JP4292655B2 - サンプリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナログ信号をデジタル変換するサンプリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信、特に、ディジタル無線通信システムとしては、ディジタル信号を処理するベースバンド回路と、アナログ信号を処理するRF回路とを有して構成されている。
【0003】
一般的に、送信回路では、ベースバンド回路とRF回路とのインターフェース回路としては、デジタル−アナログ変換回路(D/Aコンバータ)が用いられ、受信回路では、ベースバンド回路とRF回路とのインターフェース回路としては、アナログ−デジタル変換回路が用いられている。
【0004】
ここで、受信回路でのアナログ−デジタル変換回路は、アナログ信号をデジタル変換(サンプリング)するとき、分解能が低いと、いわゆる量子化雑音が発生し伝送した信号の質を悪化させるといった問題がある。
【0005】
しかしながら、現実問題として、通信システムのデータ伝送速度に対応できるようなアナログ−デジタル変換回路では、分解能が8bitから14bit程度であり、量子化雑音を抑制するには、アナログ−デジタル変換回路に入力する信号の電力を適正レベルに調節する必要がある。
【0006】
このように、信号の電力を適正レベルに調節する回路としては、例えば、ゲインコントロールアンプ、電力検出器、及びローパスフィルタを組み合わせてフィードバック回路を構成する、いわゆる自動利得調節回路(Auto Gain Control:AGC)が知られている。
【0007】
しかして、自動利得調節回路とアナログ−デジタル変換回路とによりサンプリング装置を構成し、アナログ−デジタル変換回路によって、自動利得調節回路から出力された出力信号のデジタル信号(サンプリングデータ)を得るようにしている。
【0008】
ここで、自動利得調節回路では、電力検出器は、ゲインコントロールアンプから出力される電力をモニタ(監視)し、モニタした結果をローパスフィルタを通してゲインコントロールアンプのゲイン調節端子に出力する。そして、ローパスフィルタの通過帯域を調節することで、利得調整の応答速度を変えることができるようになっている。
【0009】
しかして、近年開発が進められている、無線を用いた高速のデータ通信システムでは、既存のコンピュータネットワークシステムとの融合を図るため、データがパケットと呼ばれる小さな単位によって、伝送されることが多い。しかし、無線通信では、有線通信に比べて、伝送路の損失が一定でなく、送受信器相互の距離に応じて信号強度が大きく変動するといった問題がある。
【0010】
これに対して、信号強度の変動を補正するために、図24に示すように、データパケットに先立ちプリアンブルと呼ばれる既知の情報を伝達し、データパケットと合わせてフレームを構成し、受信器が、プリアンブルを迅速に検知し、このプリアンブルを用いて、電力の補正、伝送周波数、若しくはタイミングの同期を取るようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したサンプリング装置においては、自動利得調節回路は、受信信号を検知した瞬間では最大利得で受信信号を処理するため、当該検知後からフィードバック制御の効果が現れるまでの間は、自動利得調節回路から過大な電力が出力される。
【0012】
従って、自動利得調節回路から出力された電力が、アナログ−デジタル変換回路におけるサンプリング可能上限電力を超えたとき、アナログ−デジタル変換回路が正確にデジタル変換することができない。このため、正確なデジタル信号が得られず、アナログ−デジタル変換回路以降の電子回路、例えば、ベースバンド回路への悪影響を与えるいった問題がある。
【0013】
本発明は、上記点に鑑み、アナログ−デジタル変換回路以降の電子回路への悪影響を抑えるようにしたサンプリング装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、出力信号の電力を一定に保つように利得が制御されるゲインコントロールアンプ(10)と、ゲインコントロールアンプから出力された出力信号に応じて、デジタル信号を出力する第1のアナログ−デジタル変換回路(40)と、ゲインコントロールアンプから出力された出力信号を出力する出力検出回路(20)と、出力検出回路から出力された出力信号に応じて、第1のアナログ−デジタル変換回路への入力信号の電力を予測する電力予測手段(110)と、電力予測手段によって予測された電力が、第1のアナログ−デジタル変換回路におけるサンプリング可能な上限電力以下であるか否かを判定する電力判定手段(120)と、電力判定手段によって、予測された電力が前記第1のアナログ−デジタル変換回路におけるサンプリング可能な上限電力以下であると判定されたとき、第1のアナログ−デジタル変換回路から出力されたデジタル信号の収集を開始する信号収集手段(140)と、ゲインコントロールアンプから出力された出力信号をベクトル復調するベクトル復調回路(80)と、を備え、第1のアナログ−デジタル変換回路は、ベクトル復調回路から出力された復調信号に基づいてデジタル信号を出力し、電力予測手段は、あらかじめ準備したベクトル復調回路の変換利得データを参照して、第1のアナログ−デジタル変換回路への入力信号の電力を予測することを特徴とする。
【0015】
これにより、信号収集手段によって、第1のアナログ−デジタル変換回路が正しくサンプリングできた時間領域の信号だけを取り出すことが可能となる。この結果、第1のアナログ−デジタル変換回路におけるサンプリング可能な上限電力を越える電力が第1のアナログ−デジタル変換回路に入力されたときに発生しうる現象、例えば、第1のアナログ−デジタル変換回路から出力されたデジタル信号が上限の値に飽和してしまう現象などを回避できる。このため、第1のアナログ−デジタル変換回路以降の信号処理手段、例えば、ベースバンド回路が信号処理時に不適切なデジタル信号(サンプリングデータ)を用いて電力の補正などを行うことを防止することができる。
