以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)診断システム
(1−1)診断システムの全体構成
図1において、1は全体として本発明を適用した診断システムを示し、携帯型の診断装置2を用いてクライアント端末3を診断し得るようになされている。
(1−2)クライアント端末3の回路構成
図2に示すようにクライアント端末3は、内部の中央処理ユニット(CPU:Central Processing Unit )10が、リモートコントローラ等の操作入力部11に対する電源投入操作に応じて入力処理部12及びバス13を順次介して電源投入信号が入力されると、その電源投入信号に応じて、ROM(Read Only Memory)14に予め記憶しているBIOS(basic Input/Output System )等の初期設定プログラムに従い、当該クライアント端末3内で中央処理ユニット10、ROM14及びRAM(Random Access Memory)15以外のハードディスクドライブ16等の各種周辺機器(すなわち、中央処理ユニット10、ROM14及びRAM15の周辺に位置する各種周辺機器)を初期設定する。
そして中央処理ユニット10は、各種周辺機器に対する初期設定が正常に終了すると、ハードディスクドライブ16のハードディスクに予め記憶している各種処理の実行の際に起動するためのOS(Operating System)等の起動プログラム(以下、これを処理実行用起動プログラムと呼ぶ)をそのハードディスクドライブ16によって読み出してRAM15に転送して起動しその起動が完了すると、ハードディスクドライブ16のハードディスクに予め記憶している各種アプリケーションプログラムをRAM15に転送して展開することにより、当該展開した各種アプリケーションプログラムに従って全体を統括的に制御して各種処理を実行する。
これにより中央処理ユニット10は、操作入力部11に対する操作に応じて入力処理部12を介してコンパクトディスク等のメディアからのコンテンツ再生命令信号が入力されると、メディアドライブ17により、クライアント端末3に装填されているメディアから例えば音楽のコンテンツデータを再生してオーディオデータ処理部18を介してスピーカ19に送出することにより当該スピーカ19を介して音楽を聴かせることができる。
また中央処理ユニット10は、操作入力部11に対する操作に応じて入力処理部12を介してラジオ放送の放送周波数を指定する周波数指定信号が入力されると共に当該ラジオ放送の出力命令信号が入力されると、ラジオアンテナ20で受信しているラジオ放送の放送信号をラジオチューナ21に取り込む。
そして中央処理ユニット10は、ラジオチューナ21により、指定された放送周波数の放送信号を選択して復調し、得られたラジオ放送データでなるコンテンツデータをオーディオデータ処理部18を介してスピーカ19に送出することにより当該スピーカ19を介してラジオ放送の番組を聴かせることができる。
さらに中央処理ユニット10は、操作入力部11に対する操作に応じて入力処理部12を介してコンテンツ取得命令信号が入力されると、通信処理部22及びネットワークインターフェース部23を順次介してインターネット(図示せず)上のコンテンツ提供サーバ(図示せず)と通信することにより当該コンテンツ提供サーバから配信された所望のコンテンツデータをネットワークインターフェース部23で受信して通信処理部22を介して取り込む。
そして中央処理ユニット10は、コンテンツ提供サーバから配信されたコンテンツデータに基づいて得られる映像データを表示処理部24を介してディスプレイ25に送出すると共に、当該コンテンツデータに基づいて得られる音声データをオーディオデータ処理部18を介してスピーカ19に送出することにより、これらディスプレイ25及びスピーカ19を介して所望の映画や写真画像、音楽等を視聴させることができる。
これに加えて中央処理ユニット10は、記録媒体から再生したコンテンツデータやコンテンツ提供サーバから配信されたコンテンツデータ、またラジオ放送の受信によって得られたコンテンツデータを単にディスプレイ25やスピーカ19を介して出力するのみならずに、これらコンテンツデータをハードディスクドライブ16に取り込んでハードディスクに記録することができる。
従って中央処理ユニット10は、ハードディスクに対するコンテンツデータの記録後に操作入力部11に対する操作に応じて入力処理部12を介して再生命令信号が入力されると、ハードディスクから指定されたコンテンツデータを再生し、これを表示処理部24を介してディスプレイ25に送出すると共にオーディオデータ処理部18を介してスピーカ19に送出することにより当該ディスプレイ25及びスピーカ19を介して映画や写真画像、音楽等の各種コンテンツを視聴させることもできる。
また中央処理ユニット10は、クライアント端末3にMD(登録商標)プレーヤや、DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤ等の携帯型記録再生装置(図示せず)が接続された状態で、操作入力部11の操作に応じて入力処理部12を介してコンテンツ転送命令信号が入力されると、ハードディスクドライブ16のハードディスクから再生したコンテンツデータを外部機器インターフェース部26から携帯型記録再生装置に転送して記録させることにより、当該携帯型記録再生装置により外出先等でも映画や写真画像、音楽等のコンテンツを視聴させることができる。
因みに中央処理ユニット10は、かかる携帯型記録再生装置で再生されたコンテンツデータを外部機器インターフェース部26を介して取り込んで、当該取り込んだコンテンツデータを例えばハードディスクドライブ16のハードディスクに記録し、又はディスプレイ25及びスピーカ19を介して視聴させることもできる。
ところで図3に示すようにハードディスクドライブ16のハードディスクには、例えば先頭セクタ(すなわち、セクタ0)に、処理実行用起動プログラムに対する読出転送処理の実行に用いるマスタブートレコード(MBR:Master Boot Record)と呼ばれるプログラム起動関連情報30が予め記憶されている。
このプログラム起動関連情報30は、ハードディスクから処理実行用起動プログラムを読み出してRAM15に転送するための読出転送プログラム31と、ハードディスクからその処理実行用起動プログラムを読み出すうえで、当該ハードディスクの記憶エリアを分割して得られる区画(すなわち、パーティション)を特定するためのパーティションテーブル32とから構成されている。
因みに読出転送プログラム31は、ハードディスクの先頭セクタにおいてアドレス「0000h 」から「01bdh 」までの記憶エリアに予め記憶され、パーティションテーブル32はその先頭セクタにおいてアドレス「01beh 」から「01fdh 」までの64バイトの記憶エリアに予め記憶されている。
またパーティションテーブル32は、ハードディスクのパーティションを特定可能な各種情報(以下、これをパーティション特定情報と呼ぶ)を格納するために予め用意された複数のエントリ32A乃至32D(1つのエントリ32A乃至32Dが16バイトでなる)を有している。
