本発明に係る情報表示装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。図1は、本発明が適用された本実施例の遊技用システムの構成を示す図である。
本実施例の遊技用システムは、図1に示すように、遊技場において複数配置された遊技島に並設された複数の機種のスロットマシン1と、該スロットマシン1に対して1対1に対応設置された呼び出しランプ装置200と、各スロットマシン1の遊技情報を収集する収集ユニット50、該収集ユニット50にて収集された各遊技情報に基づく遊技情報データをホールコンピュータ140に中継する中継ユニット60と、各中継ユニット60にて中継された当該遊技場に設置されている各スロットマシン1の遊技情報を含む遊技情報データを受信し、該受信した遊技情報データに含まれる各スロットマシン1の遊技情報等を管理するホールコンピュータ140とを含む。
本実施例の遊技島には、図2に示すように、その側面に複数のスロットマシン1並びに該スロットマシン1において遊技を行なうための遊技媒体であるメダルを貸し出すためのメダル貸出機102とが並設されているとともに、呼び出しランプ装置200が、対応するスロットマシン1の上方位置に設けられており、本実施例に用いた該呼び出しランプ装置200は、通常のランプの点灯機能に加えて、その前面に表示部を有することで、各種の遊技情報やメッセージ等の表示機能を有している。
また、本実施例のスロットマシン1と収集ユニット50とは、図1並びに図33に示すように信号ケーブル59を介して接続されており、各収集ユニット50はさらに通信ケーブル61を介して中継ユニット60と接続されており、これら収集ユニット50と中継ユニット60とは簡易ローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされていて、収集ユニット50が各スロットマシン1から出力される後述する各種の信号の入力により収集した遊技情報含む遊技情報データや、遊技状態履歴(状態別データ)を含む遊技状態履歴データを送信するようになっている。
更に、これら各中継ユニット60はハブ57を介して通信ケーブル58にてホールコンピュータ140に接続されていて、中継ユニット60とホールコンピュータ140とが、比較的高速のデータ通信可能なローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされており、前記中継ユニット60にて各収集ユニット50から送信された送信データが中継されてホールコンピュータ140に送信されることで、該ホールコンピュータ140が各スロットマシン1に関する情報を収集して集中管理できるようになっている。
また、本実施例の呼び出しランプ装置200も、収集ユニット50と同様に中継ユニット60を介してホールコンピュータ140に接続されており、これら中継ユニット60を介して呼び出しランプ装置200とホールコンピュータ140とが、双方向のデータ通信を実施できるようになっており、各呼び出しランプ装置200が対応するスロットマシン1の機種設定や、遊技情報に関する各種の条件設定等をホールコンピュータ140において実施できるようになっている。
まず、本実施例に用いたスロットマシン1について以下に説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体2aと、この筐体2aの側端に回動自在に枢支された前面扉2bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図3に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図2に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図4に示すように、それぞれ「白7a」(たとえば、左リール2Lの領域番号16の図柄)、「白7b」(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)、「白7c」(たとえば、左リール2Lの領域番号3の図柄)、「スイカa」(たとえば、左リール2Lの領域番号15の図柄)、「スイカb」(たとえば、左リール2Lの領域番号1の図柄)、「チェリー」(たとえば、左リール2Lの領域番号2の図柄)、「ベルa」(たとえば、左リール2Lの領域番号21の図柄)、「ベルb」(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)、「リプa」(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)、「リプb」(たとえば、左リール2Lの領域番号8の図柄)といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
「白7b」、「白7c」は、ともに、「白7a」の図柄をベースとする点で共通しており、「白7b」は左上隅に縦方向に線が追加されている点、および「白7c」は底辺に横方向に線が追加されている点で異なっている。このため、「白7a」〜「白7c」は、異なる図柄であるが、これらをまとめて白7ともいう。「スイカb」は、「スイカa」の図柄をベースとする点で共通しており、上部に横方向に線が追加されている点で異なっている。このため、「スイカa」および「スイカb」は、異なる図柄であるが、これらをまとめてスイカともいう。「ベルb」は、「ベルa」の図柄をベースとする点で共通しており、上部に横方向に線が追加されている点で異なっている。このため、「ベルa」および「ベルb」は、異なる図柄であるが、これらをまとめてベルともいう。「リプb」は、「リプa」の図柄をベースとする点で共通しており、上部に横方向に線が追加されている点で異なっている。このため、「リプa」および「リプb」は、異なる図柄であるが、これらをまとめてリプともいう。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図5参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L,2C,2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始(ゲーム結果を導出するためのリール回転開始)から一定期間経過していないためにゲーム結果を導出するためのリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図5参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図5参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定条件成立時(たとえば後述するRT3終了時など、遊技者にとって有利な状態終了後)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定条件成立時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図3参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図5参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図3に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図5参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図2参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図2に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組み合わせによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組み合わせ(例えば、ベルa−ベルa−ベルa)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするものである。本実施例では、図2に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図2参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。本実施例では、図21を用いて後述するように、リプ4〜8が入賞、あるいは、特殊出目が停止すると、リプレイ確率が異なるRT0〜3のうち対応する遊技状態に移行するように構成されている。
尚、本実施例では、3つのリール2L、2C、2Rを適用した例について説明しているが、1つのみリールを備え、この1つのリールの表示結果に応じて入賞が判定されるものでもよいし、2つのリールを備え、2つのリールの表示結果の組み合わせに応じて入賞が判定されるものでもよいし、4つ以上のリールを備え、これらリールの表示結果の組み合わせに応じて入賞が判定されるものでもよい。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図5は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図5に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインと、が一系統のケーブル及びコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、後述するROM506に記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
制御用クロック生成回路42は、メイン制御部41の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路42により生成された制御用クロックCCLKは、例えば図6に示すようなメイン制御部41の制御用外部クロック端子EXCを介してクロック回路502に供給される。乱数用クロック生成回路43は、メイン制御部41の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路43により生成された乱数用クロックRCLKは、例えば図6に示すようなメイン制御部41の乱数用外部クロック端子ERCを介して乱数回路509に供給される。一例として、乱数用クロック生成回路43により生成される乱数用クロックRCLKの発振周波数は、制御用クロック生成回路42により生成される制御用クロックCCLKの発振周波数以下となるようにすればよい。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。また、リセット回路49は、ウォッチドッグタイマを内蔵し、ウォッチドッグタイマがタイムアップした場合、すなわちメイン制御部41のCPU505の動作が一定時間停止した場合においてメイン制御部41にユーザリセット信号を与える。
図6は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。図6に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインタフェース501と、クロック回路502と、固有情報記憶回路503と、リセット/割込コントローラ504と、CPU505と、ROM506と、RAM507と、CTC(カウンタ/タイマサーキット)508と、乱数回路509と、PIP(パラレルインプットポート)510と、シリアル通信回路511と、アドレスデコード回路512とを備えて構成される。
図6に示すメイン制御部41が備える外部バスインタフェース501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインタフェース機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインタフェースである。例えば、外部バスインタフェース501は、メイン制御部41に外付けされた外部メモリや外部入出力装置などに接続され、これらの外部装置との間でアドレス信号やデータ信号、各種の制御信号などを送受信するものであればよい。この実施の形態において、外部バスインタフェース501には、内部リソースアクセス制御回路501Aが含まれている。
内部リソースアクセス制御回路501Aは、外部バスインタフェース501を介した外部装置からメイン制御部41の内部データに対するアクセスを制御して、例えばROM506に記憶されたゲーム制御用プログラムや固定データといった、内部データの不適切な外部読出を制限するための回路である。ここで、外部バスインタフェース501には、例えばインサーキットエミュレータ(ICE)といった回路解析装置が、外部装置として接続されることがある。
メイン制御部41が備えるクロック回路502は、例えば制御用外部クロック端子EXCに入力される発振信号を2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。本実施例では、制御用外部クロック端子EXCに制御用クロック生成回路42が生成した制御用クロックCCLKが入力される。クロック回路502により生成された内部システムクロックSCLKは、例えばCPU505といった、メイン制御部41において遊技の進行を制御する各種回路に供給される。また、内部システムクロックSCLKは、乱数回路509にも供給され、乱数用クロック生成回路43から供給される乱数用クロックRCLKの周波数を監視するために用いられる。さらに、内部システムクロックSCLKは、クロック回路502に接続されたシステムクロック出力端子CLKOから、メイン制御部41の外部へと出力されてもよい。
メイン制御部41が備える固有情報記憶回路503は、例えばメイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。一例として、固有情報記憶回路503は、ROMコード、チップ個別ナンバー、IDナンバーといった3種類の固有情報を記憶する。ROM506コードは、ROM506の所定領域における記憶データから生成される4バイトの数値であり、生成方法の異なる4つの数値が準備されればよい。チップ個別ナンバーは、メイン制御部41の製造時に付与される4バイトの番号であり、メイン制御部41を構成するチップ毎に異なる数値を示している。IDナンバーは、メイン制御部41の製造時に付与される8バイトの番号であり、メイン制御部41を構成するチップ毎に異なる数値を示している。ここで、チップ個別ナンバーはユーザプログラムから読み取ることができる一方、IDナンバーはユーザプログラムから読み取ることができないように設定されていればよい。尚、固有情報記憶回路503は、例えばROM506の所定領域を用いることなどにより、ROM506に含まれるようにしてもよい。或いは、固有情報記憶回路503は、例えばCPU505の内蔵レジスタを用いることなどにより、CPU505に含まれるようにしてもよい。
メイン制御部41が備えるリセット/割込コントローラ504は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込要求を制御するためのものである。リセット/割込コントローラ504が制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、外部システムリセット端子XSRSTに一定の期間にわたりローレベル信号(システムリセット信号)が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、外部ユーザリセット端子XURSTに一定の期間にわたりローレベルの信号(ユーザリセット信号)が入力されたとき、または内蔵ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したことや、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生したことなど、所定の要因により発生するリセットである。尚、本実施例では前述のように内蔵ウォッチドッグタイマを使用せずにリセット回路49に搭載されたウォッチドッグタイマ(WDT)を用いているため、外部ユーザリセット端子XURSTにユーザリセット信号が入力されるか、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生することでユーザリセットが発生することとなる。
リセット/割込コントローラ504が制御する割込には、ノンマスカブル割込NMIとマスカブル割込INTが含まれている。ノンマスカブル割込NMIは、CPU505の割込禁止状態でも無条件に受け付けられる割込であり、外部ノンマスカブル割込端子XNMI(入力ポートP4と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたときに発生する割込である。マスカブル割込INTは、CPU505の設定命令により、割込要求の受け付けを許可/禁止できる割込であり、優先順位設定による多重割込の実行が可能である。マスカブル割込INTの要因としては、外部マスカブル割込端子XINT(入力ポートP3と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたこと、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、シリアル通信回路511にてデータ送信による割込要因が発生したこと、乱数回路509にて乱数値となる数値データの取り込みによる割込要因が発生したことなど、複数種類の割込要因が予め定められていればよい。
メイン制御部41が備えるCPU505は、ROM506から読み出したプログラムを実行することにより、スロットマシン1におけるゲームの進行を制御するための処理などを実行する。このときには、CPU505がROM506から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU505がRAM507に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU505がRAM507に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU505が外部バスインタフェース501やPIP510などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU505が外部バスインタフェース501やシリアル通信回路511などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行なわれる。
このように、メイン制御部41では、CPU505がROM506に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、メイン制御部41(又はCPU505)が実行する(又は処理を行なう)ということは、具体的には、CPU505がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、遊技制御基板40以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムや固定データ等が記憶されている。また、ROM506には、セキュリティチェックプログラム506Aが記憶されている。CPU505は、スロットマシン1の電源投入やシステムリセットの発生に応じてメイン制御部41がセキュリティモードに移行したときに、ROM506に記憶されたセキュリティチェックプログラム506Aを読み出し、ROM506の記憶内容が変更されたか否かを検査するセキュリティチェック処理を実行する。尚、セキュリティチェックプログラム506Aは、ROM506とは異なる内蔵メモリに記憶されてもよい。また、セキュリティチェックプログラム506Aは、例えば外部バスインタフェース501を介してメイン制御部41に外付けされた外部メモリの記憶内容を検査するセキュリティチェック処理に対応したものであってもよい。
メイン制御部41が備えるRAM507は、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM507の少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の少なくとも一部の内容が保存される。尚、本実施例では、RAM507の全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の全ての内容が保存される。
メイン制御部41が備えるCTC508は、例えば8ビットのプログラマブルタイマを3チャネル(PTC0−PTC2)内蔵して構成され、リアルタイム割込の発生や時間計測を可能とするタイマ回路を含んでいる。各プログラマブルタイマPTC0−PTC2は、内部システムクロックSCLKに基づいて生成されたカウントクロックの信号変化(例えばハイレベルからローレベルへと変化する立ち下がりタイミング)などに応じて、タイマ値が更新されるものであればよい。また、CTC508は、例えば8ビットのプログラマブルカウンタを4チャネル(PCC0−PCC3)内蔵してもよい。各プログラマブルカウンタPCC0−PCC3は、内部システムクロックSCLKの信号変化、或いは、プログラマブルカウンタPCC0−PCC3のいずれかにおけるタイムアウトの発生などに応じて、カウント値が更新されるものであればよい。CTC508は、セキュリティ時間を延長する際の延長時間(可変設定時間)をシステムリセット毎にランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタや、乱数回路509にて生成される乱数のスタート値をシステムリセット毎にランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタなどを、含んでもよい。或いは、これらのフリーランカウンタは、例えばRAM507のバックアップ領域といった、CTC508とは異なるメイン制御部41の内部回路に含まれてもよい。
メイン制御部41が備える乱数回路509は、例えば16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、遊技制御基板40の側において、後述する内部抽選用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。CPU505は、乱数回路509から抽出した数値データに基づき、乱数回路509とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを加工或いは更新することで、内部抽選用の乱数値を示す数値データをカウントするようにしてもよい。以下では、内部抽選用の乱数値を示す数値データが、ハードウェアとなる乱数回路509からCPU505により抽出された数値データをソフトウェアにより加工しないものとする。尚、乱数回路509は、メイン制御部41に内蔵されるものであってもよいし、メイン制御部41とは異なる乱数回路チップとして、メイン制御部41に外付けされるものであってもよい。
