JP4294300B2 - 油分離装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油脂分を含んだ排水から油脂分を分離する油分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、油脂分などの汚染物質を含んだ排水が生じるホテル、レストラン、飲食店などの厨房設備、あるいは家庭厨房などには、油分離装置、あるいは浄化槽などの排水処理設備を排水基準に対応して設けることが法令などにより義務付けられている。
【0003】
そして、従来、この種の油分離装置としては、流入口および流出口を有するトラップ本体を備え、このトラップ本体内には、油分解槽が設けられている。この油分解槽内には、好気性の油脂分解バクテリアなどを保持した油分解手段が取り付けられている。また、トラップ本体における油分解槽よりも排水の流入側には、排水を濾過する金属製のバスケットが取り付けられている。そして、厨房設備などからの油脂分を含んだ排水を流入口からトラップ本体内に貯留する際にバスケットを通過させ、このバスケットを通過して油分解槽に貯留した排水に含まれる油脂分を、油分解手段で分解する(例えば、特許文献1および2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特許第3008287号公報(第2頁、図1)
【0005】
【特許文献2】
特開2000−189954号公報(第2頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の油分離装置では、排水に含まれる油脂分の略全てをトラップ本体の油分解槽内の油分解手段で分解処理するため、油分解手段が比較的大掛かりとなり、油脂分の処理コストの低減、メンテナンス、あるいはトラップ本体の小型化などが容易でないとともに、排水に含まれる油脂分を油分解手段で確実に処理することが容易でなく、この処理された排水が法令などで規定された所定の排水基準を満たすように、グリーストラップの排水口に別置きの油分解槽を接続する場合などもある。
【0007】
この結果、上述の油分離装置では、使い勝手が良好でないという問題点を有している。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、使い勝手が良好な油分離装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の油分離装置は、油脂分を含んだ排水から油脂分を分離する油分離装置であって、前記排水が流入する流入口および前記排水が流出する流出口を備え、前記排水が貯留される貯留槽と、前記流入口から流入した前記排水を濾過する濾過手段と、側部と底部とを有する有底筒状に形成され、前記側部が前記貯留槽に貯留された前記排水の水面と交差するように前記底部が前記貯留槽に貯留された前記排水内に浸漬されて前記濾過手段の下方に対向して配置され、前記濾過手段で濾過した前記排水に含まれる油脂分を分離する濾体と、この濾体で油脂分が分離された前記排水に残留した油脂分を分解する分解手段とを具備したものである。
【0010】
そして、濾過手段で濾過した排水に含まれる油脂分を分離する有底筒状の濾体を貯留槽に貯留された排水に底部が浸漬するように濾過手段の下方に対向させて配置することにより、濾体の側部が貯留槽内の濾過手段の下方の排水と交差し、濾過手段で濾過された排水が濾体を通過する際に貯留槽に貯留される排水の水面と衝突して浮上したこの排水に含まれる油脂分を、濾体の側部の一部で吸着分離するとともに、貯留槽に貯留された排水の水面と接触する濾体の側部で吸着した油脂分が濾体の側部を水面の上方へと移動して濾体に保持されるため貯留槽内の排水に染み出すことがないので、複雑な構成を用いることなく排水に含まれる油脂分および浮遊物を確実に除去し、かつ排水に残留した油脂分を分解する分解手段での油脂分の分解の負荷が低減するため、分解手段をも簡略化することが可能になるなど、使い勝手が向上する。
【0011】
請求項2記載の油分離装置は、請求項1記載の油分離装置において、濾体の内方に配置され、排水の水面に浮上した油脂分を吸着する油吸着材を具備したものである。
【0012】
そして、濾体の内方に配置した油吸着材にて、排水の水面に浮上した油脂分を吸着し、排水に含まれる油脂分をより効率よく分離する。
【0013】