そして個々のエントリ32A乃至32Dには、図4に示すようにパーティション特定情報の格納の有無を示すアクティブフラグAFの格納領域と共に、そのパーティション特定情報としての、パーティションの開始セクタをハードディスクのトラックを指定するシリンダ番号(すなわち、トラック番号)と、ハードディスクの面を指定するヘッド番号と、セクタ位置を指定するセクタ番号とで示すCHS(Cylinder Head Sector)開始セクタ情報CS、パーティションに適用されたファイルシステムの種類を示すパーティションタイプ情報PT、パーティションの終了セクタをシリンダ番号、ヘッド番号及びセクタ番号で示すCHS終了セクタ情報CE、パーティションの開始セクタをハードディスク上の全てのセクタに付与した32ビットの通しセクタ番号で示すLBA(Logical Block Addressing)開始セクタ情報LS、及びパーティションのデータサイズを示すパーティションサイズ情報PSの格納領域が設けられている。
ここで図5に示すようにハードディスクに作成可能なパーティションとしては、基本領域PP、拡張領域EP及び論理領域LPの3種類があり、その基本領域PPは1枚のハードディスクに1つのみ作成可能で拡張領域EPを直接収納し得、当該拡張領域EPのみがハードディスク内の論理ドライブに相当する論理領域LPを直接収納し得るように、これら基本領域PP、拡張領域EP及び論理領域LPが当該基本領域PPを上位として論理領域LPを下位とするように階層的に作成される。
そしてハードディスクでは、先頭セクタに記憶されたプログラム起動関連情報30のパーティションテーブル32に対して、基本領域PPとその基本領域PPに直接収納された拡張領域EPに対するパーティション特定情報を格納し得るようになされている。
またハードディスクでは、基本領域PPよりも下位の拡張領域EPに直接収納された論理領域LPに対するパーティション特定情報についてはその拡張領域EP(論理領域LPよりも1階層上位)の先頭セクタ(すなわち、セクタN)に設けられた、プログラム起動関連情報30(すなわち、マスタブートレコード)と同様構成のエクステンデットブートレコード(EBR:Extended Boot Record)と呼ばれるプログラム起動関連拡張情報(図示せず)のパーティションテーブルに格納し得るようになされている。
ただしプログラム起動関連拡張情報のパーティションテーブルでは、パーティション特定情報の格納に2つのエントリしか使用しないように規定されていることにより、図5に示すような拡張領域EP内に2つ以上の論理領域LPが作成されている場合には、その論理領域LPの個数に応じて当該拡張領域EPの先頭セクタのプログラム起動関連拡張情報をリスト化することで、当該リスト化したプログラム起動関連拡張情報のパーティションテーブルに論理領域LPに対するパーティション特定情報が分散して格納されている。
このため図5に示すようなパーティション構造によれば、例えば図6に示すようにハードディスクの先頭セクタ(すなわち、セクタ0)に、そのパーティション構造に応じて、前半部分の読出転送プログラム31に引き続き、後半部分のパーティションテーブル32の1つ目のエントリ32Aに対してパーティション特定情報(すなわち、基本領域PPに対するパーティション特定情報)の格納を示すアクティブフラグAF(01)と共に、そのパーティション特定情報としてのCHS開始セクタ情報CS(Cylinder:0、Head:1、Sector:1)、パーティションタイプ情報PT(0x06(FAT16 ))、CHS終了セクタ情報CE(Cylinder:51 、Head:254、Sector:63 )、LBA開始セクタ情報LS(0x0000003f=63 )及びパーティションサイズ情報PS(0x0000cbef=835317 )が格納されると共に、2つ目のエントリ32Bに対してパーティション特定情報(すなわち、拡張領域EPに対するパーティション特定情報)の格納を示すアクティブフラグAF(01)と共に、当該パーティション特定情報としてのCHS開始セクタ情報CS(Cylinder:52 、Head:0、Sector:1)、パーティションタイプ情報PT(0x83(ext2))、CHS終了セクタ情報CE(Cylinder:552、Head:79 、Sector:2)、LBA開始セクタ情報LS(0x0000cbf34=835380)及びパーティションサイズ情報PS(0x007ae328=8053544)が格納され、残りのエントリ32C及び32Dに対しては、パーティション特定情報が格納されてはいないことを示すアクティブフラグAF(00)のみが格納される。
そして拡張領域EP内の論理領域LPに対するパーティション特定情報は、当該拡張領域EPの先頭セクタ(すなわち、セクタN)にリスト化して設けられたプログラム起動関連拡張情報(図示せず)のパーティションテーブルに分散して格納される。
従って中央処理ユニット10は、操作入力部11に対する電源投入操作に応じて電源投入信号が入力されると、ROM14に記憶している初期設定プログラムに従って、各種周辺機器の入出力を制御するATA(AT Attachment )コントローラ等のインターフェースコントローラ(図示せず)に対して初期設定処理を実行した後、当該中央処理ユニット10にインターフェースコントローラを介して接続されている各種周辺機器の初期設定処理を実行する。
その結果、中央処理ユニット10は、周辺機器であるハードディスクドライブ16に対する初期設定処理が正常に終了すると、引き続きハードディスクドライブ16に対してハードディスク内のプログラム起動関連情報30(及びプログラム起動関連拡張情報)の読出転送プログラム31及びパーティションテーブル32を参照して処理実行用起動プログラムの読出転送処理を実行することにより、その読出転送処理が正常に終了すると、当該ハードディスクドライブ16によりハードディスクから読み出してRAM15に転送した処理実行用起動プログラムを起動する。
これにより中央処理ユニット10は、各種アプリケーションプログラムに従って上述したような各種処理を実行し得る状態となる。
かかる構成に加えて中央処理ユニット10は、クライアント端末3に対する電源投入命令の入力に応じてハードディスクに対して初期設定処理及び読出転送処理(以下、これらハードディスクに対する初期設定処理及び読出転送処理をまとめてプログラム起動前処理と呼ぶ)を実行する際に、そのプログラム起動前処理が正常に終了しないと判断すると、ROM14に予め記憶している診断処理の実行の際に起動するための診断用起動プログラムをRAM15に読み出して起動し、又は外部機器インターフェース部26を介して接続された診断装置2から取得してRAM15に一旦記憶した診断用起動プログラムを起動する。
