JP4294634B2 - 校正テーブルの作成方法および到来波の到来方向推定方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、最近では、発信源が多く存在する繁華街などでは電波測定車では利便性が悪いため、携帯可能なスペクトラムアナライザと指向性アンテナ(主に、八木アンテナ)を人間が直接持ち運び利用している。
スペクトラムアナライザと八木アンテナによる探知の方法は、スペクトラムアナライザで周波数掃引を行いその画面を見ながら、八木アンテナを人間の手によって水平面内に360度手動で回転させ、画面上での変化を目視し、変化のある方向に発信源が存在することを記録する。また、別の場所に移動して同じ測定を行う。これを繰り返し主に3点測量による発信源の地点を絞り込み、最終的に特定していく。そのため、この方法では、多くの時間を必要とするという問題点があった。
そのため、近年、到来方向推定アルゴリズムであるMUSIC(MUltiple SIgnal Classification)アルゴリズムを使用して到来波の到来方向を推定する装置が使用されつつある。このMUSICアルゴリズムを使用して、到来波の到来方向を推定する装置では、発信源を高精度・短時間で特定することが可能である。(下記、非特許文献1参照)
中野雅之,博野雅文,佐藤幸雄,宮本健宏,苅込正敞,廣田明道,市毛弘一,新井宏之,「到来方向特定システム:概要」,信学ソ大,2005年9月. 菊間信良,"アレーアンテナによる適応信号処理",科学技術出版,1998
このMUSICアルゴリズムでは、受信した信号に対してヌルステアリングによる到来方向推定を行い、結果は、MUSICスペクトラムと呼ばれるスペクトラムとして表示される。そのスペクトラムの計算には、通常理想のアンテナパターンが使用される。
しかしながら、従来の装置では、理想的なアンテナパターンと、測定で使われる実際のアンテナとのパターンの違いによって到来方向の推定精度が劣化するという問題点があった。
そのため、事前に、アンテナ利得が最大方向(高さ)となる位置に配置される送信源から参照信号を送信して、校正テーブルを作成し、この校正テーブルを使用して、推定精度の劣化を防止するようにしている。
しかしながら、実際の環境においては、到来信号の入射角は一定ではなく、アンテナ利得が最大方向にて作成した校正テーブルを適用しても、実際の信号のアンテナヘの入射角がテーブル作成時と大幅なずれが生じる場合は、推定精度に劣化が生じるという問題点があった。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、MUSICアルゴリズムを使用する到来波の到来方向推定方法において、到来方向推定精度を向上させることが可能となる技術を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、本発明の到来波の到来方向推定方法に使用される校正テーブルの作成方法を提供することにある。
前述の課題を解決するために、本発明は、複数のアンテナ素子を有し、発信源からの電波を受信するアンテナ部と、前記アンテナ部からの出力信号を増幅し、IF信号に変換するRF部と、前記RF部からの出力信号をデジタル信号に変換するAD変換部と、前記AD変換部からのデジタル信号に対して信号処理を施し、到来波の到来方向を推定する計算部とから構成される到来方向推定装置における到来波の到来方向推定方法に使用される校正テーブルの作成方法であって、装置系キャリブレーションの補正値と、アンテナ素子間相互結合の補正値とを取得し、前記取得した装置系キャリブレーションの補正値と、アンテナ素子間相互結合の補正値とを用いて、参照信号に対して装置系キャリブレーションと、アンテナ素子間相互結合の補正を行い、前記2つの補正を施した参照信号を用いて相関行列を作成し、前記作成した相関行列にFB空間平均を施し、前記FB空間平均を施した行列の固有ベクトルを求め、当該固有ベクトルの信号部分空間に対応するベクトルを、実際のアンテナパターンに対応したモードベクトルとして抽出し、前記取得した装置系キャリブレーションの補正値と、アンテナ素子間相互結合の補正値と、前記抽出したモードベクトルを校正テーブルの要素として記述し、参照信号を送信する送信源の高さをn(n≧2)段階に変化させ、各高さ毎に、前記の手順を実行し、送信源の各高さ毎の校正テーブルを作成する。
本発明によれば、MUSICアルゴリズムを使用する到来波の到来方向推定方法において、到来方向推定精度を向上させることが可能となる。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[実施例]
図1は、本発明の実施例の到来波の到来方向推定方法が適用される到来方向推定装置の概略構成を示すブロック図である。
図1(a)に示す到来方向推定装置は、複数のアンテナ素子を有し、発信源からの電波を受信するアンテナ部10と、アンテナ部10からの出力信号を増幅し、IF信号に変換するRF部11と、RF部11からの出力信号をデジタル信号に変換するAD変換部12と、AD変換部12からのデジタル信号に対して信号処理を施し、到来波の到来方向を推定するパーソナルコンピュータ13とから構成される。ここで、パーソナルコンピュータ13は計算部を構成する。
なお、図1(a)において、破線内のアンテナ部10と、RF部11と、AD変換部12とは一体に形成することも可能である。
図2に示すように、図1(a)に示すアンテナ部10は、4個のアンテナ素子(R1〜R4)で構成される。
RF部11は、4個のアンテナ素子(R1〜R4)から出力される出力信号を増幅し、4チャネルのIF信号に変換する。4チャネルのIF信号は、AD変換部12によりデジタル信号に変換された後、パーソナルコンピュータ13の計算部でそれぞれデジタルベースバンド信号に変換される。
なお、アンテナ部10のアンテナ素子が4個以上の場合は、図1(b)に示すように、高周波スイッチ15を、アンテナ部10とRF部11との間に配置し、高周波スイッチ15により、4個のアンテナ素子の出力信号を選択するようにすればよい。
従来の到来波の到来方向推定方法では、パーソナルコンピュータ13が以下の手順で到来波の到来方向を推定する。
(1)アンテナ部10の4個のアンテナ素子(R1〜R4)で受信した到来波の4チャネルの受信信号のサンプリングデータを取得する。(図10のステップ200)
(2)取得したサンプリングデータに対して装置系キャリブレーションを行う。(図10のステップ201)
(3)取得したサンプリングデータに対してアンテナ素子間相互結合の補正を行う。(図10のステップ202)
(4)装置系キャリブレーションと、アンテナ素子間相互結合の補正が施されたサンプリングデータの相関行列を作成する。(図10のステップ203)
(5)求めた相関行列にFB空間平均を施す。(図10のステップ204)
(6)FB空間平均を施した行列の固有ベクトルを求める。(図10のステップ205)
(7)理想(オムニ)のアンテナパターンに対応したモードベクトルと、前記ステップで求めた固有ベクトルの雑音部分空間に対応するベクトルとを用いてMUSICスペクトラムを計算する。(図10のステップ206)
しかしながら、従来の到来波の到来方向推定方法では、理想的なアンテナパターンと、測定で使われる実際のアンテナとのパターンの違いにより、到来方向推定精度が劣化する原因となっている。
本実施例の前提となる到来波の到来方向推定方法では、パーソナルコンピュータ13が以下の手順で到来波の到来方向を推定する。
(1)アンテナ部10の4個のアンテナ素子(R1〜R4)で受信した到来波の4チャネルの受信信号のサンプリングデータを取得する。(図3(a)のステップ100)
(2)取得したサンプリングデータに対して装置系キャリブレーションを行う。(図3(a)のステップ101)
(3)取得したサンプリングデータに対してアンテナ素子間相互結合の補正を行う。(図3(a)のステップ102)
(4)装置系キャリブレーションと、アンテナ素子間相互結合の補正が施されたサンプリングデータの相関行列を作成する。(図3(a)のステップ103)
(5)求めた相関行列にFB空間平均を施す。(図3(a)のステップ104)
(6)FB空間平均を施した行列の固有ベクトルを求める。(図3(a)のステップ105)
(7)事前に計算した実際のアンテナパターンに対応したモードベクトルと、前記ステップで求めた固有ベクトルの雑音部分空間に対応するベクトルとを用いて、MUSICスペクトラムを計算する。(図3(a)のステップ106)
本実施例の前提となる到来波の到来方向推定方法では、到来方向の推定精度を向上させるために、装置系キャリブレーション、アンテナ素子間相互結合の補正、および、実際のアンテナパターンに対応したモードベクトルを使用するものである。
(A)装置系キャリブレーション、即ち、アンテナ部10とRF部11間のケーブル製作誤差などによるチャネル間位相差、RF部11内部のチャネル間位相、振幅差などによるチャネル間のバラツキ等よるチャネル間位相・振幅差の補正は、以下の方法により実行される。
各チャネルに同振幅同位相の基準信号を入れ、その信号を元に、基準となるチャネルからの位相と振幅を求める。求めた位相差と振幅差の逆特性を、各チャネルの受信信号に与えることにより、位相差、振幅差を補正する。
図4は、図1に示す到来方向推定装置で測定した各チャネル間の位相差の一例を示すグラフである。なお、図4、および後述する図5、図6は、到来方向(θ)を0.5度ずつずらして参照信号を、アンテナ部10に入力して、基準となるチャネルからの位相差を測定した結果を示すグラフであり、実線は理論値、破線は実測値を示す。
また、また、図4、および後述する図5、図6において、縦軸は、位相差(φ)、横軸は、0.5度ずつプロットしたプロット点を示す。即ち、横軸は、到来方向の角度(θ)を表す。
仮に、チャネル間位相差、振幅差が、下記表(1)に示す値であるとして、図4に示す各チャネルの受信信号に対して、チャネル間位相・振幅差を補正した結果を図5に示す。
図4と、図5とを比較すると、実測値がより理論値に近づいていることが分かる。
アンテナ素子間相互結合とは、通常、アンテナ素子を近くに配置した場合、アンテナ素子を一つ配置したときと違い、アンテナ素子同士の影響により、アンテナパターンのゆがみ、ばらつきが生じる現象のことをいう。
アンテナ素子間相互結合の補正は、発信源を1波として測定した結果を用いて、アンテナ素子間相互結合を求め、各チャネルの受信信号にアンテナ素子間相互結合の逆特性を与えて補正を行う。
図5に示す各チャネルの受信信号に対して、アンテナ素子間相互結合を補正した結果を図6に示す。図5と、図6とを比較すると、実測値がより理論値に近づいているが、まだ、実測値が、理論値よりずれている箇所があることが分かる。このずれが、到来方向推定精度が劣化する原因となる。
なお、図3(b)は、本実施例の前提となる到来波の到来方向推定方法において、実際のアンテナパターンに対応したモードベクトルの抽出するための手順を示すフローチャートである。
(1)アンテナ部10の4個のアンテナ素子(R1〜R4)で受信した参照波の4チャネルの参照信号のサンプリングデータを取得する。(図3(b)のステップ110)
(2)取得したサンプリングデータに対して装置系キャリブレーションを行う。(図3(b)のステップ111)
(3)取得したサンプリングデータに対してアンテナ素子間相互結合の補正を行う。(図3(b)のステップ112)
(4)装置系キャリブレーションと、アンテナ素子間相互結合の補正が施されたサンプリングデータの相関行列を作成する。(図3(b)のステップ113)
(5)求めた相関行列にFB空間平均を施す。(図3(b)のステップ114)
(6)FB空間平均を施した行列の固有ベクトルを求める。(図3(b)のステップ115)
(7)求めた固有ベクトルの信号部分空間に対応するベクトルを実際のアンテナパターンに対応したモードベクトルとして抽出する。(図3(b)のステップ116)
なお、参照波以外のモードベクトルは補間により求める。
また、図8は、従来の到来波の到来方向推定方法により求められたMUSICスペクトラムの一例を示すグラフである。
図7と、図8とを比較すると、本実施例では、ダイナミックレンジ(到来波と雑音部分との差)が、20dB以上改善されていることが分かる。
さらに、従来の方法により推定した到来方向の推定誤差は、2度であるが、本実施例の方法により推定した到来方向の推定誤差は、0.5度であった。
このように、本実施例では、到来方向の推定精度を向上させることができる。また、相関2波の場合も同様な効果があった。
さらに、参照波の送信源の位置(高さ)をn(n≧2)段階に変化させ、各高さ毎に、n個の校正テーブルを作成する。
実際の到来波の到来方向推定の際には、各高さ毎に、校正テーブルを手動、あるいは、自動で切り替え、測定結果が一番良好な結果を、到来波の到来方向として推定する。
以下、図9(a)を用いて、本実施例の到来波の到来方向推定方法について説明する。なお、図9(a)は、本実施例の到来波の到来方向推定方法の手順を説明するためのフローチャートである。
(1)アンテナ部10の4個のアンテナ素子(R1〜R4)で受信した到来波の4チャネルの受信信号のサンプリングデータを取得する。(図9(a)のステップ120)
(2)k番目の校正テーブルに記述された装置系キャリブレーションの補正値を用いて、取得したサンプリングデータに対して装置系キャリブレーションを行う。(図9(a)のステップ122)
(3)k番目の校正テーブルに記述されたアンテナ素子間相互結合の補正値を用いて、取得したサンプリングデータに対してアンテナ素子間相互結合の補正を行う。(図9(a)のステップ123)
(4)装置系キャリブレーションと、アンテナ素子間相互結合の補正が施されたサンプリングデータの相関行列を作成する。(図9(a)のステップ124)
(5)求めた相関行列にFB空間平均を施す。(図9(a)のステップ125)
(6)FB空間平均を施した行列の固有ベクトルを求める。(図9(a)のステップ126)
(7)k番目の校正テーブルに記述された実際のアンテナパターンに対応したモードベクトルと、前記ステップで求めた固有ベクトルの雑音部分空間に対応するベクトルとを用いて、MUSICスペクトラムを計算し、到来波の到来方向を推定する。(図9(a)のステップ127)
(8)前述の(2)ないし(7)のステップを、校正テーブルの数(ここでは、n個)だけ実行する。(図9(a)のステップ121、128、129)
(9)推定結果の最も良好なものを、到来波の到来方向として推定する。(図9(a)のステップ130)
この場合に、推定結果が一番良好な結果とは、例えば、ダイナミックレンジ(到来波と雑音部分との差)が大きいものを選択する。
(1)装置系キャリブレーションの補正値と、アンテナ素子間相互結合の補正値とを取得する。(図9(b)のステップ140)
(2)参照信号を送信する送信源の高さをk番目の高さとする。(図9(b)のステップ144)
(3)アンテナ部10の4個のアンテナ素子(R1〜R4)で受信した参照波の4チャネルの参照信号のサンプリングデータを取得する。(図9(b)のステップ145)
(4)取得した装置系キャリブレーションの補正値を用いて、取得したサンプリングデータに対して装置系キャリブレーションを行う。(図9(b)のステップ146)
(5)取得したアンテナ素子間相互結合の補正値を用いて、取得したサンプリングデータに対してアンテナ素子間相互結合の補正を行う。(図9(b)のステップ147)
(6)装置系キャリブレーションと、アンテナ素子間相互結合の補正が施されたサンプリングデータの相関行列を作成する。(図9(b)のステップ148)
(7)求めた相関行列にFB空間平均を施す。(図9(b)のステップ149)
(8)FB空間平均を施した行列の固有ベクトルを求める。(図9(b)のステップ150)
(9)求めた固有ベクトルの信号部分空間に対応するベクトルを実際のアンテナパターンに対応したモードベクトルとして抽出する。なお、参照波以外のモードベクトルは補間により求める。(図9(b)のステップ151)
(10)取得した装置系キャリブレーションの補正値と、アンテナ素子間相互結合の補正値と、抽出したモードベクトルを校正テーブルに記述する。(図9(b)のステップ152)
(11)前述の(2)ないし(10)のステップを、参照波を送信する送信源の位置(高さ)をn段階に変化させて、n回実行し、n個の校正テーブルを作成する。(図9(b)のステップ141、142、143)
このように、本実施例では、校正テーブルを、手動、あるいは、自動的に切り替え、推定結果が一番良好な結果を到来方向として採用するようにしたので、推定精度の劣化を防ぐことができる。
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
11 RF部
12 AD変換部
13 パーソナルコンピュータ
15 高周波スイッチ
R1〜R4 アンテナ素子
Claims (2)
- 複数のアンテナ素子を有し、発信源からの電波を受信するアンテナ部と、
前記アンテナ部からの出力信号を増幅し、IF信号に変換するRF部と、
前記RF部からの出力信号をデジタル信号に変換するAD変換部と、
前記AD変換部からのデジタル信号に対して信号処理を施し、到来波の到来方向を推定する計算部とから構成される到来方向推定装置における到来波の到来方向推定方法に使用される校正テーブルの作成方法であって、
装置系キャリブレーションの補正値と、アンテナ素子間相互結合の補正値とを取得するステップ1と、
ステップ1で取得した装置系キャリブレーションの補正値と、アンテナ素子間相互結合の補正値とを用いて、参照信号に対して装置系キャリブレーションと、アンテナ素子間相互結合の補正を行うステップ2と、
前記ステップ2において2つの補正を施した参照信号を用いて相関行列を作成するステップ3と、
前記ステップ3で作成した相関行列にFB空間平均を施すステップ4と、
前記ステップ4でFB空間平均を施した行列の固有ベクトルを求め、当該固有ベクトルの信号部分空間に対応するベクトルを、実際のアンテナパターンに対応したモードベクトルとして抽出するステップ5と、
前記ステップ1で取得した装置系キャリブレーションの補正値と、アンテナ素子間相互結合の補正値と、前記ステップ5で抽出したモードベクトルを校正テーブルの要素として記述するステップ6とを有し、
参照信号を送信する送信源の高さをn(n≧2)段階に変化させ、各高さ毎に、前記ステップ2ないしステップ6を実行し、送信源の各高さ毎の校正テーブルを作成することを特徴とする校正テーブルの作成方法。 - 複数のアンテナ素子を有し、発信源からの電波を受信するアンテナ部と、
前記アンテナ部からの出力信号を増幅し、IF信号に変換するRF部と、
前記RF部からの出力信号をデジタル信号に変換するAD変換部と、
前記AD変換部からのデジタル信号に対して信号処理を施し、到来波の到来方向を推定する計算部とから構成される到来方向推定装置における到来波の到来方向推定方法であって、
前記計算部が、校正テーブルに記述された装置系キャリブレーションの補正値と、アンテナ素子間相互結合の補正値とを用いて、受信信号に対して装置系キャリブレーションと、アンテナ素子間相互結合の補正を行うステップ1と、
前記ステップ1において2つの補正を施した信号を用いて相関行列を作成するステップ2と、
前記ステップ2で作成した相関行列にFB空間平均を施すステップ3と、
前記ステップ3でFB空間平均を施した行列の固有ベクトルを求めるステップ4と、
前記校正テーブルに記述された実際のアンテナパターンに対応したモードベクトルと、前記ステップ4で求めた固有ベクトルの雑音部分空間に対応するベクトルとを用いてMUSICスペクトラムを計算し、到来波の到来方向を推定するステップ5とを有し、
前記校正テーブルは、高さ方向に複数個用意され、
各校正テーブル毎に、前記ステップ1ないしステップ5を実行し、ダイナミックレンジが最も大きいものを、到来波の到来方向として自動的に推定することを特徴とする到来波の到来方向推定方法。
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