内部抽選用の乱数値は、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを判定するために用いられる値であり、本実施例では、「0」〜「65535」の範囲の値をとる。
メイン制御部41が備えるPIP510は、例えば6ビット幅の入力専用ポートであり、専用端子となる入力ポートP0〜入力ポートP2と、機能兼用端子となる入力ポートP3〜入力ポートP5とを含んでいる。入力ポートP3は、CPU505等に接続される外部マスカブル割込端子XINTと兼用される。入力ポートP4は、CPU505等に接続される外部ノンマスカブル割込端子XNMIと兼用される。入力ポートP5は、シリアル通信回路511が使用する第1チャネル受信端子RXAと兼用される。入力ポートP3〜入力ポートP5の使用設定は、プログラム管理エリアに記憶される機能設定KFCSにより指示される。
図6に示すメイン制御部41が備えるアドレスデコード回路512は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行なうための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、或いは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU505からのアクセスが可能となる。
メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラム506Aの他に、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。例えば、ROM506には、CPU505が各種の判定や決定、設定を行なうために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM506には、CPU505が遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
メイン制御部41が備えるRAM507には、スロットマシン1におけるゲームの進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリア590が設けられている。RAM507としては、例えばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。CPU505には、このリフレッシュ動作を行なうためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。例えば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはCPU505がROM506から命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、CPU505における1命令の実行時間ごとに行なわれることになる。
メイン制御部41は、シリアル通信回路511を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図2参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行なわれる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行なう出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行なう構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行なわれることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行なうこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM507から読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM507に格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM507から読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行ない、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM507のスタックに退避し、RAM507にいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM507に格納する処理を行なうようになっている。尚、RAMパリティとはRAM507の該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかに関わらず、その起動時においてRAM507の全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM507に記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
尚、本実施例では、RAM507に格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAM507のデータが正常であると判定した場合に、RAM507の格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM507に格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
次に、メイン制御部41のRAM507の初期化について説明する。メイン制御部41のRAM507の格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、初期化すると不都合があるデータに加え、遊技状態がRT0〜3のうちいずれに制御されているかを特定するためのRTフラグが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM507のデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、所定遊技状態(たとえば後述するRT3など、遊技者にとって有利な状態)中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグ等、所定遊技状態終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM507の格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、所定遊技状態終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM507のデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行なう。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行なう初期化、またはRAM異常エラー発生時に行なう初期化であり、初期化1では、RAM507の格納領域のうち、重要ワーク及び使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)、すなわち非保存ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化1が実行された後は、遊技状態として後述するRT0に制御される。初期化2は、所定遊技状態終了時に行なう初期化であり、初期化2では、RAM507の格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域、すなわち一般ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM507のデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、RAM507の格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1を設定変更状態の移行前に行なっているが、設定変更状態の終了時に行なったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行なうようにしてもよい。
このように本実施例では、電源投入時などにRAM異常エラーが発生した場合には、初期化1が実行され、それ以前の制御状態が初期化されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。
これら外部出力信号は、図7に示すように、メイン制御部41の制御により遊技制御基板40より出力され、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板1010を介してホールコンピュータやスロットマシン1に対応して設置されたデータ表示端末などの外部機器に出力されるようになっている。
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、入賞役のうち、後述するように入賞ラインLNまたはいずれかの無効ラインLMに「白7−白7−白7」の組み合わせが停止することにより入賞発生となるリプ6〜8(以下、まとめて7リプともいう)入賞を示す7リプ表示信号、遊技状態が遊技者にとって有利なRT3中である旨を示すRT3中信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、設定確認モードに移行している旨を示す設定確認信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。
尚、本実施例では、他のスロットマシンとの共通化を図るため、遊技制御基板40と外部出力基板1000との間には、上記の信号を出力する信号線に加えて、遊技状態を示す予備の信号線が接続されており、さらに将来拡張する可能性のあるエラー出力用の信号線が接続されている。
また、本実施例では、7リプ表示信号およびRT3中信号に関し、それぞれ、2本の信号線により、遊技制御基板40から外部出力基板1000に出力され、外部出力基板1000から情報提供端子板1010に出力され、情報提供端子板1010から出力されるように構成されている。これにより、他のスロットマシンとの共通化を図ることができる。より具体的には、いわゆるビッグボーナスに制御可能なスロットマシンにおいてはビッグボーナス中である旨を示すBB中信号を出力する必要があると考えられるが、本実施例におけるスロットマシン1の場合には、たとえば、RT3中信号を出力する複数の信号線のうち一の信号線をBB中信号を出力するための信号線に割り当てることにより、BB中信号を出力可能となる。また、一の信号線から7リプ表示信号が出力されているが、他の信号線から7リプ表示信号が出力されていないなどの異常状態を、外部機器において判定することが可能となる。
外部出力基板1000には、リレー回路1001、パラレル・シリアル変換回路1002、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板1010の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタ1003が設けられている。
遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RT3中信号、7リプ表示信号は、リレー回路1001を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板1010に出力される。
これに対してドア開放信号、設定変更信号、設定確認信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路1002にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して情報提供端子板1010に出力される。
これら外部出力基板1000から出力されたメダルIN信号、メダルOUT信号、RT3中信号、7リプ表示信号は、情報提供端子板1010を介して外部機器へ出力される。一方、外部出力基板1000から出力されたセキュリティ信号は、情報提供端子板1010にて再度、ドア開放信号、設定変更信号、設定確認信号、投入エラー信号、払出エラー信号に再変換されて外部機器へ出力されることとなる。
外部出力信号は、ドア開放信号、設定変更信号、設定確認信号、投入エラー信号、払出エラー信号を含むが、これらドア開放信号、設定変更信号、設定確認信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、頻繁に出力される信号ではないため、これらの信号に対して個々に外部出力用の端子を設ける必要性は低い。
このため本実施例では、上述のように遊技制御基板40から出力された外部出力信号を、外部出力基板1000を介して、外部機器に出力するとともに、これら外部出力信号のうちドア開放信号、設定変更信号、設定確認信号、投入エラー信号、払出エラー信号を、外部出力基板1000に搭載されたパラレル・シリアル変換回路1002によって、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して外部に出力するようになっており、これらドア開放信号、設定変更信号、設定確認信号、投入エラー信号、払出エラー信号を1本の端子から出力することが可能となり、必要以上に多くの端子を設ける必要がなくなる。
次に、本実施例におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容、特に外部出力制御に関連する制御内容を中心に、図8〜図10に基づいて以下に説明する。
メイン制御部41は、リセット回路49からシステムリセット信号が入力されると、図8のフローチャートに示す起動処理(メイン)を行なう。また、ユーザリセット信号が入力された場合には、起動処理(メイン)のSa2のステップから処理を開始する。すなわち電源投入に伴う起動の場合のみセキュリティチェック処理を行なうセキュリティモードから開始する一方、ウォッチドッグタイマのタイムアップによる起動の場合には、セキュリティチェック処理を省略してROM506に記憶されたユーザプログラムを実行するユーザモードから開始されることになる。
システムリセット信号の入力に伴う起動処理(メイン)では、まず、CPU505がROM506から読み出したセキュリティチェックプログラム506Aに基づき、セキュリティチェック処理を実行する(Sa1)。このとき、メイン制御部41は、セキュリティモードとなり、ROM506に記憶されているゲーム制御用のユーザプログラムは未だ実行されない状態となる。
Sa1のステップにおけるセキュリティチェック処理の終了後、メイン制御部41の動作状態がセキュリティモードからユーザモードへと移行し、ROM506に記憶されたユーザプログラムの実行が開始されることになる。尚、前述のようにユーザリセット信号の入力に伴う起動時には、セキュリティモードを経ずにユーザモードから開始することとなる。
ユーザモードではまず、シリアル通信回路511等の内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ、スイッチ類の検出状態、外部出力信号の出力状態等を初期化した後(Sa2)、Iレジスタ及びIYレジスタの値を初期化する(Sa3)。Iレジスタ及びIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM507の格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、RAM507へのアクセスを許可し(Sa4)、RAM507の全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算する(Sa5)。次いで、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29の状態を取得し、メイン制御部41の特定のレジスタに打止機能、自動精算機能の有効/無効を設定した後(Sa6)、停電が検知された旨を示す電断フラグをクリアする(Sa7)。
次いで、Sa5のステップにおいて計算したRAMパリティが0か否かを判定する(Sa8)。正常に電断割込処理(メイン)が行なわれていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa8のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM507に格納されているデータが正常ではなく、この場合には、RAM507の格納領域のうち、使用中スタック領域、非初期化領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(Sa22)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa23)、設定キースイッチ37がonであれば、割込を許可して(Sa21)、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。
Sa23のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa24)、割込を許可して(Sa25)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。
Sa8のステップにおいて、RAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa9)。正常に電断処理(メイン)が行なわれていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、RAM507のデータが正常ではないので、Sa22のステップに移行して初期化1を実行し、その後、Sa23のステップにおいて設定キースイッチ37がonであれば、割込を許可して(Sa21)、設定変更処理に移行する。また、Sa23のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM異常を示すエラーコードの設定(Sa24)、割込を許可して(Sa25)、エラー処理に移行する。
Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM507のデータは正常であるので、破壊診断用データをクリアし(Sa10)、RAM507の非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域を初期化する初期化3を行なった後(Sa11)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa12)、設定キースイッチ37がonであれば、Sa20のステップに移行して初期化1を実行し、割込を許可して(Sa21)、設定変更処理に移行する。
Sa12のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し(Sa13)、復帰後の状態において7リプ表示信号の出力制御中であるかを判定する(Sa14)。Sa14のステップにおいて復帰後の状態において7リプ表示信号の出力制御中でなければ、さらに復帰後の状態がRT3であるか否かを判定する(Sa15)。Sa15のステップにおいて復帰後の状態がRT3でなければ、Sa17のステップに進み、Sa14のステップにおいて復帰後の状態において7リプ表示信号の出力制御中であるか、Sa15のステップにおいて復帰後の状態がRT3であれば、7リプ表示信号の出力命令をRAM41cに設定した後(Sa16)、Sa17のステップに進む。
Sa17のステップでは、復帰後の遊技状態がRT3中であるか否かを判定し、復帰後の遊技状態がRT3中でなければSa18のステップに進み、復帰後の遊技状態がRT3中であれば、RT3中信号の変更命令をRAM41cに設定した後(Sa18)、Sa18のステップに進む。Sa18のステップでは、復帰後の遊技状態がRT3中であれば、RT3中信号をONに変更する旨の変更命令を設定する。
Sa19のステップでは、割込を許可し、その後、電断前の最後に実行していた処理に戻る。
図9は、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態(RT0〜3)に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数(たとえば3)の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであってもよいし、異なる図柄を含む組み合わせであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とを含む。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行なう。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM507に当選フラグが設定される。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM507に設定されている必要がある。尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM507に割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM507に割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、後述するRTを特定するためのRTフラグの値、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行なわれる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされる毎に、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM507に割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、たとえば2バイトの格納領域にて構成されている。一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組み合わせにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークをクリアする。