請求項3記載の油分離装置は、請求項1または2記載の油分離装置において、分解手段は、周方向に沿って回転可能な円筒状に形成された保持体と、この保持体に保持された吸着材と、この吸着材に吸着保持され、排水に含まれる油脂分を分解する好気性の油脂分解菌とを備えたものである。
【0014】
そして、分解手段に、周方向に沿って回転可能な円筒状に形成された保持体と、この保持体に保持された吸着材と、この吸着材に吸着保持され、排水に含まれる油脂分を分解する好気性の油脂分解菌とを設けることにより、排水を効率よく油脂分解菌に接触させることができ、排水の処理効率がより向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の油分離装置の一実施の形態の構成を図1および図2を参照して説明する。
【0016】
図1において、1は油分離装置としてのグリーストラップである。このグリーストラップ1は、例えばホテル、レストラン、あるいは飲食店などの図示しない厨房設備から排出された図示しない油脂分などを含む排水Dが流入する流入口2、および、排水Dが流出する流出口としての流出管3を有する貯留槽としてのトラップ本体4を備えている。
【0017】
このトラップ本体4は、例えば2枚の隔板5により、流入口2と連通された分離槽6、油分解槽7および流出管3へと連通された流出槽8に排水Dの上流側から下流側へと順次仕切られており、これら分離槽6、油分解槽7および流出槽8は、各隔板5の下端部で互いに連通されている。
【0018】
ここで、分離槽6には、濾過手段としての金属製の網籠状の濾過バスケット11が着脱可能に取り付けられている。この濾過バスケット11は、トラップ本体4の側壁と隔板5との間に亘って流入口2とトラップ本体4との接続部の下部に取り付けられており、流入口2から流入した排水Dに含まれる比較的大きい塵埃である図示しない残菜などを排水Dから濾過して分離する。また、この濾過バスケット11は、トラップ本体4内に貯留された排水Dの水面に接触しない位置に取り付けられている。
【0019】
さらに、濾過バスケット11の下部には、分離手段としての分離バスケット12が着脱可能に取り付けられている。この分離バスケット12は、図2に示すように、金属製の略矩形箱状の網籠であり、この分離バスケット12内には、濾体としてのフェルト14、および、油吸着材としてのいわゆるウェスなどの油吸収マット15が着脱可能にそれぞれ取り付けられている。
【0020】
また、分離バスケット12は、濾過バスケット11の下部から、HASS217−1999により定義されたトラップ本体4内の標準水位面よりも下方に亘って設けられている。したがって、分離バスケット12の下端部近傍は、排水D中に浸漬されている。
【0021】
さらに、フェルト14は、分離バスケット12の内側面および底面の全体を覆うように、有底角筒状に形成され、底部14aがトラップ本体4内に貯留された排水Dに浸漬され、この排水Dの水面Sよりも下側に位置し、この水面Sから所定の距離だけ離間されている。このフェルト14は、排水Dが通過可能であり、この排水Dが通過する際にこの排水Dに含まれる浮遊物、いわゆるSS(Suspended Solids:浮遊固形物)、および、排水Dに含まれ分離槽6内に浮上して浮上油Oとなった油脂分を吸着する。
【0022】
また、油吸収マット15は、フェルト14の内部である内側面に沿って、分離バスケット12の上面から下方に向けて延設されて取り付けられており、下端部がトラップ本体4内に貯留された排水Dの水面Sよりも若干下側に位置して排水D内に浸漬されている。この油吸収マット15は、フェルト14による浮上油Oの吸着を補助するものである。
【0023】
さらに、油分解槽7内には、この油分解槽7の底面から上方に向けて下部隔板21が設けられている。この下部隔板21は、分離槽6の濾過バスケット11およびフェルト14を通過した排水Dが衝突することでこの排水Dの流速を低減させるものである。
【0024】
そして、下部隔板21の上端部には、分解手段22が設置されている。この分解手段22は、円筒状の保持体23、この保持体23内に保持された吸着材24およびこの吸着材24に吸着保持された油脂分解菌25を備えている。
【0025】
ここで、保持体23は、油分解槽7における排水Dの通過方向と略直交する方向に軸方向を有しており、周方向に回転可能に取り付けられている。また、この保持体23は、金属などにて形成されており、外周面に図示しない複数の孔を備えている。さらに、保持体23の内周面には、図示しないフィルタが複数重ねて取り付けられている。そして、保持体23内は、例えば8つの保持室23aに分割されており、これら保持室23a内に吸着材24がそれぞれ保持されている。
【0026】
また、吸着材24は、例えば特公平8−4796号公報に記載の生物学的処理材、および、耐熱性を有し、かつ一般的な粒子状活性炭と比較して高い吸着性を有するいわゆるACC(Activated Charcoal Cloth)などの活性炭クロスである。したがって、この吸着材24は、好気性の油脂分解菌25を含む複数の菌種を有し、フェルト14を通過して油脂分を除去された排水D内に残留した油脂分および汚染物質であるn−ヘキサン(normal-hexane)、洗剤(界面活性剤)、腐敗臭などを吸着して分離する。
【0027】
さらに、トラップ本体4の外部には、酸素供給手段としてのエアポンプ26が設けられている。このエアポンプ26は、複数、例えば3本の配気管27に接続されており、これら配気管27は、分解手段22の上流側および下流側の油分解槽7内と、流出槽8内とにそれぞれ挿入されている。
【0028】
そして、これら配気管27は、油分解槽7および流出槽8の下部まで延設されており、これら配気管27からは、酸素が排水D内へと供給される。
【0029】
また、流出槽8内には、この流出槽8の底面から上方に向けて下部隔板28が設けられている。この下部隔板28は、下部隔板21と同様に、油分解槽7を通過した排水Dが衝突することでこの排水Dの流速を低減させるものである。
【0030】
次に、上記一実施の形態の作用を説明する。
【0031】
まず、ホテル、レストラン、あるいは飲食店などの図示しない厨房設備から排出された排水Dが流入口2からトラップ本体4の分離槽6に流入すると、濾過バスケット11により、残菜など比較的大きい塵埃を濾過して除去する。
【0032】
次いで、濾過バスケット11により濾過された排水Dは、分離バスケット12へと流入し、トラップ本体4内に貯留された排水Dへと流れ込む。
【0033】
このとき、排水Dに含まれる油脂分は、トラップ本体4内に貯留された排水Dと衝突すると、この排水Dの水面Sに浮上して浮上油Oとなる。
【0034】
この浮上油Oは、フェルト14における排水Dの水面Sに接触した部分、および、油吸収マット15により吸着されて排水Dから分離される。
【0035】
ここで、フェルト14の吸着された浮上油Oは、いわゆる毛細管現象によりフェルト14の上部へと移動してこのフェルト14の上部に保持されるため、このフェルト14から浮上油Oが排水Dに染み出すことがない。また、油吸収マット15に吸着された油脂分も同様に毛細管現象により油吸収マット15の上部へと移動するため、油吸収マット15の浮上油Oと接触している下端部は、常時油脂分を吸着しやすい状態に維持されている。
【0036】
一方、排水Dに含まれる浮遊物は、この排水Dがフェルト14の底部14a、あるいは排水Dに浸漬された側部を通過する際に吸着されて、排水Dから分離される。
【0037】
さらに、フェルト14を通過してトラップ本体4の油分解槽7へと流入した排水Dは、レストランなどの営業時間終了後、例えば夜間などに、エアポンプ26により配気管27からトラップ本体4内に酸素を供給することで吸着材24の吸着保持された好気性の油脂分解菌25の活性が向上し、これら油脂分解菌25などの菌種により、わずかに排水D中に残留し分解手段22の吸着材にて吸着された油脂分とともに、n−ヘキサン、洗剤および腐敗臭などが分解される。
【0038】
この後、排水Dは流出槽8に流入し、流出管3から図示しない排水処理設備へと流出する。
【0039】
一方、フェルト14および油吸収マット15で吸着した排水Dに含まれる油脂分は、フェルト14および油吸収マット15を定期的に取り外して図示しない別の容器内などにて絞ることで、この容器に回収される。
【0040】
上述したように、上記一実施の形態によれば、使い勝手を向上したグリーストラップ1を提供できる。
【0041】
すなわち、有底角筒状のフェルト14の底部14aをトラップ本体4の分離槽6内に貯留された排水Dに浸漬させたことにより、濾過バスケット11で濾過した排水Dに含まれる油脂分がフェルト14を通過する際に排水Dの水面Sと衝突して浮上して浮上油Oとなり、この浮上油Oをフェルト14の側部の一部および油吸収マット15で排水Dから分離するとともに、油脂分が浮上した排水Dに含まれる浮遊物をフェルト14の底部14aおよび側部で分離するので、複雑な構成を用いることなく排水Dに含まれる油脂分および浮遊物を確実に除去できる。
【0042】
また、残菜を濾過バスケット11で除去し、フェルト14の側部および油吸収マット15で排水Dに含まれる油脂分を除去し、フェルト14の側部および底部14aで排水Dに含まれる浮遊物を除去し、残留した油脂分などを分解手段22で分解して除去するなど、排水Dを残菜および浮遊物などの固形物、油脂分および水分にそれぞれ分別して処理する。この結果、分解手段22での油脂分の分解の負荷が低減し、分解手段22をも簡略化および小型化できるとともに、従来のように油分解槽7内で一括して油脂分などを処理する場合と比較して油脂分などを確実に処理でき、法令などで定められた排水基準を確実に満たす排水処理が可能となる。
【0043】
さらに、フェルト14の内部に油吸収マット15を取り付け、この油吸収マット15の下端部をトラップ本体4の分離槽6に貯留される排水D内に浸漬したことにより、排水Dの水面に浮上した浮上油Oを、油吸収マット15でも吸着できるので、排水Dに含まれた油脂分をより効率よく分離できる。
【0044】
さらに、フェルト14および油吸収マット15は、目詰まりなどを起こしたり、所定の期間使用したりした後に、取り外して容易に交換できる。
【0045】
そして、グリーストラップ1全体の構造を簡略化できることにより、グリーストラップ1を安価にでき、メンテナンスが容易になるとともに、このグリーストラップ1のみで排水基準を満たす排水処理ができるため、排水Dを処理する追加の施設などが不要になり、排水Dの処理コストを低減できる。
【0046】
また、フェルト14および油吸収マット15で吸収した油脂分には、後処理が煩雑な油脂分解剤などが含まれていないため、これらフェルト14および油吸収マット15で吸収した油脂分を別容器に絞りとることで、容易に再利用、すなわちリサイクルできる。
【0047】
さらに、分解手段22は、保持体23が排水Dを上流側と下流側とで二度横断しているため、保持体23に保持された吸着材24に吸着保持された油脂分解菌25に、排水Dを効率よく接触させることができ、排水の処理効率を向上できる。さらに、分解手段22のフィルタが目詰まりなどを起こした際には、この分解手段22を図示しないモータ、あるいは手動などで回転させつつ洗浄することで容易に洗浄でき、使い勝手をより向上できる。
【0048】
そして、トラップ本体4に貯留された排水D内に酸素を供給して油脂分解菌25の活性を向上させるエアポンプ26を設けたことにより、油脂分解菌25の活性を向上させて排水Dに含まれる油脂分を効率よく分解できるとともに、例えば環境に好ましくない油脂分解剤などを排水Dに添加する必要がないため、環境に配慮した油脂分の分解処理が可能になる。
【0049】
なお、上記一実施の形態において、例えば油分解槽7および流出槽8などに、油脂分解菌25を保持した吸着材などの浮上分離手段を浮上させ、エアポンプ26による曝気の際に浮上した油脂分をこの浮上分離手段にて吸着して処理する構成も可能である。
【0050】
また、フェルト14および油吸収マット15の材質、厚さ寸法および大きさなどは、例えばHASS217−1999に定義されたグリーストラップ1の実容量などに応じて任意に設定する。
【0051】
さらに、油吸収マット15は、図3に示すように、トラップ本体4内に貯留された排水Dの水面Sに浮上させる構成にすることも可能である。
【0052】
そして、トラップ本体4内の排水Dに浮上した浮上油Oをフェルト14のみで充分に吸着できれば、油吸収マット15を設けずにグリーストラップ1の構造をより簡略化することも可能である。
【0053】
また、濾体および油分離体としては、フェルト14および油吸収マット15以外のものも可能である。
【0054】
さらに、分解手段22は、上記構成に限定されず、他の様々な形態が可能である。
【0055】
また、濾過バスケット11は、分離バスケット12に流入する排水Dから残菜などを濾過して除去できれば、分離バスケット12と一体にせず、流入口2など、分離バスケット12の上流側の他の位置に単独で配置してもよい。
【0056】
さらに、グリーストラップ1の細部は、上記構成に限定されるものではない。
【0057】
【実施例】
以下、上記油分離装置の一実施の形態の実施例を、表1を参照して説明する。
【0058】
グリーストラップ1にて処理した排水Dに含まれるn−ヘキサン抽出物質の含有量、および、排水D中のBOD(Biochemical Oxygen Demand:生化学的酸素要求量)をそれぞれ測定した(実施例)。比較例としては、フェルト14および油吸収マット15を使用しないグリーストラップで処理した排水を用いた。
【0059】
ここで、n−ヘキサン抽出物質の含有量の測定に際しては、環境庁告示第64号付表4に記載の方法を用いた。また、BODの測定に際しては、JISK0102の21および32.3に記載の方法を用いた。これら計測の結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
Figure 0004294300
【0061】
表1に示すように、従来例では、n−ヘキサン抽出物質の含有量が14700mg/l、BODが2580mg/lであるのに対し、上記実施例では、n−ヘキサン抽出物質の含有量が140mg/l、BODが280mg/lと、それぞれ100分の1以下および9分の1以下まで低減され、上記実施例が従来例よりも排水を確実に処理できることが分かる。なお、上記実施例におけるn−ヘキサン抽出物質の含有量は、計測前のグリーストラップ1内の排水Dに残留した量を含んでいるため、実際の上記実施例のみで処理した際には、約30mg/l以下にまで抑制することも可能である。
【0062】
【発明の効果】
請求項1記載の油分離装置によれば、濾過手段で濾過した排水に含まれる油脂分を分離する有底筒状の濾体を貯留槽に貯留された排水に底部が浸漬するように濾過手段の下方に対向させて配置することにより、濾体の側部が貯留槽内の濾過手段の下方の排水と交差し、濾過手段で濾過された排水が濾体を通過する際に貯留槽に貯留される排水の水面と衝突して浮上したこの排水に含まれる油脂分を、濾体の側部の一部で吸着分離するとともに、貯留槽に貯留された排水の水面と接触する濾体の側部で吸着した油脂分が濾体の側部を水面の上方へと移動して濾体に保持されるため貯留槽内の排水に染み出すことがないので、複雑な構成を用いることなく排水に含まれる油脂分および浮遊物を確実に除去し、かつ排水に残留した油脂分を分解する分解手段での油脂分の分解の負荷が低減するため、分解手段をも簡略化することが可能になるなど、使い勝手を向上できる。
【0063】
請求項2記載の油分離装置によれば、濾体の内方に配置した油吸着材にて、排水の水面に浮上した油脂分を吸着し、排水に含まれる油脂分をより効率よく分離できる。
【0064】
請求項3記載の油分離装置によれば、分解手段に、周方向に沿って回転可能な円筒状に形成された保持体と、この保持体に保持された吸着材と、この吸着材に吸着保持され、排水に含まれる油脂分を分解する好気性の油脂分解菌とを設けることにより、排水を効率よく油脂分解菌に接触させることができ、排水の処理効率をより向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油分離装置の一実施の形態を示す説明図である。
【図2】同上油分離装置の一部を示す説明図である。
【図3】本発明の油分離装置の他の実施の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 油分離装置としてのグリーストラップ
2 流入口
3 流出口としての流出管
4 貯留槽としてのトラップ本体
11 濾過手段としての濾過バスケット
14 濾体としてのフェルト
14a 底部
15 油吸着材としての油吸収マット
22 分解手段
23 保持体
24 吸着材
25 油脂分解菌
D 排水

Claims (3)

  1. 油脂分を含んだ排水から油脂分を分離する油分離装置であって、
    前記排水が流入する流入口および前記排水が流出する流出口を備え、前記排水が貯留される貯留槽と、
    前記流入口から流入した前記排水を濾過する濾過手段と、
    側部と底部とを有する有底筒状に形成され、前記側部が前記貯留槽に貯留された前記排水の水面と交差するように前記底部が前記貯留槽に貯留された前記排水内に浸漬されて前記濾過手段の下方に対向して配置され、前記濾過手段で濾過した前記排水に含まれる油脂分を分離する濾体と、
    この濾体で油脂分が分離された前記排水に残留した油脂分を分解する分解手段と
    を具備したことを特徴とした油分離装置。
  2. 濾体の内方に配置され、排水の水面に浮上した油脂分を吸着する油吸着材を具備した
    ことを特徴とした請求項1記載の油分離装置。
  3. 分解手段は、
    周方向に沿って回転可能な円筒状に形成された保持体と、
    この保持体に保持された吸着材と、
    この吸着材に吸着保持され、排水に含まれる油脂分を分解する好気性の油脂分解菌とを備えた
    ことを特徴とした請求項1または2記載の油分離装置。
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