JP4293373B2 - 遠赤外線乾燥システム、およびドラム型乾燥機、ならびに布団乾燥施設とそれを用いた布団遠赤外線乾燥方法 - Google Patents

遠赤外線乾燥システム、およびドラム型乾燥機、ならびに布団乾燥施設とそれを用いた布団遠赤外線乾燥方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4293373B2
JP4293373B2 JP2005368889A JP2005368889A JP4293373B2 JP 4293373 B2 JP4293373 B2 JP 4293373B2 JP 2005368889 A JP2005368889 A JP 2005368889A JP 2005368889 A JP2005368889 A JP 2005368889A JP 4293373 B2 JP4293373 B2 JP 4293373B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drying
futon
drying chamber
air
finishing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005368889A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007170743A (ja
Inventor
野 寺 正 治 小
Original Assignee
株式会社小野寺ドライクリーニング工場
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社小野寺ドライクリーニング工場 filed Critical 株式会社小野寺ドライクリーニング工場
Priority to JP2005368889A priority Critical patent/JP4293373B2/ja
Publication of JP2007170743A publication Critical patent/JP2007170743A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4293373B2 publication Critical patent/JP4293373B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Detail Structures Of Washing Machines And Dryers (AREA)
  • Control Of Washing Machine And Dryer (AREA)
  • Accessory Of Washing/Drying Machine, Commercial Washing/Drying Machine, Other Washing/Drying Machine (AREA)
  • Drying Of Solid Materials (AREA)