そして中央処理ユニット10は、診断用起動プログラムの起動が完了すると、ROM14に予め記憶している診断プログラム、又は診断用起動プログラムと共に外部機器インターフェース部26を介して診断装置2から取得してRAM15に一旦記憶していた診断プログラムに従ってクライアント端末3に対する診断処理を実行する。
これにより中央処理ユニット10は、診断プログラムに従って診断処理結果を得ると、その診断処理結果を診断処理結果通知データとして外部機器インターフェース部26から診断装置2に送信することにより、その診断装置2において診断処理結果に基づきクライアント端末3を診断させ得るようになされている。
なおこの実施の形態の場合、中央処理ユニット10は、ROM14又はRAM15に処理実行用起動プログラムと同様構成の診断用起動プログラムを記憶し、ハードディスクドライブ16に対するプログラム起動前処理が正常に終了しないと判断したときに、その診断用起動プログラムを起動することもできるが、ハードディスクドライブ16に対するプログラム起動前処理が正常に終了しないと判断したときに、処理実行用起動プログラムよりも比較的簡便な構成でデータ量の極力少ない診断用起動プログラムを起動している。
これにより中央処理ユニット10は、ROM14に予め診断用起動プログラムを記憶している場合には、当該ROM14が大容量化することを回避し、また診断装置2から診断用起動プログラムを取得する場合には、当該診断用起動プログラムの転送時間を極力短くし、かつこれを一旦記憶するRAM15が大容量化することを回避している。
(1−3)診断装置2の回路構成
診断装置2は、例えばクライアント端末3の診断依頼を受けたメーカのサービスマンによって持ち歩かれ、診断対象のクライアント端末3にUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等を介して接続し得るようになされている。
図7に示すように診断装置2は、内部の制御部(以下、これを診断制御部と呼ぶ)40が、クライアント端末3に接続された状態で操作入力部41に対する電源投入操作に応じて入力処理部42を介して電源投入信号が入力されると、ROM43に予め記憶しているOS等の起動プログラムをRAM44に転送して起動する。
そして診断制御部40は、起動プログラムの起動が完了すると、ROM43に予め記憶している診断結果提示プログラムをRAM44に転送して展開することにより、当該展開した診断結果提示プログラムに従って全体を統括的に制御して、クライアント端末3に対する診断結果提示処理を実行する。
これにより診断制御部40は、クライアント端末3が診断用起動プログラム及び診断プログラムを予め実装していないときには、当該クライアント端末3からこれらを要求するために送信されるプログラム要求データ(すなわち、起動プログラム要求データ及び診断プログラム要求データ)を外部機器インターフェース部45で受信して取り込む。
そして診断制御部40は、プログラム要求データを外部機器インターフェース部45で受信すると、ROM43に予め記憶している診断用起動プログラム及び診断プログラムをその外部機器インターフェース部45からクライアント端末3に送信することにより、当該クライアント端末3でその診断用起動プログラムを起動させると共に、引き続き診断プログラムに従って診断処理を実行させる。
また診断制御部40は、クライアント端末3で診断処理が実行されると、当該クライアント端末3から送信される診断処理結果通知データを外部機器インターフェース部45で受信して取り込み、これを表示処理部46を介して表示部47に送出することにより当該表示部47を介してクライアント端末3の診断結果をサービスマン(及びユーザ)に提示する。
このようにして診断制御部40は、クライアント端末3に対して処理実行用起動プログラムが起動し得ないような不具合が生じたときでも、その原因をクライアント端末3に対する診断結果としてサービスマンに提示することができ、かくしてサービスマンにクライアント端末3を診断させ得るようになされている。
(2)端末診断処理シーケンス
診断システム1では、クライアント端末3に診断用起動プログラム及び診断プログラムを予め実装しているか否かによって当該クライアント端末3及び診断装置2で実施する端末診断処理シーケンスの内容が異なる。
従って以下には、クライアント端末3に対する診断用起動プログラム及び診断プログラムの実装の有無に応じて内容の異なる端末診断処理シーケンスを順番に説明する。
(2−1)クライアント端末3に診断用起動プログラム及び診断プログラムの両方を予め実装している場合の第1の端末診断処理シーケンス
診断システム1においてクライアント端末3の中央処理ユニット10は、操作入力部11に対する電源投入操作に応じて入力処理部12を介して電源投入命令信号が入力されると、図8(A)に示す起動処理手順RT11を開始する。
中央処理ユニット10は、起動処理手順RT11を開始すると、まずステップSP1においてROM14に予め記憶している初期設定プログラムに従い周辺機器に対する初期設定処理を実行する。
この場合、中央処理ユニット10は、初期設定プログラムに従い起動処理手順RT11の初期設定処理である図9に示すサブルーチンSRT1を開始し、当該サブルーチンSRT1を開始すると、ステップSP111において外部機器インターフェース部26を介してクライアント端末3に対する診断装置2の接続の有無を検出して、次のステップSP112に移る。
ステップSP112において中央処理ユニット10は、各種周辺機器に接続されているインターフェースコントローラを初期設定した後、次のステップSP113に移って、そのインターフェースコントローラに対する周辺機器の接続の有無を確認して、ステップSP114に移る。
ステップSP114において中央処理ユニット10は、インターフェースコントローラに接続されていた周辺機器から当該周辺機器の種類(以下、これを機器種類と呼ぶ)、適用されているインターフェースの規格、規定されているデータ転送速度等の機器情報を取得して、次のステップSP115に移る。
ステップSP115において中央処理ユニット10は、機器情報に基づいて、インターフェースコントローラに接続されている周辺機器の機器種類を特定する。
その結果、中央処理ユニット10は、機器種類を特定した周辺機器がハードディスクドライブ16であれば、引き続き機器情報に基づいて、そのハードディスクドライブ16に対してデータ及びコマンドに対する転送モードを設定すると共に、データを記録再生する際のセクタの指定に利用可能なCHS変換パラメータ等を設定して待機状態にすることにより当該ハードディスクドライブ16に対してデータを記録再生可能な状態にするための初期設定を終了する。
また中央処理ユニット10は、機器種類を特定した周辺機器がハードディスクドライブ16とは異なるメディアドライブ17等の周辺機器であれば、機器情報に基づいてその周辺機器に対して転送モード等を設定して待機状態にすることにより当該周辺機器に対する初期設定を終了する。
このようにして中央処理ユニット10は、インターフェースコントローラに接続され、かつ機器種類を特定した全ての周辺機器に対する初期設定が終了すると、次のステップSP116に移って初期設定処理を終了することによりサブルーチンSRT1から抜けてステップSP2(図8(A))に移る。
