JP4291019B2 - Ofdm方式の伝送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝送方式として、互いに直交する複数本の搬送波(キャリア)で情報符号を伝送する直交周波数分割多重変調方式(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:以下OFDM方式と記す)の伝送装置で用いるOFDM信号の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、無線装置の分野では、マルチパスフェージングに強い変調方式として、OFDM方式が脚光を集め、欧州や日本を初めとする各国の次世代テレビ放送、FPU、無線LAN等の分野で、多くの応用研究が進められている。 この内、UHF帯の地上デジタル放送方式については、例えば、映像情報メディア学会誌(非特許文献1)に詳しく記されている。
【0003】
しかし、地上デジタル放送方式は非常に複雑な方式のため、この方式の本質を見失う恐れがある。そこで、以下の説明では、より簡単なキャリア構造を有する方式に適用した場合を例に取って説明する。
【0004】
OFDM方式では、図2の様に、一定の伝送帯域幅内に互いに直交するK本、例えば809本の搬送波(キャリア)を設け、情報符号によって指定キャリアを64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)等の変調方式を用いて変調して伝送する。
【0005】
また、その時間波形は、図3に模式的に示す構造を有している。図において、Tu期間の信号は、後述する逆離散フーリエ変換(IDFT)で得られる有効シンボル期間の信号であり、斜線を施した部分b’は、有効シンボル期間の信号の終わりの部分bをコピーして付け加えたガードインターバルの部分を表す。
【0006】
送信信号の1シンボルは、期間長Tuの有効シンボル期間の信号にガード期間長Tgのガードインターバルの信号を加えたTs期間の信号で構成される。図中のNuは有効シンボル期間のサンプリング点数であり、IDFTのポイント数と等しい値である。また、Ngはガードインターバルのサンプリング点数である。以下、各期間の時間間隔を強調したい時はTu,Tg等の記号を用いて時間間隔を表し、サンプリング点数を強調したい時はNu,Ng等の記号を用いて時間間隔を表すこととする。 サンプリングクロック周期をTckとすると、期間長とサンプリング点数の間には、例えばTuとNuの間には、Tu=Nu×Tckの関係が成り立つ。通常、ガード期間長Ngは、有効シンボル長Nuの2の冪乗分の1倍、例えば、1/4,1/8,1/16,1/32倍等に設定される。
【0007】
上記ガードインターバルは、マルチパスフェージングに対する耐性を増すために挿入するものである。 詳細な説明は省略するが、このガードインターバルをNgサンプリング点数分設けると、遅延時間Tg=Ng×Tckの遅延波であれば、例え遅延波が混入しても正しく符号を復号することができるようになる。
【0008】
一方、図4はキャリア構造の一部を拡大して更に詳しく説明する図であって、同様の構造が全伝送帯域に渡って繰り返されると考えて良い。 図4において、横方向に並ぶ「□」印は、それぞれ1本のキャリアを表す。横一列の「□」印はOFDM信号の1つのシンボルを表し、縦方向は時間の経過を表している。
【0009】
CPと書かれた「□」印は、復調の際に必要になる基準信号を再生するのに用いるパイロットキャリアPの位置を示している。また、何も書かれていない「□」印は、例えば64QAMで変調されたキャリア位置を表している。なお、日本のUHF帯の地上デジタル放送方式では、パイロットキャリアPは、図5のSPと書かれた「□」印のように、周波数方向と時間方向にばらまかれた位置に配置されている。そのため、パイロットキャリアPはSP(Scattered Pilot)と銘々されている。しかし、図4のキャリア構造ではパイロットキャリアPを時間方向に連続的に挿入しているので、連続性を強調したCP(Continual Pilot)に変えて示した。
【0010】
図6と図7は、OFDM方式の送信装置と受信装置を構成する回路の中から、本発明に関係する部分を取り出して示した回路図である。
【0011】
送信前処理回路1に入力された情報符号は、誤り訂正符号への変換、64QAMへのマッピング及び図4に従って、dKp=8本毎にCPキャリアを挿入する等の前処理により、図4の横一列に並ぶ各キャリアの信号を表す809ポイントの信号に変換される。そして、その両側にレベル0の信号を加えることにより、合計1024ポイントの周波数分布イメージの信号列が作成される。
【0012】
作成された信号列はNu=1024ポイントの逆離散フーリエ変換(IDFT)を実施するIFFT回路2に入力され、同じNu=1024ポイント(サンプリング点数)の信号で構成される図3の有効シンボル期間Tu=Nu×Tckの時間波形を表す信号列に変換される。ガードインターバル(G)挿入回路3は、この有効シンボル期間の時間波形の内のbの部分、例えばNg=64サンプリング点の部分をb’の部分にコピーして挿入する回路である。
【0013】
