JP5175247B2 - 電波伝搬パラメータ推定装置、電波伝搬パラメータ推定方法 - Google Patents

電波伝搬パラメータ推定装置、電波伝搬パラメータ推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、電波伝搬環境において、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナ間の素波の到来方向、出射方向、伝搬遅延、複素振幅等の電波伝搬パラメータを推定する電波伝搬パラメータ推定装置、電波伝搬パラメータ推定方法に関する。
一般に無線通信システムにおける電波伝搬では、建物等の障害物における電波の反射、回折、散乱により複数の伝搬経路が存在し、それらが合成されて受信機で受信される事でマルチパスフェージングが発生している。伝搬環境の解明のためには、各伝搬経路を経由して到達する各素波を分離し、その素波の放射方位角、到来角、伝搬遅延、複素振幅などの伝搬パラメータを推定する必要がある。
図1は、送信アレーアンテナの素波の放射方位角と受信アレーアンテナへの素波の到来角とを示す図である。送信アレーアンテナ10はB個の送信アンテナ11−b(bは1〜Bの整数)を備えており、受信アレーアンテナ20はT個の受信アンテナ21−t(tは1〜Tの整数)を備えている。送信アレーアンテナ10と受信アレーアンテナ20との間を伝搬する素波の数(伝搬経路)をN個と仮定する。図1(A)はn番目(nは1〜Nの整数)の素波(n番目の経路の電波)の送信アレーアンテナからの放射方位角AoD#nを示しており、図1(B)はn番目の素波(n番目の経路の電波)の受信アレーアンテナへの到来方位角AoAAZM#n(水平方向の角度)、到来仰角AoAEIV#n(垂直方向の角度)を示している。なお、AoAAZM#n、AoAEIV#nの両方をまとめて、AoA#nと表現することもある。図1には示されていないが、電波伝搬パラメータには、送信アレーアンテナ10と受信アレーアンテナ20との間の各素波の伝搬時間の差(以下、「伝搬遅延d#n」という)、および受信アレーアンテナでの複素振幅s#nもある。
次に、従来の電波伝搬パラメータ推定方法に共通する考え方について説明する。送信アンテナ11−bと受信アンテナ21−tのすべての組み合わせで受信データを取るため、送信アレーアンテナ10は、送信アンテナ11−bを1つずつ選択しながら、測定信号を順次送信する。そして、受信アレーアンテナ20では、T個の受信アンテナ21−1,…,21−Tで測定信号受信する。また、送信アンテナ11−bごとにP点の周波数軸上でのサンプリングを、Q回の測定スナップ回数で行う。したがって、P×B×T×Q個の受信データyp,b,t,q(pは1〜Pの整数、qは1〜Qの整数)が得られる。得られた受信データyp,b,t,qをP×B×T行Q列の行列Yに行列化すると以下のように表現できる。
Figure 0005175247
αAoA(AoA#n)は到来角AoA#nにおける受信アレーアンテナ20のT次元モードベクトル、αAoD(AoD#n)は放射方位角AoD#nにおける送信アレーアンテナ10のB次元モードベクトルである。モードベクトルは、いろいろな到来角から到来する測定信号に関する各受信アンテナ21−tの受信電力、送信アンテナ11−bからいろいろな出射角に送出される測定信号の電力をあらかじめ測定しておくことで得られる。また、複素振幅s#nはQ次元の列ベクトルである。したがって、何らかの方法で式(1)を解けば、放射方位角AoD#n、到来角AoA#n、伝搬遅延d#n、複素振幅s#nを求めることができ、電波伝搬パラメータを推定できる。
次に従来用いられている電波伝搬パラメータの推定アルゴリズムを説明する。従来の電波伝搬パラメータ推定方法として、Beamforming法、SAGE法、Root−MUSIC法などが知られている(非特許文献1)。到来角AoA#n推定は式(1)において、受信信号Yからモード行列A、複素振幅行列Sを推定する問題に相当する。モード行列AはN個の素波における到来角AoA#n、放射方位角AoD#n、伝搬遅延d#nの関数であり、全パラメータ空間に渡る全探索を行う事は困難である。そのため、SAGE法では、E−stepとM−stepの2つのステップを反復的に用いる事で電波伝搬パラメータを推定する。
E−STEP
最初に受信信号Yから素波kに関する受信信号成分Y#kを、式(2)を用いて抽出する。
Figure 0005175247
ここでα#n (itr)、s#n (itr)は反復推定回数itrにおける各素波のモードベクトル、複素振幅の推定値であり、βは固定値であり通常β=1/Nが用いられる。
M−STEP
素波kにおける伝搬遅延d#k (itr+1)、到来角AoA#k (itr+1)、出射角AoD#k (itr+1)を、Beamforming法を用いて推定する。例えば伝搬遅延d#k (itr+1)を推定する場合、以下の式を満たすd#k (itr+1)を探索する。
Figure 0005175247
なお、Hは複素転置行列を示している。(d#k (itr+1),AoA#k (itr+1),AoD#k (itr+1))を推定後、以下の式を用いて複素振幅s#k (itr+1)を推定する。
Figure 0005175247
以後、パラメータ推定値が収束するまで、全ての素波に関してE−stepとM−stepにおけるパラメータ推定を繰り返す。
SAGE法は任意形状のアレーアンテナに適用でき、複数の素波伝搬パラメータを推定できる等の利点があるが、式(3)で用いられているBeamforming法の推定精度が悪い。特に、近い伝搬パラメータをもった素波が複数存在するクラスタ(複数の素波のまとまり)が存在する場合に分解能が低くなる欠点がある。一方、Root−MUSIC法に代表される部分空間法は、ULA(Uniform Linear Array)形状のアレーアンテナ(等間隔線形アレーアンテナ)にのみ適用でき、また伝搬パラメータの推定も1種類に限定されるものの、Beamforming法よりも精度の高い推定が可能である。
以下、Root−MUSIC法を用いた到来角AoAの推定方法を説明する。まずL個の受信アンテナからなるULAにおける受信データYに関して相関行列YYの全スナップショットに渡る平均値Rxxを次式のように計算し、固有展開を行う。
Figure 0005175247
ただし、E=(e,e,…,e)、Λ=diag[λ,λ,…,λ]である。なお、diag[ ]は、対角行列を示している。ここで到来波の数をN(N<L)とし、全到来波と雑音成分が無相関である場合、固有ベクトルe〜e、固有値λ〜λが信号成分を、固有ベクトルeN+1〜e、固有値λN+1〜λが雑音成分を表す事が知られている。また、信号成分ベクトルは常に雑音成分ベクトルと直交する性質を利用し、雑音部分行列E=(eN+1,eN+2,…,e)を用いて、以下の式を満たすモードベクトルαを求めるのがMUSIC法の原理である。
Figure 0005175247
ここで、αは、L個の受信アンテナからなるULA形状のアレーアンテナのモードベクトルであり、受信アンテナ間距離Δd、素波の波長λ、素波の到来角θを用いて、
Figure 0005175247
と表現できる。したがって、式(6)は、zの2(L−1)次多項式となる。Root−MUSIC法ではこの多項式の根を求めることでzを推定し、素波の到来角θを計算する。
山田 寛喜, "高分解能到来波推定法の基礎と実際", 第33回アンテナ・伝搬における設計・解析ワークショップ, 電子情報通信学会 2006.
SAGE法は任意形状のアレーアンテナに適用でき、複数の素波電波伝搬パラメータを推定できる等の利点があるが、式(3)で用いられているBeamforming法の推定精度が悪く、特に近い電波伝搬パラメータをもった素波が複数存在するクラスタが存在する場合に分解能が低くなる欠点がある。
一方、Root−MUSIC法に代表される部分空間法は、類似する電波伝搬パラメータをもった素波が複数存在している場合にも高い分解能を持つが、推定可能な電波伝搬パラメータが1種類に限定され、またアレーアンテナの形状もULA(Uniform Linear Array)に限定される欠点がある。
そこで、本発明は、高精度・高分解能でありながら、任意形状のアレーアンテナに適用可能でき、複数の電波伝搬パラメータを一括して推定できる電波伝搬パラメータ推定装置、電波伝搬パラメータ推定方法を提供することを目的とする。
本発明の電波伝搬パラメータ推定装置は、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの間を伝搬する素波の数をあらかじめ仮定し、仮定された数の素波ごとの電波伝搬パラメータである送信アレーアンテナからの放射方位角、受信アレーアンテナへの到来角、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの間の素波ごとの伝搬時間もしくは伝搬時間の差(以下、推定の対象となっている伝搬時間もしくは伝搬時間の差を「伝搬遅延」という)、および受信アレーアンテナでの複素振幅を、受信アレーアンテナの実際の受信データ(以下、「実受信データ」という)と、あらかじめ測定しておいた送信アレーアンテナと受信アレーアンテナの実測のモードベクトル(以下、「実モードベクトル」という)を用いて推定する装置である。そして、本発明の電波伝搬パラメータ推定装置は、少なくとも伝搬パラメータ粗推定部、クラスタ検出部、探索パラメータ決定部、補間アレー構成部、伝搬パラメータ詳細推定部、パラメータマッチング部、複素振幅詳細推定部を備える。
伝搬パラメータ粗推定部は、素波ごとの放射方位角、到来角、伝搬遅延、および複素振幅を粗推定し、電波伝搬パラメータの粗推定値を求める。粗推定では、SAGE法などの従来の技術を用いればよい。
クラスタ検出部は、粗推定値の放射方位角、到来角、および伝搬遅延が類似する素波同士をまとめて1つ以上のクラスタを生成する。そして、クラスタごとに、当該クラスタに属していない素波の粗推定値を用いて当該クラスタに属していない素波による受信データ(以下、「対象外予測受信データ」という)を、実受信データから減算してクラスタ受信データを生成する。
探索パラメータ決定部は、クラスタ受信データから放射方位角、到来角、または伝搬遅延を個別に推定するための受信データ(以下、「推定対象クラスタ受信データ」という)を生成する。例えば、推定の対象の電波伝搬パラメータの値が同一であって推定の対象でない電波伝搬パラメータが異なる実受信データが複数ある場合、それらの実受信データを平滑化した値を、当該推定の対象の電波伝搬パラメータの値での受信データとすることで、推定対象クラスタ受信データを生成すればよい。平滑化した値としては、平均値、二乗平均値、絶対値の平均値、加重平均値などを用いればよい。
補間アレー構成部は、クラスタごとに次の処理を行う。まず、粗推定値から、当該クラスタに属する素波の放射方位角または到来角の推定値の平均の方向を求める。複数個の異なる放射方位角または到来角(以下、「変更放射方位角」または「変更到来角」という)を定める。例えば、変更放射方位角または変更到来角は、粗推定値から求められた放射方位角または到来角の推定値の平均の方向から±15度以内の範囲で定めれば、近似による歪み(誤差)を比較的少なくできる。次に、変更放射方位角ごとまたは変更到来角ごとにモードベクトルを、実モードベクトルを用いて求め、求めたモードベクトルの組(以下、「実アレー補間行列」という)を生成する。変更放射方位角ごとまたは変更到来角ごとに、前記平均の方向に垂直な面に並べられた等間隔線形アレーアンテナ(以下、「ULAアンテナ」という)のモードベクトル(以下、「ULAモードベクトル」という)を計算し、計算によって得られたモードベクトルの組(以下、「ULA補間行列」という)を生成する。そして、実アレー補間行列とULA補間行列との変換行列を求める。
伝搬パラメータ詳細推定部は、次のような処理を行う。放射方位角または到来角を推定するときは、クラスタごとに、推定対象クラスタ受信データとULAモードベクトルと変換行列とを用いて推定する。伝搬遅延を推定するときは、クラスタごとに、推定対象クラスタ受信データと実モードベクトルとを用いて推定する。
パラメータマッチング部は、クラスタごとに、伝搬パラメータ詳細推定部で個別に推定された放射方位角、到来角、伝搬遅延の組合せを決めることで、素波ごとの放射方位角、到来角、伝搬遅延を求める。
複素振幅詳細推定部は、クラスタごとに、当該クラスタのクラスタ受信データおよびパラメータマッチング部で求めた各素波の放射方位角、到来角、伝搬遅延から、複素振幅を推定する。
本発明の電波伝搬パラメータ推定装置によれば、実受信データと粗測定値から、電波伝搬パラメータを個別に推定するための推定対象クラスタ受信データを生成する。また、実モードベクトルを用いて実アレー補間行列を求め、ULAアンテナのULA補間行列を計算し、実アレー補間行列とULA補間行列との変換行列を求める。そして、推定対象クラスタ受信データとULAモードベクトルと変換行列を用いて電波伝搬パラメータを詳細推定する。つまり、実際のアンテナのモードベクトルを、クラスタごとにULAアンテナのモードベクトルの線形変換で近似して電波伝搬パラメータを詳細推定する。したがって、本発明の電波伝搬パラメータ推定装置は、高精度・高分解能でありながら、任意形状のアレーアンテナに適用可能でき、複数の電波伝搬パラメータを一括して推定できる。
送信アレーアンテナの素波の放射方位角と受信アレーアンテナへの素波の到来角とを示す図。 本発明の電波伝搬パラメータ推定装置の機能構成例を示す図。 本発明の電波伝搬パラメータ推定装置の処理フロー例を示す図。 UCAアンテナのモードベクトルを、クラスタごとにULAアンテナのモードベクトルの線形変換で近似するイメージを示す図。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
図2に本発明の電波伝搬パラメータ推定装置の機能構成例を示す。また、図3に本発明の電波伝搬パラメータ推定装置の処理フロー例を示す。電波伝搬パラメータ推定装置100は、少なくとも伝搬パラメータ粗推定部110、クラスタ検出部120、探索パラメータ決定部130、補間アレー構成部140、伝搬パラメータ詳細推定部150、パラメータマッチング部160、複素振幅詳細推定部170を備える。なお、図示していないが、全体的な動作を制御する制御部、データを記録する記録部、データの入出力を行う入出力部などを適宜備えればよい。また、クラスタ検出部120と探索パラメータ決定部130とで推定対象データ抽出手段220を構成しており、伝搬パラメータ詳細推定部150とパラメータマッチング部160と複素振幅詳細推定部170で詳細推定手段230を構成している。
まず、あらかじめ決めておくべきことや、測定しておくべきことを説明する。推定の対象となる素波の数Nは、あらかじめ決めておく。素波の数Nは、送信アレーアンテナ10と受信アレーアンテナ20との間の伝搬経路の数だけ存在するので、周囲の地形などを考慮して決めればよい。また、送信アレーアンテナ10と受信アレーアンテナ20のモードベクトルをあらかじめ測定しておき、測定されたモードベクトルを実モードベクトルとして、電波伝搬パラメータ推定装置100に記録しておく。また、従来の技術と同じように、送信アンテナ11−bと受信アンテナ21−tのすべての組み合わせで受信データを取るため、送信アレーアンテナ10では、送信アンテナ11−bを1つずつ選択しながら、測定信号を順次送信する。そして、受信アレーアンテナ20では、T個の受信アンテナ21−1,…,21−Tで測定信号受信する。そして、送信アンテナ11−bごとに時間をずらしながら、P点分のサンプリングを、Q回の測定スナップ回数で行う。このようにして得られた、P×B×T×Q個の受信データyp,b,t,q(以下、「実受信データ」という)が測定データ(入力されるデータ)である。なお、実受信データは、
Figure 0005175247
のように、P×B×T行Q列の行列形式で入力すればよい。
そして、電波伝搬パラメータ推定装置100は、素波ごとの電波伝搬パラメータである送信アレーアンテナからの放射方位角AoD#n、受信アレーアンテナへの到来角AoA#n(ただし、水平方向の角度を到来方位角AoAAZM#n、垂直方向の角度を到来仰角AoAEIV#nとする)、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの間の素波ごとの伝搬時間もしくは伝搬時間の差(以下、推定の対象となっている伝搬時間もしくは伝搬時間の差を「伝搬遅延d#n」という)、および受信アレーアンテナでの複素振幅s#nを、実受信データYと、実モードベクトルを用いて推定する。例えば、送信アレーアンテナ10が図1(A)に示した等間隔リニアアレー(ULA:Uniform Linear Array)アンテナであれば、n番目の素波の放射方位角AoD#nにおけるモードベクトルαAoD(AoD#n)は、次式のように求めることができ、B次元のベクトルになる。
Figure 0005175247
ただし、Δdは送信アンテナ11−b同士の間隔、λは素波の波長である。
また、受信アレーアンテナが図1(B)に示した等間隔円形アレー(UCA:Uniform Circular Array)アンテナであれば、n番目の素波の放射方位角AoD#nにおけるモードベクトルαAoA(AoA#n)は、次式のように求めることができ、T次元のベクトルとなる。
Figure 0005175247
ただし、rは半径、Δηは受信アンテナ21−t同士の角度の間隔である。
次に、電波伝搬パラメータ推定装置100の各構成部と処理フローについて説明する。伝搬パラメータ粗推定部110は、素波ごとの放射方位角AoD#n、到来角AoA#n(AoAAZM#n、AoAEIV#n)、伝搬遅延d#n、および複素振幅s#nを粗推定し、これらの粗推定値を求める(S110)。粗推定では、SAGE法などの従来の技術を用いればよい。
クラスタ検出部120は、粗推定値の放射方位角AoD#n、到来角AoA#n、および伝搬遅延d#nが類似する素波同士をまとめて1つ以上のクラスタを生成する。そして、クラスタ検出部120は、クラスタごとに、当該クラスタに属していない素波の粗推定値を用いて当該クラスタに属していない素波による受信データ(以下、「対象外予測受信データ」という)を、実受信データから減算してクラスタ受信データを生成する(S120)。
より具体的には、クラスタ検出部120は以下のような処理を行えばよい。クラスタ検出部120は、2つの素波の組合せすべてに対して、放射方位角AoD#n、到来角AoA#n、および伝搬遅延d#nが類似するか否かを確認する。例えば、i番目の素波とj番目の素波の放射方位角の差分diffAoD#i#j、到来角の水平方向の差分diffAoAAZM#i#j、到来角の垂直方向の差分diffAoAEIV#i#j、および伝搬遅延の差分diffd#i#jが、次式のすべてを満たす場合に同じクラスタにまとめる。
diffAoD#i#j=|AoD#i−AoD#j|≦δAoD
diffAoAAZM#i#j=|AoAAZM#i−AoAAZM#j|≦δAoAAZM
diffAoAEIV#i#j=|AoAEIV#i−AoAEIV#j|≦δAoAEIV
diffd#i#j=|d#i−d#j|≦δ (11)
ただし、δAoD、δAoAAZM、δAoAEIV、δは、あらかじめ定められた閾値である。この結果、例えばC個のクラスタが形成される。
そして、c番目のクラスタに対しては、c番目のクラスタに属していない素波の粗推定値を用いてc番目クラスタに属していない素波による受信データ(以下、「対象外予測受信データ」という)を、実受信データから減算してクラスタ受信データY#cを生成する。c番目クラスタに属していない素波の番号を#c1〜#cJ、cj番目のc番目クラスタに属していない素波のモードベクトルをα#cj、複素振幅をs#cjとすれば、クラスタ受信データY#cは次式のように求めることができる。
Figure 0005175247
なお、クラスタ受信データY#cはP×B×T行Q列の行列であり
Figure 0005175247
のように表現できる。
探索パラメータ決定部130は、クラスタ受信データから放射方位角、到来角、または伝搬遅延を個別に推定するための受信データ(以下、「推定対象クラスタ受信データ」という)を生成する(S130−1,…,C)。例えば、推定の対象の電波伝搬パラメータの値が同一であって推定の対象でない電波伝搬パラメータが異なる実受信データが複数ある場合、推定対象外の個々のパラメータに関する受信データを別々の測定スナップとして扱う、もしくは推定対象外の個々のパラメータに関して最も大きい受信値を用いる、もしくは実受信データを推定対象外の個々のパラメータに関して平滑化した値を、当該推定の対象の電波伝搬パラメータの値での受信データとすることで、推定対象クラスタ受信データを生成する。平滑化した値としては、平均値、二乗平均値、絶対値の平均値、加重平均値などを用いればよい。推定対象外の個々のパラメータに関する受信データを別々の測定スナップとして扱う具体的な方法として、c番目のクラスタの到来角AoA用の推定対象クラスタ受信データYAoA#cを求める場合、次式のように、クラスタ受信データY#cの添え字tが一致する要素を、到来角AoA用の推定対象クラスタ受信データYAoA#cの列要素とすればよい。
Figure 0005175247
したがって、推定対象クラスタ受信データYAoA#cはT行P×B×Q列の行列となる。同様に、放射方位角AoD用の推定対象クラスタ受信データYAoD#cと伝搬遅延d用の推定対象クラスタ受信データYd#cも、次式のように求めればよい。なお、推定対象クラスタ受信データYAoD#cはB行P×T×Q列の行列、推定対象クラスタ受信データYd#cはP行B×T×Q列の行列となる。
Figure 0005175247
このように求めた推定対象クラスタ受信データは、理論的には実モードベクトルを用いて以下のように表現できるので、式(1)を次式のように簡略化できる。
Figure 0005175247
ただし、#c1〜#cKは、c番目のクラスタに属する素波の番号である。
補間アレー構成部140は、クラスタごとに、放射方位角AoD#nと到来角AoA#nの推定用の近似の処理を、以下のように行う(S140−c)。まず、粗推定値から、c番目のクラスタに属する素波#c1〜#cKの放射方位角AoD#c1〜AoD#cKの推定値の平均の方向と、到来角AoA#c1〜AoA#cKの推定値の平均の方向を求める。
次に、複数個の異なる放射方位角または到来角(以下、「変更放射方位角θ〜θ」または「変更到来角θ〜θ」という)を定める。変更放射方位角または変更到来角は、上記の近似が成り立つ範囲、許容できる範囲で適宜設定すればよい。なお、UCLアンテナのモードベクトルをULAアンテナのモードベクトルの線形変換で近似する場合であれば、変更放射方位角または変更到来角は、粗推定値から求められた放射方位角または到来角の推定値の平均の方向から±15度以内の範囲で定めれば、近似による歪み(誤差)を比較的小さくできる。
次に、変更放射方位角θ(mは1からMの整数)ごとにモードベクトルαAoD(θ)を、実モードベクトルを用いて求め、求めたモードベクトルの組で実アレー補間行列Amani
Figure 0005175247
のように生成する。なお、モードベクトルαAoD(θ)はB次元のベクトルであり、変更放射方位角θがM個あるので、実アレー補間行列Amaniは、B行M列の行列となる。
そして、送信アレーアンテナの場合は、変更放射方位角θごとに、放射方位角AoD#c1〜AoD#cKの推定値の平均の方向に垂直な面(法線が平均の方向と一致する面)に並べられた等間隔リニアアレーアンテナ(以下、「ULAアンテナ」という)のモードベクトルαAoD−ULA(θ)(以下、「ULAモードベクトル」という)を次式によって計算する。
Figure 0005175247
ただし、LはULAアンテナの単体アンテナの数、Δdは単体アンテナ同士の間隔、λは素波の波長である。そして、計算によって得られたモードベクトルの組でULA補間行列Amani−ULA
Figure 0005175247
のように生成する。なお、モードベクトルαAoD−ULA(θ)はL次元のベクトルであり、変更放射方位角θがM個あるので、ULA補間行列Amani−ULAは、L行M列の行列となる。そして、実アレー補間行列AmaniとULA補間行列Amani−ULAとの変換行列GAoDを次式に従って求める。
Figure 0005175247
また、この変換行列GAoDは、近似による誤差である
Figure 0005175247
を最小化する。
次に、変更到来角ごとθにモードベクトルαAoA(θ)を、実モードベクトルを用いて求め、求めたモードベクトルの組で実アレー補間行列Amani
Figure 0005175247
のように生成する。なお、モードベクトルαAoA(θ)はT次元のベクトルであり、変更放射方位角θがM個あるので、実アレー補間行列Amaniは、T行M列の行列となる。
また、受信アレーアンテナの場合は、変更到来角θごとに、到来角AoA#c1〜AoA#cKの推定値の平均の方向に垂直な面に並べられたULAアンテナのULAモードベクトルαAoA−ULA(θ)を次式によって計算する。
Figure 0005175247
ただし、LはULAアンテナの単体アンテナの数、Δdは単体アンテナ同士の間隔、λは素波の波長である。そして、計算によって得られたモードベクトルの組でULA補間行列Amani−ULA
Figure 0005175247
のように生成する。なお、モードベクトルαAoA−ULA(θ)はL次元のベクトルであり、変更放射方位角θがM個あるので、ULA補間行列Amani−ULAは、L行M列の行列となる。そして、実アレー補間行列AmaniとULA補間行列Amani−ULAとの変換行列GAoAを次式に従って求める。
Figure 0005175247
また、この変換行列GAoAは、近似による誤差である
Figure 0005175247
を最小化する。
伝搬パラメータ詳細推定部150は、次のような処理を行う。放射方位角または到来角を推定するときは、クラスタごとに、推定対象クラスタ受信データとULAモードベクトルと変換行列とを用いて推定する。伝搬遅延を推定するときは、クラスタごとに、推定対象クラスタ受信データと実モードベクトルとを用いて推定する(S150−c)。例えば、Root−MUSIC法を用いて推定すればよい。具体的には、放射方位角、到来角、伝搬遅延ごとに、従来技術で説明したRoot−MUSIC法の式(6)を以下の式に置き換えて計算することで、放射方位角のモードベクトルαAoD、到来角用のモードベクトルαAoA、伝搬遅延用のモードベクトルαを求める。
Figure 0005175247
そして、求めたモードベクトルαAoD、αAoA、αそれぞれに対して、式(7)のzの多項式の根を求めることでzを推定し、素波ごとに放射方位角AoD#n、到来角AoA#n、伝搬遅延d#nを推定する。
次に、ステップS140−c、150−cで放射方位角のモードベクトルαAoD、到来角用のモードベクトルαAoAを求める処理のイメージを説明する。図4は、UCAアンテナのモードベクトルを、クラスタごとにULAアンテナのモードベクトルの線形変換で近似するイメージを示す図である。ステップS140−cでは、実際のアンテナ(例えばUCAアンテナ)のモードベクトルを、クラスタごとにULAアンテナのモードベクトルの線形変換で近似する。そして、変更放射方位角または変更到来角の範囲で誤差が最小になるように変換行列Gを求める。そして、ステップS150では、Root−MUSIC法を用いて放射方位角のモードベクトルαAoD、到来角用のモードベクトルαAoAを求める。このように、本発明では、電波伝搬パラメータが類似している素波をまとめてクラスタとし、クラスタ単位で、任意形状のアンテナのモードベクトルをULAアンテナのモードベクトルの線形変換で近似してRoot−MUSIC法を適用している。
パラメータマッチング部160は、クラスタごとに、伝搬パラメータ詳細推定部で個別に推定された放射方位角、到来角、伝搬遅延の組合せを決めることで、素波ごとの放射方位角、到来角、伝搬遅延を求める(S160−c)。具体的には各組み合わせに関して、素波#c1〜#cKのモードベクトルα#c1〜α#cKを式(6)に代入し、以下の式で計算されるQMUSIC−matchが最小となる組み合わせを選択する。
Figure 0005175247
複素振幅詳細推定部170は、クラスタごとに、当該クラスタのクラスタ受信データおよびパラメータマッチング部で求めた各素波の放射方位角AoD#n、到来角AoA#n、伝搬遅延d#nから、複素振幅s#nを推定する(S170−c)。具体的には、素波#c1〜#cKのモードベクトルα#c1〜α#cKを用いてモード行列A#c=(α#c1,α#c2,…α#cK)を作成し、以下の式を用いて複素振幅s#cを計算すればよい。
Figure 0005175247
電波伝搬パラメータ推定装置100は、粗推定(S110)によって得られた電波伝搬パラメータの粗推定値を、ステップS170−1〜Cまでの処理によって得られた放射方位角AoD#n、到来角AoA#n、伝搬遅延d#n、複素振幅s#nに変更する(S180)。そして、処理を繰り返すかを確認し(S190)、繰り返しを終了する場合は更新された電波伝搬パラメータを出力する。繰り返しを終了しない場合は、再度、ステップS110に戻る。このとき、粗推定(S110)のE−STEPでは、更新された電波伝搬パラメータに対応するモードベクトルを、式(2)で使用するモードベクトルの初期値とすればよい。
なお、本実施例では、UCAアンテナのモードベクトルをULAアンテナのモードベクトルの線形変換で近似する例を主に示したが、実際のアンテナをUCAアンテナに限定する必要はない。どんな形状のアンテナであっても、そのアンテナのモードベクトルを、歪や誤差の許容範囲でULAアンテナのモードベクトルの線形変換で近似すれば、本発明は利用できる。
10 送信アレーアンテナ
11 送信アンテナ
20 受信アレーアンテナ
21 受信アンテナ
100 電波伝搬パラメータ推定装置
110 伝搬パラメータ粗推定部
120 クラスタ検出部
130 探索パラメータ決定部
140 補間アレー構成部
150 伝搬パラメータ詳細推定部
160 パラメータマッチング部
170 複素振幅詳細推定部
220 推定対象データ抽出手段
230 詳細推定手段

Claims (8)

  1. 送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの間を伝搬する素波の数をあらかじめ仮定し、仮定された数の素波ごとの電波伝搬パラメータである前記送信アレーアンテナからの放射方位角、前記受信アレーアンテナへの到来角、前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間の素波ごとの伝搬時間もしくは伝搬時間の差(以下、「伝搬遅延」という)、および前記受信アレーアンテナでの複素振幅を、前記受信アレーアンテナの実際の受信データ(以下、「実受信データ」という)と、あらかじめ測定しておいた前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナの実測のモードベクトル(以下、「実モードベクトル」という)を用いて推定する電波伝搬パラメータ推定装置であって、
    素波ごとの放射方位角、到来角、伝搬遅延、および複素振幅を粗推定し、粗推定値を求める伝搬パラメータ粗推定部と、
    前記粗推定値の放射方位角、到来角、および伝搬遅延が類似する素波同士をまとめて1つ以上のクラスタを生成し、前記クラスタごとに、当該クラスタに属していない素波の粗推定値を用いて当該クラスタに属していない素波による受信データを、前記実受信データから減算してクラスタ受信データを生成するクラスタ検出部と、
    前記クラスタ受信データから放射方位角、到来角、または伝搬遅延を個別に推定するための受信データ(以下、「推定対象クラスタ受信データ」という)を生成する探索パラメータ決定部と、
    クラスタごとに、
    前記粗推定値から、当該クラスタに属する素波の放射方位角または到来角の推定値の平均の方向を求め、
    複数個の異なる放射方位角または到来角(以下、「変更放射方位角」または「変更到来角」という)を定め、
    前記変更放射方位角ごとまたは前記変更到来角ごとにモードベクトルを、前記実モードベクトルを用いて求め、求めたモードベクトルの組(以下、「実アレー補間行列」という)を生成し、
    前記変更放射方位角ごとまたは前記変更到来角ごとに、前記平均の方向に垂直な面に並べられた等間隔線形アレーアンテナ(以下、「ULAアンテナ」という)のモードベクトル(以下、「ULAモードベクトル」という)を計算し、ULAモードベクトルの組(以下、「ULA補間行列」という)を生成し、
    前記実アレー補間行列と前記ULA補間行列との変換行列を求める補間アレー構成部と、
    クラスタごとに、放射方位角または到来角を推定するときは前記推定対象クラスタ受信データと前記ULAモードベクトルと前記変換行列とを用いて推定し、伝搬遅延を推定するときは前記推定対象クラスタ受信データと前記実モードベクトルとを用いて推定する伝搬パラメータ詳細推定部と、
    クラスタごとに、前記伝搬パラメータ詳細推定部で個別に推定された放射方位角、到来角、伝搬遅延の組合せを決めることで、素波ごとの放射方位角、到来角、伝搬遅延を求めるパラメータマッチング部と、
    クラスタごとに、当該クラスタの前記クラスタ受信データおよび前記パラメータマッチング部で求めた各素波の放射方位角、到来角、伝搬遅延から、複素振幅を推定する複素振幅詳細推定部と
    を備える電波伝搬パラメータ推定装置。
  2. 請求項1記載の電波伝搬パラメータ推定装置であって、
    前記伝搬パラメータ粗推定部は、SAGE法を用いて粗推定し、
    前記伝搬パラメータ詳細推定部は、Root−MUSIC法を用いて推定し、
    前記パラメータマッチング部は、Root−MUSIC法を用いて放射方位角、到来角、伝搬遅延の組合せを決める
    ことを特徴とする電波伝搬パラメータ推定装置。
  3. 請求項2記載の電波伝搬パラメータ推定装置であって、
    前記探索パラメータ決定部は、推定の対象の電波伝搬パラメータの値が同一であって推定の対象でない電波伝搬パラメータが異なる実受信データを平滑化した値を、当該推定の対象の電波伝搬パラメータの値での受信データとすることで、推定対象クラスタ受信データを生成する
    ことを特徴とする電波伝搬パラメータ推定装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の電波伝搬パラメータ推定装置であって、
    前記変更放射方位角または前記変更到来角は、前記粗推定値から求められた放射方位角または到来角の推定値の平均の方向から±15度以内の範囲で定められている
    ことを特徴とする電波伝搬パラメータ推定装置。
  5. 送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの間を伝搬する素波の数をあらかじめ仮定し、仮定された数の素波ごとの電波伝搬パラメータである前記送信アレーアンテナからの放射方位角、前記受信アレーアンテナへの到来角、前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナとの間の素波ごとの伝搬時間もしくは伝搬時間の差(以下、「伝搬遅延」という)、および前記受信アレーアンテナでの複素振幅を、前記受信アレーアンテナの実際の受信データ(以下、「実受信データ」という)と、あらかじめ測定しておいた前記送信アレーアンテナと前記受信アレーアンテナの実測のモードベクトル(以下、「実モードベクトル」という)を用いて推定する電波伝搬パラメータ推定方法であって、
    素波ごとの放射方位角、到来角、伝搬遅延、および複素振幅を粗推定し、粗推定値を求める伝搬パラメータ粗推定ステップと、
    前記粗推定値の放射方位角、到来角、および伝搬遅延が類似する素波同士をまとめて1つ以上のクラスタを生成し、前記クラスタごとに、当該クラスタに属していない素波の粗推定値を用いて当該クラスタに属していない素波による受信データを、前記実受信データから減算してクラスタ受信データを生成するクラスタ検出ステップと、
    前記クラスタ受信データから放射方位角、到来角、または伝搬遅延を個別に推定するための受信データ(以下、「推定対象クラスタ受信データ」という)を生成する探索パラメータ決定ステップと、
    クラスタごとに、
    前記粗推定値から、当該クラスタに属する素波の放射方位角または到来角の推定値の平均の方向を求め、
    複数個の異なる放射方位角または到来角(以下、「変更放射方位角」または「変更到来角」という)を定め、
    前記変更放射方位角ごとまたは前記変更到来角ごとにモードベクトルを、前記実モードベクトルを用いて求め、求めたモードベクトルの組(以下、「実アレー補間行列」という)を生成し、
    前記変更放射方位角ごとまたは前記変更到来角ごとに、前記平均の方向に垂直な面に並べられた等間隔線形アレーアンテナ(以下、「ULAアンテナ」という)のモードベクトル(以下、「ULAモードベクトル」という)を計算し、ULAモードベクトルの組(以下、「ULA補間行列」という)を生成し、
    前記実アレー補間行列と前記ULA補間行列との変換行列を求める補間アレー構成ステップと、
    クラスタごとに、放射方位角または到来角を推定するときは前記推定対象クラスタ受信データと前記ULAモードベクトルと前記変換行列とを用いて推定し、伝搬遅延を推定するときは前記推定対象クラスタ受信データと前記実モードベクトルとを用いて推定する伝搬パラメータ詳細推定ステップと、
    クラスタごとに、前記伝搬パラメータ詳細推定ステップで個別に推定された放射方位角、到来角、伝搬遅延の組合せを決めることで、素波ごとの放射方位角、到来角、伝搬遅延を求めるパラメータマッチングステップと、
    クラスタごとに、当該クラスタの前記クラスタ受信データおよび前記パラメータマッチングステップで求めた各素波の放射方位角、到来角、伝搬遅延から、複素振幅を推定する複素振幅詳細推定ステップと
    を有する電波伝搬パラメータ推定方法。
  6. 請求項5記載の電波伝搬パラメータ推定方法であって、
    前記伝搬パラメータ粗推定ステップは、SAGE法を用いて粗推定し、
    前記伝搬パラメータ詳細推定ステップは、Root−MUSIC法を用いて推定し、
    前記パラメータマッチングステップは、Root−MUSIC法を用いて放射方位角、到来角、伝搬遅延の組合せを決める
    ことを特徴とする電波伝搬パラメータ推定方法。
  7. 請求項6記載の電波伝搬パラメータ推定方法であって、
    前記探索パラメータ決定ステップは、推定の対象の電波伝搬パラメータの値が同一であって推定の対象でない電波伝搬パラメータが異なる実受信データを平滑化した値を、当該推定の対象の電波伝搬パラメータの値での受信データとすることで、推定対象クラスタ受信データを生成する
    ことを特徴とする電波伝搬パラメータ推定方法。
  8. 請求項5から7のいずれかに記載の電波伝搬パラメータ推定方法であって、
    前記変更放射方位角または前記変更到来角は、前記粗推定値から求められた放射方位角または到来角の推定値の平均の方向から±15度以内の範囲で定められている
    ことを特徴とする電波伝搬パラメータ推定方法。
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