JP4294822B2 - レジスト用現像液 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジスト用現像液に関する。更に詳しくは、アジド化合物系、化学増幅系等のポジ又はネガ型レジストによる画像(パターン)形成の際に好適に使用しうるレジスト用現像液及び該現像液を用いた現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子や液晶表示素子等の技術分野におけるリソグラフィー技術においては、フォトレジストのより一層の溶解選択性の向上及び形成される微細パターンの均一性の向上が要望されている。本要望に対し、ポジ型又はネガ型レジストとして、アルカリ可溶性ポリマーをベース樹脂としたアジド化合物系、化学増幅系等の高解像度レジストが開発されており、その現像液として4級アンモニウムヒドロキシド等の水溶液が知られている。
【0003】
しかしながら、4級アンモニウムヒドロキシドの水溶液のみを現像液として使用した場合には、レジストパターンの微細化に伴い、レジストに対する溶解選択性が低下し、高解像度が要求される分野での応用に対しては満足し得なくなってきた。
【0004】
そこで、レジストに対する溶解選択性をさらに向上させるため、4級アンモニウムヒドロキシド等の水溶液にアルキレンオキサイド化合物が添加された現像液が提案されているが〔特開平7−128865号公報、特開平1−257846号公報〕、レジストの溶解選択性が満足されるまでには至っていない。
【0005】
また、これらの現像液を用いた場合、現像中及び現像処理後の現像液中に大量の泡が発生しやすい。現像液中に発生する泡は、レジストと現像液との接触を阻害するため、レジストが溶解できず、特に微細なレジストパターンの均一な現像を困難にするという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、微細なレジストパターンにおいても、溶解部に対しては溶解性を促進し非溶解部に対しては溶解性を抑制する、溶解選択性に優れ、より短い時間で現像しうるとともに、現像中及び現像処理後の現像液の消泡性においても優れたレジスト用現像液を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕塩基性化合物と、
エチレングリコールのプロピレンオキサイド付加物、3価以上の多価アルコールのプロピレンオキサイド付加物並びに1級及び/又は2級アミンを有するポリアミンのプロピレンオキサイド付加物からなる群より選ばれた1種以上のプロピレンオキサイド付加物
とを含有してなるレジスト用現像液、
〔2〕さらに、分子量46〜200の式(I):
A−〔(R1 )k −(COOH)m 〕n (I)
(式中、R1 は水素原子、炭素数1〜12の直鎖状の飽和炭化水素基、炭素数3〜12の分岐鎖状の飽和炭化水素基、炭素数2〜12の直鎖状の不飽和炭化水素基、炭素数3〜12の分岐鎖状の不飽和炭化水素基、炭素数3〜12の脂環を有する飽和又は不飽和炭化水素基、炭素数6〜12の芳香環を有する飽和又は不飽和炭化水素基であり、R1 の炭化水素基は1〜5個の酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を有していてもよく、R1 の炭素原子に結合している水素原子は−OH基、−NH2 基、−SH基又は−NO2 基で置換されていてもよく、m個の−COOH基はR1 の同一炭素原子に結合していてもよく、kは0又は1、mは1〜4の整数、nは1〜3の整数、Aは存在しないか又は−O−基、−CO−基、−NH−基、−S−基もしくは
【0008】
【化2】
【0009】
基を示す)で表されるカルボキシル基を有する化合物を含有してなる前記〔1〕記載のレジスト用現像液、並びに
〔3〕前記〔1〕又は〔2〕記載のレジスト用現像液を用いてレジストを現像する現像方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の現像液に使用される塩基性化合物の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、アンモニア等の塩基性無機化合物、エチルアミン、n −プロピルアミン、n −ブチルアミン、1,3 −ジアミノプロパン等の1級アミン;ジエチルアミン、ジ−n −プロピルアミン等の2級アミン;n,n −ジメチルエチルアミン、 n,n−ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン;ビス(ジアルキルアミノ)イミン等のイミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、プロパノールアミン等のアルカノールアミン;ホルムアミド、アセトアミド等のアミド;ピロリジン、ピロリドン、ピリジン、モルホリン、ピペリジン等の3 〜5 個の炭素原子含む環骨格に、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選ばれたヘテロ原子を1個以上有する塩基性複素環化合物;式(II):