Description

この発明は、衣類や寝具類等の洗浄後における乾燥技術に関連するあらゆる分野をその技術分野とするものであり、特に乾燥効率を高める乾燥システムを施設する分野は勿論のこと、その製造および設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
病院や各種養護施設、宿泊施設、保養施設等で使用済みとなる大量の布団は、経済的な豊かさだけではなく、衛生上の観点や国民的な衛生観念の昂揚も手伝って、一度特定人に使用済みのものは、直ぐさま専門の業者によるクリーニングに廻されてきれいに消毒された上、再び使用されるというのが一般的な取扱いとなっているだけではなく、マンション等に暮らす人を中心にした都市部に位置する一般家庭において使用する布団にあっても個々の家庭において布団を干せる環境が益々失われてきていると共に、核家族化に夫婦共働きという家庭環境の人達が増えていることも要因になって、最近では、専門の業者によるクリーニングを利用する傾向が強く、そうした傾向を受けて、従前までの所謂布団専門業者に加え、衣服等を中心に取り扱ってきたクリーニング業界でもその対策を迫られることになり、一般の洗濯物とはボリュームだけではなく構造を全く異にして、特にその乾燥を短時間に効率良く実施する手段の開発が急務となっている。
(従来の技術)
このような状況下に置かれている現状の専門業者や一般のクリーニング業界における業務用布団乾燥機は、その代表的なものとして、例えば、特開2000−157795号公報に開示された、箱型の乾燥室内に布団、マットレス等の寝具類を静止状態で収容して乾燥可能とし、乾燥室内に乾燥風を供給する乾燥風供給手段と、寝具類の通気性を利用して乾燥風を通過させ、乾燥できるよう支持する寝具類用の支持手段とを有する「寝具類乾燥機」発明があり、また、特開2001−239095号公報に記載のある「布団乾燥機」発明のように、内部に乾燥室を形成した機体の上部にガスバーナーを設け、乾燥室内に送風ダクトを配し、内底部に熱風吹出ダクトを設け、ガスバーナーからの熱風を乾燥室に送る送風装置と、排熱風を乾燥室外に排出する排気ファンとを設け、乾燥室内の排気熱風を強制的に排出しつつガスバーナーで生成された熱風を乾燥室内に送給するようにしたもの等といった具合に、室内設置型のものが既に多数開発されている。
しかしながら、このような一般的な業務用布団乾燥機は、その本体が箱形に形成された上、室内に個別に設置、利用するものとして開発、製造されていることから、移動や設置が容易であるという利点を有する一方で、従来型の構造のままでは、乾燥処理に要する時間の短縮や、乾燥の為の光熱費の削減等の改善が困難な上、掛・敷布団や枕、シーツおよび枕カバー等の寝具類に付着した汗やその臭い、あるいはペット臭の染みついたクッションや絨毯等、様々な洗浄処理対象物を一度、洗浄および乾燥処理しただけでは、多くの場合に臭い残りがあり、このような場合には複数回に渡って洗浄、乾燥処理を繰り返して対処する必要があり、クリーニング作業を繁雑にし、経費の削減が出来ない上、それでも臭いが取れなかった場合には、詫び状を添えてお客様にお渡しするしか、方策がないという欠点があり、早急な改善が待望されているというのが実情であった。
(1)特開2000−157795号公報 (2)特開2001−239095号公報
(問題意識)
この発明は、以上のように、従来型の業務用布団乾燥機を用いて大量の寝具類等を乾燥、処理した場合に、布団類やクッション、ぬいぐるみ等の比較的肉厚な洗浄、乾燥処理対象物に臭い残りが発生し易く、乾燥仕上がりの段階で臭い残りが認められた物品は、再度の乾燥処理、あるいは再度洗浄ならびに乾燥処理を行わなければならず、作業負担の拡大と経費の増大とを招き、採算が取れなくなってしまうという弱点があったにも拘わらず、そのような重要な課題をこれまで長期に渡って放置したままにしてきたという事情に疑問を抱くことになった。
(発明の目的)
上記実情に鑑み、本願出願人は、大量の布団をはじめとする寝具類や、それらと同様の問題を抱える厚手の衣類やぬいぐるみといった乾燥処理対象物を迅速且つ経済的に乾燥、処理可能にすると共に、消臭、殺菌効果を高めた乾燥技術を実現することはできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の遠赤外線乾燥システム、および新規な構造のドラム型乾燥機、ならびに新規な構造の布団乾燥施設とそれを用いた新規な構成からなる布団遠赤外線乾燥方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する幾つかの実施例と共に、その構成について詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する幾つかの実施例からも明確に理解されるように、この発明の遠赤外線乾燥システムは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、給気口と排気口とを夫々適所に形成した乾燥室を有し、該乾燥室給気口に臨ませた給気管路中に、給気を加熱可能であって、その風上側か風下側かの何れか一方もしくは双方に育成波を発生可能な育成波素子の組み合わされた熱交換器を設け、給気口側もしくは排気口側の少なくとも何れか一方に、外気を乾燥室内に強制的に給気および排気可能とする送風装置を配してなるものとした構成を要旨とする遠赤外線乾燥システムである。
この基本的な構成からなる遠赤外線乾燥システムを、より具体的に示すと、給気口と排気口とを夫々適所に形成した乾燥室を有し、該乾燥室給気口に臨ませた給気管路中に、風上側から風下側に向け、外気を強制的に給気可能な送風装置、および給気を加熱可能な熱交換器を順次配してなり、該熱交換器には、その風上側か風下側かの何れか一方もしくは双方の通気範囲に渡って略均等に分布するよう配置され、波長8ないし14μmの遠赤外線を常温でも90%以上の放射率が達成可能なセラミックス製素子群を組み合わせてなるものとした構成からなる遠赤外線乾燥システムとなる。
(関連する発明1)
この発明の基本をなす上述の遠赤外線乾燥システムによるより具体的な装置として示すと、以下のようになる。
即ち、外壁面の適所に給気口と排気口とを夫々形成し、回転型の乾燥用ドラムを内装した乾燥室を有し、該乾燥室給気口に臨ませた給気管路中に、風上側から風下側に向け、空気浄化用フィルター、および給気を加熱可能な熱交換器を順次配してなり、該熱交換器には、その風上側か風下側かの何れか一方もしくは双方の通気範囲に渡って略均等に分布するよう配置され、波長8ないし14μmの遠赤外線を、常温でも90%以上の放射率が達成可能なセラミックス製素子群を組み合わせ、給気口側もしくは排気口側の少なくとも何れか一方に、外気を乾燥室内に強制的に給気および排気可能とする送風装置を配してなるものとしたドラム型乾燥機とすることが可能である。
(関連する発明2)
更に、この発明には、上述した基本的な構成による遠赤外線乾燥システムを利用し、前記関連する発明1のドラム型乾燥機よりも更に規模を大きくした施設とするようにしたものを包含している。
それは、床面下に所定深さの送風空間を形成した乾燥室を有し、該乾燥室送風空間内には、適宜配置で一部が乾燥室内へ臨む配置となり、上下側面の何れか一方もしくは双方の通気範囲に渡って略均等に分布するよう配置され、波長8ないし14μmの遠赤外線を常温でも90%以上の放射率が達成可能なセラミックス製素子群の組み合わされた送風加熱用の熱交換器を複数列配置した上、乾燥室内へ臨む配置とした熱交換器の上方には、夫々所定高さ位置に布団を鞍掛け状に跨ぎ掛け可能にし、且つ各熱交換器上を包囲するようにして床面上に自立可能とするようにした骨格体からなる鞍掛け馬を配すると共に、当該乾燥室外適所に設置した熱源装置からは各々の熱交換器に熱源エネルギーを供給可能にする一方、同乾燥室の一側に配した送風装置によって外気を前記送風空間に強制供給可能にした上、当該乾燥室に設けた排気口からは同乾燥室内の空気を室外に放出可能にしてなるものとした構成による布団乾燥施設である。
これをより具体的なものとして示すならば、床面下に所定深さの送風空間を形成した仕上げ乾燥室と、該仕上げ乾燥室に隣接し、床面近傍の通気口を通じて通気可能とした仕切り用壁面を形成し、同仕切り用壁面とは反対側となる室内壁面近傍天井に排気空間ならびに排気口を設け、室内に複数本の布団用竿が架設された基礎乾燥室とを有し、当該仕上げ乾燥室送風空間内には、適宜配置で一部が仕上げ乾燥室内へ臨む配置となり、上下側面の何れか一方もしくは双方の通気範囲に渡って略均等に分布するよう配置され、波長8ないし14μmの遠赤外線を常温でも90%以上の放射率が達成可能なセラミックス製素子群を組み合わせてなる送風加熱用の熱交換器を複数列配置した上、同仕上げ乾燥室内へ臨む配置とした熱交換器の上方には、夫々所定高さ位置に布団を鞍掛け状に跨ぎ掛け可能にし、且つ各熱交換器上を包囲するようにして床面上に自立可能とするようにした骨格体からなる鞍掛け馬を配すると共に、当該仕上げ乾燥室外適所に設置した熱源装置からは、各々の熱交換器に熱源エネルギーを供給可能にする一方、同仕上げ乾燥室の一側に配した送風装置によって外気を前記送風空間に強制供給可能にした上、当該基礎乾燥室排気空間に形成した排気口からは、同仕上げ乾燥室から仕切り用壁面通気口を通じて基礎乾燥室内に流入した空気を室外に放出可能にしてなるものとした布団乾燥施設となる。
(関連する発明3)
そして、この発明には、上記布団乾燥施設を利用した布団遠赤外線乾燥方法も包まれている。
即ち、仕上げ乾燥室から通気口を通じて供給され、仕上げ乾燥室内を通過、上昇した上、天井排気空間ならびにその排気口を通じて室外に排気される熱風と遠赤外線とにより、基礎乾燥室内の各布団用竿に吊り下げた布団中の水分が85ないし95%蒸発されるまで連続的に送風乾燥を行なった後、送風を停止して各布団用竿から布団を回収する基礎乾燥工程と、該基礎乾燥工程を終えた布団を仕上げ乾燥室に搬送し、鞍掛け馬の頂部に布団の中央部分を鞍掛け跨り状に被着させた鞍掛け馬の複数台を、仕上げ乾燥室内の床面に臨む夫々の熱交換器上に設置し、熱源装置からの熱源エネルギーを各熱交換器に供給すると共に、送風装置によって送風空間内に強制的に外気を供給することにより、送風空間から各熱交換器、ならびにその上下側面の何れか一方もしくは双方適所に配されたセラミックス製素子群の間隙を通じて加熱された空気、および育成波を仕上げ乾燥室内に流入、放射させ、各熱交換器上に配置された夫々の鞍掛け馬中を通じて鞍掛けされた布団に熱風を吹き上げて通気させると同時に遠赤外線を照射し、布団中の水分を99ないし100%除去するものとし、その乾燥過程に発生する排気が通気口を通じて隣接する基礎乾燥室内に供給されるようにする仕上げ乾燥工程とからなる布団遠赤外線乾燥方法である。
