JP4293941B2 - 流量測定方法および装置 - Google Patents

流量測定方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4293941B2
JP4293941B2 JP2004157463A JP2004157463A JP4293941B2 JP 4293941 B2 JP4293941 B2 JP 4293941B2 JP 2004157463 A JP2004157463 A JP 2004157463A JP 2004157463 A JP2004157463 A JP 2004157463A JP 4293941 B2 JP4293941 B2 JP 4293941B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow rate
fluid
temperature detection
detection element
calculation procedure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004157463A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005010153A (ja
Inventor
元章 村上
義昭 小西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikkiso Co Ltd
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikkiso Co Ltd filed Critical Nikkiso Co Ltd
Priority to JP2004157463A priority Critical patent/JP4293941B2/ja
Publication of JP2005010153A publication Critical patent/JP2005010153A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4293941B2 publication Critical patent/JP4293941B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Description

この発明は、通路内を流れる流体の流量を測定するための流量測定方法および装置に関し、詳しくは、発熱源と温度検出素子を使用して正確に流体の流量を測定することができ、微少量の流量も正確に測定することができる流量測定方法および装置に関するものである。
従来の流量計は、機械式、圧力型、超音波型、質量型等の種々の測定原理に基づくものが存在しているが、そのどれもが微少量の流量を正確に測定することには問題があった。すなわち、微少流量においては測定誤差が増大する等により正確な測定が困難であった。また、0.1〜数10[μL/min]程度の、極めて微少流量の測定においては、前述のような流量計では有効な測定値を得ることすら困難であった。
例えば、1日当たり1mLの微少流量は、0.69[μL/min]となり、内径0.2mmの断面形状が円形の管中を流れた場合の流速は0.37[mm/s]となる。機械的な可動部を流体の流速によって駆動して流速を測定するものでは、このような遅い流速を測定可能な機械的可動部を作成することが極めて困難である。また、通路抵抗やオリフィス等による差圧によって流量を測定するものでは、差圧が小さすぎて測定できない。超音波等を利用して流体の流速を測定するものでは、流速が前述のように極めて小さいために測定できない。同様に、コリオリ式流量計でも流速が極めて小さいために測定できない。
前述のような流量計以外に、微少量の流量も正確に測定することができるものとして、下記の特許文献1のような流量計や、特許文献2のような流量測定方法および装置が公知である。特許文献1には、流体の通路内に発熱源と温度検出素子とを配置し、発熱源をパルス状に発熱させるとともに、温度検出素子によって通過する流体の温度を検出し、発熱源の発熱駆動時刻から温度検出素子によって検出した温度が極大値となる時刻までの時間差により流体の流量を求める流量計が記載されている。
また、特許文献2には、流体の通路内に配置された発熱源と、発熱源よりも下流側に配置された第1の温度検出素子および第2の温度検出素子と、発熱源を発熱駆動パルスによりパルス状に発熱させるパルス電源と、流体の流量を求める流量演算部とを有する流量測定方法および装置が記載されている。この流量測定方法および装置では、発熱駆動時刻と、第1の温度検出素子によって検出した流体の温度と第2の温度検出素子によって検出した流体の温度との差が正から負に変わる時刻(ゼロクロス時刻)との間の時間差により流体の流量を求めている。
特開2002−214015号公報 特開2003−28692号公報
特許文献1の流量計や、特許文献2の流量測定方法および装置によれば、通常の場合には微少量の流量も正確に測定することができる。しかし、前述のように流体の流速が極めて遅い場合には、流体の流れによる熱の移動に加えて、管自体や流体の熱伝導によって伝達される熱の影響が現れてくるため、この熱伝導による熱移動成分が測定誤差を大きくするという問題点があった。
また、流体の流速が極めて遅い場合には、加熱された流体が温度検出素子の位置に到達するまでの時間が大きくなり、流体からの放熱量が大きくなって、検出温度の変化が平坦になってしまう。このため、温度がピーク値となる時刻を検出するのが困難になり、検出時刻の誤差が大きくなるという問題点があった。また、2つの温度検出素子の検出温度の差のゼロクロス時刻の場合も、流体の流速が極めて小さいときに誤差が増加する傾向にある。
そこで、本発明は、発熱源と温度検出素子を使用して正確に流体の流量を測定することができ、流体の流速が極めて遅い場合にも、流体の流量を正確に測定することができる流量測定方法および装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の流量測定方法は、発熱源と、前記発熱源に対して上流側に配置された第1の温度検出素子と、前記発熱源に対して下流側に配置された第2の温度検出素子とを備えた流体の通路における流量測定方法であって、前記発熱源を発熱駆動パルスによりパルス状に発熱させる手順と、前記第1の温度検出素子によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、前記第2の温度検出素子によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、前記第1の温度検出素子によって検出した温度上昇の極大値である第1のピーク値と、前記第2の温度検出素子によって検出した温度上昇の極大値である第2のピーク値とにより流体の流量を求める第1の流量演算手順と、前記発熱駆動パルスの印加時刻と前記第2のピーク値を検出した時刻との時間差により流体の流量を求める第2の流量演算手順と、前記第1の流量演算手順および前記第2の流量演算手順を使用して測定結果としての流量を求める手順とを有する。そして、前記測定結果としての流量を求める手順は、前記第1の流量演算手順と前記第2の流量演算手順を流量の範囲に応じて切り換えて適用するものであり、前記第1の流量演算手順と前記第2の流量演算手順のそれぞれの適用範囲は、前記第1の流量演算手順の適用範囲の方が、前記第2の流量演算手順の適用範囲に比較して、流量の小さい範囲である
また、本発明の流量測定方法は、発熱源と、前記発熱源に対して上流側に配置された第1の温度検出素子と、前記発熱源に対して下流側に配置された第2の温度検出素子および第3の温度検出素子とを備えた流体の通路における流量測定方法であって、前記発熱源を発熱駆動パルスによりパルス状に発熱させる手順と、前記第1の温度検出素子によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、前記第2の温度検出素子によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、前記第3の温度検出素子によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、前記第1の温度検出素子によって検出した温度上昇の極大値である第1のピーク値と、前記第2の温度検出素子によって検出した温度上昇の極大値である第2のピーク値とにより流体の流量を求める第1の流量演算手順と、前記第2のピーク値を検出した時刻と、前記第3の温度検出素子によって検出した温度上昇の極大値である前記第3のピーク値を検出した時刻との時間差により流体の流量を求める第2の流量演算手順と、前記第1の流量演算手順および前記第2の流量演算手順を使用して測定結果としての流量を求める手順とを有するものである。そして、前記測定結果としての流量を求める手順は、前記第1の流量演算手順と前記第2の流量演算手順を流量の範囲に応じて切り換えて適用するものであり、前記第1の流量演算手順と前記第2の流量演算手順のそれぞれの適用範囲は、前記第1の流量演算手順の適用範囲の方が、前記第2の流量演算手順の適用範囲に比較して、流量の小さい範囲である