この様にガードインターバルを挿入された信号は、送信後処理回路4において更に直交変調、D/A変換、アップコンバート等の後処理を施された後、アンテナ5から送信される。
【0014】
図7の受信装置のアンテナ6で受信された信号は、受信前処理回路7においてダウンコンバート、A/D変換、直交復調等の前処理を実施され、時間系の複素ベクトル信号zin(n)として出力される。ここで、nはサンプリング点の番号である。出力された複素ベクトル信号は2つに分岐され、その一方は、G(ガード)相関回路8に入力され、他方は信号切り出し回路9に入力される。
【0015】
この内、G相関回路8は、受信されたOFDM信号のシンボル位置を検出する回路である。この回路で実施する演算内容を、図8を用いて説明する。
【0016】
G相関回路8(図7)に入力されたOFDM信号の時間系列の複素ベクトル信号zin(n)は2つに分岐され、その一方は図8(b)のように、有効シンボル期間Tuだけ遅延される。 ここで、有効シンボル期間のサンプリング点数Nuは、IFFTのポイント数Nuに等しくなる。
【0017】
有効シンボル期間Nuだけ遅延された信号zin(n−Nu)と、遅延しない信号zin(n)はサンプリング点毎に複素乗算され、
mul(n)= zin(n)×zin(n−Nu)* ・・・・・・・(1)
が算出される。 ここで、A*は、複素数Aの共役複素数を表す。
【0018】
この複素乗算信号の波形を、図8(c)に模式的に示す。同じ信号bとb’を乗算する範囲の値は、|b(n)|2+j・0となり、図8の期間21の様に正の実数値になる。なお、OFDM信号はランダム雑音に近い波形であり、その振幅値である|b(n)|2の値もランダムに振動する。 そのため、正確には図8の期間21のI成分(実数成分)のレベルもランダムに振動するが、ここでは簡単のため直線を用いて模式的に示した。
【0019】
一方、図8の期間22のように、C×B*等互いに異なる複素ベクトル信号を乗算する期間の複素乗算信号は、ランダムなままの波形になる。
【0020】
複素乗算で得られた複素ベクトル信号zmul(n)において、各サンプリング点毎にガード期間長と同じサンプリング点数Ng=64点の信号の加算値の絶対値cg(n)を、式(2)により算出し、
cg(n)=|Σzmul(n−n’)| ・・・・・・・(2)
(ここで、n’=0〜Ng−1)
G相関信号cgとして出力する。図8(d)は、このG相関信号cgの波形を模式的に示したものである。
【0021】
サンプリング点23では、加算する信号がランダムに変化するNgサンプルの信号であるため、互いに打ち消し合い、レベルが比較的小さくランダムな信号になる。
【0022】
これに対し、サンプリング点24では、加算する信号が全て同じ信号bとb’同士の乗算値|b(n)|2+j・0になる。そのため、Ng個の正の実数値が、互いに打ち消し合うことなく全て加算されるようになり、図8(d)の太い矢印で示す様に、大きな正の実数値の信号になる。
【0023】
サンプリング点25の様にサンプリング点24から少しずれると、加算する正の実数値の数が減り、代わりに互いに打ち消し合うランダムな信号の数が増加してそのレベルは徐々に小さくなる。
【0024】
そのため、得られたG相関信号cgの波形は、図8(d)の様にシンボル期間の境界点でピークを持つほぼ三角形の波形になる。従って、このピーク点の位置を検出することにより、注目しているシンボル期間の境界点の位置を検出することができる。
【0025】
図7の回路に戻り、受信前処理回路7から出力されて2つに分岐された他方の複素ベクトル信号が入力される信号切り出し回路9には、上記のG相関回路8で検出されたシンボル期間の境界点の位置信号が入力され、この境界点の位置信号に従って図3の有効シンボル期間Tuに対応する1024サンプリング点の信号列が切り出される。 切り出された信号列は、Nu=1024ポイントの離散フーリエ変換(DFT)を実施するFFT回路10に入力され、周波数分布イメージの信号列である図4の横一列の信号列に戻される。
【0026】
一方、64QAMでマッピングされた信号を復号するには、一般の教科書にも記載されているように、信号空間上の物差しに相当する基準信号が必要である。図4のパイロットキャリアCPは、この基準信号の再生を可能にするために挿入された信号である。例えば、図4のキャリア26に対する基準信号は、このキャリア近傍に並ぶ同じシンボル内の複数のCPキャリアであるCP1、CP2等のキャリアの信号を内挿演算して算出する。そして、算出された基準信号を用いて64QAMの復号を実施する。 図7の受信後処理回路11は、この64QAMのデマッピングと、得られた符号の誤り訂正等の後処理を実施する回路である。受信後処理回路11から出力された符号は、復号された情報符号として受信装置から出力される。
【0027】
ところで、詳細な説明は省略するが、受信信号に、マルチパスによる遅延波が混入すると、図7のFFT回路10から出力される信号に含まれる直接波成分信号の各キャリアの基準信号の位相角が、図9の(a)のように一定であっても、受信信号に混入した遅延波成分信号に対する各キャリアの基準信号の位相角は、図9の(b)のように、キャリア番号が増加するに連れてキャリア方向に一定の割合で回転する現象が発生する。 そして、その回転の割合(回転周波数)は、遅延波の遅延時間とともに変化する。