図9に戻り、Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
ここで、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM506Aに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
本実施例においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。
尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行なうようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施例のスロットマシン1では、メイン制御部41側において、遊技者の停止操作通りにリールの回転を停止させる制御を行なうが、演出状態がAT中でないときには左リール2Lを第1停止させるようにするために、サブ制御部91側において、AT中でないときに左リール2Lを第1停止させた場合には、左リール2Lを第1停止させたときには科されることのない遊技者にとって不利な所定のペナルティを科す制御が行なわれる。つまり、本実施例のスロットマシン1は、AT中でないときに左リール2Lを第1停止させるように設計されている。
ATとは、サブ制御部91によって制御される演出状態であって、内部抽選結果に応じた情報(操作手順など)を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイムをいう。
図9に戻り、Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。Sd4においては、遊技状態の移行を伴う表示結果が停止されたときに、RTフラグを当該表示結果に応じた遊技状態を特定するための値に更新する。これにより、表示結果に応じた遊技状態に移行させることができる。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行なう。また、払出処理では、クレジットの加算並びにメダルの払出により遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、ゲーム終了時処理では、次ゲームからRT3中のゲームが開始される場合にはRT3中信号をONに変更する旨の変更命令をRAM41cに設定する。一方、RT3が当該ゲームで終了した場合にはRT3中信号をOFFに変更する旨の変更命令をRAM41cに設定する。また、RT3への制御契機となる7リプに入賞した場合には、7リプ表示信号の出力命令をRAM41cに設定する。
図10は、メイン制御部41が定期的(約0.56ms)にゲーム処理等に割り込んで実行する前述したタイマ割込処理(メイン)を4回実行する毎に1回実行する外部出力制御処理の制御内容を示すフローチャートである。
外部出力制御処理では、まず、7リプ表示信号の出力命令が設定されているか否かを判定し(Sk101)、7リプ表示信号の出力命令が設定されていればSk102に移行する。7リプ表示信号の出力命令は、前述したように、7リプに入賞した場合に設定される。
Sk102においては、出力命令をクリアし、Sk103において7リプ表示信号の出力を開始し、Sk104において7リプ表示信号を出力している期間を特定するための7リプ表示出力中カウンタの値を1加算し、Sk114に移行する。7リプ表示出力中カウンタの値は、RAM41cにおいて記憶される。
一方、Sk101において7リプ表示信号の出力命令が設定されていないと判定されたときには、Sk105に移行して、7リプ表示信号を出力中(出力制御中)であるか否かを判定する。
Sk105において、7リプ表示信号が出力中であると判定されたときには、Sk106において7リプ表示出力中カウンタの値を1加算し、Sk107に移行する。Sk107においては、1ゲームが終了したときで、かつメダルOUT信号を出力していた場合にはその出力が完了した後であるか否かが判定される。具体的には、7リプ表示信号の出力を開始してから新たに開始されたゲームが終了して、図9のSd6におけるゲーム終了時処理に移行されたか否か、およびメダルOUT信号を出力中でないか否かが判定される。Sk107では、1ゲームが終了し、かつメダルOUT信号が出力されていないときか、あるいは1ゲームが終了した後でかつメダルOUT信号の出力が完了したときにSk108に移行する。
Sk107において、1ゲームが終了したときであって、かつメダルOUT信号を出力していた場合にはその出力が完了した後であると判定されたときには、Sk108において、7リプ表示出力中カウンタの値が、2000ms以上相当の値に到達したか否かが判定される。2000ms以上相当の値とは、本実施例においては、2000÷(外部出力制御処理が実行される間隔=0.56×4)≒892.8であるから、893以上の値となる。Sk108では、7リプ表示信号の出力を開始してから新たに開始されたゲームが終了するまでに2000ms以上経過していれば、2000ms以上相当の値に到達したと判定される。
Sk108において7リプ表示出力中カウンタの値が2000ms以上相当の値に到達していると判定されたときには、Sk109において7リプ表示信号の出力を停止させるとともに、7リプ表示出力中カウンタの値をリセットしてSk114へ移行する。
一方、Sk108において、7リプ表示出力中カウンタの値が2000ms以上相当の値に到達していないと判定されたときには、Sk110において到達していない旨を示す時間未達フラグをRAM41cに設定する。時間未達フラグが設定されるのは、7リプ表示信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、新たにゲームを開始して終了させたときである。このため、時間未達フラグが設定される場合とは、たとえば、前回ゲームが終了してから今回ゲームを即座に開始させた後、直ちにストップスイッチを操作して終了させた場合などが該当する。Sk110において時間未達フラグが設定された場合には、7リプ表示信号の出力を停止させることなく、Sk114へ移行させる。
Sk107において、1ゲーム終了時でないか、1ゲーム終了時であってもメダルOUT信号を出力中であると判定されたときには、Sk111において時間未達フラグが設定されているか否かが判定される。すなわち、7リプ表示信号を出力させた後であって新たに1ゲームが終了した後であるが、当該1ゲームが終了したときに2000ms経過していなかったために、未だ7リプ表示信号を出力している状態であるか否かが判定される。
Sk111において、時間未達フラグが設定されていると判定されたときには、Sk112においてメダルIN信号の出力制御を終了したタイミングであるか否かが判定される。すなわち、7リプ表示信号を出力させた後であって新たに開始された1ゲームが終了し、次に開始されたゲームのメダルIN信号の出力を終了したタイミングであるか否かが判定される。
Sk112においてメダルIN信号の出力制御を終了したタイミングであると判定されたときには、Sk113において7リプ表示信号の出力を停止させるとともに、7リプ表示出力中カウンタの値をリセットし、時間未達フラグをクリアして、Sk114へ移行する。
Sk105において7リプ表示信号を出力中でないと判定されたとき、Sk111において時間未達フラグが設定されていないと判定されたとき、あるいは、Sk112においてメダルIN信号の出力制御を終了したタイミングでないと判定されたときは、Sk114へ移行する。
Sk114においては、メダルIN信号の出力制御中か否かを判定する。メダルIN信号は、約25msの信号が、メダルIN信号の出力命令により指定されたメダル数分、約25msの間隔を空けて出力されるようになっており、メダルIN信号の出力命令が設定された後、未だ指定された数のメダルIN信号の出力制御が終了していない状態であればSk116のステップに進む。一方、メダルIN信号の出力制御中でなければ、メダルIN信号の出力命令が設定されているか否かを判定し(Sk115)、メダルIN信号の出力命令が設定されていれば、Sk116のステップに進む。
Sk116のステップでは、メダルIN信号出力処理を行なった後、外部出力制御処理を終了し、タイマ割込処理(メイン)のもとの位置に復帰する。メダルIN信号出力処理では、メダルIN信号の出力命令が設定されている場合には、メダルIN信号の出力命令をクリアするとともに、メダルIN信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルIN信号の出力制御を開始し、約25msの信号を、メダルIN信号の出力命令により指定されたメダル数分、約25msの間隔を空けて出力する制御を行なうとともに、メダルIN信号の出力制御中であり、メダルIN信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルIN信号の出力制御が完了していない状態であれば、引き続きメダルIN信号の出力制御を行ない、メダルIN信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルIN信号の出力が完了していれば、メダルIN信号の出力制御を終了する。
Sk115のステップにおいて、メダルIN信号の出力命令が設定されていない場合には、メダルOUT信号の出力制御中か否かを判定する(Sk117)。メダルOUT信号は、約25msの信号が、メダルOUT信号の出力命令により指定されたメダル数分、約25msの間隔を空けて出力されるようになっており、メダルOUT信号の出力命令が設定された後、未だ指定された数のメダルOUT信号の出力が終了していない状態であればSk119のステップに進む。一方、メダルOUT信号の出力制御中でなければ、メダルOUT信号の出力命令が設定されているか否かを判定し(Sk118)、メダルOUT信号の出力命令が設定されていれば、Sk119のステップに進む。
Sk119のステップでは、メダルOUT信号出力処理を行なった後、外部出力制御処理を終了し、タイマ割込処理(メイン)のもとの位置に復帰する。メダルOUT信号出力処理では、メダルOUT信号の出力命令が設定されている場合には、メダルOUT信号の出力命令をクリアするとともに、メダルOUT信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルOUT信号の出力制御を開始し、約25msの信号を、メダルOUT信号の出力命令により指定されたメダル数分、約25msの間隔を空けて出力する制御を行なうとともに、メダルOUT信号の出力制御中であり、メダルOUT信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルOUT信号の出力制御が完了していない状態であれば、引き続きメダルOUT信号の出力制御を行ない、メダルOUT信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルOUT信号の出力が完了していれば、メダルOUT信号の出力制御を終了する。
Sk118のステップにおいて、メダルOUT信号の出力命令が設定されていない場合には、RT3中信号の変更命令が設定されているか否かを判定し(Sk120)、RT3中信号の変更命令が設定されている場合には、命令に応じてRT3中信号の出力状態(ON/OFF)を変更するとともに変更命令をクリアし(Sk121)、外部出力制御処理を終了し、タイマ割込処理(メイン)のもとの位置に復帰する。
また、Sk120のステップにおいてRT3中信号の変更命令が設定されていない場合には、そのまま外部出力制御処理を終了し、タイマ割込処理(メイン)のもとの位置に復帰する。
このように本実施例のスロットマシン1におけるメイン制御部41は、起動処理(メイン)やゲーム処理において外部出力信号の出力命令等を設定し、その後、起動処理やゲーム処理に割り込んで実行されるタイマ割込処理(メイン)において設定された出力命令等に応じて外部出力信号の出力制御を行なうようになっている。
これにより、BET処理においてゲームの開始条件となる賭数が設定され、ゲーム開始操作が行なわれることでゲームを開始させる制御が行なわれる毎に、当該ゲームの賭数の設定に用いられた数分のメダルIN信号を出力する制御が行なわれる。また、払出処理においてメダルが払い出されたときに、払出メダル数分のメダルOUT信号を出力する制御が行なわれる。また、ゲーム終了時処理における遊技状態の移行に応じて、RT3中信号、および7リプ表示信号を出力する制御が行なわれる。このうち、7リプ表示信号の出力は、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得ない期間である、次ゲーム終了時や次々ゲームにおけるメダルIN信号の出力停止時に終了される。
外部機器では、7リプ表示信号に基づいてRT3、すなわち遊技者にとって有利な遊技状態の開始を特定することが可能であり、メダルIN信号に基づいて消費されたメダル数を特定し、メダルOUT信号に基づいて払い出されたメダル数を特定することが可能となる。また、メダルIN信号は、ゲームの開始に伴って出力させる信号であるため、メダルIN信号の出力をゲームの開始と判断することも可能である。
7リプ表示信号を最短でも2000msにわたり出力するのは、遊技状態の信号を検出するのに比較的長い時間を要する古いホールコンなどの外部機器でも7リプ表示信号を確実に検出できるようにするものであるが、この時間は、ゲーム終了後、遊技者がゲームの開始条件となる賭数の設定操作を行ない、かつゲームの開始操作を行なうまでに要する時間よりも長い時間であるため、7リプ表示信号の出力開始から2000ms経過するまでに、遊技者がゲームの開始条件となる賭数の設定操作を行ない、ゲームの開始操作が行なわれてゲームを開始させる制御が行なわれた場合には、7リプ表示信号と被ってメダルIN信号が出力される可能性がある。特に、本実施例のようにリプレイ(7リプ、以下では特殊リプレイともいう)の入賞を契機にRT3へ移行する場合には、次ゲームの賭数が自動的に行なわれるため、このような場合には、7リプ表示信号と被ってメダルIN信号が出力される可能性が一層高まることとなる。
7リプ表示信号とメダルIN信号が被って出力されると、メダルIN信号により特定される消費メダル数がRT3の開始後のものであるのか、RT3の開始前のものであるのか、を確実に特定できなかったり、メダルIN信号により特定されるゲームが、RT3の開始後のゲームであるのか、RT3の開始前のゲームであるのか、を確実に特定できなかったりするという問題が生じる。
このような問題を解消するために、7リプ表示信号の出力期間が終了するまで、次ゲームの賭数の設定操作またはゲームの開始操作を無効化する方法も考えられるが、このような構成とすることで、7リプ表示信号とメダルIN信号の出力が被ることはないものの、ゲームの進行が遅れてしまうこととなり、賭数の設定操作またはゲームの開始操作が無効化されることで、遊技者に対して違和感を与えてしまう虞もある。
これに対して本実施例では、RT3が開始する直前のゲームの終了時に7リプ表示信号を外部出力信号として出力する制御を開始するとともに、7リプ表示信号が出力中であっても、7リプ表示信号が出力されていないときと同じように、ゲームの進行に応じて、メダルIN信号およびメダルOUT信号を出力させた後、当該ゲームを終了させる。
また、7リプ表示信号は、出力を開始した後に新たに開始されたゲームが終了したタイミング、すなわち、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得る予め定められた期間に含まれない特定タイミングで停止される。なお、ゲームが終了したタイミングが、7リプ表示信号出力開始から2000ms経過していないときには、前述したように外部機器で当該信号を確実に特定できない虞があるため、さらに次のゲームにおいてメダルIN信号の出力制御を終了したタイミング、すなわち、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得る予め定められた期間に含まれない所定タイミングで停止される。
これにより、外部機器では、たとえば、RT3であることが特定されていないときに、7リプ表示信号の出力が停止したときに、RT3に制御されたことを特定し、終了タイミングが1ゲーム終了時であったときには当該終了したゲームにおけるメダルIN信号およびメダルOUT信号から特定されるメダルを、RT3中におけるメダルと判定し、終了タイミングがメダルIN信号の出力制御を終了したタイミングであったときには、実行中の今回ゲームおよび前回ゲームにおけるメダルIN信号およびメダルOUT信号から特定されるメダルをRT3中におけるメダルと判定する。
ここで、図11〜図15を参照して、7リプ表示信号出力の開始タイミングおよび終了タイミングについて説明する。図11および図12は、特殊リプレイ(7リプ)に入賞したゲームのゲーム制御が終了し7リプ表示信号の出力を開始してから、2000ms経過した後に次のゲームが終了したときのタイミングチャートであり、図11は、次のゲームでメダル払出がなかった場合を示し、図12は、次のゲームでメダル払出が生じた場合を示している。
図11および図12に示すように、7リプ表示信号の出力は、特殊リプレイに入賞したゲームのゲーム制御が終了したときに開始される。その後、次のゲームのゲーム開始操作が行なわれて、新たに次のゲームが開始されたときにメダルIN信号が所定期間に亘り出力され、当該ゲームのゲーム制御が終了したときに、7リプ表示信号の出力が終了する。メダルIN信号が出力される期間は、メダルの賭数に応じて一定となるように定められている。賭数が3であるときのメダルIN信号が出力される期間は、図11に示すように、25×5=125msとなる。
図12では、次のゲームにおいてメダル払出が生じているため、メダルOUT信号が所定期間に亘り出力された後にゲーム制御が終了している。メダルOUT信号が出力される期間は、メダルの払出数に応じて一定となるように定められている。払出数が8であるときのメダルOUT信号が出力される期間は、図12に示すように、25×(8+7)=375msとなる。7リプ表示信号の出力を停止するゲームにおいてメダルの払出が発生した場合には、全リールが停止してからメダルOUT信号が出力される期間経過した後であってメダルOUT信号の出力が完了した後に、7リプ表示信号の出力を停止させる。
図13は、特殊リプレイに入賞したゲームのゲーム制御が終了し7リプ表示信号の出力を開始してから、2000ms経過するまでに次のゲームが終了したときのタイミングチャートである。7リプ表示信号の出力は、出力開始後において新たに開始された次のゲームが終了しても終了せず、さらに次々ゲームが開始されてメダルIN信号の所定期間に亘る出力が完了した後に7リプ表示信号の出力を終了している。
一方、電源投入時において電断前の状態に復帰する際に、7リプ表示信号の出力制御中の状態に復帰する場合には、復帰前に7リプ表示信号の出力命令が設定され、その時点から改めて7リプ表示信号を出力するようになっている。
このため、図14および図15に示すように、スロットマシン1の電源投入後、7リプ表示信号の出力制御中の状態に復帰した場合でも、改めて7リプ表示信号が出力されるので、外部機器側で、7リプ表示信号を確実に受信することができる。なお、図14は、改めて7リプ表示信号の出力を開始してから2000ms経過した後にゲームが終了したときの例を示し、図15は、改めて7リプ表示信号の出力を開始してから2000ms経過するまでにゲームが終了したときの例を示している。
このため、図15に示すように、スロットマシン1の電源投入後、RT3の状態に復帰した場合には、RT3の開始時または終了時でなくとも7リプ表示信号が出力されるので、前日のRT3の状態が残ったままの状態で開店した場合でも、外部機器に対して、当該RT3を本日のRT3として認識させることができる。
また、本実施例では、図13および図15で示したように、7リプ表示信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、次のゲームが終了したときには、次々ゲームにおけるメダルIN信号の出力を完了した後に、7リプ表示信号の出力を停止する例について説明したが、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得ない期間に出力するものであり、かつ、2000ms以上経過していたときに停止するタイミング(本実施例では次のゲームのゲーム制御終了時)と異なるタイミングであれば、どのようなタイミングで7リプ表示信号の出力を停止するものであってもよい。また、7リプ表示信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、次のゲームが終了したときには、図16に示すように、7リプ表示信号の出力を開始してから2000ms経過したときであって、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得ない期間において、7リプ表示信号の出力を停止するようにしてもよい。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
フリーズコマンドは、後述するフリーズ状態に制御する旨およびフリーズに制御する期間を示すコマンドであり、フリーズ状態に制御するときに送信される。本実施例においては、図9で示したゲーム処理におけるSd4において7リプ入賞してRT3に制御されると判定されたときに、所定期間(たとえば10秒間)に亘ってフリーズ状態にする制御を開始するとともに、フリーズコマンドが送信される。このフリーズ状態においては、サブ制御部91側において、RT3に制御される旨を報知するとともに、当該RT3中の報知モードを選択させるための処理などが行なわれる。
また、図9で示したゲーム処理のおけるSd2において、左リール2Lを第1停止させる限り7リプ入賞となる特定の抽選対象役(後述する押し順セブン7)に当選したことを条件として、所定期間(たとえば10秒間)に亘ってフリーズ状態にする制御を開始するとともに、フリーズコマンドが送信される。このフリーズ状態においては、サブ制御部91側において、7リプ入賞となる旨を煽る演出が行なわれる。