また、上記の流量測定方法において、前記第1の流量演算手順は、前記第1のピーク値と前記第2のピーク値との比により流体の流量を求めるものであることが好ましい。
また、上記の流量測定方法において、前記第1の温度検出素子および前記第2の温度検出素子は、前記通路の流れ方向において前記発熱源から等距離の位置に配置されたものであることが好ましい
また、上記の流量測定方法において、前記発熱駆動パルスは、立ち上がり部分の傾斜が立ち下がり部分の傾斜より緩やかな波形であることが好ましい。
また、本発明の流量測定装置は、流体が流通可能な通路と、前記通路の近傍に配置された発熱源と、前記発熱源よりも上流側の前記通路の近傍に配置された第1の温度検出素子と、前記発熱源よりも下流側の前記通路の近傍に配置された第2の温度検出素子と、前記発熱源をパルス状に発熱させるとともに、前記第1の温度検出素子および前記第2の温度検出素子によって流体の温度を検出し、流体の温度変化に関する情報により前記通路を流れる流体の流量を求める制御演算部とを有し、前記制御演算部は、前記発熱源を発熱駆動パルスによりパルス状に発熱させる手順と、前記第1の温度検出素子によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、前記第2の温度検出素子によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、前記第1の温度検出素子によって検出した温度上昇の極大値である第1のピーク値と、前記第2の温度検出素子によって検出した温度上昇の極大値である第2のピーク値とにより流体の流量を求める第1の流量演算手順と、前記発熱駆動パルスの印加時刻と前記第2のピーク値を検出した時刻との時間差により流体の流量を求める第2の流量演算手順と、前記第1の流量演算手順および前記第2の流量演算手順を使用して測定結果としての流量を求める手順とを実行するものである。そして、前記測定結果としての流量を求める手順は、前記第1の流量演算手順と前記第2の流量演算手順を流量の範囲に応じて切り換えて適用するものであり、前記第1の流量演算手順と前記第2の流量演算手順のそれぞれの適用範囲は、前記第1の流量演算手順の適用範囲の方が、前記第2の流量演算手順の適用範囲に比較して、流量の小さい範囲である
また、本発明の流量測定装置は、流体が流通可能な通路と、前記通路の近傍に配置された発熱源と、前記発熱源よりも上流側の前記通路の近傍に配置された第1の温度検出素子と、前記発熱源よりも下流側の前記通路の近傍に配置された第2の温度検出素子と、前記発熱源よりも下流側の前記通路の近傍に配置された第3の温度検出素子と、前記発熱源をパルス状に発熱させるとともに、前記第1の温度検出素子、前記第2の温度検出素子および前記第3の温度検出素子によって流体の温度を検出し、流体の温度変化に関する情報により前記通路を流れる流体の流量を求める制御演算部とを有し、前記制御演算部は、前記発熱源を発熱駆動パルスによりパルス状に発熱させる手順と、前記第1の温度検出素子によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、前記第2の温度検出素子によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、前記第3の温度検出素子によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、前記第1の温度検出素子によって検出した温度上昇の極大値である第1のピーク値と、前記第2の温度検出素子によって検出した温度上昇の極大値である第2のピーク値とにより流体の流量を求める第1の流量演算手順と、前記第2のピーク値を検出した時刻と、前記第3の温度検出素子によって検出した温度上昇の極大値である第3のピーク値を検出した時刻との時間差により流体の流量を求める第2の流量演算手順と、前記第1の流量演算手順および前記第2の流量演算手順を使用して測定結果としての流量を求める手順とを実行するものである。そして、前記測定結果としての流量を求める手順は、前記第1の流量演算手順と前記第2の流量演算手順を流量の範囲に応じて切り換えて適用するものであり、前記第1の流量演算手順と前記第2の流量演算手順のそれぞれの適用範囲は、前記第1の流量演算手順の適用範囲の方が、前記第2の流量演算手順の適用範囲に比較して、流量の小さい範囲である
また、上記の流量測定装置において、前記第1の流量演算手順は、前記第1のピーク値と前記第2のピーク値との比により流体の流量を求めるものであることが好ましい。
また、上記の流量測定装置において、前記第1の温度検出素子および前記第2の温度検出素子は、前記通路の流れ方向において前記発熱源から等距離の位置に配置されたものであることが好ましい
また、上記の流量測定装置において、前記通路の近傍には、前記発熱源に対して上流側に2個の温度検出素子が配置され、前記発熱源に対して下流側に2個の温度検出素子が配置されていることが好ましい。
また、上記の流量測定装置において、4個の前記温度検出素子は、前記通路の流体の流れ方向において、前記発熱源に対して対称な位置に配置されていることが好ましい。
また、上記の流量測定装置において、前記発熱駆動パルスは、立ち上がり部分の傾斜が立ち下がり部分の傾斜より緩やかな波形であることが好ましい。
本発明は、以上のように構成されているので、以下のような効果を奏する。
流体にパルス状の加熱を行い、通路上の2点における流体の温度上昇のピーク値から流量を演算するようにしたので、極微少流量の領域でも高精度に流量の測定を行うことができる。例えば、1日当たり1mLというような極めて微少流量の測定も正確に行うことができる。流体に対する加熱は、パルス状の発熱であるため流体に対して熱影響が小さく、流体を熱によって変質させることがない。また、流量測定のための消費電力を低減させることができ、電池駆動の機器においても電池を電源として長時間の流量測定を行うことが可能となる。また、流体を加熱してから熱的な定常状態に達するまで待つことなく、流量の測定を行うことができるため、流体の流量をリアルタイムで高精度に測定することができる。このため、体内埋込型の人工臓器における注入薬剤等の流量モニタとして使用することも可能である。
流体の温度上昇のピーク値の比から流量を演算するようにしたので、簡素な演算により極微少流量の領域の流量の測定を高精度に行うことができる。このため、流量を演算するために必要な演算時間等も小さく、リアルタイムでの測定が可能である。
第1の温度検出素子と第2の温度検出素子が通路の流れ方向において発熱源から等距離の位置に配置されているので、温度上昇のピーク値の比や差をとることにより、通路の側壁等により伝達される熱の影響をなくすことができ、高精度の流量測定が可能となる。
流体にパルス状の加熱を行い、流体の下流側で温度が極大値となる時刻の時間差を測定するので、流体の速度が微小であっても正確に測定することができ、微少量の流量も正確に測定することができる。この時間差による流量の演算は、微少流量の中でも比較的流量の大きい範囲で安定した結果が得られ、流体の温度や外部環境の温度等の影響を受けにくい安定した測定結果を得ることができる。
流量の大小の範囲に応じて第1の流量演算手順と第2の流量演算手順とを切り換えて適用するようにしたので、広範囲の流量範囲において誤差の少ない最適な演算方法を使用して高精度でかつ安定した測定結果を得ることができる。
発熱源に対して上流側に2個の温度検出素子と下流側に2個の温度検出素子が配置されているので、流れの方向が通路のどちら方向でも温度検出素子による温度検出結果を使用して流体の流量を演算することができる。また、流体の流れの方向も検出することができる。
