JP4293222B2 - インパクト工具 - Google Patents

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Description

本発明は、ねじやボルト等の締付け作業に用いるインパクト工具に関するものである。
従来から、ねじやボルト等の締結具の締付け作業に用いられる締付け工具として、内蔵してあるモータの回転力を利用して上記締付け作業を行い、締結具が着座して所望の締付けトルクに達した時点で自動的にモータの回転を停止させる自動停止機能を有したものがある。この自動停止機能としては、例えば締付け工具がインパクト工具であるものにおいてハンマによる打撃を検出してその打撃回数を基に制御する方式のもの(例えば特許文献1)や、ねじ等の回転角を測定してこれが設定した回転角に達すればモータの回転を停止させる方式のもの(例えば特許文献2)や、実際の締付けトルクを測定してこれが設定したトルクに達すればモータの回転を停止させる方式のもの(例えば特許文献3)がある。しかし、上記の各種方式うち、打撃回数を基に制御する方式のものや、回転角を測定する方式のものにあっては、期待される締付けトルクと実際の締付けトルクとの間に大きな差が生じる場合があり、これにより、締付け不足や、過度の締付けによる部材破壊が発生するという問題があった。また、締付けトルクを測定する方式のものにあっては、実際の締付けトルクが得られることで高精度での制御が可能になるものの、出力軸にトルク測定手段を設ける必要があることからコストの増大や装置の大型化を招いてしまうといった問題があった。
そこで、上記各方式の問題を解決すべく、例えばインパクト工具であるものにおいてハンマによる打撃エネルギや締結具の回転速度を基に締付けトルクを推定するとともに、その推定トルクが大きく上昇した時点で着座に至ったと判定してモータの回転を停止させる方式のものが提案されている(特許文献4を参照)。しかしながら、この方式のものにあっては、組み立て上の不具合により生じる一時的な締付けトルクの上昇を着座によるものと判定して、締付け完了前にモータを停止させてしまうといった問題があった。
なお、前記の不具合としては、ねじ溝の不揃いや、ボルトとナットとの間に挟持した部材の微妙な湾曲や、ボルトとナットの中心軸のずれや、塵の巻き込みや、ねじ穴表面にある焼付け塗装の削り取りや、中間部材の浮き等が挙げられる。
特開平4−322974号公報 特開平9−285974号公報 特開平6−91551号公報 特開2001−277146号公報
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、推定される締付けトルクが大きく上昇した時点で着座に至ったと判定してモータの回転を停止させる方式のものにおいて、不具合による着座前の一時的なトルク上昇に反応することなく着座時点で確実にモータの回転を停止させることができるインパクト工具を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明を、モータ1と、モータ1の回転及び停止の制御を行うモータ制御手段31と、モータ1の回転力を伝達してねじやボルト等の締結具の締付け作業を行うハンマ4及びアンビル5から成る動力伝達手段10と、締結具の締付けトルクTを推定するトルク推定手段15と、トルク推定手段15により推定される締付けトルクTを用いて締結具の着座を判定してモータ制御手段31にモータ1の停止指令を出力させる締付け判定手段33とを備えたインパクト工具であって、前記トルク推定手段15を、ハンマ4によるアンビル5への打撃を検出する打撃検出手段11と、アンビル5の回転角を検出する回転角検出手段12と、前記各手段11,12からの出力を基に1打撃毎のアンビル5の回転角Δrを算出するアンビル回転角演算部13と、アンビル回転角演算部13から得られる前記回転角Δrを基に締付けトルクTを推定するトルク推定部14とで形成し、且つ前記締付け判定手段33を、締付けトルクTのモータ1の回転角又は時間変化に対する変化の割合であるトルク変動量ΔT、及び、モータ1の回転角又は時間変化に対する前記トルク変動量ΔTの変化の割合であるトルク変動率ΔΔTを算出するとともに、トルク変動率ΔΔTが連続して正となる区間内のトルク変動率ΔΔTの積算値或いは積分値が所定の閾値Cを超えた後に、トルク変動率ΔΔTが正から負に至り、尚且つ締付けトルクTが所定の下限トルクT1を超えた場合に、着座と判定するものとし、前記下限トルクT1を作業者が自在に設定するためのトルク条件設定手段24を備えたものとする。
