JP4291932B2 - 自動列車制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軌道回路毎に設定された機能に基づいて列車制御情報を作成し、その列車制御情報を列車に伝達して列車速度を制御する自動列車制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動列車制御システムは、軌道回路毎に設定された機能(速度制御論理)に基づいて列車制御情報を作成し、その列車制御情報を列車に伝達して列車速度を制御する。
【0003】
また、従来、軌道回路毎に機能の設定及び更新を行う場合は、軌道回路毎に設置されるリレー回路の配線変更作業が必要になる。このリレー回路の配線変更作業は、人手により行われており、以下のような作業手順が必要である。
【0004】
設計段階のリレー配線図の変更作業、製造段階のリレー配線図に基づくリレー回路の配線変更作業、検査段階のリレー配線チェック及び模擬的列車在線状態の設定による意図した速度信号の選択確認作業、軌道回路単位の各現場作業とがある。
【0005】
さらに、軌道回路の管理は、軌道回路毎のリレー回路配線図の保管、現状の機能設定状態の確認、機能更新時の図面更新等の作業を人手により行っていた。
【0006】
また、従来の自動列車制御装置は、軌道回路毎に信号発生、信号選択(速度制御論理回路)及び信号増幅の制御機能の要素を個別のハード構成として備え、信号発生と信号増幅の各機能は各軌道回路共通のハード構成であり、信号選択機能は軌道回路の条件(長さ、分岐の有無、勾配等)により異なるため軌道回路毎に個別のハード構成である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし従来の自動列車制御システムは、軌道回路の機能設定の更新作業及び管理が人手により行われ、信号選択機能が軌道回路毎に個別のハードで構成されていたため、以下に述べるような問題があった。
【0008】
▲1▼軌道回路の機能設定と確認は、軌道回路毎に現場の作業者が行うため、設定ミスなどの誤りが発生する可能性があった。誤りは事前の試験により検出しているが、試験で誤りを見落とした場合、システムとして不安全側に動作する可能性があった。
【0009】
▲2▼無人稼働状態のときの侵入者による妨害行為により不安全側の制御状態に陥った場合、システムとして不安全側に動作する可能性があった。
【0010】
▲3▼信号選択機能が軌道回路毎に個別のハードで構成されていたため、機能の設定、更新時は、現場での作業が不可欠であり、現場の作業負担が大きかった。
【0011】
▲4▼軌道回路の機能設定の誤りを発見した場合、その誤りを修正した後、修正個所の再試験を行う必要があり、機能修正に手間と時間がかかっていた。また、
設定の誤りを検出するまでに時間がかかっていた。
【0012】
本発明の課題は、機能設定の自己監視機能と、機能の動作状態を常時監視して安全側に動作させるフェールセーフ機能と、複数の軌道回路に対して機能をリモート設定するリモート設定機能と、機能確認のための試験を行う試験機能とを自動列車制御システムに付加することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、
軌道回路(例えば、図1の軌道回路1T〜nT)毎に設置する複数の被監理装置(例えば、図1の被監理装置1〜n)と、複数の被監理装置を監理する監理装置(例えば、図1の監理装置30)とを通信回線(例えば、図1のLAN20)により接続する自動列車制御システム(例えば、図1の自動列車制御システム10)であって、
前記監理装置は、
前記軌道回路毎に対応する列車制御情報とバージョンデータとを設定した通信データを作成して前記通信回線を介して前記複数の被監理装置に配信する制御情報配信手段(例えば、図1の監理装置30が備える機能設定機能とLAN用通信機能)と、
前記各被監理装置から前記通信回線を介して受信するバージョンデータが現在設定されているバージョンデータと異なる場合は、当該異なるバージョンデータを送信した前記被管理装置が異常動作していると判断し、当該異常動作していると判断された被監理装置に対して安全側制御情報を設定した通信データを作成して前記通信回線を介して送信する動作監視手段(例えば、図1の監理装置30が備える監視機能)と、を備え、
前記各被監理装置は、
前記監理装置から前記通信回線を介して受信する前記通信データに設定された軌道回路毎の列車制御情報に基づいて設置された軌道回路毎に列車速度を制御し、前記監理装置から前記安全側制御情報が設定された通信データを受信した場合は、当該受信された通信データに設定された安全側制御情報に基づいて安全側制御動作に移行する列車制御手段(例えば、図1の被監理装置1〜nが備える速度制御機能)と、前記通信データに設定された前記軌道回路毎のバージョンデータを前記通信回線を介して一定時間毎に前記監理装置に送信する通信手段(例えば、図1の被監理装置1〜nが備えるLAN用通信機能)と、
を備えることを特徴としている。
【0014】
請求項1記載の発明によれば、
軌道回路毎に設置する複数の被監理装置と、複数の被監理装置を監理する監理装置とを通信回線により接続する自動列車制御システムであって、前記監理装置は、前記軌道回路毎に対応する列車制御情報とバージョンデータとを設定した通信データを作成して前記通信回線を介して前記複数の被監理装置に配信する制御情報配信手段と、前記各被監理装置から前記通信回線を介して受信する各バージョンデータが現在設定されているバージョンデータと異なる場合は、当該異なるバージョンデータを送信した前記被管理装置が異常動作していると判断し、当該異常動作していると判断された被監理装置に対して安全側制御情報を設定した通信データを作成して前記通信回線を介して送信する動作監視手段と、を備え、前記各被監理装置は、前記監理装置から前記通信回線を介して受信する前記通信データに設定された軌道回路毎の列車制御情報に基づいて設置された軌道回路毎に列車速度を制御し、前記監理装置から前記安全側制御情報が設定された通信データを受信した場合は、当該受信された通信データに設定された安全側制御情報に基づいて安全側制御動作に移行する列車制御手段と、前記通信データに設定された前記軌道回路毎のバージョンデータを前記通信回線を介して一定時間毎に前記監理装置に送信する通信手段とを備える。
したがって、各軌道回路に対応した機能をリモート設定することができ、現場作業者による設定ミスの発生を防止でき、人の機能設定ミスにより不安全側に動作する可能性を排除でき、自動列車制御システムの信頼性を向上できる。
また、被監理装置が不安全側の動作に陥った場合でも、その異常動作を直ちに検知して安全側動作に移行させることができ、自動列車制御システムのフェールセーフ機能を向上できる。
【0018】
請求項2に記載する発明のように、請求項1記載の自動列車制御システムにおいて、前記監理装置において、前記軌道回路毎に対応する制御機能を確認する試験制御情報を設定した通信データを作成して前記通信回線を介して前記複数の被監理装置に配信する機能試験手段(例えば、図1の監理装置30が備える試験機能)と、前記各被監理装置から前記通信回線を介して受信する各動作結果情報に含まれる各軌道の速度制限情報を照査し、前記試験制御情報に基づいた速度制限が決定されていることを確認する機能確認手段(例えば、図1の監理装置30が備える試験機能)と、を更に備え、前記各被監理装置において、前記監理装置から前記通信回線を介して受信する前記通信データに設定された軌道回路毎の試験制御情報に基づいて設定された制御機能の試験動作を実行する試験動作手段(例えば、図1の被監理装置1〜nが備える試験動作機能)を更に備え、前記通信手段は、この試験動作手段の動作結果を示す動作結果情報を前記通信回線を介して前記監理装置に送信する。
【0019】
請求項2記載の発明によれば、
前記監理装置において、前記軌道回路毎に対応する制御機能を確認する試験制御情報を設定した通信データを作成して前記通信回線を介して前記複数の被監理装置に配信する機能試験手段と、前記各被監理装置から前記通信回線を介して受信する各動作結果情報に含まれる各軌道の速度制限情報を照査し、前記試験制御情報に基づいた速度制限が決定されていることを確認する機能確認手段と、を更に備え、前記各被監理装置において、前記監理装置から前記通信回線を介して受信する前記通信データに設定された軌道回路毎の試験制御情報に基づいて設定された制御機能の試験動作を実行する試験動作手段を更に備え、前記通信手段は、この試験動作手段の動作結果を示す動作結果情報を前記通信回線を介して前記監理装置に送信する。
【0020】
したがって、各軌道回路に対応した設定機能を確認するための試験動作もリモート制御することができるため、現場での作業を大幅に削減でき、作業者の負担を大幅に軽減でき、自動列車制御システムの管理コストを低減できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1〜図5は、本発明を適用した自動列車制御システムの一実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1は、本実施の形態における自動列車制御システム10の全体システム構成を示す図である。この図1において、自動列車制御システム10は、軌道回路1T,2T〜nT毎に設置された被監理装置1〜nと、これらの被監理装置1〜nとともにLAN(Local Area Network)20に接続された監理装置30と、から構成されている。
【0022】
被監理装置1〜nと監理装置30との間では、LAN20を介してLAN用のデータフレームにより自動列車制御に関するデータが送受信される。
【0023】
被監理装置1〜nは、それぞれ設置された軌道回路1T,2T〜nT毎に列車の在線(非在線)を検知する列車検知機能と、その列車の速度を制御する速度制御機能と、LAN用通信機能と、を備える。
【0024】
被監理装置1〜nは、監理装置30から送信されるバージョンデータと速度制御論理データが設定されたテーブルデータを、LAN20を介してデータフレームにより受信し、そのテーブルデータを内蔵する記憶装置(図示せず)に記憶し、テーブルデータに設定された速度制御論理データに基づいて、設置された軌道回路1T,2T〜nT毎に列車速度を制御する。
【0025】
また、被監理装置1〜nは、監理装置30から送信されたバージョンデータと列車検知結果(在線/非在線)をデータフレームに設定して一定時間毎にLAN20を介して監理装置30に送信する。
【0026】
さらに、被監理装置1〜nは、監理装置30から送信される安全側制御動作指示データが設定されたデータフレームを受信した場合は、その安全側制御動作指示データにより安全側制御動作に移行するフェールセーフ機能を備える。
【0027】
また、被監理装置1〜nは、監理装置30から送信される軌道回路1T〜nTへの列車の模擬動作により、列車を検知して設定された速度制御論理データに基づいて列車速度を制限し、その軌道回路毎に動作結果としてバージョンデータ、列車検知結果、及び制限速度を設定したデータフレームをLAN20を介して監理装置30に送信する試験動作機能も有する。
【0028】
監理装置30は、軌道回路1T,2T〜nT毎に速度制御論理データとバージョンデータとをLAN用のデータフレームに設定し、そのデータフレームをLAN20を介して被監理装置1〜nに配信して機能を設定する機能設定機能と、被監理装置1〜nから送信されるデータフレームに設定されたバージョンデータを常時監視して設定したテーブルデータで被監理装置1〜nが動作していることを監視する監視機能と、監視機能により異常を検知した被監理装置に対して安全側動作制御を行うフェールセーフ機能と、LAN用通信機能と、を備える。
【0029】
また、監理装置30は、被監理装置1〜nに対して設定した機能の確認を行う試験機能も備える。
この機能確認試験を行う場合、監理装置30は、列車検知結果を模擬的に「在線または非在線」にする指示をLAN20を介して被監理装置1〜nに送信して、被監理装置1〜nの在線検知結果を在線または非在線に制御し、軌道回路1Tから順番に列車を模擬的に移動させ、その移動時に被監理装置1〜nからLAN20に送信される各軌道の速度制限を照査し、配信した速度制御論理に基づいた速度制限が決定されていることを確認する。
【0030】
監理装置30において、LAN用のデータフレームに設定される速度制御論理データとバージョンデータの設定例を図2に示す。
【0031】
図2(a)に示すデータ設定例は、軌道回路単位にバージョンデータ「テーブルバージョン」と速度制御論理データ「1T速度制御論理,2T速度制御論理」を割り振る場合を示す。
【0032】
また、図2(b)にデータ設定例は、複数の軌道回路単位にバージョンデータ「テーブルバージョン」と速度制御論理データ「1T速度制御論理,2T速度制御論理・・・・nT速度制御論理」を割り振る場合を示す。
【0033】
さらに、監理装置30と被監理装置1〜nとの間で送受信されるLAN用のデータフレームの設定例を図3に示す。
【0034】
図3(a)に示すデータ設定例は、監理装置30から被監理装置1〜nへのデータ配信時のデータフレーム構成であり、図2に示した軌道回路毎のバージョンデータと速度制御論理データとを設定したテーブルデータ「1T用データ〜nT用データ」が、軌道回路毎に区切って設定される。
【0035】
図3(b)に示すデータ設定例は、被監理装置1〜nから監理装置30へのバージョンデータ送信時のデータフレーム構成であり、被監理装置1〜n毎に設定されたバージョンデータ「1Tバージョン〜nTバージョン」が区切って設定される。
【0036】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図1の自動列車制御システム10の動作について、図4に示す監理装置30と被監理装置1、2との間の動作例を参照して説明する。
図4において監理装置30は、バージョンデータと1T速度制御論理データを設定したテーブルデータ1と、バージョンデータと2T速度制御論理データを設定したテーブルデータ2とをLAN用のデータフレーム(図3(a)参照)に設定し、LAN20を介して被監理装置1、2に送信して、被監理装置1、2にテーブルデータ1とテーブルデータ2を設定する。
【0037】
被監理装置1と被監理装置2は、データフレームに設定されたテーブルデータ1とテーブルデータ2をLAN通信機能により自己のデータフレームのみを識別して受信し、そのテーブルデータ1とテーブルデータ2に設定された1T速度制御論理データとnT速度制御論理データに基づいて、軌道回路1Tと軌道回路2Tに在線する列車の速度を制御する。
【0038】
そして、被監理装置1と被監理装置2は、テーブルデータ1とテーブルデータ2に設定されたバージョンデータをLAN用のデータフレーム(図(b)参照)に設定し、LAN20を介して監理装置30に一定時間毎に送信する。
【0039】
監理装置30は、被監理装置1と被監理装置2から一定時間毎に送信されるバージョンデータを常時監視し、現在設定されている速度制御論理データのバージョンに基づいて被監理装置1と被監理装置2が動作しているか否かを監視する。
【0040】
そして、監理装置30は、被監理装置1あるいは被監理装置2から受信したバージョンデータが現在設定されているものと異なる場合は、その異なるバージョンデータを送信した被監理装置が異常動作をしていると判断し、その異常動作を安全側制御動作に移行させるための安全側制御動作指示データをLAN用のデータフレーム(図示せず)に設定し、LAN20を介して異常動作中の被監理装置に送信する。
【0041】
異常動作中の被監理装置1あるいは被監理装置2は、監理装置30から受信した安全側制御動作指示データに従って安全側制御動作に移行する。
【0042】
次いで、監理装置30により実行される被監理装置1〜nの機能確認ための試験動作について説明する。
【0043】
監理装置30は、列車検知結果を模擬的に「在線または非在線」にする指示をLAN用のデータフレーム(図示せず)に設定し、LAN20を介して被監理装置1〜nに送信して、被監理装置1〜nの在線検知結果を在線または非在線に制御する。
【0044】
そして、監理装置30は、軌道回路1Tから順番に列車を模擬的に移動させ、その移動時に被監理装置1〜nからデータフレームに設定してLAN20に送信される各軌道の速度制限内容を照査し、配信した速度制御論理に基づいた速度制限が決定されていることを確認する。
【0045】
この試験動作において、被監理装置1〜nによりLAN用のデータフレームに設定される内容の例を図5に示す。図5に示すデータフレームの設定例では、軌道回路を示す値「1T,2T〜nT」と、バージョンデータ「バージョン」と、列車検知結果「在線/非在線」と、制限速度データ「制限速度」とが、軌道回路毎に区別して設定される。
【0046】
以上のように、本実施の形態の自動列車制御システム10では、監理装置30と各軌道回路1T〜nTの被監理装置1〜nとをLAN20により接続し、監理装置30から速度制御論理データとバージョンデータを軌道回路毎に設定したデーフレームを被監理装置1〜nに送信して、各軌道回路1T〜nTに対応した機能をリモート設定可能にした。
【0047】
このため、現場作業者による設定ミスの発生を防止でき、人の機能設定ミスにより不安全側に動作する可能性を排除でき、自動列車制御システムの信頼性を向上できる。
【0048】
また、本実施の形態の自動列車制御システム10では、監理装置30は、被監理装置1〜nから送信される速度制御論理のバージョンデータを常時監視して、被監理装置1〜nの異常動作を常時検知し、異常動作を検知した被監理装置に対しては直ちに安全側動作に移行する動作指示データを送信するようにした。
【0049】
このため、被監理装置1〜nが無人稼働状態のときの侵入者による妨害行為により不安全側の動作に陥った場合でも、その異常動作を直ちに検知して安全側動作に移行させることができ、自動列車制御システムのフェールセーフ機能を向上できる。
【0050】
さらに、本実施の形態の自動列車制御システム10では、被監理装置1〜n毎に機能の変更や更新もリモート設定を可能とし、その設定機能を確認するための試験動作もリモート制御により可能とした。
【0051】
このため、現場での作業を大幅に削減でき、作業者の負担を大幅に軽減でき、自動列車制御システムの管理コストを低減できる。
【0052】
さらにまた、本実施の形態の自動列車制御システム10では、被監理装置1〜n毎に機能設定に誤りがあった場合でも、その誤りを監理装置30で検知して修正用のリモート設定により誤り箇所を修正可能であり、その修正個所の再試験もリモート制御により可能である。
【0053】
このため、従来のように設定が誤ったまま試験作業を行うことがなくなり、機能修正に要する時間を短縮することができる。
【0054】
さらに、本実施の形態の自動列車制御システム10では、監理装置30が被監理装置1〜nに設定したテーブルデータを監理するため、従来は人が行っていたシステム更新または変更時のテーブルデータに依存する機能試験を監理装置30が自動で行うことが可能になり、試験作業効率を向上できる。
【0055】
また、被監理装置はセキュリティ確保のため、極力集中配置し、監理を集中化させておく必要があったが、監理装置を導入することによりデータ及び動作の集中管理と異常時のリモートによる安全側制御が可能になったため、被監理装置の設置場所の制約を縮小できる。
【0056】
なお、上記実施の形態において、監理装置30と被監理装置1〜nとの間で送受信されるデータフレームの構成やデータ設定内容については、特に限定するものではなく、その自動列車制御システム10の制御上の仕様に従って任意に設定変更可能であることは勿論である。
【0057】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、各軌道回路に対応した機能をリモート設定することができ、現場作業者による設定ミスの発生を防止でき、人の機能設定ミスにより不安全側に動作する可能性を排除でき、自動列車制御システムの信頼性を向上できる。
また、被監理装置が不安全側の動作に陥った場合でも、その異常動作を直ちに検知して安全側動作に移行させることができ、自動列車制御システムのフェールセーフ機能を向上できる。
【0059】
請求項2記載の発明によれば、各軌道回路に対応した設定機能を確認するための試験動作もリモート制御することができるため、現場での作業を大幅に削減でき、作業者の負担を大幅に軽減でき、自動列車制御システムの管理コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の自動列車制御システム10の全体構成を示す図である。
【図2】図1の監理装置30により機能設定用データの構成例を示す図である。
【図3】図1の監理装置30により設定されるデータフレームの構成例と、図1の被監理装置1〜nにより設定されるデータフレームの構成例とを示す図である。
【図4】自動列車制御システム10の動作を説明するための図である。
【図5】試験動作時に被監理装置1〜nにより設定されるデータフレームの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1〜n 被監理装置
10 自動列車制御システム
20 LAN
30 監理装置
1T〜nT 軌道回路
Claims (2)
- 軌道回路毎に設置する複数の被監理装置と、複数の被監理装置を監理する監理装置とを通信回線により接続する自動列車制御システムであって、
前記監理装置は、
前記軌道回路毎に対応する列車制御情報とバージョンデータとを設定した通信データを作成して前記通信回線を介して前記複数の被監理装置に配信する制御情報配信手段と、
前記各被監理装置から前記通信回線を介して受信する各バージョンデータが現在設定されているバージョンデータと異なる場合は、当該異なるバージョンデータを送信した前記被管理装置が異常動作していると判断し、当該異常動作していると判断された被監理装置に対して安全側制御情報を設定した通信データを作成して前記通信回線を介して送信する動作監視手段と、を備え、
前記各被監理装置は、
前記監理装置から前記通信回線を介して受信する前記通信データに設定された軌道回路毎の列車制御情報に基づいて設置された軌道回路毎に列車速度を制御し、前記監理装置から前記安全側制御情報が設定された通信データを受信した場合は、当該受信された通信データに設定された安全側制御情報に基づいて安全側制御動作に移行する列車制御手段と、
前記通信データに設定された前記軌道回路毎のバージョンデータを前記通信回線を介して一定時間毎に前記監理装置に送信する通信手段と、
を備えることを特徴とする自動列車制御システム。 - 前記監理装置において、
前記軌道回路毎に対応する制御機能を確認する試験制御情報を設定した通信データを作成して前記通信回線を介して前記複数の被監理装置に配信する機能試験手段と、
前記各被監理装置から前記通信回線を介して受信する各動作結果情報に含まれる各軌道の速度制限情報を照査し、前記試験制御情報に基づいた速度制限が決定されていることを確認する機能確認手段と、を更に備え、
前記各被監理装置において、
前記監理装置から前記通信回線を介して受信する前記通信データに設定された軌道回路毎の試験制御情報に基づいて設定された制御機能の試験動作を実行する試験動作手段を更に備え、
前記通信手段は、この試験動作手段の動作結果を示す動作結果情報を前記通信回線を介して前記監理装置に送信することを特徴とする請求項1記載の自動列車制御システム。
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