また、RT3への制御や特定の抽選対象役当選に限らず、所定条件が成立したときにフリーズ状態に制御するか否かを決定するためのフリーズ抽選を行ない、当該抽選で当選したときにおいても、所定期間(たとえば10秒間)に亘ってフリーズ状態にする制御を開始するとともに、フリーズコマンドが送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行なわれる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組み合わせ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行なわれた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態及びRTの種類を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、所定遊技状態終了後、打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのか、onからoffに変化したのか及び他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドであり、これら操作スイッチ類のいずれかの検出状態が変化したときに送信される。
これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで、サブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において、いずれかのスイッチの検出状態の変化が検出された場合(いずれかのスイッチのエッジデータが設定された場合)に生成され、操作検出コマンド格納領域に格納されるとともに、操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド格納領域に格納されている操作検出コマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信される。
本実施例のスロットマシン1においては、いずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。また、入賞となる役には、遊技状態の移行を伴う移行役が含まれる。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAM507に設定されている必要がある。
図17〜図19は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、および、入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図20は、所定の小役を取りこぼしたときにのみ入賞ライン上に停止される特殊出目を説明するための図である。また、図21は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
入賞役のうち再遊技役には、図17および図18に示すリプ1〜8の8種類の再遊技役が含まれる。リプ1は、入賞ラインLNに「リプa/リプb−リプa/リプb−リプa/リプb/スイカa/スイカb」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
本実施例における図柄組合せの説明における「/」は、“または”という意味を示し、「−」は、“隣り合うリールの区切り”を示し、左が“左リール2Lの図柄”を示し、真ん中が“中リール2Cの図柄”を示し、右が“右リール2Rの図柄”を示している。よって、たとえば「リプa/リプb−リプa/リプb−リプa/リプb/スイカa/スイカb」とは、図17に示すように、「リプa−リプa−リプa」、「リプa−リプa−リプb」、「リプa−リプa−スイカa」、「リプa−リプa−スイカb」、「リプa−リプb−リプa」、「リプa−リプb−リプb」、「リプa−リプb−スイカa」、「リプa−リプb−スイカb」、「リプb−リプa−リプa」、「リプb−リプa−リプb」、「リプb−リプa−スイカa」、「リプb−リプa−スイカb」、「リプb−リプb−リプa」、「リプb−リプb−リプb」、「リプb−リプb−スイカa」、および「リプb−リプb−スイカb」という、16種類の図柄の組合せを意味する。
リプ1は、入賞ラインLNにリプaまたはリプbの図柄が少なくとも左リール2Lおよび中リール2Cに停止することにより入賞となるため、中段通常リプともいう。
リプ2は、入賞ラインLNに「白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c−リプa/スイカa/スイカb」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプ3は、入賞ラインLNに「白7a/白7b/白7c−リプa/リプb−白7a/白7b/白7c」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
リプ4は、入賞ラインLNに「ベルa/ベルb−リプa/リプb−ベルa」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。図21に示されるように、RT1においてリプ4に入賞した後は、RT1よりも遊技者にとって有利なRT2に制御される。このため、リプ4を昇格リプともいう。
リプ5は、入賞ラインLNに「リプa/リプb−リプa/リプb−ベルa」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。図21に示されるように、RT1よりも遊技者にとって有利なRT2やRT3においてリプ5に入賞した後は、RT1に制御される。このため、リプ5を転落リプともいう。
リプ6は、入賞ラインLNに「白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプ6は、入賞ラインLNにおいて「白7−白7−白7」の組み合わせが停止することにより入賞となるため、中段7リプともいう。
リプ7は、入賞ラインLNに「ベルb/チェリー/スイカa−白7a/白7b/白7c−ベルa」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ここで、図4を参照すると、左リール2Lのベルb/チェリー/スイカa各々の1つ上の位置に白7が配置され、右リール2Rのベルaの1つ下の位置に白7が配置され、中リール2Cは白7であるため、リプ7の図柄組合せが入賞ラインLNに揃うと、「白7−白7−白7」の組み合わせが右下がり、すなわち無効ラインLM3に揃うこととなる。このため、リプ7は、右下7リプともいう。
リプ8は、入賞ラインLNに「リプa/リプb−白7a/白7b/白7c−リプa/スイカa/スイカb」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ここで、図4を参照すると、左リール2Lのリプa/リプb各々の1つ下の位置に白7が配置され、右リール2Rのリプa/スイカa/スイカbの1つ上の位置に白7が配置され、中リール2Cは白7であるため、リプ8の図柄組合せが入賞ラインLNに揃うと、「白7−白7−白7」の組み合わせが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃うこととなる。このため、リプ8は、右上7リプともいう。
7リプとは、前述したように、中段7リプ、右下7リプ、および右上7リプをまとめた総称をいう。本実施例では、入賞ラインLNあるいは無効ラインLM上において「白7−白7−白7」が停止されることにより、後述するように残りナビストックが存在していることが報知される。
また、図21に示されるように、RT1またはRT2において7リプに入賞した後、すなわち、入賞ラインLNまたはいずれかの無効ラインLMに「白7−白7−白7」の組み合わせが停止した後は、遊技者にとって有利なRT3に制御される。
リプ1〜8を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてリプ1〜8のいずれかに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず、当選しているリプ(リプが複数当選しているときにはいずれかのリプ)を入賞させることができる役といえる。後述するように、複数のリプに当選しているときには、操作手順に応じたリプが入賞するようにリール制御が行なわれる。
リプ1〜8のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
次に、図19を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、ベル1、ベル2、押し順ベル1、押し順ベル2、押し順ベル3、押し順ベル4、押し順ベル5、押し順ベル6、押し順ベル7、押し順ベル8、チェリー1、チェリー2、チェリー3、スイカ1、スイカ2、スイカ3、スイカ4、1枚1、1枚2、1枚3が含まれる。
ベル1は、入賞ラインLNに「ベルa/ベルb−ベルa−ベルa」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ベル1は、入賞ラインLNにおいて「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが停止することにより入賞となるため、中段ベルともいう。
ベル2は、入賞ラインLNに「リプa/リプb−ベルa−リプa/リプb」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ベル2は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが停止することにより入賞となるため、右下ベルともいう。
ベル1およびベル2各々を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてベル1またはベル2に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず、当選しているベル1またはベル2を入賞させることができる役といえる。
押し順ベル1は、入賞ラインLNに「リプa−白7a/白7c−白7a/白7c」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。押し順ベル2は、入賞ラインLNに「リプa−白7a/白7c−白7b」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。押し順ベル3は、入賞ラインLNに「リプa−白7b−白7a/白7a」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。押し順ベル4は、入賞ラインLNに「リプa−白7b−白7b」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル5は、入賞ラインLNに「リプb−白7a/白7c−白7a/白7c」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。押し順ベル6は、入賞ラインLNに「リプb−白7a/白7c−白7b」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。押し順ベル7は、入賞ラインLNに「リプb−白7b−白7a/白7c」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。押し順ベル8は、入賞ラインLNに「リプb−白7b−白7b」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル1〜8は、各々、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM1において「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが停止することにより入賞となるため、上段ベルともいう。
押し順ベル1〜8各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において押し順ベル1〜8のいずれかに当選していても、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選している押し順ベルに入賞することはない。ベル1、ベル2、および押し順ベル1〜8のいずれかに入賞したときには、メダルが15枚払い出される。
チェリー1は、入賞ラインLNに「チェリー−白7a/白7b/白7c/ベルa−リプa/スイカa/スイカb」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。チェリー1は、左リール2Lのチェリーが入賞ラインLN上に位置することにより入賞するため、中段チェリーともいう。
チェリー2は、入賞ラインLNに「白7c/スイカb−リプa/リプb−ベルa/スイカb」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。チェリー3は、入賞ラインLNに「白7c/スイカb−ベルa/チェリー−any」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。チェリー2およびチェリー3は、各々、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、左リール2Lの「チェリー」が上段または下段に停止して無効ラインLM3またはLM4において入賞となるため、角チェリーともいう。
チェリー1〜3各々を構成する図柄のうち左リール2Lの図柄は、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてチェリー1〜3のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、当選しているチェリーに入賞することはない。チェリー1〜3のいずれかに入賞したときには、メダルが2枚払い出される。
スイカ1は、入賞ラインLNに「ベルa−リプb−リプb/チェリー」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。スイカ1は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM1において「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが停止することにより入賞となるため、上段スイカともいう。
スイカ2は、入賞ラインLNに「スイカa/スイカb−スイカa/スイカb−スイカa/スイカb」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。スイカ2は、入賞ラインLN上に「スイカ−スイカ−スイカ」が停止することによって入賞となるため、中段スイカともいう。
スイカ3は、入賞ラインLNに「ベルa−スイカa/スイカb−白7a/白7c」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。スイカ3は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが停止することにより入賞となるため、右下スイカともいう。
スイカ4は、入賞ラインLNに「白7a/チェリー−スイカa/スイカb−リプb/チェリー」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。スイカ4は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM4において「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが停止することにより入賞となるため、右上スイカともいう。
スイカ1〜4各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてスイカ1〜4のいずれかに当選していても、スイカ1〜4のうち当選しているスイカの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているスイカに入賞することはない。スイカ1〜4のいずれかに入賞したときには、メダルが6枚払い出される。
1枚1は、「白7b−スイカb−チェリー」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。1枚2は、入賞ラインLNに「白7b−スイカb−スイカb」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。1枚3は、入賞ラインLNに「白7b−リプa/リプb−ベルa」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
1枚1〜3各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において1枚1〜3のいずれかに当選していても、1枚1〜3のうち当選している1枚の入賞役に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選している1枚の入賞役に入賞することはない。1枚1〜3のいずれかに入賞したときには、メダルが1枚払い出される。
次に、特殊出目を説明する。特殊出目は、小役のうち押し順ベル1〜8に当選(後述する左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選)しているゲームにおいて、当選している入賞役のうちいずれをも発生させることができない場合(取りこぼす場合)において、入賞ラインLNに停止する特定のはずれの図柄組合せである。
特殊出目は、図20に示すように、右ベルこぼし目、中ベルこぼし目、および、左ベルこぼし目を含む。右ベルこぼし目は、入賞ラインLNに「リプa/リプb−白7a/白7b/白7c−ベルa」が停止された図柄組み合わせをいう。中こぼし目は、入賞ラインLNに「リプa/リプb−ベルa−白7a/白7b/白7c」が停止された図柄組み合わせをいう。左ベルこぼし目は、入賞ラインLNに「ベルa/ベルb−白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c」が停止された図柄組み合わせをいう。
右ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する右ベルであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。また、中ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する中ベルであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。また、左ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する左ベルであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。
また、図21に示されるように、RT0、RT2、およびRT3において、いずれの入賞も発生することなく、特殊出目が停止した後は、RT1に制御される。
次に、図22を参照して、内部抽選において読み出される抽選対象役、抽選対象役の判定値数、および抽選対象役に当選しているゲームにおけるリール制御について説明する。本実施例では、遊技状態が、RT0〜RT3のいずれであるかによって内部抽選の対象となる役及びその当選確率が異なる。図22においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の種類を示し、横の欄に、抽選対象役毎の、入賞役の組合せ、抽選される遊技状態、およびリール制御の内容を示している。
抽選対象役は、一の入賞役のみについて内部抽選される役と、複数の入賞役について同時に内部抽選される役とが設けられている。抽選対象役に対応して内部抽選される役については、入賞役の組合せの欄に示している。
たとえば、内部抽選において、抽選対象役のうち共通ベルが読み出されたときには、共通ベルに対応する入賞役であるベル2についての当否抽選が行なわれ、左ベル1が読み出されたときには、左ベル1に対応する入賞役の組合せであるベル2、押し順ベル1、および押し順ベル4すべてについての当否抽選が行なわれる。以下、同様に、左ベル2〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、確定セブン、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、押し順セブン1〜7各々が内部抽選において読み出されたときには、当該読み出された抽選対象役に対応する入賞役の組合せ欄に示されている入賞役あるいは入賞役の組合せについて抽選される。
また、抽選対象役に対応する遊技状態の欄の○印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、○印の下に示す数値は、判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行なわれる。尚、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、例えば、判定値数として「256」が設定されている抽選対象役の当選確率は、256/65536となる。なお、内部抽選において、いずれの抽選対象役にも当選しなかったときには、はずれとなる。
遊技状態がRT0であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT1であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、確定セブン、昇転リプ1〜5、押し順セブン7が内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT2であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、維持転リプ1〜3、押し順セブン1〜6が内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT3であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、維持転リプ1〜3、押し順セブン1〜6が内部抽選の対象役として順に読み出される。
RT0〜RT3のいずれの遊技状態においても、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカについては、抽選対象役に定められており、遊技状態に関わらず共通の判定値数が定められている。すなわち、内部抽選において小役に当選する当選確率は、遊技状態に関わらず一定である。なお、内部抽選において小役に当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なるように定められているものであってもよい。
また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4の判定値数を比較すると、中ベル1〜4、右ベル1〜4よりも左ベル1〜4の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。
また、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカの判定値数を比較すると、それぞれ、「弱」が付された抽選対象役(弱チェリー、弱一枚、弱スイカ)よりも「強」が付された抽選対象役(強チェリー、強一枚、強スイカ)の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。また、中段チェリーと、弱チェリーおよび強チェリーとの判定値数を比較すると、中段チェリーが最も小さく、当選確率が最も低くなるように設定されている。
後述するように、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカに当選したときにAT抽選が行なわれ、「弱」が付された抽選対象役当選時よりも「強」が付された抽選対象役当選時の方が高い確率でAT当選し、「強」が付された抽選対象役当選時よりも中段チェリー当選時の方が高い確率でAT当選する。これにより、「弱」が付された抽選対象役よりも「強」が付された抽選対象役に当選すること、および、「強」が付された抽選対象役よりも中段チェリーに当選することに対し遊技者が抱く期待感を高めることができる。
次に、通常リプ、確定セブン、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、押し順セブン1〜7の判定値数を、遊技状態毎に比較する。いずれかの再遊技役に当選する確率は、RT3が最も高く、続いて、RT2、RT1の順となっており、RT0が最も低くなるように、判定値数が設定されている。
また、RT1における昇転リプ1〜5の判定値数を比較すると、昇転リプ2〜5よりも昇転リプ1の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。また、RT1においては、極めて低確率ではあるものの、確定セブンおよび押し順セブン7に当選する。このため、RT1からRT2を介さずに直接RT3に移行可能となっている。よって、RT1中においては、確定セブンや押し順セブン7に当選することに対する期待感およびプレミア感を抱かせることができる。
なお、押し順セブン7は、設定値に応じて異なる判定値数が設定されており、設定値1に対して「10」が設定されており、設定値が1上がる毎に2ずつ多い判定値数が設定され、設定値6に対して「20」が設定されている。その結果、設定値が高い程、遊技者にとって有利といえる。
また、RT2における維持転リプ1〜3の判定値数を比較すると、維持転リプ2、3よりも維持転リプ1の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。一方、RT2における押し順セブン1〜6の判定値数は、同じ値であり、同じ当選確率となるように設定されている。
また、RT3における維持転リプ1〜3の判定値数は、RT2であるときよりも大きく、かつ、RT2であるときとは逆に、維持転リプ2、3よりも維持転リプ1の方が大きく、維持転リプ1の当選確率が高くなるように設定されている。一方、RT3における押し順セブン1〜6の判定値数は、RT2であるときよりも小さく、当選確率が低くなるように設定されている。
次に、リール制御の内容について説明する。当選した抽選対象役の種類(当選している入賞役)及びストップスイッチ8L〜8Rの操作手順に応じて定められた入賞役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選している場合には、最初に停止操作がなされたリール(第1停止されたリール)が左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかに応じて、ベル1あるいはベル2を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
左ベル1が当選し、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。一方、左ベル1が当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した小役のうち押し順ベル1または押し順ベル4を引込可能範囲で入賞ラインLN上に揃えて停止させる制御を行なう。前述したように、押し順ベル1および押し順ベル4を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、押し順ベル1または押し順ベル4のうちいずれかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応する押し順ベル1または押し順ベル4に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、特殊出目のうち左ベルこぼし目を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。
左ベル2〜4のいずれかが当選しているゲームにおいても同様に、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。一方、左ベル2〜4のいずれかが当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した小役のうち押し順ベルを引込可能範囲で入賞ラインLN上に揃えて停止させる制御を行なう。前述したように、押し順ベルを構成する図柄は、いずれも、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、当選している押し順ベルに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応する押し順ベルに入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、特殊出目のうち左ベルこぼし目を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。
また、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選しているときも同様である。すなわち、中ベル1〜4のいずれかに当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、中リール2C以外のリールであった場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの図柄組み合わせを引込可能範囲で入賞ラインLNに引き込み停止させる制御を行ない、当選している押し順ベルの図柄組み合わせを入賞ラインLNに引き込み停止させることができない場合に、特殊出目のうち中ベルこぼし目を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。
また、右ベル1〜4のいずれかが当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、右リール2R以外のリールであった場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの図柄組み合わせを引込可能範囲で入賞ラインLNに引き込み停止させる制御を行ない、当選している押し順ベルの図柄組み合わせを入賞ラインLNに引き込み停止させることができない場合に、特殊出目のうち右ベルこぼし目を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。
このように、左ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させたときに確実にベル2を入賞させるようにリール制御が行なわれ、左リール2L以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
また、中ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、中リール2Cを第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行なわれ、中リール2C以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
また、右ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、右リール2Rを第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行なわれ、右リール2R以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
以上のように本実施例では、左ベルが当選したか、中ベルが当選したか、右ベルが当選したかによって、ベル1あるいは2を確実に入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより、入賞させるための操作手順(入賞用操作手順)であり、かつ特殊出目の導出を回避するための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、中ベルや右ベルよりも、左ベルの当選確率は低くなるように設定されている。また、前述したように、本実施例におけるスロットマシン1では、演出状態がAT中でないときに左リール2Lを第1停止させなかった場合に遊技者にとって不利な所定のペナルティを科すことにより、左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、AT中でないときには、特に中ベルや右ベルに当選したときに、ベルを確実に入賞させることが困難となる。よって、AT中でないときに仮にRT2に制御された場合であっても、高い確率で特殊出目が停止されるため、当該RT2を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左リール2Lを第1停止させないことによってはペナルティが科されないため、左ベル、中ベル、および右ベルに当選したときにおけるナビ演出にしたがった操作手順で停止操作を行なうことにより、ベルを確実に入賞させることができ、RT1に転落することを回避させることができる。
中段チェリーに当選しているゲームにおいては、左リール2Lのチェリーが入賞ラインLN上にしか停止されないようにリール制御が行なわれる。一方、弱チェリーあるいは強チェリーに当選しているゲームにおいては、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止されるようにリール制御が行なわれる。これにより、左リール2Lのチェリーが中段に停止してチェリー入賞が発生したときには中段チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができ、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止してチェリー入賞が発生したときには、中段チェリーではなく弱チェリーあるいは強チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができる。
また、強チェリーに当選しているゲームにおいてのみ、左リール2Lのチェリーが停止された無効ライン上において、中リール2Cおよび右リール2R各々のチェリーを停止させて、「チェリー−チェリー−チェリー」を停止させるリール制御が行なわれ得る。これにより、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止し、かつ当該チェリーが停止された無効ライン上に「チェリー−チェリー−チェリー」が停止されたときには、弱チェリーではなく強チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができる。
弱一枚に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組み合わせのうち、特殊出目と異なる予め定められた弱チャンス目(たとえば、入賞ラインLNに「白7b−スイカb−チェリー」など)を停止させるリール制御を行なう。また、強一枚に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組み合わせのうち、特殊出目とも弱チャンス目とも異なる予め定められた強チャンス目(たとえば、入賞ラインLNに「白7b−スイカb−スイカb」など)を停止させるリール制御を行なう。チャンス目は、弱一枚や強一枚を取りこぼしたときだけでなく、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカなどを取りこぼしたときにも停止し得るように、リール制御が行なわれる。
弱スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ1よりもスイカ3または4を優先して入賞ラインLNに引き込み、右下スイカあるいは右上スイカを停止させ、スイカ3および4を引き込むことができない場合には、スイカ1も引き込むことができない場合であるため、前述した弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行なう。
強スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ3、4よりもスイカ1または2を優先して入賞ラインLNに引き込み、上段または中段にスイカを停止させ、スイカ1または2を引き込むことができない場合にはスイカ3、4を引き込み、スイカ3、4をも引き込むことができない場合には、前述した弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行なう。
また、通常リプに当選しているゲームにおいては、操作手順に関わらず、リプ1を入賞ラインLNに引き込み、中段にリプを停止させるリール制御を行なう。確定セブンに当選しているゲームにおいては、操作手順に関わらず、「白7−白7−白7」を入賞ラインLNあるいは無効ラインLM3、4に停止させるリール制御を行なう。
また、昇転リプ1〜5のうちいずれかに当選している場合には、第1停止されたリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかなどに応じて、昇格リプであるリプ4を入賞させる制御が行なわれる。
昇転リプ1に当選しているゲームにおいては、第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合には、転落リプであるリプ5を入賞させるリール制御を行なう。
昇転リプ2に当選しているゲームにおいて、中リール2Cを第1停止させ、その後左リール2L、右リール2Rの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、左リール2Lを第1停止させた場合には、リプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行なう。
昇転リプ3に当選しているゲームにおいて、中リール2Cを第1停止させ、その後右リール2R、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行なう。
昇転リプ4に当選しているゲームにおいて、右リール2Rを第1停止させ、その後左リール2L、中リール2Cの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行なう。
昇転リプ5に当選しているゲームにおいて、右リール2Rを第1停止させ、その後、中リール2C、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行なう。
RT1において転落リプであるリプ5に入賞した場合には、RT1が維持されるため、遊技状態が移行されるか否かの観点においてはリプ1が入賞した場合と同じとなる。このように、昇転リプ1〜5のいずれに当選したかによって、昇格リプであるリプ4を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、昇転リプ2〜5よりも、昇転リプ1の当選確率は低くなるように設定されている。一方、前述したように、本実施例におけるスロットマシン1では、非AT中において左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、AT中でないときには、昇転リプ1に当選したときにはRT2に制御され得るが、昇転リプ2〜5に当選したときには実質的に昇格リプを入賞させることができず、RT2へ制御させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左リール2Lを第1停止させないことによってはペナルティが科されないため、昇転リプに当選したときにおけるナビ演出にしたがった操作手順で停止操作を行なうことにより、昇格リプを確実に入賞させることができ、確実にRT2へ制御させることができる。
また、維持転リプ1〜3のうちいずれかに当選している場合には、第1停止されたリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかなどに応じて、遊技状態の移行を伴わない通常リプであるリプ1を入賞させる制御か、RT1への移行を伴う転落リプであるリプ5を入賞させる制御が行なわれる。
維持転リプ1が当選しているゲームにおける第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行なう。
維持転リプ2が当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、中リール2C以外の左リール2Lまたは右リール2Rであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行なう。
維持転リプ3が当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、右リール2R以外の左リール2Lまたは中リール2Cであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行なう。
このように、維持転リプ1〜3のいずれに当選したかによって、通常リプであるリプ1および転落リプであるリプ5を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、RT2においては、維持転リプ2および3よりも、維持転リプ1の当選確率は低くなるように設定されている。一方、前述したように、本実施例におけるスロットマシン1では、非AT中において左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、AT中でないときには、維持転リプ1に当選したときには転落リプ入賞を回避させ得るが、維持転リプ2または3に当選したときには実質的に転落リプ入賞を回避させることができず、非AT中においてRT2へ制御されていたとしても、当該RT2を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左リール2Lを第1停止させないことによってはペナルティが科されないため、維持転リプに当選したときにおけるナビ演出にしたがった操作手順で停止操作を行なうことにより、転落リプ入賞を確実に回避させることができ、RT2への制御を維持させることができる。
また、押し順セブン1〜6のうちいずれかに当選している場合には、停止操作順に応じて、RT3への移行を伴う7リプであるリプ6〜8のいずれかを入賞させる制御か、遊技状態の移行を伴わないリプ1〜3のいずれかを入賞させる制御が行なわれる。
押し順セブン1が当選しているゲームにおいて、左中右の順で停止操作が行なわれた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、それ以外の順で停止操作が行なわれた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行なう。
押し順セブン2が当選しているゲームにおいて、左右中の順で停止操作が行なわれた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、それ以外の順で停止操作が行なわれた場合には、リプ1またはリプ2を入賞させる制御を行なう。
押し順セブン3が当選しているゲームにおいて、中左右の順で停止操作が行なわれた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、それ以外の順で停止操作が行なわれた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行なう。
押し順セブン4が当選しているゲームにおいて、中右左の順で停止操作が行なわれた場合には、当選した再遊技役のうちリプ8の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、それ以外の順で停止操作が行なわれた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行なう。
押し順セブン5が当選しているゲームにおいて、右左中の順で停止操作が行なわれた場合には、当選した再遊技役のうちリプ8の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、それ以外の順で停止操作が行なわれた場合には、リプ2またはリプ3を入賞させる制御を行なう。
押し順セブン6が当選しているゲームにおいて、右中左の順で停止操作が行なわれた場合には、当選した再遊技役のうちリプ8の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、それ以外の順で停止操作が行なわれた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行なう。
このように、押し順セブン1〜6のいずれに当選したかによって、7リプであるリプ6あるいは8のいずれかを入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、本実施例におけるスロットマシン1では、前述したように、非AT中において左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、AT中でないときには、押し順セブン1または2に当選したときにはリプ6を入賞させ得るが、押し順セブン3〜6のいずれかに当選したときには実質的にリプ6および8のいずれをも入賞させることができず、RT3へ制御されることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左リール2Lを第1停止させないことによってはペナルティが科されないため、RT2において、押し順セブン1〜6に当選したときにおけるナビ演出にしたがった操作手順で停止操作を行なうことにより、7リプを確実に入賞させることができ、RT3へ制御させることができる。
押し順セブン7が当選しているゲームにおいては、第1停止リールが、左リール2Lであった場合に、当選した再遊技役のうちリプ6〜8のうちいずれかの図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、左リール2L以外であった場合にはリプ1を入賞させる制御を行なう。このように、押し順セブン7が内部抽選の対象となるRT1において、押し順セブン7が当選していれば、左リール2Lを第1停止することにより、必ず、リプ6〜8のいずれかが入賞して、RT3へ移行させることとなる。このため、演出状態がAT中であるか否かに関わらず、押し順セブン7に当選したときには、リプ6〜8のいずれかを入賞させてRT3へ制御させることができる。なお、この点は、確定セブンに当選したときも同じである。
内部抽選において押し順セブン7に当選したときには、所定期間に亘って、ストップスイッチ8L〜8Rへの操作を有効に受付けないことによりゲームの進行を遅延させるフリーズ状態に制御され、この間において、リプ6〜8のいずれかに入賞してRT3に制御されることを煽る演出が行なわれる。
このように、メイン制御部41は、遊技状態に応じた抽選対象役について内部抽選し、当該抽選結果およびストップスイッチ8L〜8Rの操作手順に応じて、リール制御を行ない、表示結果にしたがってメダル払出や遊技状態移行を行なう。また、メイン制御部41は、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信する。
ここで、図21を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。本実施例におけるスロットマシン1では、図21に示されるように、設定変更状態が終了した後において、RT0に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT0では、ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT0においてナビ演出が実行されることがないため、RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選したときに、高い確率でベルおよび押し順ベルを取りこぼして、入賞ラインLNに特殊出目が停止され、いつまでも特殊出目が停止されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。RT1〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。
まず、AT中でないときのゲームの流れについて説明する。本実施例におけるスロットマシン1では、前述したように、RT0〜RT3においてAT中でないときに、左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、遊技者は、AT中でないときには、左リール2Lを第1停止させるように停止操作を行なう。その結果、ゲームの流れは以下のようになる。
RT1では、リプ4やリプ6〜8に入賞することにより、RT2やRT3に移行される。リプ4やリプ6〜8に入賞するためには、図22で示したように、確定セブンや押し順セブン7に当選するか、昇転リプ1〜5のいずれかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
しかし、確定セブンや押し順セブン7の当選確率は極めて低く設定されている。このため、確定セブンや押し順セブン7に当選することにより、リプ6〜8に入賞する可能性は極めて低い。また、左リール2Lが第1停止されたときに昇格リプ入賞させる昇転リプ1の当選確率は、その他の昇転リプ2〜5の当選確率よりも低くなるように設定されている。このため、昇転リプ1〜5に当選することにより、昇格リプであるリプ4に入賞する可能性も高いとはいえない。よって、左リール2Lを第1停止させる限り、RT2に移行される可能性は低い。
また、RT1において左リール2Lを第1停止させながら、運良くリプ4に入賞し、RT2に制御された場合でも、当該RT2への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、押し順ベルのうち、左リール2Lを第1停止させた場合にベル入賞となる左ベル1〜4の当選確率がその他の中ベル1〜4や右ベル1〜4の当選確率よりも極めて低くなるように設定されており高い確率で特殊出目が停止され、また、維持転リプ1〜3のうち、左リール2Lが第1停止されたときにリプ1を停止させる維持転リプ1の当選確率は、その他の維持転リプ2および3の当選確率よりも低くなるように設定されており高い確率でリプ1を入賞させることができず転落リプが入賞する。このため、本実施例のスロットマシン1において、AT中でないときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
AT中でないときに、左リール2Lを第1停止させつつ、RT1において確定セブンあるいは押し順セブン7に当選してリプ6〜8のいずれかに入賞するか、RT1において昇格リプ入賞させた後、RT2において押し順セブン1または2に当選してリプ6〜8のいずれかに入賞して、運良くRT3に制御されたときには、この時点で後述するナビストックが付与されてATに制御される。なお、AT中でないときにおいてRT3に制御されたときには、ナビストックを付与せずにATに制御させないようにしてもよく、この場合にはRT3への制御を維持することが困難となる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、確定セブン、押し順セブン7、および昇転リプ1〜5のいずれかに当選したときに、リプ4やリプ6〜8を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出にしたがって停止操作を行なうことにより、リプ4入賞によりRT2に移行させ、リプ6〜8入賞によりRT3に移行させることができる。
また、RT2では、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに、通常リプであるリプ1を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出にしたがって停止操作を行なうことにより、リプ1入賞によりRT2を維持させることができる。
さらに、RT2では、押し順セブン1〜6のいずれかに当選したときに、リプ6あるいはリプ8を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出にしたがって停止操作を行なうことにより、リプ6あるいは8入賞によりRT3に移行させることができる。
RT3では、RT2と同様に、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに、通常リプであるリプ1を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出にしたがって停止操作を行なうことにより、リプ1入賞によりRT2を維持させることができる。
また、少なくともRT1〜3では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカなど、所定の操作手順で停止操作しなければ入賞させることができない抽選対象役に当選したときに、当該抽選対象役に応じて遊技者にとって有利となる操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出にしたがって停止操作を行なうことにより、小役の取りこぼしを防止して、メダルを確実に獲得することができる。また、特殊出目が停止されることを回避して、現在制御されている遊技状態への制御を維持することができる。
このように、本実施例のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT3に制御されるように、かつRT3が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT3において消化されることとなる。本実施例では、遊技者にとって有利なRT3においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行なう。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行なう。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施例では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行なうのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行なわれることがある。
また、サブ制御部91では、非AT中に受信したリール停止コマンドに基づき、左リール2Lが第1停止されているか否かを判定し、当該判定結果に応じて所定のペナルティを科す制御を行なう。所定のペナルティとは、たとえば、所定期間(2000ゲーム)に亘ってATへ制御させないように規制すること、後述するAT抽選におけるAT当選確率を低確率に変更すること、あるいは、AT抽選を行なわないことなど、遊技者にとって不利となる制御を行なうことなどをいう。
なお、単なる操作ミスにより左リール2Lを第1停止させることができない場合も考えられ、このような場合には、善意の遊技者に対してもペナルティを科すことになる。これを解消するために、遊技者が意図的に左リール2L以外のリールを第1停止させている蓋然性が高いことを推認できる所定のペナルティ条件を満たした場合に、ペナルティを科す制御を行なうようにしてもよい。
所定のペナルティ条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに左リール2L以外のリールが第1停止された回数が所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよく、また、非AT中に受信した内部当選コマンド、入賞判定コマンド、および遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて左リール2Lを第1停止させている限り入賞しない入賞役に入賞したと判定されたときや、このように判定された回数が所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよい。なお、遊技状態に応じて左リール2Lを第1停止させている限り入賞しない入賞役とは、たとえば、RT1中においてはベル1や転落リプが該当し、RT2中においては、ベル1や、維持転リプ2または3当選時のリプ1、押し順セブン3〜6当選時のリプ6〜8などが該当する。
次に、サブ制御部91側において行なわれる処理のうち、ATに関連する処理について説明する。サブ制御部91は、遊技状態に応じて、演出状態をATに制御するとともに、ナビ演出を実行するためのAT関連処理を行なう。
サブ制御部91は、AT関連処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行なう。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定のAT抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選は、ナビストック数を付与するか否かを決定するナビ付与抽選と、付与するナビストック数を決定するナビストック数抽選とを含む。
ナビストック数とは、ATに制御可能となる期間を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定期間に亘りゲームを消化するまで(たとえば、RT3に制御されてから50ゲーム)、ATに制御され、その間ナビ演出が実行可能となる。このため、決定されたナビストック数が多い程、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
図23は、AT抽選に用いるAT抽選用テーブルを説明するための図である。AT抽選条件は、遊技状態、演出状態、および、当選状況やゲーム進行状況などのその他の条件の組み合わせにより成立する。サブ制御部91は、成立したAT抽選条件に定められた当選確率にしたがってAT当選し、AT当選した場合には振分率にしたがってナビストック数を付与する。
第1AT抽選条件は、AT中であるか否かに関わらず、遊技状態がRT0〜3であるときに、弱チェリー、弱一枚、および弱スイカのうちいずれかに当選したときに成立する。第1AT抽選条件が成立したときには、3%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与ナビストック数が、50%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」に決定される。なお、AT抽選は、たとえば乱数などを用いて、設定されている確率あるいは振分率にしたがってランダムに行なわれる。よって、第1AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.5+2×0.3+3×0.2)×0.03=0.051となる。
第2AT抽選条件は、AT中であるか否かに関わらず、遊技状態がRT0〜3であるときに、強チェリー、強一枚、および強スイカのうちいずれかに当選したときに成立する。第2AT抽選条件が成立したときには、10%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与ナビストック数が、30%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」、10%の確率で「4」に、10%の確率で「5」に決定される。よって、第2AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.3+2×0.3+3×0.2+4×0.1+5×0.1)×0.1=0.24となる。
第3AT抽選条件は、AT中であるか否かに関わらず、遊技状態がRT0〜3であるときに、中段チェリーに当選したときに成立する。第3AT抽選条件が成立したときには、30%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与ナビストック数が、20%の確率で「1」に、20%の確率で「2」に、30%の確率で「3」、20%の確率で「4」に、10%の確率で「5」に決定される。よって、第3AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.2+2×0.2+3×0.3+4×0.2+5×0.1)×0.3=0.84となる。
第4AT抽選条件は、AT中以外の非AT中であって、遊技状態がRT1であるときに確定セブンあるいは押し順セブン7に当選したとき、および遊技状態がRT2であるときに押し順セブン1または2に当選したときに成立する。すなわち、第4AT抽選条件は、左リール2Lを第1停止させても、7リプを入賞させることができる当選状況となることにより成立する。
第4AT抽選条件が成立したときには、100%の確率でAT当選し、付与ナビストック数が、40%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」、10%の確率で「4」に決定される。よって、第4AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.4+2×0.3+3×0.2+4×0.1)×1.0=2.0となる。
サブ制御部91は、たとえばメイン制御部41からの遊技状態コマンドや内部当選コマンドに基づき、制御されている遊技状態および当選状況を特定するとともに、AT中にセットされるATフラグに基づきAT中か否かを特定して、第1〜第4AT抽選条件の成否を判定する。
なお、第1〜第4AT抽選条件は、所定の入賞役に当選することにより成立する例について説明したが、これに限らず、所定の入賞役に入賞することにより成立するものであってもよい。たとえば、第1AT抽選条件は、チェリー2または3に入賞することにより成立するようにしてもよい。
また、第1〜第4AT抽選条件は、各々、AT中であるか非AT中であるかに関わらず、当選確率および振分率が同じである例について説明したが、これに限らず、AT中であるか否かに応じて当選確率および振分率を異ならせてもよい。たとえば、AT中であるときの方が非AT中であるときよりも高い当選確率でナビ付与抽選を行ない、また、AT中であるときの方が非AT中であるときよりも期待ナビストック数が大きくなるようにナビストック数抽選を行なうようにしてもよい。
第5AT抽選条件は、AT中以外の非AT中であって、遊技状態がRT1〜3であるときに、前回ARTが終了してから1000ゲーム消化したときに成立する。第5AT抽選条件が成立したときには、100%の確率でAT当選し、付与ナビストック数が、60%の確率で「1」に、40%の確率で「2」に決定される。よって、第5AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.6+2×0.4)×1.0=1.4となる。
サブ制御部91は、AT中にセットされるATフラグに基づきART終了を特定するとともに、メイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき、ART終了から消化したゲーム数を特定するための終了後ゲーム数を計数し、当該終了後ゲーム数に基づき前回ARTが終了してから1000ゲーム消化したか否かを特定し、第5AT抽選条件の成否を判定する。
第6AT抽選条件は、遊技状態がRT3であり、演出状態がAT中であるART中において、押し順セブン1〜6のいずれかに当選したときに成立する。第6AT抽選条件が成立したときには、5%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与ナビストック数が、20%の確率で「1」に、20%の確率で「2」に、20%の確率で「3」、20%の確率で「4」に、20%の確率で「5」に決定される。よって、第6AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.2+2×0.2+3×0.2+4×0.2+5×0.2)×0.05=0.15となる。
サブ制御部91は、たとえばメイン制御部41からの遊技状態コマンドや内部当選コマンドに基づき、制御されている遊技状態および当選状況を特定するとともに、AT中にセットされるATフラグに基づきAT中か否かを特定して、第6AT抽選条件の成否を判定する。
サブ制御部91は、AT抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ナビストック数をRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのナビストック数の有無に基づき、ATに制御するか否かを特定する。ナビストック数が残っているときに、さらにAT抽選によってナビストック数を獲得したときには、残っているナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。本実施例においては、AT抽選で決定されたナビストック数の合計数に応じて、ATに制御される。
非AT中であるときにおいてナビストックを獲得した場合、サブ制御部91は、所定のAT開始条件が成立したときにATに制御する。所定のAT開始条件は、特定の当選状況となったときに成立する。特定の当選状況となったときの一例としては、たとえば、非AT中でかつRT1中であるときには昇転リプ1〜5のいずれかに当選したときに成立し、非AT中でかつRT2中であるときには、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、維持転リプ1〜3、および押し順セブン1〜6のいずれかに当選したときに成立する。
また、第4または第5AT抽選条件が成立したときにはAT抽選において必ずナビストック数が付与される。このため、第4または第5AT抽選条件が成立したときのAT開始条件は、第4または第5AT抽選条件が成立したゲームが終了したときに成立し、次のゲームからATに制御される。
サブ制御部91は、非AT中かつナビストックが1以上付与されているときにおいて、AT開始条件が成立したときに、ATである旨を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納してATに制御する。
なお、AT開始条件は、当選状況に応じて成立するものに限らず、ナビストックを獲得したことを契機として複数ゲームに亘り所定の連続演出を実行した後、当該連続演出の演出結果によってナビストックを獲得した旨が報知されたときに成立するようにしてもよい。この場合、連続演出は、ナビストックを獲得していないときにも所定確率にしたがって実行される。これにより、連続演出が実行されることによりナビストックを獲得したことに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
サブ制御部91は、RT1またはRT2においてATフラグからATである旨が特定されたときに、ATへの制御を開始する。これにより、ナビ演出が実行される。このため、RT1においては、昇転リプ1〜5のいずれかに当選したときに昇格リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT2へ制御されやすくなる。また、RT2においては、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、および維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに特殊出目停止や転落リプ入賞を回避させ、その結果、RT2への制御を維持させやすくなり、さらに、押し順セブン1〜6などに当選したときに7リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT3へ制御されやすくなる。
