイールカバー1を装着した状態であっても、自動車用ホイール51に取り付けられたタイヤの空気圧を調整することが可能となる。尚、このバルブ突出孔10は、当該ホイールカバー1がホイール51に装着された状態で、スリット6が飾り孔64の上方にならないようにする所定の周方向位置に形成されている(図5参照)。
このようなブレーキディスク防錆用ホイールカバー1を、図4及び図5のように、上述した自動車用ホイール51に装着する。尚、上述したように、エアバルブはバルブ突出孔10から突出させ、かつ、飾り孔64上にスリット6が配されないこととなっている。ここで、上記のようにこのブレーキディスク防錆用ホイールカバー1の略U字状折返嵌合部4が、該自動車用ホイール51の表面側ハンプ部59aの内周面に嵌合される。この装着により、易変形環状域3の内周縁に沿った内側領域が、ホイールディスク53の隆起部62の外側傾斜周面67に倣うように、ホイール軸方向外側に向かって折り曲がるように変形する。この時、易変形環状域3では、スリット6が拡幅して内周径が拡径することにより、容易に折り曲がって変形できる。これにより、易変形環状域3は、その内側領域で隆起部62の外側傾斜周面67に周方向に沿って当接して密着することとなり得る。そして、円環状主覆部2がホイールディスク53の飾り孔64をホイール表面側から覆う。このように、ブレーキディスク防錆用ホイールカバー1が自動車用ホイール51に装着されると、当該ホイール51の表面側から水分や水分を含んだ空気等が、飾り孔64に進入することを防止できる。したがって、この自動車用ホイール51が取り付けられた自動車のブレーキディスク75(図1参照)に水分や水分を含んだ空気が付着することを防ぎ、自動車を生産工場から顧客に引き渡されるまでの間に、該ブレーキディスクが錆び付くことが無い。特に、海上を輸送する場合にあって、海水を含んだ空気により錆び付くことが無く、この効果が最も良く現れることとなる。
また、本実施例1のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1は、上述したように略U字状折返嵌合部4を自動車用ホイール51のハンプ部59aの内周面に嵌合して装着するものであり、自動車用ホイール51に比較的容易に装着することができるものである。そして、一旦装着されると、略U字状折返嵌合部4が、径外方向に付勢力を生じ、周方向で充分な力で自動車用ホイール51に固定されるようになっている。したがって、装着作業が簡単であり、かつ、適正に飾り孔64から水分等が進入することを防ぎ得る。さらに、充分な力で固定されていることにより、このブレーキディスク防錆用ホイールカバー1を装着したまま、輸送時にフェリー等に乗船降船する等の走行しても、該ブレーキディスク防錆用ホイールカバー1が外れることは無く、確実にブレーキディスクの錆び付きを防ぐ効果を発揮し得る。特に、ブレーキディスク防錆用ホイールカバー1を装着した状態で、走行テストを行うことも可能である。さらにまた、本実施例1のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1は、予め自動車用ホイール51に装着し、その後、タイヤの組み付けや自動車のハブに取り付けられるようにすることが可能である。これは、当該ブレーキディスク防錆用ホイールカバー1を装着した状態でも、締付ナット73によって当該自動車用ホイール51を適切に固定することができるからである。これにより、ホイールカバー1の装着作業を一層容易かつ適切に行うことができるという優れた利点もある。
(実施例2)
実施例2のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1xにあっては、図6(図4参照)のように、径内方向に向かって軸方向外側に僅かに傾斜した、ほぼ平らな円環状主覆部2xと、該円環状主覆部2xの裏面に内周端5xから径外方向に凹溝11が形成された易変形環状域3xと、前記円環状主覆部2xの外周縁から外方に延成された略U字状折返嵌合部4とから構成されている。ここで、易変形環状域3xに形成されている凹溝11は、溝断面が円弧状を成しており、最深部の溝深さが長手方向にほぼ一定としている(図7参照)。この易変形環状域3xは、上述の実施例1と同様に、内方に向かって徐々に薄肉化している。したがって、凹溝11は、易変形環状域3xの板厚に対する溝深さが、内方に向かうに従って大きくなっている。このため、易変形環状域3xは、内側がより変形し易いこととなる。また、この凹溝11は、上述の実施例1と同様に、周方向にほぼ等間隔で十六箇所に形成されており、この形成間隔は、上述したホイールディスク53の飾り孔64の形成間隔とほぼ等しい。