4個の温度検出素子が、通路の流体の流れ方向において、発熱源に対して対称な位置に配置されているので、流れの方向が通路のどちら方向でも同条件で流量測定を行うことができる。また、ピークの比をとるサーミスタを流速や流体の熱伝導条件に応じて適宜変更することができる。このため、測定条件に応じて種々の設定変更を行うことができ、設定自由度が高く測定可能範囲の広い流量測定を行うことが可能となる。
発熱源に印加する発熱駆動パルスを立ち上がり部分の傾斜が立ち下がり部分の傾斜よりも緩やかな波形としたので、発熱源の素子に与える駆動開始時の電気的衝撃が小さくなり、発熱源素子の寿命を延長することができる。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の流量測定装置の全体構成を示す図である。流量センサ部10は流量を検出するセンサであり、流量センサ部10の内部には測定対象の流体が流通する直線状の通路11が設けられている。図1では、流量センサ部10はその通路11の流体流れ方向に平行な断面で表されている。この流量センサ部10は、通路11内を流通する流体の流量(流速)を検出する。
流量センサ部10には、通路11の流れ方向に沿って、通路11の近傍位置に、サーミスタ1〜5が順番に配置されている。中央のサーミスタ3は、流体を加熱するための発熱源として使用される。サーミスタ3に対して流れの上流側および下流側に配置されたサーミスタ1,2,4,5は、流体の温度を検出するための温度検出素子として使用される。流量センサ部10の本体材料はガラスやプラスチック等が使用できる。本体材料としては、なるべく熱拡散率が小さく熱伝導の少ない物質が好ましい。
通路11は断面形状が長方形に形成されており、平面状の4つの側壁に囲まれている。この4つの側壁の1つに平面状の薄膜サーミスタであるサーミスタ1〜5が配置されている。ここでは、サーミスタ1〜5は一定の距離を隔てて等間隔(例えば、0.5mmピッチ)に配置されている。サーミスタ1〜5は必ずしも等間隔で配置されている必要はないが、流れ方向において中央のサーミスタ3に対して対称的に他のサーミスタが配置されていることが望ましい。そのような配置であれば、図1の矢印方向の流れであっても、その逆方向の流れであっても同等の条件で測定することができる。
サーミスタ1〜5は、図示のように側壁の表面と同一平面をなすように配置すれば流れを妨げることがない。ただし、サーミスタ1〜5の表面が通路11内に所定量突出するような配置でもよく、逆にサーミスタ1〜5の表面が通路11の側壁内に所定量引っ込むように配置されていてもよい。さらに、サーミスタ1〜5が通路内に支持体によって支持され、サーミスタ1〜5が流体内に位置するよな配置でもよい。本発明において、通路11の近傍とは上記のような配置をすべて含むものである。
なお、温度検出素子としてのサーミスタは、必ずしも4個配置する必要はなく、上流側に1個(サーミスタ1またはサーミスタ2)および下流側に2個(サーミスタ4,5)配置するようにしてもよい。また、上流側に1個および下流側に1個配置するようにしてもよい。上流側に1個、下流側に1個の場合には、サーミスタ2,4の位置、または、サーミスタ1,5の位置に配置して、発熱源に対して対称的な配置とすることが望ましい。
なお、図1ではサーミスタ1〜5を同一の側壁に配置しているが、それぞれのサーミスタを異なる側壁に配置してもよい。例えば、発熱源と温度検出素子とを対向する反対側の側壁に配置してもよい。また、サーミスタ1〜5を交互に反対側の側壁に配置してもよい。さらに、発熱源および温度検出素子のいずれか一方または両方を、対向する両側の側壁に配置してもよいし、流路の全周を取り囲むように配置してもよい。
図1のようにサーミスタ1〜5が同一の側壁に配置されている場合には、製造工程が比較的簡易となり製作が容易であるため製造コストを低減することができる。また、流量センサ部の製造品質の均質性を向上させることができる。なお、流体が導電性を有する場合は、サーミスタ1〜5の流体側の表面を電気絶縁膜で覆う必要がある。この電気絶縁膜は熱伝導性の良好なものが望ましい。
また、発熱源から流体への熱伝導を効率的に行うためには、発熱源が配置された側壁の表面に直交する方向(図1では上下方向)の通路11の寸法を小さくすることが有効である。また、測定対象の流体の流れは乱流でも測定可能であるが、流れが層流であればより安定した流量測定を行うことができる。したがって、流体の流れは層流であることが望ましい。流体の流れを層流とするためには、通路11の上下方向寸法(深さ)を小さくすることが有効である。
通路寸法の一例としては、通路11の深さ(図1の上下方向寸法)を36μm、通路11の幅(図1の紙面垂直方向寸法)を500μmとしたものがあげられる。このように、流路幅に比較して流路深さを小さくすることにより、流体の流れを層流とすることができる。また、発熱源を幅広の壁面に配置した場合の発熱源から流体への熱伝導の効率を向上させることができる。
中央のサーミスタ3は、駆動検出部6内の発熱駆動部61に接続されている。そして、発熱駆動部61からサーミスタ3にパルス状の駆動電流である発熱駆動パルスを供給し、サーミスタ3にパルス状の発熱を行わせる。発熱駆動パルスのパルス幅は100msec以下でも充分に流量測定が可能である。その発熱が通路11内を流れる流体に伝達され、流体には所定のパターンの温度上昇が生じる。その流体の温度上昇をサーミスタ1,2,4,5によって検出し、その温度上昇パターンから流体の流量を求めるのである。
なお、ここでは発熱源としてサーミスタ3を使用しているが、発熱源として通常の発熱用抵抗体を使用することもでき、また、発熱源として抵抗体以外の発熱素子を使用することもできる。ただし、発熱源としてはサーミスタ素子を使用することが好ましく、サーミスタ素子の場合には、発熱源の温度の監視を容易に行うことができる。
サーミスタ1,2,4,5は駆動検出部6内の温度検出部62に接続されている。温度検出部62では、サーミスタ1,2,4,5のそれぞれの抵抗値からそれぞれの位置における流体の温度を検出することができる。駆動検出部6の発熱駆動部61および温度検出部62は、制御演算部9に接続されている。制御演算部9は、発熱駆動部61に発熱駆動のための制御信号を送るとともに、温度検出部62から検出信号を入力して、その検出信号により通路11内を流れる流体の流量を求める。
制御演算部9には、表示部7および入力部8が接続されている。入力部8は、操作者が測定開始の指示や、通路11の断面積等の流量の演算に必要なデータの入力を行うために使用される。表示部7には文字および画像を表示することができ、この表示部7に流量の測定データが数値やグラフ等によって表示される。
次に、本発明による流量測定の測定原理を図2から図4によって説明する。図2は、流量センサ部10の駆動電流波形および検出温度波形を示す図である。図2(a)に示すように、サーミスタ3には発熱駆動部61からパルス状の駆動電流(発熱駆動パルス)を供給しパルス状の発熱を行わせる。図示のように、駆動電流の終了時刻をT0とする。
測定対象の流体は通路11内を図1の矢印方向に速度Vで流れているものとする。このとき、サーミスタ3の温度は図2(b)に示すように変化する。また、サーミスタ3の下流側のサーミスタ4によって検出される流体の温度d1は図2(c)に示すように変化する。すなわち、温度d1は時刻T1において温度上昇の極大値であるピーク値p1を示す。そして、さらに下流側のサーミスタ5によって検出される流体の温度d2は図2(d)に示すように変化する。すなわち、温度d2は時刻T2において温度上昇の極大値であるピーク値p2を示す。
ここで、駆動電流の終了時刻T0から、サーミスタ4によって検出される流体の温度d1がピーク値p1を示す時刻T1までの時間差t1は、流体の流れの速度Vに対応して変化する。また、駆動電流の終了時刻T0から、サーミスタ5によって検出される流体の温度d2がピーク値p2を示す時刻T2までの時間差t2も、同様に流体の流れの速度Vに対応して変化する。そして、時刻T1から時刻T2までの時間差Δt(=T2−T1=t2−t1)も、同様に流体の流れの速度Vに対応して変化する。
このように、時間差Δtが流体の速度Vに対応して変化するため、この時間差Δtを検出することにより流体の速度を求めることができる。流体の速度Vと時間差Δtとの関係をあらかじめ実験により測定しておいてもよいし、これらの関係を計算式によって導出してもよい。例えば、流体の速度Vと熱の伝搬速度との和が、サーミスタ4とサーミスタ5との間のピーク値の伝搬速度として検出されると考えて、それから速度Vを求めるようにしてもよい。そして、流量センサ部10の通路11の断面積は既知であるから、流体の流速から流量を計算することができる。
