以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機の遊技盤1の正面図である。
遊技盤1の表面には、略円形状の遊技領域3が形成される。遊技領域3は、遊技盤1の四方に各々設けられた樹脂製のサイドケース4及びガイドレール2によって画成される。遊技領域3の右下に設けられたサイドケース4は、前面の中央部を黒色透明の証紙プレート5で覆われている。また、遊技領域3の右上及び右下に設けられたサイドケース4には、遊技盤1を遊技機の前面枠に対して固定するための取付部6が設けられている。
遊技領域3には、ほぼ中央に画像表示装置7が設けられるセンターケース8が配置される。画像表示装置7はセンターケース8に設けられた凹部に、センターケース8の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース8は画像表示装置7の周囲を囲い、画像表示装置7の表示領域から突出して設けられている。
画像表示装置7は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等で表示画面が構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報や、後述する起点図柄変動表示ゲーム(起点図柄補助遊技)を演出するキャラクタが表示される。すなわち、表示画面の左、中、右に設けられた変動表示領域には、識別情報として割り当てられた図柄(例えば、「0」〜「9」までの数字及び「A」、「B」の英文字による12種類の図柄)が、後述する起点図柄表示装置14で実行される起点図柄変動表示ゲームと同期して、変動表示(可変表示)される。その他、表示画面には遊技の進行に伴う画像(例えば、当たり表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技領域3の要所には、装飾用ランプ、LED等の装飾装置9が設けられ、これらの装飾装置9は、当たり等のイベント発生時に遊技の進行に応じて発光する。
センターケース8の直下には、起点図柄始動領域として起点図柄始動ゲート10が配設される。画像表示装置7の前方側には棚板11が張り出すように形成されており、画像表示装置7の前方側に流下した遊技球が、当該棚板11に沿って棚板中央部12に移動し、棚板中央部12から落下する。この棚板中央部12は、起点図柄始動ゲート10の真上に位置しているため、棚板中央部12から落下した遊技球は、起点図柄始動ゲート10への流下可能性が高められる。
センターケース8の左下には、四つの一般入賞口13が、遊技領域3の外周に沿うように上下に並んで配設される。また、起点図柄始動ゲート10の直下には、一般入賞口13を上部に備えた起点図柄表示装置14が配設される。
起点図柄表示装置14は、起点図柄変動表示ゲームを実行する起点図柄表示器14A、及び、起点図柄始動記憶数を表示する四つのLEDよりなる起点図柄記憶表示器14Bで構成される。起点図柄表示器14Aでは、7セグメントLEDよりなる起点図柄(例えば、「0」〜「9」までの数字及び「A」、「C」、「E」等の英文字)が点灯することで、起点図柄変動表示ゲームを実行する。起点図柄には、特定の数字又は英文字を当たり図柄として予め設定しておく。
また、起点図柄表示装置14は、継承図柄始動口(継承図柄始動領域)として機能する起点図柄変動入賞装置15が左右に設けられている。起点図柄変動入賞装置15は、起点図柄表示装置14の外周に沿って上方から下方へ滑動することによって、起点図柄変動入賞装置15が遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な不利状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な有利状態)に変換される。
なお、本実施の形態では、変動入賞装置が作動せずに遊技球を受け入れることが不能な状態を「不利状態」(遊技者からみて不利な状態)とし、変動入賞装置が作動して遊技球を受け入れることが可能な状態を「有利状態」(遊技者からみて有利な状態)とする。ただし、「不利状態」は、変動入賞装置が遊技球を受け入れ不能な状態に限らず、変動入賞装置の開口部が極めて狭く、遊技球を受け入れることが困難な状態も含むものとする。また、「有利状態」は、変動入賞装置が最初に作動を開始してから、複数回連続して間欠作動して、この間欠作動が終了するまでの全ての時間帯を有利状態としてもよい。
センターケース8の右下には、上から順に継承図柄表示装置16、第1図柄表示装置18、第2図柄表示装置20が配設される。
継承図柄表示装置16は、継承図柄変動表示ゲーム(継承図柄補助遊技)を実行する継承図柄表示器16A、継承図柄始動記憶数を表示する一つのLEDよりなる継承図柄記憶表示器16B、及び、三つの装飾装置9で構成される。継承図柄表示器16Aでは、7セグメントLEDよりなる継承図柄が点灯することで、継承図柄変動表示ゲームを実行する。継承図柄には、特定の数字又は英文字を当たり図柄として予め設定しておく。
また、継承図柄表示装置16は、第1図柄始動口(第1図柄始動領域)として機能する継承図柄変動入賞装置17が設けられている。継承図柄変動入賞装置17は一つの可動翼片よりなり、当該可動翼片を外方に開くことによって、継承図柄変動入賞装置17閉状態から開状態へ変換される。
第1図柄表示装置18は、第1図柄変動表示ゲーム(第1図柄補助遊技)を実行する第1図柄表示器18A、及び、第1図柄始動記憶数を表示する四つのLEDよりなる第1図柄記憶表示器18Bで構成される。第1図柄表示器18Aでは、7セグメントLEDよりなる第1図柄が点灯することで、第1図柄変動表示ゲームを実行する。第1図柄には、特定の数字又は英文字を当たり図柄として予め設定しておく。
また、第1図柄表示装置18は、第2図柄始動口(第2図柄始動領域)として機能する第1図柄変動入賞装置19が設けられている。第1図柄変動入賞装置19は一つの可動翼片よりなり、当該可動翼片を外方に開くことによって、第1図柄変動入賞装置19が閉状態から開状態へ変換される。
第2図柄表示装置20は、第2図柄変動表示ゲーム(第2図柄補助遊技)を実行する7セグメントLEDよりなる第2図柄表示器20A、及び、第2図柄始動記憶数を表示する四つのLEDよりなる第2図柄記憶表示器20Bで構成される。第2図柄表示器20Aでは、7セグメントLEDよりなる第2図柄が点灯することで、第2図柄変動表示ゲームを実行する。第2図柄には、特定の数字又は英文字を当たり図柄として予め設定しておく。
また、第2図柄表示装置20は、第2図柄変動入賞装置21が設けられている。第2図柄変動入賞装置21は一つの可動翼片よりなり、当該可動翼片を外方に開くことによって、第2図柄変動入賞装置21が閉状態から開状態へ変換される。
遊技機では、打球発射装置(図示省略)から遊技領域3に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域3内の各所に配置された釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域3を流下し、一般入賞口13、起点図柄変動入賞装置15、継承図柄変動入賞装置17、第1図柄変動入賞装置19又は第2図柄変動入賞装置21に入賞するか、遊技領域3の最下部に設けられたアウト口22から排出される。
一般入賞口13への遊技球の入賞は、一般入賞口13に備えられた一般入賞検出スイッチ13.1〜13.N(図2)によって検出される。一般入賞口13に遊技球が入賞すると、払出ユニット(排出装置)から、遊技機の前面枠に設けられた上皿又は下皿に、所定個数(例えば、5個)の賞球が排出される。
起点図柄始動ゲート10への遊技球の通過は、起点図柄始動スイッチ10A(図2)によって検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された起点図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の起点図柄始動記憶領域(起点図柄始動記憶手段)に起点図柄始動記憶として所定数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。そして、この起点図柄始動記憶数は、起点図柄記憶表示器14Bに表示される。遊技制御装置100は、起点図柄始動記憶に基づいて、起点図柄表示器14Aにて起点図柄変動表示ゲームを実行する。このとき画像表示装置7には、起点図柄変動表示ゲームに同期して識別情報が変動表示される。また、画像表示装置7には、起点図柄変動表示ゲームに関する演出画像も表示される。
なお、起点図柄表示器14Aで起点図柄変動表示ゲームが開始されると、画像表示装置7では、前述した数字等で構成される図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、中(第二特別図柄)、右(第三特別図柄)の順に変動表示を開始する。起点図柄表示器14Aで図柄が確定すると、画像表示装置7の図柄も起点図柄変動表示ゲームの結果に対応する停止態様で停止して表示される。具体的には、起点図柄変動表示ゲームの結果が当たりであれば、画像表示装置7に表示される各図柄はぞろ目の組み合わせ(当たり図柄)で停止し、起点図柄変動表示ゲームの結果が外れであれば、画像表示装置7に表示される各図柄はぞろ目以外の組み合わせ(外れ図柄)で停止する。このように、起点図柄表示器14Aは変動表示状態と変動表示結果とを遊技者に正確に知らせ、画像表示装置7は興趣向上のために多様な表示を演出する。
起点図柄始動ゲート10への遊技球の通過が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、通過検出時の起点図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には当たり状態となり、表示図柄によって特定の結果態様が導出される。具体的には、起点図柄表示器14Aは当たり図柄で停止して、画像表示装置7は三つの識別情報が揃った状態(当たり図柄)で停止する。このとき、起点入賞装置ソレノイド30(図2)への通電によって、起点図柄変動入賞装置15が所定の時間だけ開放するように変換される。すなわち、起点図柄変動入賞装置15に備えられた継承図柄始動口が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得し、また、続いて継承図柄変動表示ゲームを実行できるという遊技価値が付与される。なお、起点図柄乱数カウンタ値の当たり値は、大当たり状態を発生させる大当たり値と、大当たり状態と比較して遊技価値の少ない小当たり状態を発生させる小当たり値とが含まれ、大当たり値は約1/300の確率で、小当たり値は約1/50の確率で抽出されるようになっている。大当たり状態と小当たり状態とは、当たり図柄の種類(例えば、数字「7」で停止すると大当たり状態、数字「1」、「3」、「5」で停止すると小当たり状態)が異なる。また、大当たり状態と小当たり状態とは、起点図柄変動入賞装置15が開放する時間が異なる(図8(D)参照)。
開放した起点図柄変動入賞装置15へ入賞した遊技球は、継承図柄始動口への入賞となり、継承図柄始動口が備える継承図柄始動スイッチ15A(図2)によって検出される。この遊技球の入賞タイミングによって抽出された継承図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の継承図柄始動記憶領域(継承図柄始動記憶手段)に継承図柄始動記憶として所定数(例えば、最大で1回分)を限度に記憶される。そして、この継承図柄始動記憶数は、継承図柄記憶表示器16Bに表示される。
遊技制御装置100は、継承図柄始動記憶に基づいて、継承図柄表示器16Aにて継承図柄変動表示ゲームを実行する。そして、継承図柄乱数カウンタ値の判定結果に対応する継承図柄変動表示ゲームを行い、その結果として当たり状態が発生すると、継承入賞装置ソレノイド31(図2)への通電によって、継承図柄変動入賞装置17が所定時間だけ開放するように変換される。すなわち、継承図柄変動入賞装置17に備えられた第1図柄始動口が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得し、また、続いて第1図柄変動表示ゲームを実行できるという遊技価値が付与される。
なお、継承図柄乱数カウンタ値は、ほとんどが当たり値で構成され、外れ値は極めて低い確率(例えば、1/4000)で抽出されるようにするとよい。つまり、継承図柄変動表示ゲームの結果、外れ状態が発生する確率は限りなく0に近い。
開放した継承図柄変動入賞装置17へ入賞した遊技球は、第1図柄始動口への入賞となり、第1図柄始動口が備える第1図柄始動スイッチ17A(図2)によって検出される。この遊技球の入賞タイミングによって抽出された第1図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の第1図柄始動記憶領域(第1図柄始動記憶手段)に第1図柄始動記憶として所定数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。そして、この第1図柄始動記憶数は、第1図柄記憶表示器18Bに表示される。
遊技制御装置100は、第1図柄始動記憶に基づいて、第1図柄表示器18Aにて第1図柄変動表示ゲームを実行する。そして、第1図柄乱数カウンタ値の判定結果に対応する第1図柄変動表示ゲームを実行し、その結果として当たり状態が発生すると、第1入賞装置ソレノイド32(図2)への通電によって、第1図柄変動入賞装置19が所定時間だけ開放するように変換される。すなわち、第1図柄変動入賞装置19に備えられた第2図柄始動口が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得し、また、続いて第2図柄変動表示ゲームを実行できるという遊技価値が付与される。
なお、第1図柄乱数カウンタ値は、ほとんどが当たり値で構成され、外れ値は低い確率(例えば、1/500)で抽出されるようになっている。つまり、第1図柄変動表示ゲームの結果、外れ状態が発生する可能性はほとんどない。ただし、第1図柄変動表示ゲームの結果、外れ状態が発生した場合は、図11及び図12で後述するように、第1図柄変動表示ゲームの実行時間を調整して、第1図柄変動入賞装置19の非作動時間を短縮する制御が行われる。
開放した第1図柄変動入賞装置19へ入賞した遊技球は、第2図柄始動口への入賞となり、第2図柄始動口が備える第2図柄始動スイッチ19A(図2)によって検出される。この遊技球の入賞タイミングによって抽出された第2図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の第2図柄始動記憶領域(第2図柄始動記憶手段)に第2図柄始動記憶として所定数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。そして、この第2図柄始動記憶数は、第2図柄記憶表示器20Bに表示される。
遊技制御装置100は、第2図柄始動記憶に基づいて、第2図柄表示器20Aにて第2図柄変動表示ゲームを実行する。そして、第2図柄乱数カウンタ値の判定結果に対応する第2図柄変動表示ゲームを実行し、その結果として当たり状態が発生すると、第2入賞装置ソレノイド33(図2)への通電によって、第2図柄変動入賞装置21が所定時間だけ開放するように変換される。すなわち、第2図柄変動入賞装置21が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得できるという遊技価値が付与される。
なお、第2図柄乱数カウンタ値は、ほとんどが当たり値で構成され、外れ値は低い確率(例えば、1/500)で抽出されるようになっている。つまり、第2図柄変動表示ゲームの結果、外れ状態が発生する可能性はほとんどない。ただし、第2図柄変動表示ゲームの結果、外れ状態が発生した場合は、第2図柄変動表示ゲームの実行時間を調整して、第2図柄変動入賞装置21の非作動時間を短縮する制御が行われる。
そして、第2図柄変動入賞装置21への遊技球の入賞は、第2図柄変動入賞装置21が備える最下段入賞検出スイッチ21A(図2)によって検出される。
なお、各変動入賞装置の開放時間については、図8(D)を用いて後述する。
そして、起点図柄変動入賞装置15、継承図柄変動入賞装置17、第1図柄変動入賞装置19又は第2図柄変動入賞装置21へ遊技球が入賞すると、払出ユニットから、遊技機の前面枠に設けられた上皿又は下皿に、所定個数(例えば、それぞれ15個)の賞球が排出される。なお、継承図柄変動入賞装置17、第1図柄変動入賞装置19及び第2図柄変動入賞装置21は、いずれも遊技領域3の右側に配設されているため、これらの各変動入賞装置へ遊技球を入賞させるためには、遊技者は、遊技領域3の右側へ遊技球が流下するように打球発射装置による遊技球の発射勢を調整する必要がある。
このように、起点図柄始動ゲート10へ遊技球が通過して、起点図柄表示装置14で起点図柄変動表示ゲームが実行されて、当該変動表示ゲームの結果として当たり状態が発生することを契機として、下位の変動表示ゲーム、つまり、継承図柄変動表示ゲーム、第1図柄変動表示ゲーム、第2図柄変動表示ゲームの順に変動表示ゲームが実行され、遊技者に多くの遊技球が獲得できるという遊技価値が付与される。結果として遊技の興趣を高めることができる。
なお、起点図柄変動表示ゲームの結果が当たり状態だった場合に、起点図柄変動入賞装置15が開放されてから、第2図柄変動入賞装置21が作動を停止するまで、又は、継承図柄変動表示ゲーム、第1図柄変動表示ゲーム若しくは第2図柄変動表示ゲームで外れ状態が発生するまでの遊技を特別遊技とする。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機の遊技制御装置100を中心とする制御系の一部を示すブロック図である。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェース102、出力インターフェース103等から構成される。
遊技用マイクロコンピュータ101には外部通信端子が設けられており、外部通信端子からは、遊技用マイクロコンピュータ101に一意に設定された識別番号を出力することができる。この外部通信端子に検査装置や管理用コンピュータ(いわゆる、ホールコン)を接続することで、管理用コンピュータが遊技機を識別することができる。
遊技用マイクロコンピュータ101は、入力インターフェース102を介しての各種検出装置(一般入賞検出スイッチ13.1〜13.N、起点図柄始動スイッチ10A、継承図柄始動スイッチ15A、第1図柄始動スイッチ17A、第2図柄始動スイッチ19A、又は、最下段入賞検出スイッチ21A)からの検出信号を受けて、当たり抽選等、種々の処理を行う。
また、遊技用マイクロコンピュータ101は、出力インターフェース103を介して遊技領域3に設けられた起点図柄表示装置14(起点図柄表示器14A、起点図柄記憶表示器14B)、継承図柄表示装置16(継承図柄表示器16A、継承図柄記憶表示器16B)、第1図柄表示装置18(第1図柄表示器18A、第1図柄記憶表示器18B)、又は、第2図柄表示装置20(第2図柄表示器20A、第2図柄記憶表示器20B)に各種情報を出力する。
起点図柄表示器14Aには、起点図柄変動表示ゲームに関する表示を出力する。また、起点図柄記憶表示器14Bには、起点図柄始動記憶数表示を出力する。
継承図柄表示器16Aには、継承図柄変動表示ゲームに関する表示を出力する。また、継承図柄記憶表示器16Bには、継承図柄始動記憶数表示を出力する。
第1図柄表示器18Aには、第1図柄変動表示ゲームに関する表示を出力する。また、第1図柄記憶表示器18Bには、第1図柄始動記憶数表示を出力する。
第2図柄表示器20Aには、第2図柄変動表示ゲームに関する表示を出力する。また、第2図柄記憶表示器20Bには、第2図柄始動記憶数表示を出力する。
また、遊技用マイクロコンピュータ101は、出力インターフェース103を介して、各従属制御装置(表示制御装置150及び排出制御装置200)、起点入賞装置ソレノイド30、継承入賞装置ソレノイド31、第1入賞装置ソレノイド32、第2入賞装置ソレノイド33等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
また、遊技用マイクロコンピュータ101は、盤用外部情報端子34を介して、管理用コンピュータに遊技機に関する情報を出力する。
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。また、遊技機に併設されるカードユニット35からの貸球要求信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し貸球を排出させる。
遊技制御装置100から表示制御装置150には、表示制御指令信号として変動開始コマンド、変動表示コマンド、識別情報コマンド、確定コマンド、デモ表示コマンド、ファンファーレコマンド、当たりコマンド、エラーコマンド等が送信される。さらに、通常遊技状態、特別遊技状態、確率変動状態等の遊技状態の違いによって表示態様を変化させるための指令信号も送信される。
なお、通常遊技状態とは、特別遊技が実行されていない状態である。特別遊技状態とは、起点図柄変動表示ゲームの結果として当たり状態が発生し、特別遊技(当たり遊技)が実行されている状態である。確率変動状態とは、通常遊技状態と比較して当たりの発生確率が高く、特別遊技状態の発生に対して遊技者に有利に作用する状態である。
変動開始コマンドは、変動表示ゲームの開始を指示する。変動表示コマンドは、識別情報の変動表示態様を指示する。識別情報コマンドは、変動表示ゲームの結果として停止表示される識別情報を指示する。確定コマンドは、識別情報の変動表示の停止を指示する。デモ表示コマンドは、起点図柄変動表示ゲームが所定時間なされないときに行われる表示を指示する。ファンファーレコマンドは、特別遊技状態に移行する前の状態の表示を指示する。当たりコマンドは、特別遊技状態中のインターバル表示、確定図柄の表示等の特別遊技状態中の表示を指示する。エラーコマンドは、異常時の表示を指示する。
表示制御装置150は、これらの表示制御指令信号(コマンド)によって、遊技制御装置100が管理している遊技状態の遷移を把握することができる。
表示制御装置150は、表示制御用のCPU、プログラムやデータを格納したROM、CPUの動作時のワークエリアや、画像表示装置7に表示される画像データを一時的に記憶するフレームバッファが設けられたRAM、VDC(Video Display Controller)、入力インターフェース等から構成される。
CPUは、遊技制御装置100からの表示指令信号に基づいて、画面情報(図柄表示情報、背景画像情報、動画キャラクタ画面情報等)を作成して、RAMに記憶する。この画面情報は、VDCの垂直同期割込のタイミングで、転送指令を受けたDMAC(Direct Memory Access Controller)により、VDCに転送される。VDCは、この画像情報に基づき、ROMの該当画像データを取り込み、画像表示装置7の画面に水平走査、垂直走査を行って、所定の画像表示(描画)を行う。
表示制御装置150と遊技制御装置100とを接続する通信インターフェースには、信号伝達方向規制手段であるバッファが設けられる。よって、遊技制御装置100と表示制御装置150との間の通信は、遊技制御装置100から表示制御装置150への信号入力のみが許容され、表示制御装置150から遊技制御装置100への信号出力は禁止されている。これにより、表示制御装置150から遊技制御装置100に不正な信号が入力されることを防止することができる。なお、遊技制御装置100と表示制御装置150との間で双方向通信を行う場合には、バッファに双方向バッファを用いることもできる。
また、通信インターフェースには装飾制御装置250及び音制御装置300が接続されている。
装飾制御装置250は、表示制御装置150からの装飾制御指令信号に基づいて、遊技領域3に設けられた装飾用ランプ、LED等の装飾装置9を制御する。
音制御装置300は、表示制御装置150からの音制御指令信号に基づいて、遊技機の前面枠に設けられたスピーカから出力される効果音を制御する。
表示制御装置150には出力インターフェースが設けられている。出力インターフェースには画像表示装置7が接続されており、出力インターフェースを介して画像表示装置7に信号を出力する。画像表示装置7は、表示制御装置150からの画像表示信号に基づいて、表示領域に対応する画像を表示する。
遊技機の電源装置(図示省略)は、電源回路の他に、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の電圧降下を検出すると、遊技制御装置100等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置100は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は、遊技制御装置100等のRAMにバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報)等をバックアップする。ただし、遊技機への電源投入時に、図示しないメモリクリアスイッチを操作すると、バックアップされているデータは消去され、初期化される。
なお、装飾制御装置250及び音制御装置300を、表示制御装置150とは別個に設けたが、従属制御装置のうち、装飾制御装置250や音制御装置300を表示制御装置150に含めて、装飾制御装置250及び/又は音制御装置300を表示制御装置150と一体に構成してもよい。
また、装飾制御装置250及び音制御装置300を、表示制御装置150に接続せずに、遊技制御装置100に直接接続してもよい。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御のメイン処理のフローチャートであり、遊技制御装置100で実行される。
遊技機への電源が投入されると、遊技用マイクロコンピュータ101は、各種制御パラメータに初期値を設定する初期化処理を実行し(S11)、遊技機を初期状態に設定する。このとき、前述の起点図柄監視タイマ、継承図柄監視タイマ、第1図柄監視タイマ及び第2図柄監視タイマを初期化する。つまり、各監視タイマを0秒に設定する。
続いて攪拌用乱数更新処理(S12)を行う。以後、この攪拌用乱数更新処理を繰り返し行う。
この攪拌用乱数更新処理(S12)は、後述する図4のステップS25における乱数更新処理の初期値を更新する処理である。この処理について説明すると、遊技制御装置100で実行される処理の中には、起点図柄始動ゲート10、起点図柄変動入賞装置(継承図柄始動口)15、継承図柄変動入賞装置(第1図柄始動口)17又は第1図柄変動入賞装置(第2図柄始動口)19へ遊技球が通過又は入賞したときに、対応する変動表示ゲーム(補助遊技)の結果態様を導き出すための抽選を行ったり、この抽選結果に基づいて起点図柄変動表示ゲームを進行させる際の演出あるいは装飾にランダム性を付与したりするために行われるいくつかの乱数処理が含まれる。これらの乱数処理の一例としては、0から316の間でカウンタの値を所定の時間周期、たとえば1ミリ秒周期で1ずつ増加させ、値が316を越したときに再び0に戻す処理がある。この乱数値の更新処理はステップS25で実行される。
このカウンタ値は、前述した遊技球の入賞等の事象を遊技制御装置100が認識した時点で抽出され、そのときの乱数値となる。しかし、乱数とはいっても、前述した処理を繰り返すと、317ミリ秒周期で抽出される乱数値は周期性をもってしまい、乱数性が低下する。そこで、攪拌用乱数更新処理でカウンタ値を攪乱することによって更に乱数性を付与している。
前述した例におけるカウンタ値の変動を毎回0から開始するのではなく、攪拌用乱数更新処理で求められた値をカウンタ値の初期値として変動させる。いわばカウンタ値の一周期の変動を終えた時点で、攪拌用乱数更新処理により得られた新たな値を次のカウンタの初期値に設定する。
そしてまた、のカウンタ値を一周期だけ変動をする処理が行われ、カウンタ値の変動時の初期値が次々と更新されてゆく。攪拌用乱数更新処理における乱数更新の周期は、ステップS25の乱数更新処理における乱数更新の周期に比してかなり短いので、前述したカウンタのランダム性を増すことができる。
図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御のタイマ割込処理のフローチャートであり、遊技制御装置100で実行される。
遊技機への電源が投入された後、遊技制御メイン処理が実行される。そして、所定時間周期(例えば、1ミリ秒)毎にタイマ割り込みが発生すると、タイマ割込処理が繰り返し実行される。ただし、これらのステップS22〜S32の処理は、割り込み発生毎に必ずしもすべて行なわれるとは限られない。例えば、入力処理(S22)は毎回入力信号を監視するが、出力処理(S23)は割り込みの発生1回おきに実行されてもよい。つまり、1回の割込処理で一通りの処理すべてを完了するのではなく、この割込処理が複数回繰り返し実行されて一連の遊技制御処理が完了する場合がある。
まず、割り込み禁止の設定と、レジスタ退避の処理を行う(S21)。
その後、入力インターフェース102を介して入力される各種センサやスイッチ等からの信号にチャタリング除去等の処理をし、入力情報を確定する入力処理を行う(S22)。
その後、出力インターフェース103を介して、遊技制御に関するデータを所定の出力先(起点入賞装置ソレノイド30、継承入賞装置ソレノイド31、第1入賞装置ソレノイド32、第2入賞装置ソレノイド33、盤用外部情報34等)に出力する出力処理を行う(S23)。
その後、表示制御装置150に表示制御指令信号を出力したり、排出制御装置200に賞球指令信号を出力したりするコマンド送信処理を行う(S24)。
その後、起点図柄変動表示ゲーム、継承図柄変動表示ゲーム、第1図柄変動表示ゲーム又は第2図柄変動表示ゲームが当たりか否かを決定するための各乱数カウンタ、及び各変動表示ゲームを進行させる際の演出あるいは装飾(変動表示パターンや停止図柄等)にランダム性を付与するための各乱数カウンタの値を一ずつ増す乱数更新処理を行う(S25)。
その後、遊技機の球詰まりや各種スイッチ、センサ等の異常などを監視するエラー監視処理を行う(S26)。
その後、起点図柄始動スイッチ10A、継承図柄始動スイッチ15A、第1図柄始動スイッチ17A又は第2図柄始動スイッチ19Aの入力の有無を検出し、その結果に応じて起点図柄始動記憶、継承図柄始動記憶、第1図柄始動記憶、第2図柄始動記憶等を更新するスイッチの監視処理を行う(S27)。このとき、各図柄始動スイッチ10A、15A、17A、19Aにより遊技球が検出されると、対応する各図柄乱数カウンタ値(変動表示ゲームの結果態様に関する乱数)が各始動記憶領域に記憶される。スイッチ監視処理については、図5を用いて後述する。
その後、起点図柄変動表示ゲームの進行を制御する起点図柄変動表示ゲーム処理(S28)、継承図柄変動表示ゲームの進行を制御する継承図柄変動表示ゲーム処理(S29)、第1図柄変動表示ゲームの進行を制御する第1図柄変動表示ゲーム処理(S30)、第2図柄変動表示ゲームの進行を制御する第2図柄変動表示ゲーム処理(S31)を実行する。各変動表示ゲーム処理については、図6を用いて後述する。
その後、盤用外部情報端子34を介して接続される管理用コンピュータに遊技機の状態を出力するための盤用外部情報を編集する外部情報編集処理を行う(S32)。盤用外部情報には、図柄が確定したか、当たりであるか、確率変動中であるか等、各変動表示ゲームの進行状態に関連する情報が含まれる。
その後、一時退避していたレジスタの復帰処理および禁止設定されていた割り込みの許可設定をする処理を行い(S33)、タイマ割込処理を終了し、メイン処理に戻る。そして、次のタイマ割り込みが発生するまで攪拌用乱数更新処理を繰り返す。
図5は、本発明の第1の実施の形態のスイッチ監視処理のフローチャートであって、遊技制御装置100で実行される。
スイッチ監視処理では、まず、起点図柄始動スイッチ10Aからの入力信号を検出したか否か、つまり、起点図柄始動ゲート10への遊技球の通過があったか否かを判定する(S41)。起点図柄始動ゲート10への遊技球の通過がない場合は、ステップS44へ移行する。
一方、起点図柄始動ゲート10への遊技球の通過があった場合は、起点図柄始動記憶領域に記憶されている起点図柄始動記憶(保留数)が4より小さいか否かを判定する(S42)。ここで、本実施の形態では、起点図柄始動記憶領域に記憶される起点図柄始動記憶数は4回分が限度である。よって、ステップS42において、起点図柄始動記憶数が4の場合、起点図柄始動ゲート10への遊技球の通過によって抽出された起点図柄乱数カウンタ値を、起点図柄始動記憶領域に格納することなくステップS44へ移行する。
ステップS42において、起点図柄始動記憶数が4より小さい場合は、起点図柄始動ゲート10への遊技球の通過によって抽出された起点図柄乱数カウンタ値を起点図柄始動記憶領域に格納して、起点図柄始動記憶数に1を加算更新する。
次に、継承図柄始動スイッチ15Aからの入力信号を検出したか否か、つまり、起点図柄変動入賞装置15への遊技球の入賞があったか否かを判定する(S44)。起点図柄変動入賞装置15への遊技球の入賞がない場合は、ステップS47へ移行する。
一方、起点図柄変動入賞装置15への遊技球の入賞があった場合は、継承図柄始動記憶領域に記憶されている継承図柄始動記憶(保留数)が1より小さいか否かを判定する(S45)。ここで、本実施の形態では、継承図柄始動記憶領域に記憶される継承図柄始動記憶数は1回分が限度である。よって、ステップS45において、継承図柄始動記憶数が1の場合、起点図柄変動入賞装置15への遊技球の入賞によって抽出された継承図柄乱数カウンタ値を、継承図柄始動記憶領域に格納することなくステップS47へ移行する。
ステップS45において、継承図柄始動記憶数が1より小さい場合、つまり、継承図柄始動記憶がなかった場合は、継承図柄変動入賞装置17への遊技球の入賞によって抽出された継承図柄乱数カウンタ値を継承図柄始動記憶領域に格納して、継承図柄始動記憶数に1を加算更新する。
次に、第1図柄始動スイッチ17Aからの入力信号を検出したか否か、つまり、継承図柄変動入賞装置17への遊技球の入賞があったか否かを判定する(S47)。継承図柄変動入賞装置17への遊技球の入賞がない場合は、ステップS50へ移行する。
一方、継承図柄変動入賞装置17への遊技球の入賞があった場合は、第1図柄始動記憶領域に記憶されている第1図柄始動記憶数が4より小さいか否かを判定する(S48)。ここで、本実施の形態では、第1図柄始動記憶領域に記憶される第1図柄始動記憶数は4回分が限度である。よって、ステップS48において、第1図柄始動記憶数が4の場合、継承図柄変動入賞装置17への遊技球の入賞によって抽出された第1図柄乱数カウンタ値を、第1図柄始動記憶領域に格納することなくステップS50へ移行する。
ステップS48において、第1図柄始動記憶数が4より小さい場合は、継承図柄変動入賞装置17への遊技球の入賞によって抽出された第1図柄乱数カウンタ値を第1図柄始動記憶領域に格納して、第1図柄始動記憶数に1を加算更新する。
次に、第2図柄始動スイッチ19Aからの入力信号を検出したか否か、つまり、第1図柄変動入賞装置19への遊技球の入賞があったか否かを判定する(S50)。第1図柄変動入賞装置19への遊技球の入賞がない場合は、ステップS53へ移行する。
一方、第1図柄変動入賞装置19への遊技球の入賞があった場合は、第2図柄始動記憶領域に記憶されている第2図柄始動記憶数が4より小さいか否かを判定する(S51)。ここで、本実施の形態では、第2図柄始動記憶領域に記憶される第2図柄始動記憶数は4回分が限度である。よって、ステップS51において、第2図柄始動記憶数が4の場合、第1図柄変動入賞装置19への遊技球の入賞によって抽出された第2図柄乱数カウンタ値を、第2図柄始動記憶領域に格納することなくステップS53へ移行する。
ステップS51において、第2図柄始動記憶数が4より小さい場合は、第1図柄変動入賞装置19への遊技球の入賞によって抽出された第2図柄乱数カウンタ値を第2図柄始動記憶領域に格納して、第2図柄始動記憶数に1を加算更新する。
そして、ステップS44、S47若しくはS50において、各スイッチから検出された入力信号によって、又は、最下段入賞検出スイッチ21Aから検出された入力信号によって、いずれかの変動入賞装置へ遊技球の入賞があったと判定された場合は、各変動入賞装置への一つの遊技球の入賞毎に所定個数(例えば、15個)の賞球指令信号を設定する(S53)。なお、これらの賞球指令信号は、ステップS23の出力処理において排出制御装置200へ出力され、賞球の排出を指令する。
以上の処理を終了すると、タイマ割込処理へ復帰する。
図6は、本発明の第1の実施の形態の変動表示ゲーム処理のフローチャートであって、遊技制御装置100で実行される。
タイマ割込処理で実行される各変動表示ゲーム処理(ステップS28の起点図柄変動表示ゲーム処理、ステップS29の継承図柄変動表示ゲーム処理、ステップS30の第1図柄変動表示ゲーム処理、又は、ステップS31の第2図柄変動表示ゲーム処理)は、いずれも処理の流れは同じであるが、各処理で用いる変数の内容、及び、各処理の監視タイマ(Tim)に設定する時間値が異なる。よって、以下に起点図柄変動表示ゲーム処理の流れを説明して、その他の各変動表示ゲーム処理で用いる変数の内容は図7を用いて後述し、各変動表示ゲーム処理で用いる監視タイマの時間値は図8を用いて後述する。
起点図柄変動表示ゲーム処理では、まず、各変数に起点図柄変動表示ゲーム処理で用いる内容を割り当てる(S61)。
変数「No」には、起点図柄処理番号を割り当てる。起点図柄処理番号は、起点図柄変動表示ゲーム処理中の状態を示す番号であって、起点図柄変動表示ゲームが開始されると、実行中の状態に基づいて、遊技用マイクロコンピュータ101のRAMに、起点図柄変動表示ゲーム処理の内容を決定する処理番号0〜5のいずれかが記憶される。そして、記憶されている処理番号に基づいて分岐して処理が実行される。
起点図柄処理番号0(No=0)は、「変動待ち」の処理であり、起点図柄変動表示ゲームの実行中ではないときに設定される番号である。起点図柄処理番号1(No=1)は、「変動中」の処理であり、起点図柄変動表示ゲームが開始してから起点図柄の変動表示が停止するまで設定される。起点図柄処理番号2(No=2)は、「外れ表示中」の処理であり、起点図柄乱数カウンタ値が外れ値の場合に、起点図柄の変動表示が停止してから起点図柄の確定表示が終了するまで設定される。起点図柄処理番号3(No=3)は、「当たり開始準備中」の処理であり、起点図柄乱数カウンタ値が当たり値の場合に、起点図柄の変動表示が停止してから起点図柄変動入賞装置15の作動が開始するまで設定される。起点図柄処理番号4(No=4)は、「当たり動作中」の処理であり、起点図柄変動入賞装置15が作動を開始してから作動を停止するまで設定される。起点図柄処理番号5(No=5)は、「当たり終了監視中」の処理であり、起点図柄変動入賞装置15が作動を停止してから下位の変動表示ゲームが開始するまで設定される。このとき、起点図柄表示器14Aには確定した当たり図柄を表示する。なお、起点図柄処理番号の初期値は「0」である。
変数「Tim」には、起点図柄監視タイマを割り当てる。起点図柄監視タイマは、起点図柄変動表示ゲーム処理中に実行される各処理の処理時間を管理するために所定の時間値を設定する。なお、起点図柄監視タイマの初期値は、図3のステップS11で0秒(Tim=0秒)に設定されている。
変数「Ct」には、起点図柄始動記憶数を割り当てる。変数「Zu」には、起点図柄を割り当てる。起点図柄は、起点図柄始動記憶に基づいて起点図柄表示器14Aで変動表示され、起点図柄乱数カウンタ値に基づいて停止図柄が決定される。変数「He」には、起点図柄変動入賞装置15を割り当てる。起点図柄変動入賞装置15は、起点図柄変動表示ゲームの結果として当たり状態が発生すると、所定の時間だけ開放される。変数「Rn」には、起点図柄乱数カウンタ値を割り当てる。起点図柄乱数カウンタ値は、起点図柄始動ゲート10への遊技球の通過タイミングに抽出される乱数値であって、当たり値及び外れ値を含む。そして、当該乱数値に基づいて起点図柄変動表示ゲームの結果が決定される。変数「Sf」には、起点図柄計時停止フラグを割り当てる。起点図柄計時停止フラグがオンに設定されると、起点図柄監視タイマの更新が禁止される。
次に、Timが0秒より大きいか否か、つまり、起点図柄監視タイマがタイムアップしていないか否かを判定する(S62)。この場合の起点図柄監視タイマは、起点図柄処理ゲーム処理が変動待ち状態(No=0)のときは、0秒に設定されている(図3のステップS11)。また、起点図柄変動表示ゲーム処理が変動中の状態(No=1)、外れ表示中の状態(No=1)、当たり開始準備中の状態(No=3)、当たり動作中の状態(No=4)又は当たり終了監視中の状態(No=5)のときは、初期値としてそれぞれTz1、Tn1、Tm1、Th1、Tu1が設定され(図8)、以後、0秒になるまで減算更新される。
起点図柄監視タイマがタイムアップしている場合(Tim≦0秒の場合)は、ステップS65へ移行する。一方、起点図柄監視タイマがタイムアップしていない場合(Tim>0秒の場合)は、Sfがオンか否か、つまり、起点図柄計時停止フラグがオンに設定されているか否かを判定する(S63)。起点図柄計時停止フラグがオンに設定されている場合は、ステップS65へ移行する。起点図柄計時停止フラグがオンに設定されていない場合は、起点図柄監視タイマを減算更新する(S64)。つまり、起点図柄監視タイマは、起点図柄計時停止フラグがオフに設定されている場合にのみ更新されて、起点図柄計時停止フラグがオンに設定されている場合は更新されない。
次に、Timが0秒以下か否か、つまり、起点図柄監視タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S65)。起点図柄監視タイマがタイムアップしていない場合(Tim>0秒の場合)は、ステップS76へ移行する。一方、起点図柄監視タイマがタイムアップしている場合(Tim≦0秒の場合)は、記憶されているNo(起点図柄処理番号)を特定する(S66)。そして、記憶されている起点図柄処理番号に基づいて対応する処理へ分岐して各処理を実行する。
起点図柄処理番号が0(No=0)のときは、「変動待ち」の処理を実行する。このとき、起点図柄変動表示ゲームは実行されていない。よって、まず起点図柄始動記憶数が0より大きいか否かを判定する(S67)。起点図柄始動記憶数が0の場合(Ct=0の場合)は、起点図柄変動表示ゲームの開始条件が成立していないため、変動待ち状態を維持してステップS76へ移行する。
一方、起点図柄始動記憶数が0より大きい場合(Ct>0の場合)は、起点図柄変動表示ゲームの開始条件が成立しているため、起点図柄変動表示ゲームを開始する(S68)。具体的には、まず、起点図柄始動記憶数(Ct)から1を減算更新する。次に、起点図柄乱数カウンタ値(Rn)が当たり値か外れ値か、つまり、起点図柄変動表示ゲームの結果が当たりか否かを判定して、判定結果を記憶する。次に、起点図柄(Zu)の停止図柄を決定して、起点図柄監視タイマ(Tim)を設定する。このときの起点図柄監視タイマは、図8(A)のTz1で示す3.00秒〜40.00秒のうちのいずれかの時間値に無作為に設定する。次に、起点図柄処理番号(No)を1に設定して、起点図柄表示器14Aで起点図柄(Zu)の変動表示を開始する。以上の処理を終了すると、ステップS76へ移行する。
ステップS66で起点図柄処理番号が1(No=1)のときは、「変動中」の処理を実行する。このとき、起点図柄変動表示ゲームは実行を開始している。また、ステップS68でTz1に設定された起点図柄監視タイマはタイムアップしている(S65参照)。よって、まず、起点図柄表示器14Aに表示する起点図柄の変動を停止する(S69)。そして、ステップS68で記憶した判定結果に基づいて、起点図柄が当たり図柄か否かを判定する(S70)。起点図柄が当たり図柄ではない場合、つまり、外れ図柄の場合は、起点図柄監視タイマを設定する(S71)。このときの起点図柄監視タイマは、図8(B)のTn1で示す0.60秒に設定する。そして、起点図柄処理番号を2に設定した後、ステップS76へ移行する。
一方、ステップS70で起点図柄が当たり図柄の場合は、起点図柄監視タイマを設定する(S72)。このときの起点図柄監視タイマは、図8(C)のTm1で示す15.36秒に設定する。なお、Tm1に設定された起点図柄監視タイマが稼動している間、画像表示装置7ではファンファーレ画面が表示される。そして、起点図柄処理番号を3に設定した後、ステップS76へ移行する。
ステップS66で起点図柄処理番号が2(No=2)のときは、「外れ表示中」の処理を実行する。このとき、起点図柄は変動表示を外れ図柄で停止している(S69)。また、ステップS71でTn1に設定された起点図柄監視タイマはタイムアップしている(S65)。よって、まず、起点図柄監視タイマを初期化(0秒に設定)して、起点図柄処理番号を0に設定する(S73)。その後、ステップS76へ移行する。
ステップS66で起点図柄処理番号が3(No=3)のときは、「当たり開始準備中」の処理を実行する。このとき、起点図柄は変動表示を当たり図柄で停止している(S69参照)。また、ステップS72でTm1に設定された起点図柄監視タイマはタイムアップしている(S65参照)。よって、まず、起点図柄変動入賞装置15の作動を開始する(S74)。そして、起点図柄監視タイマを設定して、起点図柄処理番号を4に設定する(S74)。このときの起点図柄監視タイマは、図8(D)のTh1で示すように、起点図柄が大当たり図柄の場合は5.80秒(Th11)に設定され、起点図柄が小当たり図柄の場合は0.50秒(Th12)に設定する。その後、ステップS76へ移行する。
ステップS66で起点図柄処理番号が4(No=4)のときは、「当たり動作中」の処理を実行する。このとき、起点図柄変動入賞装置15は所定時間(Th1が経過するまでの時間)だけ作動している。また、ステップS74でTh1に設定された起点図柄監視タイマはタイムアップしている(S65参照)。よって、まず、起点図柄変動入賞装置15の作動を停止する(S75)。そして、起点図柄監視タイマを設定して、起点図柄処理番号を5に設定する(S75)。このときの起点図柄監視タイマは、図8(E)のTu1で示す1.57秒に設定する。その後、ステップS76へ移行する。
ステップS66で起点図柄処理番号が5(No=5)のときは、「当たり終了監視中」の処理を実行する。このとき、起点図柄変動入賞装置15は作動を停止している(S75参照)。また、ステップS75でTu1に設定された起点図柄監視タイマはタイムアップしている(S65参照)。よって、まず、起点図柄監視タイマを初期化(0秒に設定)して、起点図柄処理番号を0に設定する(S73)。その後、ステップS76へ移行する。
ステップS76では、全図柄(起点図柄、継承図柄、第1図柄及び第2図柄)の計時停止フラグの設定を解除する。そして、現在の起点図柄処理番号が3〜5のいずれかに設定されているか否かを判定する(S77)。起点図柄処理番号が3〜5ではない場合、つまり、0〜2の場合は、全図柄の計時停止フラグの設定を解除したまま、ステップS78を実行することなく、タイマ割込処理へ復帰する。
一方、起点図柄処理番号が3〜5の場合、起点図柄計時停止フラグ以外の計時停止フラグ(継承図柄計時停止フラグ、第1図柄計時停止フラグ及び第2図柄計時停止フラグ)をオンに設定する(S78)。これによって、起点図柄監視タイマ以外の監視タイマ(継承図柄監視タイマ、第1図柄監視タイマ又は第2図柄監視タイマ)は更新を中断されたまま、起点図柄以外の図柄(継承図柄、第1図柄及び第2図柄)は変動を継続する。つまり、起点図柄以外の図柄(継承図柄、第1図柄及び第2図柄)は変動を停止しない。
以上の処理を終了すると、タイマ割込処理へ復帰する。
なお、継承図柄変動表示ゲーム処理、第1図柄変動表示ゲーム処理又は第2図柄変動表示ゲーム処理を実行する場合は、後述のように、図7に示す変数の割り当てを変更して、ステップS61〜S78の処理を実行する。ただし、継承図柄変動表示ゲーム処理、第1図柄変動表示ゲーム処理又は第2図柄変動表示ゲーム処理を実行する場合は、当たり開始準備中(継承図柄監視タイマ、第1図柄監視タイマ又は第2図柄監視タイマがそれぞれTm2〜4に設定されている間)、画像表示装置7でファンファーレ画面は表示されない。また、継承図柄乱数カウンタ値、第1図柄乱数カウンタ値及び第2図柄乱数カウンタ値の当たり値は、大当たり値及び小当たり値は含まず、1種類の当たり値のみとする点で異なる。
図7は、本発明の第1の実施の形態の変動表示ゲーム処理で用いる変数の構成であって、遊技制御装置100のROMに記憶される。
「No」、「Tim」、「Ct」、「Zu」、「He」、「Rn」、「Sf」は、各変動表示ゲーム処理で用いられる変数である。起点図柄変動表示ゲーム処理で、各変数に割り当てる内容は図6で前述した通りである。
継承図柄変動表示ゲーム処理では、変数「No」に継承図柄処理番号を割り当てる。変数「Tim」には、継承図柄監視タイマを割り当てる。変数「Ct」には、継承図柄始動記憶数を割り当てる。変数「Zu」には、継承図柄を割り当てる。変数「He」には、継承図柄変動入賞装置17を割り当てる。変数「Rn」には、継承図柄乱数カウンタ値を割り当てる。変数「Sf」には、継承図柄計時停止フラグを割り当てる。
第1図柄変動表示ゲーム処理では、変数「No」に第1図柄処理番号を割り当てる。変数「Tim」には、第1図柄監視タイマを割り当てる。変数「Ct」には、第1図柄始動記憶数を割り当てる。変数「Zu」には、第1図柄を割り当てる。変数「He」には、第1図柄変動入賞装置19を割り当てる。変数「Rn」には、第1図柄乱数カウンタ値を割り当てる。変数「Sf」には、第1図柄計時停止フラグを割り当てる。
第2図柄変動表示ゲーム処理では、変数「No」に第2図柄処理番号を割り当てる。変数「Tim」には、第2図柄監視タイマを割り当てる。変数「Ct」には、第2図柄始動記憶数を割り当てる。変数「Zu」には、第2図柄を割り当てる。変数「He」には、第2図柄変動入賞装置21を割り当てる。変数「Rn」には、第2図柄乱数カウンタ値を割り当てる。変数「Sf」には、第2図柄計時停止フラグを割り当てる。
なお、継承図柄変動表示ゲーム処理、第1図柄変動表示ゲーム処理、又は第2図柄変動表示ゲーム処理で用いる各変数に割り当てられた内容は、図6の起点図柄変動表示ゲーム処理で説明した内容と同一である。
図8は、本発明の第1の実施の形態の変動表示ゲーム処理で監視タイマに、初期値として設定される時間値の構成であって、遊技制御装置100のROMに記憶される。
図8(A)は、変動表示ゲーム処理が変動中の状態(No=1)に切り替わる際、つまり、図柄が変動表示する際に、監視タイマに初期値として設定される時間値である。
変動表示ゲーム処理において起点図柄変動表示ゲーム処理が実行されているときは、起点図柄監視タイマに、記号「Tz1」で示される3.00秒〜40.00秒のうちのいずれかの時間値を無作為に初期値として設定する。変動表示ゲーム処理において継承図柄変動表示ゲーム処理が実行されているときは、継承図柄監視タイマに、記号「Tz2」で示される16.00秒の時間値を初期値として設定する。変動表示ゲーム処理において第1図柄変動表示ゲーム処理が実行されているときは、第1図柄監視タイマに、記号「Tz3」で示される時間値を設定する。この場合、「Tz3」は、「Tz31」、「Tz32」又は「Tz33」のいずれかの時間値に相当し、第1図柄変動始動記憶数が4であって、かつ、第1図柄乱数カウンタ値が当たり値の場合は、第1図柄監視タイマに2.00秒(Tz31)を設定し、第1図柄変動始動記憶数が3以下であって、かつ、第1図柄乱数カウンタ値が当たり値の場合は、第1図柄監視タイマに5.80秒(Tz32)を設定し、第1図柄乱数カウンタ値が外れ値の場合は、第1図柄監視タイマに2.00秒(Tz33)を設定することを意味する。つまり、「Tz3」は、通常は「Tz32」が設定されるが、第1図柄変動始動記憶数が4であって、かつ、第1図柄乱数カウンタ値が当たり値の場合、及び、第1図柄乱数カウンタ値が外れ値の場合は、「Tz32」よりも時間値が短縮された「Tz31」又は「Tz33」が設定される。変動表示ゲーム処理において第2図柄変動表示ゲーム処理が実行されているときは、記号「Tz4」で示される1.38秒を初期値として設定する。
図8(B)は、変動表示ゲーム処理が外れ表示中の状態(No=2)に切り替わる際、つまり、変動表示ゲームの結果が外れだった場合に、確定した外れ図柄が変動表示器に表示される直前に、監視タイマに初期値として設定される時間値である。
変動表示ゲーム処理において、起点図柄変動表示ゲーム処理、継承図柄変動表示ゲーム処理、第1図柄変動表示ゲーム処理又は第2図柄変動表示ゲーム処理のいずれかが実行されているときは、監視タイマに、それぞれ記号「Tn1」〜「Tn4」で示される時間値(いずれも0.60秒)を初期値として設定する。
図8(C)は、変動表示ゲーム処理が当たり開始準備中の状態(No=3)に切り替わる際、つまり、変動表示ゲームの結果が当たりだった場合に、確定した当たり図柄が変動表示器に表示される直前に、監視タイマに初期値として設定される時間値である。
変動表示ゲーム処理において、起点図柄変動表示ゲーム処理が実行されているときは、起点図柄監視タイマに、記号「Tm1」で示される15.36秒を初期値として設定する。変動表示ゲーム処理において、継承図柄変動表示ゲーム処理、第1図柄変動表示ゲーム処理又は第2図柄変動表示ゲーム処理のいずれかが実行されているときは、監視タイマに、それぞれ記号「Tm2」〜「Tm4」で示される時間値(いずれも0.60秒)を初期値として設定する。
図8(D)は、変動表示ゲーム処理が当たり動作中の状態(No=4)に切り替わる際、つまり、変動入賞装置が開放する直前、監視タイマに初期値として設定される時間値である。
変動表示ゲーム処理において、起点図柄変動表示ゲーム処理が実行されているときは、起点図柄監視タイマに、記号「Th1」で示される時間値を設定する。この場合、「Th1」は、「Th11」又は「Th12」のいずれかの時間値に相当し、起点図柄変動表示ゲームの結果が大当たりだった場合は、起点図柄監視タイマに5.80秒(Th11)を設定し、起点図柄変動表示ゲームの結果が小当たりだった場合は起点図柄監視タイマに0.50秒(Th12)を設定することを意味する。変動表示ゲーム処理において、継承図柄変動表示ゲーム処理、第1図柄変動表示ゲーム処理又は第2図柄変動表示ゲーム処理のいずれかが実行されているときは、監視タイマに、それぞれ記号「Th2」〜「Th4」で示される時間値(いずれも5.80秒)を初期値として設定する。
図8(E)は、変動表示ゲーム処理が当たり終了監視中の状態(No=5)に切り替わる際、つまり、変動入賞装置が閉塞した際に、監視タイマに初期値として設定される時間値であって、この時間値の時間が経過してから次の図柄変動が開始する。
変動表示ゲーム処理において、起点図柄変動表示ゲーム処理が実行されているときは、起点図柄監視タイマに、記号「Tu1」で示される1.57秒を初期値として設定する。変動表示ゲーム処理において、継承図柄変動表示ゲーム処理、第1図柄変動表示ゲーム処理又は第2図柄変動表示ゲーム処理のいずれかが実行されているときは、監視タイマに、それぞれ記号「Tu2」〜「Tu4」で示される時間値(いずれも1.10秒)を初期値として設定する。
図9は、本発明の第1の実施の形態の特別遊技状態中の各装置の作動状態を示すタイミングチャートである。
起点図柄始動ゲート10を遊技球が通過すると、起点図柄表示器14Aで起点図柄が変動表示を開始する。このとき同時に起点図柄監視タイマをTz1に設定する。
Tz1に設定した起点図柄監視タイマがタイムアップすると、起点図柄の変動表示を停止する。そして、停止図柄が当たり図柄の場合、起点図柄監視タイマをTm1に設定して、当該監視タイマがタイムアップするまで、確定した起点図柄を起点図柄表示器14Aに表示する。
Tm1に設定した起点図柄監視タイマがタイムアップすると、起点図柄変動入賞装置15が作動を開始して開状態に変換される。このとき同時に起点図柄監視タイマをTh1に設定する。そして、当該監視タイマがタイムアップするまで起点図柄変動入賞装置15の開状態を維持する。開状態の起点図柄変動入賞装置15へ入賞した遊技球は、継承図柄始動口に備えられた継承図柄始動スイッチ15Aに検出される。検出された遊技球の継承図柄乱数カウンタ値は、継承図柄始動記憶領域に継承図柄始動記憶として所定数を限度に記憶される。
なお、Th1の時間値は、起点図柄が大当たり図柄か小当たり図柄かによって異なるが、いずれの時間値であっても、開状態の起点図柄変動入賞装置15へ少なくとも一つの遊技球が入賞することによって、起点図柄変動表示ゲームに続いて継承図柄変動表示ゲームが実行される。
Th1に設定した起点図柄監視タイマがタイムアップすると、起点図柄変動入賞装置15が作動を停止して閉状態に変換される。このとき同時に起点図柄監視タイマをTu1に設定する。そして、当該監視タイマがタイムアップするまで、確定した当たり図柄を起点図柄表示器14Aに表示する。
Tu1に設定した起点図柄監視タイマがタイムアップすると、継承図柄始動記憶数に基づいて継承図柄表示器16Aで継承図柄が変動表示を開始する。このとき同時に継承図柄監視タイマをTz2に設定する。また、継承図柄の変動表示の開始と同時に、起点図柄表示器14Aで起点図柄が変動表示を開始する。そして、起点図柄監視タイマをTz1に設定する。
なお、ここでは、便宜上、Tz1の時間値として最大値である40.00秒が設定された状態を示す。これによって、特別遊技が終了した後に起点図柄監視タイマをタイムアップさせることができる。ただし、Tz1の時間値が短い値に設定された場合は、第1図柄変動表示ゲーム又は第2図柄変動表示ゲームの実行中に、起点図柄変動表示ゲームの結果が確定する場合も有り得る。
また、開状態の起点図柄変動入賞装置15へ遊技球の入賞があった場合でも、起点図柄変動入賞装置15が閉状態に変換されてから所定の時間が経過した後に、継承図柄変動表示ゲームを開始することによって、以後の各変動入賞装置の開放と閉塞のタイミングが前後することなく固定される。
Tz2に設定した継承図柄監視タイマがタイムアップすると、継承図柄の変動表示を停止する。なお、継承図柄が変動表示を停止した時点で継承図柄変動表示ゲーム処理が当たり準備開始中の状態(No=3)に設定されるため、起点図柄計時停止フラグがオンに設定される(図6のステップS78)。よって、起点図柄の変動は継続したまま、継承図柄の変動表示の停止と同時に、起点図柄監視タイマの更新が中断される。つまり、図の★印が付されている時間帯は、図柄の変動表示は継続したまま、監視タイマの更新が中断される状態を示す。なお、起点図柄監視タイマは、起点図柄計時停止フラグが解除されるまで更新が中断される。
そして、継承図柄変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生すると、継承図柄監視タイマをTm2に設定して、当該監視タイマがタイムアップするまで、確定した継承図柄を継承図柄表示器16Aに表示する。
Tm2に設定した継承図柄監視タイマがタイムアップすると、継承図柄変動入賞装置17が作動を開始して開状態に変換される。継承図柄監視タイマはTh2に設定する。そして、継承図柄監視タイマがタイムアップするまで継承図柄変動入賞装置17の開状態を維持する。開状態の継承図柄変動入賞装置17へ入賞した遊技球は、第1図柄始動口に備えられた第1図柄始動スイッチ17Aに検出される。検出された遊技球の第1図柄乱数カウンタ値は、第1図柄始動記憶領域に第1図柄始動記憶として所定数を限度に記憶される。
Th2に設定した継承図柄監視タイマがタイムアップすると、継承図柄変動入賞装置17が作動を停止して閉状態に変換される。このとき同時に継承図柄監視タイマをTu2に設定する。そして、継承図柄監視タイマがタイムアップするまで、確定した当たり図柄を継承図柄表示器16Aに表示する。
Tu2に設定した継承図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄始動記憶数に基づいて第1図柄表示器18Aで第1図柄が変動表示を開始する(t1)。このとき同時に第1図柄監視タイマをTz3に設定する。なお、継承図柄変動入賞装置17が開状態に変換されている間、通常は4個以上の遊技球が継承図柄変動入賞装置17へ入賞する。よって、このとき第1図柄始動記憶領域に記憶されている第1図柄始動記憶数は上限値である「4」に等しく、第1図柄監視タイマには、通常設定されるTz32より時間値の小さいTz31(2.00秒)が設定される。このように、第1図柄始動記憶数が上限値の場合、第1図柄監視タイマに設定する時間を短縮することによって、第1図柄変動表示ゲームの結果が出るまで発生する第1図柄変動入賞装置19と第2図柄変動入賞装置21とが同時に不利状態となる無駄な時間帯を短縮できる。
また、第1図柄の変動表示の開始と同時に、継承図柄変動表示ゲーム処理が変動待ち状態(No=0)に設定され、第1図柄変動表示ゲーム処理が変動中の状態(No=1)に設定されるため、起点図柄計時停止フラグは解除され(図6のステップS76)、起点図柄監視タイマの更新が再開される。
このように、開状態の継承図柄変動入賞装置17へ遊技球の入賞があった場合でも、当該入賞と同時に第1図柄変動表示ゲームを開始するのではなく、継承図柄変動入賞装置17が閉状態に変換されてから所定の時間が経過した後に、第1図柄変動表示ゲームを開始することによって、以後の各変動入賞装置の開放と閉塞のタイミングが前後することなく固定される。
Tz3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄の変動表示を停止する。なお、第1図柄が変動表示を停止した時点で第1図柄変動表示ゲーム処理が当たり準備中の状態(No=3)に設定されるため、起点図柄計時停止フラグがオンに設定される(図6のステップS78)。よって、起点図柄の変動表示は継続したまま、第1図柄の変動表示の停止と同時に、起点図柄監視タイマの更新を中断する。なお、起点図柄監視タイマは、起点図柄計時停止フラグが解除されるまで更新が中断される。
そして、第1図柄変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生すると、第1図柄監視タイマをTm3に設定して、当該監視タイマがタイムアップするまで、確定した第1図柄を第1図柄表示器18Aに表示する。
ここで、Tm3に設定した第1図柄監視タイマの中間の時点、つまり、第1図柄監視タイマをTm3に設定してから0.30秒が経過した時点をt2とする。
Tm3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄変動入賞装置19が作動を開始して開状態に変換される。このとき同時に第1図柄監視タイマをTh3に設定する。そして、第1図柄監視タイマがタイムアップするまで第1図柄変動入賞装置19の開状態を維持する。開状態の第1図柄変動入賞装置19へ入賞した遊技球は、第2図柄始動口に備えられた第2図柄始動スイッチ19Aに検出される。検出された遊技球の第2図柄乱数カウンタ値は、第2図柄始動記憶領域に第2図柄始動記憶として所定数を限度に記憶される。なお、第1図柄変動入賞装置19へ最初に遊技球が入賞した時点(t3)で、第2図柄始動記憶領域に第2図柄始動記憶が記憶されるが、第1図柄変動入賞装置19が閉状態に変換されてTu3が経過するt4の時点まで、第2図柄変動表示ゲームの実行を待機する。
Th3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄変動入賞装置19が作動を停止して閉状態に変換される。このとき同時に第1図柄監視タイマをTu3に設定する。そして、第1図柄監視タイマがタイムアップするまで、確定した当たり図柄を第1図柄表示器18Aに表示する。
Tu3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第2図柄始動記憶数に基づいて第2図柄表示器20Aで第2図柄が変動表示を開始する(t4)。このとき同時に第2図柄監視タイマをTz4に設定する。また、第2図柄の変動表示の開始と同時に、第1図柄変動表示ゲーム処理が変動中の状態(No=1)に設定されるため、起点図柄計時停止フラグは解除され(図6のステップS76)、起点図柄監視タイマの更新が再開される。また、第2図柄の変動表示の開始と同時に、第1図柄が変動表示を開始して、第1図柄監視タイマをTz3に設定する。なお、第1図柄変動表示ゲームの実行によって、第1図柄始動記憶数は3以下となっている。よって、第1図柄乱数カウンタ値が当たり値の場合、第1図柄監視タイマに、時間値が短縮されていないTz32(5.80秒)が設定される。
このように、開状態の第1図柄変動入賞装置19へ遊技球の入賞があった場合でも、当該入賞と同時に第2図柄変動表示ゲームを開始するのではなく、第1図柄変動入賞装置19が閉状態に変換されてから所定の時間が経過した後に、つまり、第1図柄変動入賞装置19が不利状態に変換された後に、第2図柄変動表示ゲームを開始することによって、以後の各変動入賞装置の開放と閉塞のタイミングが前後することなく固定される。
Tz4に設定した第2図柄監視タイマがタイムアップすると、第2図柄の変動表示を停止する。なお、第2図柄が変動表示を停止した時点で第2図柄変動表示ゲーム処理が当たり準備開始中の状態(No=3)に設定されるため、起点図柄計時停止フラグ及び第1図柄計時停止フラグがオンに設定される(図6のステップS78)。よって、起点図柄及び第1図柄の変動表示は継続したまま、第2図柄の変動表示の停止と同時に、起点図柄監視タイマ及び第1図柄監視タイマの更新を中断する。なお、起点図柄監視タイマ及び第1図柄監視タイマは、起点図柄計時停止フラグ又は第1図柄監視タイマが解除されるまで更新が中断される。そして、第2図柄変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生すると、第2図柄監視タイマをTm4に設定して、当該監視タイマがタイムアップするまで、確定した第2図柄を第2図柄表示器20Aに表示する。
Tm4に設定した第2図柄監視タイマがタイムアップすると、第2図柄変動入賞装置21が作動を開始して開状態に変換される。このとき同時に第2図柄監視タイマをTh4に設定する。そして、第2図柄監視タイマがタイムアップするまで第2図柄変動入賞装置21の開状態を維持する。開状態の第2図柄変動入賞装置21へ入賞した遊技球は、最下段入賞検出スイッチ21Aに検出される。
Th4に設定した第2図柄監視タイマがタイムアップすると、第2図柄変動入賞装置21が作動を停止して閉状態に変換される。このとき同時に第2図柄監視タイマをTu4に設定する。このように、第2図柄変動入賞装置21が開状態に変換されている間、第1図柄監視タイマの更新を中断することによって、第1図柄監視タイマの更新を、必要に応じて適宜中断する制御を行うだけで、第1図柄変動入賞装置19と第2図柄変動入賞装置21とを相互に作動させることができるので、制御に必要な構成を簡素化することができる。また、第1図柄変動入賞装置19と第2図柄変動入賞装置21とが同時に有利状態となるのを防止、つまり、第1図柄変動入賞装置19又は第2図柄変動入賞装置21のいずれか一方のみが有利状態となる時間帯を多く発生させることができるので、遊技領域3に発射された遊技球が効率よく変動入賞装置に受け入れられる。よって、第1図柄変動入賞装置19と第2図柄変動入賞装置21との連係動作により、変動入賞装置へ入賞する遊技球の数が算出しやすく、遊技機の開発性を高めることができる。
そして、第2図柄監視タイマがタイムアップするまで、確定した当たり図柄を第2図柄表示器20Aに表示する。
この第2図柄変動表示器20Aが作動を開始した時点(t4)から、Tu4に設定した第2図柄監視タイマがタイムアップする時点(t5)までの処理を、第2図柄始動記憶領域に記憶されている第2図柄始動記憶数分(図9(B)では4回)だけ繰り返して実行する。そして、最後に実行された第2図柄変動表示ゲームの結果が当たりの場合、当該当たり状態の発生によって作動した第2図柄変動入賞装置21が停止した後に、Tu4に設定した第2図柄監視タイマがタイムアップする(t7)。さらに、この第2図柄監視タイマがタイムアップしたt7の時点で、第2図柄始動記憶が「0」であることが確認され(図6のステップS67)、新たな第2図柄変動表示ゲームは実行されないと判定されるため、第2図柄変動表示ゲーム処理が変動待ち状態(No=0)に設定される。よって、起点図柄計時停止フラグ及び第1図柄計時停止フラグは解除され(図6のステップS76)、起点図柄監視タイマ及び第1図柄監視タイマの更新が再開される。
なお、最後に実行された第2図柄変動表示ゲームの結果が外れの場合、当該第2図柄変動表示ゲームが終了した時点で第2図柄監視タイマにTn4が設定される。そして、この第2図柄監視タイマがタイムアップするt6の時点で、第2図柄始動記憶が「0」であることが確認され(図6のステップS67)、新たな第2図柄変動表示ゲームは実行されないと判定される。
そして、t7からTr3が経過すると、Tz3に設定した第1図柄監視タイマはタイムアップする(t8)。そして、第1図柄は変動表示を停止する。ここで、Tr3は、第1図柄変動入賞装置19が閉状態に変換された後に第2図柄変動表示ゲームが実行された回数(図9(B)では4回)をTz4に乗じた値を、Tz32から減じた値である。なお、第1図柄が変動表示を停止した時点で第1図柄変動表示ゲーム処理が当たり開始準備中の状態(No=3)に設定されるため、起点図柄計時停止フラグがオンに設定される(図6のステップS78)。よって、起点図柄の変動表示は継続したまま、第1図柄の変動表示の停止と同時に、起点図柄監視タイマの更新が中断される。なお、起点図柄監視タイマは、起点図柄計時停止フラグが解除されるまで更新が中断される。
このように、第1図柄変動入賞装置19が開状態から閉状態へ変換された後に、第2図柄変動表示ゲームを開始して第2図柄変動入賞装置21を開状態に変換し、第1図柄変動入賞装置19が次に開状態に変換される前に、始動記憶に基づいて可能な限りの回数で第2図柄変動表示ゲームを実行して第2図柄変動入賞装置21を開状態に変換することによって、第1図柄変動入賞装置19と第2図柄変動入賞装置21とが有利状態となるのを防止し、また、第1図柄変動入賞装置19と第2図柄変動入賞装置21とが同時に不利状態となる時間帯を極力短縮することができる。つまり、第1図柄変動入賞装置19又は第2図柄変動入賞装置21のいずれか一方のみが有利状態となる時間帯を多く発生させることができるので、遊技領域3に発射された遊技球が効率よく変動入賞装置に受け入れられる。よって、第1図柄変動入賞装置19と第2図柄変動入賞装置21との連係動作により、変動入賞装置へ入賞する遊技球の数が算出しやすく、遊技機の開発性を高めることができる。また、第2図柄監視タイマと並行して第1監視タイマをTz3に設定することによって、新たな第2図柄変動表示ゲームが実行されないと判定された時点(t6又はt7)から所定の時間(Tr3)を確保することができ、以後の各変動入賞装置の開放と閉塞のタイミングが前後することなく固定される。
Tz3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップして、第1変動表示ゲームの結果として当たり状態が発生すると、第1図柄監視タイマをTm3に設定する。そして、当該監視タイマがタイムアップするまで、確定した第1図柄を第1図柄表示器18Aに表示する。
ここで、Tm3に設定した第1図柄監視タイマの中間の時点、つまり、第1図柄監視タイマをTm3に設定してから0.30秒が経過した時点をt9とする。そして、t2からt9までの間に実行される処理を、第1図柄始動記憶領域に記憶されている第1図柄始動記憶数から1を減じた回数分だけ繰り返して実行する。
そして、最後に実行された第1図柄変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生すると、第1図柄監視タイマをTm3に設定する。その後、t9を経て、Tm3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄変動入賞装置19が作動を開始して開状態に変換される。このとき同時に第1図柄監視タイマをTh3に設定する。そして、第1図柄監視タイマがタイムアップするまで第1図柄変動入賞装置19の開状態を維持する。開状態の第1図柄変動入賞装置19へ入賞した遊技球は、第2図柄始動口に備えられた第2図柄始動スイッチ19Aに検出される。検出された遊技球の第2図柄乱数カウンタ値は、第2図柄始動記憶領域に第2図柄始動記憶として所定数を限度に記憶される。
Th3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄変動入賞装置19が作動を停止して閉状態に変換される。このとき同時に第1図柄監視タイマをTu3に設定する。そして、第1図柄監視タイマがタイムアップするまで、確定した当たり図柄を第1図柄表示器18Aに表示する。
Tu3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第2図柄始動記憶数に基づいて第2図柄表示器20Aで第2図柄が変動表示を開始する。このとき同時に第2図柄監視タイマをTz4に設定する。このとき、第2図柄の変動表示の開始と同時に、第1図柄変動表示ゲーム処理が変動待ち状態(No=0)に設定されるため、起点図柄計時停止フラグは解除され(図6のステップS76)、起点図柄監視タイマの更新が再開される。
この、第2図柄が変動表示を開始する時点をt10とすると、次に第2図柄が変動表示を開始する時点(t11)までの間に、t4からt5までの処理と同一の処理が実行される。このt10からt11までの処理は、第2図柄始動記憶領域に記憶されている第2図柄始動記憶数分(図9(C)では4回)だけ繰り返して実行される。そして、最後に実行された第2図柄変動表示ゲームの結果が当たりの場合、当該当たり状態の発生によって作動した第2図柄変動入賞装置21が停止した後に、Tu4に設定した第2図柄監視タイマがタイムアップする(t12)。さらに、この第2図柄監視タイマがタイムアップしたt12の時点で、第2図柄始動記憶が「0」であることが確認され(図6のステップS67)、新たな第2図柄変動表示ゲームは実行されないと判定されるため、第2図柄変動表示ゲーム処理が変動待ち状態(No=0)に設定される。よって、起点図柄計時停止フラグは解除され(図6のステップS76)、起点図柄監視タイマの更新が再開される。
なお、最後に実行された第2図柄変動表示ゲームの結果が外れの場合、当該第2図柄変動表示ゲームが終了した時点で第2図柄監視タイマにTn4が設定される。そして、この第2図柄監視タイマがタイムアップする時点で、第2図柄始動記憶が「0」であることが確認され(図6のステップS67)、新たな第2図柄変動表示ゲームは実行されないと判定される。
そして、t12からTs1が経過すると、Tz1に設定した起点図柄監視タイマはタイムアップする。そして、起点図柄は変動表示を停止する。ここで、Ts1は、Tz2と、継承図柄変動入賞装置17が閉状態に変換された後に第1図柄変動表示ゲームが実行された回数(図9(A)、(B)では4回)をTz3に乗じた値と、最後に第1図柄変動入賞装置19が閉状態に変換された後に第2図柄変動表示ゲームが実行された回数(図9(C)では4回)をTz4に乗じた値とを加えた値を、Tz1(40.00秒)から減じた値である。
そして、起点図柄が変動表示を停止すると、停止図柄の態様に応じて、起点図柄監視タイマにTn1又はTm1が設定される。
図10は、本発明の第1の実施の形態の特別遊技状態中の各装置の作動状態の別の形態を示すタイミングチャートである。
ここでは、第1図柄変動表示ゲーム及び第2図柄変動表示ゲームの実行中に起点図柄始動ゲート10を遊技球が通過して、第1図柄変動表示ゲーム及び第2図柄変動表示ゲームと並行して起点図柄変動表示ゲーム又は継承図柄変動表示ゲームが実行される場合を説明する。
つまり、第1図柄表示器18A及び第2図柄表示器20Aで各図柄が変動表示している間に、起点図柄始動ゲート10を遊技球が通過すると、起点図柄表示器14Aで起点図柄の変動表示が開始される。そして、起点図柄が当たり図柄で停止すると、起点図柄監視タイマをTm1に設定する。このとき、起点図柄の変動表示の停止した時点で、起点図柄変動表示ゲーム処理が当たり準備中の状態(No=3)に設定されるため、第1図柄計時停止フラグ及び第2図柄計時停止フラグがオンに設定される(図6のステップS78)。よって、第1図柄及び第2図柄の変動表示は継続したまま、第1図柄監視タイマ及び第2図柄監視タイマの更新が中断される。なお、第1図柄監視タイマ及び第2図柄監視タイマは、第1図柄計時停止フラグ又は第2図柄計時停止フラグが解除されるまで更新が中断される。
Tm1に設定した起点図柄監視タイマがタイムアップすると、起点図柄変動入賞装置15が作動を開始して開状態に変換される。このとき同時に起点図柄監視タイマをTh1に設定する。そして、当該監視タイマがタイムアップするまで起点図柄変動入賞装置15の開状態を維持する。開状態の起点図柄変動入賞装置15へ入賞した遊技球は、継承図柄始動口に備えられた継承図柄始動スイッチ15Aに検出される。検出された遊技球の継承図柄乱数カウンタ値は、継承図柄始動記憶領域に継承図柄始動記憶として所定数を限度に記憶される。
Th1に設定した起点図柄監視タイマがタイムアップすると、起点図柄変動入賞装置15が作動を停止して閉状態に変換される。このとき同時に起点図柄監視タイマをTu1に設定する。そして、起点図柄監視タイマがタイムアップするまで、確定した当たり図柄を起点図柄表示器14Aに表示する。
Tu1に設定した起点図柄監視タイマがタイムアップすると、継承図柄始動記憶数に基づいて継承図柄表示器16Aで継承図柄が変動表示を開始する。継承図柄の変動表示の開始と同時に、継承図柄変動表示ゲーム処理が変動中の状態(No=1)に設定されるため、第1図柄計時停止フラグ及び第2図柄計時停止フラグは解除され(図6のステップS76)、第1図柄監視タイマ及び第2図柄監視タイマの更新が再開される。また、継承図柄の変動表示の開始と同時に、起点図柄表示器14Aで起点図柄の変動表示が開始される。
次に、継承図柄が当たり図柄で停止すると、継承図柄監視タイマをTm2に設定する。このとき、継承図柄の変動表示の停止した時点で、継承図柄変動表示ゲーム処理が当たり準備中の状態(No=3)に設定されるため、第1図柄計時停止フラグ及び第2図柄計時停止フラグがオンに設定される(図6のステップS78)。よって、第1図柄及び第2図柄の変動表示は継続したまま、第1図柄監視タイマ及び第2図柄監視タイマの更新が中断される。なお、第1図柄監視タイマ及び第2図柄監視タイマは、第1図柄計時停止フラグ又は第2図柄計時停止フラグが解除されるまで更新が中断される。
Tm2に設定した継承図柄監視タイマがタイムアップすると、継承図柄変動入賞装置17が作動を開始して開状態に変換される。このとき同時に継承図柄監視タイマをTh2に設定する。そして、当該監視タイマがタイムアップするまで継承図柄変動入賞装置17の開状態を維持する。開状態の継承図柄変動入賞装置17へ入賞した遊技球は、第1図柄始動口に備えられた第1図柄始動スイッチ17Aに検出される。検出された遊技球の第1図柄乱数カウンタ値は、第1図柄始動記憶領域に第1図柄始動記憶として所定数を限度に記憶される。
Th2に設定した継承図柄監視タイマがタイムアップすると、継承図柄変動入賞装置17が作動を停止して閉状態に変換される。このとき同時に継承図柄監視タイマをTu2に設定する。そして、継承図柄監視タイマがタイムアップするまで、確定した停止図柄を継承図柄表示器16Aに表示する。
Tu2に設定した継承図柄監視タイマがタイムアップすると、当該タイムアップの時点で、継承図柄変動表示ゲーム処理が変動待ちの状態(No=0)に設定されるため、第1図柄計時停止フラグ及び第2図柄計時停止フラグは解除され(図6のステップS76)、第1図柄監視タイマ及び第2図柄監視タイマの更新が再開される。
このように、第1図柄変動表示ゲームと第2図柄変動表示ゲームとが連動して実行している間に、起点図柄変動表示ゲーム又は継承図柄変動表示ゲームで当たり状態が発生すると、第1図柄監視タイマ及び第2図柄監視タイマの更新を中断する。これによって、第1図柄変動表示ゲームと第2図柄変動表示ゲームとの実行中であっても、起点図柄変動入賞装置15又は継承図柄変動入賞装置17を割り込ませて作動させることができ、起点図柄変動入賞装置15又は継承図柄変動入賞装置17へ遊技球が入賞すると、第1図柄変動入賞装置19又は第2図柄変動入賞装置21が作動する機会が増加するため、遊技の興趣を高めることができる。
なお、図10では、第1図柄表示器18A及び第2図柄表示器20Aの双方で図柄が変動表示している状態を示したが、第1図柄表示器18Aのみで第1図柄が変動表示をしている場合、又は、第2図柄表示器20Aのみで第2図柄が変動表示している場合であっても、当該変動表示中に起点図柄変動表示ゲーム又は継承図柄変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生したときは、各変動入賞装置が開放されている間、第1図柄監視タイマ又は第2図柄監視タイマの更新を中断する。
図11は、本発明の第1の実施の形態の外れ状態中の各装置の作動状態を示すタイミングチャートである。
図11では、起点図柄変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生して、下位の変動表示ゲーム(図11では第1図柄変動表示ゲーム)で外れ状態が発生した場合を示す。ただし、下位の変動表示ゲームのうち、継承図柄変動表示ゲームで外れ状態が発生する確率は数%以下であるため、ここでは起点図柄変動表示ゲーム及び継承図柄変動表示ゲームで当たり状態が発生したものとして、起点図柄変動表示ゲーム及び継承図柄変動表示ゲームに関する各装置の作動状態の図示を省略する。
第1変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生すると、第1図柄変動入賞装置19が作動を開始して開状態に変換される。このとき同時に第1図柄監視タイマをTh3に設定する。
Th3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄変動入賞装置19が作動を停止して閉状態に変換される。このとき同時に第1図柄監視タイマをTu3に設定する。そして、第1図柄監視タイマがタイムアップするまで、確定した当たり図柄を第1図柄表示器18Aに表示する。
Tu3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第2図柄始動記憶数に基づいて第2図柄表示器20Aで第2図柄が変動表示を開始する。このとき同時に第2図柄監視タイマをTz4に設定する。また、第2図柄の変動表示の開始と同時に、第1図柄が変動表示を開始して、第1図柄監視タイマをTz3に設定する。
この場合の第1図柄監視タイマに設定される時間値(Tz31〜Tz33)は、第1図柄乱数カウンタ値に基づいて決定される。そして、第1図柄乱数カウンタ値が外れ値の場合は、Tz33(2.00秒)が設定される。
Tz4に設定した第2図柄監視タイマがタイムアップすると、第2図柄の変動表示を停止する。なお、第2図柄が変動表示を停止した時点で、第2図柄変動表示ゲーム処理が当たり準備開始中の状態(No=3)に設定されるため、第1図柄計時停止フラグがオンに設定される(図6のステップS78)。よって、第1図柄の変動表示は継続したまま、第2図柄の変動表示の停止と同時に、第1図柄監視タイマの更新が中断される。そして、第2図柄が当たり図柄で確定表示されるTm4の間(第2処理変動表示ゲーム処理が当たり開始準備中の状態(No=3)の間)と、第2図柄変動入賞装置21が開放されているTh4の間(第2処理変動表示ゲーム処理が当たり動作中の状態(No=4)の間)、第2図柄変動入賞装置21が閉塞した後に第2図柄が当たり図柄で確定表示されるTu4の間(第2処理変動表示ゲームが当たり終了監視中の状態(No=5)の間)は、第1図柄計時停止フラグはオンに設定され、第1図柄監視タイマは更新が中断される。
そして、第2図柄表示器20Aで第2図柄が変動表示を開始すると同時に、第2図柄変動表示ゲーム処理が当たり開始準備中の状態(No=3)に設定されるため、第1図柄計時停止フラグは解除され(図6のステップS76)、第1図柄監視タイマの更新が再開される。ただし、第1図柄監視タイマに設定された時間値は2.00秒(Tz33)であるため、Tz33からTz4(1.38秒)を減じた時間、つまり、更新を再開してから0.62秒後に第1図柄監視タイマはタイムアップする。
そこで、本実施の形態では、第1図柄乱数カウンタ値が外れ値の場合、Tz33(2.00秒)に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップした後に、第1図柄監視タイマをTu3に設定する。そして、Tu3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップした後に、さらに第1図柄監視タイマをTz32(5.80秒)に設定する。これによって、第2始動記憶領域に記憶されている第2図柄始動記憶数分(図11では4回)の第2図柄変動表示ゲームが全て実行される前に、第1図柄監視タイマがタイムアップすることを防止でき、また、以後の各変動入賞装置の開放と閉塞のタイミングがずれることを防止できる。
そして、第2図柄変動表示ゲームが、第2図柄始動記憶数分だけ実行され、最後の第2変動入賞装置21の作動が停止すると、第2図柄監視タイマをTu4に設定する。Tu4に設定した第2図柄監視タイマがタイムアップした時点で、第2図柄変動表示ゲーム処理が変動待ち(No=0)に設定されるため、第1図柄計時停止フラグは解除される(図6のステップS76)。そして、第1図柄監視タイマの更新が再開される。
そして、当該再開の時点からTv3が経過すると、Tz3に設定した第1図柄監視タイマはタイムアップする。そして、第1図柄は変動表示を停止する。ここで、Tv3は、第1図柄変動入賞装置19が閉状態に変換された後に第2図柄変動表示ゲームが実行された回数(図11では4回)をTz4に乗じた値を、Tz33とTz32とを加えた値から減じた値とする。
このように、第1図柄乱数カウンタ値が外れ値の場合、第1図柄監視タイマに設定する時間値を短縮することによって、第1図柄変動表示ゲームの結果が外れとなることにより発生する第1図柄変動入賞装置19と第2図柄変動入賞装置21とが同時に不利状態となる無駄な時間帯を短縮できる。また、第2図柄監視タイマと並行して設定する第1監視タイマを、複数の時間値の設定を繰り返すことで第2図柄監視タイマより後にタイムアップするように設定することによって、最後に実行された第2図柄変動表示ゲームが終了した後に所定の時間(Tv3)を確保することができ、以後の各変動入賞装置の開放と閉塞のタイミングが前後することなく固定される。
そして、Tz3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生した場合、第1図柄監視タイマをTm3に設定する。そして、当該監視タイマがタイムアップするまで、確定した第1図柄を第1図柄表示器18Aに表示する。
Tm3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄変動入賞装置19が作動を開始して開状態に変換される。このとき同時に第1図柄監視タイマをTh3に設定する。そして、第1図柄監視タイマがタイムアップするまで第1図柄変動入賞装置19の開状態を維持する。
Th3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄変動入賞装置19が作動を停止して閉状態に変換される。
図12は、本発明の第1の実施の形態の外れ状態中の各装置の作動状態の別の形態を示すタイミングチャートである。ここでは、図11と同様の理由で、起点図柄変動表示ゲーム及び継承図柄変動表示ゲームに関する各装置の作動状態の図示を省略する。
第1変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生すると、第1図柄変動入賞装置19が作動を開始して開状態に変換される。このとき同時に第1図柄監視タイマをTh3に設定する。
Th3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄変動入賞装置19が作動を停止して閉状態に変換される。このとき同時に第1図柄監視タイマをTu3に設定する。そして、第1図柄監視タイマがタイムアップするまで、確定した当たり図柄を第1図柄表示器18Aに表示する。
Tu3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第2図柄始動記憶数に基づいて第2図柄表示器20Aで第2図柄が変動表示を開始する。このとき同時に第2図柄監視タイマをTz4に設定する。また、第2図柄の変動表示の開始と同時に、第1図柄が変動表示を開始して、第1図柄監視タイマをTz3に設定する。
この場合の第1図柄監視タイマに設定される時間値(Tz31〜Tz33)は、第1図柄乱数カウンタ値に基づいて決定される。そして、第1図柄乱数カウンタ値が外れ値の場合はTz33設定される。このTz33の値として、図11に示す形態では2.00秒に設定した。これに対して図12では、Tz33を6.24秒(Tz4の4倍)以上の値に設定する。これによって、最後に実行される第2図柄変動表示ゲームが終了して、Tu4に設定した第2図柄監視タイマがタイムアップした後であっても、第1図柄監視タイマが余剰の稼動時間(Tw3)を有し、当該稼動時間を経過してからタイムアップする。ここで、Tw3は、第1図柄変動入賞装置19が閉状態に変換された後に第2図柄変動表示ゲームが実行された回数(図12では4回)をTz4に乗じた値を、Tz33から減じた値とする。
また、図12では、Tz33の後に第1図柄監視タイマに設定する時間値として、Tx3を設ける。Tz3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄監視タイマをTu3に設定する。そして、第1図柄監視タイマがタイムアップするまで、確定した当たり図柄を第1図柄表示器18Aに表示する。その後、Tu3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄監視タイマをTx3に設定する。ここで、Tx3は、Tw3、Tu3及びTx3を合計した時間値が小さく(例えば、1.00秒〜2.00秒)なるような値とする。
このように、第1図柄乱数カウンタ値が外れ値だった場合、対応する第1図柄変動表示ゲームで用いられる第1図柄監視タイマには、時間値の大きいTz33を設定して、次に実行される第1図柄変動表示ゲームで用いられる第1図柄監視タイマに設定する時間値を短縮することによって、第1図柄変動表示ゲームの結果が外れとなることにより発生する第1図柄変動入賞装置19と第2図柄変動入賞装置21とが同時に不利状態となる無駄な時間帯を短縮できる。
そして、Tx3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生した場合、第1図柄監視タイマをTm3に設定する。そして、当該監視タイマがタイムアップするまで、確定した第1図柄を第1図柄表示器18Aに表示する。
Tm3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄変動入賞装置19が作動を開始して開状態に変換される。このとき同時に第1図柄監視タイマをTh3に設定する。そして、第1図柄監視タイマがタイムアップするまで第1図柄変動入賞装置19の開状態を維持する。そして、Th3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄変動入賞装置19が作動を停止して閉状態に変換される。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と異なり、継承図柄表示装置16及び継承図柄変動入賞装置17が存在しないため、継承図柄変動表示ゲームが実行されない。ここでは、前述した第1の実施の形態と異なる構成のみ説明し、第1の実施の形態と同一の構成の説明を省略する。
図13は、本発明の第2の実施の形態の遊技機の遊技盤1の正面図である。
本実施の形態では、起点図柄表示装置14、第1図柄表示装置18及び第2図柄表示装置20のみで変動表示ゲームを実行する。よって、第1の実施の形態で用いられていた継承図柄表示装置16は用いない。また、本実施の形態では、起点図柄表示装置14の左右に設けられた変動入賞装置は用いない。よって、当該変動入賞装置は常に閉塞している。一方、第1の実施の形態において継承図柄変動入賞装置17として用いた変動入賞装置を、起点図柄変動入賞装置15として用いる。
つまり、センターケース8の直下に設けられた起点図柄始動ゲート10を遊技球が通過すると、起点図柄始動ゲート10の直下に設けられた起点図柄表示器14Aで起点図柄変動表示ゲームが実行される。具体的には、起点図柄表示装置14は、起点図柄表示器14A及び起点図柄記憶表示器14Bで構成され、起点図柄変動表示ゲームとして起点図柄表示器14Aで起点図柄が変動表示する。また、起点図柄始動ゲート10を通過した遊技球数は、起点図柄始動記憶領域に起点図柄始動記憶として記憶されて、当該起点図柄始動記憶数は起点図柄記憶表示器14Bに表示される。
起点図柄変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生すると、センターケース8の右側に設けられた起点図柄変動入賞装置15が、可動翼片を外方に開くことによって、所定時間だけ閉状態から開状態へ変換される。本実施の形態では、起点図柄変動入賞装置15が第1図柄始動口として機能し、起点図柄変動入賞装置15へ入賞した遊技球は、第1図柄始動口に備えられた第1図柄始動スイッチ17Aによって検出される。そして、当該遊技球の入賞は、第1図柄始動記憶領域に第1図柄始動記憶として記憶されて、第1図柄記憶表示器18Bに表示される。第1図柄表示器18Aでは、第1図柄始動記憶に基づいて第1図柄変動表示ゲームが実行(第1図柄が変動表示)される。
第1図柄変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生すると、第1図柄変動入賞装置19は、可動翼片を外方に開くことによって、所定時間だけ閉状態から開状態へ変換される。第1図柄変動入賞装置19は第2図柄始動口として機能し、第1図柄変動入賞装置19へ入賞した遊技球は、第2図柄始動口に備えられた第2図柄始動スイッチ19Aによって検出される。
第1図柄表示装置18の下方には、第2図柄変動入賞装置21を備えた第2図柄表示装置20が設けられる。第2図柄表示装置20は、第2図柄表示器20A及び第2図柄記憶表示器20Bで構成される。第2図柄始動口への入賞は、第2図柄始動記憶領域に第2図柄始動記憶として記憶されて、第2図柄記憶表示器20Bに表示される。第2図柄表示器20Aでは、第2図柄始動記憶に基づいて第2図柄変動表示ゲームが実行(第2図柄が変動表示)される。
第2図柄変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生すると、第2図柄変動入賞装置21が、可動翼片を外方に開くことによって、所定時間だけ閉状態から開状態へ変換される。第2図柄変動入賞装置21へ遊技球が入賞すると、当該遊技球の入賞は、最下段入賞検出スイッチ21Aによって検出される。
このように、継承図柄を用いずに起点図柄、第1図柄及び第2図柄のみで変動表示ゲームを実行して、特別遊技を行うことによって、特別遊技状態の時間を短縮することができ、多くの特別遊技状態を発生させるという遊技価値を遊技者に付与できる。
図14は、本発明の第2の実施の形態の特別遊技状態中の各装置の作動状態を示すタイミングチャートである。
本実施の形態では、起点図柄変動表示ゲームにおいてTz1、Tm1、Th1、Tu1、Ts1の代わりに、それぞれTz5、Tm5、Th5、Tu5、Ts5を用いる。Tz5、Tm5、Tu5、Ts5は、それぞれTz1、Tm1、Tu1、Ts1と同一の値である。ただし、本実施の形態では、起点図柄乱数カウンタ値の当たり値は、大当たり値及び小当たり値の両方を含んでおらず、大当たり値のみである。つまり、起点図柄変動表示ゲームの結果は、大当たり状態か外れ状態かの二種類であって、小当たり状態は発生しない。よって、Th5の値は、Th1とは異なり5.80秒のみとする。
まず、起点図柄始動ゲート10を遊技球が通過すると、起点図柄表示器14Aで起点図柄が変動表示を開始する。このとき同時に起点図柄監視タイマをTz5に設定する。
Tz6に設定した起点図柄監視タイマがタイムアップすると、起点図柄の変動表示を停止する。そして、停止図柄が大当たり図柄の場合、起点図柄監視タイマをTm5に設定して、当該監視タイマがタイムアップするまで、確定した起点図柄を起点図柄表示器14Aに表示する。
Tm5に設定した起点図柄監視タイマがタイムアップすると、起点図柄変動入賞装置15が作動を開始して開状態に変換される。このとき同時に起点図柄監視タイマをTh5に設定する。そして、当該監視タイマがタイムアップするまで起点図柄変動入賞装置15の開状態を維持する。
Th5に設定した起点図柄監視タイマがタイムアップすると、起点図柄変動入賞装置15が作動を停止して閉状態に変換される。このとき同時に起点図柄監視タイマをTu5に設定する。そして、当該監視タイマがタイムアップするまで、確定した大当たり図柄を起点図柄表示器14Aに表示する。
Tu5に設定した起点図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄始動記憶数に基づいて第1図柄表示器18Aで第1図柄が変動表示を開始する。このとき同時に第1図柄監視タイマをTz3に設定する。ここで、第1図柄の変動表示の開始と同時に、起点図柄表示器14Aで起点図柄が変動表示を開始する。また、起点図柄監視タイマをTz5に設定する。
なお、ここでは、便宜上、Tz5の時間値として最大値である40.00秒が設定された状態を示す。これによって、特別遊技が終了した後に起点図柄監視タイマをタイムアップさせることができる。ただし、Tz5の時間値が短い値に設定された場合は、第1図柄変動表示ゲーム又は第2図柄変動表示ゲームの実行中に、起点図柄変動表示ゲームの結果が確定する場合も有り得る。
Tz3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、Tm3の経過の後に、第1図柄表示器18Aで第1図柄変動表示ゲームが実行される。なお、図14(A)のt20以降の処理は、第1の実施の形態の図19(A)に示すt2以降の処理と同一である。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態では、前述した第2の実施の形態と異なり、起点図柄監視タイマ及び第1図柄監視タイマの更新方法が異なる。ここでは、前述した第1の実施の形態と異なる構成のみ説明し、第1の実施の形態と同一の構成はその説明を省略する。
図15は、本発明の第3の実施の形態のタイマ割込処理のフローチャートであって、遊技制御装置100で実行される。
ステップS81〜S87の各処理は、図4のタイマ割込処理におけるステップS21〜S27とそれぞれ同一の内容の処理である。
ステップS88では、変動図柄選択処理を実行する。変動図柄選択処理については、図16を用いて後述する。なお、本実施の形態では、第2の実施の形態で用いた計時停止フラグ(起点図柄計時停止フラグ、第1図柄計時停止フラグ又は第2図柄計時停止フラグ)の代わりに、変動停止フラグ(起点図柄変動停止フラグ、第1図柄変動停止フラグ又は第2図柄変動停止フラグ)を用いる。
その後、起点図柄変動表示ゲームの進行を制御する起点図柄変動表示ゲーム処理(S89)、第1図柄変動表示ゲームの進行を制御する第1図柄変動表示ゲーム処理(S90)、第2図柄変動表示ゲームの進行を制御する第2図柄変動表示ゲーム処理(S91)を実行する。各変動表示ゲーム処理については、図17を用いて後述する。
その後、外部情報編集処理(S92)を実行して、レジスタの復帰及びタイマ割込の許可を行う(S93)。なお、ステップS92、S93の各処理は、図4のタイマ割込処理におけるステップS32、S33とそれぞれ同一の内容の処理である。
その後、タイマ割込処理を終了し、メイン処理に戻る。そして、次のタイマ割り込みが発生するまで攪拌用乱数更新処理を繰り返す。
図16は、本発明の第3の実施の形態の変動図柄選択処理のフローチャートであって、遊技制御装置100で実行される。
変動図柄選択処理では、まず、全図柄(起点図柄、第1図柄及び第2図柄)の変動停止フラグをオンに設定する(S101)。
そして、第2図柄変動表示ゲーム処理で設定されている第2図柄処理番号が0か否か、つまり、第2図柄が変動待ち状態か否かを判定する(S102)。第2図柄が変動待ち状態ではない場合は、ステップS101でオンに設定した第2図柄変動停止フラグの設定を解除する(S103)。その後、タイマ割込処理へ復帰する。なおこのとき、第2図柄変動停止フラグ以外の変動停止フラグ(起点図柄変動停止フラグ及び第1図柄変動停止フラグ)はオンに設定されている。
一方、第2図柄が変動待ち状態の場合は、第2図柄始動記憶数(保留数)が0か否かを判定する(S104)。第2図柄始動記憶数が0ではない場合は、ステップS101でオンに設定した第2図柄変動停止フラグの設定を解除する(S103)。その後、メイン割込処理へ復帰して、第2図柄変動表示ゲーム処理(S91)で第2図柄変動表示ゲームを実行する。
第2図柄始動記憶数が0の場合は、第1図柄変動表示ゲーム処理で設定されている第1図柄処理番号が0か否か、つまり、第1図柄が変動待ち状態か否かを判定する(S105)。第1図柄が変動待ち状態ではない場合は、ステップS101でオンに設定した第1図柄変動停止フラグの設定を解除する(S106)。その後、タイマ割込処理へ復帰する。なおこのとき、第1図柄変動停止フラグ以外の変動停止フラグ(起点図柄変動停止フラグ及び第2図柄変動停止フラグ)はオンに設定されている。
一方、第1図柄が変動待ち状態の場合は、第1図柄始動記憶数(保留数)が0か否かを判定する(S107)。第1図柄始動記憶数が0ではない場合、ステップS101でオンに設定した第1図柄変動停止フラグの設定を解除する(S106)。その後、メイン割込処理へ復帰して、第1図柄変動表示ゲーム処理(S90)で第1図柄変動表示ゲームを実行する。
第1図柄始動記憶数が0の場合は、起点図柄変動表示ゲーム処理で設定されている起点図柄処理番号が0か否か、つまり、起点図柄が変動待ち状態か否かを判定する(S108)。起点図柄が変動待ち状態ではない場合は、ステップS101でオンに設定した起点図柄変動停止フラグの設定を解除する(S109)。その後、タイマ割込処理へ復帰する。なおこのとき、起点図柄変動停止フラグ以外の変動停止フラグ(第1図柄変動停止フラグ及び第2図柄変動停止フラグ)はオンに設定されている。
一方、起点図柄が変動待ち状態の場合は、起点図柄始動記憶数(保留数)が0か否かを判定する(S110)。起点図柄始動記憶数が0ではない場合、ステップS101でオンに設定した起点図柄変動停止フラグの設定を解除する(S109)。その後、メイン割込処理へ復帰して、起点図柄変動表示ゲーム処理(S89)で起点図柄変動表示ゲームを実行する。
起点図柄始動記憶数が0の場合は、メイン割込処理へ復帰する。この場合、いずれの変動表示ゲーム処理においても変動表示ゲームは実行されない。
以上のように、各変動表示ゲーム処理において変動停止フラグは、図柄が変動待ち状態であって、かつ、始動記憶数が0の間、オンに設定される。また、変動停止フラグは、下位の変動表示ゲーム処理において、始動記憶領域に1以上の始動記憶が記憶されている場合も、オンに設定される。つまり、下位の変動表示ゲーム処理において、始動記憶が1以上記憶されている間は、変動停止フラグは解除されない。
図17は、本発明の第3の実施の形態の変動表示ゲーム処理のフローチャートであって、遊技制御装置100で実行される。
タイマ割込処理で実行される各変動表示ゲーム処理(ステップS89の起点図柄変動表示ゲーム処理、ステップS90の第1図柄変動表示ゲーム処理、又は、ステップS91の第2図柄変動表示ゲーム処理)は、いずれも処理の流れは同じであるが、各処理で用いる変数の内容、及び、各処理の監視タイマ(Tim)に設定する時間値が異なる。よって、以下に起点図柄変動表示ゲーム処理の流れを説明する。その他の各変動表示ゲーム処理で用いる変数の内容は図7で前述した内容と同一である。また、各変動表示ゲーム処理で用いる監視タイマの時間値は後述する。
起点図柄変動表示ゲーム処理では、まず、各変数に起点図柄変動表示ゲーム処理で用いる内容を割り当てる(S111)。変数「No」、「Tim」、「Ct」、「Zu」、「He」及び「Rn」に割り当てる内容は、図6の変動表示ゲーム処理で説明した内容と同一である。ただし、本実施の形態では、変数「Sf」には、計時停止フラグ(起点図柄計時停止フラグ、第1図柄計時停止フラグ又は第2図柄計時停止フラグ)の代わりに、変動停止フラグ(起点図柄変動停止フラグ、第1図柄変動停止フラグ又は第2図柄変動停止フラグ)を割り当てる。変動停止フラグがオンに設定されると、図柄の変動表示及び図柄監視タイマの更新が禁止される。
次に、Timが0秒より大きいか否か、つまり、起点図柄監視タイマがタイムアップしていないか否かを判定する(S112)。起点図柄監視タイマがタイムアップしている場合(Tim≦0秒の場合)は、ステップS114へ移行する。一方、起点図柄監視タイマがタイムアップしていない場合(Tim>0秒の場合)は、起点図柄監視タイマを減算更新する(S113)。つまり、起点図柄監視タイマは、タイムアップするまで、起点図柄変動停止フラグがオンかオフかにかかわらず更新される。
次に、Timが0秒以下か否か、つまり、起点図柄監視タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S114)。起点図柄監視タイマがタイムアップしていない場合(Tim>0秒の場合)は、タイマ割込処理へ復帰する。一方、起点図柄監視タイマがタイムアップしている場合(Tim≦0秒の場合)は、記憶されているNo(起点図柄処理番号)を特定する(S115)。そして、記憶されている起点図柄処理番号に基づいて対応する処理へ分岐して各処理を実行する。
起点図柄処理番号が0(No=0)のときは、「変動待ち」の処理を実行する。このとき、起点図柄変動表示ゲームは実行されていない。よって、まず起点図柄始動記憶数が0より大きいか否かを判定する(S116)。起点図柄始動記憶数が0の場合(Ct=0の場合)は、起点図柄変動表示ゲームの開始条件が成立していないため、変動待ち状態を維持してメイン割込処理へ復帰する。
一方、起点図柄始動記憶数が0より大きい場合(Ct>0の場合)は、起点図柄変動表示ゲームの開始条件が成立しているため、Sfがオンか否か、つまり、起点図柄変動停止フラグがオンに設定されているか否かを判定する(S117)。起点図柄変動停止フラグがオンに設定されている場合は、起点図柄変動表示ゲームを実行することなく、メイン割込処理へ復帰する。起点図柄変動停止フラグがオンに設定されていない場合は、起点図柄の変動表示が許可されているため、起点図柄変動表示ゲームを開始する(S118)。起点図柄変動表示ゲームの開始処理の具体的な内容は、図6のステップS68と同一である。そして、その後、メイン割込処理へ復帰する。
起点図柄処理番号が1〜5(No=1〜5)のときは、記憶されている起点図柄処理番号に基づいて対応する処理へ分岐して各処理を実行する。分岐後のステップS119〜S125の各処理は、図6の変動表示ゲーム処理におけるステップS69〜S75とそれぞれ同一の内容の処理である。
以上の処理を終了すると、タイマ割込処理へ復帰する。
なお、本実施の形態では、起点図柄変動表示ゲーム処理においてTz1、Tm1、Th1、Tu1の代わりに、それぞれTz6、Tm6、Th6、Tu6を用いる。Tz6、Tm6、Tu6は、それぞれTz1、Tm1、Tu1と同一の値である。ただし、本実施の形態では、起点図柄乱数カウンタ値の当たり値は、大当たり値及び小当たり値の両方を含んでおらず、大当たり値のみである。つまり、起点図柄変動表示ゲームの結果は、大当たり状態か外れ状態かの二種類であって、小当たり状態は発生しない。よって、Th6の値は、Th1とは異なり5.80秒のみとする。
また、本実施の形態では、第1図柄変動表示ゲーム処理においてTz3、Tm3、Th3、Tu3の代わりに、それぞれTz7、Tm7、Th7、Tu7を用いる。Tz7、Tm7、Th7、Tu7は、それぞれTz3、Tm3、Th3、Tu3と同一の値である。
また、本実施の形態では、第2図柄変動表示ゲーム処理においてTz4、Tm4、Th4、Tu4の代わりに、それぞれTz8、Tm8、Th8、Tu8を用いる。Tz8、Tm8、Th8、Tu8は、それぞれTz4、Tm4、Th4、Tu4と同一の値である。
図18は、本発明の第3の実施の形態の特別遊技状態中の各装置の作動状態を示すタイミングチャートである。
まず、起点図柄始動ゲート10を遊技球が通過すると、起点図柄表示器14Aで起点図柄が変動表示を開始する。このとき同時に起点図柄監視タイマをTz6に設定する。
Tz6に設定した起点図柄監視タイマがタイムアップすると、起点図柄の変動表示を停止する。そして、停止図柄が当たり図柄の場合、起点図柄監視タイマをTm6に設定して、当該監視タイマがタイムアップするまで、確定した起点図柄を起点図柄表示器14Aに表示する。
Tm6に設定した起点図柄監視タイマがタイムアップすると、起点図柄変動入賞装置15が作動を開始して開状態に変換される。このとき同時に起点図柄監視タイマをTh6に設定する。そして、当該監視タイマがタイムアップするまで起点図柄変動入賞装置15の開状態を維持する。
なお、起点図柄変動入賞装置15が開状態に変換されて、最初に遊技球が入賞した時点(図18(A)のt30)で、第1図柄変動表示ゲーム処理は変動待ち状態(No=0)を維持しているため、第1図柄変動停止フラグはオン設定を維持する。一方、第1図柄始動記憶数が0ではなくなるため、第1図柄変動停止フラグは解除され(図16のステップS106)、起点図柄変動停止フラグがオンに設定される(図16のステップS101)。
Th6に設定した起点図柄監視タイマがタイムアップすると、起点図柄変動入賞装置15が作動を停止して閉状態に変換される。このとき同時に起点図柄監視タイマをTu6に設定する。そして、当該監視タイマがタイムアップするまで、確定した当たり図柄を起点図柄表示器14Aに表示する。
Tu6に設定した起点図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄始動記憶数に基づいて第1図柄表示器18Aで第1図柄が変動表示を開始する。このとき同時に第1図柄監視タイマをTz7に設定する(t31)。
なお、起点図柄始動記憶数が1以上の場合、第1図柄が変動表示を開始した時点で、起点図柄の変動表示を開始する条件が成立するが、起点図柄変動停止フラグがオンに設定されているため、起点図柄変動停止フラグが解除されるまで起点図柄は変動表示を開始しない。また、起点図柄監視タイマは、起点図柄変動停止フラグが解除されるまで更新しないで待機する。つまり、図の★印が付されている時間帯は、監視タイマの更新を中断したまま、図柄の変動を待機している状態(始動記憶が存在するにもかかわらず、図柄の停止表示を維持している状態)を示す。
Tz7に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄の変動表示を停止する。そして、第1図柄変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生すると、第1図柄監視タイマをTm7に設定して、当該監視タイマがタイムアップするまで、確定した第1図柄を第1図柄表示器18Aに表示する。
ここで、Tm7に設定した第1図柄監視タイマの中間の時点、つまり、第1図柄監視タイマをTm7に設定してから0.30秒が経過した時点をt32とする。
Tm7に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄変動入賞装置19が作動を開始して開状態に変換される。このとき同時に第1図柄監視タイマをTh7に設定する。そして、第1図柄監視タイマがタイムアップするまで第1図柄変動入賞装置19の開状態を維持する。
なお、第1図柄変動入賞装置19が開状態に変換されて、第1変動入賞装置19へ最初に遊技球が入賞した時点(t33)で、第2図柄始動記憶数が0ではなくなるため、第2図柄変動停止フラグが解除され(図16のステップS103)、第1図柄変動停止フラグがオンに設定される(図16のステップS101)。ただし、起点図柄変動停止フラグは、オン設定を維持する。
Th7に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄変動入賞装置19が作動を停止して閉状態に変換される。このとき同時に第1図柄監視タイマをTu7に設定する。そして、第1図柄監視タイマがタイムアップするまで、確定した当たり図柄を第1図柄表示器18Aに表示する。
Tu7に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第2図柄始動記憶数に基づいて第2図柄表示器20Aで第2図柄が変動表示を開始する。このとき同時に第2図柄監視タイマをTz8に設定する。
なお、第1図柄始動記憶数が1以上の場合、第2図柄が変動表示を開始した時点(図18(B)のt34)で、第1図柄の変動表示を開始する条件が成立するが、第1図柄変動停止フラグがオンに設定されているため、第1図柄変動停止フラグが解除されるまで第1図柄は変動表示を開始しない。また、第1図柄監視タイマは、第1図柄変動停止フラグが解除されるまで更新しないで待機する。
t34から、最後に第2図柄変動入賞装置21の作動が停止してTu8が経過した時点(図18(B)のt36)までの第2図柄変動表示ゲームに関する各装置の作動状態は、図9(B)のt4からt7までの第2図柄変動表示ゲームに関する各装置の作動状態と同一であるため、説明を省略する。ただし、t34からt36までの間、起点図柄及び第1図柄はいずれも変動表示を開始せず、また、起点図柄監視タイマ及び第1図柄監視タイマはいずれも更新しないで待機する。
そして、最後に実行された第2図柄変動表示ゲームの結果が当たりの場合、当該当たり状態の発生によって作動した第2図柄変動入賞装置21が停止した後に、Tu8に設定した第2図柄監視タイマがタイムアップする(t36)。さらに、この第2図柄監視タイマがタイムアップしたt36の時点で、第2図柄始動記憶が「0」であることが確認され(図17のステップS116)、新たな第2図柄変動表示ゲームは実行されないと判定されるため、第2図柄変動表示ゲーム処理が変動待ち状態(No=0)に変換される。また、このとき第2図柄変動停止フラグがオンに設定される(図16のステップS101)。一方、第1図柄始動記憶数は減算されていないため1以上であり、第1図柄変動停止フラグが解除される(図16のステップS106)。よって、t36の時点で、第1図柄は変動表示を開始し、また、第1図柄監視タイマはTz7に設定される。ただし、起点図柄変動停止フラグは、オン設定を維持する。
なお、最後に実行された第2図柄変動表示ゲームの結果が外れの場合、当該第2図柄変動表示ゲームが終了した時点で第2図柄監視タイマにTn8が設定される。そして、この第2図柄監視タイマがタイムアップするt35の時点で、第2図柄始動記憶が「0」であることが確認され(図17のステップS116)、新たな第2図柄変動表示ゲームは実行されないと判定される。
Tz7に設定された第1監視タイマがタイムアップすると、第1図柄の変動表示を停止する(t37)。そして、第1図柄変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生すると、第1図柄監視タイマをTm7に設定して、当該監視タイマがタイムアップするまで、確定した第1図柄を第1図柄表示器18Aに表示する。つまり、本実施の形態は、第1又は第2の実施形態と同様に、新たな第2図柄変動表示ゲームが実行されないと判定された時点(t36又はt35)よりも後の時点(t37)で、第1図柄変動表示ゲームが終了するようになっている。
ここで、Tm3に設定した第1図柄監視タイマの中間の時点、つまり、第1図柄監視タイマをTm3に設定してから0.30秒が経過した時点をt38とする。そして、t32からt38までの間に実行される処理を、第1図柄始動記憶領域に記憶されている第1図柄始動記憶数から1を減じた回数分だけ繰り返して実行する。
そして、最後に実行された第1図柄変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生すると、第1図柄監視タイマをTm7に設定する。その後、t38を経て、Tm7に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄変動入賞装置19が作動を開始して開状態に変換される。このとき同時に第1図柄監視タイマをTh7に設定する。
なお、第1図柄変動入賞装置19が開状態に変換されて、第1変動入賞装置19へ最初に遊技球が入賞した時点(図18(C)のt39)で、第2図柄始動記憶数が0ではなくなるため、第2図柄変動停止フラグは解除され(図16のステップS103)、第1図柄変動停止フラグがオンに設定される(図16のステップS101)。ただし、起点図柄変動停止フラグは、オン設定を維持する。
t38から、最後に第2図柄変動入賞装置21の作動が停止してTu8が経過した時点(図18(C)のt40)までの第1図柄変動表示ゲーム及び第2図柄変動表示ゲームに関する各装置の作動状態は、図9(C)のt9からt12までの第1図柄変動表示ゲーム及び第2図柄変動表示ゲームに関する各装置の作動状態と同一であるため、説明を省略する。ただし、t38からt40までの間、起点図柄は変動表示を開始せず、また、起点図柄監視タイマは更新しないで待機する。
そして、t40の時点で、第2図柄変動表示ゲーム処理が変動待ち状態(No=0)に変換され、また、このとき第2図柄始動記憶は0であるため、第2図柄変動停止フラグがオンに設定される(図16のステップS101)。また、第1図柄変動表示ゲーム処理は変動待ち状態(No=0)を維持しているため、第1図柄変動停止フラグはオン設定を維持する(図16のステップS101)。一方、起点図柄始動記憶数は減算されていないため1以上であり、起点図柄変動停止フラグは解除される(図16のステップS109)。よって、t40の時点で、起点図柄は変動表示を開始し、また、起点図柄監視タイマはTz6に設定される。
そして、Tz6に設定した起点図柄監視タイマがタイムアップすると、起点図柄は変動表示を停止する。その後、起点図柄の停止図柄の態様に応じて、起点図柄監視タイマにTn1又はTm1が設定される。
このように、始動記憶に基づいて可能な限りの回数で実行される第2図柄変動表示ゲームが全て終了するまで、第1図柄変動表示ゲームの実行を待機して、始動記憶に基づいて可能な限りの回数で実行される第1図柄変動表示ゲーム及び第2図柄変動表示ゲームが全て終了するまで、起点図柄変動表示ゲームの実行が待機されるので、起点図柄監視タイマ又は第1図柄監視タイマに設定する時間値を容易に決定できる。
図19は、本発明の第3の実施の形態の外れ状態中の各装置の作動状態を示すタイミングチャートである。
第1変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生し、第1図柄変動入賞装置19が作動を開始して開状態に変換されると、第1図柄監視タイマをTh7に設定される。
Th7に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄変動入賞装置19が作動を停止して閉状態に変換される。このとき同時に第1図柄監視タイマをTu7に設定する。そして、第1図柄監視タイマがタイムアップするまで、確定した当たり図柄を第1図柄表示器18Aに表示する。
Tu7に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第2図柄始動記憶数に基づいて第2図柄表示器20Aで第2図柄が変動表示を開始する。このとき同時に第2図柄監視タイマをTz8に設定する。
ここで、第1図柄始動記憶数が1以上の場合、第2図柄が変動表示を開始した時点で、第1図柄の変動表示を開始する条件が成立する。しかし、第2図柄変動表示ゲーム処理が変動中の状態(No=1)に変換されるため、第2図柄変動停止フラグは解除され(図16のステップS103)、第1図柄変動停止フラグはオンに設定される(図16のステップS101)。よって、第1図柄変動停止フラグが解除されるまで第1図柄は変動表示を開始しない。また、第1図柄監視タイマは、第1図柄変動停止フラグが解除されるまで更新しないで待機する。
なお、第2図柄が変動表示を開始した時点をt41とすると、t41以降の第2図柄変動表示ゲームに関する各装置の作動状態は、図11のt13以降の第2図柄変動表示ゲームに関する各装置の作動状態と同一であるため、説明を省略する。
そして、最後に第2図柄変動入賞装置21の作動が停止してTu8が経過すると、第2図柄変動表示ゲーム処理が変動待ちの状態(No=0)に変換され、また、このとき第2図柄始動記憶数は0であるため、第2図柄変動停止フラグがオンに設定される(図16のステップS101)。一方、第1図柄始動記憶数は減算されていないため1以上であり、第1図柄変動停止フラグは解除される(図16のステップS106)。よって、Tu8に設定した第2図柄監視タイマがタイムアップした時点で、第1図柄は変動表示を開始し、また、第1図柄監視タイマはTz7に設定される。Tz7に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄の変動表示を停止する。
なお、本実施の形態では、Tz7の後に第1図柄監視タイマに設定する時間値として、Ty3を設ける。Tz3に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄監視タイマをTu7に設定する。そして、第1図柄監視タイマがタイムアップするまで、確定した当たり図柄を第1図柄表示器18Aに表示する。その後、Tu7に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄監視タイマをTy7に設定する。ここで、Ty7は、Tz7、Tu7及びTy7を合計した時間値が小さく(例えば、1.00秒〜2.00秒)なるような値とする。
このように、第1図柄乱数カウンタ値が外れ値だった場合、次に実行される第1図柄変動表示ゲームで用いられる第1図柄監視タイマに設定する時間値を短縮することによって、第1図柄変動表示ゲームの結果が外れとなることにより発生する第1図柄変動入賞装置19と第2図柄変動入賞装置21とが同時に不利状態となる無駄な時間帯を短縮できる。
そして、Ty7に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1変動表示ゲームの結果、当たり状態が発生した場合、第1図柄監視タイマをTm7に設定する。そして、当該監視タイマがタイムアップするまで、確定した第1図柄を第1図柄表示器18Aに表示する。
Tm8に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄変動入賞装置19が作動を開始して開状態に変換される。このとき同時に第1図柄監視タイマをTh7に設定する。そして、第1図柄監視タイマがタイムアップするまで第1図柄変動入賞装置19の開状態を維持する。そして、Th7に設定した第1図柄監視タイマがタイムアップすると、第1図柄変動入賞装置19が作動を停止して閉状態に変換される。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。