以上のとおり、この発明の遠赤外線乾燥システムによれば、乾燥処理対象物を収容可能な乾燥室の適所夫々に給気口と排気口とを設け、該給気口に臨ませた給気管路中の風上側から風下側に向けて、外気を強制的に給気可能な送風装置、および給気加熱用の熱交換器とを順次配設したものとした上、該熱交換器の風上側か風下側かの何れか一方か、もしくは双方に育成波素子を組み合わせてなるものとしたことにより、乾燥室中に強制的に供給される熱風中に遠赤外線であって、特に水への吸収性に優れた育成光線を照射するものとし、従来型の乾燥システムに比較して衣類や寝具類等の乾燥処理対象物の加熱効率を大幅に高め、乾燥時間の短縮と光熱費の削減とを実現化すると共に、浄化、殺菌、消臭作用を格段に高めた乾燥処理を実現化できるという秀れた特徴が得られるものである。
この遠赤外線乾燥システムにおける熱交換器の風上側か風下側かの何れか一方もしくは双方の通気範囲に渡って略均等に分布するよう配置され、波長8ないし14μmの遠赤外線を常温でも90%以上の放射率が達成可能なセラミックス製素子群を組み合わせるようにしてあることから、乾燥処理対象物を乾燥室中に配置させた段階から、既に十分な量の育成光線が、給気口の略全体から満遍なく照射されるものとなり、さらに送風、加熱を開始したときには乾燥対象物への熱吸収を促進し、乾燥処理をより迅速化するという効果を発揮できる。
このように特徴のある遠赤外線乾燥システムによるドラム型乾燥機では、ドラムの回転機構等に関わらず、給気口の給気管路中に設けた熱交換器に対してセラミックス製素子群を添設して構造の簡素化を達成し、メンテナンス性を確保するだけでなく、乾燥処理時間を大幅に短縮でき、経済的に秀れた乾燥工程を実現化できる上、浄化、殺菌、消臭等のクリーニング性能をも高めることができるという効果が得られるものとなる。
また、当該遠赤外線乾燥システムによる布団乾燥施設では、乾燥室の床面下に設けた送風空間内の適宜配置となる箇所に、一部が乾燥室内に臨むよう熱交換器を複数列配置させ、各熱交換器の上下側面の何れか一方かもしくは双方かの通気範囲に渡って略均等に分布するようセラミックス製素子群を組み合わせ、同乾燥室の一側に配した送風装置によって外気を前記送風空間に強制供給可能にし、さらに当該乾燥室外適所に設置した熱源装置から各熱交換器に熱源エネルギーを供給可能にしてあり、各熱交換器の上方に、骨格体に布団を鞍掛け状に跨ぎ掛けた鞍掛け馬を自立させ、所定高さ位置に掛けられた布団によって各熱交換器上を包囲するようにした上、送風装置によって送風空間中に強制的に供給された空気が各熱交換器を通過して加熱され、布団の厚み方向に通過することとなり、しかも各熱交換器に添設されたセラミックス製素子群から育成光線が照射され、布団の外表面から中心部分に至る全体の水分が活性化されることとなって蒸発を促進されることから、迅速な乾燥処理と高い浄化、殺菌、消臭効果とを得ることができるようになる。
さらに、当該布団乾燥施設の乾燥室を基礎乾燥室と仕上げ乾燥室とに分割形成し、それらを別ける仕切り用壁面の床面近傍に通気口を形成し、床面下に形成した送風空間中に配した複数列の熱交換器の一部が、該仕上げ乾燥室の床面に臨むよう配置され、各熱交換器の上下側面の何れか一方もしくは双方の通気範囲に渡り、セラミックス製素子群を組み合わせたものとすることにより、送風空間を通じて強制的に供給された空気が、熱交換器によって加熱され、仕上げ乾燥室内の各熱交換器上に配された鞍掛け馬に鞍掛け状に跨ぎ掛けられた布団を肉厚方向に通過する熱風と、セラミックス製素子群から照射される育成光線とによって布団の中心部分を含む全体が、効率的に加熱され、高い乾燥状態を得ることができるものとなる上、仕上げ乾燥室に移動する前段階において各布団を基礎乾燥室内の布団用竿に吊り下げて、該仕上げ乾燥室から通気口を通じて供給される熱風を利用して殆どの水分を蒸発させてしまうという基礎乾燥処理を実現可能としていて、迅速な乾燥作業を実現できると共に、光熱費を削減し、仕上げ乾燥処理による高い乾燥状態を確保できるという秀れた効果を発揮するものとなる。
そして、この発明の布団遠赤外線乾燥方法によると、基礎乾燥工程にあっては、隣接する仕上げ乾燥室で同時並行している仕上げ乾燥工程により、発生した育成光線によって活性化された乾燥排気を、仕切り用壁面の通気口を通じて取り込み、基礎乾燥室内に吊り下げられ、大量の水分を含んでいる洗浄後の布団に向けて吹き付けるようにしてあり、仕上げ乾燥工程が終了するまでの間に85ないし95%の水分を蒸発させることが可能となり、この基礎乾燥工程を終えた半乾燥状態の布団を仕上げ乾燥室に移動して行う仕上げ乾燥工程にあっては、送風空間から各熱交換器を通じて加熱された熱風と、セラミックス製素子群から照射される育成光線とによって比較的短時間の中に99ないし100%の水分量まで乾燥され、秀れた乾燥処理効率が得られるものとなり、しかも寝具類のクリーニングに重要とされる浄化、殺菌、消臭等の付加価値が高められるという大きな特徴が得られるものとなる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
乾燥室は、乾燥処理の対象となる物品を収容して室外から不要な加湿がなされないよう隔離し、迅速な湿気の排出を可能とした乾燥処理に適する室内環境を確保、可能とする機能を果たすものであり、通気性や乾燥性能を考慮した箇所の夫々に給気口と排気口とを設けなければならず、ドラム型乾燥機の乾燥室の場合には、後述する実施例にも示すように、乾燥処理対象物を投入、取り出し可能とする開閉扉を設け、開閉扉の閉鎖状態にあっては或程度の密閉性を確保可能とし、内部に乾燥処理対象物を投入可能とする乾燥用ドラムを回転自在に収容、可能とするものとしなければならない。
また、布団乾燥施設の乾燥室の場合には、洗浄後等の水分を多量に含んだ多数の寝具や衣類、日用品等を収容可能であり、収容された多数の布団等を均質且つ効率的に乾燥可能とするよう、ある程度の密閉性を確保可能とする機能を果たすものであり、底面下の適所、望ましくは略全面に渡り、所定深さの送風空間を形成し、しかも床面には、送風空間からの空気を通過可能とする熱交換器を複数列配置しなければならず、天井や側壁面等の適所には少なくとも一個の排気口を形成すべきであり、隣接する適所には、乾燥室床面に臨む各熱交換器上に配置される鞍掛け馬を移動して専ら各鞍掛け馬に係わる作業を実施可能とする作業室を併設したものとするのが望ましく、専用の建築物内に外の施設とは別に独立して設置されたものとすることができる外、工場や住居等の建築施設内の一部区画を専用利用して形成されたものとすることも可能であるが、湿度の高い排気や、熱源装置や熱交換器から放出される熱や騒音等が、近隣の他の施設に悪影響を及ぼさないよう配慮した設置となるようにするのが望ましい。
布団乾燥施設の乾燥室にあっては、後述する実施例のように、さらに基礎乾燥室と仕上げ乾燥室とに分割したものとすることが可能であり、基礎乾燥室は、仕上げ乾燥室に供給されて布団を仕上げ乾燥処理する過程に排出される熱風を室内に取り込み、洗浄後の水分を多量に含んだ布団類の補助的乾燥を促進させる機能を果たすものであり、洗浄後の布団類を適宜高さ位置に吊り下げ支持可能とする複数本の布団用竿を、作業性および通気性を確保できる程度の間隔を隔てて架設し、仕上げ乾燥室との間に設けられた仕切り用壁面の床面付近に、仕上げ乾燥室から放出される熱風を取り込み可能とする通気口を開口し、これら通気口とは反対側となる壁面の天井寄りとなる箇所付近に、排気空間と、それに続く排気口とを形成し、熱風が基礎乾燥室内の床面側から天井側に向けてムラ無く均質に上昇、移動して各布団を乾燥へと導かれるよう形成したものとするのが望ましい。
また、仕上げ乾燥室は、基礎乾燥室に収容されて或程度の乾燥状態とした寝具類を収容し、床面付近から室内に向けて加熱された外気を強制的に供給すると共に、育成光線を照射して布団類を仕上げ乾燥処理する機能を果たすものであり、布団を所定高さ位置に鞍掛け状に跨ぎ掛け可能にし、床面上に自立可能とするようにした骨格体からなる鞍掛け馬を移動自在に配したものとしなければならず、床面下に所定深さの送風空間を形成し、該送風空間内には、適宜配置で一部が仕上げ乾燥室内へ臨む配置となり、上下側面の何れか一方もしくは双方の通気範囲に渡って略均等に分布するよう配置され、波長8ないし14μmの育成光線を常温でも90%以上の放射率が達成可能になるセラミックス製素子群の組み合わされてなる熱交換器を複数列配置したものとすべきであり、隣接する基礎乾燥室との間には、床面近傍の通気口を通じて通気可能とした仕切り用壁面を形成し、仕上げ乾燥処理で排出される熱風を、これら通気口を通じて基礎乾燥室に供給するように形成するのが望ましい。
送風空間は、その内部に外気を取り込み、同空間内に配置された熱交換器を通過するようにし、乾燥室(仕上げ乾燥室)内へ強制的に誘導して送り込み、当該乾燥室床(仕上げ乾燥室)面に臨む熱交換器の上側に配置された鞍掛け馬に鞍掛け跨り状に被着された布団に対し、加熱された外気を連続的に吹き上げて通気可能とすると共に、熱交換器に添設された育成波素子もしくはセラミックス製素子群から育成光線を照射可能とする機能を果たし、同空間内低層位置の適所および乾燥室床面の所定間隔置きに配置された複数の熱交換器夫々に、略均質な圧力で外気を供給、可能とする形状としなければならず、乾燥室(仕上げ乾燥室)床面下に枝分かれ状に形成された配管ダクトを巡らせ、各熱交換器に対し略均等量の外気が供給されるものとすることが可能であるが、同床面下の略全面に渡って所定深さ掘り下げ、箱型や器型の空洞状に形成したものとするのが望ましく、その深さは、送風の妨げにならない程度の深さであって、しかも十分な風速および風圧を発生し、効率的な風の流れを形成し得る程度に比較的狭い上下寸法に設定するのが良く、送風装置から遠く十分な風圧が得られない場所や渦流の発生等によって良好な送風が発生しない床下箇所に送風機を追加設置したり、あるいは、送風装置に近接する側の熱交換器の送風下流側に、送風の一部を堰止め状として上方に向けて送風、案内可能とする案内翼板を乾燥室床下面下に垂下状あるいは送風空間床面上に立設状に固着してなるものとすることができる。
給気口は、乾燥室もしくは仕上げ乾燥室に外気を強制的に取り込み可能とする機能を果たすものであって、乾燥室(仕上げ乾燥室)に配置された乾燥処理対象物を効率的に乾燥するのに十分な量の外気が迅速に取り込み可能となる程度の開口形状を有するものとしなければならず、必要に応じて所定長あるいは所定容量の給気管路もしくは送風空間を形成することができ、その管路(空間)内部には、後述する実施例にも示すように、空気浄化用フィルター、送風装置、およびセラミックス製素子群(育成波素子)を添設した熱交換器等を適宜配設したものとすることができる。