【0028】
例えば、FFTのポイント数を1024点とすると、直接波に対してnサンプリング期間遅れた遅延波の基準信号の位相角は1024キャリア(サンプリング)当たりn回転の割合で回転し、正の周波数成分の回転が発生する。従って、キャリア番号を時間軸に見立ててこの基準信号の回転周波数の分布を表すと、図10の斜線枠のように、遅延波の回転振動の周波数成分は正方向の軸上にのみ現れる分布になる。なお、図9で各キャリアの基準信号のキャリア方向における回転の周波数を、通常の時間軸上における振動の周波数と区別する必要がある場合は、以下「キャリア方向周波数」と記す。図10の横軸は、このキャリア方向周波数を1024キャリア当たりの回転数で表したものであり、以下簡単のため、この周波数の単位を「cHz」と記す。
【0029】
以上の知識を踏まえて、図7の受信後処理回路11で実施する基準信号の再生方法を更に詳しく説明する。 即ち、この基準信号を再生するため、FFT回路10から出力された信号列はP(パイロット)キャリア抽出&ゼロ挿入回路12に入力される。 そして、FFT回路10の出力信号から、dKp=8キャリア毎に挿入されているCPキャリア信号(図4)を抽出すると共に、残りのキャリアの信号値を零にして出力する。 この処理は、図9の8キャリア毎のCPキャリア位置に太い矢印で示す基準信号をサンプリングした信号になっており、そのキャリア方向周波数分布は、図11(a)〜(h)の様に、図10の分布が巡回的に8回繰り返される構造になる。なお、斜線枠は、ガード期間長Ng=64の時に復号可能な遅延波によって生じるキャリア方向周波数成分の分布の範囲を表している。また、縦の矢印のキャリア方向周波数の位置は、受信される直接波(通常は主波)で発生するキャリア方向周波数成分の位置を表している。
【0030】
そこで、基準信号の再生は、Pキャリア抽出&ゼロ挿入回路12で抽出して得られたCPキャリア信号列を、複素フィルタで構成されたキャリア方向内挿回路13に入力し、図11(a)の太い枠線で示す領域の成分を抜き出すことにより実施することができる。
【0031】
従って、この方法で基準信号を再生可能な遅延波の最大の遅延時間は、実際には、図12の様に、Ng0=Nu/dKp=1024/8=128サンプリング期間の長さの遅延時間Tg0=Ng0×Tckになる。
【0032】
ところで、前述したように、OFDM方式では挿入したガードインターバルの期間長Ngまでの範囲の遅延時間の遅延波であれば、直接波に混入していても、復号可能である。従って、ガードインターバルの長さを長くするほど、遅延波に対する耐性を上げることができる。 しかし、Ng0=128サンプリング期間より長くした場合、この期間を超える遅延時間の遅延波が混入すると基準信号を正しく再生できなくなるため結局復号できず、ガードインターバル期間に無駄が生じる。
【0033】
逆に、ガードインターバルの長さがNg0=128サンプリング期間より短い場合は、ガードインターバルによって復号可能になる遅延波で発生するキャリア方向周波数成分の分布が図11の様になり、基準信号を再生可能なキャリア方向周波数帯域に無駄が生じる。
【0034】
これらの無駄は、何れも結局のところ伝送レートの低下を招くため、好ましくない。従って、OFDM信号で設定するガードインターバルのサンプリング点数Ngとしては、Ng0=Nu/dKp=128サンプリング点に設定するのが、最も無駄がなく好ましい。
【0035】
【非特許文献1】
“映像情報メディア学会誌”、1998年,Vol.52,No.11
【0036】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、送信する複数本のキャリアの間に一定のキャリア間隔dKpでCPキャリアを挿入すると、CPキャリアの信号成分のみからなるCP成分信号の時間波形には、有効シンボル長NuとCPキャリア間隔dKpの比、すなわち、 Ng0=Nu/dKpの期間を単位とする周期性が発生する。
【0037】
例えば、Nu=1024、dKp=8とすると、図13(a)に模式的に示す様に、有効シンボル期間を丁度8等分する、Ng0=Nu/dKp=128サンプリング点数を単位とする周期性が発生する。図において、小さな四角の枠内の折れ線波形が同じ部分は全て同じ時間波形であり、枠内の折れ線波形の上下が反転している部分はその期間の時間波形の極性が互いに反転していることを表す。
【0038】
一方、G相関信号cgを算出する際、図13(a)の信号を有効シンボル長に相当するサンプリング点数Nuだけ遅延して複素乗算するが、ガード期間長Ngが、Ng0/2=64の様にNg0以外の値であれば、図13(a)と(b)の様に、範囲bを除く領域の波形は互いにずれて相関が無くなる。そのため、その複素乗算値は図8(c)と同様に範囲bのみ正の実数になり、その他の領域ではランダムな波形になる。そして、そのG相関信号波形として、図8(d)の様な三角波形関波形が得られる。
【0039】