【0020】
また、請求項の発明では、電力予測手段は、あらかじめ準備したベクトル復調回路の変換利得データを参照して、第1のアナログ−デジタル変換回路への入力信号の電力を予測するので、ベクトル復調回路を採用したときであっても、第1のアナログ−デジタル変換回路への入力信号の電力の予測を、精度良く行うことができる。
【0057】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す各実施形態について説明する。
【0059】
(第1実施形態)
図1に本発明に係るサンプリング装置の第1実施形態を示す。図1はサンプリング装置の回路構成を示すブロック図である。サンプリング装置は、ゲインコントロールアンプ10、対数アンプ20、ローパスフィルタ30、第1及び第2のアナログ−デジタル変換回路40、50、及び制御回路60によって構成されている。
【0060】
ゲインコントロールアンプ10は、制御電圧(制御信号)に基づいて利得が制御可能になっているものであって、入力信号Sinを当該利得に基づいて増幅して増幅信号(以下、出力信号Ssmpという)を対数アンプ20及び第1のアナログ−デジタル変換回路40に出力する。但し、ゲインコントロールアンプ10としては、制御電圧に対して利得が対数的に変化するタイプ(例えば、1Vの変動に対し10dB利得が変わるようなタイプ)が望ましい。
【0061】
対数アンプ20は、出力信号Ssmpの電力を対数表示した値に対応した電圧を出力信号Srefとしてローパスフィルタ30及び第2のアナログ−デジタル変換回路50に出力する。なお、対数アンプ20としては、例えば、公知技術である逐次比較型のアンプを用いればよい。
【0062】
ローパスフィルタ30は、対数アンプ20からの出力信号Srefに基づいてフィルタ信号を上記制御電圧としてゲインコントロールアンプ10の利得調整端子に出力する。なお、ローパスフィルタ30としては、サンプリング装置の制御による所望の応答速度に応じてカットオフ周波数を調節すればよい。
【0063】
ここで、ゲインコントロールアンプ10は、対数アンプ20及びローパスフィルタ30とともに、クローズドループ(フィードバック回路)の自動利得調節回路を形成し、この自動利得調節回路は、ゲインコントロールアンプ10からの出力信号Ssmpの電力をほぼ一定に保つように動作する。
【0064】
第1のアナログ−デジタル変換回路40は、ゲインコントロールアンプ10からの出力信号Ssmpをデータサンプリングしてサンプリングデータを制御回路60に出力し、第2のアナログ−デジタル変換回路50は、対数アンプ20からの出力信号Srefをデータサンプリングしてサンプリングデータを入力信号の電力検出のために制御回路60に出力する。制御回路60は、図3に示すフローチャートに従って、サンプリングデータの収集処理を行う。
【0065】
次に、制御回路60の作動の説明に先立って、上記の構成における、各信号の時間的変化を図2(a)〜(c)を参照して説明する。図2(a)は、入力信号Sinの電力の波形図、図2(b)はゲインコントロールアンプ10からの出力信号Ssmpの電力の波形図、図2(c)は、対数アンプ20からの出力信号Srefの電圧の波形図である。
【0066】
先ず、入力信号Sinの電力が、図2(a)に示すように方形波状に変化したとき、ゲインコントロールアンプ10では、入力信号Sinが入力する直前は、ゲインコントロールアンプ10の利得が最大利得で待機しているため、出力信号Ssmpの電力は、図2(b)に示すように、信号が入力された瞬間に一旦出力が大きくオーバシュートした後、利得制御が作用し始め、制御目標に近づくように変化する。
【0067】
ここで、図2(a)中斜線で示した部分が、第1のアナログ−デジタル変換回路40によってサンプリング可能である上限電力Pmaxを超えるため、第1のアナログ−デジタル変換回路40が図2(a)中斜線で示した部分を正しくサンプリングできない。
【0068】
一方、対数アンプ20は、ゲインコントロールアンプ10に比べて、ダイナミックレンジが広く、対数アンプ20は、出力信号Sref(出力電圧)を、出力信号Ssmpの電力を対数変換(対数表示)した値に比例して出力する。
【0069】
従って、図2(c)に示すように、出力信号Srefがオーバシュートした瞬間でも、第1のアナログ−デジタル変換回路40のサンプリング可能である上限を超えることない。このため、第1のアナログ−デジタル変換回路40は、出力信号Srefがオーバシュートした瞬間でも、出力信号Srefをサンプリングすることができる。
【0070】
以下に、制御回路60の作動につき図3を参照して説明する。制御回路60は、図3に示すフローチャートに従ってサンプリングデータ収集処理を行う。
【0071】
先ず、第2のアナログ−デジタル変換回路50からのサンプリングデータに基づいて、対数アンプ20からの出力信号Srefの電圧が、予め決めておいた閾値Vthoを超えた否かを判定し(ステップ100)、出力信号Srefの電圧が予め決めておいた閾値Vthoを超えたとき(出力信号Srefの電圧>閾値Vtho)、入力信号Sinが入力されたと判定する。これにより、ゲインコントロールアンプ10への入力信号のタイミングを得ることができる。
【0072】
次に、第2のアナログ−デジタル変換回路50から出力されたサンプリングデータ(対数アンプ20からの出力信号Srefの電圧)に基づいて、ゲインコントロールアンプ10からの出力信号Ssmpの電力を予測する(ステップ110)。すなわち、出力信号Ssmpの電力が第2のアナログ−デジタル変換回路50によるサンプリングデータに基づいて演算されることになる。
【0073】
なお、図1に示す電気回路構成において、出力信号Ssmpは、出力信号Srefの電圧(電力に対して対数で変化する)を、リニア表示に変換した電力をとるため、容易に予測することができる。
【0074】