給気管路は、給気口に対して送風装置、熱交換器ならびにセラミックス製素子群(育成波素子)等を装着可能とし、外気を導くと共に加熱した熱風を乾燥室中に供給可能とする機能を果たすものであり、給気口を通過する外気の流れを妨げず、円滑に給気可能とする形状、寸法に設定しなければならず、しかも送風装置や熱交換器等を配設した範囲外周を筒状あるいは管路状に覆って密閉状態を確保し、管路吸入口以外の中途外壁から外気が入らないよう包囲されたものとすべきであり、必要に応じて空気浄化用のフィルターを設け、あるいは管路外壁の中途適所にメンテナンス用のマンホールや作業孔を開閉可能に形成したものとすることができる。
排気口は、乾燥室(基礎乾燥室)内の空気を自然排気可能とし、送風空間を通じた強制送風への抵抗を解消して効率的な送風を可能とすると共に、乾燥室(仕上げ乾燥室および基礎乾燥室)内の湿気を外部に放出するという機能を果たし、乾燥室(基礎乾燥室)の排気効率の高い適所に開口すべきであり、布団乾燥施設の場合には、後述する実施例にも示すように、乾燥室の(基礎乾燥室)天井付近となる側壁面に開口し、その外側には排気ダクトを設置したものとするのが望ましく、更に、同排気ダクト内に排気ファンを配したものとすることが可能である。
通気口は、布団乾燥施設における送風空間から、仕上げ乾燥室内に供給されて仕上げ乾燥処理を行う過程で排出される熱風を、基礎乾燥室に連続的に供給、可能とする機能を果たすものであり、熱風が基礎乾燥室の床面側から天井側へ向けて上昇、通過するよう、基礎乾燥室と仕上げ乾燥室との境目に配された仕切り用壁面の床面近くに開口されたものとすべきであり、基礎乾燥室の略全幅に渡って均質に熱風を供給可能とするよう、基礎乾燥室の幅寸法に渡って一定の開口高さに設定されたものとするのが望ましく、その開口上下寸法を自在に調節可能とするスライド扉あるいは開閉扉等からなる開閉機構を設けたものとすることが可能である。
ドラム型乾燥機とした場合の乾燥用ドラムは、乾燥室内に収容され、乾燥処理対象物を通気可能状態に収容し、乾燥室内を通過する熱風に満遍なく晒すよう回転駆動して乾燥処理対象物を攪拌状に反転させる動作を繰り返し、乾燥処理を促進可能とする機能を果たすものであり、有底筒状あるいはそれに近いカプセル状の形状であって略全体に通気孔を形成したものとし、乾燥室内にあって乾燥作動中に渡り、水平軸心、傾斜状軸心あるいは垂直軸心周りに回転駆動するものとしなければならず、乾燥室の内外側の何れか適所にモータからなる回転駆動源を設けるか、あるいは外部駆動力を伝達する駆動力伝導機構を有するものとした上、乾燥対象物投入口に対峙する乾燥室壁面には、開閉扉を有する投入口を形成したものとすべきである。
熱交換器は、給気口を通じて乾燥室に供給される外気を加熱可能とし、育成波素子を育成光線の照射が促進されるよう加熱可能とする機能を果たすものであり、布団乾燥施設においては、送風空間であって乾燥室(仕上げ乾燥室)床面の所定間隔置きとなる箇所に複数配置され、その上面側を乾燥室(仕上げ乾燥室)内に臨ませたものとし、夫々の上側に鞍掛け馬を配置可能であって、適所に設置された熱源装置から供給される熱源エネルギーによる熱を、送風空間中を強制的に供給されてくる空気に伝達可能とし、上方に配置された鞍掛け馬に装着された布団に向けて熱風を吹き付けて通気可能とすると共に、上下何れか一方の側面か、もしくは上下双方の側面に組み合わせた育成波素子もしくはセラミックス製素子群から、常温であっても多量の育成光線を乾燥室(仕上げ乾燥室)内に向けて照射可能とする機能を果たすものであり、通気構造と、発熱可能もしくは熱放出可能な構造とを兼ね備えたものとしなければならず、通気面にニクロム線やステンレス線等の電熱体を均等配置させ、熱源装置からの電流を供給することによって発熱可能としたものや、あるいは、ガスや燃料等によるバーナーやコンロを形成したものとすること等何れも可能であるが、熱効率や安全性等を考慮すると、蒸気を流通可能とした細いパイプを略全面に均等に張り巡らし、ボイラ等の熱源装置で加熱された熱源エネルギーとしての蒸気を循環させて放熱可能とし、しかも個別に蒸気の供給を停止可能として必要となる熱交換器のみが放熱するよう制御自在とする制御機構を設けたものとするのが望ましい。
熱源装置は、熱交換器に熱エネルギーを供給可能とするとする機能を果たすものであり、布団乾燥施設の場合には、仕上げ乾燥室(乾燥室)内床面に複数設置された全ての熱交換器の夫々に熱源エネルギーを供給可能とし、熱交換器上に配置された布団を迅速に乾燥し得る程度の温度に送風空気を加熱可能とする機能を果たすものであり、熱交換器が電熱線等を用いたものでは電源装置とし、ガスや燃料による加熱の場合にはガスボンベや燃料タンクあるいは都市ガス配管等とその供給弁とすることができ、ラジエータ型の熱交換器とした場合にはボイラおよび同ボイラに接続された蒸気供給用の配管等とすることが可能であり、ボイラから延伸されたスチーム用配管を各熱交換器に対し、略均質に加熱可能とするよう接続すべきであり、蒸気が冷やされて発生する熱湯や水等を回収し、循環利用可能とするドレン用配管も敷設したものとするのが望ましい。
送風装置は、給気口を通じて乾燥室中に十分な量の外気を強制的且つ連続的に供給可能とし、排出口から円滑に排出される程度に乾燥室内における気圧を高めるか、減圧するかの何れかを行うに足る送風機能を果たすものであり、軸流ファン(プロペラ型、スクリュー型)や斜流ファン、遠心ファン(シロッコ型、エアホイル型、ターボ型)等を含む各種送風ファンの何れかを適宜選択して用いるべきであり、必要出力に応じて多翼型のものを採用することが可能である。
育成波素子は、4ないし1000μmの遠赤外線および超遠赤外線の中、特に3ないし12μmの育成光線を、少なくとも乾燥処理中に渡って照射する機能を果たすものであり、熱交換器の風上側もしくは風下側あるいはその双方、または給気管路中の適所か、給気口付近に配されたものとしなければならず、通気断面積の略全体に均質に配された育成波素子群とすべきであり、より具体的に示すと、高効率で遠赤外線を放射可能なセラミックス製素子群を通気断面に対し、互いに通気可能な間隔を隔てて複列状、放射状、螺旋状、格子状、碁盤目状、千鳥状等の様々な配置状態の中の何れかの配置形状を成し、略均等状に分布するものとして設けたものとするのが望ましく、乾燥効率を最も高めることができるものを、より具体的に示すならば、後述する実施例に示すように、常温にあっても育成光線の放射効率が90%以上を示す、株式会社エフ・ユー・エフ製のバイオセラミカ(商品名)からなるセラミックス製素子群を用いるのが良く、その外の育成波素子を利用することもできる。
鞍掛け馬は、布団を鞍掛け跨り状に装着可能であり、熱交換器の上側に配置可能であって熱交換器を通じて吹き付けられた熱風を妨げることなく円滑に通過させ、被着された布団の厚み方向に通気、可能とするという機能を果たし、各熱交換器上に固定的に設置されたものとすることができる外、下面の均衡する複数箇所の夫々に自在キャスターを設けたベース台座を有し、該ベース台座上に高さ調節機構を介して鞍掛け頂部を昇降調節および任意の高さに仮固定可能に設けた骨格体からなるものとすることができ、中間棚やフック等を配して、座布団やぬいぐるみ、スニーカー、衣類等、布団やマットレス等とは形状の異なるものを保持して乾燥可能とすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する幾つかの実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図1の縦断面化した汎用乾燥室の側面図、図2の水平断面化した汎用乾燥室の平面図、図3の熱交換器の正面図、および図4のセラミックス製素子群の配置具合の正面図に示された事例は、給気口23と排気口(図示せず)とを夫々適所に形成した乾燥室2を設け、該乾燥室2給気口23に臨ませた給気管路22中に、風上側から風下側に向けて、外気を強制的に給気可能な送風装置31、および給気を加熱可能な熱交換器4を順次配してなり、該熱交換器4には、その風上側か風下側かの何れか一方、もしくは双方の通気範囲に渡って略均等に分布するよう配置され、波長8ないし14μmの遠赤外線を常温でも90%以上の放射率が達成可能となるセラミックス製素子群5を組み合わせてなる、この発明の遠赤外線乾燥システムにおける代表的な一実施例を示すものである。
当該遠赤外線乾燥システムとしての汎用乾燥室1は、ハンガー、ピンチハンガー、物干し台あるいは物干し竿等に装着した複数の衣類等を、正面側に形成された図示しない開閉扉を通じて収容可能とする密閉型筐体状の乾燥室2を有し、該乾燥室2の左右何れか一側壁面の略中央に、水平筒型の給気管路22を有する給気口23を形成すると共に、これとは反対側となる左右何れか他側壁面の中央付近に図示しない排気口を形成したものとした上、該給気管路22の吸入端には、空気清浄用のエアフィルター24を交換可能に装着し、同エアフィルター24から給気口23までの間に、軸流ファンからなり、図示しない電源装置が接続された送風装置31と、給気口23に略一致する外郭形状に設定され、図示しないボイラからなる熱源装置を接続し、蒸気を循環供給可能とした、図3に示すような、ラジエーター型放熱器であって、風上側となる側面の略全体に、図4中に示すような、株式会社エフ・ユー・エフ製のバイオセラミカ(商品名)である棒状セラミックス製素子51,51,……の複数本を、適宜間隔を隔てて千鳥状配置に添設してセラミックス製素子群5を形成してなる熱交換器4とを、図1および図2中に矢印で示す、風上側から風下側に順次配設したものとなっている。
これらセラミックス製素子群5は、図5の一部に変更を加えた汎用乾燥室を縦断面化した側面図、図6の一部に変更を加えた汎用乾燥室を水平断面化した平面図中に示すように、乾燥室2給気口23に臨ませた熱交換機4の風下側となる側面に、棒状セラミックス製素子51,51,……の複数本を、適宜間隔を隔てて千鳥状配置に添設し、セラミックス製素子群5を形成したものとすることが可能であり、これらセラミックス製素子51,51,……の配置は、個々のセラミックス製素子51自体の形状、寸法に応じて給気性能を悪化させない程度の配設密度とし、できるだけ通気断面に対して均質に配置されたものとすれば足り、上記以外にも平行線状、格子状、同心円状、放射線状等様々な配置形状とすることが可能である。
乾燥室2の室外適所には、乾燥処理の起動ならびに強制停止の操作を可能とするスイッチ類を有する図示しない制御パネルが設けられ、該操作パネルを通じて起動操作することにより、送風装置31および熱源装置を起動し、熱交換器4によって加熱、乾燥された外気が、乾燥室2中に供給、通過、排気されるよう制御し、強制停止の操作を行うと、送風装置31ならびに熱源装置が共に停止されるものとなっており、タイマーかあるいは湿度センサーを有する制御装置を設け、乾燥処理を完了した後に自動的に停止するよう制御可能なものとすることができる。
図7の給気管路を縦断面化したドラム型乾燥機の正面図、および図8のドラム型乾燥機の平面図に示された事例は、外壁面の適所に給気口23と排気口72とを夫々形成し、回転型の乾燥用ドラム26を内装した乾燥室2を有し、該乾燥室2給気口23に臨ませた給気管路22中に、風上側から風下側に向けて、空気浄化用フィルター24、および給気を加熱可能な熱交換器4を順次配してなり、該熱交換器4には、その風上側か風下側かの何れか一方、もしくは双方の通気範囲に渡り、略均等に分布するよう配置され、波長8ないし14μmの遠赤外線を、常温でも90%以上の放射率が達成可能なセラミックス製素子群5を組み合わせ、給気口23もしくは排気口74の少なくとも何れか一方に、外気を乾燥室2内に強制的に給気および排気可能とする送風装置31を配してなる、この発明におけるドラム型乾燥機1の代表的な一実施例を示すものである。
当該ドラム型乾燥機1は、筐体状に形成された本体11内の中央に、前後方向に向けられた円柱型のドラム収容部27を形成した上下貫通型、風洞状であって、天面中央に開口した給気口23と、底部近傍の背面壁中央に開口された排気口74とを繋ぐ乾燥室2を設け、該ドラム収容部27中には、水平軸心周りに回転自在に軸支され、所定量の乾燥処理対象物を投入可能とするよう前端面のみが開口され、略全周壁面に通気性を確保した乾燥用ドラム26を収容し、本体11背面側に該回転ドラム26用の図示しない駆動モータを設け、同乾燥用回転ドラム26の開口に対応する本体11前面壁には、円形の乾燥処理対象物の投入と取り出しとを可能とする開口部およびその開閉扉28を設けたものとしている。
給気口23は、矩形状に開口され、その上部に比較的短尺な矩形筒型の給気管路22を接続し、該給気管路22の吸入端の全面には空気浄化用エアフィルター24を交換可能に装着し、その下方であって給気口23に臨む位置に給気口23の矩形状に略合致する平板型外郭形状に形成され、本体11内の乾燥室2以外の空間に収容された図示しない熱源装置か、あるいは本体11の外部に設けた図示しないボイラ等の熱源装置から、蒸気等の熱源エネルギーの供給を受け、放熱可能とするよう形成された熱交換器4を装着し、該熱交換器4の上側面には、所定寸法、棒状に形成された株式会社エフ・ユー・エフ製のバイオセラミカ(商品名)であるセラミックス製素子51,51,……の複数本を、略全体に均等状に千鳥状配置とするよう装着し、セラミックス製素子群5を形成したものとなっている。
また、排気口74には、乾燥室2中の空気を外部に強制的に誘導、排出可能する軸流型送風ファンとそれを回転駆動可能とする駆動モータとからなる送風装置31を配し、給気管路22、給気口23を通じて乾燥室2中に強制給気した空気を、排気口74を通じて強制、排出するよう形成されている。
図9の縦断面化した布団乾燥施設の側面図、および図10の水平断面化した布団乾燥施設の平面図に図示される事例は、床面21,77付近に通気口72を開口した仕切り用壁面71を隔てて隣接する、基礎乾燥室7ならびに仕上げ乾燥室2の床面21,77下に送風空間22を形成し、該基礎乾燥室7内に複数本の布団用竿75,75,……を架設し、仕切り用壁面71通気口72とは反対側となる壁面近傍天井に排気空間73と排気口74とを形成したものとする一方、仕上げ乾燥室2床面21下の送風空間22内には、適宜配置で一部が仕上げ乾燥室2内へ臨む配置となり、上下側面の何れか一方もしくは双方の通気範囲に渡って略均等に分布するよう配置され、波長8ないし14μmの遠赤外線を常温でも90%以上の放射率が達成可能となるセラミックス製素子群5,5,……を組み合わせてなる送風加熱用の熱交換器4,4,……を複数列配置してある。
さらに、仕上げ乾燥室2内へ臨む配置とした熱交換器4,4,……の上方には、夫々所定高さ位置に布団8を鞍掛け状に跨ぎ掛け可能にし、且つ各熱交換器4,4,……上を包囲するようにして床面21上に自立可能とするようにした骨格体からなる鞍掛け馬6,6,……を配すると共に、当該仕上げ乾燥室2外適所に設置した熱源装置からは、各々の熱交換器4,4,……に熱源エネルギーを供給可能にする一方、当該基礎乾燥室7の一側に配した送風装置31,31,……によって外気を前記送風空間22に強制供給可能にした上、基礎乾燥室7排気空間73に形成した排気口74からは、仕上げ乾燥室2から仕切り用壁面71通気口72を通じ、基礎乾燥室7内に流入した空気を室外に放出可能となるようにした、この発明の布団乾燥施設における代表的な一実施例を示すものである。
当該布団乾燥施設1は、図9および図10中に示すように、幅約4,600・、奥行き約3,600・、床面から天井までの高さ約2,000・に設定され、幅方向一側壁面に密閉可能な開閉サッシュを有する搬入口76を形成した基礎乾燥室7と、奥行き約5,500・に設定した以外は略同様の寸法に設定され、幅方向の同一側壁面に開閉サッシュを有する搬入口25を形成した仕上げ乾燥室2とからなり、これら基礎乾燥室7ならびに仕上げ乾燥室2の床面21,77全面下には、深さ約300・の略矩形状に連続する送風空間22を掘り下げ形成し、仕上げ乾燥室2とは基礎乾燥室7を挟み反対側となる箇所に、外壁面の適所に外気取り入れダクト32を設けた送風室3が形成されたものとなっている。
該送風室3内には、遠心ファンと駆動用モータとを伝動ベルトを介して繋ぎ、同送風室3内に取り込まれた外気を、送風空間22中に強制的に圧送可能とする送風装置31,31,……の合計4基を、送風空間22の幅方向に沿って配列、設置し、略均質な送風を実現するものとなっている。また、前記仕上げ乾燥室2の床面21には、室内奥行き方向寸法約250・、室内幅方向寸法約3,000・の平面長方形状の給気口23,23,……が6個、室内奥行き方向寸法約800・毎に、その開口中心が配置され、直下の送風空間22に通気可能に貫通されたものとしてある。
各給気口23,23,……には、夫々上側面を仕上げ乾燥室2内に臨ませ、室外の適所に設置された熱源装置(図示せず)を接続したラジエーター型放熱器からなる熱交換器4,4,……が配設され、これら熱交換器4,4,……の上側面上には、直径約16・、長さ約140・とした株式会社エフ・ユー・エフ製のバイオセラミカ(商品名)であるセラミックス製素子51,51,……を、各給気口23,23,……毎に40本ずつ合計240本、上下方向の通気を円滑にするよう互いに適宜間隔を隔てて均質に配列し、セラミックス製素子群5を形成したものとしている。
各給気口23,23,……の夫々には、室内奥行き方向に跨ぐ左右幅が約400・、室内幅方向の全長が約3,500・に設定された水平矩形枠状であって、その少なくとも四角下面の夫々に熱交換器4を跨ぎ床面21上に設置可能な自在キャスターが設けられたベース台座を有し、その全長両端の左右略中央から鉛直上方に向けて固定支柱が延伸、立設され、これら固定支柱の上端間に、通気可能な円弧筒枠状に形成された骨格体が結合された鞍掛馬6,6,……が、搬入口25を通じて搬入、搬出移動、自在に配備されたものとなっている。
これら仕上げ乾燥室2と基礎乾燥室7とを隔てる仕切り用壁面71の床面21,77付近には、同壁面71の全幅に渡り、200・前後の高さに設定された通気口72を開口し、同基礎乾燥室7の所定高さ位置には、所定間隔を隔てて複数本の布団用竿75,75,……が水平状に架設され、天井部分の略全面が仕上げ乾燥室2の天井面よりも約850・高く設定され、この範囲を排気空間73とすると共に、該通気口72とは反対側となる送風室3に面した壁面上側の幅方向一側には、排気ダクトからなる排気口74が形成され、送風空間22を通じて仕上げ乾燥室2中に供給される空気が、当該通気口72を通じて基礎乾燥室7に流入され、排気空間73ならびに排気口74を通じて室外に放出されるようにしてある。
(実施例の作用)
以上のとおりの構成からなるこの発明の遠赤外線乾燥システムにおける実施例1に示した汎用乾燥室1は、図示しない開閉扉を開放して乾燥室1内のハンガーや物干し竿等を用いて洗浄処理済みの衣類等の乾燥処理対象物を収容し、開閉扉を閉鎖した後、操作パネルを起動操作することにより、図1ないし図4中に示した熱交換器4に図示しないボイラ(熱源装置)から蒸気が供給されると同時に、送風装置31の送風ファンが回転駆動され、エアフィルター24を通過して浄化された外気を、これら熱交換器4およびセラミックス製素子群5を通過させて強制的に乾燥室2中に供給し、内部に吊り下げられた乾燥処理対象物に対して乾燥した熱風を吹き付けると共に、育成光線を照射する。
セラミックス製素子群5から照射される育成光線(波長8ないし14μmの遠赤外線)は、水分を多量に含んでいる複数の衣類等(乾燥処理対象物)に深く浸透し、素早く熱に変化、加熱する特性を有しており、熱交換器4によって加熱された空気と相俟って比較的短時間の中に乾燥処理を終えることが可能となり、乾燥を終えた後に、操作パネルから停止操作を行い、乾燥室2内を常温付近まで冷却させた後に開閉扉を開き、乾燥処理対象物を取り出せるようにしてある。
また、図1ないし図4中に示した汎用乾燥室1では、熱交換器4の風上側となる側面にセラミックス製素子群5を配していたが、図5および図6中に示すように、セラミックス製素子群5を熱交換器4の風下側に配した場合であっても、略同等かそれ以上の乾燥処理能力を向上させる。
実施例2のドラム型乾燥機1は、図7に示してある本体11前面の図示しない開閉扉28を開き、その開口部を通じて回転ドラム26中に乾燥処理対象物である洗浄後の衣類等の適量を投入して開閉扉28を閉鎖した後、適宜スイッチ操作して回転ドラム26を回転駆動させると共に、送風装置31を起動して熱交換器4に熱源エネルギーを供給するよう制御すると、外気が給気管路22吸入端のエアフィルター24を通過して浄化され、熱交換器4を通過して加熱、乾燥された後、吸気口23を通じて乾燥室2中に強制的に供給され、回転する回転ドラム内で攪拌されている衣類等に吹き付け、乾燥させ、さらに、熱交換器4の風上側付近に配設されたセラミックス製素子群5が、波長8ないし14μmの遠赤外線(育成光線)を照射して乾燥処理時間を短縮する。
乾燥処理を終えたドラム型乾燥機1は、予め入力設定された所定時間後か、あるいは十分な乾燥状態を検知した時点かの何れかにおいて自動停止するようにしてあり、熱交換器4、送風装置31および回転ドラム26が夫々完全に停止した後に、開閉扉28を開いて衣類等である乾燥処理対象物を取り出し、乾燥処理作業を完了すこととなる。
実施例3に示した布団乾燥施設1は、この発明に包含される布団遠赤外線乾燥方法に従って乾燥処理を行うことが可能であり、洗浄後の多量に水分を含む掛敷布団、枕等の寝具類や、絨毯、座布団、ぬいぐるみ、厚手の衣類等の比較的大型の乾燥処理対象物8に対し、始めに基礎乾燥工程を行う。
この基礎乾燥工程は、図9および図10中に示してあるように、基礎乾燥室7に乾燥処理対象物8,8,……を搬入して各布団用竿75,75,……に掛け下げる一方、事前に基礎乾燥工程を終えている布団類8,8,……等があれば、鞍掛け馬6,6,……に鞍掛け跨り状に装着して隣接する仕上げ乾燥室2内に搬入し、各熱交換器4,4,……上に対応させるよう配置させたものとし、各搬入口25,76を閉鎖してから送風装置31および熱交換器4を起動させる。
送風室3の各送風装置31,31,……を起動させると、外気取り入れダクト32から室内に取り込まれた空気は、図9中の実線矢印に示すように、遠心ファン31を通じて基礎乾燥室7および仕上げ乾燥室2の各床面21,77下に形成された送風空間22中に強制的に送風され、さらに、施設外側に設置された熱源装置であるボイラ装置(図示せず)から供給されたスチームによって加熱している各熱交換器4,4,……を通じて仕上げ乾燥室2中に放出される。
各熱交換器4,4,……によって加熱された乾燥空気は、鉛直上方に配置された各鞍掛馬6,6,……を通じて鞍掛け状に跨ぎ掛けた布団類8,8,……を肉厚方向に通過して乾燥させ、仕上げ乾燥室2中に放出された後、仕切り用壁面71下部の通気口72を通じて基礎乾燥室7中に勢い良く放出するよう供給され、床面77付近を基礎乾燥室7の全体に広がった上、上昇して各布団用竿75,75,……に掛け下げられた布団等の乾燥処理対象物8,8,……を乾燥させ、さらに天井付近まで上昇した加熱空気は、排気空間73および排気口74を通じて施設1外に放出されることとなり、こうして所定時間に渡り、基礎乾燥室7内において基礎乾燥工程を施された乾燥処理対象物8,8,……は、85ないし95%の水分が蒸発して殆ど乾燥された状態となり、次の仕上げ乾燥工程に移される。
仕上げ乾燥工程は、前述の基礎乾燥工程の中でも簡単に触れたように、基礎乾燥工程を終えて85ないし95%の水分が除去された乾燥処理対象物である布団類8,8,……を、夫々鞍掛け馬6,6,……の骨格体に鞍掛け跨り状に装着し、キャスターを利用して仕上げ乾燥室2内に搬入し、各熱交換器4,4,……上に跨り状とするよう配置させた上、搬入口25を閉鎖して送風装置31ならびに熱交換器4を作動させる。
この送風装置31によって送風空間22に供給された空気は、熱交換器4を通過することによって加熱され、仕上げ乾燥室2内に強制的に供給されることとなり、各鞍掛け馬6,6,……の骨格体を通じて上昇し、乾燥処理対象物である布団類8,8,……夫々の肉厚方向に通過して乾燥させる。
また、各熱交換器4,4,……の上側面に均等配置されているセラミックス製素子群5は、そのセラミックス製素子51,51,……の夫々が波長8ないし14μmの遠赤外線(育成光線)を高効率に照射し、布団類8,8,……の加熱、乾燥を促進するものとなり、比較的短時間の中に水分量略99ないし100%まで除去することを可能とし、仕上げ乾燥処理を終えた後に、搬入口25を開放して各鞍掛け馬6,6,……諸共、布団類8,8,……を搬出して当該仕上げ乾燥工程を終えることとなる。
(実施例の効果)
以上のような構成からなる実施例1の汎用乾燥室1は、前記この発明の効果の項で遠赤外線乾燥システムについて記載した特徴に加え、図1ないし図4中に示した、セラミックス製素子群5を形成するセラミックス製素子51,51,……を、株式会社エフ・ユー・エフ製のバイオセラミカ(商品名)としてあり、常温であっても波長8ないし14μmの遠赤外線(育成光線)の照射率が90%以上確保され、乾燥室2中に水を含んだ衣類等の乾燥処理対象物を搬入し時点から、送風装置31や熱交換器4を起動させる前段階に、既に衣類中の水分や有機質成分等が活性化され、容易に発熱し易い条件が整えられるものとなり、加熱、送風を開始すると、迅速に発熱、乾燥するようになって経済的、且つ速やかに乾燥処理を行うことができるという効果が得られる。
そして、乾燥処理を終えて乾燥室2内の温度を低下させて乾燥処理対象物を取り出した後にも、セラミックス製素子群5からは育成光線が高効率で照射され続けることから、乾燥室2を含む汎用乾燥室1内の略全体が浄化、殺菌、消臭の作用を受けて衛生的に保たれるという、従前までの乾燥装置では洗浄、消毒作業等を行わなければ得られなかった格別の効果が得られ、図5および図6中に示したように、セラミックス製素子群5を熱交換器4の給気口23側の面に配したので、乾燥室2中に向けた育成光線の照射性能を更に向上させ、一段と乾燥ならびに浄化作用を高めることができるという特徴を発揮するものである。
実施例2のドラム型乾燥機1は、乾燥用ドラム26およびその回転機構とは別の給気管路22中にセラミックス製素子群5を配してあり、構造の複雑化を避けてメンテナンス性に秀れたものとし、さらに最も風上側に配された熱交換器4に添設状に配してあり、給気口23から、乾燥用ドラム26を収容したドラム収容部27および排気口74までを含む乾燥室2全体の発熱、乾燥性能を高めると共に、浄化、殺菌、消臭作用をもたらす育成光線を、常温状態から乾燥処理中に渡って常時照射できるものとしてあって、乾燥処理対象物を乾燥処理する性能を高めるだけでなく、ドラム型乾燥機1自体を衛生的に保つことができ、洗浄、消毒といったメンテナンス作業の負担を軽減し、クリーニング処理の作業性を大幅に改善できるという大きな効果を得られる。
実施例3の布団乾燥施設1は、この発明の布団遠赤外線乾燥方法に従って乾燥処理を行い、本願出願人が既に開発済みの(セラミックス製素子群5を設けていない)従来型布団乾燥施設との性能比較を行った結果、下記表1に示すように、従来型の布団乾燥施設では、送風装置31ならびに熱交換器4を起動してから、仕上げ乾燥室2内の指定乾燥温度を80℃まで上昇させるのに、季節や外気温等の気象条件にもよるが、殆どの場合において15分以上も必要としていたのに対し、セラミックス製素子群5を設けたこの実施例のものでは10分程度で80℃に達するようになり、約5分の短縮を実現することに成功したものである。
Figure 0004293373
また、従来型の布団乾燥施設は、乾燥室内の温度が80℃に達した後において、70分間に渡って乾燥処理を行う必要があったものが、この実施例による布団乾燥施設1では50ないし55分間の乾燥処理によって同等以上の乾燥、仕上がりを得ることができ、これによってボイラの稼働時間を大幅に短縮することができ、重油の使用量を従来型に比較して20ないし30%節減し、経済性を高め自然環境の保全にも貢献できるという秀れた性能を示すことが確認された。
さらに、布団乾燥処理の仕上がり具合について比較してみると、一般に人間は、就寝中一晩に約200・の汗を出すと云われ、その大半は水分であるものの、少量の塩分や尿素、蛋白質、脂質、糖質、アンモニア、ピルビン酸、鉄分、カリウム、カルシウム、重炭酸イオン等様々な成分が含まれ、クリーニングに持ち込まれる布団等の寝具類には、これらの成分による臭いが付着しており、また、ペットを飼っている家庭のクッションや絨毯等には強いペット臭が付着している。これらの臭いは、洗浄後に従来型の乾燥処理施設によって乾燥処理しても完全に除去できないことが多く、かなりの枚数を燃料費と時間および労力とを費やし、再洗浄ならびに再乾燥処理しなければならないこともあり、それでも完全に除去できないものにはその旨の詫び状を付けるという事態もあったが、この実施例による布団乾燥施設1で乾燥処理を行った乾燥処理対象物では、一度の洗浄および乾燥処理によって以上のような臭いが完全に除去されるようになり、臭いに関する課題を一挙に解決することができ、加えて当該布団乾燥施設1によって乾燥処理した布団は、遠赤外線効果によって中綿の中心部分から強力に乾燥される結果、従来型の乾燥処理施設による乾燥処理済み布団に比較して格段に弾力性に富む仕上がりとなり、付加価値に秀れたクリーニング処理を実現化できるという利点が得られる。
(結 び)
叙述の如く、この発明の遠赤外線乾燥システム、およびドラム型乾燥機、ならびに布団乾燥施設とそれを用いた布団遠赤外線乾燥方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかもドラム型乾燥機および布団乾燥施設等の製造、建設も比較的容易で、従来型の乾燥処理装置に比較して乾燥処理時間を大幅に短縮し、光熱費の削減等の作業性および経済性を大幅に改善することができる上、従前までは消臭効果が得られるまでに複数回に渡り洗浄や乾燥処理を施さなければならないことが多く、大きな負担となっていたが、一度の洗浄、乾燥処理によって完全な消臭効果が得られるようになって画期的な成果を挙げることができことから、デフレ経済による市場価格の低迷やサービス競争の激化等の激しく変化する経済環境下にあって、クリーニング品質の向上と作業効率の改善とを目指すクリーニング業界は固よりのこと、プロによるクリーニング処理によって衣類や寝具類等を末永く清潔に保持したいと願う消費者からも高い評価がなされることとなって、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
図面は、この発明の遠赤外線乾燥システム、およびドラム型乾燥機、ならびに布団乾燥施設とそれを用いた布団遠赤外線乾燥方法の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
遠赤外線乾燥システムによる汎用乾燥室を縦断面化して示す正面図である。 汎用乾燥室を水平断面化して示す平面図である。 熱交換器を示す正面図である。 熱交換器に対するセラミックス製素子群の配置具合を示す正面図である。 一部に変更を加えた汎用乾燥室を縦断面化して示す正面図である。 一部に変更を加えた汎用乾燥室を水平断面化して示す平面図である。 ドラム型乾燥機の要部を縦断面化して示す正面図である。 ドラム型乾燥機を示す平面図である。 布団乾燥施設を縦断面化して示す側面図である。 布団乾燥施設を水平断面化して示す平面図である。
符号の説明
1 汎用乾燥室、ドラム型乾燥機、布団乾燥施設、(遠赤外線乾燥システム)
11 同 乾燥機本体
2 仕上げ乾燥室2(乾燥室)
21 同 床面
22 同 送風空間(給気管路)
23 同 給気口
24 同 エアフィルター
25 同 搬入口
26 同 乾燥用ドラム
27 同 ドラム収容部
28 同 開閉扉
3 送風室
31 同 送風装置
32 同 外気取り入れダクト
4 熱交換器
5 セラミックス製素子群
51 同 セラミックス製素子(育成波素子)
6 鞍掛け馬
7 基礎乾燥室
71 同 仕切り用壁面
72 同 通気口
73 同 排気空間
74 同 排気口
75 同 布団用竿
76 同 搬入口
77 同 床面
8 布団(乾燥処理対象物)

Claims (2)

  1. 床面下に所定深さの送風空間を形成した仕上げ乾燥室と、該仕上げ乾燥室に隣接し、床面近傍の通気口を通じて通気可能とした仕切り用壁面を形成し、同仕切り用壁面とは反対側となる室内壁面近傍天井に排気空間ならびに排気口を設け、室内に複数本の布団用竿が架設された基礎乾燥室とを有し、当該仕上げ乾燥室送風空間内には、適宜配置で一部が仕上げ乾燥室内へ臨む配置となり、上下側面の何れか一方もしくは双方の通気範囲に渡って略均等に分布するよう配置され、波長8ないし14μmの遠赤外線を常温でも90%以上の放射率が達成可能なセラミックス製素子群を組み合わせてなる送風加熱用の熱交換器を複数列配置した上、同仕上げ乾燥室内へ臨む配置とした熱交換器の上方には、夫々所定高さ位置に布団を鞍掛け状に跨ぎ掛け可能にし、且つ各熱交換器上を包囲するようにして床面上に自立可能とするようにした骨格体からなる鞍掛け馬を配すると共に、当該仕上げ乾燥室外適所に設置した熱源装置からは、各々の熱交換器に熱源エネルギーを供給可能にする一方、当該基礎乾燥室の一側に配した送風装置によって外気を前記送風空間に強制供給可能にした上、基礎乾燥室排気空間に形成した排気口からは、同仕上げ乾燥室から仕切り用壁面通気口を通じて基礎乾燥室内に流入した空気を室外に放出可能にしてなるものとしたことを特徴とする布団乾燥施設。
  2. 仕上げ乾燥室から通気口を通じて供給され、仕上げ乾燥室内を通過、上昇した上、天井排気空間ならびにその排気口を通じて室外に排気される熱風と遠赤外線とにより、基礎乾燥室内の各布団用竿に吊り下げた布団中の水分が85ないし95%蒸発されるまで連続的に送風乾燥を行なった後、送風を停止して各布団用竿から布団を回収する基礎乾燥工程と、該基礎乾燥工程を終えた布団を仕上げ乾燥室に搬送し、鞍掛け馬の頂部に布団の中央部分を鞍掛け跨り状に被着させた鞍掛け馬の複数台を、仕上げ乾燥室内の床面に臨む夫々の熱交換器上に設置し、熱源装置からの熱源エネルギーを各熱交換器に供給すると共に、送風装置によって送風空間内に強制的に外気を供給することにより、送風空間から各熱交換器、ならびにその上下側面の何れか一方もしくは双方適所に配されたセラミックス製素子群の間隙を通じて加熱された空気、および育成波を仕上げ乾燥室内に流入、放射させ、各熱交換器上に配置された夫々の鞍掛け馬中を通じて鞍掛けされた布団に熱風を吹き上げて通気させると同時に遠赤外線を照射し、布団中の水分を99ないし100%除去するものとし、その乾燥過程に発生する排気が通気口を通じて隣接する基礎乾燥室内に供給されるようにする仕上げ乾燥工程とからなる、前記請求項5記載の布団乾燥施設を利用した布団遠赤外線乾燥方法。
JP2005368889A 2005-12-21 2005-12-21 遠赤外線乾燥システム、およびドラム型乾燥機、ならびに布団乾燥施設とそれを用いた布団遠赤外線乾燥方法 Expired - Fee Related JP4293373B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005368889A JP4293373B2 (ja) 2005-12-21 2005-12-21 遠赤外線乾燥システム、およびドラム型乾燥機、ならびに布団乾燥施設とそれを用いた布団遠赤外線乾燥方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005368889A JP4293373B2 (ja) 2005-12-21 2005-12-21 遠赤外線乾燥システム、およびドラム型乾燥機、ならびに布団乾燥施設とそれを用いた布団遠赤外線乾燥方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007170743A JP2007170743A (ja) 2007-07-05
JP4293373B2 true JP4293373B2 (ja) 2009-07-08