締付け作業において、締結具の着座後には推定される締付けトルクTが大きく上昇し、トルク変動率ΔΔTにピーク曲線が現れるものであるから、上記のような着座判定を行うインパクト工具とすることで、締結具が着座した直後にモータ1を自動的に停止させることができる。
しかも、トルク変動率ΔΔTが連続して正となる区間内のトルク変動率ΔΔTの積算値或いは積分値が所定の閾値Cを超えること、及び、締付けトルクTが下限トルクT1を超えることを着座と判定する条件としていることで、締結具が着座する前に不具合に起因したトルク変動率ΔΔTのピーク曲線が発生した場合であっても、このピーク曲線に反応してモータ1を停止させることがないものである。これは、不具合に起因するピーク曲線は着座によるピーク曲線よりも小さく、また不具合発生時点での締付けトルクTが、着座時点での締付けトルクTよりも小さいことが通常だからである。更に、下限トルクT1は自在に設定可能であるから、多様な種類の締結具や被締結部材を用いて作業する場合であっても、この作業に応じて予め下限トルクT1を適当なトルク値に設定しておけば着座時点で確実にモータ1の回転を停止させることができるものである。
上記の閾値Cについては、トルク条件設定手段24により設定した下限トルクT1の値に対応して設定されるものとする例えば下限トルクT1が大きくなる程に閾値Cが大きな値となるように設定しておけば、作業内容に応じてわざわざ閾値Cを設定せずとも、常に適当な値の閾値Cによって着座判定を行うことができるものである。
本発明は、推定される締付けトルクが大きく上昇した時点で着座に至ったと判定してモータの回転を停止させる方式のものにおいて、不具合による着座前の一時的なトルク上昇に反応することなく着座時点で確実にモータの回転を停止させることができるという効果を奏するものである。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。図1には、本発明の実施の形態における第一例のインパクト工具を示している。本例のインパクト工具は、締付けトルクTが所定値を超えるとハンマ4がアンビル5に対する打撃を繰り返し行い、この打撃による強力な締付けトルクTでねじやボルト等の締結具(図示せず)の締付け作業を確実に行うことのできるインパクト工具であって、本体ハウジング(図示せず)内に、駆動源であるモータ1と、モータ1の回転力を伝達して締結具の締付け作業を行う動力伝達手段10とを備えたものである。前記動力伝達手段10として具体的には、モータ1の回転を伝達される減速機2と、減速機2を介してモータ1により回転駆動される駆動軸3と、駆動軸3にカム機構(図示せず)を介して軸方向にスライド自在に嵌合して共に回転運動を行うハンマ4と、ハンマ4との係合により回転運動を行うアンビル5と、ハンマ4をアンビル5側に付勢する付勢手段6と、アンビル5に連結されて締結具にまで回転力を伝達するビット7とを備えており、前記カム機構により、ハンマ4とアンビル5との回転方向の衝撃的な係合が打撃として繰り返し行われる構造となっている。
モータ1は、モータ制御手段31であるモータ制御回路8によりその回転及び停止が制御されるものであり、該モータ制御回路8には、トリガスイッチ9の引き込み量に応じてモータ制御部30を介して回転や停止の指令が出力されるようになっている。また、本例のインパクト工具には、ハンマ4によるアンビル5への打撃を検出する打撃検出手段11と、アンビル5の回転角を検出する回転角検出手段12と、前記各手段11,12からの出力を基に1打撃毎のアンビル5の回転角Δrを算出するアンビル回転角演算部13と、アンビル回転角演算部13から得られる前記回転角Δrを基に締付けトルクTを推定するトルク推定部14とを備えており、前記の各構成によりトルク推定手段15を形成している。
前記打撃検出手段11として具体的には、ハンマ4がアンビル5に衝突する際に発生する打撃音を電圧として検出するマイク16を設置している。また、前記回転角検出手段12として具体的には、アンビル5と一体に回転するスリット入りのディスク17と、ディスク17の回転角を検出する透過型フォトインタラプタ18とで構成されるロータリエンコーダ19を設置しており、アンビル5の回転角がパルス信号として検出されるようになっている。マイク16とロータリエンコーダ19は共に、バンドパスフィルタやコンパレータで構成される波形整形回路20を介してアンビル回転角演算部13に接続されており、マイク16で検出された打撃信号とロータリエンコーダ19で検出された回転角信号とが、波形整形回路20によりノイズ処理されてアンビル回転角演算部13に送られるものである。
アンビル回転角演算部13では、上記したように1打撃毎のアンビル5の回転角Δrを順次算出してゆき、この算出結果を基にトルク推定部14で締付けトルクTを順次算出してゆく。トルク推定部14での締付けトルクTの算出は、打撃により与えられるエネルギと締付けで消費されるエネルギとが略等しいとする関係から得られる式、T=(J×ω)/(2×Δr)を用いることで行われる。なお、ここで、Jはアンビル5の慣性モーメントであり、ωは打撃発生時点でのアンビル5の回転速度である。回転速度ωについては、ロータリエンコーダ19で検出される回転角信号のパルス幅により求められるので、前記の式において1打撃毎のアンビル5の回転角Δrを入力すれば推定トルクTが算出されるものである。
ここで、本例のトルク推定手段15を構成する打撃検出手段11や回転角検出手段12としては、図2や図3に示す別形態のものであっても構わない。図2に示すものは、回転角検出手段12を、ロータリエンコーダ19でなく、モータ1の回転角又は回転量を検出する周波数ジェネレータ(FG)28を用いて構成したものである。周波数ジェネレータ28は、その回転数に比例した周波数信号を発生し、波形整形回路20を介してモータ1の回転速度に応じたパルス幅の信号をアンビル回転角演算部13に対して出力するものである。アンビル回転角演算部13では、打撃検出手段11であるマイク16から打撃検出処理部29を介して検出された1回の打撃毎に、Δr=ΔRM/K−RI、の関係式を用いてアンビル5の回転角Δrを順次算出してゆく。ここで、ΔRMは打撃間のモータ1の回転角であり、Kはモータ1とアンビル5との間の減速比であり、RIはハンマ4の空転角(例えばハンマ4による打撃回数が1回転当り2回であればπ、1回転当り3回であれば2/3π)である。打撃発生時点でのアンビル5の回転速度ωは、モータ1の回転速度を減速機2での減速比Kで除することでおおよその値が得られるものであるから、トルク推定部14において、周波数ジェネレータ28に接続されるモータ速度演算部22から得られるモータ1の回転速度を基に打撃発生時点でのアンビル5の回転速度ωを算出するとともに、この回転速度ωと、アンビル回転角演算部13で得た1打撃毎のアンビル5の回転角Δrとを用いて推定トルクTを算出することができる。
また、図3に示すものは、図2に示したように回転角検出手段12を周波数ジェネレータ28を用いて構成するとともに、打撃検出手段11についてもこれをマイク16ではなく前記周波数ジェネレータ28を用いて構成したものである。具体的には、打撃発生時には負荷変動によりモータ1の回転速度が若干低下し、周波数ジェネレータ28から出力される周波数信号のパルス幅が若干長くなることを利用して、打撃検出処理部29においてこのパルス幅の変動を打撃として検出するようになっている。なお、図1や図2に示すマイク16の代りに加速度センサ(図示せず)を配し、この加速度センサを用いて打撃検出手段11を構成しても構わない。
次に、本例の締付け判定手段33である締付け判定部21について説明する。締付け判定部21は、トルク推定部14にて推定された締付けトルクTを用いて締結具の着座を判定し、着座と判定した時点でモータ制御回路8にモータ1の停止指令を出力させるものである。着座判定の方法として具体的には、まずトルク推定部14にて打撃毎に算出される締付けトルクTを基に、締付けトルクTのモータ1の回転角(又は時間変化)に対する変化の割合であるトルク変動量ΔTを算出し、更に、モータ1の回転角(又は時間変化)に対する前記トルク変動量ΔTの変化の割合であるトルク変動率ΔΔTを算出する。トルク変動量ΔTやトルク変動率ΔΔTとしては、単純に今回の値と前回の値との差分をとって算出するようにしてもよいが、全体の傾向としてとらえる為には移動平均の差分として算出することが望ましい。本例のインパクト工具においては、ΔT=(Tの4回移動平均)−(Tの16回移動平均)、ΔΔT=(ΔTの2回移動平均)−(ΔTの8回移動平均)、として算出するものとする。
そして、締付け判定部21においては、上記のようにしてトルク変動量ΔTとトルク変動率ΔΔTとを算出するとともに、締付けトルクTが、後述のトルク設定スイッチ23により予め設定してある所定の下限トルクT1を超えたうえで、トルク変動率ΔΔTが正から負に至った場合に、着座と判定してモータ制御回路8にモータ1の停止指令を出力させるようになっている(図8のフローチャートを参照)。これは、図6に示すように、締付け作業においては締結具が着座した後に締付けトルクTが大きく上昇し(図中のピーク山P3)、このときトルク変動率ΔΔTにもピーク曲線S3が現れることを利用して、着座を判定しようとするものである。通常はトルク変動率ΔΔTにおいて着座によるピーク曲線S3が発生する以前にも、不具合による締付けトルクTの上昇(図中のピーク山P1,P2)に起因したピーク曲線S1,S2が発生し、これが誤作動の原因となるものであるが、これら不具合によるピーク曲線S1,S2の発生時の締付けトルクTが着座によるピーク曲線S3の発生時の締付けトルクTよりも小さいことから、図7に示すように下限トルクT1を適当なトルク値に設定して締付けトルクTがこれを超えていなければモータ1を停止させないようにすることで、不具合によるトルク上昇の時点で誤作動することなく着座によるトルク上昇の時点で確実にモータ1を停止させることができるものである。
上記トルク設定スイッチ23が、作業者が下限トルクT1を自在に設定するためのトルク条件設定手段24を構成するものであって、例えば図4や図5に示すような構造を備えている。トルク設定スイッチ23として図4に示すものは、ダイヤル部分32の回転量に応じてトルク値を設定する方式のスイッチであり、「1」〜「9」までの数字で表される9段階のトルク値と、「切」により表される無限大のトルク値(即ち、この場合は着座判定によりモータ1を自動的に停止させない)から一つを選択可能となっている。また、図5に示すものは、プラススイッチ34とマイナススイッチ35の操作により、「1」〜「9」までの数字を付したLEDのうち点灯するLEDの数を増減させるとともに、点灯するLEDの数に応じて、9段階のトルク値と無限大のトルク値から一つを選択可能となっている。なお、無限大のトルク値を選択した場合には全てのLEDが消灯されるものである。したがって、作業者は締結具やこれが締結される被締結部材の種類に応じて図4や図5に示すようなトルク設定スイッチ23を操作して、適当な下限トルクT1を容易に設定可能である。
次に、本発明の実施の形態における第二例のインパクト工具について説明するが、第一例の構成と同様の構成については説明を省略し、特徴的な構成についてのみ以下に詳しく述べる。本例のインパクト工具の締付け判定部21においては、第一例と同様にトルク変動量ΔTとトルク変動率ΔΔTとを算出するとともに、このトルク変動率ΔΔTが連続して正となる区間内の打撃毎のトルク変動率ΔΔTの積算値Σ(ΔΔT)が所定の閾値Cを超えた後に、トルク変動率ΔΔTが正から負に至り、尚且つ締付けトルクTが所定の下限トルクT1を超えた場合に、着座と判定するものとしている(図11のフローチャートを参照)。これは、図9に示すように締結具が着座した後には締付けトルクTが大きく上昇し(図中のP3)、このときトルク変動率ΔΔTにもピーク曲線S3が現れることを利用して着座を判定するものであり、第一例と同様に適当な下限トルクT1を設定しておきこれを締付けトルクTと比較すること、及び、これに加えてトルク変動率ΔΔTの上記積算値Σ(ΔΔT)と閾値Cとを比較することで、不具合によるトルク上昇の時点での誤作動を更に確実に防止しようとするものである。
これは、不具合によるピーク山P1,P2発生時のピーク曲線S1,S2におけるトルク変動率ΔΔTの上記積算値Σ(ΔΔT)が、着座によるピーク山P3発生時のピーク曲線S3におけるトルク変動率ΔΔTの上記積算値Σ(ΔΔT)よりも小さいことを利用したものであり、閾値Cを、不具合によるピーク曲線S1,S2の上記積算値Σ(ΔΔT)よりも大きく、且つ、着座によるピーク曲線S3の上記積算値Σ(ΔΔT)よりも小さな適当な値に設定しておくことで、不具合によるトルク上昇の時点で誤作動することなく着座によるトルク上昇の時点で確実にモータ1を停止させることができるものである。例えば、図9において不具合によるピーク山P2発生時の締付けトルクTは下限トルクT1を超えているものの、ピーク曲線S2の上記積算値Σ(ΔΔT)が閾値Cを下回っているためにモータ1を停止させる誤作動が生じないようになっている。上記積算値Σ(ΔΔT)は、図10に示すピーク曲線S1を例にとれば、トルク変動率ΔΔTが連続して正となる区間内に生じる打撃毎のトルク変動率ΔΔTの和Σ(ΔΔT)=ΔΔT10+ΔΔT101+ΔΔT102+…+ΔΔT11、となる。また、上記のような積算値の代りに、トルク変動率ΔΔTが連続して正である区間内のトルク変動率ΔΔTの時間軸による積分値を用いても構わない。
なお、前記閾値Cは、トルク設定スイッチ23により設定した下限トルクT1の値に対応して自動的に設定されることが好適である。具体的には、例えば閾値C=(定数)×(トルク設定スイッチ23のダイヤル数値)とし、下限トルクT1が大きくなる程に閾値Cが大きな値となるように設定しておけば、作業内容に応じてわざわざ閾値Cを設定せずとも、常に適当な値の閾値Cによって着座判定を行うことができる。
次に、本発明の実施の形態における第三例のインパクト工具について説明するが、第一例の構成と同様の構成については説明を省略し、特徴的な構成についてのみ以下に詳しく述べる。本例のインパクト工具の締付け判定部21においては、第一例と同様にトルク変動量ΔTとトルク変動率ΔΔTとを算出するとともに、締付けトルクTが所定の下限トルクT1を超えたうえでトルク変動率ΔΔTが正から負に至った場合か、或いは、締付けトルクTが所定の下限トルクT1を超えたうえでトルク変動率ΔΔTが正から負に至り、その後にトルク変動量ΔTが正から負に至った場合に、着座と判定するものである。締付け判定部21の着座判定として前者の場合に着座と判定する方式は、木製の被締結部材(図示せず)に対する締付け作業を想定しており、締付けトルクTがピークに達するまで締付けを行うとねじばかや部材割れが生じることを考慮してピーク前に着座と判定する方式である(以下、これを木工用判定方式という)。また、金属性の被締結部材(図示せず)に対する締付け作業を想定しており、締付けトルクTがピークに達するまで締付けても破損を生じる危険性が少ないことを考慮して略ピーク時点まで締付けを行った後に着座と判定する方式である(以下、これを金工用判定方式という)。
上記した木工用判定方式と金工用判定方式は、本例の選択手段25である切替スイッチ26(図12を参照)により自在に切替えられるものであり、締付け判定部21において図14のフローチャートに示すように着座の判定が行われることで、図13に示すように木工用判定方式を設定した時は締付けトルクTがピークに達する前にモータ1が停止され、金工用判定方式を設定した時は締付けトルクTが略ピークに達した後にモータ1が停止されるものである。なお、本例の木工用判定方式と金工用判定方式の両方において、第二例の場合と同様にトルク変動率ΔΔTが連続して正となる区間内のトルク変動率ΔΔTの積算値Σ(ΔΔT)又は積分値が所定の閾値Cを超えることを着座と判定する条件として追加したものであってもよい。
また、上記のように木工用判定方式と金工用判定方式のうち一方を選択する選択手段25として、トルク設定スイッチ23を利用し、図15に示すようにトルク設定スイッチ23により設定される下限トルクT1が所定値以下であるとき(例えば「5」以下の数字により表される下限トルクT1を設定したとき)は木工用判定方式を自動的に選択し、トルク設定スイッチ23により設定される下限トルクT1が前記所定値を超えるとき(例えば「6」以上の数字により表される下限トルクT1を設定したとき)は金工用判定方式を自動的に選択するものとすることも好適である。
次に、本発明の実施の形態における第四例のインパクト工具について説明するが、第一例の構成と同様の構成については説明を省略し、特徴的な構成についてのみ以下に詳しく述べる。本例のインパクト工具においては、トルク設定スイッチ23によって下限トルクT1に加えて上限トルクT2が設定されるようになっており、図18のフローチャートに示すように、締付け判定部21において、前記したような下限トルクT1を用いた通常の着座判定によりモータ1の停止指令を出力させることに加えて、この着座判定前に締付けトルクTが上限トルクT2を超えた場合においてもモータ1の停止指令を出力させるようになっている。このようにすることで、仮に着座判定が適切に行われなかったとしても上限トルクT2に達した時点ではモータ1が確実に停止されることとなり、ねじばかや部材割れが防止されるものである。図16は下限トルクT1を用いた通常の着座判定によりモータ1を停止させた場合を示しており、図17は上限トルクT2への到達によりモータ1を停止させた場合を示している。
上限トルクT2と下限トルクT1とは、例えば下限トルクT1が上限トルクT2の50%に設定されるといったように一定割合の関係に自動的に設定されるものであってもよいし、例えば図19に示すように、上限トルクT2に対する下限トルクT1の割合が上限トルクT2が小さくなる程に大きな割合となるように自動的に設定されるものであってもよいし、また、下限トルクT1が、図20に点線で示すように予め複数段階に設定してあるトルク値のうち上限トルクT2の1段階下のトルク値に自動的に設定されるものであってもよい。このようにすれば、作業者はトルク設定スイッチ23を用いて例えば上限トルクT2を設定するだけで下限トルクT1までもが自動的に設定されるものである。なお、同様の上限トルクT2の設定及びこれを用いた停止処理を第二例や第三例のインパクト工具に適用した場合にも、ねじばかや部材割れが防止されることは勿論である。
次に、本発明の実施の形態における第五例のインパクト工具について説明するが、第一例の構成と同様の構成については説明を省略し、特徴的な構成についてのみ以下に詳しく述べる。本例の締付け判定部21においては、前記したような下限トルクT1を用いた通常の方式によって締結具の着座を判定してモータ1の停止指令を出力させる場合と、この下限トルクT1を用いた通常の着座判定を行わずに、トルク設定スイッチ23により設定されるトルク値を上限トルクT2として締付けトルクTが該上限トルクT2を超えた場合にモータ1の停止命令を出力させる場合とがあり、前者の場合と後者の場合のうち一方が本例の選択手段36である切替スイッチ37(図21を参照)により選択されるようになっている。前者の場合(即ち、下限トルクT1を用いた通常の着座判定による停止処理)は、破損を生じる危険性が少ない金工作業等において高トルクでの確実な締付けを行うのに適しており、後者の場合(即ち、上限トルクT2への到達による停止処理)は、ねじばかや部材割れの生じ易い木工作業等において低トルクでの締付けを行うのに適している。
また、本例の選択手段36として上記のような切替スイッチ37を設けるのでなく、トルク設定スイッチ23を利用し、このトルク設定スイッチ23により設定されるトルク値を基に自動的に停止処理が選択されるようにしてもよい。例えば図22に示すトルク設定スイッチ23にあっては、9段階のトルク値の1〜3段階を選択した場合には、この選択したトルク値を上限トルクT2として締付けトルクTが該上限トルクT2を超えた場合にモータ1の停止指令を出力させ、9段階のトルク値の4〜9段階を選択した場合には、このトルク値を下限トルクT1として該下限トルクT1を用いた通常の着座判定により締結具の着座を判定した場合にモータ1の停止指令を出力させるようになっている。この場合、特別な操作を行わずとも自動的に作業に適したモータ1の停止条件が設定されるという利点がある。
また、第一〜第五例のインパクト工具のトルク設定スイッチ23として、図23に示すようなダイヤル式の締結具設定スイッチ38と被締結部材設定スイッチ39とを備えることも好適である。締結具設定スイッチ38は、締結具の種類を設定する締結具設定手段40を構成するものであって、ねじの長さを15、25、50、75mmの中から一つ選択するようになっている。また、被締結部材設定スイッチ39は、前記締結具が締結される被締結部材の種類を設定する被締結部材設定手段41を構成するものであって、被締結部材を石膏ボード製部材、アルミニウム製部材、木製部材、金属製部材の中から一つ選択するようになっている。そして、上記の締結具設定スイッチ38により選択された締結具の種類と、被締結部材設定スイッチ39によって選択された被締結部材の種類との組合せに応じて、自動的にトルク値が設定されるものである。図24には、締結具と被締結部材の組合せと、設定されるトルク値のレベルとの対応の一例を示しているが、図示のように例えば長さが25mmのねじを木製部材に締付ける場合はレベル4のトルク値が自動的に設定されることで、作業者は簡単にトルク条件を設定可能となるものである。
本発明の実施の形態における第一例のインパクト工具の構成図である。 同上のインパクト工具の他の構成図である。 同上のインパクト工具の更に他の構成図である。 同上のインパクト工具のトルク設定スイッチを示す説明図である。 同上のインパクト工具の他のトルク設定スイッチを示す説明図である。 同上のインパクト工具の、打撃数に対する締付けトルクやトルク変動量やトルク変動率の推移を示す説明図である。 同上のインパクト工具の、打撃数に対する締付けトルクやトルク変動量やトルク変動率の推移、及びモータ停止時点を示す説明図である。 同上のインパクト工具のモータ停止処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における第二例のインパクト工具の、打撃数に対する締付けトルクやトルク変動量やトルク変動率の推移、及びモータ停止時点を示す説明図である。 図9のピーク曲線S1の拡大図である。 同上のインパクト工具のモータ停止処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における第三例のインパクト工具の木工設定と金工設定の選択手段を示す説明図である。 同上のインパクト工具の、打撃数に対する締付けトルクやトルク変動量やトルク変動率の推移、及びモータ停止時点を示す説明図である。 同上のインパクト工具のモータ停止処理を示すフローチャートである。 同上のインパクト工具の木工設定と金工設定の選択手段の別形態を示す説明図である。 本発明の実施の形態における第四例のインパクト工具の、打撃数に対する締付けトルクやトルク変動量やトルク変動率の推移、及びモータ停止時点を示す説明図である。 同上のインパクト工具において別のトルク設定を行った場合の、打撃数に対する締付けトルクやトルク変動量やトルク変動率の推移、及びモータ停止時点を示す説明図である。 同上のインパクト工具のモータ停止処理を示すフローチャートである。 同上のインパクト工具の、下限トルクと上限トルクの割合とトルク値レベル設定との関係を示すグラフ図である。 同上のインパクト工具の複数段階に設定されるトルク値を示す説明図である。 本発明の実施の形態における第五例のインパクト工具の着座判定方式の選択手段を示す説明図である。 同上のインパクト工具の着座判定方式の選択手段の別形態を示す説明図である。 本発明の実施の形態における第一〜第五例のインパクト工具の、トルク設定スイッチの別形態を示す説明図である。 同上のトルク設定スイッチを用いた場合の、締結具と被締結部材の組合せと、設定されるトルク値のレベルとの対応を示すグラフ図である。
符号の説明
1 モータ
4 ハンマ
5 アンビル
10 動力伝達手段
11 打撃検出手段
12 回転角検出手段
13 アンビル回転角演算部
14 トルク推定部
15 トルク推定手段
24 トルク条件設定手段
25 選択手段
31 モータ制御手段
33 締付け判定手段
C 閾値
Δr 回転角
T トルク
ΔT トルク変動量
ΔΔT トルク変動率
T1 下限トルク
T2 上限トルク

Claims (1)

  1. モータと、モータの回転及び停止の制御を行うモータ制御手段と、モータの回転力を伝達してねじやボルト等の締結具の締付け作業を行うハンマ及びアンビルから成る動力伝達手段と、締結具の締付けトルクを推定するトルク推定手段と、トルク推定手段により推定される締付けトルクを用いて締結具の着座を判定してモータ制御手段にモータの停止指令を出力させる締付け判定手段とを備えたインパクト工具であって、前記トルク推定手段を、ハンマによるアンビルへの打撃を検出する打撃検出手段と、アンビルの回転角を検出する回転角検出手段と、前記各手段からの出力を基に1打撃毎のアンビルの回転角を算出するアンビル回転角演算部と、アンビル回転角演算部から得られる前記回転角を基に締付けトルクを推定するトルク推定部とで形成し、且つ前記締付け判定手段を、締付けトルクのモータの回転角又は時間変化に対する変化の割合であるトルク変動量、及び、モータの回転角又は時間変化に対する前記トルク変動量の変化の割合であるトルク変動率を算出するとともに、トルク変動率が連続して正となる区間内のトルク変動率の積算値或いは積分値が所定の閾値を超えた後に、トルク変動率が正から負に至り、尚且つ締付けトルクが所定の下限トルクを超えた場合に、着座と判定するものとし、前記下限トルクを作業者が自在に設定するためのトルク条件設定手段を備え、闘値はトルク条件設定手段により設定した下限トルクの値に対応して設定された値としたことを特徴とするインパクト工具。
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