RT1またはRT2においては、ナビストック数を消費(減算)することなく、ATに制御されて、ナビ演出が実行可能となる。AT中におけるRT1において昇格リプ入賞によりRT2に制御されたときにも当該ATへの制御が継続される。
AT中であるか否かに関わらずRT1において確定セブンあるいは押し順セブン7に当選してリプ6〜8のいずれかに入賞するか、AT中におけるRT2においてリプ6〜8のいずれかに入賞、あるいは、非AT中におけるRT2において押し順セブン1または2のいずれかに当選していたゲームにおいてリプ6〜8入賞することによって、RT3に制御されたときには、ナビストック数を1消費(減算)して、所定回数(たとえば50)ゲームを消化する間、RT3かつATであるARTに制御可能となる。なお、ナビストック数を1消費したときには、RAM91cに記憶されているナビストック数を1減算させた値に更新される。
一方、リプ6〜8のいずれかに入賞した場合であっても、非AT中におけるRT2において押し順セブン3〜6のいずれかに当選していた場合には、左リール2L以外のリールを第1停止させた場合であるため、ATに制御させないといったペナルティが科される。このため、RT3に制御されたとしてもATに制御されずナビ演出が実行されないため、当該RT3を維持することが困難となり、特殊出目停止あるいは転落リプ入賞によりRT1に移行されることになる。
また、リプ6〜8のいずれかに入賞した場合には、前述したように、メイン制御部41からフリーズコマンドが送信される。サブ制御部91は、RT3への制御に関連してフリーズコマンドを受信したときであって、ARTに制御する場合には、フリーズ状態中において報知モード選択演出を行なう。
報知モード選択演出は、遊技者に対して未報知のナビストック数を、ART中の表示結果に応じて報知する報知モードAにするか、報知済のナビストックに対応するATが終了するときに報知する報知モードBにするかを、遊技者に選択させる演出をいう。
報知モード選択演出では、たとえば、液晶表示器51に「報知モードA」の画像と、「報知モードB」の画像とが表示されて、ストップスイッチ8Lおよび8Rを操作することによりいずれかの画像が反転表示されて選択され、演出用スイッチ56を操作することにより選択されている報知モードに決定される。決定された報知モードを特定するための情報は、RAM91cの所定領域に記憶される。
フリーズ状態中において、報知モードが決定されなかったときには、現在選択されている報知モードに決定される。なお、これに限らず、フリーズ状態中において、報知モードが決定されなかったときには、予め定められている報知モードに決定されるようにしてもよい。未報知のナビストック数は、決定された報知モードにしたがって遊技者に対して報知される。
報知モードAに決定されているときには、押し順セブン1〜6のいずれかに当選したときに、7リプを入賞させるための操作手順を報知するナビ演出を実行して、7リプを入賞させて未報知のナビストックとして少なくとも1残存していることが報知される。この点については、図24を用いて後述する。
一方、報知モードBに決定されているときには、ナビストック1消費に対応するATが終了するときに、未報知のナビストックとして少なくとも1残存しているため、さらに所定回数ゲーム消化するまでATへの制御が継続することが報知される。
一方、RT3への制御に関連してフリーズコマンドを受信したときであっても、前述したように、非AT中に左リール2L以外のリールを第1停止させて7リプ入賞させた場合にはARTに制御されない。このため、当該フリーズ状態中においては、左リール2Lが第1停止されていないためにATに制御されない旨を示す情報が報知される。これにより、7リプに入賞したにも関わらずATに制御されなかった理由を遊技者に報知することができるため、遊技者に不審感を抱かせることなく、かつ以後の非AT中の遊技において左リール2Lを第1停止させるように促すことができる。
サブ制御部91は、ARTに制御すると、ATに制御されることが確定しているATゲーム数を報知するとともに、ゲーム消化に応じてATゲーム数を更新させる。具体的に、たとえば、ARTに制御されたときに、液晶表示器51において「AT残り50ゲーム」といったメッセージを表示し、ゲーム消化に応じて残りゲーム数を更新表示する。これにより、少なくともナビストック1に対応してATに制御される旨が報知される。
サブ制御部91は、AT残りゲーム数が0に到達したときに、残りのナビストック数が0であれば、「AT終了!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、ATでない旨を示すATフラグに更新させて一連のATを終了させる。これにより、ナビ演出が実行されなくなるため、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のいずれかに当選したときに特殊出目が停止されやすく、かつ、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに転落リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT3からRT1へ制御される可能性が高まる。
一方、AT残りゲーム数が0に到達したときに、残りのナビストック数が1以上であれば、サブ制御部91は、たとえば「まだまだー!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、ナビストック数を1減算させた値に更新してARTへの制御を継続させる。
以上のように、RT3であるときには、ナビストック数を1消費することにより、所定回数ゲームを消化する間ARTに制御される。また、ARTにおいて所定回数ゲームを消化して1ナビストックに対応するATが終了したときであっても、未だナビストック数が1以上であるときにはさらにナビストックを1消費させてATへの制御が継続される。これにより、AT抽選の結果に応じて設定されるナビストック数に応じた回数だけ、ATに繰り返し制御可能となるといえる。
サブ制御部91は、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応するナビ演出を実行する。
ここで、遊技状態に応じたナビ対象役について説明する。まず、RT1に応じたナビ対象役としては、押し順ベルを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、昇格リプを含む昇転リプ1〜5、および、7リプを含む押し順セブン7が定められている。
また、RT2およびRT3に応じたナビ対象役としては、押し順ベルを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、転落リプを含む維持転リプ1〜3、および7リプを含む押し順セブン1〜6が定められている。
さらに、RT1〜3で共通のナビ対象役として、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカが定められている。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてベル1または2を確実に入賞させて特殊出目停止を回避させるための押し順が報知される。たとえば、左ベル1に当選したときのナビ演出としては、「左だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、中ベル2に当選したときのナビ演出としては、「中だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
昇転リプ1〜5のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプを確実に入賞させるための押し順が報知される。たとえば、昇転リプ3に当選したときのナビ演出としては、「まず中だ!その次に右だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、昇転リプ5に当選したときのナビ演出としては、「まず右だ!その次に中だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプ入賞を回避させるための押し順が報知される。たとえば、維持転リプ1に当選したときのナビ演出としては、「左だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、維持転リプ3に当選したときのナビ演出としては、「右だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
中段チェリー、弱チェリー、および強チェリーのいずれかに当選したときのナビ演出としては、たとえば、「チェリーを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させて、チェリー当選している旨が報知される。
弱スイカ、または強スイカに当選したときのナビ演出としては、たとえば、「スイカを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させて、スイカ当選している旨が報知される。
押し順セブン1〜7のいずれかに当選したときには、原則として、7リプを確実に入賞させるための押し順を報知するナビ演出が実行される。たとえば、押し順セブン3に当選したときのナビ演出としては、「まず中だ!その次に左だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順セブン6に当選したときのナビ演出としては、「まず右だ!その次に中だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
押し順セブン1〜6のいずれかに当選したときであっても、RT3中であるART中であるときには、RT1中やRT2中と異なり、7リプ入賞時のフリーズ状態中において行なわれる報知モード選択演出において選択された報知モードに応じて、異なるナビ演出が実行される。
ここで、図24を参照して、ART中におけるナビ演出を実行するためのART中ナビ演出実行処理について説明する。ART中ナビ演出実行処理は、ART中においてゲームが開始されるときに実行される。
Ss1においては、ARTに応じたナビ対象役、すなわちRT3に応じたナビ対象役に当選しているか否かが判定される。ARTに応じたナビ対象役に当選しているか否かは、当該ゲーム開始時にメイン制御部41から送信される内部当選コマンドに基づき判定される。ナビ対象役に当選していないと判定されたときには、そのままART中ナビ演出実行処理を終了する。
Ss1においてナビ対象役に当選していると判定されたときには、Ss2において、押し順セブン1〜6のいずれかに当選しているか否かが判定される。押し順セブン1〜6のいずれにも当選していないと判定されたときには、Ss3において、前述したとおり当選しているナビ対象役に応じて、遊技者にとって有利となる操作手順を特定するためのナビ演出を実行し、ART中ナビ演出実行処理を終了する。
一方、Ss2において、押し順セブン1〜6のいずれかに当選していると判定されたときには、Ss4において未報知のナビストックが存在するか否かが判定される。未報知のナビストックには、押し順セブン1〜6のいずれかに今回当選する以前から付与されていたナビストック数と、今回押し順セブン1〜6のいずれか当選したことによるAT抽選において新たに付与されたナビストック数とを含み、ART中におけるAT残りゲーム数によっても報知されておらずかつ決定された報知モードにしたがっても報知されていないナビストックをいう。
たとえば、非AT中のAT抽選でナビストック数として5が付与されて、7リプ入賞により制御され1回目のAT中における未報知のナビストック数は、4となる。また、未報知のナビストック数が4であるときにさらにAT抽選条件が成立してナビストック数として3が付与されたときにおける未報知のナビストック数は、7となる。
Ss4において未報知のナビストックが存在すると判定されたときには、Ss5において、7リプ入賞時に選択された報知モードが報知モードAであるか否かが判定される。Ss5において報知モードAであると判定されたときには、Ss7において、リプ6またはリプ8を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出を実行し、ART中ナビ演出実行処理を終了する。
これにより、遊技者はナビ演出に応じた操作手順で停止操作することにより、リプ6またはリプ8を入賞、すなわち入賞ラインLNまたは無効ラインLM上に「白7-白7-白7」を停止させることができる。また、サブ制御部91は、ART中において、入賞ラインLNまたは無効ラインLM上に「白7-白7-白7」が停止したときに、液晶表示器51において「ナビストック獲得!+50ゲーム!」といったメッセージを表示するとともに、AT残りゲーム数に50ゲームを加算したゲーム数に更新表示する。その結果、残りナビストックが1存在していたことを報知することができる。なお、ART中において「白7-白7-白7」が停止されることにより残りナビストックが1存在していたことが報知されると、未報知のナビストックは1減算される。
これに対し、Ss4において未報知のナビストックが存在しないと判定されたとき、あるいは、Ss5において報知モードAが選択されていないと判定されたときには、Ss6において、リプ6またはリプ8を入賞させるための操作手順ではなく、リプ1〜3のいずれか(たとえばリプ1)を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出を実行し、ART中ナビ演出実行処理を終了する。
これにより、遊技者はナビ演出に応じた操作手順で停止操作することにより、リプ1〜3のいずれかが入賞し、未報知のナビストックの存在が報知されることがない。
なお、Ss5においてNOと判定されたときには、未報知のナビストックが存在しているが、報知モードBが設定されているときであるため、ナビストック1に対応するATが終了するときに、残りのナビストックに応じてその後もATへの制御が継続されるか否かが報知される。継続される場合には、前述したように、たとえば、「まだまだー!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する。
以上のように、AT中においては、当選状況に応じたナビ演出が実行される。サブ制御部91は、AT中にナビ演出を実行したゲームにおいて、当該ナビ演出から特定される操作手順と異なる手順で操作されたか否かを判定し、異なる手順で操作されたと判定されたときには遊技者にとって不利なAT中のペナルティを科す制御を行なう。AT中のペナルティとは、たとえば、付与されているナビストックを所定数減算すること、AT抽選におけるAT当選確率を低確率に変更すること、AT抽選条件が成立してもAT抽選を行なわないこと、あるいは、ATを終了することなど、遊技者にとって不利となる制御を行なうことなどをいう。
なお、AT中においても、単なる操作ミスによりナビ演出から特定される操作手順で操作できない場合も考えられ、このような場合には、善意の遊技者に対してもペナルティを科すことになる。これを解消するために、遊技者が意図的にナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作している蓋然性が高いことを推認できるAT中のペナルティ条件を満たした場合に、ペナルティを科す制御を行なうようにしてもよい。
AT中のペナルティ条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでにナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作された回数が所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよく、また、所定回数(2回)連続してナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作されたことにより成立するものなどであってもよい。
また、AT中において、ナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作した場合において、特殊出目停止や転落リプ入賞した場合には、RT1に制御されてしまう。このようにAT中でありながら、操作ミスによってRT1に制御されてしまった場合には、制裁措置としてその時点でATを終了(ナビストックを消去)させるようにしてもよく、これとは逆に、救済措置としてATを継続して再びRT3へ制御させるようにナビ演出を実行するようにしてもよい。
また、図24におけるSs6において、リプ1〜3のいずれか(たとえばリプ1)を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行された場合でも、操作手順を誤るなどして、リプ6または8を入賞させるための操作手順で操作されてしまい、入賞ラインLNまたは無効ラインLM上に「白7-白7-白7」が停止されることも発生する。
この場合、サブ制御部91は、前述したAT中のペナルティを科す制御を行なう。また、サブ制御部91は、入賞ラインLNまたは無効ラインLM上に「白7-白7-白7」が停止されたが、当該「白7-白7-白7」の停止は未報知のナビストックが存在することを報知するものではない旨を示す無効演出を実行する。無効演出としては、たとえば、「ナビ演出にしたがって停止操作しなければ、ナビストックを正しく報知できません!」といったメッセージを液晶表示器51に表示することにより行なわれる。
なお、ナビ演出の態様は、上述したような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであってもよい。
また、サブ制御部91は、現在の遊技状態や演出状態に関連する遊技状態演出を、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品を用いて実行する。
遊技状態演出としては、たとえば、遊技状態に関わらず非AT中であるときには、通常演出(たとえば、液晶表示器51に「通常中」といったメッセージを表示など)が行なわれる。また、遊技状態に関わらずAT中であるときには、特別演出(たとえば、液晶表示器51に「AT中」といったメッセージを表示など)が行なわれる。
次に、前述した実施例により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、7リプ表示信号の出力は、7リプ表示信号の出力開始後において新たに次のゲームが開始された後であってメダルIN信号やメダルOUT信号が出力される期間に含まれない特定タイミングに到達するまで7リプ表示信号の出力を継続されるため、呼び出しランプ装置200などの外部機器が7リプ表示信号を受信するのに必要となる時間をゲームの進行を阻害することなく確保できる。また、メダルIN信号やメダルOUT信号などを出力しているときに7リプ表示信号の出力を停止することがないので、呼び出しランプ装置200などの外部機器側において受信したメダルIN信号やメダルOUT信号などがRT3中における信号であるか否かを容易に特定することができる。
また、図24で示したように、ART中において押し順セブン1〜6のいずれかに当選した場合であっても、当該ARTの開始契機となった7リプ入賞時における報知モード選択演出において、報知モードAが設定されているときには、Ss7においてリプ6または8を入賞させるためのナビ演出が実行され、報知モードBが設定されているときには、報知モードAが設定されているときと異なり、Ss6においてリプ1〜3のいずれかを入賞させるためのナビ演出が実行される。このため、ART中において押し順セブン1〜6のいずれかに当選した場合であっても、設定されている報知モードに応じて異なるナビ演出を実行するため、未報知のナビストックが存在する旨を、ART中の表示結果として「白7−白7−白7」を停止させることにより報知させるゲーム性と、1ナビストックに対応するATが終了するときに報知させるゲーム性とを提供可能となる。つまり、次回もATに制御されるか否かを、ART中の表示結果を通して把握したい遊技者と、1ナビストックに対応するATが終了するときまで把握したくない遊技者とのそれぞれの趣向に合せたゲーム性を提供することができる。その結果、ART中において押し順セブン1〜6のいずれかに当選した場合における遊技の興趣を向上させることができる。また、未報知のナビストックが存在する旨を報知する態様を多様化することができる。
(2) 前述した実施例では、AT中にナビ演出を実行したゲームにおいて、当該ナビ演出から特定される操作手順と異なる手順で操作されたと判定されたときには、遊技者にとって不利なAT中のペナルティを科す制御が行なわれる。これにより、たとえば、押し順セブン1〜6に当選しているゲームにおいて、リプ6または8を入賞させるためのナビ演出が実行されていないにも関わらず、リプ6または8を入賞させるための操作手順で操作されてART中の表示結果として「白7−白7−白7」が停止されてしまうといった、本来停止されるべきではなかったときに停止されてしまう不都合の発生を防止することができる。
(3) 前述した実施例では、たとえば、図24におけるSs6において、リプ1〜3のいずれか(たとえばリプ1)を入賞させるためのナビ演出が実行されたにも関わらず、操作手順を誤るなどして、リプ6または8を入賞させるための操作手順で操作されてしまい、入賞ラインLNまたは無効ラインLM上に「白7-白7-白7」が停止されることも発生する。この場合に、入賞ラインLNまたは無効ラインLM上に「白7-白7-白7」が停止されたが、当該「白7-白7-白7」の停止は未報知のナビストックが存在することを報知するものではない旨を示す無効演出が実行される。これにより、操作手順を誤ったことにより入賞ラインLNまたは無効ラインLM上に「白7-白7-白7」が停止されたことにより、遊技者に対して未報知のナビストックが存在していることを誤って認識させてしまう不都合の発生を防止することができる。
(4) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、RT3への制御契機である7リプ入賞が成立してRT3への制御が開始されたときに7リプ表示信号を出力することができるため、外部機器側においてRT3への制御タイミングを適切に特定することができる。
なお、割込処理との関係で、7リプ入賞タイミングと、RT3への制御を開始するタイミングとに若干のズレが生じる場合(たとえば、一の割込処理において7リプ入賞と判定され、次の割込処理でRT3への制御が開始されるような場合)には、7リプ表示信号を7リプ入賞時に出力するものであってもよい。
(5) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、7リプ表示信号を少なくとも所定期間(2秒)にわたり出力する。このため、7リプ表示信号を検出するのに比較的長い時間を要する古い外部機器でも7リプ表示信号を確実に検出できる。
(6) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、図10のSk110〜Sk113、図13、図15で示したように、7リプ表示信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、新たに開始されたゲームが終了したときには、特定タイミングであるゲーム終了時と異なるメダルIN信号の出力が完了したときに7リプ表示信号の出力を終了する。このため、外部機器において7リプ表示信号を確実に検出できるとともに、検出タイミングが特定タイミングであったか、特定タイミングと異なる所定タイミングであったかに応じて、受信したメダルIN信号やメダルOUT信号などがRT3中における信号であるか否かを明確に特定することができる。
なお、特定タイミングと、ゲーム終了時とは必ずしも一致するものに限らず、若干のズレが生じるものであってもよい。たとえば、一の割込処理において次のゲームが実際に終了したと判定され、次の割込処理で特定タイミングに到達したと判定されるものであってもよい。
(7) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、図8のSa14、Sa16、および図14などで示したように、7リプ表示信号出力中に電断復帰したときには、復帰後に少なくとも所定期間にわたり7リプ表示信号が出力される。このため、7リプ表示信号出力中に電断が生じても、復帰後に、外部機器側で7リプ表示信号を確実に受信することができる。
(8) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、図8のSa15、Sa16、および図14などで示したように、電断復帰したときの遊技状態がRT3であるときには、復帰後に少なくとも所定期間にわたり7リプ表示信号が出力される。このため、外部機器側で電断復帰後の遊技状態がRT3であるか否かを特定することができるとともに、開店時に、前日のRT3が復帰した場合でも、外部機器に対して、当該RT3を本日のRT3として認識させることができる。
本発明は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
[報知モードに対応する報知態様について]
前述した実施例では、図24のSs5〜7で示したように、報知モードAが設定されているときには、必ずSs7に移行して、リプ6または8を入賞させるためのナビ演出を実行する例について説明した。しかし、これに限らず、たとえば、報知モードAが設定されているときであっても、1ナビストックに対応するAT中においてすでにSs7に移行されて次回ATに制御されることが確定報知済であるときには、当該AT中においては、報知モードAが設定されているときであってもSs6に移行してリプ1〜3のいずれかを入賞させるためのナビ演出を実行するようにしてもよい。また、報知モードAが設定されているときであっても、1ナビストックに対応するAT中においてSs7に移行される回数に上限回数を設けてもよく、また、1ナビストックに対応するAT中においてSs7に移行されることにより報知される特典の大きさ(ナビストック数)に上限を設けてもよい。
また、報知モードAが設定されているときであっても、Ss5でYESと判定されたときに所定確率でSs6に移行してリプ1〜3のいずれかを入賞させるためのナビ演出を実行するようにしてもよい。また、報知モードBが設定されているときであっても、Ss4でYESと判定されたときに所定確率でSs7に移行してリプ6または8を入賞させるためのナビ演出を実行するようにしてもよい。この場合、たとえば、ART中において押し順セブン1〜6のいずれかに当選しているときに、報知モードBが設定されているときよりも報知モードAが設定されているときの方が高い割合で、Ss7に移行させてリプ6または8を入賞させるためのナビ演出を実行するようにしてもよい。この場合においても、設定されている報知モードに応じて異なる態様でナビ演出を実行するため、ART中において押し順セブン1〜6のいずれかに当選した場合における遊技の興趣を向上させることができる。
[報知モードに対応する報知対象について]
前述した実施例では、報知モードAが設定されているときに入賞ラインLNまたは無効ラインLM上に「白7-白7-白7」を停止することにより、また、報知モードBが設定されているときに1ナビストックに対応するATが終了するときに「まだまだー!」といったメッセージを表示することにより、それぞれ、未報知のナビストックが1存在することを報知する例について説明した。しかし、未報知のナビストックが1存在することを報知するものに限らず、未報知のナビストック数の範囲内で複数存在することを報知するものであってもよい。たとえば、報知モードに応じた態様で報知する際に、未報知のナビストック数の範囲内から一の数値を決定して、当該数値分のナビストックが存在することを報知するようにしてもよい。
たとえば、報知モードAが設定されているときに入賞ラインLNまたは無効ラインLM上に「白7-白7-白7」を停止するとともに、「ナビストック獲得!+150ゲーム!」といったメッセージを表示し、AT残りゲーム数に150ゲームを加算したゲーム数に更新表示することにより、残りナビストックが3存在していたことを報知するようにしてもよい。また、報知モードBが設定されているときに1ナビストックに対応するATが終了するときに「まだまだー!あと3回は確定!」といったメッセージを表示することにより、残りナビストックが3存在していたことを報知するようにしてもよい。このような報知が行なわれることにより、報知されたナビストック分だけ未報知のナビストックから減算される。
また、報知モードに対応する報知対象には、ART中に制御される以前に付与されていたナビストック数や、ART中に制御されてから付与されたナビストック数を含む例について説明したが、これに限らず、報知モードに対応する報知対象をART中に制御されてから付与されたナビストック数のみに限定してもよい。これにより、ARTに制御された後に上乗せされたナビストック数のみを、報知モードに対応した態様で報知することができる。
[特典付与条件について]
前述した実施例のART中におけるAT抽選では、特定結果の一例である押し順セブン1〜6に当選することによっても特典の一例であるナビストックが付与され、押し順セブン1〜6に当選せずとも、第1〜第3AT抽選条件が成立することによっても特典が付与され得る例について説明した。
しかし、ART中におけるAT抽選では、特定結果の一例である押し順セブン1〜6に当選することによっては特典が付与されず、第1〜第3AT抽選条件が成立することによってのみ特典が付与されるようにしてもよい。すなわち、特定結果となることが、特典が付与されていることを報知する契機でしかないものであってもよい。このようなものとは逆に、ART中におけるAT抽選では、特定結果の一例である押し順セブン1〜6に当選することによってのみ特典が付与され、その他のAT抽選条件が成立することによっては特典が付与されるようにしてもよい。すなわち、特定結果となることのみが、特典が付与されていることを報知する契機であり、かつART中に特典を付与する契機であるものであってもよい。
[特典について]
前述した実施例においては、特典として、ATに制御可能にするゲーム数を特定するためのナビストックを例示した。しかし、たとえば、ATに制御可能なゲーム数を決定し、当該決定されたゲーム数消化するまでATに制御する場合、ATに制御可能にするゲーム数そのものを特典としてもよい。この場合、遊技者にとっての有利度合いが高いとは、たとえば、多いゲーム数をいう。
また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。この場合、遊技者にとっての有利度合いが高いとは、多いナビ演出実行可能回数をいう。
また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。この場合、遊技者にとっての有利度合いが高いとは、多い上限付与量をいう。
また、前述した実施の形態では、特典として、メダルの払出率に直接影響を及ぼす価値であるナビストックを例示した。しかし、特典としては、前述したようにナビストックとは別にATに制御するATゲーム数を付与するものであってもよく、また、既に付与されている特典を増加させるもの(たとえば、獲得済みのナビストックを増加させるなど)であってもよく、また、いゆゆるビッグボーナスの当選などであってもよい。また、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的には、たとえば、サブ制御部91がAT抽選の当選確率に高い高確率状態と当選確率の低い低確率状態とに制御可能なスロットマシンにおいては高確率状態であるか否かを示唆するための示唆演出の実行すること、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)すること、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行すること、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与すること、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能なQRコード(登録商標)を液晶表示器51において表示することなどであってもよい。
[ATの潜伏について]
前述した実施例では、ART中において残りナビストックが存在する限り、ARTへの制御が継続される例について説明した。しかし、これに限らず、ART中において残りナビストックが存在する場合であっても、ARTが終了したときと同じようにナビ演出を実行せずにATを潜伏させる潜伏期間に制御するようにしてもよい。たとえば、1ナビストックに対応するATが終了するときに、残りナビストックが存在する場合であっても、所定確率で潜伏期間に制御し、当該潜伏期間が経過した後に再びナビストックを消費してATに制御するようにしてもよい。
[RTの終了条件について]
前述した実施例では、RT0〜3は、各々、特定役に入賞することや特殊出目が停止することにより終了する例について説明した。しかし、RT0〜3は、各々、所定ゲーム数消化することにより終了するものであってもよい。
[その他の変形例について]
(1) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、RT3への制御契機である7リプ入賞が成立したときに7リプ表示信号を出力する例について説明したが、7リプ表示信号を出力する契機は、これに限るものではない。以下に具体例を説明する。
(a) RT3の開始後、前述のATにおいてのみ導出される可能性が高まる役(RT3においてナビ演出がないと出現する可能性が極めて低い役)の入賞が成立したときに、7リプ表示信号を出力する。これにより、外部機器側では、7リプ表示信号を受信することにより、RT3中であることに加えてATに制御されている可能性が高いことを特定することができる。
(b) RT3の開始後、前述のATがなしの場合にRT3が終了するゲーム数の期待値よりも多い特定ゲーム数の経過時において、未だRT3への制御が継続していると判定されたときに、7リプ表示信号を出力するものであってもよい。また、RT3の開始後、前述のATがなしの場合に獲得することを期待できるメダル枚数の期待値よりも多いメダル枚数を獲得している時に、7リプ表示信号を出力するものであってもよい。これにより、外部機器側では、7リプ表示信号を受信することにより、RT3中であることに加えてATに制御されている可能性が高いことを特定することができる。
(c) 7リプがRT2以外の遊技状態においても内部抽選において当選可能であって、RT2のときに7リプ入賞することによりRT3に制御可能で、RT2以外の遊技状態において7リプ入賞してもRT3に制御されないスロットマシンにおいて、7リプ入賞がRT2において成立したときにのみ、7リプ表示信号を出力する。これにより、RT2に制御されている状態でかつ7リプ入賞が成立したときのみ7リプ表示信号を出力する構成とする場合でも、遊技状態に応じて内部抽選により抽選の対象となる入賞役の組合せあるいは種類などを設計する際の自由度を広げることができる。
(2) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、RT3への制御に関連して7リプ表示信号を毎回出力する例について説明した。しかし、AT中であってRT3中において、遊技者の操作ミスやボーナスの当選などによりATおよびRT3が中断された場合に、その後、再びATおよびRT3へ移行させることも可能となるが、この場合、一連のATに対して7リプ表示信号を複数回送信してしまい、外部機器において初当りAT回数を正確に把握することができない。よって、一連のAT中において1回だけ7リプ表示信号を出力するようにしてもよい。一連のATとは、たとえば、初当りのATからサブ制御部91により制御することが決定されるATが終了するまでや、ナビストック1に対応する50ゲームのATなどをいい、遊技者の操作ミスなどにより制御される非AT中を含む概念をいう。
一連のATをナビストック1消費に対応する50ゲームのATとした場合、前述した実施例では、ナビストック1消費する毎に7リプ表示信号を出力することができず、外部機器において一連のATへの制御回数を正確に把握することができない。これを解消するために、たとえば、次のような処理を行なって、7リプ表示信号を出力してもよい。
たとえば、RT3への制御に起因して7リプ表示信号を出力した後であって、さらに、当該RT3へ制御されてからナビストック1消費に対応するゲーム数(50ゲーム)を消化した後から、非ATの場合にRT3が終了するゲーム数の期待値よりも多い特定ゲーム数(中ベル、右ベル、維持転リプ2、3、押し順セブン3〜6などの判定値数を考慮して、たとえば8ゲーム)の経過時において、未だRT3への制御が継続していると判定されたときに、7リプ表示信号を再び出力するようにしてよい。すなわち、メイン制御部41は、ナビストック1消費に対応するゲーム数を消化した後、ATなしではRT3への制御を維持できないゲーム数消化してもなおRT3に制御されていると判定したときに、次のナビストックが消費されて制御されたART中であるとみなして、7リプ表示信号を再び出力する。これにより、一連のATをナビストック1消費に対応する50ゲームのATとした場合でも、7リプ表示信号を受信した回数から、外部機器において一連のATへの制御回数を正確に把握することができる。
(3) 前述した実施例におけるスロットマシン1では、7リプ表示信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、当該7リプ表示信号の出力を停止させる特定タイミングに到達し得るために、この場合には特定タイミング以降の所定タイミングに到達するまで7リプ表示信号の出力を継続させる例について説明した。
しかし、特定タイミングは、遊技者からの操作に関わらず、7リプ表示信号の出力を開始してから必ず所定期間経過した後となるタイミングとなるように設定してもよい。たとえば、7リプ表示信号の出力を開始した後の2回目のゲーム終了時に、当該7リプ表示信号の出力を停止するようにしてもよい。この場合、外部機器側では、たとえば、RT3であることが特定されていないときに、7リプ表示信号の出力が停止したときに、RT3に制御されたことを特定し、今回終了したゲームと前回ゲームにおけるメダルIN信号およびメダルOUT信号から特定されるメダルを、RT3中におけるメダルと判定することができる。また、RT3であることが特定されているときに、7リプ表示信号の出力が停止したときに、RT3が終了したことを特定し、当該終了したゲームと前回ゲームにおけるメダルIN信号およびメダルOUT信号から特定されるメダルを、RT3中ではないメダルと判定することができる。これにより、外部機器において7リプ表示信号を確実に検出できるとともに、7リプ表示信号の出力を開始してから特定タイミングに到達したときに未だ所定期間経過していないとった不都合の発生を未然に防止することができる。
また、スロットマシン1においては、7リプ表示信号の出力を開始してから、特定タイミングに到達するまでには、少なくとも、新たなゲームを開始するためにスタートスイッチ7を操作するための時間、リール2L〜2Rの回転が開始されてからリール2L〜2Rが一定速になるまでの時間、および、ストップスイッチ8L〜8Rすべてを操作するための時間を要する。このことから、スロットマシン1においては、7リプ表示信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに特定タイミングに到達するといった状況が発生し難い。また、外部機器において7リプ表示信号を確実に検出するために要する時間を、スロットマシン1において1ゲーム消化するのに要する最短時間よりも短くすることも可能であり、このような場合には、そもそも、7リプ表示信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、当該7リプ表示信号の出力を停止させる特定タイミングに到達するという状況が発生しない。よって、7リプ表示信号の出力時間を計時する処理、および7リプ表示信号の出力時間に応じて7リプ表示信号の出力を終了させるタイミングを遅延させる処理を行なわないものであってもよい。具体的には、図10のSk104、Sk106、Sk108、Sk110、Sk111〜Sk113の処理を行なわず、Sk103からSk114へ移行させ、Sk105においてYESの場合にはSk107へ移行させ、Sk107においてYESの場合にはSk109へ移行させ、Sk107においてNOの場合にはSk114に移行させるようにしてもよい。これにより、7リプ表示信号の出力に要する処理負担を軽減することができる。
(4) 前述した実施例では、外部に出力されるゲーム関連信号としてメダルIN信号やメダルOUT信号を例示したが、ゲーム関連信号はこれに限るものではない。ゲーム関連信号は、ゲームの進行に応じて出力される信号であれば、例えば、ゲーム開始を示すゲーム開始信号、リールの停止を示すリール停止信号、メダルが投入された旨を示すメダル投入信号、クレジットや設定済みの賭数の精算がなされた旨を示す精算信号などであってもよい。特定遊技状態信号としての7リプ表示信号の出力は、これらのゲーム関連信号が出力され得る期間に含まれないタイミングで終了させるように構成すればよい。
(5) 前述した実施例では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出表示させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出表示された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
(6) 前述した実施例における呼び出しランプ装置200などの外部機器である遊技用装置は、実施例におけるスロットマシン1やその他の種類のスロットマシンに対応させて設けられる。また、実施例におけるスロットマシン1に対応させる場合には、当該スロットマシン1からの7リプ表示信号の受信を完了したときに、受信完了タイミングに応じたゲーム数分遡って、ART期間中の賭数や払出数を特定して集計する必要がある。このため、呼び出しランプ装置200などの遊技用装置は、7リプ表示信号受信完了時から遡るゲーム数(たとえば、前回ゲーム、前々回ゲームなど)を設定するための設定手段を備えているものであってもよい。さらに、当該設定手段は、7リプ表示信号受信タイミング(ゲーム終了時かメダルIN信号受信時かなど)に応じて、遡るゲーム数を設定するものであってもよい。これにより、実施例におけるスロットマシン1やその他の種類のスロットマシンを含む複数種類のスロットマシンに対応させて、ART中の情報を正確に集計することができる。
前述した実施例では、7リプ表示信号を最低でも2000msにわたり出力する構成であるが、少なくとも外部機器側で特定可能な時間であれば良く、接続が想定される外部機器に合わせて出力時間は適宜に選択可能である。また、スロットマシン側で7リプ表示信号の最低出力時間を設定するための設定手段を備え、接続される外部機器に合わせて任意に設定できる構成としてもよい。この場合、図10のSk108では、設定手段により設定された最低出力時間経過したか否かを判定し、経過している場合にはSk109へ移行し、経過していないときにはSK110へ移行するようにしてもよい。
また、前述した実施例では、所定期間にわたり外部出力信号を出力することで外部機器にその状態が通知される遊技状態として再遊技役の当選確率が高いRT3を適用しているが、他の遊技状態、例えば、いわゆるビッグボーナスやレギュラーボーナスなど、通常よりも小役の当選確率が高まる状態、全ての小役が許容される状態(リールの引込が一部制限されるとともに、全小役の入賞が許容されるCB(チャレンジボーナス)やCT(チャレンジタイム)など))、さらには、これら遊技者にとって有利な状態への移行確率が通常よりも高い遊技状態などを適用してもよい。さらに、遊技者にとって有利な遊技状態に限るものではなく、例えば、その遊技状態自体は、遊技者にとって不利であるが、一定ゲーム数後に有利な状態に移行し得るなど、当該遊技状態の開始や終了などを特定することで有用な情報を得られる遊技状態であれば不利な遊技状態を適用してもよい。
また、前述した実施例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例ついて説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用してもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例1で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用してもよい。また、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
(7) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。