このブレーキディスク防錆用ホイールカバー1xは、上述した実施例1のホイールカバー1のスリット6に代わって、凹溝11を形成したものであり、この凹溝11とした以外は、全て同じ構成、同じ材料を用いて成形されている。このため、凹溝11以外の構成部位の説明及び符号の説明は省略している。
このような実施例2のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1xを自動車用ホイール51に装着すると、易変形環状域3xでは、該易変形環状域3xの内周縁に沿った内側領域が当該ホイール51の隆起部62の外側傾斜周面67に倣って、ホイール軸方向外側に向かって折り曲がるように変形し、該外側傾斜周面67と密着することとなる(図4参照)。この易変形環状域3xは、内方に向かうに従って、薄肉化されていること、凹溝11の溝深さが相対的に増加していることから、該凹溝11が周長を拡径し、容易に折り曲がって変形できる。このように、ブレーキディスク防錆用ホイールカバー1xが自動車用ホイール51に装着されることにより、円環状主覆部2xがホイールディスク53の飾り孔64を覆い(図6参照)、当該ホイール51の表面側から水分や水分を含んだ空気等が、飾り孔64に進入することを防止できる。したがって、上述した実施例1のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1と同様に、本発明の作用効果を適正に発揮し得る。
(実施例3)
実施例3のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1yにあっては、図8及び図9のように、径方向に対して軸方向裏側に僅かに傾斜した、ほぼ平らな円環状主覆部2yと、該円環状主覆部2yの裏面側に内周端5yから径外方向に凹溝11yが形成された易変形環状域3yと、前記円環状主覆部2yの外周縁から外方に延成された略U字状折返嵌合部4yとから構成されている。ここで、略U字状折返嵌合部4yは、円環状主覆部2yの外周縁から、一旦軸方向裏側に向かって連成された後折り返されるようにして周成されており、大まかな形状は、上述した実施例1及び実施例2と同様である。この略U字状折返嵌合部4yは、折り返された部分から先端までの嵌合周部13がホイールリム52のリムフランジ部55a内周面に嵌着されるようになっている。このブレーキディスク防錆用ホイールカバー1が、上述した自動車用ホイール51に装着される場合には、略U字状折返嵌合部4yは、嵌合周部13が径内方向に弾性変形し、これにより生じた付勢力によってリムフランジ部55aの内周面に充分な力で固定されることとなる。尚、この略U字状折返嵌合部4yの外周径は、嵌合時において径内方向に適切に弾性変形し得るように、自動車用ホイール51のリムフランジ部55aの内周径に比して大きく設定されている。
このブレーキディスク防錆用ホイールカバー1yは、上記のように略U字状折返嵌合部4yがリムフランジ部55aの内周面に嵌合されるようにしているため、上述の実施例1及び実施例2と異なり、円環状主覆部2yは、該略U字状折返嵌合部4yの内周縁から内周端に向かって、軸方向裏側に傾斜するようになっている。これにより、当該ホイールカバー1yが自動車用ホイール51に装着された場合に、円環状主覆部2yの易変形環状域3yが、少なくとも内周端5yの周縁で、隆起部62と当接して密着することができる。尚、当該ホイールカバー1yは、リムフランジ部55aに嵌合されるものであることから、ホイール51のウエル部57aに装着されるエアバルブも、ホイール表面側から覆うこととなる(図示省略)。したがって、上述した実施例1及び実施例2のように、バルブ突出孔は設けられていない。
このブレーキディスク防錆用ホイールカバー1yは、上述のように略U字状折返嵌合部4yをリムフランジ部55aの内周面に嵌合するようにし、これに伴って、円環状主覆部2yを軸方向裏側に傾斜させ、かつ、バルブ突出孔を形成しないように構成した以外は、上述した実施例2のホイールカバー1xと同じ構成及び材料により成る。このため、同じ構成となる部位の説明と、これを指示する符号の説明は省略している。
このような実施例3のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1yは、略U字状折返嵌合部4yを、該自動車用ホイール51の表面側リムフランジ部55aの内周面に嵌合することにより、自動車用ホイール51に装着される。ここで、易変形環状域3yでは、当該ホイール51の隆起部62の、頂上近傍の外側傾斜周面67に倣って、内周端5yの端縁が僅かに隆起状に変形して、該外側傾斜周面67と密着することとなる。この易変形環状域3yも、上述した実施例2のホイールカバー1xと同様に、内方に向かうに従って、薄肉化されていること、凹溝11yの溝深さが相対的に増加していることから、僅かではあるが、該凹溝11yが周長を拡径し、軸方向外側に折れ曲がるように変形する。このように、ブレーキディスク防錆用ホイールカバー1yが自動車用ホイール51に装着されることにより、円環状主覆部2yがホイールディスク53の飾り孔64を覆い、当該ホイール51の表面側から水分や水分を含んだ空気等が、飾り孔64に進入することを防止することとなる。したがって、上述した実施例2のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1xと同様に、本発明の作用効果を発揮し得る。尚、本実施例3のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1yは、実施例2のバルブ突出孔が形成されていないことから、当該ホイールカバー1yを装着した後に、タイヤの空気圧を調整する作業を行う場合には、一旦当該ホイールカバー1yを取り外すことを要する。
このように、実施例1〜実施例3のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1,1x,1yは、自動車用ホイール51に装着された場合に、水分等を飾り孔64から進入することを適切かつ確実に防ぐことができる。また、自動車用ホイール51に容易に装着でき、かつ、充分な力で固定することができる。尚、本実施例のホイールカバー1,1x,1yは、樹脂材料によって成形されているものであるから、嵌合状態にある略U字状折返嵌合部4,4yが発揮する付勢力を減少させる方向、すなわち、径内方向に力を加えることにより比較的容易にホイールカバーを取り外すことも可能である。また、さらに取り外しを容易とするために、略U字状折返嵌合部4,4yの周方向の一部分に切欠部や掴み部等を設け、ここを支点として取り外しを行うようにすることも可能である。
また、上述の実施形態例にあっては、同じ形状の自動車用ホイール51に装着したことを例示しているが、例えば、図10のように、同一リム径にあって、ホイール表面形状が異なる自動車用ホイール51’に、上述した本実施例のホイールカバー1,1x,1yを装着することも可能である。ここで、自動車用ホイール51’にあっては、上述の自動車用ホイール51の隆起部62に比して、隆起部62’の軸方向位置が外側に一層突出した形状となっているものである。この自動車用ホイール51’に、実施例2のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1xを装着すると、易変形環状域3xは、この隆起部62’の外側傾斜周面67’に倣って、ホイール軸方向外側に向かって一層折り曲がるように変形し、該外側傾斜周面67’に密着する。このように装着されることにより、上述した自動車用ホイール51に装着した場合と同様に、適切かつ確実に飾り孔64’から水分等が進入することを防止できる。このように、本実施例2のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1xは、ホイール表面形状の異なるホイールにも容易に装着でき、かつ本発明の作用効果を適正に発揮し得る。而して、上述した従来構成のように、ホイール種類に応じてホイールカバーを用意する必要が無いから、装着作業及びこれに準ずる作業も軽微となり得る。また、市場の嗜好に合わせて次々に出現する、複雑な表面形状を有するホイールに合わせて製造する必要が無く、安定的に生産でき、製造費用も低減することができる。尚、実施例1及び実施例3のホイールカバー1,1yも、この実施例2と同様に様々な形状のホイールに装着でき、この作用効果を発揮できるものである。
さらに、自動車用ホイールにあっては、同一リム径であっても、ハンプ部の内周径が僅かに異なるものも存在する。このようなホイールに対しても、上述した本実施形態例のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1,1x,1yは、略U字状折返嵌合部4,4yの弾性変形によって、充分な付勢力を発揮して適正に固定することができる。
一方、本実施形態例のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1,1x,1yは、上述のように、ポリプロピレンを主成分とする樹脂材料から成形しており、射出成形方法のような公知の成形方法によって比較的容易に成形することが可能である。そして、このホイールカバー1,1x,1yは、ホイール51のハブ取付部65を覆わないように略円環形状としたものであるから、上述した従来の、締付ナットに嵌合する構成のホイールカバーに比して、軽量化できると共に、材料使用量を低減することが可能である。また、樹脂材料としては、この他、硬質ポリエチレンを主成分とするもの等のように、様々な材料を使用することが可能である。
自動車用ホイール51の縦断面図である。 自動車用ホイール51の平面図である。 本発明にかかる、実施例1のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1の(イ)縦断面図、及び(ロ)平面図である。 実施例1のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1を、自動車用ホイール51に装着した状態を示す縦断面図である。 実施例1のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1を、自動車用ホイール51に装着した状態を示す平面図である。 本発明にかかる、実施例2のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1xを、自動車用ホイール51に装着した状態を示す平面図である。 実施例2のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1xの凹溝11を表す(イ)縦断面図、及び(ロ)横断面図である。 本発明にかかる、実施例3のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1yを、自動車用ホイール51に装着した状態を示す縦断面図である。 本発明にかかる、実施例3のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1yを、自動車用ホイール51に装着した状態を示す平面図である。 本発明にかかる、実施例2のブレーキディスク防錆用ホイールカバー1xを、他の自動車用ホイール51’に装着した状態を示す縦断面図である。
符号の説明
1,1x,1y ブレーキディスク防錆用ホイールカバー
2,2x,2y 円環状主覆部
3,3x,3y 易変形環状域
4,4y 略U字状折返嵌合部
6 スリット
11 凹溝
51 自動車用ホイール
53 ホイールディスク
55a,55b リムフランジ部
59a,59b ハンプ部
64 飾り孔

Claims (5)

  1. ホイールディスクに周方向に沿って設けられた複数の飾り孔を、ホイールディスク表面側から覆うほぼ平らな円環状主覆部と、
    該円環状主覆部の、内周端から径方向外側に至る環状域に形成され、ホイールに装着された場合に、ホイールディスク表面形状に倣って変形可能となる易変形環状域と、
    前記円環状主覆部の外周端からさらに外方へ延成され、かつホイールリムの表面側ハンプ部の内周面に嵌合されて、径外方向に付勢力を発揮する略U字状折返嵌合部と
    を備えていることを特徴とするブレーキディスク防錆用ホイールカバー。
  2. ホイールディスクに周方向に沿って設けられた複数の飾り孔を、ホイールディスク表面側から覆うほぼ平らな円環状主被部と、
    該円環状主覆部の、内周端から径方向外側に至る環状域に形成され、ホイールに装着された場合に、ホイールディスク表面形状に倣って変形可能とする易変形環状域と、
    前記円環状主覆部の外周端からさらに外方へ延成され、かつホイールリムの表面側フランジ部の内周面に嵌合されて、径外方向に付勢力を発揮する略U字状折返嵌合部と
    を備えていることを特徴とするブレーキディスク防錆用ホイールカバー。
  3. 易変形環状域が、ホイールに装着された場合に飾り孔の直上に配されないように、周方向にほぼ等角度間隔で、円環状主覆部の内周端から径外方向に沿って切断された複数のスリットを備えてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のブレーキディスク防錆用ホイールカバー。
  4. 易変形環状域が、ホイールに装着された場合に飾り孔の直上に配されないように、周方向にほぼ等角度間隔で、円環状主覆部の内周端から径外方向に沿って形成された複数の凹溝を備えてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のブレーキディスク防錆用ホイールカバー。
  5. 易変形環状域の凹溝が、板厚に対する溝深さが内方に向かうに従って大きくなるように形成されてなるものであることを特徴とする請求項4に記載のブレーキディスク防錆用ホイールカバー。
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