このように、流体の下流側温度が極大値となる時間差を測定するので、2点における温度上昇が極大値となる時刻が正確に測定できれば、微少量の流量も正確に測定することができる。なお、微少流量においては、微少時間差に対する温度測定値の変化から温度傾斜を求め、この温度傾斜が正から負に変わる時刻を求めることにより最大温度点の時刻を決定できる。
なお、時間差t1または時間差t2からでも流体の流量を求めることができるが、時間差Δtから流体の流量を求めるようにすることが好ましい。時間差Δtによって流量を求める場合には、時刻T1と時刻T2との時間差を取ることにより、サーミスタ3から流体への熱伝達の時間遅れや加熱後の流体からの熱拡散による影響を相殺することができるため、測定精度を向上させることができる。
また、時間差t1から流量を求める場合には、発熱駆動パルスの印加終了時刻T0とサーミスタ4による検出値がピーク値p1を示す時刻T1との時間差を求めるが、印加終了時刻に代えて印加開始時刻やパルス印加中心時刻等の他の印加時刻を利用することもできる。さらに、時間差t1を求める別の方法として、発熱駆動パルスの印加終了後、直ちにサーミスタ3を温度検出用に切り換えて温度上昇のピーク値を求め、そのピーク値を示す時刻と下流側のピーク値時刻T1との時間差を求めてもよい。時間差t2についても同様である。
図3は、実際に流量センサ部10に流体を流して時間差Δtを測定した結果を示すものである。流体としては超純水を使用し、流量センサ部10の通路11は断面が500μm×36μmの長方形状のものであり、サーミスタ1〜5は0.5mmピッチの等間隔に配置されている。サーミスタ3にパルス幅40msecのパルス駆動電流を供給しパルス状の発熱を行わせた。そのときの、サーミスタ4によって検出した流体の温度d1がピーク値p1を示す時刻T1と、サーミスタ5によって検出した流体の温度d2がピーク値p2を示す時刻T2との時間差Δtを測定したものである。図3のグラフの横軸は流体の流量であり、縦軸は時間差Δtを示している。
図3のグラフ中の黒点が実際の測定値を示している。実線は測定値と近似するように選ばれた近似曲線である。この近似曲線は、実際の測定値との誤差が最小となるような直線の各係数を最小二乗法等により決定したものである。図示のように、流量がほぼ5[μL/min]以上においては、測定値は近似曲線とほぼ一致している。しかし、流量が5[μL/min]より小さい領域では、測定値と近似曲線との差が大きくなっている。また、測定値そのものも大きなばらつきを示している。
この理由を以下に説明する。流量が極微少になってくると、流速も非常に小さくなるため、図2(c),(d)で示す、時間差t1,t2が大きくなり、ピーク値p1,p2は小さくなってくる。すなわち、サーミスタ4によって検出する温度d1の測定曲線と、サーミスタ5によって検出する温度d2の測定曲線が、広がりの大きな平坦な曲線になってしまう。したがって、ピーク値p1を示す時刻T1と、ピーク値p2を示す時刻T2を求めることが難しくなり、これらの時刻を測定する際の誤差が増加してしまうのである。そのために、図3に示すような測定値のばらつきを生じてしまうという問題点がある。
そこで本発明では、このような問題点を解決し、流量が極微少の領域でも高精度の流量測定を可能とするために、ピーク値p1を示す時刻T1とピーク値p2を示す時刻T2を測定するのではなく、ピーク値p1およびピーク値p2の値そのものから流量を求めるようにしたものである。また、本発明のようにピーク値p1およびピーク値p2の値そのものから流量を求めることにより、通路の側壁等による熱伝導が無視できない場合でも、高精度の流量測定を行うことができる。このため、通路の側壁等の熱絶縁性が比較的小さい場合でも、本発明により高精度の流量測定を行うことができる。
図2(c),(d)で示すように、サーミスタ4,5で検出された流体の温度上昇は、それぞれピーク値p1,p2を示すものとなる。このピーク値p1,p2の値は、流体の流量に対応して変化する。また、ピーク値p1とピーク値p2の比をとると、この比も流体の流量に対応して変化する。また、図2においてピーク値p1,p2は、サーミスタ4,5で検出されたものであるが、温度検出素子は、発熱源の上流側と下流側に別れて配置されていてもよい。発熱源の上流側と下流側の温度検出素子によって検出された温度上昇のピーク値の比をとっても、同様にこの比は流体の流量に対応して変化するものとなる。
図4は、実際に流量センサ部10に流体を流して温度上昇のピーク値の比を測定した結果を示すものである。各種測定条件は、図3において説明したものと同じである。ただし、温度上昇のピーク値は、サーミスタ2で検出したピーク値q1とサーミスタ4で検出したピーク値q2を測定している。そして、これらのピーク値の比(q2/q1)を温度ピーク比として、図4のグラフの縦軸としている。グラフの横軸は流体の流量である。
図4のグラフ中の黒点が実際の測定値を示している。実線は測定値と近似するように選ばれた近似曲線(以下、検量線という)である。この検量線は、実際の測定値との誤差が最小となるような二次曲線(放物線)の各係数を最小二乗法等により決定したものである。二次曲線の各係数を適宜選択することによって測定値とほぼ一致するものが得られる。流量が図示の領域の範囲では、測定値は検量線とほぼ一致している。この測定結果から、2個所の温度検出素子によって測定した温度上昇のピーク値の比を求めれば、その比から流体の流量を求めることが可能であることが分かる。
なお、図4の検量線は例えば最小二乗法を使用して求めることができるが、最小二乗法に限定されることはなく、それ以外の任意の関数近似の方法によっても求めることができる。
図4に示すような結果をふまえ、本発明では、発熱源であるサーミスタ3にパルス状の発熱を行わせ、サーミスタ2とサーミスタ4で検出した温度上昇のピーク値の比を検出して、その比の値から流体の流量を求めるようにしたものである。なお、サーミスタ1とサーミスタ5によって検出した温度上昇のピーク値の比から流体の流量を求めることもできる。
これらの温度上昇のピーク値は、温度の測定曲線が平坦なものであっても高精度に求めることができる。したがって、流量が5[μL/min]より小さいような極微少流量の領域であっても、測定誤差の小さな高精度の測定結果を得ることができ、流体の流量を高精度に求めることが可能となる。
図5は、本発明の流量測定装置により流量測定を行っている状態を示す図である。測定対象の流体が流通する配管等の流通路12,12の間に流量センサ部10を配置して取り付ける。流量センサ部10の通路11と流通路12とは、漏れのないように接続される。流量センサ部10は駆動検出部6に接続され、駆動検出部6は制御演算部9に接続されている。制御演算部9はコンピュータによって構成されており、この制御演算部9によって前述のような温度上昇のピーク値の比と時間差Δtが検出され流体の流量が求められる。制御演算部9には、表示部7および入力部8が接続されている。
図6は、制御演算部9の構成を示すブロック図である。制御演算部9には、種々のデータ処理を行うためのCPU90が設けられており、CPU90にはバス91を介してROMやRAM等からなるメモリ92が接続されている。CPU90は、メモリ92に記憶されているプログラムおよびデータに従って動作する。メモリ92には、基本プログラムであるOS(オペレーティング・システム)や、サーミスタ1,2,4,5によって検出される流体の温度上昇によって流体の流量を演算する流量演算プログラム921や、流量センサ部10のサーミスタ3の加熱制御やサーミスタ1,2,4,5による温度検出値の読み取り制御を行う測定制御プログラム922や、表示部7に対して文字や画像の表示を行う表示制御プログラム等が記憶されている。
また、メモリ92には、流体の速度Vと時間差Δtとの関係を示すデータや、流体の速度Vと温度上昇のピーク値の比との関係を示すデータ、通路11の断面積のデータ等も記憶されている。さらに、制御演算部9には、固定ディスク装置93が設けられている。固定ディスク装置93には、メモリ92にロードするための各種プログラムおよびデータ、時系列に沿った流量の測定データ等が記憶されている。