ステップSP2において中央処理ユニット10は、各種周辺機器のうちハードディスクドライブ16に対して実行していた初期設定処理が正常に終了したか否かを判断する。
このステップSP2において肯定結果が得られると、このことはインターフェースコントローラに対してハードディスクドライブ16が接続され、そのハードディスクドライブ16に対して何ら異常が発生することなく全ての設定項目にそれぞれ的確な設定内容を設定し得たことを表しており、このとき中央処理ユニット10は、次のステップSP3に移る。
ステップSP3において中央処理ユニット10は、ハードディスクドライブ16に対して処理実行用起動プログラムの読出転送処理を実行して、次のステップSP4に移る。
ステップSP4において中央処理ユニット10は、ハードディスクドライブ16に対して実行した処理実行用起動プログラムの読出転送処理が正常に終了したか否かを判断する。
このステップSP4において肯定結果が得られると、このことはハードディスクの読出転送プログラム31及びパーティションテーブル32を的確に参照し得たことで、ハードディスクドライブ16によりそのハードディスクから何ら異常が発生することなく処理実行用起動プログラムを読み出してRAM15に転送し得たことを表しており、このとき中央処理ユニット10は、次のステップSP5に移る。
ステップSP5において中央処理ユニット10は、RAM15に転送して一旦記憶した処理実行用起動プログラムを起動してその起動が完了すると、次のステップSP6に移ってこの起動処理手順RT11を終了する。
このようにして中央処理ユニット10は、ハードディスクドライブ16に何ら異常が発生していなければ、当該ハードディスクドライブ16によりハードディスクから読み出した処理実行用起動プログラムを起動して各種処理を実行可能な状態にし得る。
ところで上述のステップSP2において否定結果が得られると、このことはインターフェースコントローラに対して断線等によりハードディスクドライブ16が接続されていない、又はインターフェースコントローラにハードディスクドライブ16が接続されているものの、そのハードディスクドライブ16が故障していることにより当該ハードディスクドライブ16に対する初期設定処理を正常に終了することができなかったことにより、このままではハードディスクから処理実行用起動プログラムを読み出して起動することができないことを表しており、このとき中央処理ユニット10は、ステップSP7に移る。
また上述のステップSP4において否定結果が得られると、このことはハードディスクドライブ16に対する初期設定処理が正常に終了したものの、ハードディスクに対して工場等での初期化の際に読出転送プログラム31及びパーティションテーブル32を的確に記憶し得なかったために、そのハードディスクからの処理実行用起動プログラムの読出用に読出転送プログラム31及びパーティションテーブル32を参照することができず、その結果、ハードディスクドライブ16に対して実行した処理実行用起動プログラムの読出転送処理が正常に終了しなかったことにより、このままではハードディスクから処理実行用起動プログラムを読み出して起動することができないことを表しており、このときにも中央処理ユニット10は、ステップSP7に移る。
ステップSP7において中央処理ユニット10、初期設定プログラムに従って初期設定処理を実行した際に検出していたクライアント端末3に対する診断装置2の接続の有無に応じて、当該クライアント端末3に診断装置2が接続されているか否かを判断する。
このステップSP7において否定結果が得られると、このことはユーザにより普段どおりの使用のためにクライアント端末3に電源投入命令が入力されたにもかかわらずに、処理実行用起動プログラムを起動することができなかったことにより、ハードディスクドライブ16に異常が生じていることをユーザに通知する必要があることを表しており、このとき中央処理ユニット10は、ステップSP6に移ってこの起動処理手順RT11を終了する。
これにより中央処理ユニット10は、クライアント端末3が電源投入命令の入力でも何ら動作しない状態により、ユーザに対してハードディスクドライブ16に異常が生じていることを通知し、かくしてクライアント端末3を診断させるように促すことができる。
これに対してステップSP7において肯定結果が得られると、このことはユーザに対してすでにハードディスクドライブ16に異常が生じていることを通知していたことで、クライアント端末3に対し診断依頼に応じて診断装置2が接続された状態で電源投入命令が入力されていたことを表しており、このとき中央処理ユニット10は、次のステップSP8に移る。
ステップSP8において中央処理ユニット10は、ROM14からこれに予め記憶している診断用起動プログラムを読み出してRAM15に転送して起動し、その起動が完了すると、次のステップSP9に移る。
ステップSP9において中央処理ユニット10は、ROM14からこれに予め記憶している診断プログラムを読み出してRAM15に転送して展開し、その展開した診断プログラムに従って診断処理を実行することにより、ハードディスクドライブ16に対するプログラム起動前処理の実行の結果、初期設定処理及び読出転送処理のうち何れで異常が検出されたかを示す(すなわち、初期設定処理及び読出転送処理のいずれを正常に終了することができなかったかを示す)診断処理結果通知データを生成して、次のステップSP10に移る。
ステップSP10において中央処理ユニット10は、診断処理結果通知データを外部機器インターフェース部26から診断装置2に送信して、ステップSP6に移る。
このとき診断装置2の診断制御部40は、電源投入命令の入力に応じて起動プログラムを起動することで、ROM43から読み出した診断結果提示プログラムに従い、図8(B)に示す診断結果提示処理手順RT21を開始している。
診断制御部40は、診断結果提示処理手順RT21を開始すると、ステップSP21においてクライアント端末3から送信される診断処理結果通知データの受信を待ち受け、その診断処理結果通知データを外部機器インターフェース部45で受信して取り込むと、次のステップSP22に移る。
ステップSP22において診断制御部40は、診断処理結果通知データに基づいて診断結果提示画面データを生成してこれを表示処理部46を介して表示部47に送出することにより当該表示部47に診断結果提示画面(図示せず)を表示する。
これにより診断制御部40は、その診断結果提示画面によりサービスマン(及びユーザ)に対し、クライアント端末3の処理実行用起動プログラムが起動しない原因として、ハードディスクドライブ16に対し初期設定処理及び読出転送処理の何れの異常が発生したかを提示した後、次のステップSP23に移って診断結果提示処理手順RT21を終了する。
このようにして診断システム1では、クライアント端末3及び診断装置2による第1の端末診断処理シーケンスを終了する。
これにより第1の端末診断処理シーケンスでは、クライアント端末3に対し普段どおりの使用のために電源投入命令が入力されたときに、ハードディスクドライブ16に対する初期設定処理及び読出転送処理(すなわち、プログラム起動前処理)が正常に終了すると、ハードディスクドライブ16によりハードディスクから読み出した処理実行用起動プログラムを起動するものの、その普段どおりの使用のために電源投入命令が入力されても、ハードディスクドライブ16に対する初期設定処理及び読出転送処理の何れかが正常に終了しないと、ハードディスクドライブ16によりハードディスクから処理実行用起動プログラムを読み出して起動することができないことにより、クライアント端末3が何ら動作しない状態により、ユーザに対してハードディスクドライブ16に何らかの異常が生じていることを通知する。
そして第1の端末診断処理シーケンスでは、クライアント端末3に対する診断がメーカに依頼されたことで当該クライアント端末3に診断装置2が接続された状態で電源投入命令が入力されたときには、ハードディスクドライブ16に対する初期設定処理及び読出転送処理の何れが正常に終了しない場合でも、診断用起動プログラムを起動して診断処理用に動作させることにより当該クライアント端末3を確実に診断させることができる。
また第1の端末診断処理シーケンスでは、サービスマンに対して、クライアント端末3の処理実行用起動プログラムが起動しない原因として、ハードディスクドライブ16に対し初期設定処理及び読出転送処理の何れの異常が発生したかを提示している。
従って第1の端末診断処理シーケンスでは、クライアント端末3で処理実行用起動プログラムの起動しない原因がハードディスクドライブ16に対する初期設定処理の異常であれば、ハードディスクドライブ16が中央処理ユニット10と正常に通信し難い、又はハードディスクドライブが正常に動作し得ないことにより、そのハードディスクドライブ16に修理の必要な故障が生じていることを教えることができる。
また第1の端末診断処理シーケンスでは、クライアント端末3で処理実行用起動プログラムの起動しない原因がハードディスクドライブ16に対する処理実行用起動プログラムの読出転送処理の異常であれば、ハードディスクドライブ16をすでに初期設定しているにもかかわらずに処理実行用起動プログラムを読み出すことができない状況であるため、ハードディスクに対して読出転送プログラム31及び又はパーティションテーブル32が的確に記憶されていないことを教えることができる。
そして第1の端末診断処理シーケンスでは、このようにハードディスクドライブ16に生じている異常の原因を2つに分離して提示することにより、その提示結果に応じて、ハードディスクドライブ16を修理すべきか、またハードディスクドライブ16を特に修理することなくハードディスクに対して読出転送プログラム31及びパーティションテーブル32(すなわち、プログラム起動関連情報30)を再記憶すべきかを容易に判別させてその異常を解消するように的確に対処させることができる。
このため第1の端末診断処理シーケンスでは、ハードディスクドライブ16に対する異常を解消するために、ハードディスクに読出転送プログラム31及び又はパーティションテーブル32を再記憶するだけの簡単な対処で良いものを、当該ハードディスクドライブ16を不要に修理することを未然に回避することができる。
(2−2)クライアント端末3に診断用起動プログラムのみを予め実装している場合の第2の端末診断処理シーケンス
診断システム1においてクライアント端末3の中央処理ユニット10は、操作入力部11に対する電源投入操作に応じて入力処理部12を介して電源投入命令信号が入力されると、図8(A)との対応部分に同一符号を付した図10(A)に示す起動処理手順RT12を開始する。
中央処理ユニット10は、起動処理手順RT12を開始すると、ステップSP1乃至ステップSP7までの一連の処理を順次実行し、そのステップSP7において肯定結果を得ると、次のステップSP31に移る。
ステップSP31において中央処理ユニット10は、診断プログラムを診断装置2に要求するための診断プログラム要求データを外部機器インターフェース部26から当該診断装置2に送信して、次のステップSP32に移る。
このとき診断装置2の診断制御部40は、電源投入命令の入力に応じて起動プログラムを起動することで、ROM43から読み出した診断結果提示プログラムに従い、図8(B)との対応部分に同一符号を付した図10(B)に示す診断結果提示処理手順RT22を開始している。
診断制御部40は、診断結果提示処理手順RT22を開始すると、ステップSP41においてクライアント端末3から送信される診断プログラム要求データの受信を待ち受け、その診断プログラム要求データを外部機器インターフェース部45で受信して取り込むと、次のステップSP42に移る。
ステップSP42において診断制御部40は、ROM43からこれに予め記憶している診断プログラムを読み出して、これを外部機器インターフェース部45からクライアント端末3に送信し、引き続きステップSP21−SP22の処理を順次実行した後、ステップSP43に移ってこの診断結果提示処理手順RT22を終了する。
このときステップSP32において中央処理ユニット10は、診断装置2から送信される診断プログラムの受信を待ち受けており、その診断プログラムを外部機器インターフェース部26で受信して取り込むと、次のステップSP33に移る。
ステップSP33において中央処理ユニット10は、診断装置2から取得した診断プログラムをRAM15に一旦記憶した後、ステップSP8の処理を実行して、ステップSP34に移る。
ステップSP34において中央処理ユニット10は、RAM15に記憶した診断プログラムを展開し、その展開した診断プログラムに従って診断処理を実行することにより、上述と同様な診断処理結果通知データを生成して、次のステップSP10に移り、そのステップSP10の処理を実行した後、次のステップSP35に移ってこの起動処理手順RT12を終了する。
このようにして診断システム1では、クライアント端末3及び診断装置2による第2の端末診断処理シーケンスを終了する。
これにより第2の端末診断処理シーケンスでは、クライアント端末3において予め診断用起動プログラムのみを実装しておき、診断の度に診断装置2から診断プログラムを取得してRAM15に記憶するようにしたことにより、当該クライアント端末3においてROM14の記憶容量を極力小さくすることができ、かくしてクライアント端末3の回路規模を縮小することができる。
(2−3)クライアント端末3に診断用起動プログラム及び診断プログラムの何れも予め実装してはいない場合の第3の端末診断処理シーケンス
診断システム1においてクライアント端末3の中央処理ユニット10は、操作入力部11に対する電源投入操作に応じて入力処理部12を介して電源投入命令信号が入力されると、図8(A)との対応部分に同一符号を付した図11(A)に示す起動処理手順RT13を開始する。
中央処理ユニット10は、起動処理手順RT13を開始すると、ステップSP1乃至ステップSP7までの一連の処理を順次実行し、そのステップSP7において肯定結果を得ると、次のステップSP51に移る。
ステップSP51において中央処理ユニット10は、診断用起動プログラム及び診断プログラムの両方を診断装置2に要求するためのプログラム要求データ(すなわち、起動プログラム要求データ及び診断プログラム要求データ)を外部機器インターフェース部26から当該診断装置2に送信して、次のステップSP52に移る。
このとき診断装置2の診断制御部40は、電源投入命令の入力に応じて起動プログラムを起動することで、ROM43から読み出した診断結果提示プログラムに従い、図8(B)との対応部分に同一符号を付した図11(B)に示す診断結果提示処理手順RT23を開始している。
診断制御部40は、診断結果提示処理手順RT23を開始すると、ステップSP61においてクライアント端末3から送信されるプログラム要求データの受信を待ち受け、そのプログラム要求データを外部機器インターフェース部45で受信して取り込むと、次のステップSP62に移る。
ステップSP62において診断制御部40は、ROM43に予め記憶している診断用起動プログラム及び診断プログラムを読み出して、これらを外部機器インターフェース部45からクライアント端末3に送信すると、引き続きステップSP21−SP22の処理を順次実行した後、ステップSP63に移ってこの診断結果提示処理手順RT23を終了する。
このときステップSP52において中央処理ユニット10は、診断装置2から送信される診断用起動プログラム及び診断プログラムの受信を待ち受けており、これら診断用起動プログラム及び診断プログラムを外部機器インターフェース部26で受信して取り込むと、次のステップSP53に移る。
ステップSP53において中央処理ユニット10は、診断装置2から取得した診断用起動プログラム及び診断プログラムをRAM15に一旦記憶して、次のステップSP54に移る。
ステップSP54において中央処理ユニット10は、RAM15に記憶した診断用起動プログラムを起動し、その起動が完了すると、次のステップSP55に移る。
ステップSP55において中央処理ユニット10は、RAM15に記憶した診断プログラムを展開し、その展開した診断プログラムに従って診断処理を実行することにより、上述と同様な診断処理結果通知データを生成して、次のステップSP10に移り、そのステップSP10の処理を実行した後、次のステップSP56に移ってこの起動処理手順RT13を終了する。
このようにして診断システム1では、クライアント端末3及び診断装置2による第3の端末診断処理シーケンスを終了する。
これにより第3の端末診断処理シーケンスでは、クライアント端末3において予め診断用起動プログラム及び診断プログラムの何れも実装せずに、診断の度に診断装置2から診断用起動プログラム及び診断プログラムを取得してRAM15に記憶するようにしたことにより、当該クライアント端末3においてROM14の記憶容量を大幅に小さくすることができ、かくしてクライアント端末3の回路規模を格段的に縮小することができる。
(3)動作及び効果
以上の構成において、診断システム1では、クライアント端末3に対して電源投入命令が入力されたときに、ハードディスクドライブ16に対してプログラム起動前処理を実行して(ステップSP1乃至ステップSP4)、そのプログラム起動前処理が正常に終了しないと、ROM14又はRAM15に記憶している診断用起動プログラムを起動し、その起動が完了して動作可能な状態になると、引き続きROM14又はRAM15に記憶している診断プログラムに従って診断処理を実行する。
そして診断システム1では、クライアント端末3で診断処理を実行して得られた診断処理結果を診断装置2に通知してサービスマンにクライアント端末3に対する診断結果を提示する。
以上の構成によれば、クライアント端末3で電源投入命令が入力されたときに、ハードディスクドライブ16に対してプログラム起動前処理を実行して、そのプログラム起動前処理が正常に終了しないと、ROM14又はRAM15に記憶している診断用起動プログラムを起動した後、当該ROM14又はRAM15に記憶している診断プログラムに従って診断処理を実行するようにしたことにより、ハードディスクドライブ16に対して実行したプログラム起動前処理が正常に終了しないためにクライアント端末3で各種処理の実行の際に起動するための処理実行用起動プログラムをハードディスクから読み出して起動し得ないときでも、その処理実行用起動プログラムに代えて診断用起動プログラムを起動することで、引き続きその起動した診断用起動プログラム上で診断プログラムを展開して診断処理を実行することができ、かくしてクライアント端末3をほぼ確実に診断させ得る診断システム1を実現することができる。
また実際には、クライアント端末3においてハードディスクドライブ16に対するプログラム起動前処理としてまず初期設定処理を実行し、その初期設定処理が正常に終了したときに処理実行用起動プログラムの読出転送処理を実行して、これら初期設定処理及び読出転送処理の何れが正常に終了しないときでも、ROM14又はRAM15に記憶している診断用起動プログラムを起動する。
そして診断システム1では、クライアント端末3において診断用起動プログラムを起動して診断プログラムに従い診断処理を実行した際に、ハードディスクドライブ16に対する初期設定処理が正常に終了せずに診断用起動プログラムを起動したか、またハードディスクドライブ16に対する初期設定処理は正常に終了したものの、続く読出転送処理が正常に終了せずに診断用起動プログラムを起動したかの何れが診断用起動プログラムを起動する原因となったかを判別し、その判別結果を診断処理結果として診断装置2に通知すると共に、当該診断装置2を介してその診断処理結果をクライアント端末3に対する診断結果としてサービスマンに提示する。
従って診断システム1では、クライアント端末3で処理実行用起動プログラムの起動しない原因を、ハードディスクドライブ16に生じた修理を要する異常であるか、又はハードディスクに対するプログラム起動関連情報30の記憶不良であるかを容易にかつ的確に特定させることができ、かくしてその特定した原因をもとに、処理実行用起動プログラムの起動しない原因を解消するために的確に対処させて当該クライアント端末3を迅速に正常な状態に復帰させることができる。
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、診断装置2を用いてクライアント端末3を診断するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、診断装置2を用いてパーソナルコンピュータや携帯型再生装置等のように、この他種々の情報処理装置を診断するようにしても良い。
そしてクライアント端末3のみが診断対象である場合には、上述のように診断装置2のROM43にクライアント端末3で用いる診断用起動プログラム及び診断プログラムを予め記憶しておいても良いが、種々の情報処理装置を診断対象とする場合には、図7との対応部分に同一符号を付して示す図12において診断装置50にメモリスティック(登録商標)等の半導体メモリ51を着脱可能に装填し、診断制御部52がROM53に予め記憶している起動プログラムを起動させ診断結果提示プログラムに従って情報処理装置に対する診断結果提示処理手順を開始したときに、メモリインターフェース部54を介してその半導体メモリ51に予め記憶されている診断用起動プログラム及び診断プログラムを読み出して情報処理装置に送信するようにしても良い。
このようにすれば、診断対象の情報処理装置の種類毎に診断用起動プログラム及び診断プログラムの構成が異なる場合に、診断装置においてこれら全ての診断用起動プログラム及び診断プログラムを予めROM53に記憶しておくことでそのROM53が大容量化することを回避することができる。
また半導体メモリ51の容量が比較的少ない場合でも、診断装置に対して装填すべき半導体メモリ51を適宜交換することで当該診断装置を多種多様な情報処理装置の診断に容易に対応可能にして、その都度、診断対象の情報処理装置専用の診断装置として機能させることができる。
因みにかかる半導体メモリ51に複数種類の診断用起動プログラム及び診断プログラムを予め記憶する場合には、これら診断用起動プログラム及び診断プログラムが何れの種類の情報処理装置に使用可能であるかを判別可能にするために、その半導体メモリ51に診断用起動プログラム及び診断プログラムと、これらを使用可能な情報処理装置の種類を特定可能な機器識別情報とを対応付けて記憶しておくと共に、診断対象の情報処理装置からこれら診断用起動プログラム及び診断プログラムを要求する際に当該情報処理装置固有の機器識別情報を診断装置に送信すれば、診断装置により診断対象の情報処理装置の種類を容易に特定してその情報処理装置専用の診断用起動プログラム及び診断プログラムを当該情報処理装置に的確に提供することができる。
また上述の実施の形態においては、クライアント端末3で診断処理を実行したときに、その診断処理結果を診断装置2に通知するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、クライアント端末3のディスプレイ25を介して診断処理結果をユーザに直接提示するようにしても良い。
すなわちクライアント端末3で診断装置2との接続の有無を検出しなくても、普段どおりに使用するために電源投入命令を入力したときに処理実行用起動プログラムが起動しなければ(すなわち、プログラム起動前処理が正常に終了しないときには)、その時点で診断用起動プログラムを起動した後、診断プログラムに従って診断処理を実行することで、その診断処理結果をディスプレイ25を介してユーザに提示するようにしても良い。
このようにすれば、クライアント端末3では、初期設定処理の際に当該クライアント端末3に対する診断装置2の接続の有無を検出しない分、初期設定プログラムの構成を簡易化することができ、かくしてROM14でその初期設定プログラムの記憶に要する容量を少なくして当該ROM14の容量を小さくし得る分、クライアント端末3の回路規模を低減させることができる。
またこのようにすれば、クライアント端末3が電源投入命令の入力に応じて何ら動作しないときに、そのクライアント端末3の診断をわざわざメーカに依頼しなくても、当該クライアント端末3に対する電源投入命令の入力に応じて診断処理結果を提示することで、その時点でハードディスクドライブ16に対する不具合の発生と共に、その不具合の生じた原因を知らせることができ、かくしてメーカによる診断を待たなくても、迅速にハードディスクドライブ16の修理や、ハードディスクに対するプログラム起動関連情報の再記憶を実施してクライアント端末3をより速く正常な状態に復帰させることができる。
さらに上述の実施の形態においては、クライアント端末3で診断用起動プログラム及び診断プログラムの両方を予め実装し、又は診断用起動プログラムのみを予め実装し、さらには診断用起動プログラム及び診断プログラムの両方を予め実装してはいない場合について述べたが、本発明はこれに限らず、クライアント端末3で診断プログラムのみを実装しておくようにしても良い。
そしてクライアント端末3に診断プログラムのみを実装しておく場合には、図10について上述した起動処理手順RT12とほぼ同様の処理により、診断装置2から診断プログラムの替わりに診断用起動プログラムを取得することでかかる起動処理手順を容易に実現することができる。
さらに上述の実施の形態においては、本発明の起動方法をユーザの使用するクライアント端末3を診断する際に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、工場でクライアント端末3等の情報処理装置を製造して出荷検査用として診断する際に適用するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、本発明による情報処理装置を、図1乃至図12について上述したクライアント端末3に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、パーソナルコンピュータや、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistance )、ゲーム機器、コンパクトディスクプレーヤやDVDプレーヤ等の情報処理装置のように、この他種々の情報処理装置に広く適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、本発明よる起動処理プログラムを、図8乃至図111について上述した第1乃至第3の端末診断処理シーケンスの起動処理手順RT11、RT12及びRT13の実行に用いた初期設定プログラム、診断用起動プログラム、診断プログラム、読出転送プログラム及び処理実行用起動プログラムに適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1の記憶媒体に対する処理実行用起動プログラムの記憶フォーマットや当該処理実行用起動プログラムの構成、第2の記憶媒体に記憶している診断用起動プログラム及び診断プログラムの構成等に応じて、この他種々の起動処理プログラムに広く適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、各種処理の実行の際に起動するための処理実行用起動プログラムを記憶する第1の記憶媒体として、図1乃至図12について上述したクライアント端末3のハードディスクドライブ16内のハードディスクを適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、情報処理装置の内部又は外部に設けられた半導体メモリや光磁気ディスク等のように、この他種々の第1の記憶媒体を広く適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、診断処理の実行の際に起動するための診断用起動プログラムと、本装置に対する当該診断処理を実行する診断プログラムとを記憶するための第2の記憶媒体として、図1乃至図12について上述したクライアント端末3のROM14及び又はRAM15を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、クライアント端末3に着脱可能に装填される半導体メモリや光磁気ディスク等のように、この他種々の第2の記憶媒体を広く適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、第1の記憶媒体から処理実行用起動プログラムを読出可能な周辺機器に対してプログラム起動前処理を実行する起動前処理実行手段として、図1乃至図12について上述したクライアント端末3の中央処理ユニット10を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、初期設定プログラム及び読出転送プログラムに従って初期設定処理及び読出転送処理専用に動作する起動前処理実行回路等のように、この他種々の起動前処理実行手段を広く適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、起動前処理実行手段によって周辺機器に対して実行されたプログラム起動前処理が正常に終了したときには、当該周辺機器により第1の記憶媒体から読み出された処理実行用起動プログラムを起動し、起動前処理実行手段によって周辺機器に対して実行されたプログラム起動前処理が正常に終了しないときには、第2の記憶媒体に記憶している診断用起動プログラムを起動する起動手段として、図1乃至図12について上述したクライアント端末3の中央処理ユニット10を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、専用の起動回路等のように、この他種々の起動手段を広く適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、診断用起動プログラムの起動が完了すると、第2の記憶媒体に記憶している診断プログラムに従って診断処理を実行する診断処理実行手段として、図1乃至図12について上述したクライアント端末3の中央処理ユニット10を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、診断プログラムに従って診断処理を実行する専用の診断処理実行回路等のように、この他種々の診断処理実行手段を広く適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、起動前処理実行手段によって本装置に対する診断装置の接続が検出された状態で、周辺機器に対して実行されたプログラム起動前処理が正常に終了しないときに、診断装置に診断プログラムを要求する診断プログラム要求信号を送信する診断プログラム要求信号送信手段として、図1乃至図12について上述したクライアント端末3の外部機器インターフェース部26を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、クライアント端末3と診断装置2との間で利用する通信方式に応じた無線通信インターフェース部のように、この他種々の診断プログラム要求信号送信手段を広く適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、診断プログラム要求信号送信手段による診断装置への診断プログラム要求信号の送信の結果、当該診断装置から送信される診断プログラムを受信する診断プログラム受信手段として、図1乃至図12について上述したクライアント端末3の外部機器インターフェース部26を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、クライアント端末3と診断装置2との間で利用する通信方式に応じた無線通信インターフェース部のように、この他種々の診断プログラム受信手段を広く適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、診断プログラム受信手段によって受信された診断プログラムを第2の記憶媒体に記憶する診断プログラム記憶手段として、図1乃至図12について上述したクライアント端末3の中央処理ユニット10を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、診断プログラムを第2の記憶媒体に記憶する専用のメモリインターフェース部等のように、この他種々の診断プログラム記憶手段を広く適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、起動前処理実行手段によって本装置に対する診断装置の接続が検出された状態で、周辺機器に対して実行されたプログラム起動前処理が正常に終了しないときに、診断装置に診断用起動プログラムを要求する起動プログラム要求信号を送信する起動プログラム要求信号送信手段として、図1乃至図12について上述したクライアント端末3の外部機器インターフェース部26を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、クライアント端末3と診断装置2との間で利用する通信方式に応じた無線通信インターフェース部のように、この他種々の起動プログラム要求信号送信手段を広く適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、起動プログラム要求信号送信手段による診断装置への起動プログラム要求信号の送信の結果、当該診断装置から送信される診断用起動プログラムを受信する起動プログラム受信手段として、図1乃至図12について上述したクライアント端末3の外部機器インターフェース部26を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、クライアント端末3と診断装置2との間で利用する通信方式に応じた無線通信インターフェース部のように、この他種々の起動プログラム受信手段を広く適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、起動プログラム受信手段によって受信された診断用起動プログラムを第2の記憶媒体に記憶する起動プログラム記憶手段として、図1乃至図12について上述したクライアント端末3の中央処理ユニット10を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、診断用起動プログラムを第2の記憶媒体に記憶する専用のメモリインターフェース部等のように、この他種々の起動プログラム記憶手段を広く適用することができる。
1……診断システム、2……診断装置、3……クライアント端末、10……中央処理ユニット、14……ROM、15……RAM、16……ハードディスクドライブ、24……外部機器インターフェース部、30……プログラム起動関連情報、31……読出転送プログラム、32……パーティションテーブル、RT11、RT12、RT13……起動処理手順。