【0011】
【化3】
【0012】
〔式中、R2 、R3 、R4 及びR5 はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜8のアラルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基又は炭素数2〜6のアルコキシアルキル基を示す〕で表される4級アンモニウムヒドロキシド等の塩基性有機化合物が挙げられる。これらの塩基性化合物は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0013】
式(II)で表される4級アンモニウムヒドロキシドの具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(以下、TMAHという)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド(以下、コリンという)、テトラエタノールアンモニウムヒドロキシド、メチルトリエタノールアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
【0014】
塩基性化合物の中では、配線回路の腐食を抑制する観点から、塩基性有機化合物が好ましい。さらに、塩基性化合物の中では、溶解選択性の観点から、4級アンモニウムヒドロキシドが好ましく、式(II)中の各R2 〜R5 の各炭素数がそれぞれ1〜4であることが好ましく、特に1又は2であることが好ましい。具体的には、TMAHおよびコリンが特に好ましい。
【0015】
本明細書にいう現像液の「溶解選択性」とは、レジストの溶解部に対しては溶解性を促進し、非溶解部に対しては溶解性を抑制する性質をいう。例えば、ポジ型レジストの場合、紫外線、遠紫外線、エキシマレーザ、X線、電子線等を照射した部分が溶解部にあたり、非露光部が非溶解部にあたる。
【0016】
本発明の現像液に使用されるプロピレンオキサイド付加物を以下、PO付加物と略す。また、エチレングリコール及び3価以上の多価アルコールを以下、単に多価アルコールと略す。また、1級及び/又は2級アミンを有するポリアミンを以下、単にポリアミンと略す。
【0017】
本発明に使用されるPO付加物としては、多価アルコールのPO付加物及びポリアミンのPO付加物からなる群より選ばれた1種以上が挙げられる。
【0018】
ここで、「PO付加物」とは、実質的にプロピレンオキサイドにより付加された物を意味し、具体的には、例えば、プロピレンオキサイドのみを付加した化合物やプロピレンオキサイドとプロピレンオキサイド以外のアルキレンオキサイド、例えば、エチレンオキサイドを付加した化合物であってもプロピレンオキサイドが全アルキレンオキサイドの90モル%以上100モル%未満の化合物は本発明でいう「PO付加物」に含まれる。好ましくはプロピレンオキサイドのみを付加した化合物である。該化合物を用いることで、多価アルコ−ル又はポリアミンにエチレンオキサイドを付加した化合物又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加した化合物であってプロピレンオキサイドが全アルキレンオキサイドの90モル%未満の化合物と比べ、溶解選択性及び消泡性に優れた現像液が得られるという効果が発現される。
【0019】
また、PO付加物の平均分子量は、溶解選択性及び消泡性の観点から、3000以下が好ましく、200〜3000がより好ましく、250〜2000がさらに好ましく、300〜1500が特に好ましい。
【0020】
前記多価アルコールとしては、溶解選択性の観点から、エチレングリコ−ル及び炭素数3〜10の飽和又は不飽和炭化水素基の少なくとも3個の水素原子が水酸基で置換された多価アルコールが好ましい。
【0021】
多価アルコールのPO付加物の例としては、エチレングリコール;グリセリン、1,2,4−ブタントリオール等の3価アルコール;ペンタエリスリトール等の4価アルコール;アドニトール、アラビトール等の5価アルコール;ソルビトール等の6価アルコール等の多価アルコールにプロピレンオキサイドを付加させた化合物等が挙げられる。
【0022】
また、前記1級及び/又は2級アミンを有するポリアミンとしては、溶解選択性の観点から、炭素数が2〜10及び窒素数が2〜4であるポリアミンが好ましい。
【0023】
ポリアミンのPO付加物の例としては、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン等のジアミン;ジエチレントリアミン等のトリアミン;トリエチレンテトラミン等のテトラミン等のポリアミンにプロピレンオキサイドを付加させた化合物等が挙げられる。