Family

ID=38297526

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005368889A Expired - Fee Related JP4293373B2 (ja) 2005-12-21 2005-12-21 遠赤外線乾燥システム、およびドラム型乾燥機、ならびに布団乾燥施設とそれを用いた布団遠赤外線乾燥方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4293373B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105145903A (zh) * 2015-09-09 2015-12-16 安溪县百家宜家居用品有限公司 一种自动控制的茶叶烘干装置
KR101751419B1 (ko) * 2015-10-21 2017-06-28 주식회사 에어로네트 음압식 고속 공기제트 의류 건조기

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102038966A (zh) * 2009-10-18 2011-05-04 卢帆 服饰消毒、烘干机
CN104930828A (zh) * 2015-04-15 2015-09-23 周盈裕 一种纺织用烘干桶结构
CN112284075A (zh) * 2020-10-27 2021-01-29 贵州天牧农业开发有限责任公司 一种高效的鲜花椒加工用烘干设备
CN112923674B (zh) * 2021-02-03 2023-08-25 邯郸市益林堂医药连锁有限公司 一种环保的中药材烘干方法
CN113834292B (zh) * 2021-10-14 2024-03-26 枣阳市格芯电子科技有限公司 一种升温迅速纯氮气热效率高的锂电池生产用真空烤箱
CN114457569B (zh) * 2022-02-07 2023-12-01 河北科技大学 节能被物消毒烘干机
CN115574576A (zh) * 2022-08-25 2023-01-06 马鞍山恒泰医药有限公司 一种热风循环烘箱
CN115682671B (zh) * 2022-10-08 2024-05-28 湖南省新化县鑫星电子陶瓷有限责任公司 一种集成式的陶瓷产品清洁烘干装置
CN115624202A (zh) * 2022-10-24 2023-01-20 青岛海尔空调电子有限公司 用于物料烘干的烤房、热泵烘干系统

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105145903A (zh) * 2015-09-09 2015-12-16 安溪县百家宜家居用品有限公司 一种自动控制的茶叶烘干装置
KR101751419B1 (ko) * 2015-10-21 2017-06-28 주식회사 에어로네트 음압식 고속 공기제트 의류 건조기

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007170743A (ja) 2007-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4293373B2 (ja) 遠赤外線乾燥システム、およびドラム型乾燥機、ならびに布団乾燥施設とそれを用いた布団遠赤外線乾燥方法
KR101118671B1 (ko) 원적외선방사히터가 구비된 오징어건조장치
KR20150012960A (ko) 대형 침구와 의류용 살균 및 건조장치
KR20110023450A (ko) 농산물 건조장치
CN206222849U (zh) 一种方便烘干床上用品的晾晒架
KR20080089531A (ko) 농수산물 건조기
KR101185628B1 (ko) 폐열을 회수하는 축사의 환기장치 및 이를 이용한 환기 방법
KR20150014171A (ko) 이불 소독 및 건조장치
JP4216741B2 (ja) 布団乾燥システム、およびそれを利用した布団乾燥方法
KR101007204B1 (ko) 다기능 건조기
CN211373134U (zh) 一种可自动控温的网带式烘干机
JP4959490B2 (ja) マットレスの処理装置及び処理方法
JP4308685B2 (ja) 布団乾燥システム、およびそれを利用した布団乾燥方法
CN106510528A (zh) 毛巾干燥机
JP2008148557A (ja) エアコン付ペットハウス
JP4563010B2 (ja) 布団乾燥システム、およびそれを利用した布団乾燥方法
CN218232844U (zh) 多功能衣物处理装置
KR20080021309A (ko) 농산물 건조기
CN212118635U (zh) 一种纺织用面料消毒柜
CN218404771U (zh) 一种家居用智能晾衣机
KR101344497B1 (ko) 신발 건조기
CN219264896U (zh) 一种衣物烘干除菌设备
JP3105579U (ja) 室内空気循環用の送風装置
CN212186440U (zh) 一种运动鞋循环风除湿装置
KR101626719B1 (ko) 태양열 전기 및 보일러 열원을 활용한 빨래 및 신발건조대

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080702

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081028

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090310

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090401

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120417

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130417

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130417

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140417

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees