JP4294804B2 - 凹溝を有するバンボディ用サンドイッチパネルの構造 - Google Patents
凹溝を有するバンボディ用サンドイッチパネルの構造 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用サンドイッチパネルの構造に関する。特に、ラッシングレール等を取付けるための長手方向凹溝を有するバンボディ用サンドイッチパネルの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、サンドイッチパネル(図5)で構成したバンボディの庫内にラッシングレールaを取り付ける場合、図4(a)に示すようにサンドイッチパネルの内側表面板bを薄くしているが、ラッシングレールaの取付部の強度を確保するために、該当する場所の芯材部分に木材cを配したり、サンドイッチパネルの表面に図4(b)に示すような補強材dを取り付ける必要があった。また、ラッシングレレールaが庫内側に突出していると、積み荷を傷つける場合があり、それを嫌う場合、庫内側の内張り板bを嵩上げする必要があった。しかし、このような対策を行うと、ボデーの重量が必要以上に重くなったり、庫内の有効幅が狭くなる等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ラッシングレール等を取付け得るようにサンドイッチパネルの一部を凹ませ、かつこの部分にラッシングレールを埋め込めるようにしたバンボディ用の内張板を提供し、内法幅の確保と強度的にも十分に保証できるサンドイッチパネルを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様は、内側面にラッシングレールを取付けるための長手方向凹溝を有するサンドイッチパネルを使用して側壁を構成したバンボディにおいて、前記サンドイッチパネルが外板と芯材及び内板とからなり、芯材の外面に外板を、芯材の内面に内板を接着する構造であって、
前記芯材には、サンドイッチパネルの長手方向凹溝を形成するための凹溝を設け、
前記内板は、下端部にZ形折曲部を有する上板と、上端部にZ形折曲部を有する下板とからなり、これら上板と下板のZ形折曲部を、前記芯材の凹溝内の底面上で該凹溝の全幅に亘って重ね合せて接着し、該重ね合せたZ形折曲部上にラッシングレールを取付けるようにしたことを特徴とする。
本発明の第2の態様は、内側面にラッシングレールを取付けるための長手方向凹溝を有するサンドイッチパネルを使用して側壁を構成したバンボディにおいて、前記サンドイッチパネルが外板と芯材及び内板とからなり、芯材の外面に外板を、芯材の内面に内板を接着する構造であって、
前記芯材に、サンドイッチパネルの長手方向凹溝を形成するための凹溝が上下に設けられる場合には、前記内板は、下端部にZ形折曲部を有する上板と、上下両端にZ形折曲部を有する中板と、上端部にZ形折曲部を有する下板とからなり、上下の凹溝(5a)間に前記中板(4c)を配置し、上側の凹溝内の底面上で上板のZ形折曲部と中板のZ形折曲部を重ね合わせ、下側の凹溝内の底面上で中板のZ形折曲部と下板のZ形折曲部を重ね合わせて接着するようにしたことを特徴とする。
上記第1又は第2の態様において、芯材の凹溝は、ラッシングレールがバンボディの内壁面から突出するのを無くして内法幅を大きくすることができるように、凹溝内で重ね合わされるZ形折曲部及びラッシングレールの厚みに応じて設定した深さを有することが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、本発明の実施形態に係るサンドイッチパネル1は、外板2、芯材3、内板4で構成され、互いに接着剤で結合している。外板2にはアルミ板、FRPなどの薄板が用いられ、普通は一枚板が好ましい。
【0006】
芯材3には発泡プラスチック類が用いられ、図1(a)に示すように幅a、深さbの凹溝5aを形成している。この凹溝5a上に、サンドイッチパネル1の長手方向凹溝5が形成される。芯材3の凹溝5aは、図3(a)のように発泡プラスチック板3の中央を彫り込んでも良いし、図3(b)のように端部を切り欠いた2枚の板を突き合わせて形成しても良い。
【0007】
内板4は、アルミ、塗装鋼板などが用いられ、サンドイッチパネルの凹溝5が一列のみの場合には、図2に示すように上板4aと下板4bに分割されている。また、凹溝5が上下2列以上複数の場合には、上板4aと下板4bの他に中板4cを設けて、これらを組み合わせる。図3(c)の例では、上下2列の凹溝5がサンドイッチパネルに形成されている。
図1及び図2に示すように、内板4を構成する上板4aと下板4bは、端縁部がZ形(折り曲げ角度は90゜)に折り曲げられてZ形折曲部6a、6bを形成しており、これらZ形折曲部6a、6bを凹溝5a内で重ね合せている。重ね合せ部において、接着剤を予め塗布しておき、加圧接着することにより、一枚のサンドイッチパネルを作成する。この場合、重ね合せ部に於て、上下のZ形折曲部が2重となり、補強構造となる。すなわち、図1(b)に示すように、上板4aと下板4bのZ形折曲部6a,6bを、芯材3の凹溝5a内でその全幅aに亘って重ね合せて接着し、重ね合せたZ形折曲部6a,6b上にラッシングレール7が取付けられる。また、凹溝5aの深さbは、サンドイッチパネル1の長手方向凹溝5に取り付けたラッシングレール7がバンボディの内壁面から突出するのを無くして内法幅を大きくすることができるように、凹溝5a内で重ね合わされるZ形折曲部6a,6b及びラッシングレール7の厚みに応じて設定される。
【0008】
複数列の凹溝5を設ける場合は、図3(c)に示すように、上板4aと下板4bの間に断面ハット型の中板4cを配することにより同様な効果が得られる。この場合、上板4aと下板4bのZ形折曲部6a、6bに中板4cの上下端のZ形折曲部6cを重ね合わせて接着する。内板4の端部形状としては、上述した例のほか、Z形折曲部の端部に更に直角に折曲げたフランジを設けたものも考えられ、補強用途により使い分けることができる。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、ラッシングレールを取付けるための長手方向凹溝を設けたサンドイッチパネルにおいて、強度の必要な所を、内板の端部のZ形折曲部を凹溝内でその全幅に亘って重ね合わせることで、十分な強度に補強することができる。従って、この凹溝部に別の補強部材を必要としないので、軽量化が可能となる。更に、サンドイッチパネルの製造工程である接着剤塗布後の加圧工程で補強が行われるので、他の補強部材の取付方法に比べて製作工数を削減することができる。
また、芯材の凹溝の深さを、重ね合わされるZ形折曲部及びラッシングレールの厚みに応じて設定することにより、ラッシングレールが内側へ突出することを無くして有効内法幅を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明に係るサンドイッチパネルの分解図(溝が一つの場合)、(b)は組立てた状態の断面図。
【図2】 図1(a)の側面図。
【図3】 (a)(b)は芯材構成の2つの例を示し、(c)は上下2つの溝を有する場合の芯材と内板の構成を示す斜視図。
【図4】 ラッシングレールを備えた公知のサンドイッチパネルを示す側面図。
【図5】 (a)はラッシングレールの斜視図、(b)は内壁にラッシングレールを取付けたバンボディの斜視図。
【符号の説明】
1…サンドイッチパネル、2…外板、3…芯材 4…内板、4a…上板、4b…下板、4c…中板、 5…(サンドイッチパネルの)凹溝、5a…(芯材の)凹溝、 6a,6b,6c…Z形折曲部、7…ラッシングレール。
Claims (3)
- 内側面にラッシングレール(7)を取付けるための長手方向凹溝(5)を有するサンドイッチパネル(1)を使用して側壁を構成したバンボディにおいて、前記サンドイッチパネル(1)が外板(2)と芯材(3)と内板(4)とからなり、前記芯材(3)の外面に前記外板(2)を、前記芯材(3)の内面に前記内板(4)を接着するバンボディ用サンドイッチパネルの構造であって、
前記芯材(3)には、前記サンドイッチパネル(1)の長手方向凹溝(5)を形成するための凹溝(5a)を設け、
前記内板(4)は、下端部にZ形折曲部(6a)を有する上板(4a)と、上端部にZ形折曲部(6b)を有する下板(4b)とからなり、これら上板(4a)と下板(4b)のZ形折曲部(6a,6b)を、前記芯材(3)の凹溝(5a)内の底面上で該凹溝(5a)の全幅に亘って重ね合せて接着し、該重ね合せたZ形折曲部(6a,6b)上に前記ラッシングレール(7)を取付けるようにしたことを特徴とするバンボディ用サンドイッチパネルの構造。 - 内側面にラッシングレール(7)を取付けるための長手方向凹溝(5)を有するサンドイッチパネル(1)を使用して側壁を構成したバンボディにおいて、前記サンドイッチパネル(1)が外板(2)と芯材(3)と内板(4)とからなり、前記芯材(3)の外面に前記外板(2)を、前記芯材(3)の内面に前記内板(4)を接着するバンボディ用サンドイッチパネルの構造であって、
前記芯材(3)には、前記サンドイッチパネル(1)の長手方向凹溝(5)を形成するための凹溝(5a)が上下に形成され、
前記内板(4)は、下端部にZ形折曲部(6a)を有する上板(4a)と、上下両端にZ形折曲部(6c)を有する中板(4c)と、上端部にZ形折曲部(6b)を有する下板(4b)とからなり、
上下の凹溝(5a)間に前記中板(4c)を配置し、上側の凹溝(5a)内の底面上で、前記上板(4a)のZ形折曲部(6a)と前記中板(4c)のZ形折曲部(6c)とを重ね合わせ、下側の凹溝(5a)内の底面上で、前記中板(4c)のZ形折曲部(6c)と前記下板(4b)のZ形折曲部(6b)とを重ね合わせて接着するようにしたことを特徴とするバンボディ用サンドイッチパネルの構造。 - 請求項1又は請求項2記載のバンボディ用サンドイッチパネルの構造において、
前記芯材(3)の凹溝(5a)は、前記ラッシングレール(7)が前記バンボディの内壁面から突出するのを無くして内法幅を大きくすることができるように、該凹溝(5a)内で重ね合わされるZ形折曲部及び前記ラッシングレール(7)の厚みに応じて設定した深さを有することを特徴とするバンボディ用サンドイッチパネルの構造。
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