【0024】
これらの多価アルコールのPO付加物及びポリアミンのPO付加物は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0025】
中でも、溶解選択性および消泡性の観点から、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール及びエチレンジアミンからなる群より選ばれた1種以上のPO付加物が好ましい。
【0026】
エチレングリコールのPO付加物において、溶解選択性および消泡性の観点から、PO付加モル数は、2〜16(平均分子量にして200〜1000)が好ましく、4〜14(平均分子量にして300〜900)がより好ましく、8〜14(平均分子量にして500〜900)がさらに好ましい。
【0027】
グリセリンのPO付加物において、溶解選択性および消泡性の観点から、PO付加モル数は、3〜33(平均分子量にして250〜2000)であることが好ましく、6〜24(平均分子量にして400〜1500)がより好ましく、9〜16(平均分子量にして600〜1000)がさらに好ましい。
【0028】
ペンタエリトリトールのPO付加物において、溶解選択性および消泡性の観点から、PO付加モル数は、4〜49(平均分子量にして350〜3000)であることが好ましく、6〜32(平均分子量にして500〜2000)がより好ましく、6〜23(平均分子量にして500〜1500)がさらに好ましく、15〜23(平均分子量にして1000〜1500)が特に好ましい。
【0029】
エチレンジアミンのPO付加物において、溶解選択性および消泡性の観点から、PO付加モル数は、4〜50(平均分子量にして300〜3000)であることが好ましく、8〜33(平均分子量にして500〜2000)がより好ましく、8〜25(平均分子量にして500〜1500)がさらに好ましく、16〜25(平均分子量にして1000〜1500)が特に好ましい。
【0030】
これらの中では、さらなる溶解選択性の観点から、グリセリン及びペンタエリトリトールのPO付加物が好ましく、ペンタエリトリトールのPO付加物がより好ましい。
【0031】
さらに良好な溶解選択性を得る観点から、本発明の現像液は、式(I):
A−〔(R1 )k −(COOH)m 〕n (I)
(式中、R1 は水素原子、炭素数1〜12の直鎖状の飽和炭化水素基、炭素数3〜12の分岐鎖状の飽和炭化水素基、炭素数2〜12の直鎖状の不飽和炭化水素基、炭素数3〜12の分岐鎖状の不飽和炭化水素基、炭素数3〜12の脂環を有する飽和又は不飽和炭化水素基、炭素数6〜12の芳香環を有する飽和又は不飽和炭化水素基であり、R1 の炭化水素基は1〜5個の酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を有していてもよく、R1 の炭素原子に結合している水素原子は−OH基、−NH2 基、−SH基又は−NO2 基で置換されていてもよく、m個の−COOH基はR1 の同一炭素原子に結合していてもよく、kは0又は1、mは1〜4の整数、nは1〜3の整数、Aは存在しないか又は−O−基、−CO−基、−NH−基、−S−基もしくは
【0032】
【化4】
【0033】
基を示す)で表されるカルボキシル基を有する化合物(以下、カルボキシル基を有する化合物という)を含有してもよい。
【0034】
式(I)において、さらなる溶解選択性の観点から、R1 は水素原子、炭素数1〜6の直鎖状の飽和炭化水素基、炭素数3〜6の分岐鎖状の飽和炭化水素基、炭素数2〜6の直鎖状の不飽和炭化水素基、炭素数3〜6の分岐鎖状の不飽和炭化水素基、炭素数3〜6の脂環を有する飽和又は不飽和炭化水素基、炭素数6〜8の芳香環を有する飽和又は不飽和炭化水素基であることが好ましい。R1 の炭化水素基が酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を有する場合には、それらの原子数は、それぞれ1〜2個であることがより好ましい。
【0035】
また、式(I)において、mは、溶解選択性の観点から、1〜4の整数であり、1〜3がより好ましく、1又は2がさらに好ましく、1が特に好ましい。
【0036】
また、式(I)において、分子量は、溶解選択性の観点から46〜200であり、46〜144がより好ましい。
【0037】
式(I)において、Aが存在しない場合の具体例としては、蟻酸;酢酸、プロピオン酸等の炭素数が1〜12の直鎖飽和モノカルボン酸;アクリル酸、4-ペンテン酸、6-ヘプテン酸、2-オクテン酸等の直鎖不飽和モノカルボン酸;イソ酪酸、イソバレリン酸、2-メチル酪酸、2-メチルバレリン酸、2-エチル酪酸、2-エチルペンタン酸、2-エチルヘキサン酸、2,4-ジメチルヘキサン酸、2-プロピルペンタン酸、2-メチルオクタン酸、2-エチルヘプタン酸、2-エチル-2,3,3- トリメチル酪酸、2,2-ジイソプロピルプロピオン酸等の分岐鎖飽和モノカルボン酸;メタクリル酸、2-エチル-2- ヘキセン酸等の分岐鎖不飽和モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,2,3-プロパントリカルボン酸等の飽和多価カルボン酸;マレイン酸、フマル酸、cis-アコニット酸、trans-アコニット酸等の不飽和多価カルボン酸;乳酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;グリシン、DL- アラニン、4-アミノ酪酸、DL-3- アミノ酪酸等のアミノカルボン酸;メトキシ酢酸、エトキシ酢酸等のアルコキシカルボン酸;安息香酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ナフトエ酸等の芳香環を有するカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンプロピオン酸等の脂環を有するカルボン酸;フル酸、テン酸、ニコチン酸等の複素環を有するカルボン酸等が挙げられる。
【0038】
また、式(I)において、Aが存在する場合の具体例としては、ジグリコール酸、チオグリコール酸、4,6-ジオキソヘプタン酸、イミノ二酢酸、ニトロ三酢酸等が挙げられる。
【0039】
これらのカルボキシル基を有する化合物は、現像液中で前記塩基性化合物と塩を形成する。その塩としては、前記式(I)の中でより好ましい化合物と前記塩基性化合物の中でより好ましい化合物との塩がより好ましい。なお、該塩は、現像液を調製する前に予めカルボキシル基を有する化合物と塩基性化合物を混合して形成させてもよく、調製した現像液を塩を形成し得る条件下に静置して現像液中で形成させてもよい。
【0040】
本発明の現像液は、前記塩基性化合物とPO付加物、または前記塩基性化合物とPO付加物とカルボキシル基を有する化合物とを超純水等の水に添加することにより得ることができる。
【0041】
現像液中における塩基性化合物の含有量(ただし、塩の場合は塩中の塩基性化合物も含む。)は、レジストの溶解部に対する溶解促進の観点から、0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは1.5重量%以上であることが望ましく、レジストの非溶解部に対する溶解抑制の観点から、20重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5.5重量%以下であることが望ましい。現像液中における塩基性化合物の含有量は、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは1.5〜5.5重量%である。
【0042】
また、現像液中におけるPO付加物の含有量は、溶解選択性の観点から、10〜1000ppmが好ましく、25〜500ppmがより好ましく、25〜250ppmがさらに好ましく、25〜100ppmが特に好ましい。
【0043】
また、本発明の現像液に、発明の効果に影響がない程度に、多価アルコ−ル又はポリアミンにエチレンオキサイドを付加した化合物、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加した化合物をさらに併用してもよい。
【0044】
さらに、現像液中において塩基性化合物と塩を形成しているカルボキシル基を有する化合物の含有量は、溶解選択性の観点から、0.001〜15重量%が好ましく、0.001〜4重量%がより好ましく、0.05〜2重量%がさらに好ましく、0.05〜1重量%が特に好ましい。
【0045】
また、現像液中における塩基性化合物の当量(ただし、塩の場合は塩中の塩基性化合物も含む。)と、塩を形成しているカルボキシル基を有する化合物の当量との当量比は、溶解選択性の観点から、1:0.001〜1:0.8が好ましく、さらに好ましくは1:0.005〜1:0.6、特に好ましくは1:0.01〜1:0.5である。
【0046】
本発明の現像液の利用分野としては、LSI、液晶、フォトマスク、ハードディスク用磁気ヘッド、ウェハーレベルCSP、SAWフィルター、発光ダイオード、カラーフィルター等が挙げられる。
【0047】
本発明の現像液は、ポジ型及びネガ型レジストの露光工程後に行われる現像工程で使用できる。特に、該現像液は、微細なレジストパターンが必要とされる半導体素子又は液晶表示素子等の配線回路を作製するための製造に関わるレジストの現像で使用されると、該現像液の効果が発揮されやすくなるので、好ましい。
【0048】
本発明の現像液を用いてレジストを現像する際には、例えば、処理すべきウエハ等の基板を、スピナーを用いてパドル法等により1枚ずつ又はディップ法等によりカセット方式で複数枚数をまとめて現像してもよく、またスプレー法等やスピナー等の回転による現像液の流動等の機械的応力を与えて現像を行ってもよい。これらの現像方法の中では、現像液の消費量の低減及び溶解選択性向上の観点から、パドル法によりウエハを1枚ずつ処理する方法が好ましい。また、現像温度は10〜60℃が好ましく、15〜30℃が特に好ましい。
【0049】
本発明のレジスト用現像液を適用する対象となるレジストの種類には、特に限定がない。その例としては、アルカリ可溶性ノボラック樹脂と光分解剤であるナフトキノンジアジド化合物等とを構成成分として含有するポジ型レジスト、アルカリ不溶性の樹脂(p−tert−ブトキシカルボニルオキシスチレン等)と酸発生剤(トリフェニルスルフォニウムトリフレート等)等とを構成成分として含有する化学増幅系のポジ型レジスト、アルカリ可溶性のノボラック樹脂と感光剤であるアジド化合物等とを構成成分として含有するネガ型レジスト、アルカリ可溶性のポリビニルフェノール樹脂又はノボラック樹脂と酸反応性架橋剤(メラミン系、シラノール系酸反応性架橋剤等)と、光酸発生剤等とを構成成分として含有する化学増幅系のネガ型レジスト等が挙げられる。
【0050】
本発明のレジスト用現像液を用いれば、レジストの溶解部に対しては溶解性を促進し、非溶解部に対しては、溶解性を抑制する性質、すなわち溶解選択性が向上し、解像度の高い精密な微細パターンをより短時間で形成させることができるとともに、現像中及び現像処理後の現像液の消泡性も向上させることができる。
【0051】
【実施例】
実施例1〜18(但し、実施例1〜3は参考例である)
純水中にTMAHを2.38重量%含有する水溶液中に、表1に示す各種PO付加物を各種濃度(ppm)で含有した本発明の各種レジスト用現像液(実施例1〜18)について、ポジ型フォトレジストに対する評価を次のようにして行った。
【0052】
ポジ型フォトレジスト(ノボラック樹脂、ジアゾナフトキノン化合物、溶剤)をスピナーを用いて4インチシリコンウェハー上に塗布した。次いで、ホットプレートを用いて、110℃で180秒間プリベークして1.5μmの膜厚を有するフォトレジスト膜を得た。
【0053】
このフォトレジスト膜を、縮小投影露光装置(ステッパー)にテストチャートを介して波長365nmのi線スペクトルで一定の時間露光した。この後、現像液を用いて23℃でパドル現像を行い、露光部のレジスト膜の残渣が完全に無くなる最短時間を測定した。
【0054】
また、上記方法で得られた露光後のレジスト膜を現像液を用いて23℃で80秒間パドル現像を行い、現像後のフォトレジスト膜を純水で30秒間リンスした後、窒素気流下で乾燥した。その後、エリプソメータを用いて非露光部のレジスト膜の膜厚を測定し、非露光部のレジストの残膜率を算出した。残膜率は、現像前のレジスト膜厚(1.5μm)に対する現像後の非露光部のレジスト膜厚の変化から求めた。それらの結果を表1に示す。
【0055】
なお、溶解選択性に優れた現像液は、露光部のレジスト膜の残渣が確認されず、非露光部のレジスト残膜率が大きいものである。
【0056】
また、上記方法で得られた露光後のレジスト膜を4インチシリコンウェハーで10枚分、1枚につき23℃で80秒間の浸漬現像を同じ現像液で10回繰り返し行い、現像処理した後の現像液の消泡性を調べた。すなわち、現像処理後の現像液を一定量、試験管にとり、23℃で30秒間振動し、その後、生じた泡が目視で消失するまでの時間を調べた。それらの結果を表1に示す。なお、表中、○は1分以内に泡が消失した場合、△は10分以内に泡が消失した場合、×は泡の消失に10分以上要した場合を示す。
【0057】
実施例19〜21(但し、実施例19は参考例である)
現像液の主成分であるTMAHは、現像液中にフリーの状態で存在しているTMAHの量により、現像後のレジストの解像度を大きく変化する。
【0058】
ここで、「現像液中のフリーのTMAHの含有量」とは、〔現像液中の全TMAHの含有量〕と〔カルボキシル基を有する化合物で中和された現像液中のTMAHの含有量〕との差である。
【0059】
したがって、実施例19〜21において、現像液中にフリーの状態で存在しているTMAHの含有量を一定にすることにより、TMAH以外の成分によるレジストの解像度を相対評価することができる。TMAHの添加量は、フリーの状態で存在するTMAH量と、カルボキシル基を有する化合物によって中和されるTMAH量との合計量とした。
【0060】
実施例19〜21では、このようにして設定した量のTMAHとカルボキシル基を有する化合物(表中、カルボン酸と示す)とを混合した後、各種PO付加物を添加し、その混合物に純水を加えることで、表2に示す所定濃度を有する現像液を調製した。
【0061】
実施例1と同様にレジスト膜の現像を行った。また、現像後の現像液の消泡性を調べた。得られた現像液の組成、評価結果等を表2に示す。
【0062】
比較例1〜6
純水中にTMAHのみの水溶液(比較例1)及びTMAHと表1に示す各種アルキレンオキサイド付加物とを含有したレジスト用現像液(比較例2〜6)を用いて、実施例1と同様にレジスト膜の現像を行った。また、現像後の現像液の消泡性を調べた。得られた現像液の組成、評価結果等を表3に示す。
【0063】
なお、表1〜3において、EG(PO)はエチレングリコールのプロピレンオキサイド付加物、GLY(PO)はグリセリンのプロピレンオキサイド付加物、PET(PO)はペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド付加物、EDA(PO)はエチレンジアミンのプロピレンオキサイド付加物、PPGはポリプロピレングリコール、Me(PO)はメチルアルコールのプロピレンオキサイド付加物、PET(EO/PO)はペンタエリスリトールのエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド付加物〔エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(モル比):60/40〕、EDA(EO/PO)はエチレンジアミンのエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド付加物〔エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(モル比):60/40〕、EOPOはエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体〔エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド(モル比):7/1、プルロニックタイプ〕を示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
以上の結果から、以下のことがわかった。本発明のレジスト用現像液(実施例1〜21)を用いて現像した場合、TMAHのみの現像液(比較例1)及びTMAHと表1に示す本発明以外の各種アルキレンオキサイド付加物とを含有したレジスト用現像液(比較例2〜6)を用いて現像した場合と比較して、非露光部のレジスト膜の膜減りを抑制しつつ、溶解選択性の高いレジストパターンが形成され、特にカルボン酸を含む現像液(実施例19〜21)は対応するカルボン酸を含まない現像液(実施例2、5、10)と比べ、溶解選択性がさらに優れる。特に、本発明の現像液を用いると、現像時間が短縮でき、現像処理後の現像液の消泡性も良好であった。
【0068】
【発明の効果】
本発明のレジスト用現像液は、従来の現像液と比較して、レジストの溶解部に対しては溶解性を促進し、非溶解部に対しては溶解性を抑制する溶解選択性に優れ、現像時間を短縮させるとともに、現像中及び現像処理後の現像液の消泡性も向上させることができるという効果が奏される。
Claims (4)
- 塩基性化合物と、3価以上の多価アルコールのプロピレンオキサイド付加物並びに1級及び/又は2級アミンを有するポリアミンのプロピレンオキサイド付加物からなる群より選ばれた1種以上のプロピレンオキサイド付加物とを含有してなるレジスト用現像液であって、前記3価以上の多価アルコールが炭素数3〜10の飽和又は不飽和炭化水素基を有し、前記1級及び/又は2級アミンを有するポリアミンが炭素数2〜10及び窒素数2〜4のポリアミンである、レジスト用現像液。
- 3価以上の多価アルコールがグリセリン又はペンタエリスリトールであり、1級及び/又は2級アミンを有するポリアミンがエチレンジアミンである請求項1記載のレジスト用現像液。
- さらに、分子量46〜200の式(I):
A−〔(R1 )k −(COOH)m 〕n (I)
(式中、R1 は水素原子、炭素数1〜12の直鎖状の飽和炭化水素基、炭素数3〜12の分岐鎖状の飽和炭化水素基、炭素数2〜12の直鎖状の不飽和炭化水素基、炭素数3〜12の分岐鎖状の不飽和炭化水素基、炭素数3〜12の脂環を有する飽和又は不飽和炭化水素基、炭素数6〜12の芳香環を有する飽和又は不飽和炭化水素基であり、R1 の炭化水素基は1〜5個の酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を有していてもよく、R1 の炭素原子に結合している水素原子は−OH基、−NH2 基、−SH基又は−NO2 基で置換されていてもよく、m個の−COOH基はR1 の同一炭素原子に結合していてもよく、kは0又は1、mは1〜4の整数、nは1〜3の整数、Aは存在しないか又は−O−基、−CO−基、−NH−基、−S−基もしくは
- 請求項1〜3いずれか記載のレジスト用現像液を用いてレジストを現像する現像方法。
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