次に、ステップ110で予測した出力信号Ssmpの電力が、第1のアナログ−デジタル変換回路40のサンプリング可能上限電力Pmaxを超えるか否かを判定し(ステップ120)、出力信号Ssmpの電力がサンプリング可能上限電力Pmaxを超えるとき、第1のアナログ−デジタル変換回路40のサンプリングデータ(デジタル信号)を破棄する(ステップ130)。
【0075】
ここで、ゲインコントロールアンプ10は、第1のアナログ−デジタル変換回路40とともに、上述の如く破棄されたサンプリングデータ(デジタル信号)としては、図16に示すプリアンブルのうち電力信号用信号の一部に対応するように設定されている。これにより、出力信号Ssmpの電力がサンプリング可能上限電力Pmaxを超えるとき、第1のアナログ−デジタル変換回路40によるサンプリングデータをベースバンド回路での処理には用いないようにする。
【0076】
一方、ステップ110で予測した出力信号Ssmpが第1のアナログ−デジタル変換回路40のサンプリング可能上限電力Pmax以下になったとき、第1のアナログ−デジタル変換回路40によるサンプリングデータ(デジタル信号)の採取を開始し、ベースバンド回路にサンプリングデータを送り、上記ベースバンド回路によって信号処理を実行させる(ステップ140)。
【0077】
次に、対数アンプ20からの出力信号Srefの電圧が、予め決めておいた閾値Vthoを超えた否かを判定し(ステップ100)、出力信号Srefの電圧が予め決めておいた閾値Vthoを超えたとき、入力信号Sinが入力されていると判定し、ステップ140の処理を行う。その後、入力信号Sinの入力が停止するまで、すなわちSrefがしきい値Vtho以下になるまでステップ140の処理を繰り返すことになる。
【0078】
以上のように、ゲインコントロールアンプ10からの出力信号Ssmpの電力を予測し、予測した出力信号Ssmpが第1のアナログ−デジタル変換回路40のサンプリング可能上限電力Pmax以下になったとき、第1のアナログ−デジタル変換回路40によるサンプリングデータの採取を開始する。従って、制御回路60によって収集されサンプリングデータを処理するベースバンド回路では、第1のアナログ−デジタル変換回路40が正しくサンプリングできた時間領域の信号だけを取り出して信号処理を行うことが可能となる。
【0079】
この結果、第1のアナログ−デジタル変換回路40に、サンプリング可能上限電力Pmaxの電力を入力してサンプリングしたときに発生しうる現象、例えば、サンプリングデータが第1のアナログ−デジタル変換回路40の上限の値に飽和する現象などを回避できる。従って、上述した上限の値に飽和した状態のサンプリング結果でもって、制御回路60以降の信号処理回路に悪影響を与えることを防止できる。例えば、ベースバンド回路が、第1のアナログ−デジタル変換回路40の上限の値に飽和した状態のサンプリング結果を用いて電力の補正などを行うことを防止することができる。
【0080】
ところで、従来、図25に示すように、自動利得調節回路1、遅延回路2、信号検出回路3、及びローパスフィルタ4によりオープンループ回路を構成するサンプリング装置がある(特開平7−212153号公報参照)。
【0081】
ここで、自動利得調節回路1には、入力信号が遅延回路2を通して入力されるため、自動利得調節回路1への入力信号の入力にあたり、遅延回路2のよる遅延時間が生じ、信号検出回路3は、上記遅延時間内において、入力信号に基づいて自動利得調節回路1への制御信号をローパスフィルタ4を通して出力する。従って、自動利得調節回路1は、上記遅延時間を利用して、上記制御信号に基づいて出力電力を適正レベルに制御するようにしている。
【0082】
しかして、図25に示すサンプリング装置では、入力信号が伝達される経路(自動利得調節回路1及び入力端子5の間)に遅延回路2が配置されている。この遅延回路2の実施にあたっては、インダクティブ/キャパシティブ回路や、多数のアンプを入れる手段などが上げられているが、これらの手段では、いずれも、信号波の帯域において、位相を均一に保持しつつ伝送することが困難である。
【0083】
とくに、データ伝送速度の速い通信システムにおいては、信号波の帯域幅は広くなる傾向にある。また、ディジタル無線通信の場合、変調方式には位相変調が用いられることが多く、帯域内の位相情報を乱れなく伝達することは極めて重要である。
【0084】
これに対して、本実施形態のサンプリング装置では、入力信号が伝達される経路において、遅延回路を配置していないので、入力信号の位相を均一に保持することができる。従って、本実施形態のサンプリング装置としては、変調方式には位相変調を採用したディジタル無線通信に対しても、良好に適用することができる。
【0085】
また、図25に示すサンプリング装置では、上述の如く、遅延回路2によって信号が遅延されてからアナログ−デジタル変換回路に伝達されるため、このアナログ−デジタル変換回路に接続されるベースバンド回路は、実際に信号が受信器に入ったタイミング(瞬間)を検知することができず、遅延回路2の遅れ時間分だけ遅れて検知するといった問題もある。
【0086】
これに対して、本実施形態では、上述の如く、入力信号が伝達される経路において、遅延回路を配置していなく、第2のアナログ−デジタル変換回路50からのサンプリングデータに基づいてサンプリング装置への入力信号の入力のタイミングを判定しているので、サンプリング装置への入力信号の入力のタイミングとしては、精度の良いものになる。
【0087】
また、ゲインコントロールアンプ10としては、対数アンプ20から出力された出力信号に対して利得が対数的に変動するものを用いているので、対数アンプ20と組み合わせた自動利得制御回路の利得制御の精度を高めると共に、対数−リニア変換回路等を必要とせず、簡素な回路構成で実現することが可能となる。