また、制御演算部9には、文字および画像を表示する表示部7がインターフェース回路94を介して接続されているとともに、操作者がデータ等を入力するための入力部8がインターフェース回路95を介して接続されている。表示部7としてはCRTや液晶表示板等が使用でき、入力部8としてはキーボードやポインティングディバイス等が使用できる。表示部7には、流量の測定データが数値やグラフ等によって表示される。入力部8は、通路11の断面積等の流量の演算に必要なデータの入力に使用される。
さらに、制御演算部9には、現在の時刻データを常に更新して保持する時計回路または時間差の測定が可能なタイマー回路等のクロック回路96が接続されている。このクロック回路96により時間差Δt等が測定できる。また、制御演算部9には、インターフェース回路97を介して駆動検出部6(図1参照)および流量センサ部10が接続されている。駆動検出部6には、流量センサ部10のサーミスタ3への加熱電流を供給する発熱駆動部61やサーミスタ1,2,4,5によって温度を検出する温度検出部62が含まれている。
発熱駆動部61から、サーミスタ3に一定時間ごとにパルス電流を供給し、パルス状の発熱を行わせる。また、サーミスタ1,2,4,5に抵抗値検出用の電流を流して流体の温度を検出する。制御演算部9は、それぞれのサーミスタに対して、流体の温度上昇のピーク値(極大値)と、温度上昇がピーク値を示す時刻を測定する。そして、前述のような温度上昇のピーク値の比と時間差Δtとを求め、それらの測定値から、流量演算プログラム921によって流体の速度Vおよび流量を演算する。このようにして、通路11を通過する流体の流量を一定時間ごとに連続して測定することができる。
流量センサ部10には、温度検出素子としてのサーミスタ1,2,4,5が発熱源であるサーミスタ3に対して対称的に配置されている。すなわち、サーミスタ1〜5が通路11に沿って流れ方向に等間隔に配置されている。このため、流れの方向が図1の矢印方向とは逆になったとしても、サーミスタ1,2,4,5による温度検出結果を使用して流体の流量を演算することができる。また、流体の流れの方向も検出することができる。したがって、流れ方向が一時的に逆方向となる流れ(例えば、脈動のある流れ)でも、順方向流量と逆方向流量を方向を考慮して積算することにより、総合的な吐出流量を測定することができる。
なお、脈動のある流れにおいて流量を正確に測定するためには、発熱源および温度検出素子としてのサーミスタ1〜5の流れ方向の間隔が一定ピッチ以下である必要がある。例えば、通路11の断面が500μm×36μmの長方形形状の場合、1周期で吐出される体積が0.1μLの脈動流を正確に測定するためにはサーミスタ1〜5の流れ方向のピッチを1.85mm以下とする必要がある。ただし、これは流量測定のサンプリング周波数を脈動周波数の10倍とした場合のピッチの数値例である。さらに小さい1周期吐出体積の脈動流を測定する場合には、その体積に比例したさらに小さいピッチ以下に配置する必要がある。
さらに、流量センサ部10のサーミスタ1〜5は、全て同等の素子であるので、どのサーミスタも発熱源として使用することができ、また、どのサーミスタも温度検出素子として使用することができる。したがって、場合によっては、中央位置でないサーミスタを発熱源として測定することも可能である。このため、測定条件に応じて種々の設定変更を行うことができ、自由度の高い流量測定を行うことが可能となる。
なお、流量センサ部としては、上記の構成以外のものでもよい。すなわち、温度検出素子が発熱源に対して対称的に配置されていなくてもよいし、等間隔に配置されていなくてもよい。また、発熱源および温度検出素子が全て同等の素子でなくてもよい。
図7は、流量演算プログラム921および測定制御プログラム922の処理内容を示すフローチャートである。なお、図7では測定動作の全体の見通しをよくするために、これらのプログラムの処理内容を合わせて、1つのフローチャートで表示している。
測定動作を開始すると、まず、手順100において加熱前の流体の温度をサーミスタ1,2,4,5により検出する。すなわち、サーミスタ1,2,4,5に抵抗値検出用の電流を流して、それぞれの抵抗値によりそれぞれの位置における流体の温度を検出する。次に、手順101において発熱駆動部61からサーミスタ3へパルス状の加熱電流を供給し、サーミスタ3にパルス状の発熱を行わせる。次に、手順102では、サーミスタ1,2,4,5に抵抗値検出用の電流を流して、それぞれの位置における流体の温度上昇を検出する。次に、手順103では、発熱源(サーミスタ3)の上流側および下流側にあるサーミスタ2,4における温度上昇のピーク値を検出し、これらのピーク値の比を求める。
次に、手順104では、サーミスタ4,5において温度上昇がピーク値となったときの時刻を求め、前述の時間差Δtを求める。次に、手順105では、その時間差Δtが、予め設定してある設定値よりも小さいか否かを判断する。時間差Δtが設定値よりも小さい場合には、手順107に進み、時間差Δtから流体の流量を演算する。流量の演算は、図3に示すような時間差と流量との関係を記憶しておき、この関係により時間差の測定値に対応する流量を求めればよい。
手順105において、時間差Δtが設定値以上の場合には、手順106に進み、温度上昇のピーク値の比から流体の流量を演算する。流量の演算は、図4に示すような温度上昇のピーク値の比と流量との関係を記憶しておき、この関係により温度上昇のピーク値の比の測定値に対応する流量を求めればよい。
手順105における設定値は、流量の演算方法として2つの演算方法のどちらを適用するかを切り換えるために予め設定しておくものである。すなわち、流量が例えば5[μL/min]以下というような極微少流量の領域では、時間差Δtから流量を演算する方法は誤差が大きくなるため使用しない。このような極微少流量の領域では、温度上昇のピーク値の比から流体の流量を演算する方法を使用する。
この設定値は、図3に示すような条件の場合、例えば0.3secを設定することができる。図3では時間差0.3secは、流量では約10[μL/min]に対応している。この場合、流量が10[μL/min]以下では温度上昇のピーク値の比から流量を演算し、流量が10[μL/min]より大きい領域では時間差Δtから流量を演算することになる。このようにして、流量の範囲に応じて誤差の少ない最適な演算方法を使用することができる。
手順106または手順107で流量の演算を行った後は、手順108で演算結果の出力を行う。すなわち、表示部7に流量の演算結果を数値やグラフ等によって表示する。以上のようにして、1回の測定動作を終了する。このような、測定動作を一定時間ごとに繰り返して行う。
なお、図7のフローチャートでは、流量が10[μL/min]以下では温度上昇のピーク値の比から流量を演算し、流量が10[μL/min]より大きい領域では時間差Δtから流量を演算しているが、必ずしもこれに限定されることはない。それぞれの演算方法を適切な領域で使用すればよい。
また、時間差Δtから流量を演算することは、流量がある程度以上に大きくなると、時間差Δtの値そのものが小さくなってしまうので、それによって測定精度が低下する。例えば、図3において、流量が25[μL/min]程度に大きくなると、ピーク時間差の値が小さくなり過ぎて高精度に測定することが困難になる。なお、この測定可能な流量の上限値はサーミスタ間の間隔に依存する。図3の測定例はサーミスタ間隔が0.5mmの場合である。
これに対して、ピーク値の比から流量を演算した場合、100[μL/min]でも測定可能であることが確認されている。したがって、流量が20[μL/min]程度以上では、むしろ、ピーク値の比から流量を演算することが好ましい。このように、それぞれの演算方法を適切な領域で組み合わせて使用することにより、測定可能な流量範囲が大きくなり、測定精度も向上させることができる。
図8は、サーミスタ3に印加する発熱駆動パルスの波形の変形例を示す図である。発熱源であるサーミスタ3には、図8(a)に示す矩形波パルスの他、図8(b)〜(e)に示すような種々の波形の発熱駆動パルスを印加してもよく、また、これ以外の任意の波形の発熱駆動パルスを印加してもよい。図8(b)は三角波の発熱駆動パルスであり、駆動電流の立ち上がり部分と立ち下がり部分の傾斜がほぼ等しい。
図8(c)は台形波の発熱駆動パルスであり、駆動電流の立ち上がり部分と立ち下がり部分の傾斜がほぼ等しい。図8(d)は変形台形波の発熱駆動パルスであり、駆動電流の立ち上がり部分の傾斜が立ち下がり部分の傾斜よりも緩やかになっている。図8(e)は曲線山形波形の発熱駆動パルスであり、駆動電流は滑らかな曲線状に変化する。
図8(b)〜(e)に示す波形では、図8(a)の矩形波パルスよりも駆動電流の立ち上がり傾斜が緩やかであり、発熱源の素子に与える駆動開始時の電気的衝撃が小さくなる。このため、発熱源素子の寿命を延長することができる。また、パルス幅は短い方が測定周期を短縮できる。したがって、図8(d)に示すような、立ち上がり部分の傾斜が立ち下がり部分の傾斜よりも緩やかな変形台形波や、それと同様の傾斜の変形三角波等が好ましい。
なお、発熱駆動パルスの立ち上がり部分の傾斜は、発熱源素子に与える負荷や測定周期を考慮して最適な傾斜の値を設定することが望ましい。また、図8では、発熱駆動パルスを駆動電流の波形によって示したが、駆動電圧の波形でも同様である。
以上のように、本発明の流量測定方法および装置によれば、流体にパルス状の加熱を行い、通路上の2点における流体の温度上昇のピーク値の比から流量を演算するようにしたので、極微少流量の領域でも高精度に流量の測定を行うことができる。例えば、1日当たり1mLというような極めて微少流量の測定も正確に行うことができる。さらに、流体にパルス状の加熱を行い、流体の下流側で温度が極大値となる時刻の時間差を測定するので、流体の速度が微小であっても正確に測定することができ、微少量の流量も正確に測定することができる。
流体に対する加熱は、パルス状の発熱であるため流体に対して熱影響が小さく、流体を熱によって変質させることがない。また、流量測定のための消費電力を低減させることができ、電池駆動の機器においても電池を電源として長時間の流量測定を行うことが可能となる。また、流体を加熱してから熱的な定常状態に達するまで待つことなく流量の測定を行うことができるため、流体の流量をリアルタイムで高精度に測定することができる。このため、体内埋込型の人工臓器における注入薬剤等の流量モニタとして使用することも可能である。
この他にも、本発明は、携帯型の人工臓器、可搬型の薬液注入機器、携帯型の燃料電池、一般水道用機器、燃焼機器の燃料モニタ等の種々広範囲における流体の流量測定に適用することができる。また、本発明は特に微少流量に適するものであるが、微少流量ではない流量測定にも当然適用することができる。なお、測定流路の流量が大きい場合には、流量が小さいバイパス流路を設けてそのバイパス流路における流量を測定し、全体の流量をモニタすることができる。
なお、以上の実施の形態においては、発熱源としてサーミスタを使用しているが、発熱源としては、通常の発熱用抵抗体を使用することもでき、抵抗体以外の発熱素子(例えば、ペルチェ効果を利用した発熱素子)を使用することもできる。また、この実施の形態では発熱素子からの熱伝導により流体を加熱しているが、赤外線等の輻射線による輻射熱によって流体を加熱してもよい。
また、温度検出素子としても、サーミスタ以外の測温抵抗体、熱電対素子、サーモパイル等を使用することができる。サーミスタの場合は温度感度が高い点が有利であり、測温抵抗体の場合は製造が容易である。サーミスタとしては、複数の金属酸化物の混合体からなるもの以外にも、単体の金属酸化物からなるもの等も利用できる。また、温度検出素子としては、シリコン単結晶等の温度感度を有する全てのものが利用可能である。
また、通路上の2点における流体の温度上昇のピーク値の比と流体の流量との関係は、図4に示すような検量線として表される。この検量線は、測定原理上、加熱前の流体の温度、通路周囲の環境温度(通路部材の温度、周囲の気温等)の影響を受けにくく、高精度の流量測定が可能である。しかし厳密には、本発明における検量線も上記のような流体温度、環境温度等の影響を受けて僅かに変化する。この検量線の変化は、検量線の曲線を表す数式の各係数の変化として現れる。
流量測定の各周期の直前に流体温度、環境温度を測定し、それらの温度に適合する検量線を使用するようにして、流体温度、環境温度の影響を排除し流量測定の精度をさらに向上させることができる。具体的には、予め、種々の流体温度、環境温度に対する検量線(数式の各係数)を実測し記憶しておき、測定直前の温度にしたがって適切な係数を使用するようにする。または、各温度に対する流量の補正量を記憶しておき、測定直前の温度に対応する補正量を加算するようにしてもよい。
なお、測定直前の流体温度の測定には、本発明の温度検出素子をそのまま利用することができる。測定直前の環境温度の測定には、そのための気温センサ等を追加して設け、そのセンサを利用することができる。
また、本発明における検量線は、上記の流体温度、環境温度以外に、周囲からの輻射熱の影響を僅かに受ける。このため、周囲からの輻射線を遮断することにより測定精度を向上させることができる。または、輻射熱の影響を予め実測しておき、上記の温度による補正と同様に測定時に輻射熱の影響を補正するようにしてもよい。
また、通路上の2点における流体の温度上昇のピーク値の比から流量を演算するようにしているが、2点における温度上昇のピーク値の差をとるようにしてもそのピーク値の差から流量を演算することができる。さらに、2点における温度上昇のピーク値にその他の演算を施して、流量と対応関係のある量を求めるようにしてもよい。
また、流量の演算方法を切り換えるために、時間差Δtを設定値と比較して切り換えるようにしているが、温度上昇のピーク値の比等によって切り換えるようにしてもよい。流量の大小を示す測定値であれば、その測定値によって流量の演算方法を切り換えることができる。
また、流量の大小に応じて流量の演算方法を切り換えるようにしているが、演算方法を切り換えることなく基本的に温度上昇のピーク値の比から流量を演算するようにしてもよい。その場合、流体の温度や外部環境の温度等の影響を受けるおそれがあるので、それらの影響を排除するために時間差Δtから流量を演算した結果を利用してキャリブレーションを行うことができる。時間差Δtは流体の温度や外部環境の温度等の影響を受けにくいからである。例えば、一定の時間周期で時間差Δtから流量を演算し、その演算結果と一致するようにピーク値の比と流量との間の関係を示す関数の諸定数等を変更することにより、キャリブレーションを行うことができる。
なお、このようなキャリブレーションは、できれば時間差Δtによる流量の演算結果が高精度に求まる流量の範囲で行うことが好ましい。例えば、図3の測定例(サーミスタ間隔が0.5mm)の場合は、流量が10〜20[μL/min]の範囲で、時間差Δtから流量を高精度に演算することができる。したがって、この流量範囲の流体を流した状態で、時間差Δtから流量を演算し、その演算結果と一致するようにピーク値の比と流量との間の関係を示す関数の諸定数等を変更すればよい。
このようなキャリブレーションにより、流体の温度や外部環境の温度等の影響を排除することができる。それに加えて、流体の比熱、粘度等による影響も排除することができる。さらに、各サーミスタの流体側の表面に電気絶縁膜が形成されている場合は、その電気絶縁膜の影響も排除することができる。なお、このようなキャリブレーションを行った場合は、本発明により測定される流量は体積流量となる。
なお、以上に開示された実施の形態およびその変形例は単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。
本発明により、発熱源と温度検出素子を使用して正確に流体の流量を測定することができ、流体の流速が極めて遅い場合のような微少量の流量もリアルタイムで高精度に測定することができる。このため、本発明を体内埋込型の人工臓器における注入薬剤等の流量モニタを初めとして、携帯型の人工臓器、可搬型の薬液注入機器、携帯型の燃料電池、一般水道用機器、燃焼機器の燃料モニタ等の種々広範囲における流体の流量測定に適用することができる。
本発明の流量測定装置の全体構成を示す図である。 流量センサ部の駆動電流波形および検出温度波形を示す図である。 流量センサ部により温度上昇ピーク値の時間差を測定した結果を示す図である。 流量センサ部により温度上昇ピーク値の比を測定した結果を示す図である。 本発明の流量測定装置の流量測定時の状態を示す図である。 流量演算部の構成を示すブロック図である。 流量演算プログラムおよび測定制御プログラムの処理内容を示すフローチャートである。 発熱源に印加する発熱駆動パルスの波形の変形例を示す図である。
符号の説明
1〜5…サーミスタ
6…駆動検出部
7…表示部
8…入力部
9…制御演算部
10…流量センサ部
11…通路
12…流通路
61…発熱駆動部
62…温度検出部
90…CPU
91…バス
92…メモリ
93…固定ディスク装置
96…クロック回路
97…インターフェース回路

Claims (12)

  1. 発熱源(3)と、前記発熱源(3)に対して上流側に配置された第1の温度検出素子(2)と、前記発熱源(3)に対して下流側に配置された第2の温度検出素子(4)とを備えた流体の通路(11)における流量測定方法であって、
    前記発熱源(3)を発熱駆動パルスによりパルス状に発熱させる手順と、
    前記第1の温度検出素子(2)によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、
    前記第2の温度検出素子(4)によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、
    前記第1の温度検出素子(2)によって検出した温度上昇の極大値である第1のピーク値と、前記第2の温度検出素子(4)によって検出した温度上昇の極大値である第2のピーク値とにより流体の流量を求める第1の流量演算手順と
    前記発熱駆動パルスの印加時刻と前記第2のピーク値を検出した時刻との時間差により流体の流量を求める第2の流量演算手順と、
    前記第1の流量演算手順および前記第2の流量演算手順を使用して測定結果としての流量を求める手順とを有し、
    前記測定結果としての流量を求める手順は、前記第1の流量演算手順と前記第2の流量演算手順を流量の範囲に応じて切り換えて適用するものであり、
    前記第1の流量演算手順と前記第2の流量演算手順のそれぞれの適用範囲は、前記第1の流量演算手順の適用範囲の方が、前記第2の流量演算手順の適用範囲に比較して、流量の小さい範囲である流量測定方法。
  2. 発熱源(3)と、前記発熱源(3)に対して上流側に配置された第1の温度検出素子(2)と、前記発熱源(3)に対して下流側に配置された第2の温度検出素子(4)および第3の温度検出素子(5)とを備えた流体の通路(11)における流量測定方法であって、
    前記発熱源(3)を発熱駆動パルスによりパルス状に発熱させる手順と、
    前記第1の温度検出素子(2)によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、
    前記第2の温度検出素子(4)によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、
    前記第3の温度検出素子(5)によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、
    前記第1の温度検出素子(2)によって検出した温度上昇の極大値である第1のピーク値と、前記第2の温度検出素子(4)によって検出した温度上昇の極大値である第2のピーク値とにより流体の流量を求める第1の流量演算手順と、
    前記第2のピーク値を検出した時刻と、前記第3の温度検出素子(5)によって検出した温度上昇の極大値である前記第3のピーク値を検出した時刻との時間差により流体の流量を求める第2の流量演算手順と、
    前記第1の流量演算手順および前記第2の流量演算手順を使用して測定結果としての流量を求める手順とを有し、
    前記測定結果としての流量を求める手順は、前記第1の流量演算手順と前記第2の流量演算手順を流量の範囲に応じて切り換えて適用するものであり、
    前記第1の流量演算手順と前記第2の流量演算手順のそれぞれの適用範囲は、前記第1の流量演算手順の適用範囲の方が、前記第2の流量演算手順の適用範囲に比較して、流量の小さい範囲である流量測定方法。
  3. 請求項1,2のいずれか1項に記載した流量測定方法であって、
    前記第1の流量演算手順は、前記第1のピーク値と前記第2のピーク値との比により流体の流量を求めるものである流量測定方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載した流量測定方法であって、
    前記第1の温度検出素子(2)および前記第2の温度検出素子(4)は、前記通路(11)の流れ方向において前記発熱源(3)から等距離の位置に配置されたものである流量測定方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載した流量測定方法であって、
    前記発熱駆動パルスは、立ち上がり部分の傾斜が立ち下がり部分の傾斜より緩やかな波形である流量測定方法。
  6. 流体が流通可能な通路(11)と、
    前記通路(11)の近傍に配置された発熱源(3)と、
    前記発熱源(3)よりも上流側の前記通路(11)の近傍に配置された第1の温度検出素子(2)と、
    前記発熱源(3)よりも下流側の前記通路(11)の近傍に配置された第2の温度検出素子(4)と、
    前記発熱源(3)をパルス状に発熱させるとともに、前記第1の温度検出素子(2)および前記第2の温度検出素子(4)によって流体の温度を検出し、流体の温度変化に関する情報により前記通路(11)を流れる流体の流量を求める制御演算部(9)とを有し、
    前記制御演算部(9)は、
    前記発熱源(3)を発熱駆動パルスによりパルス状に発熱させる手順と、
    前記第1の温度検出素子(2)によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、
    前記第2の温度検出素子(4)によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、
    前記第1の温度検出素子(2)によって検出した温度上昇の極大値である第1のピーク値と、前記第2の温度検出素子(4)によって検出した温度上昇の極大値である第2のピーク値とにより流体の流量を求める第1の流量演算手順と
    前記発熱駆動パルスの印加時刻と前記第2のピーク値を検出した時刻との時間差により流体の流量を求める第2の流量演算手順と、
    前記第1の流量演算手順および前記第2の流量演算手順を使用して測定結果としての流量を求める手順とを実行するものであり、
    前記測定結果としての流量を求める手順は、前記第1の流量演算手順と前記第2の流量演算手順を流量の範囲に応じて切り換えて適用するものであり、
    前記第1の流量演算手順と前記第2の流量演算手順のそれぞれの適用範囲は、前記第1の流量演算手順の適用範囲の方が、前記第2の流量演算手順の適用範囲に比較して、流量の小さい範囲である流量測定装置。
  7. 流体が流通可能な通路(11)と、
    前記通路(11)の近傍に配置された発熱源(3)と、
    前記発熱源(3)よりも上流側の前記通路(11)の近傍に配置された第1の温度検出素子(2)と、
    前記発熱源(3)よりも下流側の前記通路(11)の近傍に配置された第2の温度検出素子(4)と、
    前記発熱源(3)よりも下流側の前記通路(11)の近傍に配置された第3の温度検出素子(5)と、
    前記発熱源(3)をパルス状に発熱させるとともに、前記第1の温度検出素子(2)、前記第2の温度検出素子(4)および前記第3の温度検出素子(5)によって流体の温度を検出し、流体の温度変化に関する情報により前記通路(11)を流れる流体の流量を求める制御演算部(9)とを有し、
    前記制御演算部(9)は、
    前記発熱源(3)を発熱駆動パルスによりパルス状に発熱させる手順と、
    前記第1の温度検出素子(2)によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、
    前記第2の温度検出素子(4)によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、
    前記第3の温度検出素子(5)によって、前記発熱駆動パルスによる流体の温度上昇を検出する手順と、
    前記第1の温度検出素子(2)によって検出した温度上昇の極大値である第1のピーク値と、前記第2の温度検出素子(4)によって検出した温度上昇の極大値である第2のピーク値とにより流体の流量を求める第1の流量演算手順と、
    前記第2のピーク値を検出した時刻と、前記第3の温度検出素子(5)によって検出した温度上昇の極大値である第3のピーク値を検出した時刻との時間差により流体の流量を求める第2の流量演算手順と、
    前記第1の流量演算手順および前記第2の流量演算手順を使用して測定結果としての流量を求める手順とを実行するものであり、
    前記測定結果としての流量を求める手順は、前記第1の流量演算手順と前記第2の流量演算手順を流量の範囲に応じて切り換えて適用するものであり、
    前記第1の流量演算手順と前記第2の流量演算手順のそれぞれの適用範囲は、前記第1の流量演算手順の適用範囲の方が、前記第2の流量演算手順の適用範囲に比較して、流量の小さい範囲である流量測定装置。
  8. 請求項6,7のいずれか1項に記載した流量測定装置であって、
    前記第1の流量演算手順は、前記第1のピーク値と前記第2のピーク値との比により流体の流量を求めるものである流量測定装置。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載した流量測定装置であって、
    前記第1の温度検出素子(2)および前記第2の温度検出素子(4)は、前記通路(11)の流れ方向において前記発熱源(3)から等距離の位置に配置されたものである流量測定装置。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項に記載した流量測定装置であって、
    前記通路(11)の近傍には、前記発熱源(3)に対して上流側に2個の温度検出素子が配置され、前記発熱源(3)に対して下流側に2個の温度検出素子が配置されている流量測定装置。
  11. 請求項10に記載した流量測定装置であって、
    4個の前記温度検出素子は、前記通路(11)の流体の流れ方向において、前記発熱源(3)に対して対称な位置に配置されている流量測定装置。
  12. 請求項6〜11のいずれか1項に記載した流量測定装置であって、
    前記発熱駆動パルスは、立ち上がり部分の傾斜が立ち下がり部分の傾斜より緩やかな波形である流量測定装置。
JP2004157463A 2003-05-27 2004-05-27 流量測定方法および装置 Expired - Fee Related JP4293941B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004157463A JP4293941B2 (ja) 2003-05-27 2004-05-27 流量測定方法および装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003149174 2003-05-27
JP2004157463A JP4293941B2 (ja) 2003-05-27 2004-05-27 流量測定方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005010153A JP2005010153A (ja) 2005-01-13
JP4293941B2 true JP4293941B2 (ja) 2009-07-08

Family

ID=34106673

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004157463A Expired - Fee Related JP4293941B2 (ja) 2003-05-27 2004-05-27 流量測定方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4293941B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4987548B2 (ja) * 2006-04-17 2012-07-25 矢崎総業株式会社 流量計
JP5575359B2 (ja) * 2007-07-05 2014-08-20 横河電機株式会社 熱式流量計
JP2009109285A (ja) * 2007-10-29 2009-05-21 Yokogawa Electric Corp 熱式流量計
JP5354438B2 (ja) * 2007-10-29 2013-11-27 横河電機株式会社 熱式流量計
JP6206268B2 (ja) * 2014-03-14 2017-10-04 株式会社デンソー 流量センサおよびその製造方法
US10052441B2 (en) * 2016-08-02 2018-08-21 Becton, Dickinson And Company System and method for measuring delivered dose

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005010153A (ja) 2005-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5209232B2 (ja) 熱式流量計
JP4316083B2 (ja) 流体判別機能を有する熱式流量計
US7856874B2 (en) Apparatus and method for measuring a fluid flow-rate within a capillary
CN109506730B (zh) 热式流量计
US7007549B2 (en) AC type flowmeter and method of mapping flow rate data for the same
KR20070053645A (ko) 유체 계측 장치 및 유체 계측 방법
JP4293941B2 (ja) 流量測定方法および装置
US7908931B1 (en) Non invasive flow rate measuring system and method
Lammerink et al. A new class of thermal flow sensors using/spl Delta/T= 0 as a control signal
Lee et al. Sensitive and reliable thermal micro-flow sensor for a drug infusion system
JP4293940B2 (ja) 流量測定方法および装置
GB2287792A (en) Method and devices for measurement of flow speed using continuous oscillations in a thermal wave
US5477734A (en) Pyroelectric swirl measurement
Semenov et al. Liquid and gas optical flowmeter model development
Al-Salaymeh et al. Bi-directional flow sensor with a wide dynamic range for medical applications
JP2004184177A (ja) 流量計
JP2010117159A (ja) 微少流量計及び微少流量測定方法
JP4955159B2 (ja) 流量測定方法および装置
JP3640334B2 (ja) 流量計およびガスメータ
JP3193241B2 (ja) 計測装置
Aleksic et al. Heat loss flowmeter for water based on thick film thermistors in power save regime
JP3540279B2 (ja) 流量計
Chung et al. Tunable AC thermal anemometry
JP2011237200A (ja) 流量計及び流量測定方法
JPH04115125A (ja) 熱流量センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060629

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090407

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090407

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120417

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150417

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees