JP4294010B2 - TGF−βスーパーファミリー間のキメラタンパク質 - Google Patents

TGF−βスーパーファミリー間のキメラタンパク質 Download PDF

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Description

本出願は、本願と同日に提出された、同時係属中の出願番号第U.S.S.N
.09/375,333号、および同第09/374,958号(代理人登録番
号第STK−075号および同第STK−076号)の全体の開示を参照して本
明細書中で引用する。
(発明の分野)
本発明は、改変されたタンパク質、および改変されたタンパク質をコードする
DNAに関する。これらのDNAは、改変された形態形成タンパク質を含む、構
造的に関連するタンパク質のTGF−βスーパーファミリーに由来する、生合成
された構築物、化学合成された構築物。
(発明の背景)
TGF−βスーパーファミリーは、いくつかを挙げると、5個の異なる形態の
TGF−β(SpornおよびRoberts(1990)、Peptide
Growth Factors and Their Receptors、S
pornおよびRoberts編、Springer−Verlag:Berl
in、419−472頁)、ならびに分化因子Vg−1(WeeksおよびMe
lton(1987)、Cell 51:861−867)、DPP−Cポリペ
プチド(Padgettら(1987)Nature 325:81−84)、
ホルモンアクチビンおよびインヒビン(Inhibin)(Masonら(19
85)、Nature 318:659−663;Masonら(1987)、
Growth Factors 1:77−88)、Mullerian阻害物
質、MIS(Cateら(1986)、Cell 45:685−698)、骨
形成タンパク質および形態形成タンパク質OP−1(PCT/US90/059
03)、OP−2(PCT/US91/07654)、OP−3(PCT/WO
94/10202)、BMP(米国特許第4,877,864号;同第5,14
1,905号;同第5,013,649号;同第5,116,738号;同第5
,108,922号;同第5,106,748号;および同第5,155,05
8号を参照のこと)、発生的に調節されるタンパク質Vgr−1(Lyonsら
(1989)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:455
4−4558)、ならびに成長/分化因子GDF−1、GDF−3、GDF−9
、およびドルサリン−1(dorsalin−1)(McPherronら(1
993)、J.Biol.Chem.268:3444−3449;Basle
rら(1993)、Cell 73:687−702)を含む。
TGF−βスーパーファミリーのタンパク質は、ジスルフィド結合されたホモ
−またはヘテロダイマーである。これらは、疎水性のシグナル配列、長くそして
それほど保存されていない数100個のアミノ酸のN末端プロ領域配列、切断部
位、ファミリーメンバーの間で変化するN末端領域を含む成熟ドメイン、および
高度に保存されているC末端領域を含有する、大きな前駆体ポリペプチド鎖とし
て発現される。全ての既知のファミリーのメンバーのプロセシングされた成熟タ
ンパク質中に存在するこのC末端領域は、約100個のアミノ酸を含み、保存さ
れている6個または7個のシステイン骨格を有する特徴的なシステインモチーフ
を伴う。成熟領域とプロ領域との間の切断部位の位置は、ファミリーメンバー間
で変化するが、全てのタンパク質のC末端のシステインパターンは同一の形式で
あり、配列Cys−X−Cys−Xで終結する(SpornおよびRobert
s(1990)、前出)。
TGF−βスーパーファミリーのタンパク質の生物学の統一の特徴は、軟骨内
性骨の形態形成を含む、発生プロセスを調節するそれらの能力である。これらの
構造的に関連するタンパク質は、種々の発生事象に関与することが同定されてい
る。例えば、TGF−βおよびインヒビン/アクチビングループのポリペプチド
は、細胞増殖および細胞分化の調節において役割を果たすようである。MISは
、哺乳動物の雄性の胚の発生においてミュラー管の退行を生じ、そしてDros
ophia decapentaplegic複合体の遺伝子産物であるdpp
は、適切な背部−腹部(dorsal−ventral)の特異化に必要である
。同様に、Vg−1は、Xenopusにおいては中胚葉の誘導に関連し、そし
てVgr−1は、発生中のマウスの種々の組織において同定されている。骨形成
に関しては、TGF−βスーパーファミリー中のタンパク質(例えば、OP−1
およびBMP(骨形態形成タンパク質)として同定されている他のタンパク質の
サブセット)が、主要な役割を果たす。OP−1(BMP−7)および他の骨形
成タンパク質は、組換え技術を使用して産生されており(米国特許第5,011
,691号およびPCT出願番号第US90/05903号)、そしてインビボ
で実際に軟骨内性骨の形成を誘導することが可能であることが示されている。一
般的には、骨形成タンパク質は、当該分野では、成長因子のTGF−βスーパー
ファミリーのサブグループとして分類されている(Hogan(1996)、G
enes & Development、10:1580−1594)。
最近、タンパク質のこの同じファミリーの特定のメンバーが、形態形成性(す
なわち、成熟哺乳動物において組織形態形成の発生的カスケードを誘導し得る)
であることが認識されている(PCT出願番号第US92/01968号を参照
のこと)。詳細には、これらモルフォゲンは、関連付けられていない前駆細胞の
増殖を誘導し得、そして適切な環境条件下で組織特異的様式でこれらの刺激され
た前駆細胞の分化を誘導し得る。さらに、モルフォゲンは、これらの分化した細
胞の増殖および維持を支持し得る。これらの形態形成性活性は、これらのタンパ
ク質が、適切な形態形成許容的環境において、組織形態形成の発生カスケードを
開始および維持することを可能にし、この発生カスケードは、幹細胞の組織特異
的様式での増殖および分化を刺激し、そして新しい組織形成が最高点に達する事
象の進行を誘導する。これらの形態形成活性はまた、これらのタンパク質が、そ
れ以前にそれらの分化の経路から外れるように刺激された細胞の「再分化」を誘
導することを可能にする。適切な環境条件下では、これらのモルフォゲンがまた
関連付けられた細胞の「再分化」を刺激し得ることが予想される。
タンパク質のこの形態形成性のクラスのメンバーとして、いくつかを挙げると
、哺乳動物骨形成タンパク質−1(OP−1(BMP−7としてもまた公知であ
る)、およびDrosophilaホモログ60A)、骨形成タンパク質−2(
OP−2(BMP−8としてもまた公知である))、骨形成タンパク質−3(O
P−3)、BMP−2(BMP−2AまたはCBMP−2Aとしてもまた公知で
ある、およびDorosphilaホモログDPP)、BMP−3、BMP−4
(BMP−2BまたはCMBP−2Bとしてもまた公知である)、BMP−5、
BMP−6およびそのマウスホモログVgr−1、BMP−9、BMP−10、
BMP−11、BMP−12、GDF3(Vgr2としてもまた公知である)、
GDF−8、GDF−9、GDF−10、GDF−11、GDF−12、BMP
−13、BMP−14、BMP−15、GDF−5(CDMP−1またはMP5
2としてもまた公知である)、GDF−6(CDMP−2またはBMP−13と
してもまた公知である)、GDF−7(CDMP−3またはBMP−12として
もまた公知である)、XenopusホモログVg1およびNODAL、UNI
VIN、SCREW、ADMP、およびNEURALが挙げられる。
例示的なファミリーメンバーを使用する模式化によって、TGF−β2および
OP−1の両方の三次および四次構造が決定されている。TGF−β2およびO
P−1は、それらのそれぞれのアミノ酸配列においてわずかに約35%のアミノ
酸同一性しか示さないが、両方の分子の三次および四次構造は極めて類似してい
る。TGF−β2およびOP−1の両方ともが天然においてダイマーであり、そ
して7個のC末端のシステイン残基のうちの6個に関与する特有のフォールディ
ングパターンを有する。各サブユニットにおいては、4個のシステインが結合し
て、8個の残基の環を生じ、そして2個のさらなるシステイン残基が、その環を
通って通過するジスルフィド結合を形成して、結び目様の構造を形成する。7個
の保存システイン残基の最もN末端側のシステインに番号1を割り当てて開始す
る番号付けスキームを用いると、2番目と6番目のシステイン残基は、8個の残
基環の一方の側面を閉じるように結合し、一方、3番目と7番目のシステイン残
基がもう一方の側面を閉じるように結合する。1番目と5番目の保存システイン
残基は、環の中心を通じて結合して、結び目の中心を形成する。4番目のシステ
インは、他のサブユニット中の対応する残基と鎖間ジスルフィド結合を形成する
TGF−β2およびOP−1のモノマーサブユニットは、3つの主要な構造エ
レメントおよびN末端領域を含む。構造エレメントは、以下の型:(1)ループ
、(2)α−へリックス、および(3)β−シートの50%を超える二次構造を
保有している、連続しているポリペプチド鎖の領域を作製する。さらに、これら
の領域においては、N末端およびC末端の鎖は、7Åを超えて離れていない。1
番目および2番目の保存システインの間の残基は、逆平行β−シートフィンガー
(本明細書中では、フィンガー1領域(F1)と呼ばれる)によって特徴付けら
れる構造領域を形成する。同様に、5番目と6番目の保存システインの間の残基
もまた、逆平行β−シートフィンガー(本明細書中では、フィンガー2領域(F
2)と呼ばれる)を形成する。β−シートフィンガーは、一本のアミノ酸の鎖で
あり、これは、入口(entering)鎖および出口(exiting)鎖が
1つ以上の逆平行β−シート構造を形成するように、β−ターンまたはより大き
いループによってそれ自体の上にフォールディング戻るβ鎖を含む。3番目と4
番目の保存システインの間の残基を含む、第3の主要な構造領域は、本明細書中
ではヒール領域(H)と呼ばれる3個のターンα−へリックスによって特徴付け
られる。TGF−β2およびOP−1の両方のダイマーの形態においては、サブ
ユニットは、一方のサブユニットのヒール領域が、この分子のコアを形成する、
この連結サブユニットの結び目領域で、もう一方のサブユニットのフィンガー領
域と接触する。4番目のシステインは、第2鎖上のその対応物とジスルフィド結
合を形成し、それによって手のひら(palm)の中心で鎖を等しく連結する。
このように形成されたダイマーは、サブユニット間の対称な2倍軸を上から下に
見た場合に、楕円形の(葉巻型)の分子である。
天然に存在するか、または組換えによってもしくは合成によって調製されたか
にはかかわらず、TGF−βスーパーファミリー内の真のモルフォゲン(例えば
、骨形成タンパク質)は、前駆細胞の補充および刺激を誘導し得、それによって
、例えば、軟骨細胞および骨芽細胞へのそれらの分化を誘導し、そしてさらに、
中間体の軟骨の分化、血管新生、骨の形成、再造形、そして最終的には骨髄の分
化を誘導し得る。多数の研究者らが、天然から供給されたマトリックス材料(例
えば、コラーゲン)または合成によって調製されたポリマーマトリックス材料の
いずれかと混合して、そうでなければ真の置換骨が生じない条件下で、真の骨形
成(軟骨内での骨の形成を含む)を誘導した場合には、骨形成タンパク質の能力
を実証した。例えば、マトリックス材料と組み合わせた場合には、これらの骨形
成タンパク質は、いくつか名前を挙げれば、大きな断片の骨の欠失、頭蓋冠の欠
失、脊椎の融合、および骨折における、新しい骨の形成を誘導する。
細菌および他の原核生物の発現系は、ネイティブのタンパク質、および生合成
または組換えのタンパク質の両方を生成するための好ましい手段として、当該分
野であてにされている。さらに、全体の化学合成は、小さいタンパク質を産生す
るための新しい可能性である。原核生物(例えば、E.coli)の系は、タン
パク質の商業的な量を産生するため、および天然に存在するかまたは合成によっ
て調製された、変異体およびアナログの生物学的特性および化学的特性を評価す
るために、有用である。代表的には、過剰に発現される真核生物のタンパク質は
、原核生物の宿主細胞中で不溶性の細胞内沈殿物(「封入体」)へと凝集する。
次いで、凝集したタンパク質は封入体から回収され、1つ以上の標準的な変性剤
を使用して可溶化され、次いで機能的な状態に再フォールディングされることを
可能にされるか、またはそのように誘導される。化学的に合成されたタンパク質
もまた、適切な再フォールディングを必要とする。
最適な再フォールディングは、生物学的に活性なタンパク質の構造を形成しそ
して安定化させるために、任意のジスルフィド結合の適切な形成を必要とする。
しかし、必ずしも全ての天然に存在するタンパク質が、可溶化された際に、容易
に再フォールディングされるわけではない。再フォールディングのための化学の
注意深い操作にもかかわらず、最適にフォールディングされた、安定な、そして
/または生物学的に活性なタンパク質の収量は低いままである。多くの上記のタ
ンパク質(BMPを含む)は、ほとんど再フォールディングされないタンパク質
のカテゴリーに入る。例えば、BMPタンパク質ファミリーのいくつかのメンバ
ーはインビトロで、例えば、E.coliまたは他の原核生物宿主中で産生され
た場合に比較的効率良くフォールディングされ得るが、他の多く(BMP−5、
BMP−6、およびBMP−7を含む)はそうされない。例えば、第EP043
3225号、米国特許第5,399,677号、同第5,756,308号、お
よび同第5,804,416号を参照のこと。
形態形成タンパク質を含む、タンパク質のTGF−βスーパーファミリーの、
組換え、化学合成、および/または生合成によるメンバーを設計し、そして首尾
よく産生するための改善された手段の必要性がなお、残されている。
(項目1) アミノ酸残基置換を含み、そして非置換TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質と比較して変更された特性を有する、TGF−βスーパーファミリーメンバー変異体であって、該アミノ酸置換は、以下:
アルギニン、イソロイシン、ロイシン、セリンおよびアラニンのいずれか1つから選択されるC末端アミノ酸残基;または
該タンパク質のフィンガー2サブドメインの塩基性領域における非酸性アミノ酸残基または非ヒドロキシル基保有アミノ酸残基をそれぞれ置換する、酸性アミノ酸残基またはヒドロキシル基保有アミノ酸残基
である、TGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目2) 前記アミノ酸置換が、OP−1(配列番号39)における残基427に対応する残基で生じる、項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目3) 前記アミノ酸置換が、前記フィンガー2サブドメインの塩基性領域における親水性の、非酸性残基を置換する酸性残基である、項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目4) 前記フィンガー2の塩基性領域における前記置換アミノ酸残基が、アスパラギン酸またはグルタミン酸である、項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目5) 前記親水性の、非酸性残基が、塩基性残基またはアミド基保有残基である、項目3に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目6) 前記アミノ酸置換が、親水性残基を置換するヒドロキシル基保有残基である、項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目7) 前記フィンガー2の塩基性領域における前記置換アミノ酸残基が、セリンまたはトレオニンである、項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目8) 前記親水性残基が、アミド基保有残基または塩基性残基である、項目5に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目9) 前記フィンガー2の塩基性領域における前記置換残基が、正に荷電した親水性残基またはアミド基保有親水性残基を置換する、項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目10) 前記フィンガー2サブドメインが、配列番号39の残基397〜427によって規定される配列に対応する、項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目11) 前記フィンガー2の塩基性領域が、配列番号39の残基397〜406および残基418〜427によって規定される、項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目12) 前記置換残基が、配列番号39の残基397〜410または残基420〜427に対応する領域において生じる、項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目13) 前記フィンガー2の塩基性領域における前記アミノ酸置換が、配列番号39の残基400、402、405、421、422および426のいずれか1つで生じる、項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目14) 前記非置換TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質が、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4およびTGF−β5、MIS、GDNF、インヒビンα、インヒビンβA、インヒビンβBおよびBMP−11(それらの種改変体およびキメラを含む)のいずれか1つから選択される、項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目15) 前記非置換TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質が、GDF−3、SCREW、NODAL(それらの種改変体およびキメラを含む)のいずれか1つから選択される、項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目16) 前記非置換TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質が、BMP−5、BMP−6、OP−2、OP−3、60−Aならびにそれらの種改変体およびキメラのいずれか1つから選択される、項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目17) 前記非置換TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質が、OP−1である、項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目18) 配列番号39の残基400、402、405、421、422および426に対応する残基の少なくとも1つが、酸性残基で置換されているアミノ酸配列を含む、単離されたTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体であって、ここで、該変異体が、BMP−5、BMP−6、OP−1、OP−2、OP−3および60−Aからなる群より選択される、変異体。
(項目19) 配列番号39の残基400、402、405、421、422および426に対応する残基の少なくとも1つが、ヒドロキシル基保有残基で置換されているアミノ酸配列を含む、単離されたTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体であって、ここで、該変異体が、BMP−5、BMP−6、OP−2、OP−3および60−Aからなる群より選択される、変異体。
(項目20) 配列番号39の残基400、402、405、421、422および426の少なくとも1つが、酸性残基で置換されていることを除き、配列番号39の残基330〜431によって規定される配列を含む、単離されたOP−1変異体。
(項目21) 配列番号39の残基400、402、405、421、422および426の少なくとも1つが、ヒドロキシル基保有残基で置換されていることを除き、配列番号39の残基330〜431によって規定される配列を含む、単離されたOP−1変異体。
(項目22) 前記酸性残基が、アスパラギン酸またはグルタミン酸である、項目18または20に記載の単離された変異体。
(項目23) 前記ヒドロキシル基保有残基が、セリンまたはトレオニンである、項目19または21に記載の単離された変異体。
(項目24) 非置換TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質と比較して、約6.0〜9.0の範囲のpHにおける改善されたインビトロリフォールディング特性を有する、項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目25) 前記非置換TGF−βスーパーファミリーメンバーの約1%未満が、約6.0〜9.0の範囲のpHでの適切なリフォールディング条件下で、インビトロでダイマーとしてリフォールディングされる、項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目26) 非置換TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質と比較して、増大した水溶液中での可溶性、改善された安定性、改善されたリフォールディング、または改善された活性を有することがさらに特徴付けられる、項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体。
(項目27) 項目1に記載のTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体をコードするDNA配列を含む、単離された核酸。
(項目28) TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質の水溶液中での可溶性、リフォールディング能力、または活性を改善するための方法であって、該方法は、C末端フィンガー2サブドメインにおいて負に荷電した残基数を増加させる工程を包含する、方法。
(項目29) 前記負に荷電した残基数が、少なくとも3つ増加される、項目28に記載の方法。
(項目30) 前記負に荷電した残基数が、少なくとも4つ増加される、項目28に記載の方法。
(項目31) 前記負に荷電した残基の少なくとも1つが、前記タンパク質のC末端フィンガー2サブドメインの塩基性領域に対応する領域で置換される、項目28に記載の方法。
(項目32) 前記領域が、配列番号39の残基397〜406および残基418〜427に対応する、項目31に記載の方法。
(項目33) 前記負に荷電した残基の少なくとも1つが、非保存的位置で置換される、項目28に記載の方法。
(項目34) TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質の水溶液中での可溶性、リフォールディング能力、または活性を改善するための方法であって、該方法は、該タンパク質のC末端フィンガー2サブドメインにおいて負に荷電した残基数を減少させる工程を包含する、方法。
(項目35) TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質の水溶液中での可溶性を改善するための方法であって、該方法は、フィンガー2のネックにおける正に荷電した残基またはアミド基保有親水性残基を、ヒドロキシル基保有残基と置換する工程を包含する、方法。
(項目36) 前記TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質が、OP−1である、項目34または35に記載の方法。
(項目37) 前記TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質が、BMP−5、BMP−6、OP−2、OP−3および60−Aのいずれか1つである、項目34または35に記載の方法。
(項目38) 前記TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質が、適切なリフォールディング条件下で約1%未満のリフォールディングされたダイマー種を生成することが特徴付けられる、項目34または35に記載の方法。
(項目39) 生物学的に活性なダイマー種を生成する適切なリフォールディング条件下で、TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質をインビトロで折り畳む方法であって、該TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質は、適切なリフォールディング条件下で約1%未満のリフォールディングされたダイマー種を生成することが特徴付けられ、該方法は、以下の工程:
(a)酸性残基置換を含むTGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質を生成する工程であって、該置換は、以下:
アルギニン、イソロイシン、ロイシン、セリンおよびアラニンのいずれか1つから選択されるC末端アミノ酸残基;または
該TGF−βスーパーファミリーメンバーフィンガー2サブドメインの塩基性領域における非酸性残基または親水性残基をそれぞれ置換する、酸性残基またはヒドロキシル基保有アミノ酸残基
である、工程、および
(b)工程(a)の該TGF−βスーパーファミリーメンバー変異体を、約pH6〜9の範囲のpHでフォールディングさせて、生物学的に活性なダイマー種を生成する工程
を包含する、方法。
(項目40) 工程(b)の前に、界面活性剤の存在下で前記変異体を可溶化するさらなる工程を包含する、項目39に記載の方法。
(項目41) 改善された特性を有するTGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質を生成する方法であって、該方法は、以下:
(a)アミノ酸置換を含むTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸を、宿主細胞に提供する工程であって、該置換は、以下:
アルギニン、イソロイシン、ロイシン、セリンおよびアラニンのいずれか1つから選択されるC末端アミノ酸残基;または
該タンパク質のフィンガー2サブドメインの塩基性領域における非極性残基または非酸性残基をそれぞれ置換する、極性残基または酸性残基
である、工程;
(b)該変異体の発現を可能にする条件下で、工程(a)の該核酸でトランスフェクトした該細胞を培養する工程;
(c)該変異体を他の細胞成分および培養培地成分から単離する工程;および
(d)適切なリフォールディング条件下で、該変異体をインビトロでリフォールディングさせる工程
を包含する、方法。
(項目42) 前記改善される特性が、リフォールディング、活性、可溶性または安定性である、項目41に記載の方法。
(項目43) 前記アミノ酸置換が、前記フィンガー2ドメインの塩基性領域における、非酸性の、親水性残基の酸性残基での置換である、項目41に記載の方法。
(項目44) 前記アミノ酸置換が、前記フィンガー2の塩基性領域における、ヒドロキシル基を有さない親水性残基のヒドロキシル基保有残基での置換である、項目41に記載の方法。
(項目45) 前記非酸性の、親水性残基が、塩基性残基である、項目43に記載の方法。
(項目46) 前記酸性残基が、グルタミン酸またはアスパラギン酸である、項目41に記載の方法。
(項目47) 前記ヒドロキシル基保有残基が、セリンまたはトレオニンである、項目44に記載の方法。
(項目48) 前記TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質が、OP−1である、項目41に記載の方法。
(項目49) 前記TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質が、BMP−5、BMP−6、OP−2およびOP−3(それらの種改変体およびキメラを含む)のいずれか1つである、項目41に記載の方法。
(項目50) 前記TGF−βスーパーファミリーメンバーが、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4、TGF−β5、MIS、GDNF、インヒビンα、インヒビンβA、インヒビンβBおよびBMP−11(それらの種改変体およびキメラを含む)のいずれか1つである、項目41に記載の方法。
(項目51) 配列番号68または配列番号69のアミノ酸配列からなる、タンパク質変異体。
(項目52) 組織形態形成を誘導する方法であって、該方法は、項目1、18、19、20、21または51に記載の変異体タンパク質の形態形成有効量を投与する工程を包含する、方法。
(項目53) 前記組織が、骨、非鉱化骨格組織、歯組織、結合組織、脳、肝臓および神経からなる群より選択される、項目52に記載の方法。
(発明の要旨)
本発明は、形態形成タンパク質を含むTGF−βスーパーファミリーの改変タ
ンパク質、およびその改変タンパク質をコードするDNAを提供する。本明細書
中で使用される場合、用語「改変TGF−βスーパーファミリー」、「変異体T
GF−βスーパーファミリー」、「変異体タンパク質」、「変異体構築物」、お
よび「変異体」とは、任意のTGF−βスーパーファミリーのメンバーの合成構
築物をいう。これらの中では、特定のアミノ酸が、他のアミノ酸によって置換さ
れているか、あるいは、1つのTGF−βスーパーファミリーのメンバーのフィ
ンガー2サブドメインのいずれかまたはすべてが、別のTGF−βスーパーファ
ミリーのメンバーのフィンガー2サブドメインのいずれかまたはすべてによって
置換されている。また、変異体タンパク質は、組換えおよび/または生合成およ
び/または化学合成タンパク質を含むことが、本明細書中で意図される。さらに
、本発明の変異体タンパク質は、天然に存在するタンパク質と比較して、変化し
た再フォールディングの属性を有する。本発明の変異体タンパク質は、変化した
安定性、特異的活性、可溶性、生体活性、および/または生体特異性の属性を有
し得、そして組織特異的標的化に有用である。
1つの実施態様においては、本発明は、天然の「ほとんど再フォールディング
しない」タンパク質の再フォールディング特性を改善する、合成変異体タンパク
質を提供する。本明細書中で使用される場合、「ほとんど再フォールディングし
ない」タンパク質は、典型的な適切な再フォールディング条件下で再フォールデ
ィングするように誘導した場合に、約1%未満の最適に再フォールディングされ
た材料を生じる任意のタンパク質を意味する(以下を参照のこと)。詳細には、
ほとんど再フォールディングしないものは、そのほとんど再フォールディングし
ないもののC末端のフィンガー2サブドメイン内の特定のアミノ酸配列変化によ
って、良好に再フォールディングするものへと変換される。このほとんど再フォ
ールディングしないタンパク質のフォールディング能力はまた、このタンパク質
のフィンガー2サブドメイン中の親水性残基(特に酸性(負に荷電した)残基)
の数を増加することによって、増大される。
このフィンガー2サブドメインの塩基領域中の酸性残基の数を増加することは
、未置換の親配列の再フォールディング特性と比較した場合に、この置換された
配列の再フォールディング特性を改良する。このほとんど再フォールディングし
ないタンパク質のフォールディング能力はまた、このタンパク質のフィンガー2
サブドメイン中(特に、このフィンガー2サブドメインの塩基領域中)の極性残
基を保有する水酸基の数を増加することによって、増大される。さらに、TGF
−βスーパーファミリーのメンバータンパク質のC末端活性領域の個々のサブド
メインが、所望の生物学的または生化学的特性を獲得するように交換され得るこ
とが、発見されている。
好ましい実施態様において、ほとんど再フォールディングしないもののフィン
ガー2塩基領域の一部またはすべてが、良好に再フォールディングするもののフ
ィンガー2塩基領域に交換されて、親タンパク質のフォールディング特性が改良
され、TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質の生物学的特異性に実
質的に影響しない。所定のTGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質の
レセプター結合特異性が、1つのTGF−βスーパーファミリーメンバータンパ
ク質のフィンガー2チップ領域を異なるTGF−βスーパーファミリーメンバー
タンパク質のものと交換することによって変化され、親タンパク質のフォールデ
ィング特性に実質的に影響しないことが、認識される。
これらの発見の結果として、所望されるように、変化した属性(変化したフォ
ールディング能力、変化した可溶性、変化した安定性、変化した等電点、変化し
た表面またはキャリア結合特性、および/または変化した生物学的活性および特
異性を含む)を有する、新規なTGF−βスーパーファミリーメンバー変異体を
予測および設計するための手段は、現在利用可能である。本発明はまた、キメラ
構築物の生物学的および生化学的属性を容易かつ迅速に評価するための手段(エ
ピトープをマッピングすることを含む)を提供する。特に、候補を、このフィン
ガー2サブドメイン中の特定の特異的アミノ酸配列を用いて構築し、それによっ
て、原核生物宿主(例えば、E.coli)におけるこの候補配列の発現、それ
に続くインビトロでの再フォールディングを可能にする。
本明細書中で使用される場合、「ほとんど再フォールディングされない」タン
パク質とは、代表的に適切な再フォールディング条件下で再フォールディングを
誘導した場合に、標準的なプロトコールを使用して測定した場合に、約1%未満
の適切にフォールディングされた材料を生じる、任意のタンパク質を意味する。
本明細書中で意図される場合は、「代表的に適切な再フォールディング条件」と
は、その下でタンパク質が機能性を付与するために必要とされる程度に再フォー
ルディングされ得る条件である。当業者は、少なくともI.B.1.(c)節お
よび実施例3が、このような再フォールディング条件の非限定的な例を開示する
ことを認識する。本発明の組成物および方法に関する構造的なパラメーターは、
そのダイマータンパク質の構造を通じて適切に分布している1つ以上のジスルフ
ィド架橋特性を含む。そしてこれは、フォールディングされた構造を生じるため
に、「還元−酸化」(「酸化還元」)反応工程を必要とする。酸化還元反応は、
代表的には、中性のpHで生じる。従って、本明細書中で使用される場合は、「
適切な再フォールディング条件」は、実質的に中性のpH(すなわち、約pH5
.0から10.0の範囲、代表的には、約pH6.0−9.0の範囲内)であり
、そして好ましくは生理学的に適合性である条件下での、酸化還元反応工程を含
む。当業者は、成功のための最適な条件を理解しておりそしてそれを認識してい
る。
1つの好ましい実施態様においては、本発明は、中性の、またはそうでなけれ
ば生理学的に適合性である条件下で変化した再フォールディング特性を有する、
組換え、化学合成、または生合成のTGF−βスーパーファミリーのメンバーの
タンパク質を提供する。例示のみの目的で、本発明の組換え、化学合成、または
生合成タンパク質は、約5.0−10.0の範囲内、好ましくは、約6.0−9
.0の範囲内、より好ましくは、約7.0−8.5(これは、約pH7.5−8
.5の範囲を含む)の範囲内のpHで、変化した再フォールディング特性を有す
る。
別の実施態様においては、本発明は、中性の、またはそうでなければ生理学的
に適合性である条件下で変化した可溶性特性を有する、組換え、化学合成、また
は生合成のTGF−βスーパーファミリーのメンバーのタンパク質を提供する。
1つの実施態様においては、本発明のタンパク質は、約5.0−10.0の範囲
内、好ましくは、約6.0−9.0の範囲内、より好ましくは、約6.0−8.
5(これは、約pH7.0−7.5の範囲を含む)の範囲内のpHで、変化した
可溶性を有する。別の実施態様においては、タンパク質の安定性は、本明細書中
で開示される改変および操作によって変更される。「変化した」とは、ネイティ
ブのタンパク質の特性(単数または複数)とは異なることを意味するように意図
され、そしてより安定であるかもしくはより不安定であり得るが、そして/また
はより可溶性であり得るかもしくはより不溶性であり得る、などであり得る実施
態様を含む。
なお別の実施態様においては、本発明は、生理学的に適合性である条件下で再
フォールディングする能力を有し、そしてネイティブのタンパク質と比較して変
化した等電点を有する、組換え、化学合成または生合成の、TGF−βスーパー
ファミリータンパク質を提供する。別の実施態様においては、本発明は、ネイテ
ィブのタンパク質と比較して変化した再フォールディング特性を有する、組換え
、化学合成または生合成の、TGF−βスーパーファミリーのメンバーのタンパ
ク質を提供する。そしてここで、この変異体タンパク質はまた、例えば、変化し
たレセプター結合特異性、変化した安定性、変化した可溶性、および/または生
物学的活性を有する。
別の局面においては、本発明は、親のタンパク質と比較した場合に、改良され
た再フォールディング特性を有する、組換え、化学合成または生合成の、TGF
−βスーパーファミリーのメンバーのタンパク質を提供する。そして特定の好ま
しい実施態様において、少なくとも1つの残基、好ましくは2つ、より好ましく
は3つ以上の残基が、ほとんど再フォールディングしないタンパク質のフィンガ
ー2サブドメインのネックまたは塩基領域において、酸性残基によって置換され
る。特定の他の実施態様において、5つより多くの残基が置換される。1つの実
施態様において、この置換する酸性残基はGluまたはAspである。別の好ま
しい実施態様において、この酸性残基は、この塩基領域中の塩基性残基またはア
ミド保有親水性残基を置換する。なお別の好ましい実施態様において、親タンパ
ク質は、OP−1、BMP−5、BMP−6、OP−2、OP−3または60−
Aのうちのいずれか1つであり、そのキメラ、ヘテロダイマーおよびアミノ酸改
変体を含む。そして酸性残基による置換は、少なくとも以下の位置のうちの1つ
でなされる:4(Q)、6(N)、25(R)、26(N)、30(R)、そし
て可能なことにはまた、22(K)、23(K)および31(A)。OP−1の
C末端ドメインのシステインダブレットの後の最初の残基からカウントする。(
例えば、図1を参照のこと)。別の実施態様において、親タンパク質は、NOD
AL、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4およびTGF
−β5のうちのいずれか1つであり、そしてこの置換は、以下の位置のうちの1
つ以上でなされる:4(K、D、T、A、V)、6(K、E、D)、24(K、
S)、25(D、N)、29(E、K、R)そして可能なことには30(E、S
、A)。
別の局面において、本発明は、親のタンパク質と比較した場合に、改良された
再フォールディング特性を有する、組換え、化学合成または生合成の、TGF−
βスーパーファミリーのメンバーのタンパク質を提供する。そして特定の好まし
い実施態様において、少なくとも1つの残基、好ましくは2つ、より好ましくは
3つ以上の残基が、ほとんど再フォールディングしないタンパク質のフィンガー
2サブドメインのネックまたは塩基領域において、水酸基保有極性残基によって
置換される。特定の他の実施態様において、5つより多くの残基が置換される。
1つの実施態様において、この置換する極性残基は、SerまたはThrである
。別の好ましい実施態様において、この置換する残基は、この塩基領域中の塩基
性残基またはアミド保有親水性残基を置換する。なお別の好ましい実施態様にお
いて、親タンパク質は、OP−1、BMP−5、BMP−6、OP−2、OP−
3または60−Aのうちのいずれか1つであり、そのキメラ、ヘテロダイマーお
よびアミノ酸改変体を含む。そして酸性残基による置換は、少なくとも以下の位
置のうちの1つでなされる:C末端ドメインのシステインダブレットの後の最初
の残基から4、6、25、26、30、そして可能なことには22、23および
31。(例えば、図1を参照のこと)。別の実施態様において、親タンパク質は
、NODAL、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4およ
びTGF−β5のうちのいずれか1つであり、そしてこの置換は、以下の位置の
うちの1つ以上でなされる:4、6、24、25、29そして可能なことには3
0。
別の実施態様において、酸性残基および/またはヒドロキシル基保有極性残基
を有する残基の置換は、OP−1(配列番号39)中の以下の位置の少なくとも
1つで生じる:C末端活性ドメイン中に保存された2つの並んでいるシステイン
に続く最初の残基から数える場合は、400、402、405、421、422
、426(それぞれ、残基4、6、9、25、26および30に対応する)(図
1を参照のこと)。
別の局面において、本発明は、組換え、化学合成、または生合成TGF−βス
ーパーファミリーメンバータンパク質を提供し、これは、ヘテロダイマーおよび
キメラを含む。ここで、このC末端残基は、以下のアミノ酸残基のいずれか1つ
で置換されている:アルギニン、セリン、イソロイシン、ロイシンまたはアラニ
ン。そしてこれは、置換されていない親TGF−βスーパーファミリーメンバー
タンパク質配列と比較して改善されたリフォールディング特性を有する。1つの
好ましい実施態様において、TGF−βスーパーファミリーメンバーは、OP−
1である。別の実施態様において、TGF−βスーパーファミリーメンバーは、
BMP−5、BMP−6、60−AまたはOP−2のいずれか1つである。なお
別の実施態様において、TGF−βスーパーファミリーメンバーは、GDF−3
、SCREWまたはNODALのいずれかである。1つの好ましい実施態様にお
いて、置換する残基は、アルギニンである。別の好ましい実施態様において、置
換される親配列中のC末端残基は、ヒスチジンである。別の好ましい実施態様に
おいて、この親タンパク質は、以下のいずれか1つの列挙中に含まれる任意のリ
フォールディングの乏しいタンパク質である:OP−1、BMP−5、BMP−
6、OP−2、OP−3、60−A、NODAL、GDF−3またはSCREW
、それらのキメラおよび/またはアミノ鎖改変体。その置換するC末端残基は、
アルギニンである。別の実施態様において、この親タンパク質は、以下の列挙中
に含まれる任意のリフォールディングの乏しいタンパク質である:TGF−β1
、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4およびTGF−β5(それらのキ
メラおよび/またはアミノ酸改変体を含む)。その置換するC末端残基は、アル
ギニンである。1つの実施態様において、これらのC末端で置換されたタンパク
質は、フィンガー2サブドメイン中に1つ以上のアミノ酸残基の置換をさらに含
み、この領域中の酸性(負に荷電した)残基の数を、少なくとも3、好ましくは
4、より好ましくは5まで増加させる。好ましい実施態様において、この酸性残
基置換は、フィンガー2サブドメインのネック(neck)領域またはベース(
base)領域中でなされる。1つの実施態様において、この置換する酸性残基
は、AspまたはGluである。なお別の実施態様において、この酸性残基は、
親水性残基、特に、この領域中のアミド基保有残基および/または正に荷電した
残基を置換する。なお別の実施態様において、これらの置換された残基は、以下
を含む:Asn、Gln、His、ArgおよびLys。別の実施態様において
、このC末端で置換されるタンパク質は、フィンガー2サブドメイン中に1つ以
上のアミノ酸残基の置換をさらに含み、この領域中のアミド基保有残基および/
または正に荷電した残基の数を減少させる。1つの実施態様において、置換され
たフィンガー2サブドメインは、フィンガー2のベース領域中に、5つ未満の正
に荷電した残基、好ましくは4つ以下の正に荷電した残基、より好ましくは3つ
以下の正に荷電した残基を有する。なお別の実施態様において、このC末端で置
換されたタンパク質は、フィンガー2サブドメイン中の1つ以上のアミノ酸残基
置換をさらに含み、この領域中のヒドロキシル基保有残基の数を増加させる。1
つの実施態様において、この置換する極性残基は、SerまたはThrである。
別の実施態様において、この置換する残基は、塩基基保有残基またはアミド基保
有残基を置換する。
本発明の改変されたタンパク質は、生体適合性マトリクス(例えば、コラーゲ
ン、ヒドロキシアパタイト、セラミックスもしくはカルボキシメチルセルロース
、または他の適切なマトリクス材料)と合わせて使用され得る。このような組合
せは、再生骨、軟骨および/または他の鉱化されていない骨格領域もしくは連結
組織(例えば、少数だが列挙すると、靱帯、腱、筋肉、人工軟骨、線維軟骨、関
節包、半月板、椎間円板(intervertabral disc)、滑膜組
織、および筋膜(fasica)(しかし、これらに限定されない))について
の方法において特に有用である。例えば、米国特許第5,496,552号、同
第5,674,292号、同第5,840,325号、および米国特許出願第0
8/253,398号(米国特許第_号としてもうすぐ発行される)、これらの
開示は、本明細書中に参考として援用され;また、同時係属中の米国特許出願第
08/459,129号および同第08/458,811号(各々、1995年
6月2日出願)は、本明細書中に参考として援用される。本願は、マトリクス材
料のような結合特性および/または接着特性が、本明細書中に開示される特定の
変異および技術を使用して変更され得ることを意図する。
別の実施態様において、本発明は、リフォールディングの乏しい、ネイティブ
TGF−βスーパーファミリータンパク質(例えば、BMPホモダイマーおよび
ヘテロダイマー)をフォールディングするための方法、ならびに生理学的に適合
可能および/または中性のpH条件下で本発明の変異体タンパク質をフォールデ
ィングするための方法を提供する。1つの好ましい実施態様において、この方法
は、所望されるように、本発明の1つ以上の可溶化された置換TGF−βスーパ
ーファミリーメンバー変異体を提供する工程、この可溶化された変異体を適切な
リフォールディング緩衝液中で酸化還元反応に曝露する工程、およびこのタンパ
ク質サブユニットをホモダイマーおよび/またはへテロダイマーへリフォールデ
ィングさせる工程を包含する。別の実施態様において、この酸化還元反応系は、
グルタチオン、DTT,β−メルカプトエタノール、β−メルカプトメタノール
、シスチンおよびシスタミンの酸化形態および還元形態を利用し得る。別の実施
態様において、この酸化還元反応系は、空気酸化(好ましくはメタル触媒(例え
ば、銅)存在下で)に依存する。なお実施態様において、約1:10〜約10:
1、好ましくは約1:2〜約2:1の範囲の還元剤対酸化剤の比が、使用され得
る。別の好ましい実施態様において、変異体タンパク質は、界面活性剤(非イオ
ン性界面活性剤(例えば、ジギトニン)、N−オクチルグルコシドまたは両性イ
オン性界面活性剤(例えば、3−[(3−コラミドプロピル(cholamid
oproply))ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルフェート(CHA
PS))を含む)の存在下で可溶化される。なお別の実施態様において、リフォ
ールディング反応は、約5.0〜10.0のpH範囲、好ましくは、約6.0〜
9.0の範囲、より好ましくは約7.0〜8.5の範囲で生じる。なお別の実施
態様において、リフォールディング反応は、約0〜32℃の範囲内の温度、好ま
しくは約4〜25℃の範囲で生じる。ヘテロダイマーが作製される場合、2つの
異なるサブユニットを付加するために最適な比は、容易に、経験的にそして過度
の実験を伴わずに決定され得る。
ヘテロダイマーの精製は、2つのモノマー配列を調整することによって容易に
され得、その結果、これらは、精製のために有用な特性(例えば、正味の電荷)
において異なる。
本発明の特定の組成物は、好ましくは、ヌクレオチドのアセンブリによるか、
および/またはDNA制限フラグメントを連結することによって、本明細書に開
示される原理に従って製造されて、合成DNAを生成する。このDNAは、適切
なタンパク質発現ビヒクル中にトランスフェクトされ、コードされたタンパク質
が発現され、フォールディングされ、そして精製される。特定の構築物は、イン
ビトロにおいてアゴニスト活性について試験され得る。候補構築物の三次構造は
、反復的に精製され得、そして本明細書中に開示される原理、コンピュータに基
づくタンパク質構造モデル化、および近年開発された合理的分子設計技術によっ
て援助される、部位特異的またはヌクレオチド配列特異的変異誘発によって調節
されて、目的の分子の特定の特性を改善または調節され得る。公知のファージデ
ィスプレイまたは他の発現系は、多数の候補構築物を同時に生成するために開発
され得る。続いて、候補構築物のプールは、例えば、表面固定化レセプター、高
い結合候補物を選択するためおよびそれを濃縮するための塩勾配溶出を含むクロ
マトグラフィーカラム、ならびに特定の単離された候補物がテンプレートスーパ
ーファミリーメンバーの活性をアゴナイズするか否かを決定すためのインビトロ
アッセイを使用して、変更および/または改善された結合特異性についてスクリ
ーニングされ得る。有用な構築物の同定の後、研究室の使用のため、究極的には
治療的に有用な分子を生成するための、商業的に有用な量の構築物を発現する細
胞株を生成する。一旦、本明細書中に記載されるタンパク質およびDNA方法論
によって同定され、そして特徴付けられると、好ましい構築物は、標準的な化学
的合成方法論によって生成され得ることもまた、意図される。
別の局面において、本発明は、宿主細胞(細菌宿主、または任意の他の宿主細
胞を含む)においてTGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質を生成す
るための方法を提供し、ここで、過剰発現されるタンパク質は、インビトロにお
いて可溶化および/またはリフォールディングすることを必要とする形態で凝集
する。この方法は、本発明の1つ以上の組換えタンパク質または生合成タンパク
質をコードする核酸分子でトランスフェクトされた宿主細胞を提供する工程、組
換えタンパク質を発現するために適切な条件下で宿主細胞を培養する工程、凝集
したタンパク質を回収する工程、ならびに上記に述べた工程を使用してこのタン
パク質を可溶化およびリフォールディングする工程を包含する。別の実施態様に
おいて、この方法は、本発明の組換えタンパク質または生合成タンパク質をコー
ドする核酸を用いて宿主細胞をトランスフェクトする、さらなる工程を包含する
別の局面において、本発明は、親配列と比較して哺乳動物における免疫学的効
果をほとんど有さないかまたは実質的に増加しない、組換え、化学合成または生
合成TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質を提供する。この分子の
免疫学的効果は、分子またはその一部を動物(例えば、試験マウス)へ注射する
こと、およびこの注射に応答して動物によって生成され、そしてこの分子に特異
的な抗体についてアッセイすることによって容易に検出され得る。有用なアッセ
イとしては、血清において抗体を検出するための任意の標準的プロトコル(例え
ば、標準的なウェスタンブロット、ELISAイムノアッセイまたはラジオイム
ノアッセイ)が挙げられる。
なお別の実施態様において、本発明は、変更された生物学的特性(キメラ構築
物を含む)を有する組換え、化学合成または生合成TGF−βスーパーファミリ
ーメンバータンパク質を作製するための新規な方法を提供する。1つの実施態様
において、C末端活性領域の個々のサブドメインは、TGF−βスーパーファミ
リーメンバー間で交換されて、所望の特性を有するキメラ構築物を作製し得る。
例えば、リフォールディングの乏しいフィンガー2サブドメインは、良好なリフ
ォールディングのフィンガー2サブドメインに交換されて、親タンパク質のフォ
ールディング特性を改善し得る。好ましくは、ネック領域またはベース領域のフ
ィンガー2に対応する非保存的残基のみが交換され、そして親配列のループ配列
またはチップ配列は、この親配列の生物学的活性を維持するように維持される。
あるいは、親のリフォールディングの乏しいタンパク質の生物学的活性およびフ
ォールディング特性は、フィンガー2のネック/ベース領域およびチップ/ルー
プ領域の両方において非保存的残基を変化させることによって変更され得る。逆
に、良好なリフォールディングの生物学的活性は、親タンパク質のフィンガー1
サブドメインおよび/またはヒールサブドメインを所望の活性を有するTGF−
βスーパーファミリーメンバータンパク質のものと置換することによってこのタ
ンパク質のリフォールディング特性に実質的に影響することなく、変更され得、
それによって、変異体タンパク質を生成する。あるいは、フィンガー2のチップ
中の非保存的残基のみが、変更され得る。
本発明の上述および他の目的、特徴および利点は、以下の本発明の好ましい実
施態様の詳細な説明からより明らかにされる。
(好ましい実施態様の詳細な説明)
本発明の現在好ましい実施態様の詳細な記載さらに続けるまえに、特定の用語
および句の説明を提供する。従って、以下に示す用語または句のそれぞれが本明
細書中で少なくとも以下のように定義されることが理解される。
本明細書中で使用される場合は、「酸性」または「負に荷電した残基」は、生
理学的に適合性である条件を含むがこれに限定されない天然のpHの下でそのR
基上に負電荷を保有している、天然に存在するかまたは合成の任意のアミノ酸残
基を含むと理解される。例として限定的ではないが、アスパラギン酸(「Asp
」)、およびグルタミン酸(「Glu」)が挙げられる。同様に、塩基性または
正に荷電した残基としては、天然に存在するかまたは合成によって作製された、
生理学的条件下でそのR基上に正電荷を保有している、任意のアミノ酸残基が挙
げられる。例として、限定的ではないが、アルギニン(「Arg」)、リジン(
「Lys」)、およびヒスチジン(「His」)が挙げられる。本明細書中で使
用される場合には、「親水性」残基としては、酸性および塩基性の両方のアミノ
酸残基、ならびにそれらのR基上にアミド基を保有している荷電していない残基
(これらには、限定的ではないが、グルタミン(「Gln」およびアスパラギン
(「Asn」)が挙げられる)、ならびに、そのR基上にヒドロキシル基を保有
している極性残基(これらには、限定的ではないが、セリン(「Ser」)およ
びスレオニン(「Thr」)が挙げられる)が挙げられる。
本明細書中で使用される場合には、「生合成」または「生合成の」は、天然に
由来するかまたは合成によって誘導されるフラグメントの連結の結果として生じ
るか、またはそれに起源することを意味する。例えば、限定的ではないが、本明
細書中で開示されている、1つ以上のサブドメイン(またはそのフラグメント)
に対応する部位特異的変異誘発、およびペプチドフラグメントまたは核酸フラグ
メントの連結を意味する。「化学合成」または「化学合成の」は、化学的な生成
手段の結果として生じるかまたはそれに起源することを意味する。例えば、限定
的ではないが、市販の供給業者からの標準的な自動合成装置を使用するペプチド
配列または核酸配列の合成を意味する。天然のアミノ酸および天然ではないアミ
ノ酸の両方が、本明細書中で教示されているような所望される特性を得るように
使用され得ることが意図される。「組換え」産生または技術は、遺伝子操作され
た産生手段の結果として生じるか、またはそれに起源することを意味する。例え
ば、限定的ではないが、本発明のキメラタンパク質(またはそのフラグメント)
をコードする、遺伝子操作されたDMA配列または遺伝子の発現を意味する。少
なくともI.B.1.(a)および(b)節;II節、ならびに少なくとも実施
例1、2、および9(III節)において以下に示される教示もまた、上記の意
味に含まれる。「合成の」は、非天然に存在すること、または非天然に起源する
こと、すなわち、天然には存在しないことを意味する。
本明細書中で使用される場合は、「対応する残基位置」は、2つの配列が整列
される場合に、参照アミノ酸配列中の所定の位置に対応するタンパク質配列中の
残基位置をいう。当業者に理解され、そして図1に示すように、BMPファミリ
ーのメンバーの配列は、C末端の活性ドメインにおいて、そして特にフィンガー
2サブドメインにおいて高度に保存されている。アミノ酸配列の整列の方法およ
びプログラムは、当該分野で十分に開発されている。例えば、Alignプログ
ラム(DNAstar,Inc.)のようなコンピュータープログラムによって
都合よく実行される、Needlemanら(1970)、J.Mol.Bio
l.48:443−453の方法を参照のこと。第2の配列中の内部ギャップお
よびアミノ酸の挿入は、アラインメントを計算する目的については無視される。
それぞれ記述しやすくするために、代表的なTGF−βスーパーファミリーのメ
ンバーとして、hOP−1(ヒトOP−1、当該分野において「BMP−7」と
もいわれる)が以下に提供される。しかし、OP−1は、単に、組織の形態形成
を誘導する能力のある真の組織のモルフォゲンのTGF−βのサブクラスの代表
的なものにすぎないことが明らかである。
「骨形成性タンパク質」または「骨形態形成タンパク質」は、TGF−βスー
パーファミリーのタンパク質を意味する。これらは、軟骨、靭帯、腱および軟骨
内での骨の形成を含むがこれらに限定されない、最後には骨格組織の形成がに達
する形態形成事象の全カスケードを誘導し得る。本明細書中で有用な骨形成性タ
ンパク質としては、任意の既知の天然に存在するネイティブのタンパク質が挙げ
られる。これらは、天然に存在するかまたは生合成によって産生されたかにはか
かわらず、その対立遺伝子、系統発生的対応物、および他の改変体(例えば、「
ムテイン」または「変異タンパク質」を含む)、ならびにタンパク質の一般的な
形態形成性のファミリーの新規の骨形成的に活性なメンバーを含む。本明細書中
で記載されている場合は、このクラスのタンパク質は、一般的には、ヒトの骨形
成性タンパク質1(hOP−1)によって象徴される。本発明の実施において有
用な他の骨形成性タンパク質としては、骨形成的に活性な形態のタンパク質が挙
げられる。これらは、以下のリストに含まれる:OP−1、OP−2、OP−3
、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−9
、dpp、Vg−1、Vgr、60Aタンパク質、CDMP−1、CDMP−2
、CDMP−3、GDF−1、GDF−3、GDF−5、GDF−6、GDF−
7、MP−52、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−13、
BMP−15、UNIVIN、NODAL、SCREW、ADMP、またはNE
URAL。これらは、それらのアミノ酸配列改変体、および/またはそのヘテロ
ダイマーを含む。1つの現在好ましい実施態様においては、本発明の実施におい
て有用な骨形成性タンパク質として、以下のいずれかのものが含まれる:OP−
1、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−
12、BMP−13、GDF−5,GDF−6,GDF−7、CDMP−1、C
DMP−2、CDMP−3、MP−52、ならびにそれらのアミノ酸配列改変体
およびホモログ。これらは、それらの種ホモログを含む。なお別の好ましい実施
態様においては、有用な骨形成的に活性なタンパク質は、参照の骨形成性配列(
例えば、OP−1、OP−2、BMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−
6、60A、GDF−5、GDF−6、GDF−7などの保存されている7個の
システインのドメインを規定するC末端配列)をコードするDNAまたはRNA
に対して、低い、中程度の、または高いストリンジェンシーのハイブリダイゼー
ション条件下でハイブリダイズする核酸によってコードされる配列を含むアミノ
酸配列を有するポリペプチド鎖を有する。本明細書中で使用される場合は、中程
度のストリンジェントのハイブリダイゼーション条件は、公知技術に従って、4
0%のホルムアミド、5×SSPE、5×デンハルト溶液、および0.1%のS
DS中で、37℃にて一晩のハイブリダイゼーション、そして0.1×SSPE
,0.1%のSDS中で50℃での洗浄として規定される。標準的なストリンジ
ェンシーの条件は、市販の標準的な分子クローニングのテキストにおいて十分に
特徴付けられている。例えば、Molecular Cloning A La
boratory Manual、第2版、Sambrook、Fritsch
、およびManiatis編(Cold Spring Harbor Lab
oratory Press:1989);DNA Cloning、第1巻お
よび第II巻(D.N.Glover編、1985);Oligonucleo
tide Synthesis(M.J.Gait編、1984):Nucle
ic Acid Hybridization(B.D.HamesおよびS.
J.Higgins編、1984);ならびにB.Perbal、A Prac
tical Guide To Molecular Cloning(198
4)を参照のこと。上記の開示は、本明細書中で参考として援用される。米国特
許第5,750,651号、および同第5,863,758号もまた参照のこと
。これらの開示は本明細書中で参考として援用される。
本発明の実施において有用性を有する関連するタンパク質のTGF−βスーパ
ーファミリーの他のメンバーとしては、以下のリストの中で、ネイティブではほ
とんどリフォールディングされないタンパク質が挙げられる:いくつかを挙げる
と、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4、およびTGF
−β5、種々のインヒビン、アクチビン、BMP−11、ならびにMIS。図1
は、TGF−βスーパーファミリーの種々の既知のメンバーの、隣接しているシ
ステインを伴うフィンガー2サブドメインを規定するC末端の残基を列挙する。
ほとんどリフォールディングされないリスト上の任意の1つのタンパク質は、本
発明の方法によって改善され得、他の既知または発見され得るファミリーのメン
バーも同様であり得る。本明細書中でさらに記載されているように、本発明での
使用に適切な生物学的に活性な骨形成性タンパク質は、当該分野で認識されてい
るような、ReddiおよびSampathによって記載されている生体アッセ
イを使用する慣用的な実験法によって、同定され得る。有用なタンパク質の詳細
な記載が以下に続く。等価物は、慣用的な実験法および通常の技能のみを使用し
て、当業者によって同定され得る。
「モルフォゲン」または「形態形成性タンパク質」は、本明細書中で意図され
る場合は、TGF−βスーパーファミリーのメンバーを含む。これらは、形態形
成性であること、すなわち、成熟した哺乳動物において組織の形態形成の発生的
なカスケードを誘導し得ることが認識されている(PCT出願番号第US92/
01968号を参照のこと)。詳細には、これらのモルフォゲンは、方向付けら
れていない前駆細胞の増殖を誘導し得、そして適切な環境条件下で組織特異的様
式でこれらの刺激された前駆細胞の分化を誘導し得る。さらに、モルフォゲンは
、これらの分化した細胞の増殖および維持を支持し得る。これらの形態形成性の
活性は、タンパク質が、適切な形態形成を許容する環境において組織の形態形成
の発生的なカスケードを開始しそして維持することを可能にし、幹細胞が組織特
異的様式で増殖および分化するように刺激し、そして最後には新しい組織の形成
に達する事象の進行を誘導させる。これらの形態形成活性はまた、タンパク質が
、それらの分化の経路から免れるように予め刺激された細胞の「再分化」を誘導
することを可能にする。適切な環境条件下では、これらのモルフォゲンもまた方
向付けられた細胞の「再分化」を刺激し得ることが予想される。当業者を導くた
めに、種々の組織中の形態形成タンパク質を試験するため、および形態形成タン
パク質に典型的な種々の特性について試験するための多数の手段が、本明細書中
に記載される。これらの教示が、本発明のネイティブのタンパク質、およびキメ
ラタンパク質の形態形成性の特性を評価するために使用され得ることが、理解さ
れる。例えば、いくつかを挙げると、脳、肝臓の形態形成に関する教示について
は、III節実施例11A−11Gを参照のこと。
本発明の有用なネイティブのタンパク質または親のタンパク質はまた、ヒトの
OP−1のC末端の7個のシステインのドメイン内で少なくとも70%のアミノ
酸配列相同性を共有するものを含む。保存されている7個のシステインのドメイ
ンに対する候補のアミノ酸配列のパーセント相同性を決定するために、候補の配
列と7個のシステインのドメインとを整列させる。整列を実行するための最初の
工程は、Needlemanら、J.Mol.Biol.48:443(197
0)(その教示は本明細書中で参考として援用される)に記載されている動的な
プログラミングアルゴリズム、およびAlign Program(DNAst
ar、Inc.によって生産されている市販のソフトウェアパッケージ)のよう
な、アラインメントツールを使用することである。最初のアラインメントを作成
した後、次いでこれは、関連するタンパク質のファミリーの複数の配列のアライ
ンメントに対する比較によって改善される。一旦、候補の配列と7個のシステイ
ンのドメインとの間でのアラインメントが行われそして改善されると、パーセン
ト相同性のスコアが計算される。各配列の個々のアミノ酸は、互いに対するそれ
らの類似性に従って連続して比較される。類似性の因子としては、同様の大きさ
、形状、および電荷が挙げられる。アミノ酸の類似性を決定する1つの特に好ま
しい方法は、Dayhoffら、5 Atlas of Protein Se
quence and Structure 345−352(1978および
補遣)(本明細書中で参考として援用される)に記載されているPAM250マ
トリックスである。類似性スコアは、整列された対となった(pairwise
)アミノ酸の類似性スコアの合計として最初に計算される。挿入および欠失は、
パーセント相同性および同一性の目的については無視される。従って、ギャップ
ペナルティーは、この計算においては使用されない。次いで、生のスコアが、候
補の化合物および7個のシステインのドメインのスコアの相乗平均でそれを除算
することによって正規化される。相乗平均は、これらのスコアの積の平方根であ
る。正規化された生のスコアが、パーセント相同性である。
本明細書中で使用される場合は、「保存的置換」は、対応する参照残基に物理
的または機能的に類似である残基である。例えば、これは、同様の大きさ、形状
、電荷、化学的特性(共有結合または水素結合を形成する能力を含む)などを有
する。特に好ましい保存的置換は、Dayhoffら(1978)、5 Atl
as of Protein Sequence and Structure
、補遣3、第22章(354−352頁)、Natl.Biomed.Res.
Found.,Washington,D.C.20007(本明細書中で参考
として援用される)において、容認された点変異について規定された基準を満た
すものである。保存的置換の例としては、類似の特徴を有する1つのアミノ酸の
別のアミノ酸での置換が挙げられる。例えば、以下の群内での置換は周知である
:(a)グリシン、アラニン;(b)バリン、イソロイシン、ロイシン;(c)
アスパラギン酸、グルタミン酸;(d)アスパラギン、グルタミン;(e)セリ
ン、スレオニン;(f)リジン、アルギニン、ヒスチジン;および(g)フェニ
ルアラニン、チロシン。用語「保存的改変体」または「保存的なバリエーション
」もまた、結果として生じる置換されたポリペプチド鎖に対して結合特異性を有
する抗体がまた、置換されていないかまたは親のポリペプチド鎖についての結合
特異性(すなわち、それと「交差反応する」かまたはそれと「免疫反応性である
」)を有するという条件下で、所定のポリペプチド鎖中の置換されていない親の
アミノ酸の代わりに、置換されたアミノ酸を使用することを含む。
本明細書中で使用される場合は、「保存されている残基の位置」は、少なくと
も1つの他のメンバーの配列中で、同じアミノ酸またはその保存的な改変体によ
って占有されている参照アミノ酸配列中の位置をいう。例えば、図1においては
、参照配列としてのOP−1と、BMP−2、BMP−4、BMP−5、および
BMP−6とを比較すると、位置2(P)、3(T)、5(L)、7(A)、8
(I)、および9(S)のような位置などは保存されている位置であり、そして
4(K,E)および6(N,S)のような位置などは保存されていない位置であ
る。
本明細書中で使用される場合は、フィンガー2サブドメインの「ベース」また
は「ネック」領域は、OP−1によって例示され、そしてC末端の活性ドメイン
中の2つ並んでいるシステインに続く最初の残基から数える場合は、残基1〜1
0および22−31によって定義される(図1を参照のこと)。他のTGF−β
スーパーファミリーのタンパク質のメンバーのOP−1との配列アラインメント
から容易に明らかであるように、より長いタンパク質(例えば、BMP−9また
はDorsalin)についての対応するベースまたはネック領域は、残基1〜
10および23〜32によって定義される:より短いタンパク質(例えば、NO
DAL)については、対応する領域は、残基1〜10および22〜30によって
定義される(図1を参照のこと)。配列番号39(ヒトのOP−1)においては
、フィンガー2サブドメインのベースまたはネック領域に対応する残基は、残基
397〜406(図1の残基1〜10に対応する)および残基418〜427(
図1の残基22〜31に対応する)である。
本明細書中で使用される場合は、「アミノ酸配列の相同性」は、アミノ酸配列
の同一性および類似性の両方を含む。相同配列は、同一および/または類似のア
ミノ酸残基を共有する。ここで、類似の残基は、整列された参照配列中の対応す
るアミノ酸残基の保存的置換、またはその「許容される点変異」である。
本明細書中で使用される場合は、用語「キメラタンパク質」、「キメラ」、「
キメラポリペプチド鎖」、「キメラ構築物」、および「キメラ変異体」は、任意
のTGF−βスーパーファミリーのメンバーの合成の構築物をいう。ここでは、
少なくとも1つの定義された領域、ドメイン、またはサブドメイン(例えば、第
1のフィンガー1、フィンガー2、またはヒールサブドメイン)のアミノ酸配列
は、全体または一部(例えば、少なくとも約3、5、10、または15個の連続
しているアミノ酸残基)において、少なくとも1つの他の異なるTGF−βスー
パーファミリーのメンバーのタンパク質に由来する第2のアミノ酸配列と置き換
えられている。その結果、得られる構築物は、天然には存在しないものとして認
識され得、かつ異なるタンパク質供給源に由来するアミノ酸配列を有する。特定
の好ましいキメラは、第3の異なるTGF−βスーパーファミリーのタンパク質
に由来するサブドメインを含むか、または第2のタンパク質に由来する2つの異
なるサブドメインを含む。好ましい実施態様の特徴は、保存されているTGF−
βスーパーファミリーのジスルフィド結合が維持されているリフォールディング
された構造であることが、理解される;保存されている1番目、2番目、3番目
、5番目、6番目、および7番目のシステイン残基 対 半保存されている4番
目の残基の考察については、以下のI.A.節を参照のこと。
本明細書中で使用される場合は、有用な発現宿主細胞としては、原核生物およ
び真核生物が挙げられる。これには、封入体を作製し得る任意の宿主細胞が挙げ
られる。特に有用な宿主細胞としては、限定的ではないが、E.coliならび
にB.subtilisおよびPseudomonasのような細菌宿主が挙げ
られる。他の有用な宿主としては、下等な真核生物(例えば、酵母(Sacch
aromyces cerevisiae))および高等真核生物(Droso
philaのような昆虫細胞、哺乳動物細胞(例えば、CHO)などを含む)が
挙げられる。産生の代替的な手段は、変異体構築物の化学合成、続いての適切な
リフォールディング(refolding)である。
本発明は、天然に存在する形態と比較して、変化したリフォールディングの特
性、および変化した活性プロフィールを有する、組換え、化学合成または生合成
のTGF−βスーパーファミリーのメンバーのタンパク質を提供する。本発明の
変異体構築物は、天然に存在するTGF−βスーパーファミリーメンバー中での
アミノ置換を含む。以下に提供される詳細な説明は、改善されたモルフォゲンお
よび薬学的特性を生じる置換のアレイを記載する。変異体構築物を産生する方法
もまた、教示される。
本発明に従って、タンパク質のTGF−βスーパーファミリーのネイティブの
BMPまたは他のメンバー(そのヘテロダイマーおよびホモダイマーを含む)の
特性は、C末端フィンガー2サブドメイン中の1以上の規定されたアミノ酸残基
と、別のアミノ酸残基とを置換することによって変化される。この発見の結果と
して、以下のようなTGF−βスーパーファミリーのタンパク質を設計すること
が可能である:(1)原核生物細胞もしくは真核生物細胞中で組換え的に発現さ
れるか、またはポリペプチドまたはヌクレオチド合成装置を使用して合成された
TGF−βスーパーファミリーのタンパク質;(2)変化したフォールディング
特性を有するTGF−βスーパーファミリーのタンパク質;(3)生理学的に適
合性の条件を含むがこれに限定されない、中性のpHの下で変化した溶解度を有
するTGF−βスーパーファミリーのタンパク質;(4)変化した等電点を有す
るTGF−βスーパーファミリーのタンパク質;(5)変化した安定性を有する
TGF−βスーパーファミリーのタンパク質;(6)変化した組織特異性または
レセプター特異性を有するTGF−βスーパーファミリーのタンパク質;(7)
再設計された、変化した生物学的活性を有するTGF−βスーパーファミリーの
タンパク質、(8)限定的ではないが、生体適合性マトリックスまたは金属のよ
うな固体表面に対する、変化した結合特性または接着特性を有するTGF−βス
ーパーファミリーのタンパク質、および/または(9)処方を容易にする能力を
有するTGF−βスーパーファミリーのタンパク質。本明細書中に開示される発
見を利用して、変異体タンパク質は、ここで、E.coli中での発現およびイ
ンビトロでの最適なリフォールディングを可能にするように設計され得、これは
そうでなければ、E.coliのような原核生物宿主中で最適に発現され得ない
従って、本発明は、好ましいキメラタンパク質を含有する、迅速に放出される
処方物、ゆっくりと放出される処方物、および/または定められた時間に放出さ
れる処方物を設計するための機構を提供し得る。他の利点および特徴が、以下の
教示から明らかである。さらに、本明細書中で開示される発見を利用して、変化
した表面結合/表面接着特性を有する改変タンパク質が設計され得、そして選択
され得る。特に重要な表面としては、骨のような天然に存在し得る固体表面、ま
たはコラーゲンもしくは他の生体適合性のマトリックスのような多孔性粒子の表
面;または金属を含むプロテーゼインプラントの製作された表面が挙げられるが
、これらに限定されない。本明細書中で意図される場合は、実質的には、任意の
表面が、構築物の差示的な結合についてアッセイされ得る。従って、本発明は、
それらの表面結合/表面接着特性において変化を有し、それによってこのような
構築物を、変化したインビボでの適用(ゆっくりと放出される処方物、、迅速に
放出される処方物、および/または定められた時間に放出される処方物を含む)
について有用にする、多様な機能的な分子を包含する。
当業者は、任意の1つ以上の上記の特性を混合および適合させることによって
、カスタマイズされた変異タンパク質(および、それをコードするDNA)の使
用を操作するための特定の機会を提供することを理解する。例えば、変化した安
定性の特性は、インビボで変異タンパク質の代謝回転を操作するために使用され
得る。さらに、変化したリフォールディングおよび/または機能のような特性を
有する変異タンパク質の場合においてもまた、フォールディング、機能、および
安定性との間に相関関係が存在するようである。例えば、Lipscombら、
7 Protein Sci.765−73(1998);およびNikolo
vaら、95 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 14675−
80(1998)を参照のこと。本発明の目的については、安定性の変化は、円
偏光二色性、変性剤の濃度または温度の関数としての安定性の他の指標の周知の
技術を使用して慣用的にモニターされ得る。当業者はまた、慣用的な走査熱量分
析を使用し得る。同様に、任意の上記の特性と可溶性の特性との間に相関関係が
存在するようである。可溶性の場合においては、この特性を操作することが可能
であり、その結果、キメラタンパク質は、生理学的適合性の下で幾分可溶性であ
りそしてその結果としてインビボで投与された場合には容易に分散するか、また
は各々局在化されたままであるかのいずれかである。
適切な組換え、化学合成、または生合成タンパク質およびDNA、ならびに本
発明の実施において有用な方法、およびタンパク質構築物を使用および試験する
ための方法の詳細な記載が、以下に詳細に提供される;また、多数の、限定的で
はない例が以下に提供される。この例は、1)本明細書中に記載されている、組
換え、化学合成、または生合成のタンパク質、DNA、および方法の有用性を説
明する;ならびに、2)これらのタンパク質およびDNA構築物を試験および使
用するアッセイを提供する。
(I.タンパク質の考察)
(A.TGF−βスーパーファミリーの例示的なメンバーの、生化学的、構造
的、および機能的特性)
TGF−β2またはOP−1のいずれかにおけるそれぞれのサブユニットは、
特徴的なフォールディングパターンを有する。これは、7個のC末端のシステイ
ン残基のうちの6個が関与する。簡潔には、各サブユニット中の4個のシステイ
ン残基が2つのジスルフィド結合を形成し、これらは互いに8残基の環を作製す
る。一方、2つのさらなるシステイン残基はジスルフィド結合を形成し、これは
結び目様の構造を形成するように環を通過する。番号1を割り当てられた7個の
保存されているシステイン残基のうちの最もN末端のシステインで開始する番号
付けスキームを用いると、2番目および6番目のシステイン残基が8残基の環の
1つの側面を閉じるようにジスルフィド結合し、一方、3番目および7番目のシ
ステイン残基は、環の他の側面を閉じるようにジスルフィド結合する。1番目お
よび5番目の保存されているシステイン残基は、結び目の中心を形成するように
、環の中心を通ってジスルフィド結合する。アミノ酸配列のアラインメントのパ
ターンは、この構造モチーフがTGF−βスーパーファミリーのメンバーの間で
保存されていることを示唆する。4番目のシステインは半保存されており、そし
て存在する場合には、代表的に、他のサブユニット中の対応するシステイン残基
と鎖間ジスルフィド結合(ICDB)を形成する。
TGF−β2およびOP−1中の各サブユニットの構造は、これらの主要な三
次構造のエレメントおよびN末端領域を含む。構造エレメントは、以下の型の5
0%を超える二次構造を保有している連続しているポリペプチド鎖の領域から構
成される:(1)ループ、(2)α−へリックス、および(3)β−シート。各
構造領域についての別の定義の基準は、入口(N末端)および出口(C末端)の
ペプチド鎖が、約7Å離れて互いにかなり近づいていることである。
1番目の保存システインと2番目の保存システインとの間のアミノ酸配列は、
本明細書中でフィンガー1領域と呼ばれる、逆平行β−シートフィンガーによっ
て特徴付けられる構造領域を形成する。同様に、5番目の保存システインと6番
目の保存システインとの間の残基もまた、フィンガー2領域と本明細書中で呼ば
れる、逆平行β−シートフィンガーを形成する。β−シートフィンガーは、一本
のアミノ酸鎖であり、β−ターンまたはいくらか長いループによってそれ自体の
上に折り畳み戻されるβ−鎖を含む。その結果、この領域に入って、かつこの領
域から出るポリペプチド鎖は、1つ以上の逆平行β−シート構造を形成する。3
番目の保存されているシステインと5番目の保存されているシステインとの間の
残基を含む第3の主要な構造領域は、本明細書中でヒール領域と呼ばれる3個の
ターンα−へリックスによって特徴付けられる。モノマーの構造の構成は、左手
の構成と類似であり、ここで、結び目領域が手のひらに相当する位置に配置され
、フィンガー1領域が人差し指および中指に相当し、α−へリックスまたはヒー
ル領域が手の付け根に相当し、そしてフィンガー2領域が薬指および小指に相当
する。その配列がTGF−βスーパーファミリーを通じて保存されていないN末
端領域は、親指とほぼ相当する位置に配置されると推定される。
立体構造的に活性なTGF−β2のダイマーの複合体においては、ダイマーの
複合体中の2つのモノマーサブユニットは、2重の回転の対称性で配向され、そ
の結果1つのサブユニットのヒール領域が、分子のコアを形成する連結されたサ
ブユニットの結び目領域と、他のサブユニットのフィンガー領域を接触させる。
4番目のシステインは、第2の鎖上のその対応物と鎖間ジスルフィド結合を形成
し、それによって手のひらの中心で鎖を等しく連結する。従って、形成されるダ
イマーは、サブユニット間の対称性の2重軸を上から下に見た場合には、楕円形
の(葉巻型の)分子である。横からみた場合には、分子は、曲がった「葉巻」に
似ている。なぜなら、2つのサブユニットは、互いにわずかな角度で配向されて
いるからである。
一方のサブユニットに由来するヒール領域、ならびに他方のサブユニットに由
来するフィンガー1領域およびフィンガー2領域のそれぞれは互いに相互作用す
る。これらの3つのエレメントは、同族のレセプターの相互作用する表面に結合
するリガンドと相互作用し、そしてそれらに相補性である構造を規定するために
、互いに協力する。
(フィンガー領域およびヒール領域の選択)
フィンガー領域およびヒール領域を規定するアミノ酸配列が、TGF−βスー
パーファミリーの任意の既知のメンバーのそれぞれのフィンガーおよびヒール領
域の配列に対応し得ることが、意図される。さらに、本発明の構築物の大きさが
、鋳型のTGF−βスーパーファミリーのメンバーの天然のフィンガー領域およ
びヒール領域を短縮することによって優位に減少させられ得ることもまた、意図
される。
上記のように、フィンガー領域およびヒール領域を規定するアミノ酸配列は、
本明細書中で同定されている、任意の既知のTGF−βスーパーファミリーのメ
ンバーのそれぞれのフィンガー領域およびヒール領域の配列に由来し得るか、ま
たは、本明細書中で以後に発見された新規のスーパーファミリーのメンバーのア
ミノ酸配列に由来するものが、本発明において使用され得る。
図6は、フィンガー1領域(図6A)、ヒール領域(図6B)、およびフィン
ガー2(図6C)領域において並べられた、現在同定されているTGF−βスー
パーファミリーのメンバーのアミノ酸配列を要約する。これらの配列は、コンピ
ューターアルゴリズムによって整列され、ここで、これらの配列を最適に配列す
るために、保存されているアミノ酸配列または二次構造を有することが既知のア
ミノ酸配列の領域よりもむしろループ構造を規定することが既知のアミノ酸配列
の領域中にギャップが挿入された。例えば、可能である場合には、ギャップは、
βシートによって規定されるフィンガー1領域およびフィンガー2領域、または
αへリックスによって規定されるヒール領域のアミノ酸配列中には導入されない
。ダッシュ(−)は、隣接するアミノ酸間でのペプチド結合を示す。各サブグル
ープについてのコンセンサス配列のパターンは、各サブグループの最下段に示さ
れる。
それぞれのTGF−βスーパーファミリーのメンバーのアミノ酸配列が整列さ
れた後、この整列された配列を使用して、得られた構築物の全体的な三次構造を
変更することなく別のアミノ酸またはアミノ酸の群で置換され得るアミノ酸残基
を同定する、アミノ酸配列のアラインメントパターンを作製する。フィンガー領
域およびヒール領域中の特定の位置で有用であり得るアミノ酸またはアミノ酸の
群は、図8に示されるアミノ酸の階層のパターン構造を履行するコンピューター
アルゴリズムによって同定される。
簡潔には、このアルゴリズムは、4つのレベルの分析を行う。レベルIにおい
ては、このアルゴリズムは、特定のアミノ酸残基が、アミノ酸配列中の特定な位
置で75%を超える頻度で生じるかどうかを決定する。例えば、アミノ酸配列中
の特定の位置でグリシン残基が10回のうち8回生じる場合には、グリシンがそ
の位置で指定される。試験される位置が全てギャップからなる場合には、次いで
、ギャップ文字(−)がその位置に割り当てられる。そうでなければ、少なくと
も1つのギャップが存在する場合には、次いで、「z」(任意の残基またはギャ
ップについての表記)がその位置に割り当てられる。アミノ酸が、特定の位置で
候補配列の75%で生じない場合には、アルゴリズムはレベルIIの分析を実行
する。
レベルIIは、パターンのセットa、b、d、l、k、o、n、i、およびh
を規定する。ここでは、l、k、およびoは、共通のアミノ酸残基を共有する。
次いで、このアルゴリズムは、アミノ酸配列中の特定の位置で75%以上のアミ
ノ酸残基が上記のパターンの1つを満たすかどうかを決定する。もしそうであれ
ば、次いで、このパターンがその位置に割り当てられる。しかし、パターンlお
よびkの両方が同時に満たされ得ることも可能である。なぜなら、これらは同じ
アミノ酸(詳細には、アスパラギン酸)を共有するからである。lおよびkの同
時の割り当てが生じる場合には、次いで、パターンm(レベルIII)が、その
位置に割り当てられる。同様に、パターンkおよびoの両方が同時に割り当てら
れ得ることが可能である。なぜなら、これらが、同じアミノ酸(詳細には、グル
タミン酸)を共有するからである。kおよびoの割り当てが同時に起こる場合に
は、次いで、パターンq(レベルIII)がその位置に割り当てられる。レベル
IIのパターンおよびレベルIIIのパターン(mおよびq)のいずれもがアミ
ノ酸配列中の特定の位置を満たさない場合には、アルゴリズムはレベルIIIを
実行する。
レベルIIIは、パターンのセットc、e、m、q、p、およびjを規定する
。ここで、m、q、およびpは、共通のアミノ酸残基を共有する。しかし、パタ
ーンqは、レベルIIIの分析においては試験されない。パターンmおよびpの
両方が同時に満たされ得ることが可能である。なぜなら、これらが同じアミノ酸
(詳細には、グルタミン酸)を共有するからである。mおよびpの同時の割り当
てが生じる場合には、次いで、パターンr(レベルIV)がその位置に割り当て
られる。配列されたアミノ酸配列中の予め選択された位置で75%のアミノ酸が
レベルIIIのパターンを満たす場合には、次いで、レベルIIIのパターンが
その位置に割り当てられる。レベルIIIのパターンがその位置に割り当てられ
ない場合には、次いで、アルゴリズムはレベルIVの分析を履行する。
レベルIVは、2つの非重複パターンfおよびrを含む。アミノ酸配列中の特
定の位置で75%のアミノ酸がレベルIVのパターンを満たす場合には、次いで
、そのパターンがその位置に割り当てられる。レベルIVのパターンが割り当て
られない場合には、アルゴリズムは、その位置に任意のアミノ酸を示すX(レベ
ルV)を割り当てる。
図8においては、レベルIは、20個の天然に存在するアミノ酸を1文字のア
ミノ酸コードで大文字で列挙する。レベルII−Vは、Smithら(前出)に
おいて示されているアミノ酸の階層に基づいて、アミノ酸の群を小文字で規定す
る。図6に示されているアミノ酸配列は、上記のコンピューターアルゴリズムを
使用して整列された。
当業者がTGF−βスーパーファミリーの現在同定されているメンバーに基づ
いて構築物を産生することを望む場合には、次いで、当業者は、図6に示されて
いるアミノ酸配列を使用して、本発明の変異体の産生において有用な、フィンガ
ー1領域、フィンガー2領域、およびヒール領域を提供し得る。本明細書以降に
発見されたTGF−βスーパーファミリーのメンバーの場合、新規のメンバーの
アミノ酸配列は、本発明の実施に有用なヒールおよびフィンガー領域を規定する
ために、手動でまたはコンピューターアルゴリズムの手段のいずれかによって、
図6に示されている配列とともに整列され得る。
以下の表1は、図6−8に示される配列アラインメントパターンを生成するた
めに使用された、TGF−βスーパーファミリーのメンバーのそれぞれのアミノ
酸配列を記載する刊行物をまとめる。
Figure 0004294010
Figure 0004294010
詳細には、本発明の実施において有用なフィンガー1領域を規定するアミノ酸
配列が、本明細書中で同定された任意のTGF−βスーパーファミリーのメンバ
ーについてのフィンガー1領域を規定するアミノ酸配列に対応することが、意図
される。フィンガー1サブドメインは、ネイティブのタンパク質の特徴である、
少なくとも生物学的および/または機能的特性(単数または複数)を付与し得る
。有用なインタクトなフィンガー1領域として、以下が挙げられるがこれらに限
定されない:
TGF−β1 配列番号40、残基2から29、
TGF−β2 配列番号41、残基2から29、
TGF−β3 配列番号42、残基2から29、
TGF−β4 配列番号43、残基2から29、
TGF−β5 配列番号44、残基2から29、
dpp 配列番号45、残基2から29、
Vg−1 配列番号46、残基2から29、
Vgr−1 配列番号47、残基2から29、
60A 配列番号48、残基2から29、
BMP−2A 配列番号49、残基2から29、
BMP−3 配列番号50、残基2から29、
BMP−4 配列番号51、残基2から29、
BMP−5 配列番号52、残基2から29、
BMP−6 配列番号53、残基2から29、
Dorsalin 配列番号54、残基2から29、
OP−1 配列番号55、残基2から29、
OP−2 配列番号56、残基2から29、
OP−3 配列番号57、残基2から29、
GDF−1 配列番号58、残基2から29、
GDF−3 配列番号59、残基2から29、
GDF−9 配列番号60、残基2から29、
インヒビンα 配列番号61、残基2から29、
インヒビンβA 配列番号62、残基2から29、
インヒビンβB 配列番号63、残基2から29、
CDMP−1/GDF−5 配列番号83、残基2から29、
CDMP−2/GDF−6 配列番号84、残基2から29、
GDF−6(マウス) 配列番号85、残基2から29、
CDMP−2(ウシ) 配列番号86、残基2から29、および
GDF−7(マウス) 配列番号87、残基2から29。
本発明はさらに、周知のタンパク質BMP−12およびBMP−13(その全
体の開示が本明細書中で参考として援用されている、米国特許第5,658,8
82号において開示されている)に由来する対応するフィンガー1サブドメイン
配列の使用を意図する。
本発明の実施において有用なヒール領域を規定するアミノ酸配列が、本明細書
中で同定された任意のTGF−βスーパーファミリーのメンバーのインタクトな
ヒール領域を規定するアミノ酸に対応することもまた、意図される。ヒール領域
は、機能的特性および/またはフォールディング特性を含む、ネイティブのタン
パク質の特性に少なくとも影響を与え得る。有用なインタクトなヒール領域とし
て、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
TGF−β1 配列番号40、残基35から62、
TGF−β2 配列番号41、残基35から62、
TGF−β3 配列番号42、残基35から62、
TGF−β4 配列番号43、残基35から62、
TGF−β5 配列番号44、残基35から62、
dpp 配列番号45、残基35から65、
Vg−1 配列番号46、残基35から65、
Vgr−1 配列番号47、残基35から65、
60A 配列番号48、残基35から65、
BMP−2A 配列番号49、残基35から64、
BMP−3 配列番号50、残基35から66、
BMP−4 配列番号51、残基35から64、
BMP−5 配列番号52、残基35から65、
BMP−6 配列番号53、残基35から65、
Dorsalin 配列番号54、残基35から65、
OP−1 配列番号55、残基35から65、
OP−2 配列番号56、残基35から65、
OP−3 配列番号57、残基35から65、
GDF−1 配列番号58、残基35から70、
GDF−3 配列番号59、残基35から64、
GDF−9 配列番号60、残基35から65、
インヒビンα 配列番号61、残基35から65、
インヒビンβA 配列番号62、残基35から69、
インヒビンβB 配列番号63、残基35から68、
CDMP−1/GDF−5 配列番号83、残基35から65、
CDMP−2/GDF−6 配列番号84、残基35から65、
GDF−6(マウス) 配列番号85、残基35から65、
CDMP−2(ウシ) 配列番号86、残基35から65、および
GDF−7(マウス) 配列番号87、残基35から65。
本発明はさらに、周知のタンパク質BMP−12およびBMP−13(その全
体の開示が本明細書中で参考として援用されている、米国特許第5,658,8
82号において開示されている)に由来する対応するヒール領域配列の使用を意
図する。
本発明の実施において有用なフィンガー2領域を規定するアミノ酸配列が、本
明細書中で同定された任意のTGF−βスーパーファミリーのメンバーについて
のインタクトなフィンガー2領域を規定するアミノ酸配列に対応することもまた
、意図される。フィンガー2サブドメインは、ネイティブのタンパク質の特徴で
ある、少なくともフォールディング特性(単数または複数)を付与し得る。有用
なインタクトなフィンガー2領域として、以下が挙げられるがこれらに限定され
ない:
TGF−β1 配列番号40、残基65から94、
TGF−β2 配列番号41、残基65から94、
TGF−β3 配列番号42、残基65から94、
TGF−β4 配列番号43、残基65から94、
TGF−β5 配列番号44、残基65から94、
dpp 配列番号45、残基68から98、
Vg−1 配列番号46、残基68から98、
Vgr−1 配列番号47、残基68から98、
60A 配列番号48、残基68から98、
BMP−2A 配列番号49、残基67から97、
BMP−3 配列番号50、残基69から99、
BMP−4 配列番号51、残基67から97、
BMP−5 配列番号52、残基68から98、
BMP−6 配列番号53、残基68から98、
Dorsalin 配列番号54、残基68から99、
OP−1 配列番号55、残基68から98、
OP−2 配列番号56、残基68から98、
OP−3 配列番号57、残基68から98、
GDF−1 配列番号58、残基73から103、
GDF−3 配列番号59、残基67から97、
GDF−9 配列番号60、残基68から98、
インヒビンα 配列番号61、残基68から101、
インヒビンβA 配列番号62、残基72から102、
インヒビンβB 配列番号63、残基71から101、
CDMP−1/GDF−5 配列番号83、残基68から98、
CDMP−2/GDF−6 配列番号84、残基68から98、
GDF−6(マウス) 配列番号85、残基68から98、
CDMP−2(ウシ) 配列番号86、残基68から98、および
GDF−7(マウス) 配列番号87、残基68から98。
本発明はさらに、周知のタンパク質BMP−12およびBMP−13(その全
体の開示が本明細書中で参考として援用されている、米国特許第5,658,8
82号において開示されている)に由来する対応するフィンガー2サブドメイン
配列の使用を意図する。
さらに、代表的なフィンガー領域およびヒール領域のアミノ酸配列が、アミノ
酸置換によって(例えば、本明細書中に開示されているような置換残基を活用す
ることによって)変更され得るか、またはSmithら(1990)、前出にお
いて開示されている原理に従って選択され得ることが、意図される。簡潔には、
Smithらは、図8にまとめられているアミノ酸のクラスの階層に類似するア
ミノ酸のクラスの階層を開示する。これらは、タンパク質機能を含み得る型の全
体的な立体構造的なひずみを最少にしながら、1つのアミノ酸を別のアミノ酸で
合理的に置換するために使用され得る。任意の事象において、天然の領域とわず
か70%の相同性、好ましくは80%の、そして最も好ましくは少なくとも90
%の相同性を有する、多くの合成の第1のフィンガー領域、第2のフィンガー領
域、およびヒール領域の配列が、本発明の構築物を産生するために使用され得る
ことが意図される。
Smithら(1990)前出に記載されている原理に従って推定される、フ
ィンガー領域およびヒール領域の各位置で好ましいアミノ酸を示すアミノ酸配列
のパターンもまた、図6−7に示され、そしてTGF−β;Vg/dpp;GD
F;およびインヒビンサブグループのパターンと呼ばれる。各サブグループのフ
ィンガー1、ヒール、およびフィンガー2の配列パターンを規定するアミノ酸配
列は、それぞれ、図6A、6B、および6Cに示される。さらに、全体的なTG
F−β、Vg/dpp、GDF、およびインヒビンサブグループのパターンを規
定するアミノ酸配列は、配列番号64、65、66、および67として、それぞ
れ配列表に示される。
図6A、6B、および6Cに開示され、そして図7にまとめられている、各サ
ブグループについての好ましいアミノ酸配列のパターンは、当業者が、フィンガ
ー1、ヒール、およびフィンガー2のエレメント中の特定の位置で組み込まれ得
る代替的アミノ酸を同定することを可能にする。一文字のアミノ酸コードで大文
字で示されているアミノ酸は保存されているアミノ酸を示し、これらは共に、フ
ィンガー領域およびヒール領域の構造的および機能的エレメントを規定すると考
えられる。図6および7中の大文字の「X」は、任意の天然に存在するアミノ酸
がその位置で受容可能であることを示す。図6および7中の小文字の「z」は、
ギャップまたは任意の天然に存在するアミノ酸のいずれかがその位置で受容可能
であることを示す。小文字は、図8に示されているパターン規定の表に従って示
されるアミノ酸を表記し、そしてその位置で有用であるアミノ酸の群を同定する
図6〜7に示されているアミノ酸配列のサブグループに従って、例えば、当業
者が、どの適用可能な1つのアミノ酸が、生じるタンパク質構築物中に破壊的な
立体化学的変化を誘導することなく別のアミノ酸で置換され得るかを推測し得る
ことが意図される。例えば、図6Aにおいては、残基番号2および3でVg/d
ppサブグループのパターンにおいては、リジン残基(K)またはアルギニン残
基(R)のいずれかが、生じる構築物の構造に影響を与えることなくこの位置に
存在し得ることが意図される。従って、位置2および3での配列パターンは、「
n」を含み、これは、図8に従って、リジンまたはアルギニンからなる群から選
択されるアミノ酸残基を規定する。従って、天然領域と70%の相同性、好まし
くは80%の、そして最も好ましくは少なくとも90%の相同性を有する、多く
の合成のフィンガー1領域、フィンガー2領域、およびヒール領域のアミノ酸配
列が、本発明の立体構造的に活性な構築物を産生するために使用され得ることが
意図される。
これらの原理に従って、当業者が、図6および7に示される、TGF−β、V
g/dpp、GDF、またはインヒビンのサブグループのパターンに属するアミ
ノ酸配列のパターンを用いて開始することによって合成構築物を設計し得ること
が意図される。従って、従来の組換えまたは合成方法論を使用することによって
、予め選択されたアミノ酸が、本明細書中の原理によって指示されるように別の
アミノ酸で置換され得、そして生じるタンパク質構築物は以下に提供されるよう
に試験される。
TGF−βサブグループのパターンである、配列番号64は、TGF−β1、
TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4、およびTGF−β5を含む、今日
までに同定されているTGF−βのサブグループのメンバーの中で共有されてい
る相同性に適応する。以下に示される一般的な配列は、保存アミノ酸(標準的な
3文字コード)ならびに配列内の種々の位置に存在し、そして図8に示される規
則によって規定される代替的アミノ酸(Xaa)の両方を含む。
Figure 0004294010
各Xaaは、以下に規定される1つ以上の特定アミノ酸の群から独立的に選択
され得、ここで
Figure 0004294010
である。
Vg/dppサブグループのパターンである、配列番号65は、dpp、vg
−1、vgr−1、60A、BMP−2A(BMP−2)、Dorsalin、
BMP−2B(BMP−4)、BMP−3、BMP−5、BMP−6、OP−1
(BMP−7)、OP−2およびOP−3を含む、今日までに同定されているV
g/dppサブグループのメンバーの中で共有されている相同性に適応する。以
下に示される一般的な配列は、保存アミノ酸(標準的な3文字コード)ならびに
配列内の種々の位置に存在し、そして図8に示される規則によって規定される代
替的アミノ酸(Xaa)の両方を含む。
Figure 0004294010
各Xaaは、独立して、以下のように規定される1つ以上の特定のアミノ酸の
群から選択され得る。ここで;Xaa2は、ArgまたはLys;Xaa3は、
ArgまたはLys;Xaa4は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,
His,Lys,SerまたはThr;Xaa5は、Arg,Asn,Asp,
Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xaa9は、Arg,
Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xa
al1は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,Ser
またはThr;Xaal3は、Ile,Leu,MetまたはVal;Xaal
6は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,Serまた
はThr;Xaa23は、Arg,Gln,Glu,またはLys;Xaa26
は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,Hi
s,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Tr
p,TyrまたはVal;Xaa28は、Phe,TrpまたはTyr;Xaa
31は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,Serま
たはThr;Xaa33は、AspまたはGlu;Xaa35は、Ala,Ar
g,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Le
u,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyrまたは
Val;Xaa39は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,G
ln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,S
er,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa40は、Ala,Arg,
Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,
Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVa
l;Xaa41は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln
,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser
,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa42は、LeuまたはMet;
Xaa44は、Ala,Gly,Pro,Ser,またはThr;Xaa50は
、IleまたはVal;Xaa55は、Arg,Asn,Asp,Gln,Gl
u,His,Lys,SerまたはThr;Xaa56は、Ala,Arg,A
sn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,L
ys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal
;Xaa57は、Ile,Leu,MetまたはVal;Xaa58は、Arg
,Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;X
aa59は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gl
y,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Th
r,Trp,Tyr,Valまたはペプチドボンド;Xaa60は、Ala,A
rg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,L
eu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyr,V
alまたはペプチドボンド;Xaa61は、Arg,Asn,Asp,Gln,
Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xaa62は、Ala,Arg
,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu
,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはV
al;Xaa63は、IleまたはVal;Xaa66は、Ala,Gly,P
ro,Ser,またはThr;Xaa69は、Ala,Arg,Asn,Asp
,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met
,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa72
は、Arg,Gln,Glu,またはLys;Xaa74は、Arg,Asn,
Asp,Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xaa76は
、IleまたはVal;Xaa78は、Ile,Leu,MetまたはVal;
Xaa81は、Cys,Ile,Leu,Met,Phe,Trp,Tyrまた
はVal;Xaa83は、Asn,AspまたはGlu;Xaa84は、Arg
,Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;X
aa85は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gl
y,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Th
r,Trp,Tyr,Valまたはペプチドボンド;Xaa86は、Arg,A
sn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xaa
87は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,Serま
たはThr;Xaa89は、IleまたはVal;Xaa91は、Argまたは
Lys;Xaa92は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,His,L
ys,SerまたはThr;Xaa94は、Arg,Gln,Glu,またはL
ys;Xaa95は、AsnまたはAsp;Xaa97は、Ala,Arg,A
sn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,L
ys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal
;Xaa99は、Arg,Gln,Glu,またはLys;XaalOOは、A
la,Gly,Pro,Ser,またはThr;Xaa104は、Arg,As
n,Asp,Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThrである。
GDFサブグループパターンである配列番号66は、現在までにGDF−1、
GDF−3およびGDF−9を含むと同定されたGDFサブグループのメンバー
間で共有される相同性を供給する。以下の一般的な配列は、この配列内の可変性
位置に存在し、そして図8に示される規則によって規定される、保存されたアミ
ノ酸(標準的な3文字コード)ならびに代替のアミノ酸(Xaa)の両方を含む
Figure 0004294010
各Xaaは、独立して、以下のように規定される1つ以上の特定のアミノ酸の
群から選択され得る。ここで;Xaa2は、Arg,Asn,Asp,Gln,
Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xaa3は、Ala,Arg,
Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,
Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVa
l;Xaa4は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,
SerまたはThr;Xaa5は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,
His,Lys,SerまたはThr;Xaa6は、Cys,Ile,Leu,
Met,Phe,Trp,TyrまたはVal;Xaa7は、Ala,Arg,
Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,
Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVa
l;Xaa8は、Ile,Leu,MetまたはVal;Xaa9は、Arg,
Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xa
al1は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,Ser
またはThr;Xaal2は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,Hi
s,Lys,SerまたはThr;Xaal3は、Ile,Leu,Metまた
はVal;Xaal4は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,
Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,
Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaal6は、Arg,Asn
,Asp,Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xaal7
は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,Serまたは
Thr;Xaal9は、IleまたはVal;Xaa20は、IleまたはVa
l;Xaa23は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys
,SerまたはThr;Xaa24は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cy
s,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Ph
e,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa25は、P
he,TrpまたはTyr;Xaa26は、Ala,Arg,Asn,Asp,
Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,
Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa27は
、Ala,Gly,Pro,Ser,またはThr;Xaa28は、Arg,A
sn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xaa
29は、Phe,TrpまたはTyr;Xaa31は、Arg,Asn,Asp
,Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xaa33は、Ar
g,Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;
Xaa35は、Ala,Gly,Pro,Ser,またはThr;Xaa36は
、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His
,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp
,TyrまたはVal;Xaa37は、Ala,Gly,Pro,Ser,また
はThr;Xaa38は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,
Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,
Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa39は、Arg,Asn
,Asp,Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xaa40
は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,Hi
s,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Tr
p,TyrまたはVal;Xaa41は、Ala,Arg,Asn,Asp,C
ys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,P
he,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa42は、
Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,
Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,
TyrまたはVal;Xaa43は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys
,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe
,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyr,Valまたはペプチドボンド;X
aa44は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gl
y,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Th
r,Trp,Tyr,Valまたはペプチドボンド;Xaa45は、Ala,A
rg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,L
eu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyr,V
alまたはペプチドボンド;Xaa46は、Ala,Arg,Asn,Asp,
Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,
Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyr,Valまたはペプチドボン
ド;Xaa47は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln
,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser
,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa48は、Ala,Gly,Pr
o,Ser,またはThr;Xaa49は、Ala,Arg,Asn,Asp,
Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,
Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa50は
、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His
,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp
,TyrまたはVal;Xaa51は、His,Phe,TrpまたはTyr;
Xaa52は、Ala,Gly,Pro,Ser,またはThr;Xaa53は
、Cys,Ile,Leu,Met,Phe,Trp,TyrまたはVal;X
aa54は、Ile,Leu,MetまたはVal;Xaa55は、Arg,G
ln,Glu,またはLys;Xaa56は、Ala,Arg,Asn,Asp
,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met
,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa57
は、Ile,Leu,MetまたはVal;Xaa58は、Ile,Leu,M
etまたはVal;Xaa59は、His,Phe,TrpまたはTyr;Xa
a60は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly
,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr
,Trp,TyrまたはVal;Xaa61は、Ala,Arg,Asn,As
p,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Me
t,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa6
2は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,H
is,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,T
rp,TyrまたはVal;Xaa63は、Ala,Arg,Asn,Asp,
Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,
Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyr,Valまたはペプチドボン
ド;Xaa64は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln
,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser
,Thr,Trp,Tyr,Valまたはペプチドボンド;Xaa66は、Al
a,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Il
e,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Ty
rまたはVal;Xaa67は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,G
lu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,P
ro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa68は、Ala,
Gly,Pro,Ser,またはThr;Xaa69は、Arg,Asn,As
p,Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xaa70は、A
la,Gly,Pro,Ser,またはThr;Xaa71は、Ala,Arg
,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu
,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはV
al;Xaa75は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gl
n,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Se
r,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa76は、ArgまたはLys
;Xaa77は、Cys,Ile,Leu,Met,Phe,Trp,Tyrま
たはVal;Xaa80は、Ile,Leu,MetまたはVal;Xaa82
は、Ile,Leu,MetまたはVal;Xaa84は、Ala,Arg,A
sn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,L
ys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal
;Xaa85は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,
Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,
Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa86は、AspまたはGlu;X
aa87は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gl
y,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Th
r,Trp,TyrまたはVal;Xaa88は、Arg,Asn,Asp,G
ln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xaa89は、Ala,
Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,
Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyrま
たはVal;Xaa90は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,His
,Lys,SerまたはThr;Xaa91は、IleまたはVal;Xaa9
2は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,H
is,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,T
rp,TyrまたはVal;Xaa93は、Cys,Ile,Leu,Met,
Phe,Trp,TyrまたはVal;Xaa94は、ArgまたはLys;X
aa95は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,Se
rまたはThr;XaalOOは、IleまたはVal;XaalOlは、Al
a,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Il
e,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Ty
rまたはVal;Xaa102は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,
His,Lys,SerまたはThr;Xaa103は、Arg,Gln,Gl
u,またはLys;Xaal05は、Ala,Gly,Pro,Ser,または
Thr;Xaal07は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,
Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,
Ser,Thr,Trp,TyrまたはValである。
インヒビンサブグループパターンである配列番号67は、現在までにインヒビ
ンα、インヒビンβAおよびインヒビンβBを含むと同定された。インヒビンサ
ブグループのメンバー間で共有される相同性を供給する。以下の一般的な配列は
、この配列内の可変性位置に存在し、そして図8に示される規則によって規定さ
れる、保存されたアミノ酸(標準的な3文字コード)ならびに代替のアミノ酸(
Xaa)の両方を含む。
Figure 0004294010
各Xaaは、独立して、以下のように規定される1つ以上の特定のアミノ酸の
群から選択され得る。ここで;Xaa2は、Ala,Arg,Asn,Asp,
Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,
Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa3は、
ArgまたはLys;Xaa4は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,
Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,
Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa5は、Ala,
Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,
Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyrま
たはVal;Xaa6は、Cys,Ile,Leu,Met,Phe,Trp,
TyrまたはVal;Xaa7は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,
Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,
Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa8は、Ileま
たはVal;Xaa9は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,His,
Lys,SerまたはThr;Xaal1は、Arg,Gln,Glu,または
Lys;Xaal2は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,G
ln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,S
er,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaal3は、Ile,Leu,
MetまたはVal;Xaal6は、Asn,AspまたはGlu;Xaal7
は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,Serまたは
Thr;Xaa20は、IleまたはVal;Xaa21は、Ala,Arg,
Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,
Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVa
l;Xaa23は、Ala,Gly,Pro,Ser,またはThr;Xaa2
4は、Ala,Gly,Pro,Ser,またはThr;Xaa25は、Phe
,TrpまたはTyr;Xaa26は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cy
s,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Ph
e,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa27は、A
la,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,I
le,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,T
yrまたはVal;Xaa28は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,
His,Lys,SerまたはThr;Xaa31は、Arg,Asn,Asp
,Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xaa33は、Al
a,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Il
e,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Ty
rまたはVal;Xaa35は、Ala,Gly,Pro,Ser,またはTh
r;Xaa36は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln
,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser
,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa37は、His,Phe,Tr
pまたはTyr;Xaa38は、Ile,Leu,MetまたはVal;Xaa
39は、Ala,Gly,Pro,Ser,またはThr;Xaa40は、Al
a,Gly,Pro,Ser,またはThr;Xaa41は、Ala,Arg,
Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,
Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVa
l;Xaa42は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln
,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser
,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa43は、Ala,Gly,Pr
o,Ser,またはThr;Xaa44は、Ala,Arg,Asn,Asp,
Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,
Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa45は
、Ala,Gly,Pro,Ser,またはThr;Xaa46は、Ala,A
rg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,L
eu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyrまた
はVal;Xaa47は、Ala,Gly,Pro,Ser,またはThr;X
aa48は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gl
y,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Th
r,Trp,TyrまたはVal;Xaa49は、Ala,Arg,Asn,A
sp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,M
et,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa
50は、Ala,Gly,Pro,Ser,またはThr;Xaa51は、Al
a,Gly,Pro,Ser,またはThr;Xaa52は、Ala,Arg,
Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,
Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVa
l;Xaa53は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln
,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser
,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa54は、Ala,Arg,As
n,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Ly
s,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;
Xaa55は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,S
erまたはThr;Xaa56は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,
Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,
Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa57は、Ala
,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile
,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyr
またはVal;Xaa58は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Gl
u,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pr
o,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa59は、Ala,A
rg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,L
eu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyrまた
はVal;Xaa60は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,
Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,
Ser,Thr,Trp,Tyr,Valまたはペプチドボンド;Xaa61は
、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His
,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp
,Tyr,Valまたはペプチドボンド;Xaa62は、Ala,Arg,As
n,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Ly
s,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyr,Valまたは
ペプチドボンド;Xaa63は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,G
lu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,P
ro,Ser,Thr,Trp,Tyr,Valまたはペプチドボンド;Xaa
64は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,
His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,
Trp,TyrまたはVal;Xaa65は、Ala,Gly,Pro,Ser
,またはThr;Xaa66は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,G
lu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,P
ro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa67は、Ala,
Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,
Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyrま
たはVal;Xaa68は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,His
,Lys,SerまたはThr;Xaa69は、Ala,Gly,Pro,Se
r,またはThr;Xaa72は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,
Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,
Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa73は、Ala
,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile
,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyr
,Valまたはペプチドボンド;Xaa74は、Ala,Arg,Asn,As
p,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Me
t,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyr,Valまたはペプチド
ボンド;Xaa76は、Ala,Gly,Pro,Ser,またはThr;Xa
a77は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,Ser
またはThr;Xaa78は、LeuまたはMet;Xaa79は、Arg,A
sn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xaa
80は、Ala,Gly,Pro,Ser,またはThr;Xaa81は、Le
uまたはMet;Xaa82は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,H
is,Lys,SerまたはThr;Xaa83は、Ile,Leu,Metま
たはVal;Xaa84は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu
,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro
,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa85は、Ala,Ar
g,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Le
u,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyrまたは
Val;Xaa86は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,G
ln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,S
er,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa87は、Arg,Asn,
Asp,Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xaa89は
、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His
,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp
,TyrまたはVal;Xaa90は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cy
s,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Ph
e,Pro,Ser,Thr,Trp,Tyr,Valまたはペプチドボンド;
Xaa91は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,G
ly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,T
hr,Trp,TyrまたはVal;Xaa92は、Arg,Asn,Asp,
Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xaa93は、Cys
,Ile,Leu,Met,Phe,Trp,TyrまたはVal;Xaa94
は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,Hi
s,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Tr
p,TyrまたはVal;Xaa95は、Ala,Arg,Asn,Asp,C
ys,Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,P
he,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;Xaa96は、
Arg,Gln,Glu,またはLys;Xaa97は、Arg,Asn,As
p,Gln,Glu,His,Lys,SerまたはThr;Xaa98は、I
leまたはVal;Xaa99は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,
Glu,Gln,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,
Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはVal;XaalOlは、Le
uまたはMet;Xaal02は、Ile,Leu,MetまたはVal;Xa
a103は、Ala,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gl
y,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Th
r,Trp,TyrまたはVal;Xaa104は、GlnまたはGlu;Xa
a105は、Arg,Asn,Asp,Gln,Glu,His,Lys,Se
rまたはThr;Xaa107は、AlaまたはGly;Xaa109は、Al
a,Arg,Asn,Asp,Cys,Glu,Gln,Gly,His,Il
e,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,Ty
rまたはValである。
(B.組換え体産生の考察)
(1.本発明のタンパク質およびDNA構築物の設計および産生)
上で述べたように、本発明の構築物は、当該分野において周知でありそして徹
底的に実証された従来の組換えDNA方法論の使用によって、ならびに慣用的な
ペプチド化学またはヌクレオチド化学および自動化したペプチド合成機またはヌ
クレオチド合成機を用いた周知の生合成の方法論および化学合成の方法論の使用
によって、製造され得る。このような慣用的方法論は、例えば以下の出版物に記
載され、その教示は本明細書中で参考として援用される:Hilvert,1
Chem.Biol.201−3(1994);Muirら,95 Proc.
Natl.Acd.Sci.USA 6705−10(1998);Walla
ce,6 Curr.Opin.Biotechnol.403−10(199
5);Mirandaら,96 Proc.Natl.Acd.Sci.USA
1181−86(1999);Liuら,91 Proc.Natl.Acd
.Sci.USA 6584−88(1994)。本発明中の使用に適したもの
は、天然に存在するアミノ酸およびヌクレオチド;天然には存在しないアミノ酸
およびヌクレオチド;修飾されたアミノ酸および異常なアミノ酸;修飾された塩
基;翻訳後に修飾されたアミノ酸および/または修飾された連結、架橋およびエ
ンドキャップ、非ペプチジルボンド、などを含むアミノ酸配列であり、そして、
付録2中の表1〜6を含むWorld Intellectual Prope
rty Organization(WIPO) Handbook on I
ndustrial Property Information and D
ocumentation,Standard St.25(1998)に開示
された部分がさらに挙げられるが、これらに限定されない(これらは本明細書中
で参考として援用される)。これらの等価物は、当該分野の知識と共に慣用的実
験法のみに依存して、当業者によって評価され得る。
例えば、企図されるDNA構築物は、合成ヌクレオチド配列のアセンブリおよ
び/またはDNA制限酵素フラグメントを連結して合成DNA分子を産生するこ
とによって製造され得る。次いでこのDNA分子は、発現ビヒクル(例えば発現
プラスミド)へ連結され、そして適切な宿主細胞(例えば、E.coli)へ形
質転換される。次いでこのDNA分子によってコードされる企図されたタンパク
質構築物が、発現され、精製され、リフォールディングされ、特定の特性(例え
ば、鋳型スーパーファミリーメンバーに対する結合親和性を有するレセプターと
の結合活性)に関してインビトロにおいて試験され、そしてこの生合成構築物が
、鋳型TGF−βスーパーファミリーメンバーの他の適切な特性を模倣するかど
うかを評価するために引き続いて試験された。
あるいは、合成DNA構築物のライブラリーが、例えば、前もって選んだ領域
内のヌクレオチド組成と異なる合成ヌクレオチド配列のアセンブリによって同時
に調製され得る。例えば、特異的TGF−βスーパーファミリーメンバーに基づ
く構築物の産生中に、当業者が、このようなスーパーファミリーメンバーにとっ
て適切なフィンガーおよびヒールの領域を選び得ることは予期される(例えば、
図6〜7より)。一旦、適切なフィンガーおよびヒールの領域が選ばれると、当
業者は、次いでこれらの領域をコードする合成DNAを産生し得る。例えば、異
なるリンカー配列をコードする複数のDNA分子が、フィンガーおよびヒールの
配列をコードするDNA分子を含む連結反応に含まれるならば、適切な制限酵素
部位および反応条件の思慮深い選択によって、当業者は、各々のDNA構築物が
フィンガーおよびヒールの領域をコードするが異なるリンカー配列によって結合
されたDNA構築物のライブラリーを産生し得る。その結果生じるDNAは、次
いで適切な発現ビヒクル(すなわち、ファージディスプレイライブラリーの調製
に有用なプラスミド)へ連結され、宿主細胞へ形質転換され、そして合成DNA
によってコードされるポリペプチドは、候補タンパク質のプールを産生するため
に発現させた。候補タンパク質のプールは、前もって選んだレセプターに対する
所望の結合親和性および/または選択性を有する特異的なタンパク質を同定する
ために引き続いてスクリーニングされ得る。
スクリーニングは、候補タンパク質を含む溶液をレセプターが固定化された表
面を備えるクロマトグラフィーカラムを通じて通過させることによって実施され
得る。次いで、所望の結合特異性を伴うタンパク質が、例えば、塩勾配および/
または鋳型TGF−βスーパーファミリーメンバーの濃度勾配によって溶出され
る。このようなタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、引き続き単離され
得そして特徴付けられ得る。一旦、適切なヌクレオチド配列が同定されると、こ
のリードタンパク質は、従来の組換えDNA方法論またはペプチド合成方法論の
いずれかによって、特定の構築物が鋳型TGFβ−スーパーファミリーメンバー
の活性を模倣するか否かを試験するために十分な量が引き続き産生され得る。
どちらのアプローチが本発明の構築物をコードするDNA分子を産生するため
に採用されても、好ましいタンパク質の三次元構造が、例えば、本明細書中に記
載の原理によって援助されるヌクレオチド変異誘発方法論およびファージディス
プレイ方法論の組合せによって、結合活性および/または生物学的活性を最適化
するために引き続き調節され得ることが企図される。従って、当業者は、多くの
このようなタンパク質を産生し得、そして同時に試験し得る。
(a)遺伝子およびタンパク質合成
目的のアミノ酸配列をコードするDNAを製造し、増幅し、そして組換えるた
めのプロセスは、該して当該分野において周知であり、それゆえ、本明細書中に
詳細には記載しない。TGF−βスーパーファミリーメンバーをコードする遺伝
子を同定しそして単離する方法はまた、よく理解されており、そして本特許およ
び他の文献に記載される。
手短には、本明細書中に開示された生合成構築物をコードするDNAの構築は
、配列特異的にDNAを切断し平滑末端または突出末端を産生する種々の制限酵
素、DNAリガーゼ、突出末端を平滑末端化されたDNAへの酵素的付加を可能
にする技術、短いまたは中間の長さのオリゴヌクレオチドのアセンブリによる合
成DNAの構築、cDNA合成技術、ライブラリーから適切な核酸配列を増幅す
るためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術、ならびにTGF−βスーパーフ
ァミリーメンバーおよびそららの同族のレセプターの遺伝子を単離するための合
成プローブの使用を含む周知の技術を用いて実施される。発現の達成に用いられ
る(少しの例を挙げれば)細菌、哺乳動物、または昆虫由来の種々のプロモータ
ー配列および他の調節DNA配列ならびに種々の型の宿主細胞はまた、公知であ
りそして入手可能である。従来のトランスフェクションの技術、およびDNAを
クローニングおよびサブクローニングするための同等に従来の技術は、本発明の
実施に有用であり、そして当業者に周知である。種々の型のベクター(例えばプ
ラスミドならびに動物ウイルスおよびバクテリオファージを含むウイルス)が用
いられ得る。このベクターは、首尾よくトランスフェクトされた細胞に検出可能
な表現型特性(ベクターに組換えDNAを首尾よく組み込まれたクローンのファ
ミリーのものを同定するために用い得る特性)を与える種々のマーカー遺伝子を
利用し得る。
本明細書中に開示された生合成構築物をコードするDNAを得るための方法の
一つは、従来の、自動化オリゴヌクレオチド合成機において産生される合成オリ
ゴヌクレオチドのアセンブリに引き続いて適切なリガーゼを伴う連結によるもの
である。例えば、重複した、相補的なDNAフラグメントは、ホスホルアミダイ
ド化学を用いて合成され得る末端セグメントは、連結中に重合を防ぐためにリン
酸化されないままである。合成DNAの一端は、特定の制限エンドヌクレアーゼ
の作用の部位に相当する末端を伴ったままにし、そして合成DNAの他端は、他
の制限エンドヌクレアーゼの作用の部位に相当する末端を伴ったままにする。こ
の相補的DNAフラグメントは、共に連結されて、合成DNA構築物を産生する
あるいはフィンガー1領域、フィンガー2領域およびヒール領域をコードする
核酸鎖が、例えば、Sambrookら編(1989)「Molecular
Cloning」、Coldspring Harbor Laborator
ies Press、NYに記載のようなコロニーハイブリダイゼーション手順
によって、および/またはInnisら(1990)「PCR Protoco
ls,A guide to methods and applicatio
ns」、Academic Pressに開示のようなPCR増幅方法論によっ
て、核酸のライブラリーから単離され得る。このフィンガー領域およびヒール領
域をコードする核酸は、次いで共に連結され、目的の生合成一本鎖形態単位構築
物をコードする合成DNAを産生する。
しかし、その複数をコードするDNA構築物のライブラリーは、上述したもの
のような、標準的な組換えDNA方法論によって同時に産生され得る。例えば、
カセット変異誘発またはオリゴヌクレオチド特異的変異誘発の使用によって、当
業者は、例えば、あらかじめ定義された部位の範囲内(例えば、リンカー配列を
コードするDNAカセットの範囲内)に異なるDNA配列を各々が含む一連のD
NA構築物を産生し得る。その結果生じるDNA構築物のライブラリーは、例え
ば、ファージディスプレイライブラリーもしくはウイルスディスプレイライブラ
リーまたは真核細胞株(たとえば、CHO細胞株)において引き続き発現され得
る;そして特異的レセプターに結合する任意のタンパク質構築物は、アフィニテ
ィ精製(例えば、レセプターが固定化された表面を備えるクロマトグラフィーカ
ラムの使用)によって単離され得る。一旦前もって選択されたレセプターに結合
する分子が単離されると、それらの結合特性およびアゴニストの特性は、経験的
な精製技術を用いて調節され得る。
タンパク質および核酸の変異誘発の方法は、周知であり、当該分野に十分に記
載されている。Sambrookら、(1990) Molecular Cl
oning:A Laboratory Manual.、2d ed.(Co
ld Spring Harbor、N.Y.:Cold Spring Ha
rbor Laboratory Press)を参照のこと。有用な方法は、
PCR(重複伸長、PCR Primer(DieffenbachおよびDv
eksler編、Cold Spring Harbor Press、Col
d Spring Harbor、NY、1995、pp.603〜611)を
参照のこと);クンケル法の後のカセット変異誘発および一本鎖変異誘発を含む
。これは、任意の適切な変異誘発方法が利用され得、そしてこの変異誘発法が本
発明の重要な局面とみなされないことは当業者によって認識される。アルギニン
(Arg)、グルタミン酸(Glu)およびアスパラギン酸(Asp)を含むア
ミノ酸をコードするのに的確な核酸コドンはまた、周知でありそして当該分野に
おいて記載される。例えば、Lehninger、Biochemistry(
Worth Publishers、N.Y.、N.Y.)を参照のこと。アル
ギニン、グルタミン酸およびアスパラギン酸をコードする標準的なコドンは、A
rg:CGU、CGC、CGA、CGG,AGA,AGG;Glu:GAA、G
AG;およびAsp:GAU、GACである。本発明の変異体の構築物は、切り
替えられる核酸配列またはドメインを整列化すること、ならびに適合性のスプラ
イス部位を同定することおよび/またはPCR重複伸長を用いた適切な乗り換え
配列を構築することによって容易に構築され得る。
(b)タンパク質発現
本発明の利点の一つは、タンパク質発現およびタンパク質産生、特にタンパク
質の商業的に重要な量に関連する。本明細書中に開示するように、変異体タンパ
ク質は、増強された/改良されたリフォールディング特性のような特定の好まし
い特性を与えられ得る。さらに、哺乳動物細胞において正しく発現され得なかっ
た増強された/改良されたリフォールディング特性を伴う変異体タンパク質が、
細菌細胞において発現されるために設計され得る。このような増強されたリフォ
ールディングは、活性化型TGF−βスーパーファミリータンパク質の回収およ
び商業的な産生を改良し得ることが予期される。哺乳動物細胞がミスフォールド
タンパク質を同定し得、かつこのようなタンパク質が再利用されそして正しくリ
フォールドされることを可能にする細胞内プロセスを有することもまた予期され
る。しかし、このようなタンパク質は、究極的にそれらが正しくリフォールドし
損なうならば、処分され得る。従って、細胞は、乏しいリフォールドタンパク質
の再利用に費やす時間が少ないほど、使用可能なリフォールドタンパク質の産生
により多くの時間を費やし得る。例えば、Trombettaら、8 Curr
.Opin.Struct.Biol.587〜92(1998)を参照のこと
目的の単一DNA構築物が合成されたならば、それは、発現ベクターへ組み込
まれ得、そしてタンパク質発現に適切な宿主細胞へトランスフェクトされ得る。
有用な原核生物宿主細胞は、E.coli、およびB.Subtilisを含む
が、それに限定されない。有用な真核生物宿主細胞としては、酵母細胞、昆虫細
胞、ミエローマ細胞、繊維芽細胞3T3細胞、サル腎臓細胞またはCOS細胞、
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ミンク肺上皮細胞、ヒト包皮繊維
芽細胞、ヒトグリア芽細胞腫細胞、およびテラトカルシノーマ細胞が挙げられる
が、それに限定されない。あるいは、合成遺伝子は、ウサギ網状赤血球溶解物系
のような無細胞系において発現され得る。
さらにベクターは、転写プロモーターおよび終止配列、エンハンサー配列、適
切なリボソーム結合部位配列、適切なmRNA誘導配列、適切なタンパク質プロ
セッシング配列、タンパク質の分泌に適切なシグナル配列、などを含む組換え体
タンパク質の正しい発現を促進する種々の配列を含み得る。目的の遺伝子をコー
ドするDNA配列はまた、潜在的な阻害配列を除去するようにまたは不要な二次
構造形成を最小化するように操作され得る。本発明の修飾されたタンパク質はま
た、融合タンパク質として発現され得る。トランスフェクトされた後、タンパク
質は細胞自身から精製され得、または培養培地から回収され得、次いで所望され
たならば特異的なプロテアーゼ部位で切断され得る。
例えば、遺伝子をE.coliに発現させるならば、遺伝子は適切な発現ベク
ターにクローン化される。これは、TrpまたはTacのようなプロモーター配
列の下流に操作された遺伝子、および/またはプロテインAのフラグメントB(
FB)のようなリーダーペプチドをコードする遺伝子を配置することによって達
成され得る。発現中に、その結果生じた融合タンパク質は、細胞の細胞質内の屈
折体(reflactile body)に蓄積し、そしてフレンチプレスまた
は超音波処理による細胞の崩壊の後に収集され得る。単離された屈折体は、次い
で可溶化され、そして発現したタンパク質は、本明細書中に教示されたようにリ
フォールドされる。
もし所望されるならば、真核生物細胞での操作された遺伝子の発現が達成され
得る。このことは、細胞および細胞株を必要とし、そしてこれらの細胞および細
胞株はトランスフェクトするのに容易であり、再配列されない配列を伴う外来D
NAを安定に維持することが可能であり、これらの細胞および細胞株は、効率的
な転写、翻訳、翻訳後修飾、およびタンパク質の分泌に必要な細胞内構成成分を
有する。さらに、目的の遺伝子を運ぶ適切なベクターもまた、必要である。哺乳
動物細胞へのトランスフェクションのためのDNAベクターの設計は、本明細書
中に記載されるような目的の遺伝子の発現を促進するために適切な配列(適切な
転写開始配列、終止配列、およびエンハンサー配列ならびに、コザックコンセン
サス配列のような翻訳効率を増強する配列を含む)を含むべきである。適切なD
NAベクターはまた、マーカー遺伝子および目的の遺伝子のコピー数を増幅する
ための手段を含む。哺乳動物細胞での外来タンパク質の産生の技術水準(有用な
細胞、タンパク質発現促進配列、マーカー遺伝子、および遺伝子増幅法を含む)
の詳細な総説は、Bendig(1998) Genetic Enginee
ring 7:91〜127に開示される。
特定の哺乳動物細胞において外来遺伝子を発現するために有用な最も特徴付け
られた転写プロモーターは、SV40初期プロモーター、アデノウイルスプロモ
ーター(AdMLP)、マウスメタロチオネインIプロモーター(mMT−I)
、ラウスサルコーマウイルス(RSV)長末端反復(LTR),マウス乳腺腫ウ
イルス長末端反復(MMTV−LTR)、およびヒトサイトメガロウイルス主要
中間初期(intermediate−early)プロモーター(hCMV)
である。これらのプロモーターのすべてに関するDNA配列は、当該分野におい
て公知であり、そして商業的に利用可能である。
dhfr-細胞株の選択可能なDHFR遺伝子の使用は、哺乳動物細胞系にお
ける遺伝子の増幅に有用な、十分に特徴付けられた方法である。簡単に、このD
HFR遺伝子は、目的の遺伝子を運ぶベクター上に提供され、そしてDHFRに
よって代謝される細胞傷害性の薬剤メトトレキセートの漸増濃度の付加は、目的
の関連遺伝子増幅と同様にDHFR遺伝子コピー数の増幅を導く。トランスフェ
クトされたチャイニーズハムスター卵巣細胞株(CHO細胞)において選択可能
で、増幅可能なマーカー遺伝子としてのDHFRは、当該分野において特に十分
に特徴付けられている。他の有用な増幅可能なマーカー遺伝子は、アデノシンデ
アミナーゼ(ADA)遺伝子およびグルタミンシンターゼ(GS)遺伝子を含む
細胞/細胞株の選択はまた、重要であり、そして実験者の要求に依存する。C
OS細胞は、本発明の生合成構築物を急速にスクリーニングするために有用な量
を提供する、高いレベルの一過性の遺伝子発現を提供する。COS細胞は、代表
的には目的の遺伝子を運ぶシミアンウイルス40(SV40)ベクターと共にト
ランスフェクトされる。トランスフェクトされたCOS細胞は、最終的に死滅し
、それ故に所望のタンパク質産生物の長期間の産生が妨げられる。しかし、一過
性の発現は、安定な細胞株の開発のために必要とされる時間のかかる過程を必要
とせず、従って結合活性について予備構築物を試験するために有用な技術を提供
する。
本発明の方法および生合成組換え体または化学合成タンパク質の個々の利点は
、それらが、過剰発現の結果、封入体(そこからタンパク質が再可溶化されるべ
きで、そしてインビトロでリフォールディングされるべきである)の形成が生じ
るE.coliの系および他の系のような、酵母細胞系および細菌細胞系におけ
る使用に十分適するということである。TGF−βスーパーファミリーメンバー
タンパク質変異体が哺乳動物細胞内で作られ得るとしても、いくつかの設計され
たタンパク質構築物および変異体は、哺乳動物細胞において不安定であるようで
あり、そして細菌細胞を用いかつインビトロで変異体をリフォールディングする
ことによって、当該分野の現在の技術水準において、唯一作られ得る。本発明の
実施において有用なタンパク質の詳細な記載は、それらをどのように作り、用い
、そして骨形成活性について試験するかを含み、米国特許番号5,266,68
3および5,011,691を含む多数の刊行物(それらの開示は本明細書中に
参考として援用される)ならびに本明細書中に列挙される任意の刊行物(その開
示は本明細書中に参考として援用される)において、開示される。
手短には、本発明の変異体型は、標準的な、周知の方法を用いて細菌および酵
母において発現されそして産生され得る。全長の成熟した型またはC末端の7つ
のシステインのドメインのみを規定する短い配列は、宿主細胞に提供され得る。
N末端配列を修飾して細菌での発現を最適化することは、好ましくあり得る。例
えば、未変性のOP−1の細菌での発現に対して適切な型は、成熟した、活性配
列をコードする配列(配列番号39の残基293〜431)またはそのC末端の
7つのシステインのドメインをコードするフラグメント(配列番号39の残基3
30〜431)である。本来のセリン残基と置き換わって、メチオニンが、29
3位に導入され得、またはメチオニンは、このセリン残基の前方にあり得る。あ
るいは、メチオニンは、天然の配列の最初の36残基(残基293〜329)の
中の任意の場所に導入され得る。DNA配列は、精製を改善するために(例えば
、IMACカラム上での精製を補助するために「6His」テールを付加するこ
とによって、またはIgG/カラム上での精製を容易にするFBリーダー配列を
用いることによって)N末端でさらに修飾され得る。これらおよび他の方法は、
当該分野において十分に記載されかつ周知である。他の細菌種および/またはタ
ンパク質は、それらから得た変異BMPの収率を最適化するために類似の修飾か
ら要求されるかまたは利益を得る。このような修飾は、十分に当業者のレベル内
であり、そして本発明の実質的な局面とみなさない。
合成核酸は、好ましくは選択した宿主細胞に過剰発現させるために適切なベク
ター内へ挿入される。選択した宿主細胞においてBMPのような異種のタンパク
質の発現を方向付け得る限りは、任意の発現ベクターが用いられ得る。有用なベ
クターとしては、少し例を挙げれば、プラスミド、ファージミド、ミニクロモソ
ームおよびYACが挙げられる。他のベクター系は、周知であり、そして当該分
野において特徴付けられている。このベクターは、代表的にはレプリコン、一つ
以上の選択可能なマーカー遺伝子配列、および宿主細胞に高いコピー数のベクタ
ーを維持するための手段を含む。周知の選択可能なマーカー遺伝子は、アンピシ
リン、テトラサイクリンなどのような抗生物質および重金属耐性を含む。酵母細
胞での使用するために有用な選択可能なマーカー遺伝子は、栄養要求性の酵母変
異宿主とともに使用のためのURA3遺伝子、LEU2遺伝子、HIS3遺伝子
またはTRP1遺伝子を含む。加えて、ベクターもまた、目的の遺伝子を発現す
るための適切なプロモーター配列(これは誘導性であっても、誘導性でなくても
よい)、および所望であれば、有用な転写開始部位および翻訳開始部位、ターミ
ネーター、ならびに目的の遺伝子の転写および翻訳を最大化し得る他の配列を含
む。細菌細胞において特に有用な、十分特徴付けられたプロモーターとしては、
少し例を挙げれば、lacプロモーター、tacプロモーター、trpプロモー
ター、およびtppプロモーターが挙げられる。酵母で有用なプロモーターとし
ては、例えば、ADHI、ADHII,またはPHO5プロモーターが挙げられ
る。
(c)リフォールディングの考慮事項
例えばE.coliによって産生されたタンパク質は、第一に封入体より単離
され、次いでグアニジン塩酸または尿素のような変性剤またはカオトロピック剤
によって、好ましくは約4〜9Mの範囲でそして高い温度(例えば25〜37℃
)および/または塩基性pH(8〜10)で可溶化される。あるいは、タンパク
質は、酸性化によって(例えば、酢酸またはトリフルオロ酢酸を用いて)、一般
に1〜4の範囲のpHで可溶化される。好ましくは、β−メルカプトエタノール
またはジチオトレイトール(DTT)のような還元剤が、可溶化剤と組合せて用
いられる。この可溶化された異種のタンパク質は、透析によっておよび/または
公知のカラムクロマトグラフィーの方法によって(例えば、サイズ排除クロマト
グラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、または逆相高性能液体クロマトグ
ラフィー(RP−HPLC)などによって)、可溶化したカオトロープからさら
に精製され得る。
本発明に従って、可溶化された変異体は、以下のようにリフォールディングさ
れ得る。溶解したタンパク質は、リフォールディング媒体(代表的には、約pH
5.0〜10.0の範囲のpH、好ましくは約pH6〜9の範囲、ならびに界面
活性剤および/またはカオトロピック剤を含むpHトリス緩衝化媒体)中に希釈
される。有用な市販の入手可能な界面活性剤は、例えば、NP40(Nonid
et40)、CHAPS(3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ
]−1−プロパネスルフェートのような)、ジギトニン、デオキシコレート、ま
たはN−オクチルグルコシドのような、イオン性、非イオン性、または双性イオ
ン性であり得る。有用なカオトロピック剤としては、グアニジン、尿素、または
アルギニンが挙げられる。好ましくはカオトロピック剤は、約0.1〜10Mの
範囲、好ましくは0.5〜4Mの範囲の濃度で存在する。CHAPSが界面活性
剤の場合、好ましくは溶液の約0.5〜5%、さらに好ましくは溶液の約1〜3
%含まれる。好ましくは溶液はまた、少し例を挙げると酸化型および還元型のグ
ルタチオン、DTT,β−メルカプトエタノール、β−メルカプトメタノール、
システインまたはシスタミンのような適切な酸化還元系を含む。好ましくは、酸
化還元系は、還元剤対酸化剤の比が約1:1から約5:1の範囲で存在する。グ
ルタチオン酸化還元系が用いられる場合、還元型グルタチオン対酸化型グルタチ
オンの比は、還元型対酸化型が好ましくは約0.5対5;さらに好ましくは1対
1;そして最も好ましくは2対1の範囲である。好ましくは緩衝液はまた、約0
.25〜2.5Mの範囲、好ましくは約0.5〜1.5Mの範囲、最も好ましく
は約1Mの範囲の塩(代表的にはNaCl)を含む。当業者は、上記の条件およ
び媒体が、慣用的実験法のみを用いて最適化され得ることを認識する。このよう
な変動および改変は、本発明の範囲内である。
好ましくは、特定のリフォールディング反応のためのタンパク質濃度は、約0
.001〜1.0mg/mlの範囲であり、さらに好ましくはこれは約0.05
〜0.25mg/mlの範囲であり、最も好ましくは0.075〜0.125m
g/mlの範囲である。当業者によって認識されるように、より高濃度が、凝集
をより多く産生する傾向がある。ヘテロダイマーが産生される場合(例えばOP
−1/BMP−2またはBMP−2/BMP−6ヘテロダイマー)、好ましくは
個々のタンパク質は、等量のリフォールディング緩衝液に提供される。
代表的にリフォールディング反応は、約4℃〜約25℃の範囲の温度にて生じ
る。より好ましくは、リフォールディング反応は、4℃にて実行され、完了まで
行われる。代表的に、リフォールディングは約1日〜7日において完了し、一般
的に、16〜72時間または24〜48時間以内であり、これは、このタンパク
質に依存する。当業者に理解されるように、リフォールディング率はタンパク質
により変動し得、そしてより長いリフォールディング時間およびより短いリフォ
ールディング時間が意図され、そして本発明の範囲内である。本明細書中で使用
される場合、リフォールディング反応における総タンパク質と比較する場合、本
明細書中に記載される任意のリフォールディングアッセイにより測定されるよう
に、そしてさらなる精製を必要としない、フォールディング反応後、「良いリフ
ォルダー(good refolder)」タンパク質は、少なくとも、およそ
10%のタンパク質、より好ましくは、少なくともおよそ20%のタンパク質お
よびさらにより好ましくは少なくともおよそ25%タンパク質、ならびに最も好
ましくは、25%よりも多くのタンパク質が、リフォールディングされる。例え
ば、当該分野におて「良いリフォルダー」タンパク質と考えられているネイティ
ブのBMPには、BMP−2、CDMP−1、CDMP−2およびCDMP−3
が挙げられる。BMP−3はまた、合理的に良くリフォールディングされる。対
照的に、「乏しいリフォルダー(poor refolder)」タンパク質は
、1%未満の最適にフォールドされたタンパク質を産生する。条件が、本明細書
中に開示されるように最適に、混合かつ一致された場合、特定の実施態様が、最
適にリフォールドされた状態においておよそ25%以上のタンパク質を産生し得
る。
(2.スクリーニング、結合および生物学的活性の試験のためのアッセイの要
旨)
どのタンパク質発現方法論、収集方法論、およびフォールディング方法論が使
用されるかとは関係なく、特定の変異体タンパク質が、予め選択されたレセプタ
ーに優先的に結合し得、そして現在、標準的な方法論(すなわち、周知であり、
そして徹底的に当該分野において実証されたリガンド/レセプター結合アッセイ
)を使用して同定され得る。例えば、:Legerskiら、(1992)Bi
ochem.Biophys.Res.Comm.183:672〜679;F
rakarら、(1978)Biochem.Biophys.Res.Com
m 80:849〜857;Chioら、(1990)Nature 343:
266〜269;Dahlmanら、(1988)Biochem 27:18
13〜1817;Straderら(1989)J.Bio.Chem.264
:13572〜13578;およびD’Dowdら、(1988)J.Biol
.Chem.263;15985〜15992を参照のこと。
代表的に、リガンド/レセプター結合アッセイにおいて、予め選択されたレセ
プターに対する公知の定量可能な親和性を有する目的のネイティブのまたは親の
TGF−βスーパーファミリーメンバーを、検出可能な部分(例えば、放射標識
、色素生産性標識、または蛍光発生標識)を用いて標識する。精製されたレセプ
ター、レセプター結合ドメインフラグメントまたはその表面に目的のレセプター
を発現する細胞のアリコートを、種々の濃度の非標識変異体タンパク質の存在下
において、標識されたTGF−βスーパーファミリーメンバーとともにインキュ
ベートする。候補変異体の相対結合親和性を、標識されたTGF−βスーパーフ
ァミリーメンバーとそのレセプターとの結合を阻害する変異体の能力を定量化す
ることにより測定し得る。このアッセイを実施する際に、濃度の固定されたレセ
プターおよびTGF−βスーパーファミリーメンバーを、非標識キメラの存在お
よび非存在下においてインキュベートする。感度は、標識されたテンプレートT
GF−βスーパーファミリーメンバーを添加する前に、変異体と共にそのレセプ
ターをプレインキュベートすることにより増加され得る。標識された競合物(コ
ンペティター:competitor)を添加した後、十分な時間により適切な
コンペティター結合を可能にし、次いで、遊離した標識スーパーファミリーメン
バーと結合した標識スーパーファミリーメンバーを、互いに分離し、そして一方
または他方を測定する。
スクリーニング手順の実施において有用な標識には、放射能標識(すなわち12
5I、131I、111Inまたは77Br)、色素生産性標識、分光学標識(例えば、
Molecular Probes,Inc.,Eugene,ORにより、H
aughland(1994)「Handbook of Fluoresce
nt and Research Chemicals第5版」において開示さ
れる標識)または高代謝回転率を有する複合化酵素(すなわち、化学発光基質ま
たは蛍光発生基質と組み合わせて使用される、セイヨウワサビのペルオキシダー
ゼ、アルカリホスファターゼ、またはβ−ガラクトシダーゼ)が挙げられる。
生物学的活性、すなわち、生じた変異体構築物のアゴニスト特性またはアンタ
ゴニスト特性を、任意のTGF−βスーパーファミリーメンバーの生物学的活性
を測定するために発展してきた通常のインビボおよびインビトロアッセイを使用
して続いて特徴付けし得る。しかし、使用されるこの型のアッセイは、この変異
体が基づくTGF−βスーパーファミリーメンバーに依存する。例えば、天然の
OP−1タンパク質に基づく変異体構築物を、OP−1活性を測定するために現
在まで発展してきた任意の生物学的アッセイを使用してアッセイし得る(例えば
、下記に示される例証のアッセイを参照のこと)。
最適にリフォールディングされたダイマータンパク質は、任意の周知かつ良く
特徴付けられた多くのアッセイを使用して、容易に評価され得る。特に、3つの
アッセイの任意の1つ以上(周知かつ当該分野においてよく記載される)および
さらに下記に記述されるアッセイが、利益を得るためにために使用され得る。
有用なリフォールディングアッセイは、以下の1つ以上を含む。第1に、ダイ
マーの存在を、DTTのような還元剤の非存在下における標準的なSDS−PA
GEまたはHPLC(例えば、C18逆相HPLC)のいずれかによって、視覚
的に検出し得る。本発明のダイマータンパク質は、約28〜36kDaの範囲内
の見かけの分子量を有し、モノマーサブユニットと比較される場合、これは約1
4〜18kDaの見かけの分子量を有する。ダイマータンパク質は、市販の分子
量標準と比較することにより電気泳動ゲル上で容易に視覚化され得る。このダイ
マータンパク質はまた、C18RP HPLC(45〜50%アセトニトリル:
0.1%TFA)から約19分で溶出する(哺乳動物により産生されるhOP−
1は約18.95分で溶出する)。第2のアッセイは、ヒドロキシアパタイトに
結合するその能力によって、ダイマーの存在を評価する。最適にフォールドされ
たダイマーは、pH7、10mMリン酸、6M尿素、および0.1〜0.2M
NaCl(ダイマーは0.25M NaClで溶出する)において、ヒドロキシ
パタイトカラムとよく結合し、モノマーと比較される場合、これは実質的にそれ
らの濃度において結合しない(モノマーは0.1M NaClで溶出する)。第
3のアッセイは、このタンパク質のトリプシン消化またはペプシン消化に対する
耐性により、ダイマーの存在を評価する。フォールドされたダイマー種は、実質
的に両方の酵素(特にトリプシン)に対して耐性であり、これは成熟タンパク質
のN末端の小さな部分のみを切断し、未処理のダイマーよりもサイズにおいてわ
ずかに小さい生物学的に活性なダイマー種のみを残す(トリプシン切断後、各モ
ノマーは22アミノ酸だけ小さい)。対照的に、モノマーおよびミスフォールド
されたダイマーは、実質的に分解される。このアッセイにおいて、このタンパク
質は、標準的な条件(例えば、標準的な緩衝液(4M尿素、100mM NaC
l、0.3%Tween−80および20mMメチルアミンを含む50mM T
ris緩衝液、pH8、のような)における消化)を使用して、酵素消化に共さ
れる。消化を、およそ16時間、37℃で起こさせ、そしてその産物は、任意の
適切な手段(好ましくは、SDS−PAGE)によって視覚化される。
リフォールドされたキメラタンパク質(例えば、BMP)の生物学的活性は、
下記のような多くの方法のいずれかによって容易に評価され得る。例えば、この
タンパク質の軟骨内性骨形成を誘導する能力は、よく特徴付けされたラット皮下
骨アッセイを使用して評価され得、以下に詳細に記載される。このアッセイにお
いて、骨形成は、組織学ならびにアルカリホスファターゼおよび/またはオステ
オカルシン産生によって測定される。さらに、高い特異性の骨形成活性を有する
骨形成タンパク質(例えば、OP−1、BMP−2、BMP−4、BMP−5お
よびBMP−6)はまた、インビトロのラット骨芽細胞または骨肉腫細胞に基づ
くアッセイにおいてアルカリホスファターゼ活性を誘導する。このようなアッセ
イは、当該分野において十分に記載されており、本明細書中において以下に詳細
に記載される。例えば、Sabokdarら、(1994)Bone and
Mineral27:57〜67;Knutsenら、(1993)Bioch
em.Biophys.Res.Commun.194:1352〜1358;
およびMaliakalら、(1994)Growth Factors 1:
227〜234)を参照のこと。対照的に、低い特異性の骨形成活性を有する骨
形成タンパク質(例えば、CDMP−1およびCDMP−2)は、例えば、細胞
に基づく骨芽細胞アッセイにおけるアルカリホスファターゼ活性を誘導しない。
従って、このアッセイは、BMP変異体の生物学的活性を評価するための準備さ
れた方法を提供する。例えば、BMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−
6またはOP−1よりも低い特異性の活性を有するが、CDMP−1、CDMP
−2およびCDMP−3はすべて骨形成を誘導するための成分である。逆に、C
DMP−1、CDMP−2またはCDMP−3よりも低い特異性の活性を有する
が、BMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6およびOP−1はすべて
関節軟骨形成を誘導し得る。従って、CDMP変異体(細胞に基づくアッセイに
おいてアルカリホスファターゼ活性を誘導することに対してコンピテントな変異
体であることが本明細書中に設計かつ記載される)は、ラット動物バイオアッセ
イにおいてより高い特異性の骨形成活性を実証することが予期される。同様に、
CDMP−1、CDMP−2またはCDMP−3タンパク質の対応する位置に存
在する置換を含むことを本明細書中で設計かつ記載されるOP−1変異体は、ラ
ットアッセイにおいて骨を誘導し得るが、細胞に基づくアッセイにおけるアルカ
リホスファターゼ活性を誘導せず、したがって、インビボ関節軟骨アッセイにお
いて、活性を誘導する高度に特異的な間接軟骨を有することが予期される。本明
細書中以下に記載されるように、CDMP活性についての適切なインビトロアッ
セイは、マウス胚の前骨芽細胞またはマウス癌細胞(例えば、ATDC5細胞)
を利用する。下記実施例6を参照のこと。
TGF−β活性は、このタンパク質の上皮細胞増殖を阻害する能力によって容
易に評価され得る。有用な十分に特徴付けられたインビトロアッセイは、ミンク
肺細胞または黒色種細胞を利用する。実施例7を参照のこと。TGF−βスーパ
ーファミリーの他のメンバーについての他のアッセイは、文献において十分に記
載されており、そして、過度の実験を伴わずに実施され得る。
(3.処方および生物活性)
生じた変異タンパク質は、インビボの事象を増強、阻害または他の調節をする
ための治療の一部として個体に提供され得、その事象には、TGF−βスーパー
ファミリーメンバーと1つ以上のその同族レセプターとの間の結合相互作用がげ
られるが、限定されない。以下のように、この構築物は薬学的組成物において処
方され得、そして任意の適切な手段(好ましくは、直接または体系的に、例えば
、非経口的または経口的に)によって、形態形成的に有効な量において投与され
得る。好ましい変異タンパク質をコードする、生じたDNA構築物はまた、遺伝
子治療の目的のために、レシピエントに直接投与され得、このようなDNAが、
キャリア成分を伴うか、もしくは伴わずに、またはマトリックス成分を伴うか、
もしくは伴わずに投与され得る。あるいは、このようなDNA構築物を移入され
た細胞は、レシピエントにおいて移植され得る。このような物質および方法は、
当該分野において周知である。
本明細書中に開示されるこの任意の構築物が直接(例えば、注射により局所的
に、所望される組織部位に)または非経口的に(例えば、静脈内投与、皮下投与
、筋肉内投与、眼窩内投与、眼投与、脳室内投与、頭蓋内投与、関節内投与、脊
髄内投与、槽内投与、腹腔内投与、頬投与、直腸投与、膣投与、鼻腔内投与によ
って、またはエアロゾル投与によって)提供される場合、この治療的組成物は、
好ましくは水溶液の部分を含む。この溶液は好ましくは生理学的に受容可能であ
り、故に、患者への所望の構築物の送達に加えて、この溶液は、患者の電解質バ
ランスおよび体積バランスに別の不利な影響を及ぼさない。従って、この治療分
子のための水性媒体は、例えば、通常の生理的食塩水(0.9%NaCl、0.
15M)、pH7〜7.4または他の薬学的に受容可能なその塩の水性媒体を含
み得る。
経口または非経口的投与のための有用な溶液は、薬学的分野において周知の任
意の方法によって調製され得る(例えば、Remington’s Pharm
aceutical Sciences,(Gennaro,A.編),Mac
k Pub.,1990に記載される)。例えば、処方物はポリアルキレングリ
コール(例えば、ポリエチレングリコール)、野菜起源の油、水素化ナフタレン
などを含み得る。特に、直接投与のための処方物は、グリセロールおよび他の高
い粘度の組成物を含み得る。生体適合性、好ましくは生体再吸収可能な(bio
resorbable)ポリマー(例えば、ヒアルロン酸、コラーゲン、リン酸
三カルシウム、ポリ酪酸、ポリラクチド、ポリグリコリド、およびラクチド/グ
リコリドコポリマーを含む)が、インビボでのモルフォゲンの放出を制御するた
めの有用な賦形剤であり得る。
これら治療的分子のための他の潜在的に有用な非経口的送達系は、エチレンビ
ニル酢酸コポリマー粒子、浸透圧ポンプ(osmotic pump)、移植可
能な注入系(implantable infusion system)およ
びリポソームを含む。吸入投与のための処方物は、賦形剤として例えばラクトー
スを含み得るか、あるいは、例えば、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテ
ル、グリココール酸およびデオキシコール酸を含む水溶液もしくは点鼻薬の形態
における投与のための油性溶液になり得るか、またはゲルとして鼻腔内に適用さ
れる。
最終的に、治療的分子は、単独または他の組織形態形成に影響を及ぼすことが
既知である他の分子すなわち、組織を修復ならびに再生し得、そして/または炎
症を阻害し得る分子と組み合わせて投与され得る。骨粗鬆症個体における骨組織
増殖を刺激するための有用な補因子の例には、例えば、ビタミンD3、カルシト
ニン、プロスタグランジン、副甲状腺ホルモン、デキサメサゾン、エストロゲン
、およびIGF−IまたはIGF−IIが挙げられるが、これらに限定されない
。神経組織の修復および再生のために有用な補因子は、神経増殖因子を含み得る
。他の有用な補因子は、症状軽減補因子(symptom alleviati
ng cofactor)が挙げられ、これには防腐剤、抗生物質、抗ウイルス
剤および抗真菌剤ならびに鎮痛剤および麻酔薬が含まれる。
治療的分子はさらに、薬学的に受容可能な非毒性賦形剤およびキャリアを有す
る混和剤によって、薬学的組成物に処方され得る。上記のように、そのような組
成物は、特に脂質溶液または懸濁液の形態において、非経口的投与のために調製
され得;特に錠剤およびカプセルの形態において、経口投与のために調製され得
;または鼻腔内では、特に粉末、点鼻薬またはエアロゾルの形態において調製さ
れ得る。組織表面への癒着が所望される場合、この組成物は、フィブリノゲン−
トロンビン組成物または他の生接着性組成物(例えば、PCT US91/09
275に開示(その開示は参考として援用される)されるような)中に分散され
る生合成構築物を含み得る。次いで、この組成物は、塗布され、噴霧され、また
はさもなくば所望の組織表面に適用される。この組成物は、治療的に有効量(例
えば、その量は、所望される効果を誘導するのに十分な時間、標的組織に適切な
濃度の形態単位を提供する)においてヒトまたは他の哺乳動物への非経口的投与
または経口的投与のために処方され得る。
この治療的分子は、組織保存溶液または器官保存溶液の部分を含む場合、任意
の市販の保存溶液が都合よく使用され得る。例えば、当該分野において公知の有
用な溶液には、Collins溶液、Wisconsin溶液、Belzer溶
液、Eurocollins溶液および乳酸加リンガー溶液が挙げられる。保存
溶液および有用な成分の詳細な記載は、例えば、米国特許第5,002,965
号において見出され得、その開示は、本明細書中に参考として援用される。
いくつかのタンパク質構築物は(例えば、Vg/dppサブグループのメンバ
ーに基づくタンパク質構築物)はまた、マトリックスと組み合わされる場合、高
レベルのインビボ活性を示すことが意図される。例えば、米国特許第5,266
,683号を参照のこと(この開示は本明細書中に参考として援用される)。現
在好ましいマトリックスは、天然における外因性マトリクス、同種異型マトリク
スまたは自原性マトリックスである。しかし、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポ
リ酪酸、その誘導体およびコポリマーを含む合成材料もまた使用されて適切なマ
トリックスを産生し得ることが意図される。好ましい合成および天然に由来する
マトリックス材料、それらの調製、本発明の形態形成タンパク質とともにそれら
を処方するための方法および投与の方法は当該分野において周知であり、そのこ
とから本明細書中において詳細に議論されない。例えば、米国特許第5,266
,683号を参照のこと(この開示は、本明細書中において参考として援用され
る)。さらに、補綴デバイスのマトリックスまたは金属表面との結合、接着、ま
たは会合は、本明細書中に開示される材料または方法を使用して変えられ得るこ
とに起因するということが本明細書中において意図される。例えば、増強された
マトリックス接着特性を有する本発明のマトリックスおよび骨活性構築物を含む
デバイスが、徐放デバイスとして使用され得る。当業者は、その変動および操作
は、現在、本明細書中における教示を考慮に入れると可能であることを理解する
当業者によって理解されるように、治療的組成物中の記載される化合物の濃度
は多数の因子(投与されるべき形態形成有効量、使用される化合物の化学的特徴
(例えば、疎水性)、および投与経路)に依存して変化する。投与されるべき薬
物の好ましい投薬量もまた、おそらく、疾患、組織損失または欠損の型および程
度、特定の患者の全体の健康状態、選択された化合物の相対的な生物学的有効性
、この化合物の処方、処方物中の賦形剤の存在および型ならびに投与経路のよう
な変数に依存する。大まかに言えば、本発明の治療的分子は、1日あたり約10
ng/kg体重〜約1g/kg体重の範囲の代表的用量で個体に提供され得る(
好ましい用量範囲は、約0.1mg/kg体重〜100mg/kg体重である)
(II 特定の改変されたタンパク質変異体)
いくつかの一般的な型の構築物が、TGF−βスーパーファミリーメンバータ
ンパク質フォールディングを、f2サブドメインの操作を用いて改善するために
調製および評価された。本明細書中で言及されるように、f2サブドメイン領域
は、2つのCys(表2、1〜31残基を参照のこと)の後から始まる。f2サ
ブドメインのベース/ネック(base/neck)領域は、1〜10残基およ
び22〜31残基からなる。
一般的に、本発明によって意図される構築物の型は、以下の変異体を含む:(
1)C末端残基(一般的には残基番号35)が、Arg、Ser、Leu、Al
a、またはIleで置換されている;(2)f2領域における親水性残基の数が
増加している;(3)f2サブドメインのベース領域中の酸性残基の数が増加し
ている(代表的には、4位、6位、9位、25位、26位および30位の少なく
とも1つにおいて、塩基性残基またはアミド残基の代わりの置換体としてGlu
またはAspを使用することによる);(4)極性残基を有するヒドロキシル基
の数が増加している(代表的には、ベース領域(4位、6位、9位、25位、2
6位および30位)において、親水性残基を有する、少なくとも1つの塩基性残
基またはアミド基を、SerまたはThrで置き換えることによる);(5)f
2領域のすべてまたは一部を、良好なリフォールダー(例えば、BMP−2また
はCDMP−2)に配置する;または(6)f2ドメインの一部を、良好なフォ
ールダーに由来するf2サブドメインの一部と交換する。当業者は、これらの特
異的な残基が非限定であり、そして例示的な残基として提供されることを認識す
る。
本発明の教示はまた、同時係属出願[代理人登録番号第STD−075号およ
び代理人登録番号第STK−077号、本明細書と同日に出願された]において
記載される改変と組み合わせられ得、この開示は、本明細書中で参考として援用
される。
本発明に従って、ネイティブなBMPの性状またはTGF−βスーパーファミ
リーのタンパク質の他のメンバー(そのヘテロダイマーおよびホモダイマーを含
む)は、BMPまたはTGF−βスーパーファミリーメンバーの1つ以上の生物
学的特性を変更するためにネイティブなタンパク質のf2サブドメインを改変す
ることによって変えられる。この発見の結果として、TGF−βスーパーファミ
リータンパク質を、以下のように設計することが可能である;(1)TGF−β
スーパーファミリータンパク質がポリペプチドまたはヌクレオチド合成装置を使
用して合成された原核細胞または真核細胞において組み変え的に発現される;(
2)TGF−βスーパーファミリータンパク質が、変更されたフォールディング
性状を有する;(3)TGF−βスーパーファミリータンパク質が、中性pH(
生理学的に適合する条件を含むが限定されない)下における変更された溶解性を
有する;(4)TGF−βスーパーファミリータンパク質が、変更された等電点
を有する;(5)TGF−βスーパーファミリータンパク質が、変更された安定
性を有する;(6)TGF−βスーパーファミリータンパク質が、変更された組
織またはレセプター特異性を有する;(7)TGF−βスーパーファミリータン
パク質が、再設計されて変更された生物学的活性を有する;および/または(8
)TGF−βスーパーファミリータンパク質が、固体表面(例えば、生体適合性
マトリックスまたは金属が挙げられるがこれらに限定されない)に対する変更さ
れた結合特性または接着特性を有する。従って、本発明は、好ましいタンパク質
構築物を含む速放性処方物、徐放性処方物および/または時限放出性処方物を設
計するための機構を提供し得る。他の利点および特徴が、以下の教示により明ら
かである。さらに、本明細書中に開示される発見を利用して、変更された表面結
合/表面接着特性を有する改変されたタンパク質が設計かつ選択され得る。特に
重要な表面には、天然に存在し得る固体表面(例えば、骨)、または多孔性粒子
表面(例えば、コラーゲン、または他の生体適合性マトリックス)または補綴移
植物の作製された表面(金属を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中に意図されるように、実質的に任意の表面が、構築物の差次的結合に
ついてアッセイされ得る。従って、本発明は、その表面結合/表面接着特性にお
ける改変を有する多様な機能性分子を含み、それによって、変更されたインビボ
適用(徐放性処方物、速放性処方物および/または時限放出性処方物を含む)に
ついて有用なこのような構築物を与える。
当業者は、1つ以上の上記の任意の性状を混合し、かつ整合することは、カス
タマイズされたタンパク質(およびこのタンパク質をコードするDNA)の用途
を操作する特定の機会を提供する。例えば、変更された安定性の性状が開発され
、タンパク質のインビボにおける回転を操作し得る。さらに、タンパク質がまた
、このような変更されたリフォールディングおよび/または機能の性状を有する
場合、おそらく、フォールディング、機能、および安定性との間に内部接続が存
在する。例えば、Lipscombら、7Protein Sci.765〜7
3(1998);およびNikolovaら、95Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 14675〜80(1998)を参照のこと。本発明の目
的のために、安定性変化は、変性剤濃度または温度の関数として安定性の円二色
性の他の指標の周知の技術を使用して慣用的にモニターされ得る。また、慣用的
な熱量測定走査を使用し得る。同様に、任意の前述の性状と溶解度の性状との間
におそらく相互関連が存在する。溶解度の場合、タンパク質構築物が、生理学的
に適合する条件下においてより多く溶解するようになるか、もしくはより少なく
溶解するようになるかのいずれかになるようにこの性状を操作することが可能で
あり、結果として、インビボにおいて投与される場合、それはそれぞれ容易に拡
散するか、または局在化する。
改変された性状を有するタンパク質構築物の上記の用途に加えて、改変された
安定性を有するキメラ構築物はまた、有効期間、保存、および/または出荷の検
討に関する実用上の利点のために用いられ得る。さらに関連事項について、改変
された安定性はまた、投薬量の検討に直接影響し得、それによって、例えば、処
置の費用を削減する。
構築物の特に重要なクラスは、可溶化されるキャリアまたは賦形剤に対する改
変された結合を有するものである。制限されない例として、可溶化されたキャリ
ア(例えば、ヒアルロン酸)に対する増強された結合を有する、改変されたBM
Pは、当業者が、拡散剤(diffusion)または体液のいずれかにより、
BMPの損失または希釈なしに、欠損部位に注射可能処方物を投与することを可
能にする。従って、局在は最大となる。当業者は、本教示により改変が可能であ
ることを理解する。同様に、身体/組織の構成要素に対する改変された結合を有
する、構築物の別のクラスが、開発され得る。制限されない例として、インサイ
チュインヒビターに対する減少された結合を有する、改変されたBMPを用いて
、インビボで特定の組織の修復を増大させ得る。例えば、軟骨組織が、ネイティ
ブのBMPの活性を阻害し得る体液および/または軟骨自体において見出される
特定のタンパク質と関連することは、当該分野で周知である。しかし、改変され
た結合特性を有するキメラ構築物は、これらのインサイチュインヒビターの効果
を克服し得、それにより修復などを増強する。当業者は、本教示により改変が可
能であることを理解する。
TGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質であるOP−1の変異体は
、その保存性改変体を含む、以下のいずれかであり得、ここで数字は、変異の残
基位置を示し、続いて置換されたアミノ酸残基(一文字コード)、続いて矢印お
よび置換する残基の一文字コードを示す。
Figure 0004294010
ならびに、さらなる置換を有するこれらの変異体のいずれか:35H>R(配列
番号39の431位)。
配列番号39を含む命名法において、OP−1変異体は、以下の任意の1つであ
る:
Figure 0004294010
ならびに、さらなる置換を有するこれらの変異体のいずれか:431H>R。
他のTGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質の変異体もまた、再フ
ォールディングが乏しいタンパク質(その改変体およびキメラタンパク質を含む
)中で、4位、6位、9位、25位、26位、30位の少なくとも1つに存在す
る置換を含み得、中でも、そのタンパク質は以下:BMP−5(配列番号5)、
BMP−6(配列番号6)、OP−2(配列番号26)、OP−3(配列番号2
7)、60A(配列番号1)、Vgl(配列番号35)、DPP(配列番号12
)、GDF−1(配列番号13)、GDF−3(配列番号14)、GDF−5(
配列番号15)、GDF−6(配列番号16)、GDF−7(配列番号17)、
BMP−3(配列番号3)、CDMP−2(配列番号10)、BMP−10(配
列番号8)、GDF−9(配列番号18)、インヒビンA(配列番号20)、イ
ンヒビンβA(配列番号21)、インヒビンβB(配列番号22)、インヒビン
βC(配列番号23)、BMP−11(配列番号9)である。さらに、これらの
変異体のいずれかはまた、C末端残基の、アルギニン、セリン、ロイシン、イソ
ロイシン、またはアラニンのいずれか1つへの置換を含み得る。
置換はまた、他のTGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質(配列番
号29〜33)またはNODAL(配列番号25)のいずれかにおいて、以下の
位置:4位、6位、9位、24位、25位、29位の少なくとも1つ;UNIV
IN(配列番号34)における以下の位置:4位、6位、9位、24位、25位
、26位、30位の少なくとも1つ;BMP−9(配列番号7)およびDors
alin(配列番号11)における以下の位置:4位、6位、9位、26位、2
7位、および31位の少なくとも1つに存在し得る。
TGF−βスーパーファミリーメンバー変異体は、組換え、化学合成、または
生合成の手段を通して作製され、これらの手段は、DNA分子、RNA分子、お
よびPNA(ペプチド核酸)分子を含む核酸分子を使用する工程を包含し、その
核酸分子は、置換された本発明のTGF−βスーパーファミリーメンバータンパ
ク質ならびにネイティブなまたは改変されたアミノ酸のいずれかをコードする。
この置換は、これらの位置の1つ以上で、非酸性残基を酸性残基(例えば、グル
タミン酸またはアスパラギン酸)で置き換える形態であり得る。あるいは、この
置換はまた、ペプチド配列中の1つ以上のこれらの位置で、アミノ酸をセリンま
たはスレオニンで置き換えることを含む。置換はまた、C末端残基をアルギニン
で置き換えることを含む。このことは、トリプレットのヌクレオチドを置き換え
て、以下のいずれかを作製することによってなされ得る:AGA AGG CG
G CGC CGA またはCGU。TGF−βスーパーファミリーメンバー変
異体は、上記の置換のいずれか1つまたは任意の組み合わせを含み得る。
図4Aおよび4Bは、種々の変異体およびそれらの再折りたたみおよび生物学
的活性の特性の模式図である。図面において、太い実線は、OP−1(配列番号
39の残基330〜431)を表し、細い実線は、CDMP−2/GDF−6(
配列番号84)またはGDF−5(配列番号83)を示し、そして斜線は、BM
P−2(配列番号)49を示す。変異構築物は、図4Aに示され、そして個々の
配列変異体は、図4Bに示される。図面において、個々の残基変化は、図面の残
基の置換により示される。残基の番号付けは上記の通りであり、フィンガー2の
二重のシステイン(cystein doublet)の後にある最初の残基か
ら数える。例えば、変異体H2233は、OP−1(25R>E 26N>D
30R>E 35H>R)である。同様に、変異体H2447は、H2233に
おける変化を全て有し、そしてさらに、1A>V 4Q>E 6N>Sを有する
。変異体H2433は、OP−1(4Q>K 35H>R)であり、そして変異
体H2456は、OP−1(4Q>E 6N>S 25R>E 26N>D 3
0R>E 25H>R)である。
表2は、種々の骨形成タンパク質のフィンガー2サブドメインおよびその変異
改変体構築物の配列を提供する。二重のシステインの後ろに続く最初の残基で始
まり、そしてこれは、以下に記載されるようにネイティブな配列に対応する。
表において、OP−1とは異なる残基には、下線を付す。1つのキメラ構築物は
、H2421:GDF−5(配列番号15)由来の残基1〜20およびOP−1
(配列番号39)由来の残基21〜34である。別の構築物は、H2406:C
DMP(CMP−2)(配列番号10)由来の残基1〜10、およびOP−1(
配列番号39)由来の残基11〜34である。別の構築物は、H2410:BM
P−2(配列番号2)由来の残基1〜35である。別の構築物は、H2418:
GDF−6(配列番号16)由来の残基1〜7および25〜35ならびにOP−
1(配列番号39)由来の残基8〜24である。全ての他の構築物は、OP−1
に対する配列(配列番号39)において、ボールドにした残基により示されるよ
うに1つ以上の個々のアミノ酸変化と一致し、これは、表における1つ以上の位
置、1、4、6、7、25、26、30、31、35および配列番号39の残基
397、400、402、403、421、422、426および431に対応
する。
Figure 0004294010
本願明細書において列挙される各々の変異体について、本願明細書において記
載されているパラメータのうちの少なくとも1つを用いて再折りたたみを測定し
た(例えば、実施例4を参照のこと)。記載される全ての値は、再折りたたみの
際に、さらなる精製なしに、少なくともおよそ25%のダイマーを生じる公知の
良好な再折りたたみ物(refolder)(例えば、CDMP−2またはBM
P−2)に対して測定された。値は、表3(以下)および図4において次のよう
に示される:(+++)=>25%;(++)=5−25%;(+)=1〜5%
;(+/−)=<1%、ここで、ネイティブなCDMP−2およびBMP−2は
、各々+++の再折りたたみ値を有する。骨肉腫細胞に基づくアッセイにおいて
活性を測定した。そして、これはまた、骨誘導活性の尺度である。すなわち、こ
のアッセイにおいて、OP−1およびBMP−2はこの細胞に基づくアッセイの
アルカリホスファターゼ活性を誘導し得るが、CDMP−2およびCDMP−1
は誘導しない。しかし、4つの全てのタンパクは、ラット皮下のアッセイ(実施
例8)の軟骨内性骨形成を生じる形態形成事象の全カスケードを誘導する能力が
ある。実施例5の細胞に基づくアッセイにおいて、測定した活性は、405nm
の光学密度により決定した、アルカリホスファターゼ活性である。示したhOP
−1値は、哺乳動物の細胞が生成したタンパクからである。「N/A」は、「試
験していない」を意味する。図の値は、以下の通りである:(+++)=≧1.
2;(++)0.8〜1.2;(+)=0.4〜0.8;(+/−)=<0.4
、ここで、ネイティブなhOP−1は、+++の生物学的活性値を有する。
Figure 0004294010
図4Aおよび4Bに示されるように、OP−1のC末端残基を置換することは
、タンパク質の再折りたたみを増大させる。良好なリフォルダーに由来するヒー
ルまたはフィンガー1サブドメインを置換するが、OP−1フィンガー2を維持
するキメラ変異体は、実質的にタンパク質の再折りたたみ特性を改善しない(例
えば、H2360、H2362、H2331、H2383を参照のこと)。しか
し、良好なリフォルダーに由来するフィンガー2サブドメインを置換することは
、再折りたたみを改善する。変異体モルフォゲン(例えば、H2410、H23
89およびH2471)は、モルフォゲンのドメインが組み換わって、新たなま
たは変化した特性または活性を有するモルフォゲンの改変体形態を生じ得る方法
の特に鮮明な例である。例えば、フィンガー2の塩基のみを良好なリフォルダー
(例えば、CDMP−2)の塩基と置換し、そしてOP−1の先端領域(10位
〜20位)を維持することは、再折りたたみを改善することに加えて、細胞ベー
スのアッセイにおいてOP−1の結合特異性(H2418)を維持する。
さらなる改変は、個々のコドンを変異させて、個々のアミノ酸を変化させるこ
とにより得られた。フィンガー2塩基領域における変化を、1、2または3つの
酸性残基置換まで最小化することは、再折りたたみを改善し、かつOP−1結合
特異性を維持することにおいて全て等しく良好であった(例えば、図4BのH2
447およびH2443、ならびに表2および3のH2456)。最終的に、ヒ
ドロキシル基保有残基で正に荷電するか、またはアミド保有残基を置換すること
はまた、再折りたたみを改善した(H2456)。また、OP−1のH2456
Gln4における4位でのBMP−2 Gluでの置換は、再折りたたみを改
善した。さらに、二重のシステインの前にある正電荷またはプロリンは、インビ
トロでのタンパク質の再折りたたみ特性に有意に寄与しないようである。なぜな
ら、二重「CC」の前にある配列「KP」を、「NS」に変更することは、有意
な効果をほとんどまたは全く示さないからである。
モルフォゲン改変のさらなる例は、表2に示される。OP−1と対照的に、T
GF−βスーパーファミリーのいくつかのメンバー(例えば、BMP−2、CD
MP−2およびGDF−5)は良好なリフォルダーであり、そして標準的なタン
パク質再折りたたみプロトコルにおいて再折りたたみする本来の能力を有する。
TGF−βスーパーファミリーメンバーのタンパク質の骨形成サブグループの種
々の変異体を構築して、どのアミノ酸残基が変化して、貧弱なリフォルダータン
パク質の再折りたたみ能力を改善するかを決定した。例えば、OP−1は、13
のアミノ酸を含むようにそのフィンガー2サブドメインにおいて改変された。こ
れは、GDF−5における対応する位置で見出される。OP−1の得られた変異
改変体タンパク質は、野生型OP−1タンパク質より改善した再折りたたみ能力
を示した(表2および3のH2177を参照のこと)。同様に、野生型BMP−
5 の再折りたたみ能力は、フィンガー2サブドメインの特定のアミノ酸残基が
グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、およびアラニンで置換された変異
改変体において改善した(表2および3のH2475を参照のこと)。対照的に
、再折りたたみ能力は、CDMP−2が、OP−1フィンガー2サブドメイン由
来の11のアミノ酸を含むように改変された場合(表2および3のH2406を
参照のこと)、またはGDF−5がOP−1フィンガー2サブドメイン由来の6
つのアミノ酸を含むように改変された場合(表2および3のH2421を参照の
こと)に減少した。表2のCDMP−2変異体H2406およびGDF−5変異
体H2421における変化は、基本的に、OP−1のフィンガー2サブドメイン
の領域を再び作製した(表2のH2406およびH2421のフィンガー2アミ
ノ酸配列の領域を参照のこと)。
野生型タンパク質およびその変異改変体の観察に基づくと、より選択的なアミ
ノ酸残基の置換は、OP−1のフィンガー2サブドメインにおいて行われ、そし
て再折りたたみに対するそれらの効果を評価した。OP−1骨形成タンパク質の
このような選択的フィンガー2サブドメイン変異誘発は、表3のデータにより実
証される。表2は、種々の骨形成タンパク質およびその変異改変体のアミノ酸配
列フィンガー2サブドメインを示す。表2において、下線を付した全てのアミノ
酸残基は、野生型OP−1における対応する残基とは異なる。表2において下線
を付さない残基は、野生型OP−1において見出されるネイティブなアミノ酸残
基に対応する。OP−1のC末端ヒスチジンをアルギニン(CDMP−2、GD
F−5、およびBMP−2のような天然の良好なリフォルダー骨形成タンパク質
において見出されるR)での置換は、再折りたたみ能力を増強した(表2および
3における変異構築物H2247、H2464およびH2467を参照のこと)
。OP−1のC末端のフィンガー2サブドメイン領域における負に荷電した残基
を、例えば、良好なリフォルダー骨形成タンパク質において見出されるようなグ
ルタミン酸(E)またはアスパラギン酸(D)で置換することによって増加させ
ることは、再折りたたみ能力を増強した(例えば、表2および3のH2234、
H2233、およびH2457を参照のこと)。最も良好なリフォルダーは、C
末端フィンガー2サブドメインにおいてより大きな負電荷そしてまた、荷電残基
の比較的高い総量を有する。再折りたたみ能力におけるさらなる改善はまた、O
P−1のフィンガー2サブドメインにおけるヒドロキシル基保有極性残基の数を
増加させることにより達成された。例えば、上記の置換に加えて、ヒドロキシル
基保有極性アミノ酸残基のセリン(S)またはスレオニン(T)で、フィンガー
2サブドメインにおける最も上流のアスパラギン(N)を置換することは、再折
りたたみを増強した(表2および3のH2443、H2418、H2447、H
2456、およびH2460を参照のこと)。
良好なROS活性を有する変異体(例えば、H2247、H2233、H24
57、およびH2475)は、本来のペプチドLeu−Asn−Ala(残基5
、6、7)を含む。いくらか良好に折り畳む他のOP−1変異体は、BMP−2
、H2456およびH2460において見出される改変ペプチドLeu−Ser
−Alaを含むが、これらのタンパク質は、ROSアッセイにおいていくらかあ
まり活性でない。表3を参照のこと。従って、Leu−Asn−Alaペプチド
におけるアスパラギンは、ROSアッセイにおいてポジティブに寄与する。
OP−1関連BMPのさらなる代表として、BMP−5変異体H2475(こ
れは、7システインドメインにおいて88%同一性を有するOP−1に対する配
列に非常に類似している)を発現した。その非改変形態においてBMP−5(O
P−1に等しい)は、再折りたたみしなかった。同じ変化がフィンガー2に導入
され、OP−1のリフォールディングを可能にし、有用な再折りたたみ収率を得
た。図3Bは、BMP−5ヌクレオチド配列およびその再折りたたみについての
改変を示す。BMP−5の場合、C末端での最初の変更(ヒスチジンからアルギ
ニン)は、再折りたたみには十分でなかった。従って、3つの酸性残基が近くに
導入され、このことは、OP−1の再折りたたみに有益であったことを示した。
これを、OP−1由来のC末端配列を有するBMP−5(これはまた、さらなる
セリンからアラニンへの変換を導入した)をスプライシングすることにより実施
した。この構築物をROSアッセイにおいて試験した。この構築物は、首尾良い
OP−1改変体(例えば、H2471(CDMP−2フィンガー2を有する変異
体OP−1)と等価またはそれより良好な活性を有した。コントロールとして試
験したCDMP−2は、いかなる活性も示さなかった。
これらの改変タンパク質変異体は、それらの未改変の対応物よりも可溶性であ
る。例えば、変異体H2223(これは、プロドメインを伴わない変異体H22
33(表2を参照のこと)であり、そしてCHO細胞において樹立された)は、
成熟野生型OP−1と比較して、可溶性において驚くべき増加を示した。H22
23は、4つのアミノ酸置換(25R>E 26N>D 30R>E 35H>
R、二重システインから最初の残基を計数する)を伴うOP−1変異体である。
変異体および野生型モルフォゲンを凍結乾燥し、そして引き続いてpH7.4ま
たはpH7.0のPBS中に可溶化した。室温での40時間の後、サンプルをス
ピンダウンして任意の不溶化タンパク質を収集し、そして生じた上清をSDS
PAGE分析に供した。凍結乾燥したH2223変異体のかなりの部分がPBS
緩衝液中で可溶化されたが、野生型OP−1は、中性pHにおいて事実上不溶性
であった。変異体TGF−βスーパーファミリータンパク質を作製するために荷
電残基を導入することは、これらのタンパク質の可溶性を改善するように思われ
る。この可溶性の増加は、野生型OP−1と比較したROSアッセイにおける活
性の増加を説明し得ることがさらに予期され得る。
荷電残基がそれらの極性において逆転した場合、たとえROSアッセイにおい
てその活性が変化し得なかったとしても、タンパク質の等電点に影響した。変異
体H2456、H2457、およびH2460を、リフォールディングし、精製
し、そして等電点電気泳動ゲルで分析した。これらの変異体は、わずか1つまた
は2つの荷電アミノ酸(ヒールとフィンガー2が整合する場合、システイン4お
よびシステイン5の付近に位置付けられる)で異なる。H2456よりもあまり
酸性でない1つの残基を有するH2460は、H2456よりも塩基性の範囲に
焦点を合わせられる。同様に、H2456よりもあまり塩基性でない1つの残基
を有するH2457は、H2456よりも酸性の範囲に焦点を合わせられる。ア
ルギニンに代わるグルタミン酸の導入およびアスパラギンに代わるアスパラギン
酸の導入は、酸性pHへの等電点のシフトを生じた。これは、細菌性産生タンパ
ク質におけるグリコシル化の欠如に対する代償として所望され得る可溶性の改善
または改変を生じ得る。
このような荷電の改変はまた、ヘテロダイマーの精製において有益であり得る
。ヘテロダイマーにおける2つのサブユニットが、それらの正味の荷電に起因し
て、異なる結合親和性を有する場合、混合リフォールディング実験から生じる3
つの種(すなわち、各サブユニットのホモダイマー、およびヘテロダイマー)を
、カラムにおいてお互いから容易に分離し得る。
本発明の実施は、以下の実施例から、なおより充分に理解される。実施例は、
本明細書において例示のためにのみ示され、そしていかなる方法でも本発明を制
限するとして解釈されるべきではない。
(III.実施例)
(実施例1.本発明の例示的変異タンパク質の合成:BMP変異体)
図3Aは、OP−1のC末端の7つのシステインドメインのためのヌクレオチ
ド配列および対応するアミノ酸配列を示す。これらの配列を知ることにより、例
えば、カセット変異誘発またはKunkelの周知の方法(ml3から派生した
一本鎖の鋳型を使用するプライマー伸長による変異誘発)によって、または周知
のPCR方法(重複伸長を含む)によって変異操作のための有用な制限部位の同
定が可能になる。OP−1の例示的な変異体は、以下に記載のように構築される
、フィンガー−2サブドメインにおいて4つのアミノ酸変化および最後のC末端
アミノ酸において1つのアミノ酸変化を有する、H2460である。記載されて
いる変異誘発プロトコルが例示のみであること、および本発明の構築物を作製す
るための他の手段は周知であり、そして当該技術分野において十分に記載されて
いることが当業者によって理解される。
4つのアミノ酸変化が、重複伸長技術を用いる標準的ポリメラーゼ連鎖反応に
よって、OP−1フィンガー2のサブドメイン配列に導入され、OP−1変異体
H2460を生じた。フィンガー2の領域の4つの変化は、N6>S、R25>
E、N26>DおよびR30>Eであった。この変異体はまた、C末端残基のさ
らなる変化(H35>R)を含んだ。これらの反応のための鋳型は、野生型OP
−1のcDNAクローンの成熟したドメインであった。それは成熟領域の初めの
ATG開始コドンと共に、操作されるE.coli発現ベクターに挿入された。
ATGは、順方向プライマーとして以下の配列の合成オリゴヌクレオチドを用い
るPCRによって導入された:ATG TCC ACG GGG AGC AA
A CAG(配列番号36)、これは、M S T G S K Q(配列番号
37)をコードする。PCR反応を、cDNAの3’コード領域に相補的な適当
なバック−プライマーと組み合わせて行った。
フィンガー2変異体H2460を構築するために、標準のPCR反応において
、市販のPCRキットを用いて、そしてプライマーとして合成オリゴヌクレオチ
ドを用いる製造業者の指示に従って、改変フィンガー2をコードするPCRフラ
グメントを作製した。
N6>S変化を得るために、配列GCG CCC ACG CAG CTC
AGC GCT ATC TCC GTC CTC(配列番号70)の順方向プ
ライマー(プライマー#1)を用いた。この配列は、アミノ酸配列A P T
Q L S A I S V L(配列番号71)をコードする。
C末端付近の変化については、バックプライマー(43ヌクレオチド長)(プ
ライマー#2)を用いた。これは、R25>EおよびN26>DおよびR30>
EおよびC−末端H35>Rの変化を導入した。このプライマー#2は、以下の
配列を有した:CTA TCT GCA GCC ACA AGC TTC G
AC CAC CAT GTC TTC GTA TTT C(配列番号72)
。これは以下のコード配列の相補体である:G AAA TAC GAA GA
C ATG GTG GTC GAA GCT TGT GGC TGC AG
A TAG(配列番号73)。この配列は、以下のアミノ酸をコードする:K
Y E D M V V E A C G C R停止(配列番号74)。
次いで、フィンガー2およびC末端変異を有するフラグメントを、N末端、フ
ィンガー−1およびヒールサブドメインを有する成熟OP−1の上流部分をコー
ドする別のPCRフラグメントと組み合わせた。N末端、フィンガー1およびヒ
ールサブドメインをコードする後者のPCRフラグメントを、鋳型としてE.c
oliについてのOP−1発現ベクターを用いて再度構築した。このベクターは
、T7プロモーターに付着した成熟OP−1タンパク質をコードするOP−1
cDNAフラグメント、および適切な宿主におけるT7プロモーターか、または
trpプロモーターの制御下のいずれかの制御下での発現のためのリボソーム結
合部位を含んだ。このT7発現ベクターにおいて、成熟したOP−1のXbaI
部位のT7プロモーターとATGコドンとの間の配列である、Pet 3d(N
ovagen Inc.(Madison WI))は、以下の通りである:
TCTAGAATAATTTTGTTTAACCTTTAAGAAGGAGAT
ATACG ATG(配列番号75)。
この第2のPCR反応を、順方向プライマー(プライマー#3)TAA TA
C GAC TCA CTA TAG G(配列番号76)によってプライムし
た。これは、T7プロモーター領域およびプライマー#1と重複するバック−プ
ライマー(プライマー#4)においてプライムし、そしてヌクレオチド配列GC
T GAG CTG CGT GGG CGC(配列番号77)を有する。この
配列は、コード配列GCG CCC ACG CAG CTC AGC(配列番
号78)の相補体である。そしてこれは、A P T Q L S(配列番号7
9)をコードする。
第3のPCR反応(実際の重複伸長反応)において、上記の2つのPCRフラ
グメントの部分を組み合わせ、そしてPCRによって増幅した。そして、完全な
成熟OP−1領域を含む単一のフラグメントを生じた。この反応のために、プラ
イマー#3を順方向プライマーとして用い、そして新規なプライマー(プライマ
ー#5)を以下の配列GG ATC CTA TCT GCA GCC ACA
AGC(配列番号80)を有するバック−プライマーとして用いた。この配列
は、コード配列GCT TGT GGC TGC AGA TAGGAT C
C(配列番号81)に対する相補体である。この配列は、A C G C R停
止(配列番号82)をコードする。このプライマーはまた、遺伝子を発現ベクタ
ーに挿入するために都合の良い3’BamHI部位を付加する。
重複伸長PCRから生じる、完全な変異遺伝子を保有する得られたフラグメン
トを、PCRフラグメントのクローン化のために設計された市販のクローニング
ベクター(例えば、pCR2.1−topo−TA(Invitrogen I
nc.(Carlsbad CA)))にクローン化した。クローン化したPC
Rフラグメントを、XbaIおよびBamHIを用いる制限消化によって回収し
、Pet3d(Novagen Inc.(Madison WI))のような
市販のT7発現ベクターのXbaIおよびBamHI部位に挿入する。
(実施例2.本発明の例示的変異タンパク質のE.coli発現:BMP変異
体の発現)
形質転換した細胞を、標準的培養条件下で、標準的SPYE 2YT培地、1
:1比、(例えば、Sambrookら、を参照のこと)中で、37℃で増殖さ
せた。異種タンパク質の過剰発現は、代表的には、8〜48の時間内に封入体を
生じた。封入体を、単離して、次のように可溶化した。1リットルの培養液を、
細胞を集めるために遠心分離した。次いで、得られたペレット中の細胞を60m
lの25mM Tris、10mM EDTA、pH 8.0(TE緩衝液)+
100μg/mlのリゾチーム中に再懸濁し、そして、37℃で2時間インキュ
ベートした。次いで、細胞懸濁液を、氷冷して、超音波処理して細胞を溶解させ
た。細胞溶解を、検鏡によって確認した。溶解物の体積を、TE緩衝液で約30
0mlに調整した。次いで、封入体ペレットを得るために遠心分離した。このペ
レットを、TE緩衝液中の2〜4回の連続的再懸濁および遠心分離によって洗浄
した。洗浄した封入体ペレットを、40mlの100mM Tris、10mM
のEDTA、6MのGuHCl(グアニジウム塩酸塩)、250mMのDTT、
pH 8.8中での変性および還元により可溶化した。次いで、タンパク質を、
標準的な、市販のC2またはC8カートリッジ(SPICEカートリッジ、40
0mg、Analtech,Inc.)を用いて予め精製した。タンパク質溶液
を2% TFA(トリフルオロ酢酸)で酸化し、カートリッジに適用し、0.1
% TFA/10%アセトニトリルで洗浄し、そして0.1%TFA/70%ア
セトニトリルで溶出した。次いで、溶出した物質を、乾燥するかまたは希釈して
、C4 RP−HPLCによって分画した。
(実施例3.本発明の例示的変異タンパク質のリフォールディング:変異体B
MPダイマー)
上記の通りに調製したタンパク質を、リフォールディング前に乾燥するかまた
はリフォールディング緩衝液に直接希釈した。用いた好適なリフォールディング
緩衝液は、以下であった:100mM Tris、10mM EDTA、1M
NaCl、2% CHAPS、5mM GSH(還元グルタチオン)、2.5m
M GSSG(酸化グルタチオン)、pH 8.5。リフォールディング(12
.5〜200μgタンパク質/ml)を、24〜90時間、代表的には36〜4
8時間実行し(ただし、いくつかの変異体では、これより長い(数週間まで)と
、良好なリフォールディングが提供されると予期される)、続いて、0.1%
TFAに対して透析し、次いで0.01% TFA,50%エタノールに対して
透析した。次いで、透析した物質のアリコートを種々のアッセイに備えて乾燥し
た。
(実施例4.本発明のリフォールディングされた例示的変異ダイマーの精製お
よび試験:変異体BMPダイマー
(4A.SDS−PAGE、RP HPLC)
サンプルを乾燥して、Laemmliゲルサンプル緩衝液に再懸濁して、次い
で、15%のSDS−ポリアクリルアミドゲルにおいて電気泳動した。全てのア
ッセイは、比較のための、分子量標準および/または哺乳動物細胞が産生した精
製OP−1を含んだ。OP−1ダイマーの解析を、添加した還元剤の非存在下で
実行した。一方で、OP−1モノマーをゲルサンプルへの100mMのDTTの
添加によって生成した。フォールディングしたダイマーは約30〜36kDaの
範囲のみかけの分子量を有する。一方で、モノマー種は、約14〜16kDaの
見かけの分子量を有する。
あるいは、サンプルを、以下のように、市販のRP−HPLCにてクロマトグ
ラフィーにかけた。サンプルを乾燥させ、そして0.1%のTFA/30%のア
セトニトリルの中に再懸濁した。次いで、タンパク質を、0.1%のTFA、3
0%のアセトニトリル中のC18カラムに適用し、そして、0.1%のTFA中
の30〜60%アセトニトリル勾配を用いて分画した。適切にフォールディング
したダイマーは、分離したピークとして45〜50%アセトニトリルで溶出する
;モノマーは、50〜60%アセトニトリルで溶出する。
(4B.ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー)
サンプルを10mMリン酸塩、6M 尿素、pH 7.0(カラム緩衝液)の
ヒドロキシアパタイトカラムにロードした。未結合の物質を、カラム緩衝液を用
いる洗浄により除去し、次いでカラム緩衝液+100mM NaClでモノマー
を溶出させた。ダイマーを、カラム緩衝液+250mM NaClを用いて溶出
した。
(4C.トリプシン消化)
トリプシン消化は、50mM Tris、4M 尿素、100mM NaCl
、0.3% Tween 80、20mM メチルアミン、pH 8.0の消化
緩衝液において実行した。酵素対基質の比は、1:50(重量比)であった。3
7℃での16時間のインキュベーションの後、15μlの消化混合液を、DTT
を含まない5μlの4×ゲルサンプル緩衝液と組み合わせ、そしてSDS−PA
GEによって分析した。精製した哺乳動物OP−1および未消化のBMPダイマ
ーを、比較のために含んだ。これらの条件の下で、適切にフォールディングされ
たダイマーを切断して、未切断の標準より僅かに速い移動を有する種を生産する
。一方で、モノマー、および誤ってフォールディングしたダイマーは完全に消化
され、そして染色したゲルにおいてバンドとして現われない。
(実施例5.本発明の変異タンパク質の変化した特性の試験:骨原性活性につ
いてのインビトロにおける細胞に基づくバイオアッセイ)
本実施例は、本発明の特定の骨原性変異タンパク質の生物活性を実証する。高
い特異的な骨形成活性を有するネイティブの骨原性タンパク質は、ラット骨肉腫
細胞およびラット頭蓋冠(calveria)細胞を含むラット骨芽細胞におい
てアルカリホスファターゼ活性を誘導し得る。このアッセイにおいて、ラット骨
肉腫または頭蓋冠細胞を、マルチウェルプレート(例えば、48ウェルプレート
)の上へ、10%のFBS(ウシ胎仔血清)、L−グルタミンおよびペニシリン
/ストレプトマイシンを含有するαMEM(改変イーグル培地、Gibco I
nc.、Long Island)中で、1ウェルあたり50,000の骨芽細
胞の濃度でプレートした。細胞を、37℃で24時間インキュベートした。この
時点で、増殖培地を1%FBS含有αMEMで置換し、そしてこの細胞が実験の
時点で血清枯渇増殖培地中にあるように、細胞をさらに24時間インキュベート
した。次いで、培養した細胞を以下の3つの群に分けた:(1)生合成骨原性タ
ンパク質の種々の濃度を有するウェル;(2)哺乳動物が発現したhOP−1の
ような陽性コントロール;および陰性コントロール(タンパク質またはTGF−
βなし)。試験したタンパク質濃度は、50〜500ng/mlの範囲であった
。細胞を、72時間インキュベートした。インキュベーション期間後、細胞層を
、0.5mlの1%のTritonX−100を用いて抽出した。得られた細胞
抽出物を遠心分離し、100μlの抽出物を90μlのPNPP(パラニトロソ
フェニルホスフェート)/グリセリン混合液に添加して、37℃の水浴中で30
分間インキュベートし、100μlの0.2N NaOHで反応を停止した。次
いで、サンプルをプレートリーダー(例えば、Dynatech MR700)
を通過させ、そして、標準としてp−ニトロフェノールを用いて400nmで吸
光度を測定し、アルカリホスファターゼ活性の存在および量を決定した。タンパ
ク濃度は、標準手段、例えば、Biorad方法、UVスキャンまたは214n
mでのRP HPLC領域によって決定した。アルカリホスファターゼ活性を、
タンパク質1μgあたりのユニット(単位)で算出した。ここで、1ユニットは
、37℃で30分あたりに1nmolの遊離したp−ニトロフェノールに等しい
ネイティブのhOP−1およびBMP2は、100〜200ng/mlで約1
.0〜1.4ユニットを生じる。
(実施例6.本発明の変異タンパク質の変化した特性の試験:CDMP活性の
インビトロにおける細胞に基づくバイオアッセイ)
本実施例は、本発明の特定の骨原性変異体の生物活性を示す。ネイティブなC
DMPは、実施例5において用いたようなラット骨肉種細胞において、アルカリ
ホスファターゼ活性を誘導し得ないが、それらは、マウス奇形癌細胞株ATDC
−5(軟骨前駆細胞(chondroprogenitor)細胞株(Atsu
miら、1990、Cell Differentiation and De
velopment 30:109))においてアルカリホスファターゼ活性を
誘導する。ラット骨癌腫細胞アッセイにおいて陰性であるが、ATDC−5アッ
セイにおいて陽性であるリフォールディングされた変異体構築物は、獲得したC
DMP様活性を有することが記載されている。ATDC−5アッセイにおいて、
細胞を無血清基本培地(BM:Ham’s F−12/DMEM[1:1]以下
を含む:ITSTM+培養補充物[Collaborative Biomedi
cal Products、Bedford、MA]、α−ケトグルタレート(
1×10-4M)、セルロプラスミン(0.25 U/ml)、コレステロール(
5μg/ml)、ホスファチジルエタノールアミン(2μg/ml)、α−トコ
フェロール酸スクシナート(tocopherol acid succina
te)(9×10-7M)、還元グルタチオン(10μg/ml)、タウリン(1
.25μg/ml)、トリヨードサイロニン(1.6×10-9M)、ヒドロコル
チゾン(1×10-9M)、副甲状腺ホルモン(5×10-10M)、β−グリセロ
リン酸(10mM)およびL−アスコルビン酸2−スルフェート(50μg/m
l))中、4×104の密度でプレートした。CDMPまたは変異タンパク質(
0〜300ng/ml)をその翌日、添加し、そして、CDMPまたは変異タン
パク質を含む培養培地を1日おきに交換した。アルカリホスファターゼ活性を、
処理の4、6および/または12日後に超音波処理した細胞ホモジネート中で決
定した。PBSを用いた大規模な洗浄の後、細胞層を0.05%Triton−
X100を含有する500μlのPBS中で超音波処理した。50〜100μl
のアリコートを、アッセイ緩衝液(0.1M バルビタールナトリウム緩衝液(
pH 9.3))中で、そして基質としてp−ニトロフェニルホスフェートを用
いて、酵素活性についてアッセイした。吸光度を、400nmで測定し、そして
活性をBradfordタンパク質アッセイ(ウシ血清アルブミン標準)で測定
されるタンパク含有量に対して正規化した。
ネイティブなCDMP−1およびCDMP−2は、100ng/mlで10日
目に約2〜3ユニットの活性を生成した。ネイティブなOP−1標準は、100
ng/mlで10日目に約6〜7ユニットの活性を生成した。
(実施例7.本発明の変異タンパク質の変化した特性の試験:TGF−β様活
性のインビトロにおける細胞に基づくバイオアッセイ)
本実施例は、本発明の特定のTGF−βに基づく変異タンパク質の生物活性を
実証する。ネイティブのTGF−βタンパク質は、上皮細胞増殖を阻害し得る。
多数の細胞阻害アッセイが、当該分野において十分に記載されている。例えば、
Brownら(1987)J.Immunol.139:2977(ヒト黒色腫
A375線維芽細胞を用いる比色アッセイを記載しており、そして、本願明細書
において以下に記載される)を参照のこと。別のアッセイは上皮細胞、例えば、
ミンク肺上皮細胞を使用し、そして増殖の効果は3H−チミジン取込みによって
決定される。
簡潔には、アッセイにおいて、TGF−β生合成変異体を、RPMI−164
0の培地(Gibco)および5%のウシ胎仔血清を含むマルチウェル組織プレ
ートにおいて階段希釈する。コントロールウェルには、培地のみを入れる。次い
で、黒色腫細胞を、ウェルに添加する(1.5×104)。次いで、プレートを
5%のCO2中で約72時間37℃でインキュベートする。そして、細胞単層を
一度洗って、固定して、そして15分間クリスタルバイオレットで染色する。未
結合の染料を洗い流し、次いで染色した細胞を33%の酢酸で溶解し、染料(細
胞核に閉じ込められた)を遊離させ、そして試験分子の活性を算出するために標
準的な市販の光度計を用いて590nmでODを測定する。それぞれのウェルに
おける染色の強度は、核の数に直接関連する。従って、活性なTGF−β分子は
、ウェルを不活性化合物または陰性コントロールウェルより薄く染色すると予期
される。
別のアッセイにおいては、ミンク肺細胞を用いる。これらの細胞は、標準的培
養条件下で成長および増殖するが、ミンク肺上皮細胞株(ATCC番号CCL
64、Rockville、MD)由来の培養細胞を用いる3H−チミジン取込
みによって決定されるようにTGF−βに曝露された後、停止される。簡潔には
、細胞を、10%のFBS、200ユニット/mlペニシリンおよび200μg
/mlのストレプトマイシンを補充したEMEMを用いて、コンフルエンスまで
増殖させる。これらの細胞を、1ウェルあたり約200,000細胞の細胞密度
まで培養する。コンフルエンスの時点で、培地を1%のFBSおよびペニシリン
/ストレプトマイシンを含有する0.5mlのEMEMで置換し、そしてこの培
養物を37℃で24時間インキュベートする。次いで、候補タンパク質を各ウェ
ルに添加し、そして細胞を37℃で18時間インキュベートする。インキュベー
ションの後、10μl中に1.0μCiの3H−チミジンを、各々のウェルに添
加し、そして細胞を37℃で4時間インキュベートした。次いで、培地を各ウェ
ルから取り除き、そして細胞を、氷冷リン酸緩衝化生理食塩水を用いて1回洗浄
し、そして、各ウェルに0.5mlの10% TCAを添加することによってD
NAを沈殿して、15分間室温でインキュベートした。この細胞を、氷冷蒸留水
で3回洗浄し、0.5mlの0.4M NaOHで溶解し、次いで、各ウェルか
らの溶解物をシンチレーションバイアルに移し、そしてシンチレーションカウン
ター(Smith−Kline Beckman)を用いて放射活性を記録する
。生物学的に活性な分子は、細胞増殖を阻害し、不活性タンパク質および/また
は陰性コントロールウェル(増殖因子を添加してない)と比べて、より少ないチ
ミジン取込みおよびより少ない計数を生じる。
(実施例8.本発明の変異タンパク質の変化した特性の試験:骨原性活性(軟
骨内の骨形成および関連特性)のインビボにおけるバイオアッセイ)
SampathおよびReddi(Proc.Natl.Acad.Sci.
USA(1983)80:6591−6595)、および米国特許第4,968
,590号、同第5,266,683号(これらの開示は本明細書において参考
として援用される)によって記載される、骨誘導のための当該分野で認識される
バイオアッセイは、所定のデバイスまたは処方の効力を確立するために用いられ
得る。簡潔には、このアッセイは、エーテル麻酔下で試験サンプルをレシピエン
トラットの皮下の部位に配置することからなる。垂直の切開(1cm)を、胸の
領域にわたる皮膚に無菌条件下で作製し、そして、平滑(blunt)切開によ
ってポケットを準備する。特に、凍結乾燥のような標準的手順を用いて、所望の
量の骨原性タンパク質(10ng〜10μg)に、約25mgのマトリックス物
質を添加し、そして、試験サンプルを、ポケットの内側深くに埋め込み、そして
切開を金属の皮膚クリップで閉鎖する。異所性部位は、同所性部位の使用から生
じる潜在的なあいまい性なしに骨誘導の研究を可能にする。このインプラントは
また、筋肉内に提供され得る。これはこのデバイスを接触可能な前駆細胞とより
接近して設置する。代表的には、筋肉内インプラントを両方の脚の骨格筋に作製
する。
異所性部位で生じる連続的な細胞反応は、複雑である。軟骨内骨形成の多段階
のカスケードは、以下を包含する:埋め込んだマトリックスに対するフィブリン
およびフィブロネクチンの結合、細胞の走化性、線維芽細胞の増殖、軟骨芽細胞
への分化、軟骨形成、血管浸潤、骨形成、再構築および骨髄分化。
首尾良いインプラントは、以下を含むタンパク誘導性軟骨内性骨発生の段階を
通じて制御された進行を示す:(1)1日目の多形核白血球による一過性浸潤;
(2)2日目および3日目の間葉細胞遊走および増殖;(3)5日目および6日
目の軟骨細胞出現;(4)7日目の軟骨基質形成;(5)8日目の軟骨石灰化;
(6)9日目および10日目の血管浸潤、骨芽細胞の出現および新しい骨の形成
;(7)12〜18日目の骨芽細胞および骨の再構築の出現;ならびに(8)2
1日目の小骨における造血性骨髄分化。
組織学的な断片化および染色は、インプラントにおける骨形成の程度を決定す
るために好ましい。トルイジンブルーまたはヘマトキシリン(hemotoxy
lin)/エオシンを用いる染色は、軟骨内性骨の最終的な発達を明らかに実証
する。12日目のバイオアッセイは、骨誘導活性が試験サンプルと関連している
か否かを決定するために十分である。
さらに、アルカリホスファターゼ活性および/または総カルシウム含量は、骨
形成についての生化学的マーカーとして使用され得る。このアルカリホスファタ
ーゼ酵素活性は、切り出された試験物質の均質化の後に、分光測光的に決定され
得る。この活性は、インビボで9〜10日目でピークとなり、そしてその後にゆ
っくりと減少する。組織学によって骨の発達を全く示さないサンプルは、これら
のアッセイ条件下でアルカリホスファターゼ活性を全く示さないはずである。こ
のアッセイは、定量のために、および試験サンプルがラットから取り出された後
に非常に迅速に骨形成の概算を得るために有用である。アルカリホスファターゼ
活性レベルおよび組織学的評価によって測定される結果は、「骨形成単位」とし
て表され得る。1骨形成単位は、12日目の最大の骨形成活性の半分に必要とさ
れるタンパク質の量を表す。さらに、用量曲線は、種々の濃度のタンパク質をア
ッセイすることにより、精製スキームの各工程にて、インビボで骨誘導活性につ
いて作成され得る。従って、当業者は、慣用的な実験のみを使用して、代表的な
用量曲線を作成し得る。
総カルシウム含量は、例えば、冷たい0.15M NaCl、3mM、NaH
CO3、pH9.0中で均質化し、そして沈渣の酸可溶性画分のカルシウム含量
を測定する後に決定され得る。
(実施例9:変化した特性を有する、例示的な改変されたモルフォゲン変異体
:ドメインスワッピング(Domain Swapping))
図4は、種々の生合成変異体およびそれらの再フォールディング特性および生
物学的特性の模式図である。太い実線は、OP−1を表し、細い実線は、CDM
P−2/GDF−6またはGDF−5を表し、そして斜線は、BMP−2を表す
。変異体構築物を図4Aに提示し、そして個々の配列変異体を図4Bに提示する
。個々の残基の変化を、図において、置換している残基によって示す。残基の番
号付けは上記の通りであり、フィンガー2における二重システイン(cyste
in doublet)の後の第1の残基から数える。例えば、変異体H223
3は、OP−1(25R>E 26N>D 30R>E 35H>R)である。
同様に、変異体H2447は、H2233における全ての変化を有し、そしてさ
らに、1A>V 4Q>E 6N>Sを有する。変異体H2433は、OP−1
(4Q>K 35H>R)であり、そして変異体H2456は、OP−1(4Q
>E 6N>S 25R>E 26N>D 30R>E 35H>R)である。
本明細書中に教示されるように、本発明は、注文に応じた(customiz
ed)変異体タンパク質およびこの変異体タンパク質をコードするDNAを巧妙
に作るノウハウを当業者に提供する。変異体タンパク質を特定のインビボでの適
用に適切にする、特定の所望される特性を有する変異体タンパク質を設計する手
段が、本明細書中にさらに教示および例示される(少なくともI.B.節、II
節、およびIII節、前述の変異体タンパク質の例示的な実施態様についての実
施例1〜4、8および11を参照のこと)。例えば、変化した溶解度という特性
を有する変異体タンパク質は、レシピエントに提供される形態形成的有効量を操
作するために、インビボで使用され得る。すなわち、溶解度の増大は、アベイラ
ビリティーの増大を生じ得;溶解度の減少は、アベイラビリティーの減少を生じ
得る。従って、このような全身投与される変異体タンパク質は、即座に利用可能
であり得/即効性の形態形成効果を有し得、一方、局所投与された変異体タンパ
ク質は、よりゆっくりと利用可能であり得/延長した形態形成効果を有し得る。
当業者は、手近な事実および状況を考慮して、減少した溶解度という特性に対し
て増大した溶解度という特性が好ましい場合をすぐに理解する。このようなパラ
メーターの最適化は、慣用的な実験および通常の技能を必要とする。
同様に、変化した安定性という特性を有する変異体タンパク質は、レシピエン
トに提供される形態形成的有効量を操作するために、インビボで使用され得る。
すなわち、安定性の増大は、半減期の増大を生じ得る。なぜなら、インビボでの
代謝回転は、より小さくなるからである;安定性の減少は、半減期およびアベイ
ラビリティーの減少を生じ得る。なぜなら、インビボでの代謝回転がより大きく
なるからである。従って、このように全身投与された変異体タンパク質は、迅速
に利用可能であり得るか/ボーラス型投薬を達成する即効性の形態形成効果を有
し得るか、あるいは延長した期間にわたってインビボで利用可能であり得るか/
持続性放出型の投薬を達成する延長された形態形成効果を有し得るかのいずれか
である。当業者は、手近な事実および状況を考慮して、減少した安定性という特
性に対して増大した安定性という特性が好ましい場合を理解する。このようなパ
ラメーターの最適化は、慣用的な実験および通常の技能を必要とする。
さらに、変化した特性の組合せ(例えば、溶解度および安定性の特性であるが
これらに限定されない)を有する変異体タンパク質が、レシピエントに提供され
る形態形成的有効量を操作するために、インビボで使用され得る。すなわち、特
定の変化した特性の組合せを有する変異体タンパク質を設計することによって、
形態形成的有効量は、時限放出の様式において投与され得;投薬は、量および持
続時間の両方に関して調節され得;処置レジメは、少ないがいくつかの典型を挙
げると全身的または局所的に、低用量で開始され、続いて高用量に移され得るか
、またはその逆であり得る。当業者は、手近な事実および状況下で、多い形態形
成的有効量に対して少ない形態形成的有効量が適切である場合を理解する。この
ようなパラメーターの最適化は、慣用的な実験および通常の技能を必要とする。
さらに、1以上の変化した特性を有する変異体タンパク質は、発達における固
有の欠損を克服するために有用である。1以上の変化した特性を有する変異体タ
ンパク質は、宿主のネイテイブな形態形成シグナル伝達系における固有の欠損を
回避するように設計され得る。非限定的な例として、本発明の変異体タンパク質
は、標的組織中のネイティブなレセプターにおける欠損、細胞内シグナル伝達経
路における欠損、および/または異なるサブドメインに含まれる機能/生物学的
活性と関連する特性と逆であるような、部分自体の認識と関連したサブドメイン
の特性に依存する他の事象における欠損を迂回するために使用され得る。当業者
は、手近な事実および状況を考慮して、このような変異体タンパク質が適切であ
る場合を理解する。最適化は、慣用的な実験および通常の技能を必要とする。
(実施例10.OP−1ベースの変異体構築物の結合活性の決定)
OP−1レセプターをその細胞表面上に発現している細胞を、35mmディッ
シュ中にプレートし、そして10%仔ウシ血清を加えたDMEM(ダルベッコ改
変イーグル培地)中で48時間インキュベートする。精製OP−1、またはOP
−1アナログを、本質的には、Frolikら(1984)J.Biol.Ch
em.595:10995〜11000のプロトコルに従うことにより、クロラ
ミンT酸化によってNa125I(好ましくは、約50mCi/mg〜100mC
i/mgという比活性を有する)でヨウ素化する。次いで、標識されたOP−1
またはOP−1アナログを、標準的な手順を使用して(例えば、クロマトグラフ
ィー分離によって)精製する。次いで、プレートされた細胞を、0.1% BS
Aの存在下で生理学的に緩衝化された生理食塩水で2回洗浄し、そしてBSA、
緩衝液および標識されたOP−1(1ng)ならびに種々の濃度(例えば、0〜
10mg/ml)の未標識競合物(例えば、未標識OP−1またはOP−1ベー
スの変異体)の存在下で22℃でインキュベートする。結合後に、これらの細胞
を、冷緩衝液で3回洗浄し、0.5mlの0.5N NaOH中に可溶化し、こ
のディッシュから取り出し、そしてγカウンターまたはシンチレーションカウン
ターによって放射活性を決定する。次いで、データを阻害パーセントとして表す
(ここで、特異的結合の100%の阻害は、競合物の非存在下での結合と、10
0倍モル濃度の過剰の未標識競合物の存在下での結合との間の差である)。結合
パラメーターを、好ましくは、コンピュータープログラム(例えば、LIGAN
D(Munsunら(1980)Anal.Biochem.107:220〜
259))を使用して決定する。このアッセイの実行の際に、OP−1ベースの
変異体が、OP−1レセプターに対する特異的な結合活性を有し得ることが意図
される。結合活性の確認の際に、この変異体は、生物学的活性の他のしるしにつ
いてその後に試験され得る。
(実施例11.OP−1ベースの変異体構築物の生物学的活性の他のしるし)
得られたOP−1ベースの変異体構築物の生物学的活性は、インビボおよびイ
ンビトロでのアッセイにおける標準的なものの使用のいずれかの使用(代表的に
は、ネイティブなOP−1活性を評価するために使用される)によって決定され
得る。種々のさらなる例示的アッセイを、以下に詳細に示す。
(A.前駆体細胞刺激)
以下の実施例は、OP−1ベースの変異体が間葉前駆体細胞の増殖を刺激する
能力を実証するために設計される。有用なナイーブ幹細胞は、従来の方法論(例
えば、Faradjiら(1988)Vox Sang.55(3):133〜
138またはBroxmeyerら(1989)Proc.Natl.Acad
.Sci.USA.86:3828〜3832を参照のこと)を使用して、骨髄
または臍帯血から単離され得る多能性幹細胞、ならびに血液から得られるナイー
ブ幹細胞を含む。あるいは、胚細胞(例えば、培養された中胚葉細胞株由来)が
、使用され得る。
前駆体細胞を得るため、およびOP−1ベースの変異体が細胞増殖を刺激する
能力を決定するための別の方法は、インビボでの供給源から前駆体細胞を捕捉す
ることである。例えば、遊走前駆体細胞の流入を可能にし得る生体適合性マトリ
クス材料は、遊走前駆体細胞の流入が可能となるに十分な長さで、インビボで部
位に移植され得る。例えば、骨に由来する、グアニジン抽出マトリクス(例えば
、Sampathら(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 80:6591〜6595、または米国特許第4,975,526号に開示
されるように処方される)は、Sampathらの方法に本質的に従って、ラッ
トに皮下部位で移植され得る。3日後に、この移植片を取り出し、そしてマトリ
クスに結合した前駆体細胞を分散させ、そして培養する。
しかし、次いで、得られた前駆体細胞は、標準的な細胞培養条件(例えば、本
明細書中以下に記載される条件)下で、OP−1ベースの構築物とともに、イン
ビトロでインキュベートされる。外部刺激の非存在下では、この前駆体細胞は、
培養物中でそれら自体では増殖しないか、またはほんの最小限に増殖する。しか
し、OP−1のような生物学的に活性なOP−1変異体の存在下で培養された前
駆体細胞が増殖することが意図される。細胞増殖は、当該分野において周知の標
準的な方法を使用して、可視的または分光測光的に決定され得る。
(B.モルフォゲン誘導性細胞分化)
種々のアッセイが、OP−1ベースの細胞分化を決定するために使用され得る
(1.胚性間葉分化)
天然OP−1に関して、OP−1ベースの変異体が、細胞分化を誘導するため
に利用され得ることが意図される。細胞分化を誘導する能力は、当該分野におい
て十分に記載されている標準的な細胞培養および細胞染色の方法論を使用して、
変異体タンパク質の存在下で、初期の間葉細胞を培養すること、次いでトルイジ
ンブルーでの染色によってこの培養された細胞の組織学を研究することによって
実証され得る。例えば、第11期(stage 11)にて重層している上皮細
胞から分離され、かつ標準的な組織培養条件(例えば、化学的に規定された、無
血清培地(例えば、HAT(0.1mMヒポキサンチン、10mMアミノプテリ
ン、12mMチミジン)を加えた、67% DMEM(ダルベッコ改変イーグル
培地)、22% F−12培地、10mM Hepes pH7、2mM グル
タミン、50mg/mlトランスフェリン(transferring)、25
mg/mlインスリン、微量元素、オレイン酸に結合されたウシ血清アルブミン
(2mg/ml)を含む)中で)下でインビトロで培養された場合に、下顎骨に
なるように運命付けられたラット間葉細胞は、分化し続けないことが公知である
。しかし、これらの同じ細胞が、さらに1日(この時点で細胞は第12期の細胞
になる)、重層している内胚葉と接触されたままである場合、それらは、インビ
トロでそれら自体が分化し続け、軟骨細胞を形成する。骨芽細胞へのさらなる分
化、および最終的には下顎骨へのさらなる分化は、適切な局所的な環境(例えば
、血管形成した環境)を必要とする。
天然OP−1に関してと同様に、OP−1変異体(例えば、10〜100ng
/ml)の存在下でインビトロで培養された第11期の間葉細胞は、それらを重
層している内胚葉細胞から収集される細胞産物とともに培養した場合にインビト
ロで分化し続けるのとまさに同様に、インビトロで分化し続けて、軟骨細胞を形
成することが予測される。この実験は、細胞分化能力を実証するために、異なる
間葉細胞を用いて実行され得る。
(2.骨芽細胞のアルカリホスファターゼ誘導)
モルフォゲン誘導性細胞分化の別の例として、OP−1変異体が骨芽細胞の分
化を誘導する能力は、骨芽細胞の初代培養物、または骨芽細胞様細胞株を使用し
て、そして分化した骨芽細胞表現型に対する特異的マーカーである種々の骨細胞
マーカー(例えば、アルカリホスファターゼ活性、上皮小体ホルモン媒介性サイ
クリックAMP(cAMP)産生、オステオカルシン合成、および鉱化速度の増
強)についてアッセイして、インビトロで実証され得る。
無血清培地中で培養された骨芽細胞を、ある範囲のOP−1変異体の濃度(例
えば、1mlの培地あたり0.1ng、1.0ng、10.0ng、40.0n
gまたは80.0ngのOP−1変異体)とともに;あるいは、同様の濃度範囲
の天然OP−1またはTGF−βとともにインキュベートする。72時間のイン
キュベーション後に、この細胞の層を、0.5mlの1% Triton X−
100で抽出する。この得られた細胞抽出物を遠心分離し、そして100μlの
抽出物を90μlのパラニトロソ−フェニルホスフェート(PNPP)/グリセ
リン混合物に添加し、そして37℃の水浴中で30分間インキュベートし、そし
てこの反応を100μlの0.2N NaOHで停止させる。次いで、これらの
サンプルを、プレートリーダー(例えば、Dynatech MR700プレー
トリーダー、そして吸光度は、標準物としてp−ニトロフェノールを使用して、
400nmで測定される)を通じて実行し、アルカリホスファターゼ活性の存在
および量を決定する。タンパク質濃度を、BioRad方法によって決定する。
アルカリホスファターゼ活性を、ユニット/μgタンパク質(ここで1ユニット
=遊離された1nmolのp−ニトロフェノール/30分(37℃))で算定す
る。
天然OP−1単独のように、OP−1変異体は、骨芽細胞においてアルカリホ
スファターゼの産生を刺激し、それによって骨芽細胞が分化した表現型の増殖お
よび発現を促進する。
ラット骨芽細胞によるアルカリホスファターゼの産生に対するOP−1変異体
の長期効果もまた、以下の通りに実証され得る。
ラットの骨芽細胞を、上記のマルチウェル(multi−well)プレート
において調製し、そして培養する。この例において、6セットの24ウェルプレ
ートに、1ウェルあたり50,000のラット骨芽細胞をプレートする。次いで
、上記のように調製された各々のプレートにおけるウェルを、3つの群に分割す
る:(1)例えば、培地1mlあたり1ngのOP−1変異体を受けるもの;(
2)培地1mlあたり40ngのOP−1変異体を受けるもの;および(3)培
地1mlあたり80ngのOP−1変異体を受けるもの。次いで、各プレートを
、異なる長さの時間(0時間(コントロール時間)、24時間、48時間、96
時間、120時間、および144時間)、インキュベートする。各々のインキュ
ベーション期間後に、この細胞層を、0.5mlの1% Triton X−1
00で抽出する。得られた細胞抽出物を、遠心分離し、そしてアルカリホスファ
ターゼ活性を、上記のように、パラニトロソ−フェニルホスフェート(PNPP
)を使用して決定する。天然OP−1のように、OP−1変異体は、骨芽細胞に
おけるアルカリホスファターゼの産生を用量依存様式で刺激し、その結果、漸増
用量のOP−1変異体はさらに、アルカリホスファターゼ産生のレベルを増大さ
せる。さらに、処理した骨芽細胞におけるOP−1変異体で刺激された上昇した
レベルのアルカリホスファターゼは、延長した期間にわたって持続することが意
図される。
(3.PTH媒介性cAMPの誘導)
この実験は、インビトロでのラット骨芽細胞における上皮小体ホルモン媒介性
cAMP産生に対するOP−1変異体の効果を試験するために設計される。簡潔
には、ラット骨芽細胞を、上記のように、マルチウェルプレートにおいて調製し
、そして培養する。次いで、培養された細胞を、4つの群に分割する:(1)例
えば、培地1mlあたり1.0ng、10.0ngおよび40.0ngのOP−
1変異体を受けるウェル;(2)同様の濃度範囲にて、例えば、天然OP−1を
受けるウェル;(3)同様の濃度範囲にて、例えば、TGF−βを受けるウェル
;および(4)増殖因子を全く受けないコントロール群。次いで、プレートを、
さらに72時間インキュベートする。72時間の終了時に、0.5%ウシ血清ア
ルブミン(BSA)および1mM 3−イソブチル−1−メチルキサンチンを含
む培地で20分間これらの細胞を処理し、続いてこれらのウェルの半分にヒト組
換え上皮小体ホルモン(hPTH、Sigma、St.Louis)を、200
ng/mlの濃度で10分間添加する。次いで、この細胞層を、0.5mlの1
% Triton X−100を用いて各ウェルから抽出する。次いで、cAM
Pレベルを、ラジオイムノアッセイキット(例えば、Amersham、Arl
ington Heights、Illinois)を使用して決定する。OP
−1のように、単独のOP−1変異体は、PTH媒介性cAMP応答における増
大を刺激し、それによって骨芽細胞の分化した表現型の増殖および発現を促進す
る。
(4.オステオカルシン産生の誘導)
オステオカルシンは、インビボでの骨の鉱化の速度における肝要な役割を果た
す骨芽細胞によって合成される骨特異的タンパク質である。血清中のオステオカ
ルシンの循環レベルを、インビボでの骨芽細胞活性および骨形成についてのマー
カーとして使用する。骨芽細胞に富む培養物におけるオステオカルシン合成の誘
導は、インビトロでのOP−1変異体効力を実証するために使用され得る。
ラット骨芽細胞を、上記のように、マルチウェルプレートにおいて調製し、そ
して培養する。この実験では、この培地に、10% FBSを補充し、そして2
日目に、細胞に、新鮮な10mM β−グリセロホスフェート(Sigma,I
nc.)を補充した新鮮な培地を供給する。5日目に始めて、そしてその後1週
間に2回、細胞を、全ての上記の成分に加えて、新鮮なL(+)−アスコルビン
酸を培地1mlあたり50mgの最終濃度で含む、完全鉱化培地を供給する。次
いで、OP−1変異体を、例えば、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を含む
50%アセトニトリル(または50%エタノール)において、培地1mlあたり
5ml以下の変異体で直接的にウェルに添加する。コントロールウェルは、溶媒
ビヒクルのみを受ける。次いで、これらの細胞に再び供給し、そして馴化培地サ
ンプルを、標準的なプロテアーゼインヒビターを含む標準的なラジオイムノアッ
セイ緩衝液中で1:1に希釈し、そしてオステオカルシンについてアッセイする
まで、−20℃で貯蔵する。オステオカルシン合成を、市販のオステオカルシン
特異的抗体を使用する標準的なラジオイムノアッセイにより測定する。
鉱化を、固定された細胞層に対する改変von Kossa染色技術を使用し
て、長期間(13日)の培養物に対して決定する。細胞を、新鮮な4%パラホル
ムアルデヒドにおいて、23℃で10分間固定し、続いて冷0.9%NaClで
リンスする。次いで、固定された細胞を、市販のキット(Sigma,Inc.
)を使用して、pH9.5で10分間、内因性アルカリホスファターゼについて
染色する。次いで、紫色に染色された細胞を、メタノールを用いて脱水し、そし
て風乾する。暗室中での3%AgNO3中での30分のインキュベーション後に
、H2Oでリンスしたサンプルを、254nmUV光に30秒間露光して、黒色
の銀染色されたホスフェート小塊を呈色させる。個々の鉱化された病巣(少なく
とも、20mmのサイズ)を、解剖顕微鏡下でカウントし、そして小塊/培養物
として表す。
天然OP−1のように、OP−1変異体は、骨芽細胞培養物におけるオステオ
カルシン合成を刺激する。さらに、OP−1変異体に応答して増大したオステオ
カルシン合成は、用量依存性様式においてであり、それによってインキュベーシ
ョンの13日後の基礎レベルに対して、有意な増大を示す。増強したオステオカ
ルシン合成はまた、ラットオステオカルシン特異的プローブを使用して、オステ
オカルシンmRNAメッセージの上昇(20倍の増大)を検出することによって
確認され得る。さらに、オステオカルシン合成における増大は、鉱質小塊の出現
によって決定されるように、長期の骨芽細胞培養物における鉱化の増大と相関す
る。天然OP−1のように、OP−1変異体は、未処理培養物と比較した場合に
、初期鉱化速度を有意に増大させることもまた意図される。
(5.モルフォゲン誘導性CAM発現)
vg/dpp亜群のネイティブなメンバーは、形態形成のそれらの誘導の部分
として、CAM発現、特にN−CAM発現を誘導する(同時継続中の米国特許出
願第922,813号を参照のこと)。CAMは、組織の発生における本質的な
段階として、全ての組織において同定される形態調節(morphoregul
atory)分子である。N−CAMは、少なくとも3つのイソ型(N−CAM
−180、N−CAM−140およびN−CAM−120、ここで「180」、
「140」および「120」が、SDSポリクリルアミドゲル電気泳動によって
測定されるように、イソ型のみかけの分子量を示す)を含み、N−CAMは、発
生中の組織中で少なくとも一過性で、そして神経組織中で永続的に発現される。
N−CAM−180イソ型およびN−CAM−140イソ型の両方は、発生中の
組織および成体組織の両方で発現される。N−CAM−120イソ型は、成体組
織のみで見出される。別の神経CAMは、L1である。
OP−1ベースの変異体がCAM発現を刺激する能力は、NG108−15細
胞を使用する、以下のプロトコルを使用して実証され得る。NG−108−15
は、形質転換されたハイブリッド細胞株(神経芽腫×神経膠腫、America
Type Culture Collection(ATCC)、Rockv
ille、MD)であり、形質転換された胚性ニューロンの形態学的な特徴を示
す。以下の実施例Dに記載されるように、未処理のNG108−15細胞は、線
維芽細胞性形態、または最小に分化した形態を示し、そして発生中の細胞と通常
関連するN−CAMの180イソ型および140イソ型のみを発現する。vg/
dpp亜群のメンバーでの処理後に、これらの細胞は、成体ニューロンの形態学
的特徴を示し、そして上昇したレベルの、3つ全てのN−CAMイソ型を発現す
る。
この実施例では、NG108−15細胞を、標準的な培養手順、および細胞全
体の抽出物に対して実行される標準的なウエスタンブロットを使用して、漸増濃
度のOP−1形態単位または天然OP−1のいずれかの存在下で、4日間培養す
る。N−CAMイソ型を、3つ全てのイソ型と交差反応する抗体であるmAB
H28.123(Sigma Chemical Co.、St.Louisか
ら得られる)を用いて検出する。ここで、異なるイソ型は、電気泳動ゲル上での
それらの異なる移動度によって識別可能である。コントロールNG108−15
細胞(未処理)は、100mgまでのタンパク質を使用したウエスタンブロット
分析によって決定されるように、140kDaおよび180kDaの両方のイソ
型を発現するが、120kDaを発現しない。天然OP−1のように、OP−1
変異体でのNG108−15細胞での処理は、180kDaおよび140kDa
のイソ型の発現、ならびに誘導される120kDaイソ型の誘導において用量依
存性の増大を生じる。さらに、天然OP−1で誘導されるCAM発現のように、
OP−1変異体は、組織学によって決定されるように細胞の凝集と相関し得るこ
とが意図される。
(C.形質転換した表現型の再分化)
OP−1変異体はまた、天然のOP−1と同様に、非形質転換細胞の特徴であ
る形態へと、形質転換した細胞の再分化を誘導する。以下に提供する例は、ニュ
ーロン起源の形質転換したヒト細胞株(NG108−15);ならびにマウス神
経芽細胞腫細胞(N1E−115)、およびヒト胚癌細胞の、非形質転換細胞の
特徴である形態への、モルフォゲン誘導性再分化を詳説する。
上記のように、NG108−15は、神経芽細胞×神経膠腫(ATCC、Ro
ckville、MDから得た)を融合すること、および形質転換した胚ニュー
ロンの特徴である形態を示す(例えば、繊維芽細胞の形態を有する)ことによっ
て産生される、形質転換したハイブリッド細胞株である。詳細には、この細胞は
、多角形細胞体、短い小穂様突起を有し、そして近くの細胞とほとんど接触して
いない。化学的に規定された無血清培地にて培養されたNG108−15細胞を
0.1〜300ng/mlのOP−1変異体または天然のOP−1とともに4時
間インキュベートすると、細胞形態の規則正しい用量依存性の変化が誘導される
例えば、NG108−15細胞を、ポリ−L−リジンコートした6ウェルプレ
ート上で継代培養する。各ウェルは、化学的に規定された培地2.5ml中に4
0〜50,000細胞を含む。3日目に、0.025%トリフルオロ酢酸を含む
60%エタノール中のOP−1変異体または天然のOP−1 2.5mlを、各
ウェルに添加する。この培地を、毎日、モルフォゲンの新しいアリコートと交換
する。OP−1変異体がOP−1と同様に、形質転換細胞の用量依存性再分化(
細胞体の丸型化、相の明るさの増加、短い軸索突起(neurite proc
ess)の伸長、および細胞の超微細構造の他の顕著な変化を含む)を誘導する
ことが意図される。数日後に、処理した細胞が、顕微鏡試験により可視的に決定
した場合に、類上皮シートを形成し始め、次いでこのシートが非常に密集した多
層凝集物になることもまた意図される。
さらに、この再分化は、DNA合成、細胞分裂、または細胞生存度に関する、
いかなる変化も伴わずに生じ、形態変化が、細胞分化またはモルフォゲンの毒性
効果に派生することがないようにすることが、意図される。さらに、形態単位誘
導性再分化が、3H−チミジン取り込みにより決定されるように、細胞分裂を阻
害しないかもしれないことが意図される。このことは、同様の実験において、形
質転換細胞の再分化を刺激することが示されている他の分子(例えば、酪酸、D
MSO、レチノイン酸またはフォルスコリン(Forskolin))とは異な
る。OP−1変異体は、天然のOP−1と同様に、再分化の誘導後に、細胞の安
定性および生存度を維持する。
本明細書中に記載の改変されたモルフォゲンは、従って、神経系の新形成およ
び新形成病変の処置のために(特に、神経芽細胞腫(網膜芽細胞腫、および神経
膠腫を含む)処置において)有用な治療薬剤を提供する。
(D.表現型の維持)
OP−1変異体はまた、天然のOP−1と同様に、細胞の分化した表現型を維
持するために使用され得る。本願は、特に、老化細胞または休止細胞において、
表現型の継続した発現を誘導するために有用である。
(1.表現型の維持に関するインビトロモデル)
モルフォゲンの表現型維持能力は、容易に決定される。多数の分化した細胞が
、当該分野で十分に記載された標準的組織培養条件(例えば、Culture
of Animal Cells:A Manual of Basic Te
chniques、C.R.Freshney編、Wiley、1987)下の
インビトロでの複数の継代の後に、老化細胞または休止細胞になる。しかし、こ
れらの細胞が、ネイティブのモルフォゲン(例えば、OP−1)と共にインビト
ロで培養された場合、細胞は、複数の継代を通じて、その表現型の発現を維持さ
れるように刺激される。例えば、培養された骨芽細胞(例えば、培養された骨肉
腫細胞および頭蓋冠細胞)のアルカリホスファターゼ活性は、インビトロでの複
数の継代の後に、有意に減少される。しかし、この細胞がOP−1の存在下で培
養される場合に、アルカリホスファターゼ活性は長期間にわたって維持される。
同様に、筋細胞の表現型発現もまた、モルフォゲンの存在下で維持される。この
実験において、骨芽細胞が上記のように培養される。この細胞は、グループに分
けられ、種々の濃度の、OP−1変異体または天然のOP−1のいずれか(例え
ば、0〜300ng/ml)とともにインキュベートされ、そして標準的方法論
を使用して、複数回(例えば、3〜5回)継代される。次いで、継代された細胞
は、本明細書に記載のように、分化した細胞の代謝機能の指標として、アルカリ
ホスファターゼ活性について試験される。OP−1変異体の非存在下で培養され
た骨芽細胞は、天然のOP−1の非存在下と同様に、OP−1変異体処理細胞ま
たは天然のOP−1処理細胞と比較した場合に、アルカリホスファターゼ活性が
減少していることが意図される。
(2.表現型維持に関するインビボモデル)
表現型維持能力はまた、骨粗しょう症についての標準的ラットモデルを使用し
て、インビボで示され得る。Long Evans雌性ラット(Charles
River Laboratories、Wilmington、MA)は、
標準的外科技術を使用して、偽装操作される(コントロール動物)かまたは卵巣
摘出され、エストロゲン産生の減少から生じる骨粗しょう症状態が作製される。
手術後(例えば、卵巣摘出の200日後)に、ラットは全身に、リン酸緩衝化生
理食塩水(PBS)またはモルフォゲン(例えば、OP−1変異体または天然の
OP−1、1〜10mg)を21日間(例えば、尾静脈注射を毎日行うことによ
って)提供される。次いで、このラットは屠殺され、そして血清アルカリホスフ
ァターゼレベル、血清カルシウムレベル、および血清オステオカルシンレベルが
、ここおよび上記に記載のような標準的方法論を使用して決定される。このOP
−1変異体処理ラットは、OP−1処理ラットと同様に、オステオカルシンおよ
びアルカリホスファターゼ活性の上昇したレベルを示し得ることが意図される。
脛骨diasyphealの組織形態観測分析は、未処理の卵巣除去ラットと比
較した場合に、OP−1変異体処理マウスにおいて骨質量の改善を示す。
(E.前駆(progenitor)細胞集団の増殖)
前駆細胞が、インビボまたはエキソビボで増殖するように刺激され得る。細胞
は、注射または他の方法で個体にOP−1変異体を含む滅菌調製物を提供するこ
とによって、インビボで刺激され得ることが意図される。例えば、個体の造血多
能性幹細胞集団が、その個体の骨髄に適切な濃度のOP−1変異体を注射または
他の方法で提供することによって、増殖するように刺激され得る。
前駆細胞は、増大されるべき集団の前駆細胞を、形態形成的に活性なOP−1
変異体と、その細胞の増殖を刺激するに十分な濃度および時間で、滅菌条件下で
接触させることによって、エキソビボで刺激され得る。適切な濃度および刺激時
間は、経験的に、基本的に上記の実施例Aに記載の手順に従って、決定され得る
。約0.1〜100ng/mlの間のOP−1変異体濃度、および約10分〜約
72時間、またはより一般的には約24時間までの刺激期間が、約104〜106
細胞の細胞集団を刺激するには代表的に十分なはずである。次いで、刺激された
細胞は、例えば、適切なインビボ位置にこの細胞を注射することによるように、
個体に提供され得る。適切な生体適合性前駆細胞は、当該分野で公知であるかま
たは本明細書中上記の方法のいずれかによって、得られ得る。
(F.損傷または罹患した組織の再生)
OP−1変異体を使用して、罹患または損傷した哺乳動物組織を修復し得る。
修復されるべき組織は、好ましくは、まず評価され、そして過剰の、壊死性また
は干渉性の瘢痕組織が、必要があれば、例えば、切除、あるいは外科的方法、化
学的方法、または医学分野で公知の他の方法によって除去される。
次いで、OP−1変異体は、外科的移植または注入のいずれかによって、滅菌
した生体適合性組成物の一部として、組織位置に直接提供され得る。この変異体
はまた、経口投与または非経口投与によるように、全身に提供され得る。あるい
は、形態形成的に活性なOP−1変異体により刺激される前駆細胞を含む、滅菌
した、生体適合性組成物が、この組織位置に提供され得る。その位置に既存の組
織は、罹患していようとまたは損傷していようと、前駆細胞の増殖および組織特
異的分化を可能にするに適切なマトリクスを提供する。さらに、損傷または罹患
した組織位置(特に、外科的手段によってさらに攻撃を受けた組織位置)は、形
態形成的に許容可能な環境を提供する。OP−1変異体の全身への提供は、特定
の適用(例えば、例として、骨粗しょう症および骨再造形周期の他の障害の処置
において)にとって十分で有り得る。
いくつかの環境、特に、組織損傷が広範である場合において、この組織は、細
胞の流入および増殖に十分なマトリクスを提供し得ないかもしれない。これらの
場合において、このOP−1変異体により刺激された前駆細胞を、下記のいずれ
かの手段により調製された、適切な、生体適合性の、処方されたマトリクスと共
に組織位置へと提供することが、必要であり得る。このマトリクスは、好ましく
は、インビボで生分解性である。このマトリクスはまた、組織特異的であり得、
そして/または70〜850mmの範囲、最も好ましくは150〜420mmの
範囲内の寸法を有する、多孔性粒子を含み得る。
OP−1変異体はまた、免疫/炎症応答媒介性組織損傷、および損傷後の瘢痕
組織形成を、予防するかまたは実質的に阻害するために使用され得る。OP−1
変異体は、新規に損傷した組織位置に提供されて、その位置に組織形態形成を誘
導し、それによって非分化結合組織への移動する繊維芽細胞の凝集を防ぎ得る。
好ましくは、このOP−1変異体は、損傷の5時間以内に組織位置へ注入される
、滅菌した薬学的調製物として提供され得る。例えば、外科的または他の積極的
臨床治療の一部として、免疫/炎症応答が、避けがたいかまたは故意に誘導され
る場合に、OP−1変異体は、好ましくは、その治療の前か、またはその治療と
同時に、患者に予防的に提供され得る。
(G.形態形成アッセイ)
下記はいくつかの例であり、本明細書中に開示される変異体タンパク質が組織
形態形成を誘導するために使用され得ることを示すための、プロトコルを記載す
る。例として、以下は、骨、肝臓、神経、象牙質、セメント質および歯周組織に
おける、OP−1変異体誘導性組織形態形成の記載である。
(1.OP−1変異体誘導性骨形態形成)
上記のように、タンパク質の形態形成活性を示しそして評価するために特に有
用な哺乳動物組織モデル系は、当該分野で公知である軟骨性骨組織形態形成モデ
ルであり、そして例えば、米国特許第4,968,590号に記載され、そして
本明細書中に参考として援用される。軟骨性骨形成を誘導する能力は、前駆細胞
の増殖、および軟骨芽細胞および骨芽細胞への前駆細胞の分化を誘導する能力、
軟骨マトリクス形成、軟骨石灰化、および骨再造形を誘導する能力、ならびに適
切な血管供給の形成および造血骨髄分化を誘導する能力を含む。
この形態形成物質が配置されている、局所環境は、組織形態形成に重要である
。本明細書中で使用される場合、「局所環境」とは、組織構造マトリクス、およ
びその組織を取り囲む環境を含むことが理解される。例えば、その増殖のために
適切な固定下層を必要とすることに加えて、モルフォゲンにより刺激された細胞
は、その分化の組織特異性を指向するためにシグナルを必要とする。これらのシ
グナルは、異なる組織について変化し、そして細胞表面マーカーを含み得る。さ
らに、新しい組織の血管形成は、血管形成を支持する局所環境を必要とする。
以下は、OP−1変異体およびOP−1変異体含有組成物の、インビボでの形
態形成的有用性を評価するための種々の手順を示す。この組成物は、哺乳動物に
おいて、当該分野で周知の多数の手順のいずれかに従って、注入されるか、また
は外科的に移植され得る。例えば、外科的移植バイオアッセイが、Sampat
hら(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:65
91〜6595および米国特許第4,968,590号の手順に本質的に従って
、実施され得る。
組織学的切片化および染色が、インビボにて形態形成の程度を決定するために
、特に、組織修復手順において好まれる。切り出された移植片は、ブワン溶液に
固定され、パラフィンに包理され、そして6〜8mmの切片へと切断される。ト
ルイジンブルーまたはヘモトキシリン/エオシンを用いた染色は、その新しい組
織の最終的発生を明らかに示す。12日間の移植片が、その移植片が新たに誘導
された組織を含むか否かを決定するためには、通常十分である。
首尾良い移植片は、誘導性の組織発生の段階を通して制御された進行を示し、
それにより生じる組織特異的事象を同定および追跡することを可能にする。例え
ば、軟骨性骨形成において、この段階は以下を含む:(1)1日目の白血球;(
2)2日目および3日目の、間葉細胞の移動および増殖;(3)5日目および6
日目の、軟骨細胞の出現;(4)7日目の軟骨マトリクス形成;(5)8日目の
軟骨石灰化;(6)9日目および10日目の、血管侵襲、骨芽細胞の出現、およ
び新しい骨の形成;(7)12日目〜18日目の、破骨細胞の出現、および骨再
造形および移植されたマトリクスの溶解の開始;ならびに(8)21日目の、生
じた小骨における造血骨髄分化。
組織学的評価に加えて、生物学的マーカーが、組織形態形成についてのマーカ
ーとして使用され得る。有用なマーカーは、この移植片の均質化後に、(例えば
、分光測定によって)アッセイされ得る活性を有する組織特異的酵素を含む。こ
れらのアッセイは、この移植片が動物から取り出された後の組織形成の定量化お
よびその組織形成の評価を迅速に得るために、有用であり得る。例えば、アルカ
リホスファターゼ活性が、骨形成についてのマーカーとして使用され得る。
全身に提供されたOP−1変異体の取り込みは、標準的な標識プロトコルおよ
びパルス追跡手順を使用して、標識されたタンパク質(例えば、放射性標識され
た)を使用し、そしてその新しい組織におけるその限局化を決定し、そして/ま
たは循環系からのその消失をモニターすることによって、追跡され得る。OP−
1変異体にはまた、組織特異的分子タグが提供され得、このタグの取り込みが、
モニターされ得、そして提供されたOP−1変異体の濃度と相関付けられ得る。
例として、雌性ラットにおける卵巣除去は、骨のアルカリホスファターゼ活性の
減少を生じ、そしてこのラットを骨粗しょう症にかかりやすくする。ここで、こ
の雌性ラットがOP−1変異体を提供された場合、カルシウムの全身濃度におけ
る減少が観察され得、これは、この提供されたOP−1変異体の存在と相関し、
かつアルカリホスファターゼ活性の増加に対応することが予期される。
(2.OP−1変異体誘導性肝臓再生)
別の例として、OP−1変異体を利用する部分的肝切除の後に、実質的に損傷
した肝臓組織の形態形成を誘導する方法が、提示される。この一般的プロトコル
のバリエーションを使用して、他の異なる組織において、OP−1変異体のモル
フォゲン活性を試験し得る。一般的方法は、組織の本質的に再生しない部分を切
除する工程およびOP−1変異体を、好ましくは可溶性薬学的調製物として、そ
の切除した組織位置に提供する工程、その創傷を閉鎖する工程、および将来にそ
の部位を試験する工程、を包含する。骨と同様に、肝臓は、胎児生活の間の損傷
の際に再生する潜在能力を有する。
生体適合性溶液中のOP−1変異体(例えば、精製OP−1変異体、1mg/
ml)を、0.1%トリフルオロ酢酸または適合性の酸を含む、50%エタノー
ルまたは適合性溶媒に可溶化する。注射可能なOP−1変異体溶液を、例えば、
1容量のOP−1形態単位溶媒−酸ストック溶液を滅菌PBS(リン酸緩衝化生
理食塩水)中の0.2%ラット血清アルブミン、9容量で希釈することによって
、調製する。
この実験において、発育中のラットまたは老齢のラット(例えば、Long
Evans、Charles River Laboratories、Wil
mington、MA)を、ケタミンを使用して麻酔する。その肝臓の葉2つ(
左および右)を切り出し(その葉の約1/3)、そしてこのOP−1変異体を、
その切除末端に沿って複数の部位に局所的に注射する。注射するOP−1変異体
の量は、例えば、100〜1000μlのPBS/RSA(リン酸緩衝化生理食
塩水/ラット血清アルブミン)注射緩衝液中に20〜100μgで有り得る。プ
ラシーボサンプルは、注射緩衝液のみを含む。実験アッセイにおいて、好ましく
は、各グループで5匹のラットを使用する。この創傷を閉鎖し、そしてこのラッ
トに通常の食餌を食べさせ、そして水道水を飲ませる。
12日後、このラットを屠殺し、そして肝臓再生を目で観察して、肝臓再生に
対するOP−1変異体の効果を最も効果的に評価する。このOP−1変異体を注
射したグループが、完全な肝臓組織再生を示して、この肝臓中にどこにも切除の
痕跡が残っていないことを示すことが、意図される。対照的に、PBSのみを注
射したコントロールグループは、代表的には最小の再生のみを示し、そのサンプ
ル中に切開が残っていることを示す。
(3.OP−1変異体誘導性の、象牙質、セメント質、歯周靭帯の再生)
なお別の例として、OP−1変異体が象牙質形成を誘導する能力もまた、示さ
れ得る。現在まで、損傷に対する歯髄組織の予測不能な応答は、歯科学における
基本的臨床問題である。より下等な非霊長類哺乳動物に基づくモデルよりも、サ
ルがヒトの歯科生物学の指標となると仮定されるので、カニクイザルを霊長類モ
デルとして選択する。
標準的歯科手術的手順を使用して、サンプルの歯のその髄質のすぐ上のエナメ
ル質および象牙質を(穴を開けることにより)取り出し、歯冠歯髄組織の部分的
切断を実施し、ホメオスタシスを誘導し(髄質処理の適用)、そして標準的手順
によって腔を閉鎖および充填することによって、歯髄の小さい領域(例えば、2
mm)を外科的に露出する。
使用する髄質処理は、キャリアマトリクス中に分散したOP−1変異体、キャ
リアマトリクス単独、および処理なしを含む。1匹の動物(各処理あたり4匹)
あたり12本の歯を調製し、そして2匹の動物を使用する。4週間目に、歯を抜
き取り、そして象牙質形成の分析のために組織学的に処理し、そして/または象
牙質鉱化作用を分析するためにすりつぶす。骨様象牙質修復に対するOP−1変
異体の効果を、コントロールサンプルと比較することによって、視覚的に観察し
得る。このOP−1変異体は、天然のOP−1と同様に、キャリアマトリクスと
一緒になって、外科的に露出された健康な歯髄上を移動する、修復骨様象牙質橋
の形成を誘導することが、意図される。対照的に、キャリアマトリクス単独で処
理した髄質は、修復象牙質を形成しない。
(4.OP−1変異体誘導性神経組織修復)
なお別の例として、中枢神経系(CNS)修復に対する、形態形成的に活性な
OP−1変異体による再生効果の誘導を、ラット脳穿刺モデルを使用して示し得
る。手短かには、雄性Long Evansラットを麻酔して、その頭の領域を
手術のために調製する。頭蓋冠を、標準的外科手順を使用して露出し、そして各
葉の中心に向かう穴を0.035Kワイヤを使用して開けて、この頭蓋冠をちょ
うど貫通させる。次に、OP−1変異体(25mg)、天然のOP−1(25m
g)またはPBSのいずれかを含む、25mlの溶液を、ハミルトンシリンジに
よって、各穴に提供する。溶液を、表面の下約3mmの深さまで、その下にある
皮質、脳梁、および海馬へと送達する。次いで、皮膚を縫合し、そしてその動物
を回復させる。
手術の3日後、ラットを断頭することによって屠殺し、そしてその脳を切片化
のために処理する。瘢痕組織形成を、グリア細胞繊維性酸性タンパク質(グリア
細胞の瘢痕についてのマーカータンパク質)について免疫蛍光染色して、瘢痕形
成の程度を定性的に決定することによって、評価する。OP−1変異体は、天然
のOP−1と同様に、OP−1変異体で処理した動物の組織切片において、グリ
ア細胞繊維性酸性タンパク質のレベルを減少し得、これは、モルフォゲンが、グ
リア細胞の瘢痕形成を阻害し、それにより神経再生を刺激できることを示す。
OP−1変異体が長い距離にわたる末梢神経系軸索成長を刺激する能力を、以
下のモデルを使用して示し得る。この末梢神経系のニューロンは、損傷後にそれ
自身で、新しい突起を発芽し得るが、ガイドがなければ、これらの発芽は、代表
的には、適切に連結せず、そして死ぬ。この破裂が広範な(例えば、5または1
0mmより大きい)場合、再生は乏しいかまたは存在しない。OP−1を使用す
る以前の実験は、モルフォゲンが、長い距離にわたる末梢神経系軸索成長を刺激
し、損傷した末梢神経経路の修復および再生を可能にすることを示す。
本実施例において、神経再生のOP−1変異体刺激を、このラット坐骨神経モ
デルを使用して示す。このラット坐骨神経は、その切断された末端が生理食塩水
で満たされた神経ガイドチャンネルに挿入された場合には、5mmのギャップに
そして時々10mmのギャップにわたって自発的に再生し得る。この実験におい
て、少なくとも12mmのギャップにわたる神経再生を試験する。
体重230〜250gの成体雌性Sprague−Dawleyラット(Ch
arles River Laboratories,Inc.)に、ペントバ
ルビタールナトリウム(35mg/体重kg)の腹腔内注射をして麻酔する。皮
膚の切開を、その大腿と平行かつそのすぐ後ろに行う。外側広筋と膝屈曲筋との
間の無血管筋間平面に進入し、そして坐骨神経を取り囲む、弛緩した線維疎性組
織に続く。この弛緩した組織を長軸方向に分割し、それにより、どの部分も脈管
遮断することなく、その完全な程度にわたって坐骨神経を自由にする。外科用顕
微鏡下で、坐骨神経を大腿の中程にて微小なはさみを用いて離断し、そして神経
断端を12mm分離するOP−1形態単位ゲル移植片を移植する。この移植片領
域を、内側の直径1.5mmで長さが20mmのシリコーンチューブ中に入れ、
その内側をこの変異体溶液で満たす。詳細には、このチューブの中央の12mm
は、生成した実質的に純粋なOP−1変異体1〜5mgをMATRIGELTM
Collaborative Research,Inc.、Bedford、
MAから入手)約100mlと混合することによって調製した、OP−1形態単
位ゲル、マウス肉腫組織由来の細胞外マトリクス抽出物からなり、そして可溶化
した組織基底膜(ラミニン、IV型コラーゲン、硫酸ヘパリン、プロテオグリカ
ンおよびエンタクチンを含む)をリン酸緩衝化生理食塩水中に含む。次いで、こ
の変異体を満たしたチューブを、欠損部位に直接移植し、各末端にて4mm、そ
の神経断端に挿入する。各断端を、この変異体ゲルに対して隣接させ、そして、
市販の外科用10−0ナイロンを神経上膜(束保護鞘)に3回縫合することによ
って、このシリコーンチューブ中に確保する。
OP−1変異体ゲル移植片に加えて、コントロール移植片(空のシリコーンチ
ューブ、ゲルのみで満たしたシリコーンチューブおよび「リバース」自己移植片
(この動物の坐骨神経の12mm離断セグメントを、縫合の前に180°回転さ
せる)を満たしたシリコーンチューブ)もまた、好ましくは移植する。全ての実
験を、好ましくは、4連で行う。すべての創傷を、好ましくは創傷クリップによ
って閉じ、このクリップを10日後に除去する。ラットには、両方の脚に移植し
得る。3週目に、この動物を屠殺し、この移植したセグメントを取り出し、そし
てすぐにドライアイス上で凍結させる。次に、凍結した切片を、その移植部位に
わたって切断し、そしてフルオロセインを用いて標識した抗神経フィラメント抗
体(例えば、Sigma Chemical Co.、St.Louisから入
手)を使用して免疫蛍光染色することによって、軸索再生について試験する。
坐骨神経の再生は、そのギャップをOP−1変異体ゲルで満たした場合に、す
べての移植片部位にて12mmの距離全体にわたって生じ得ることが、意図され
る。対照的に、空のシリコーンチューブ、ゲルのみ、およびリバース自己移植片
は、神経再生を示さない。
(IV.一般的意見)
特性(例えば、フォールディング、可溶性、安定性、表面結合/付着、生物活
性など)を評価するための前述の手段のいずれかを、OP−1ベースの変異体以
外の変異体構築物を使用して実施し得ることが、理解され、そして評価される。
必要なすべてのものは、天然のTGF−βスーパーファミリータンパク質と変異
体構築物の特性との、比較評価である。従って、例えば、ネイティブのタンパク
質Xの好ましいフォールディング特性を保持するが、ネイティブのタンパク質Y
の神経組織分化特性を獲得した変異体を、本明細書中に提供される実験模範例お
よび指針を使用して、容易に同定し得る。当業者は、最適に組み合わされた所望
の特性をすべて有するものとして、好ましい構築物を認識する。最適とは、任意
の1つの特定の特性の最大の発現を、必ずしも意味することを意図しない。むし
ろ、最適とは、組み合わせた発現が、当業者により意図される環境および/また
は用途に適切であるような、所望の特性各々の発現を意味することが意図される
本発明はまた、その精神および範囲から逸脱することなく、他の特定の形態で
具現化され得る。従って、他の実施態様は、上記の特許請求の範囲の範囲内であ
る。
図1は、BMPファミリーの種々の既知のメンバー、およびTGF−βスーパーファミリーメンバータンパク質について、2つ並んでいるシステインに続く最初の残基で開始して並べた、フィンガー2サブドメインを規定する、整列したC末端の残基を列挙する。 図2は、BMPのC末端の活性ドメインのリボンモデルの模式図である。これは、7個のシステイン骨格、および3個の異なるサブドメイン:ヒール(10)、フィンガー1(12)、およびフィンガー2(14)(これは、ネックまたはベース領域(16)、およびチップまたはループ領域(18)を含む)を示す。 図3Aは、OP−1のC末端の7個のシステインの活性ドメインをコードするヌクレオチドおよび対応する一文字表記のアミノ酸配列である。 図3Bは、BMP−5およびリフォールディングについてのその改変体のヌクレオチドおよび対応する一文字表記のアミノ酸配列である。 図4Aは、本発明のキメラタンパク質構築物の例示的な実施態様の模式図である。 図4Bは、リフォールディングおよびROS活性の特性に関する、本発明の例示的な実施態様の模式図である。 図5は、TGF−βの7−システインのドメインにおける、リフォールディング効率と荷電アミノ酸との間の関係を示す。 図6A、6B、および6Cは、TGF−βスーパーファミリーのいくつかの既知のメンバーの、それぞれフィンガー1、ヒール、およびフィンガー2領域の相同性を示すように並べられた、一文字表記のアミノ酸コードを使用する配列アラインメントである。以下の各領域を含むそれぞれのアミノ酸が示されている:ヒトのTGF−β1からTGF−β5(TGF−βサブグループ)、dpp、Vg−1、Vgr−1、60A(同時係属中のU.S.S.N.08/271,556号を参照のこと)、BMP−2A(BMP−2としてもまた文献において公知である)、dorsalin、BMP−2B(BMP−4としてもまた文献において公知である)、BMP−3、BMP−5、BMP−6、OP−1(BMP−7としてもまた文献において公知である)、OP−2(PCT/US91/07635号、および米国特許第5,266,683号を参照のこと)、およびOP−3(U.S.S.N.07/971,091号)からなるVg/dppサブグループ、GDF−1、GDF−3、およびGDF−9からなるGDFサブグループ、インヒビンα、インヒビンβA、およびインヒビンβBからなるインヒビンのサブグループ。ダッシュ(−)は、隣接するアミノ酸間のペプチド結合を示す。各サブグループについてのコンセンサス配列パターンを、各サブグループの最下段に示す。 図6A、6B、および6Cは、TGF−βスーパーファミリーのいくつかの既知のメンバーの、それぞれフィンガー1、ヒール、およびフィンガー2領域の相同性を示すように並べられた、一文字表記のアミノ酸コードを使用する配列アラインメントである。以下の各領域を含むそれぞれのアミノ酸が示されている:ヒトのTGF−β1からTGF−β5(TGF−βサブグループ)、dpp、Vg−1、Vgr−1、60A(同時係属中のU.S.S.N.08/271,556号を参照のこと)、BMP−2A(BMP−2としてもまた文献において公知である)、dorsalin、BMP−2B(BMP−4としてもまた文献において公知である)、BMP−3、BMP−5、BMP−6、OP−1(BMP−7としてもまた文献において公知である)、OP−2(PCT/US91/07635号、および米国特許第5,266,683号を参照のこと)、およびOP−3(U.S.S.N.07/971,091号)からなるVg/dppサブグループ、GDF−1、GDF−3、およびGDF−9からなるGDFサブグループ、インヒビンα、インヒビンβA、およびインヒビンβBからなるインヒビンのサブグループ。ダッシュ(−)は、隣接するアミノ酸間のペプチド結合を示す。各サブグループについてのコンセンサス配列パターンを、各サブグループの最下段に示す。 図6A、6B、および6Cは、TGF−βスーパーファミリーのいくつかの既知のメンバーの、それぞれフィンガー1、ヒール、およびフィンガー2領域の相同性を示すように並べられた、一文字表記のアミノ酸コードを使用する配列アラインメントである。以下の各領域を含むそれぞれのアミノ酸が示されている:ヒトのTGF−β1からTGF−β5(TGF−βサブグループ)、dpp、Vg−1、Vgr−1、60A(同時係属中のU.S.S.N.08/271,556号を参照のこと)、BMP−2A(BMP−2としてもまた文献において公知である)、dorsalin、BMP−2B(BMP−4としてもまた文献において公知である)、BMP−3、BMP−5、BMP−6、OP−1(BMP−7としてもまた文献において公知である)、OP−2(PCT/US91/07635号、および米国特許第5,266,683号を参照のこと)、およびOP−3(U.S.S.N.07/971,091号)からなるVg/dppサブグループ、GDF−1、GDF−3、およびGDF−9からなるGDFサブグループ、インヒビンα、インヒビンβA、およびインヒビンβBからなるインヒビンのサブグループ。ダッシュ(−)は、隣接するアミノ酸間のペプチド結合を示す。各サブグループについてのコンセンサス配列パターンを、各サブグループの最下段に示す。 図7は、標準的な一文字表記のアミノ酸コードで大文字で示されている、アミノ酸配列の一文字コードのリストであり、そして小文字で、その位置において有用であるアミノ酸の群を同定する。ここで、アミノ酸を表す小文字は、表8に示されているパターン定義の鍵となる表に従って示されている。図7は、本発明の生合成構築物のフィンガー1、ヒール、およびフィンガー2領域を構成するための好ましいパターン配列を同定する。ダッシュ(−)は、隣接するアミノ酸間のペプチド結合を示す。 図8は、SmithおよびSmith(1990)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:118−122の教示に従って作成されたパターン定義の表である。

Claims (12)

  1. 少なくとも2つのアミノ酸残基置換を含むOP−1変異体であって、ここで該アミノ酸残基置換は、以下:
    (i)配列番号39(OP−1)のアミノ酸残基431におけるヒスチジンのアルギニンへの置換;および
    (ii)配列番号39(OP−1の残基400、402、421、422および426のいずれか一つの残基のうち少なくとも一つのアミノ酸残基における、非酸性アミノ酸残基のヒドロキシル基保有アミノ酸残基への置換
    である、OP−1変異体。
  2. 前記非酸性アミノ酸残基の、ヒドロキシル基保有アミノ酸残基への置換が、配列番号39(OP−1)のアミノ酸残基402に存在する、請求項1に記載のOP−1変異体。
  3. 記非酸性アミノ残基が、塩基性残基またはアミド基保有残基である、請求項1または2に記載のOP−1変異体。
  4. 前記ヒドロキシル基保有アミノ酸残基が、セリンまたはトレオニンである、請求項1または2に記載のOP−1変異体。
  5. 前記非置換OP−1と比較して、約6.0〜9.0の範囲のpHにおける改善されたインビトロリフォールディング特性を有する、請求項1または2に記載のOP−1変異体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のOP−1変異体をコードするDNA配列を含む、単離された核酸。
  7. OP−1リフォールディング能力改善、水溶液中での可溶性の増大または活性の改善ための方法であって、該方法は、配列番号39(OP−1の残基400、402、421、422および426のいずれか一つの残基のうち少なくとも一つの残基における、非酸性アミノ酸残基のヒドロキシル基保有アミノ酸残基への置換によって、OP−1のフィンガー2サブドメインにおいて正に荷電した残基数を減少させる工程を包含する、方法。
  8. 生物学的に活性なダイマー種を生成するための適切なリフォールディング条件下で、OP−1をインビトロでフォールディングさせる方法であって、該OP−1は、適切なリフォールディング条件下で約1%未満のリフォールディングされたダイマー種を生成すること特徴付けられ、該方法は、以下の工程:
    (a)OP−1における少なくとも2つのアミノ酸残基を置換する工程であって、該アミノ酸を置換する工程は、以下:
    (i)配列番号39(OP−1の残基431におけるヒスチジンのアルギニンへの置換;および
    (ii)配列番号39(OP−1400、402、421、422および426のいずれか一つの残基のうち少なくとも一つのアミノ酸残基における、非酸性アミノ酸残基のヒドロキシル基保有残基への置換
    である、工程、および
    (b)工程(a)の該OP−1変異体を、約pH6〜9の範囲のpHでフォールディングさせて、生物学的に活性なダイマー種を生成する工程
    を包含する、方法。
  9. 工程(b)の前に、界面活性剤の存在下で前記変異体を可溶化するさらなる工程を包含する、請求項に記載の方法。
  10. 1%より多くリフォールディングされたOP−1を生成する方法であって、該方法は、以下:
    (a)請求項1〜5のいずれか1項に記載のOP−1変異体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸配列を、宿主細胞にトランスフェクトする工程;
    (b)該OP−1変異体の発現を可能にする条件下で、工程(a)のトランスフェクトされた該細胞を培養する工程;
    (c)該変異体を他の細胞成分および培養培地成分から単離する工程;および
    (d)適切なリフォールディング条件下で、該変異体をインビトロでリフォールディングさせる工程
    を包含する、方法。
  11. 組織形態形成を誘導するための組成物であって、請求項1から5のいずれか一項に記載のOP−1変異体タンパク質の形態形成有効量を含む、組成物。
  12. 前記組織が、骨、非鉱化骨格組織、歯組織、結合組織、脳、肝臓および神経からなる群より選択される、請求項11に記載の組成物。
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