【0088】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態につき図4、図5(a)〜(c)を参照して説明する。図4は、第2実施形態を示す電気回路図、図5(a)は、入力信号Sinの電力の波形図、図5(b)はゲインコントロールアンプ10からの出力信号Ssmpの電力の波形図、図5(c)は、対数アンプ20からの出力信号Srefの電圧の波形図である。なお、第2実施形態の電気回路及び各波形図は、上記第1実施形態と類似しているので、以下に相違点のみ説明する。
【0089】
第2実施形態では、対数アンプ20は、ゲインコントロールアンプ10の入力側に配置され、対数アンプ20は、その出力信号をローパスフィルタ30を介してゲインコントロールアンプ10の利得制御端子に出力する。
【0090】
これにより、ゲインコントロールアンプ10は、対数アンプ20及びローパスフィルタ30とともに、オープンループの自動利得調節回路を形成し、この自動利得調節回路は、ゲインコントロールアンプ10からの出力信号Ssmpの電力をほぼ一定に保つように動作する。また、同時に、対数アンプ20は、出力信号を、第2のアナログ−デジタル変換回路(電力検出用の)50にも出力する。
【0091】
第2実施形態では、対数アンプ20は、入力信号Sinを直接観測しているため、第2のアナログ−デジタル変換回路50(電力検出用の)に入力される信号波形は、図5(c)のように、図5(a)に示す入力信号Sinの電力変化と同じ形状の波形となる。
【0092】
ここで、ゲインコントロールアンプ10によって利得制御されて、第1のアナログ−デジタル変換回路(データサンプリング用の)40に入力される信号Ssmpは、上述したオープンループの制御のため、ゲインコントロールアンプ10の制御特性等により、出力電力に制御誤差が生ずる。但し、当該制御誤差は、第1のアナログ−デジタル変換回路40で正しくサンプリングできる範囲に容易に収めることができるため、ベースバンド回路で行う信号処理において補正を行うことができ、実用上は問題がない。
【0093】
また、図6に示すフローチャートが、図3に示すフローチャートに代えて採用され、制御回路60は、図6に示すフローチャートに従ってサンプリングデータの収集処理を行う。図6に示すステップ100、140は、図3に示すステップ100、140と同一である。
【0094】
次に、第2実施形態の制御回路60の作動につき図6により説明する。制御回路60は、図6に示すフローチャートに従ってサンプリングデータの収集処理を開始する。
【0095】
先ず、対数アンプ20からの出力信号Srefの電圧が、予め決めておいた閾値Vthoを超えた否かを判定し(ステップ110)、出力信号Srefの電圧が閾値Vthoを超えたとき(出力信号Srefの電圧>閾値Vtho)、入力信号Sinが入力されたとして、ステップ110Aに進む。
【0096】
次に、ステップ110Aで、データベース110Bからゲインコントロールアンプ10及びローパスフィルタ30の双方の特性(伝達関数)のデータを参照するとともに、対数アンプ20からの出力信号Srefの電圧のサンプリングデータに基づいて、上述した自動利得調節回路(オープンループの)におけるアタックタイムTa(図5(b)参照)を予測する。
【0097】
但し、出力信号Srefは、上述した自動利得調節回路に入力される電力を反映しているので、上述した自動利得調節回路を構成するゲインコントロールアンプ10やローパスフィルタ30の伝達関数に関する情報を加味すれば、アタックタイムTaを精度良く予測することができる。また、アタックタイムTaとは、図5(b)に示すように、出力信号Srefの電力の立ち上がり開始から一定レベルVaに収束する迄の時間である。
【0098】
次に、ステップ110Aで予測したアタックタイムTaだけ待った後(ステップ150)、ステップ140に進んで、第1のアナログ−デジタル変換回路40によるサンプリングデータの採取を開始し、その後、ステップ100の処理を行う。これにより、上記第1実施形態と実質的に同様に、図5の(b)における斜線部で示したA/Dのサンプリング上限を超えた部分を除去して、サンプリングデータの収集を行うことができる。
【0099】
以上により、上記第1実施形態と同様に、対数アンプ20を用いているので、広いダイナミックレンジでの入力信号電力検出が可能である。これと共に、上述の如く、自動利得調節回路(自動利得調節機能)をオープンループの構成とすることによって、対数アンプ20及びローパスフィルタ30の遅延特性によらず、ゲインコントロールアンプ10の利得制御(制御系)が不安定になることはなく、利得制御の発振(制御された電力が周期的に増減を繰り返す現象)を防止することができる。
【0100】
また、上述した如く、予めゲインコントロールアンプ10及びローパスフィルタ30の双方の伝達関数を測定しこの伝達関数を保有するデータベース110Bを準備しておき、アタックタイムTaの予測あたり、データベース110Bの伝達関数を参照するので、簡単にかつ確実に行うことができる。
【0101】
なお、本実施形態において、上記第1実施形態で述べたゲインコントロールアンプ10からの出力信号Ssmpの電力の予測に代えて、アタックタイムTaの予測を採用した根拠は、以下の通りである。
【0102】
すなわち、本実施形態では、自動利得調節回路をオープンループで構成しているため、図5(b)に示すように、ゲインコントロールアンプ10の利得制御における誤差を生じる。従って、ゲインコントロールアンプ10からの出力信号Ssmpの電力の予測ではなく、アタックタイムTaの予測を採用することで、利得制御における誤差に関わりなく、第1のアナログ−デジタル変換回路40のサンプリング可能上限電力Pmax以下の信号を採取するようにしている。
【0103】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図7、図8(a)〜(c)により説明する。図8は第3実施形態の電気回路図、図8(a)は、入力信号Sinの電力の波形図、図5(b)はゲインコントロールアンプ10からの出力信号Ssmpの電力の波形図、図5(c)は、対数アンプ20からの出力信号Srefの電圧の波形図である。
【0104】
第3実施形態では、ゲインコントロールアンプ10、ローパスフィルタ30、及び電力検出器70で公知技術の自動利得調節回路を形成し、加えて、ゲインコントロールアンプ10の入力側に対数アンプ20を接続し、この対数アンプ20の出力信号Srefを第2のアナログ−デジタル変換回路50(電力検出用の)に出力するようにした。
【0105】
このような構成では、自動利得調節回路はクローズドループから成るため制御目標に対する誤差はほとんど発生しない。また、対数アンプ20の出力信号SrefSrefは入力信号Sin電力の変動を反映しているため、制御回路60によるサンプリングデータの収集処理に関しては、第2実施形態と同様の制御、すなわち、図6に示すフローチャートに従って処理を行うようにすればよい。
【0106】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図9を参照して説明する。図9は、第4実施形態を示す電気回路図である。第4実施形態は、図1に示すゲインコントロールアンプ10の出力端子及び第1のアナログ−デジタル変換回路40の入力端子の間において、ベクトル変調器80が接続されている。
【0107】
ベクトル変調器80は、ゲインコントロールアンプ10からの出力信号を出力信号I、Qの2チャンネルに直交復調し、これら出力信号I、Qを第1のアナログ−デジタル変換回路40に出力する。すなわち、ゲインコントロールアンプ10の出力電力が、ベクトル復調器80の変換利得だけ増幅(変換損失の場合は減衰)されたものが、第1のアナログ−デジタル変換回路40に入力される。
【0108】
ここで、制御回路60は、図10に示すフローチャートに従って、サンプルデータの収集処理を行う。但し、図10に示すフローチャートは、図3に示すフローチャートにおいてデータベース110aを追加したものである。制御回路60は、ベクトル復調器80から出力される出力信号Ssmpの電力を予測する際において(ステップ110)、データベース110aからベクトル復調器80の変換利得データを参照できるようにすればよい。
【0109】
これにより、処理を複雑化することなく、確実に出力信号Ssmpの電力の予測を行い、データ収集を開始すべき時間を適切に予測することが可能となる。その他の動作は、第1実施形態と同一である。
【0110】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図11により説明する。図11は、第5実施形態を示す電気回路図である。第5実施形態では、図4に示すゲインコントロールアンプ10の出力端子及び第1のアナログ−デジタル変換回路40の入力端子の間に、ベクトル変調器80が接続されている。但し、図11に示すベクトル変調器80は、図9に示すベクトル変調器80と同一である。
【0111】
第5実施形態では、制御回路60によるサンプルデータの収集処理にあたり、予測するデータとしては、アタックタイムTaだけであるため、ベクトル復調器80の影響は考慮しなくても良い。従って、制御回路60としては、図6に示すフローチャートに従って、サンプルデータの収集処理を行うようにしておく。
【0112】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について図12により説明する。図12は、第6実施形態を示す電気回路図である。第6実施形態では、図7に示すゲインコントロールアンプ10、ローパスフィルタ30、及び電力検出器70から成る自動利得調節回路と、第1のアナログ−デジタル変換回路(データサンプリング用の)40の入力端子との間に、ベクトル変調器80が接続されている。但し、図12に示すベクトル変調器80は、図9に示すベクトル変調器80と同一である。その他の動作は、上記第5実施形態と同一である。
【0113】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について図13、図14(a)〜(e)により説明する。図12は第7実施形態を示す電気回路図、図14(a)は、入力信号Sinの電力の波形図、図14(b)は、遅延回路90からの遅延信号Sdlyの電圧の波形図、図14(c)は、コンパレータ91からの出力信号Swinの電圧の波形図、図14(d)は、ベクトル復調器からの出力信号Ssmpの電力の波形図、図14(e)は、対数アンプ20からの出力信号Srefの電圧の波形図である。
【0114】
図13に示すように、サンプリング装置は、ゲインコントロールアンプ10、対数アンプ20、ローパスフィルタ30、第1及び第2アナログ−デジタル変換回路40、50、及びベクトル復調器80に加えて、遅延回路90、コンパレータ91及び電圧制御型のスイッチ92が設けられている。
【0115】
ここで、ゲインコントロールアンプ10は、対数アンプ20及びローパスフィルタ30と共にクローズドループの自動利得調節回路が構成され、この自動利得調節回路は、上記第1実施形態と同様に、ゲインコントロールアンプ10からの出力信号の電力をほぼ一定に保つように動作する。また、対数アンプ20は、ゲインコントロールアンプ10からの出力信号を第2のアナログ−デジタル変換回路(電力検出用)50に入力する。
【0116】
ゲインコントロールアンプ10は、その出力信号を、電圧制御型のスイッチ92を介してベクトル復調器80に出力し、ベクトル復調器80は、ゲインコントロールアンプ10からの出力信号を出力信号Ssmp(I、Q)の2チャンネルに直交復調する。第1のアナログ−デジタル変換回路(データサンプリング用の)40は、出力信号Ssmp(I、Q)をサンプリングする。
【0117】
対数アンプ20は、その出力信号を遅延回路90を介してコンパレータ91に入力し、遅延回路90は、対数アンプ20からの出力信号に対して遅延時間Tdだけ遅れた遅延信号Sdlyをコンパレータ91に出力することになる。コンパレータ91は、遅延信号Sdlyと基準電圧Vthaとの比較を行い、遅延信号Sdlyが基準電圧Vthaを超えたとき、ハイレベルの出力信号Swinを出力する。
【0118】
ここで、電圧制御型のスイッチ92は、コンパレータ91からの出力信号Swinに基づいて、ゲインコントロールアンプ10及びベクトル復調器80の間を接続或いは遮断する。
【0119】
具体的には、電圧制御型のスイッチ92は、コンパレータ91からのハイレベルの出力信号Swinを受けたとき、ゲインコントロールアンプ10及びベクトル復調器80の間を接続して、ベクトル変調器80(ベクトル変調器80のない場合には第1のアナログ−デジタル変換回路40)に、ゲインコントロールアンプ10からの出力信号をを伝送するように設定した。
【0120】
制御回路60は、図15に示すフローチャートに従って、サンプルデータの収集処理を行う。また、図15に示すステップ100、ステップ140は、図6に示すステップ100、ステップ140と同一である。
【0121】
以上の構成において、図14(a)に示す入力信号Sinの電力変化に対し、コンパレータ91には、図14(b)に示すように、ゲインコントロールアンプ10の出力電力変化に対応した信号(遅延信号)が、遅延回路90によって遅延時間Tdだけ遅延されて入力される。そして、コンパレータ91は、遅延回路90からの遅延信号と、基準電圧Vthaとを比較すると、コンパレータ91からの出力信号は、図14(c)に示すようになる。
【0122】
その後、電圧制御型のスイッチ92が、コンパレータ91からの出力信号に基づいてスイッチ制御し、電圧制御型のスイッチ92から出力される信号は、図14(d)に示すように、ゲインコントロールアンプ10から出力された信号のうち、入力信号Sinが入力されてからTdの時間分が除去された信号となる。この信号が、ベクトル復調器80を介して第1のアナログ−デジタル変換回路40に入力される。一方、第2のアナログ−デジタル変換回路50(電力検出用の)には、図14(e)に示すように、信号が入力された直後から電圧が増加する信号が入力される。
【0123】
以下、第7実施形態における制御回路60の作動につき図15を参照して説明すると、図15に示すフローチャートは、図6に示すフローチャートのうちステップ110A、110Bに置き換えてステップ160が採用されている。従って、制御回路60は、図6に示す処理とほとんど同じだが、遅延時間Tdはあらかじめ設計時に決まった値で製作しているため、時間(アタック時間Ta)を予測する必要はなく、対数アンプ92からの出力信号Sref(図13(e)参照)の電圧が基準値Vthoを上回ることで信号入力を検知した後、遅延時間Tdだけ待ってからデータの採取を開始すればよい。
【0124】
ここで、第7実施形態における遅延時間Tdの時間(長さ)は、例えば、図16に記載のような構成のフレームを用いる場合、プリアンブルの先頭に含まれる同期用信号の送信時間をTp、自動利得調節回路のアタックタイムをTaとした場合、Ta≦Td<Tp の関係を満たせばよい。これにより、同期用信号のデータを得ることができるので、第1のアナログ−デジタル変換回路40に接続されるベースバンド回路では、同期用信号のデータを用いて信号を処理することができる。但し、ベースバンド回路における電力制御のために、電力変動が少ない領域を長時間確保した方が好ましいため、遅延時間TdはアタックタイムTaになるべく近づけることが望ましい。
【0125】
さらに、電圧制御型のスイッチ92により、入力信号がゲインコントロールアンプ10に入力されてから遅延時間分Tdの時間だけは、ゲインコントロールアンプ10からの出力信号が第1のアナログ−デジタル変換回路40に入力されないようになっている。このため、第1のアナログ−デジタル変換回路40に過大な電力が入力されることを防止することができる。
【0126】
特に、第1のアナログ−デジタル変換回路40として、過大入力に対して破損しやすい特性を持つものを採用したときには、電圧制御型のスイッチ92は、過大電力に対する保護回路として作用するため、好適である。
【0127】
なお、本実施形態では、遅延回路90は、対数アンプ20の出力側に配置されているにすぎず、第1のアナログ−デジタル変換回路40に至る回路には、何ら遅延回路は配置されておらず、第1のアナログ−デジタル変換回路40への入力信号の位相特性に影響を与えることはない。さらに、第2のアナログ−デジタル変換回路50には、入力信号がゲインコントロールアンプ10を経て対数アンプ20を通して入力されるため、ゲインコントロールアンプ10への入力信号を遅延することなく、検出することが可能となる。
【0128】
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について図17、図18(a)〜(e)を参照して説明する。図16は、第8実施形態の電気回路図、図18(a)は、入力信号Sinの電圧の波形図、図18(b)は、遅延回路90からの遅延信号Sdlyの電圧の波形図、図18(c)は、コンパレータ91からの出力信号Swinの電圧の波形図、図18(d)は、ベクトル復調器からの出力信号Ssmpの電力の波形図、図18(e)は、対数アンプ20からの出力信号Srefの電圧の波形図である。
【0129】
第8実施形態では、その基本構成が、図17に示すように、図13に示す第7実施形態と実質的に同様であるが、ゲインコントロールアンプ10、対数アンプ20、ローパスフィルタ40で構成される自動利得調節回路をオープンループの構成とした点のみ異なる。
【0130】
図18(a)〜(e)に示す各信号の波形図においても、図18(d)に示す信号が、オープンループのために制御誤差が残っている他は上記第7実施形態と同様の波形となる。また、制御回路60の作動に関しても、図15に示すフローチャートが採用されている。
【0131】
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態について図19、図20(a)〜(e)を参照して説明する。図18は、第9実施形態を示す電気回路図、図20(a)は、入力信号Sinの電力の波形図、図20(b)は、ゲインコントロールアンプ10から出力された出力信号Sctlの電圧の波形図、図20(c)は、対数アンプ20からローパスフィルタ41を通して出力された信号Sdlyの電圧の波形図、図20(d)は、ベクトル復調器からの出力信号Ssmpの電力の波形図、図20(e)は、対数アンプ20からの出力信号Srefの電圧の波形図である。
【0132】
第9実施形態では、オープンループの自動利得調節回路を構成している点は、上記第8実施形態と同じであるが、図17に示す遅延回路90、コンパレータ91、及びスイッチ92の代わりに、対数アンプ20の出力信号をローパスフィルタ41を経て極性反転回路93を介して電圧制御型の可変減衰器94の制御端子に出力するようにしている点が異なる。
【0133】
なお、ここで用いた可変減衰器94は、制御電圧が高い場合に減衰量が大きくなるタイプのものを用いているため、極性反転回路94によって、図20(c)中の信号Sdlyの電圧が高いときに、可変減衰器94の減衰量を小さくするようにした。もちろん、可変減衰器94の特性によっては特に設ける必要はない。いずれにせよ、対数アンプ20の出力電圧を、ローパスフィルタ40で遅延させた後の信号電圧に比例して、可変減衰器94の減衰量が小さくなるように設定すればよい。
【0134】
以上の構成により、対数アンプ20からローパスフィルタ41を通して出力された信号Sdlyの波形は、図20(c)に示すように、入力信号Sinの電力の波形をローパスフィルタ41で鈍らせ、立ち上がりを時間Tdだけ遅らせたような波形になる。このため、可変減衰器94を経て出力される信号は、図20(d)に示すように、オーバシュートが緩和され、第1のアナログ−デジタル変換回路40でサンプリングできる上限電力を超えないように設定することが可能となる。
【0135】
もちろん、別途、対数アンプ20の出力信号Srefを、第2のアナログ−デジタル変換回路50(電力検出用の)でモニタ(監視)しているため、入力信号Sinが入力されたことは、対数アンプ20の出力信号Srefの電圧で検出すればよい。従って、制御回路60は、すでに説明した図15に示すフローチャートに従って、サンプリングデータ収集処理を行うようにすればよい。
【0136】
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態について図21、図22(a)〜(e)を参照して説明する。図21は、第10実施形態を示す電気回路図、図22(a)は、入力信号Sinの電力の波形図、図22(b)は、遅延回路90から出力された遅延信号のSdlyの電圧の波形図、図22(c)は、コンパレータ91から出力された出力信号Swinの電圧の波形図、図22(d)は、ベクトル復調器80から出力された出力信号Ssmpの電力の波形図、図22(e)は、コンパレータ95から出力された出力信号Ssenの電圧の波形図である。
【0137】
第10実施形態では、上記第7実施形態において、第2のアナログ−デジタル変換回路50をコンパレータ95に置き換えた構成であって、コンパレータ95は、対数アンプ20の出力電圧を、基準電圧Vthbと比較し、この基準電圧Vthaを上回ったとき、コンパレータ95の出力信号Ssenがハイレベルとなるように設定されている。
【0138】
ここで、図21に示すコンパレータ91(電圧制御型のスイッチ92の制御の為の)において、遅延回路90からの遅延信号Sdlyのレベルを比較判定する為の基準電圧Vthaを採用しており、この基準電圧Vthaは、コンパレータ95における基準電圧Vthb以上の値に設定されている(基準電圧Vtha≧基準電圧Vthb)。
【0139】
従って、図22(c)、(e)に示すように、コンパレータ95からの出力信号Ssenは、コンパレータ91からの出力信号Swinに比べて、早いタイミングでローレベルからハイレベルに変化すると共に、ハイレベルからローレベルに変化することになる。制御回路60は、上述した出力信号Ssenの変化に応じて、サンプリングデータの収集処理を行う。
【0140】
第10実施形態では、図23に示すフローチャートが、図15に示すフローチャートに代えて採用されており、図23に示すフローチャートでは、図15に示すフローチャートにおいて、ステップ100に代えてステップ170が採用されている。
【0141】
ステップ170では、入力信号Sinが入力されているか否かの判定にあたり、コンパレータ95から出力された出力信号Ssenがハイレベルになるか否かで判定している。従って、入力信号Sinが入力されているか否かの判定を精度良く行うことができる。
【0142】
ここで、入力信号Sinが入力されているか否かの判定にあたり、上記第7実施形態に述べた第2のアナログ−デジタル変換回路50に代わるコンパレータ95で実現が可能であり、上記第7実施形態に比べて、回路の簡略化と低コスト化とを図ることができる。
【0143】
また、本発明の実施にあたり、第10実施形態のコンパレータ95を廃止するようにしてもよい。これは、ゲインコントロールアンプ10から出力された出力信号のうち、第1のアナログ−デジタル変換回路40のサンプリング可能な上限電力以下の信号を、電圧制御型のスイッチ92によって、第1のアナログ−デジタル変換回路40を入力しているからである。
【0144】
さらに、上記第7〜10実施形態では、電圧制御型のスイッチ92をゲインコントロールアンプ10とベクトル復調器80の間に接続した例につき説明したが、これに限らず、ベクトル復調器80と第1のアナログ−デジタル変換回路40との間に接続するようにしてもよい。
【0145】
なお、第10実施形態は、上記第7実施形態において、第2のアナログ−デジタル変換回路50をコンパレータ95に置き換えたているが、第8或いは第9実施形態において、同様に、第2のアナログ−デジタル変換回路50をコンパレータ95に置き換えるとも可能である。
【0146】
また、上記第8、第9、第10の実施形態における遅延時間Tdの設定は、第7実施形態で説明した条件と同じになるように設定すればよい。
【0147】
なお、上記第7〜10実施形態は、ベクトル復調器80を接続した状態で実施形態について説明したが、これに限らず、ベクトル復調器80が無く、ゲインコントロールアンプ10と第1のアナログ−デジタル変換回路40とを直接接続しても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るサンプリング装置を示す電気回路図である。
【図2】(a)は、入力信号Sinの電力の波形図、(b)は、ゲインコントロールアンプの出力信号Ssmpの電力の波形図、(c)は、対数アンプからの出力信号Srefの電圧の波形図である。
【図3】図1に示す制御回路の作動を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態に係るサンプリング装置を示す電気回路図である。
【図5】(a)は、入力信号Sinの電力の波形図、(b)は、ゲインコントロールアンプの出力信号Ssmpの電力の波形図、(c)は、対数アンプからの出力信号Srefの電圧の波形図である。
【図6】図4に示す制御回路の作動を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3実施形態に係るサンプリング装置を示す電気回路図である。
【図8】(a)は、入力信号Sinの電力の波形図、(b)は、ゲインコントロールアンプの出力信号Ssmpの電力の波形図、(c)は、対数アンプからの出力信号Srefの電圧の波形図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るサンプリング装置を示す電気回路図である。
【図10】図9に示す制御回路の作動を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第5実施形態に係るサンプリング装置を示す電気回路図である。
【図12】本発明の第6実施形態に係るサンプリング装置を示す電気回路図である。
【図13】本発明の第7実施形態に係るサンプリング装置を示す電気回路図である。
【図14】(a)は、入力信号Sinの電力の波形図、(b)は、遅延回路からの遅延信号Sdlyの電圧の波形図、(c)は、コンパレータ91からの出力信号Swinの電圧の波形図、(d)は、ベクトル復調器からの出力信号Ssmpの電力の波形図、(e)は対数アンプからの出力信号Srefの電圧の波形図である。
【図15】図13に示す制御回路の作動を示すフローチャートである。
【図16】データフレームを説明するための図である。
【図17】本発明の第8実施形態に係るサンプリング装置を示す電気回路図である。
【図18】(a)は、入力信号Sinの電力の波形図、(b)は、遅延回路からの遅延信号Sdlyの電圧の波形図、(c)は、コンパレータからの出力信号Swinの電圧の波形図、(d)は、ベクトル復調器からの出力信号Ssmpの電力の波形図、(e)は、対数アンプからの出力信号Srefの電圧の波形図である。
【図19】本発明の第9実施形態に係るサンプリング装置を示す電気回路図である。
【図20】(a)は、入力信号Sinの電力の波形図、(b)は、ゲインコントロールアンプから出力された出力信号Sctlの電圧の波形図、(c)は、対数アンプからローパスフィルタを通して出力された信号Sdlyの電圧の波形図、(d)は、ベクトル復調器からの出力信号Ssmpの電力の波形図、(e)は、対数アンプからの出力信号Srefの電圧の波形図である。
【図21】本発明の第9実施形態に係るサンプリング装置を示す電気回路図である。
【図22】(a)は、入力信号Sinの電力の波形図、(b)は、遅延回路から出力された遅延信号Sdlyの電圧の波形図、(c)は、コンパレータから出力された出力信号Swinの電圧の波形図、(d)は、ベクトル復調器から出力された出力信号Ssmpの電力の波形図、(e)は、コンパレータから出力された出力信号Ssenの電圧の波形図である。
【図23】図13に示す制御回路の作動を示すフローチャートである。
【図24】データフレームのプレアンプルを説明する為の図である。
【図25】従来のサンプリング装置を示す電気回路図である。
【符号の説明】
10…ゲインコントロールアンプ、20…対数アンプ、
40…アナログ−デジタル変換回路、50…アナログ−デジタル変換回路、
60…制御回路、80…ベクトル復調器、92…電圧制御型スイッチ、
90…遅延回路、91…コンパレータ、94…可変減衰器。

Claims (1)

  1. 出力信号の電力を一定に保つように利得が制御されるゲインコントロールアンプ(10)と、
    前記ゲインコントロールアンプから出力された出力信号に応じて、デジタル信号を出力する第1のアナログ−デジタル変換回路(40)と、
    前記ゲインコントロールアンプから出力された出力信号を出力する出力検出回路(20)と、
    前記出力検出回路から出力された出力信号に応じて、前記第1のアナログ−デジタル変換回路への入力信号の電力を予測する電力予測手段(110)と、
    前記電力予測手段によって予測された電力が、前記第1のアナログ−デジタル変換回路におけるサンプリング可能な上限電力以下であるか否かを判定する電力判定手段(120)と、
    前記電力判定手段によって、前記予測された電力が前記第1のアナログ−デジタル変換回路におけるサンプリング可能な上限電力以下であると判定されたとき、前記第1のアナログ−デジタル変換回路から出力されたデジタル信号の収集を開始する信号収集手段(140)と
    前記ゲインコントロールアンプから出力された出力信号をベクトル復調するベクトル復調回路(80)と、を備え
    前記第1のアナログ−デジタル変換回路は、前記ベクトル復調回路から出力された復調信号に基づいてデジタル信号を出力し、
    前記電力予測手段は、あらかじめ準備した前記ベクトル復調回路の変換利得データを参照して、前記第1のアナログ−デジタル変換回路への入力信号の電力を予測することを特徴とするサンプリング装置。
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