しかし、ガード期間長Ngを上記の値Ng0=128に設定すると、図14(a)と(b)の様に、範囲bを除く領域の波形は互いに逆極性ではあるが正確に同じ波形の信号になり、図8(c)に対応する複素乗算後の信号波形は、図14(c)の様に、それぞれの領域で振幅は等しいが極性が反転した波形になる。従って、図8(d)に対応する相関信号波形は図14(d)の実線の波形になり、三角波形が得られなくなる。
【0040】
実際には、このCPキャリアの信号成分のみからなるCP成分信号の相関信号に、図14(d)に破線で示すデータキャリア信号成分の相関信号が加算されるため、図14(e)の実線の様に三角波形に近いG相関信号波形になる。しかし、フロア部分のレベルが上がるため、雑音レベルが高くなるとピーク点の検出に対する誤り率が増加する問題が生じる。ここで、図14では、説明を簡単にするため、図8(d)の雑音波形に相当する部分を直線で近似して示した。
【0041】
上記問題は遅延波が混入すると更に悪化する。例えば、図15(b)の様に、サンプリング点数Ngに相当する遅延時間で、しかも同レベルで逆極性の遅延波が混入すると、その混合信号のCP成分信号の時間波形は、図15(c)の様になる。 即ち、ガードインターバルの期間では直接波と遅延波のCP成分信号が逆極性になり、互いに打ち消しあってそのレベルが0になる。しかし、それ以外の期間では互いに同極性になって加算され、そのレベルが2倍になる。そのため、CP成分信号の図8(c)に対応する複素乗算後の信号波形は、図15(e)に示す様に、直接波と遅延波の範囲bの複素乗算値は0になり、その他の領域の複素乗算値は振幅が4倍で極性が負の波形になる。そのため、その相関信号波形は図15(f)のように、図8(d)の波形とは全く逆で、シンボルの境界近傍でレベルが下がる相関信号波形になる。
【0042】
実際にはこのCP成分信号の相関信号に破線で示すデータキャリア成分による相関信号(台形になる)が加算される。しかし、通常、CPキャリア信号のレベルはデータキャリアの信号レベルの4/3倍等、データキャリアの平均レベルより大きいレベルに設定されるため、CP成分信号の相関信号とデータキャリア信号成分の相関信号を加算して得られるG相関信号波形は、図15(g)の様な波形になり、必ずしもシンボルの境界近傍にピークが発生しない波形になる。
【0043】
そのため、かなり特殊な条件下ではあるが、シンボルの境界位置の検出を誤り、シンボル同期はずれを起こし易くなる問題が生じる。
【0044】
本発明の目的は、受信信号の状態によらず常に歪の無いG相関波形が得られ、シンボル同期がはずれ難いOFDM信号でありながら、挿入するパイロットキャリアの本数やガード期間長に無駄のないOFDM方式の伝送装置を提供することにある。
【0045】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、第1の本発明は、設定するガード期間長Ngを、図1の様に、帯域の利用効率低下の原因となるキャリア方向周波数帯域あるいはガード期間長の無駄が最も少なく効率的なガードインターバルのサンプリング点数Ng0=Nu/dKpの近傍のガード期間長であるが、Ng0に等しくないガード期間長に設定するものである。
【0046】
ところで、地上デジタル放送方式を始めとする従来のOFDM方式の伝送装置では、ガード期間長Ngは、1024ポイント等、2の冪乗ポイントの有効シンボル長Nuを正確に割り切れる、Nuの2の冪乗分の1倍の値、例えば、Nuの1/4,1/8,1/32倍等の値に設定していた。すなわち、例えば、Ng=256,128,64等のサンプリング点数に設定していた。
【0047】
これに対し、第1の本発明では、ガード期間長として、これらの従来の設定値以外のサンプリング点数にガード期間長を設定することを意味する。
【0048】
具体的には、第1の本発明は、互いに直交するK本の搬送波(キャリア)を情報符号で変調して伝送する直交周波数分割多重変調方式(OFDM方式)の伝送装置において、該OFDM方式の伝送信号であるOFDM信号は、有効シンボル長Tuのサンプリング点数がNuであって、dKp本毎にパイロットキャリアCPを挿入されたキャリア構造を有し、該OFDM信号のガード期間長Tgのサンプリング点数Ngが、Nu/dKpの四捨五入値round(Nu/dKp)を除く、
round((Nu/dKp)/2)<Ng<round(Nu/dKp)
あるいは、
round(Nu/dKp)<Ng<round((Nu/dKp)×2)
の範囲内にある整数値であるOFDM信号としたものである。
【0049】
また、第2の本発明は、互いに直交するK本の搬送波(キャリア)を情報符号で変調して伝送する直交周波数分割多重変調方式(OFDM方式)の伝送装置において、該OFDM方式の伝送信号であるOFDM信号は、有効シンボル長Tuのサンプリング点数がNuであって、dKp本毎にパイロットキャリアCPを挿入されたキャリア構造を有し、該OFDM信号のガード期間長Tgのサンプリング点数Ngが、Nu/dKpの四捨五入値round(Nu/dKp)を除く、
round[Nu×dKp2/[(dKp+1)2×(dKp−1)]]
≦Ng<round(Nu/dKp)
あるいは、
round(Nu/dKp)<Ng
≦round[Nu×(dKp−1)2/[dKp2・(dKp−2)]]
の範囲内にある整数値であるOFDM信号としたものである。
【0050】
また、第3の本発明は、OFDM信号のガード期間長Tgのサンプリング点数Ngが、第1と第2の本発明に記載の範囲にあり、かつ2m×M(但し、m=1,2,・・・、M=3,4,・・・)を満たす整数値であるOFDM信号としたものである。
【0051】
更に、第4の本発明は、パイロットキャリアであるCPキャリアを、シンボル毎に異なるランダム符号Wiで変調するものである。
【0052】
具体的には、第4の本発明は、互いに直交するK本の搬送波(キャリア)を情報符号で変調して伝送する直交周波数分割多重変調方式(OFDM方式)の伝送装置において、当該OFDM方式の伝送信号であるOFDM信号は、有効シンボル長Tuのサンプリング点数がNuであって、dKp本毎にパイロットキャリアCPを挿入されたキャリア構造を有し、該パイロットキャリアCPが、隣接するシンボル間で互いに異なるランダム符号列Wi,Wi’,Wi”,・・・で変調されたOFDM信号としたものである。
【0053】
また、第5の本発明は、第4の本発明において、OFDM信号は、パイロットキャリアCPを互いに異なる2つのランダム符号列WiとWi’でシンボル毎に交互に変調したOFDM信号としたものである。
【0054】
また、第6の本発明は、第4と第5の本発明において、OFDM信号のガード期間長Tgのサンプリング点数Ngが、
round[Nu×dKp2/[(dKp+1)2×(dKp−1)]]≦Ng
≦round[Nu×(dKp−1)2/[dKp2・(dKp−2)]]
の範囲内にある整数値であるOFDM信号としたものである。
【0055】
更に、第7の本発明は、図5のように、パイロットキャリアSPを周波数方向と時間方向にばらまかれた位置に配置し、且つ、パイロットキャリアSPを有する斜線を施したパイロットキャリアの間隔をdKpとする時、そのガード期間長Ngを、Ng0=Nu/dKpの近傍の値に設定するものである。
【0056】
具体的には、第7の本発明は、互いに直交するK本の搬送波(キャリア)を情報符号で変調して伝送する直交周波数分割多重変調方式(OFDM方式)の伝送装置において、OFDM方式の伝送信号であるOFDM信号は、有効シンボル長Tuのサンプリング点数がNuで、mpを2以上の整数とする時、(mp×dKp)本毎にパイロットキャリアSPを挿入され、パイロットキャリアSPの挿入位置がmpシンボル周期でdKp本単位で順次ずらされて配置されるキャリア構造を有し、該OFDM信号のガード期間長Tgのサンプリング点数Ngが、
round[Nu×dKp2/[(dKp+1)2×(dKp−1)]]≦Ng
≦round[Nu×(dKp−1)2/[dKp2・(dKp−2)] ]
の範囲内にある整数値であるOFDM信号としたものである。
【0057】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1(a)を用いて説明する。なお、伝送装置の回路構成は、図6のガードインターバル(G)挿入回路3と図7のG相関回路8に設定するガードインターバルの長さが異なるだけで、基本的な信号処理内容は、従来と同様である。 そこで、この実施の形態の説明では、回路構成に関する説明は省略する。
【0058】
この実施の形態においては、図1(a)に示すように、ガード期間長Ngを、Ng0=round(Nu/dKp)より小さく、Ng0=round((Nu/dKp)/2)より大きい値、例えば、Nu=1024の時、Ng=Ng0−23に設定する。ただし、round(A)は、Aの値の四捨五入値を表し、CPキャリア間隔dKpは、2の冪乗の値、例えば、dKp=8とする。
【0059】
ここで、ガード期間長Ngを、Ng0−23の様に、Ng0から2の冪乗値を引いた値に設定したのは、サンプリングクロック周波数とシンボル周波数の関係を、できるだけ簡単な分周比の関係にするためである。
【0060】
例えば、Nu=1024,dKp=8の場合に、Ng=Ng0−7にすると、(Nu+Ng)/Nu=1145/1024=(5×229)/210 となって非常に複雑な分周比になるが、Ng=Ng0−23にすると、(Nu+Ng)/Nu=1144/1024=(11×13)/27=143/128 となり、比較的簡単な分周比になるので、PLLを構成し易くなる効果が得られる。
【0061】
また、Ng0が2の冪乗でない時は、Ngが、できるだけ高次の2の冪乗数をその約数に含むようにNg0−Ngの値を選択すれば、同様の効果を得ることができる。例えば、Nu=1024,dKp=7とすると、Ng0=round(Nu/dKp)=round(146.3)=146となるが、Ng=24・(23+1)=144に設定することにより、(Nu+Ng)/Nu=1168/1024=(24×73)/(24・64)=73/64となり、比較的簡単な分周比にすることができる。
【0062】
この時、ガード期間長Ngの値はNg0に等しくなければ任意の値で良いが、Ng0の2分の1以下になると復調可能な遅延波で発生するキャリア方向周波数の分布は図11のようになり、基準信号を再生可能な帯域の半分が大きく無駄になる。 逆に、ガード期間長を長くしてNg0の2倍に設定しても、遅延時間がNg0を超える遅延波が混入すると復調できなくなるため、設けたガードインターバルの半分が大きく無駄になる。
【0063】
そのため、ガード期間長を従来の様に有効シンボル長Nuの1/4,1/8等の2の冪乗分の1に設定した場合に比べて、無駄が少なく効率的なガード期間長にするためには、少なくとも、
round((Nu/dKp)/2)<Ng<round(Nu/dKp) ・・・・(3)
あるいは、
round(Nu/dKp)<Ng<round((Nu/dKp)×2) ・・・・(4)
の範囲に設定する必要がある。ここで、何れの不等式も、等号を含まないことを注意しておく。
【0064】
ガード期間長が、このように設定されたOFDM信号のCP成分信号に対するG相関信号を算出する場合、例えば上記式(3)の範囲に設定した場合、図16(b)のように、有効シンボル期間Nu遅延した信号と図16(a)の遅延前の信号のタイミングは微妙にずれる。
【0065】
一方、CPキャリア成分のみの信号とは言え、四角の枠内の信号波形は、ランダム雑音波形に近い波形であり、1サンプリング点でもずれると互いに無相関になる。そのため、その複素乗算値は、図16(c)の様に図8(c)に類似した波形になり、Ngサンプルの複素乗算値を加算して得られる相関信号波形も図8(d)と同様な三角波形に成る。データキャリア信号成分の相関波形も三角波形なので、その加算信号であるG相関信号の波形も従来と同様の三角波形になり、シンボル同期を常に正しく引き込んでおくことができるようになる。
【0066】
この状態は、遅延波が混入する場合にも成り立つ。即ち、図15の場合と同様に、遅延時間がNg0で、しかも同レベルで逆極性の遅延波が混入すると、その混合信号のCP成分信号の時間波形には、図17(c)の様に、互いに同極性になって2倍に加算される領域が発生する。 しかし、この遅延波が混入した受信信号のG相関信号を算出すると、図16と同様の理由により、その相関信号波形が三角波形になる。そのため、データキャリア信号成分の相関波形との加算信号であるG相関信号の波形も、従来と同様の三角波形になり、シンボル同期を常に正しく引き込んでおくことができるようになる。
【0067】
この様に、式(3)と式(4)に示す範囲にガード期間長Ngを設定すると、受信信号の状態によらず、常に歪の無いG相関波形が得られるようになる。そのため、帯域の利用効率低下の原因となるキャリア方向周波数帯域あるいはガード期間長の無駄が少なくなるだけでなく、従来の様に有効シンボル長Nuの1/4,1/8倍等、Nuの2の冪乗分の1倍にガード期間長を設定する場合に比べ、シンボル同期がはずれ難いOFDM方式の伝送装置を得ることができる。
【0068】
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、本実施の形態は第1の実施の形態で説明したガード期間長Ngの設定範囲に関するものであり、伝送装置の回路構成と基本的な信号処理内容は第1の実施の形態と同様なので、回路構成に関する説明は省略する。
【0069】
上記の第1の実施の形態では、CPキャリア間隔dKpを定めた時に、無駄が少なく効率的なガード期間長が得られる範囲を示した。しかし、伝送方式の評価の観点からは、最もOFDM方式の伝送に適したdKp,Ngのパラメータ値を選択することが好ましい。
【0070】
ところで、伝送方式の評価の指標の1つとしては、通常、帯域の利用効率を表す単位帯域幅あたりの伝送レートである伝送レート密度が用いられる。 データキャリアを変調する方式を、64QAM等の変調方式に固定する場合、その伝送レート密度Rは、CPキャリア間隔dKpとガード期間長Ngをパラメータとして次式に比例する値として求められ、dKpが大きい程、またNgが小さい程、伝送効率が高くなる結果しか得られない。
【0071】
R(dKp,Ng)=(dKp−1)/dKp
×1/(1+Ng/Nu) ・・・・・・・(5)
しかし、通常、OFDM方式は遅延波と移動体無線に優れていることが特徴であり、その耐性を含めて評価すべきである。 この耐性も含めた伝送効率の評価指標はまだ無いが、キャリア間隔が広いほどフェージング等による移動体無線の耐性が高くなることに着目し、例えば復調可能な最大遅延時間TDを一定とし、キャリア間隔に比例するサンプリングクロック周波数fck=1/Tckと伝送レート密度Rの積H1を指標として評価することができる。
【0072】
ところで、ガード期間長をNg<Ng0=Nu/dKpの範囲に設定すると、遅延時間がガード期間長Ng以内の遅延波の基準信号のキャリア方向周波数は、図18(a)の高調波成分と分離された斜線枠内に分布し、常に復調することができる。なお、図18は、図11の(a)と(b)の領域を拡大して示したものである。
【0073】
従って、この条件下では、復調可能な最大遅延時間は、TD=Ng×Tckと成るので、上記の評価値H1s(sはNgがNg0より短いことを意味する)は、CPキャリア間隔dKpとガード期間長Ngをパラメータとして、次式で求められる。
【0074】
H1s(dKp,Ng)=R(dKp,Ng)×1/Tck
=[(dKp−1)/dKp]×Ng/(1+Ng/Nu)/TD ・・・ (6)
一方、ガード期間長のサンプリング点数Ngを保ったまま、CPキャリア間隔dKpを、dKp’=dKp+1 に増加すると、Ng0’=Nu/dKp’=Nu/(dKp+1)は、Ngより短くなる。 そのため、図18(b)の様に、Ng0’を超えた遅延時間の遅延波で発生するキャリア方向周波数は、高調波成分の領域で発生し、基準信号を再生できなくなる。
【0075】
従って、劣化復号可能な遅延時間は、TD=Ng0’×Tckと成る。そのため、この時の評価値H1l(lはNgがNg0’より長いことを意味する)は、CPキャリア間隔dKpとガード期間長Ngをパラメータとして次式で求められる。
【0076】
H1l(dKp,Ng)=R(dKp’,Ng)×Ng0’/TD
=[dKp/(dKp+1)2]×Nu/(1+Ng/Nu)/TD ・・・(7)
ところで、この評価方法では、H1l<H1sの場合は、dKpを増加しない方がOFDM方式の特徴を生かした最適なパラメータ設定であることになる。 この限界点でのNgの値Ngdは、H1l=H1sの条件から算出され、次式
Ngd=dKp2/[(dKp+1)2×(dKp−1)]×Nu ・・・ (8)
で求められる。
【0077】
逆に、Ngの上限値Nguは、dKpをdKp”=dKp−1に減らした場合の評価値を比較することによって得られ、式(8)のdKpをdKp−1に置き換えた次式、
Ngu=(dKp−1)2/[dKp2×(dKp−2)]×Nu ・・・ (9)
で求められる。
【0078】
従って、式(8)と式(9)から、遅延波と移動体無線に対する耐性を含めたOFDM方式にとって最適なNg値の範囲である次式が得られる。
【0079】
round[Nu×dKp2/[(dKp+1)2×(dKp−1)]]
≦Ng<round(Nu/dKp) ・・・・・・・(10)
あるいは、
round(Nu/dKp)<Ng≦round[Nu×(dKp−1)2
/[dKp2・(dKp−2)]] ・・・・ (11)
ガード期間長が、この範囲に設定されたOFDM信号で得られるG相関信号の波形は、第1の実施の形態の場合と同じなので、説明を省略する。
【0080】
この様に,式(10)と式(11)に示す範囲にガード期間長Ngを設定すると、受信信号の条件によらず常に歪の無いG相関波形が得られる様になる。そのため、帯域の利用効率低下の原因となるキャリア方向周波数帯域あるいはガード期間長の無駄が少ないだけでなく、従来の様に、有効シンボル長Nuの1/4,1/8倍等、Nuの2の冪乗分の1倍にガード期間長を設定する場合に比べて、シンボル同期がはずれ難いOFDM方式の伝送装置を得ることができる。
【0081】
本発明の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態においても、伝送装置の回路構成は図6と同様であるが、第1および第2の実施の形態と異なり、送信前処理回路1で実施する処理内容が異なる。 そこで、この回路で実施する処理の相違点を中心に説明する。
【0082】
ところで、混乱を避けるため、図4および図9の説明では、暗黙的に、全てのCPキャリアが同じ位相方向に変調されているものとして説明した。 しかし、実際には図19に模式的に示す様に、ランダム符号列Wi(k)により、CPキャリア毎にランダムにその極性を反転する変調を受けた信号になっている。ここで、kはキャリア番号を表す。
【0083】
CPキャリアのみからなるCP成分信号の時間系の信号波形の周期性は、CPキャリアがdKp本間隔で挿入されるために生じるもので、変調されている場合にも周期性が現れる。また、従来の伝送装置では全てのシンボルで同じランダム符号列Wiを用いて変調しているため、CPキャリアのみからなるCP成分信号の波形は全てのシンボルで同一波形になり、図13から図15で説明した問題が発生した。
【0084】
これに対し本実施の形態では、CPキャリアを変調するランダム符号列としてWiとWi’の2つのランダム符号列を用意し、シンボル毎に交互に入れ替えてCPキャリアを変調するようにする。
【0085】
上記した様に、CP成分信号の周期性はCPキャリアを一定間隔で挿入するために発生するものであるため、ランダム符号列を入れ替えても発生する。しかし、連続する2シンボルで発生するCP成分信号の波形は互いに異なるため、ガード期間長Ngを最も無駄のないガード期間長Ng0=Nu/dKpに設定しても図13から図15で説明したような問題は発生せず、図8で説明したものと同様の波形のG相関信号を得ることができる。そのため、シンボル同期を常に正しく引き込んでおくことができるようになる。
【0086】
なお、以上の説明から明らかな様に、複数のランダム符号列を順番に入れ替えてCPキャリアを変調しても良いのは明らかである。
【0087】
この様に,本実施の形態を用いると、ガード期間長Ngが最も無駄のない長さで、しかも受信信号の条件によらず常に歪の無いG相関波形が得られてシンボル同期がはずれ難いOFDM方式の伝送装置を得ることができる。
【0088】
本発明の第4の実施の形態を説明する。本実施の形態においても、伝送装置の回路構成は図6と同様であるが、第1および第2の実施の形態と異なり、送信前処理回路1で実施する処理内容が異なる。 そこで、この回路で実施する処理の相違点を中心に説明する。
【0089】
本実施の形態が、第1から第3の実施の形態と大きく異なるのは、パイロットキャリアの配置を、図4のCP配置から図5のSP配置に変えた点にある。図5の配置の場合、各キャリアの基準信号の再生は以下の手順で実施する。 即ち、初めに斜線を施したキャリアの基準信号を、シンボル方向に隣接するSPキャリアの信号を内挿することによって算出する。 その後、斜線を施したキャリアで再生した基準信号をキャリア方向に内挿し、各キャリアの基準信号を再生する。
【0090】
従ってこの場合、斜線を施したキャリアの基準信号が図4のCPキャリアに相当する役割を果たし、無駄のないガード期間長Ng0は、斜線を施したキャリアの間隔dKpからNg0=Nu/dKpによって求められる。このキャリア間隔値dKpを用いると、1つのシンボル内でのSPキャリアの間隔は、mpを2以上の整数とするとき、(mp×dKp)で表せる。図5の場合、mpは4になる。
【0091】
ところで、図5のパイロットキャリア配置を用いる場合、SPキャリアを変調するランダム符号列は明らかにシンボル毎に異なる。そのため、SPキャリアの信号成分のみからなるSP成分信号の時間系の信号の波形は、シンボル毎に異なり、無相関となる。従って、ガード期間長Ngを、最も無駄のないガード期間長(Ng0=Nu/dKp)に設定しても、図13から図15で説明したような問題は発生しなくなる。そのため、図8で説明したものと同様の波形のG相関信号を得ることができ、シンボル同期を常に正しく引き込んでおくことができるようになる。
【0092】
この様に,本実施の形態を用いると、ガード期間長Ngが最も無駄のない長さで、しかも受信信号の条件によらず常に歪の無いG相関波形が得られてシンボル同期がはずれ難いOFDM方式の伝送装置を得ることができる。
【0093】
なお、第3の実施の形態と第4の実施の形態では、ガード期間長Ngを、最も無駄のない長さ(Ng0=Nu/dKp)に設定する場合を説明したが、Ng0=Nu/dKpを含む、
round[Nu×dKp2/[(dKp+1)2×(dKp−1)]]≦Ng≦round[Nu×(dKp−1)2/[dKp2・(dKp−2)]]・・・・・・・・(12)
の範囲に設定すれば、第2の実施の形態と同程度の精度で無駄の少ないOFDM方式の伝送装置を実現できる。
【0094】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明による構造のOFDM信号を用いると、帯域の利用効率低下の原因となるキャリア方向周波数帯域あるいはガード期間長の無駄が少ないだけでなく、従来の様に有効シンボル長Nuの1/4,1/8倍等、Nuの2の冪乗分の1倍にガード期間長を設定する場合に比べ、シンボル同期がはずれ難いOFDM方式の伝送装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のOFDM信号の構造を説明する模式図
【図2】一般的なOFDM方式のキャリア構造を説明する模式図
【図3】OFDM信号の時間系の信号構造を説明する模式図
【図4】CPキャリアを挿入されたOFDM信号のキャリア構造の詳細な説明図
【図5】SPキャリアを挿入されたOFDM信号のキャリア構造の詳細な説明図
【図6】従来のOFDM方式の送信装置の構成を示すブロック図
【図7】従来のOFDM方式の受信装置の構成を示すブロック図
【図8】G相関回路で実施する演算動作を説明する模式図
【図9】受信信号の各キャリアの基準信号の波形を説明する模式図
【図10】OFDM信号の各キャリアの基準信号のキャリア方向周波数分布を説明する図
【図11】ガード期間長が(Nu/dKp)/2の場合のキャリア方向周波数分布の説明図
【図12】ガード期間長が(Nu/dKp)に等しい場合のキャリア方向周波数分布説明図
【図13】従来の構造のOFDM信号で問題が発生しない場合を説明する模式図
【図14】従来の構造のOFDM信号で発生する問題を説明する模式図
【図15】従来の構造のOFDM信号で発生する遅延波が混入する場合を説明する模式図
【図16】本発明の第1の実施の形態の構造のOFDM信号を説明する模式図
【図17】本発明の図16のOFDM信号に遅延波が混入している場合を説明する模式図
【図18】ガード期間長Ngの設定値によって発生する無駄を説明する模式図
【図19】パイロットキャリアの変調を説明する図
【符号の説明】
1:送信前処理回路、2:IFFT回路、3:ガードインターバル挿入回路、4:送信後処理回路、5,6:アンテナ、7:受信前処理回路、8:G相関回路、9:信号切り出し回路、10:FFT回路、11:受信後処理回路、12:Pキャリア抽出&ゼロ挿入回路、13:キャリア方向内挿回路。

Claims (6)

  1. 互いに直交するK本の搬送波(キャリア)を情報符号で変調して伝送する直交周波数分割多重変調方式(OFDM方式)の伝送装置において、該OFDM方式の伝送信号であるOFDM信号は、有効シンボル長Tuのサンプリング点数がNuであり、dKp本毎にパイロットキャリアCPを挿入されたキャリア構造を有し、
    該OFDM信号のガード期間長Tgのサンプリング点数Ngが、Nu/dKpの四捨五入値round(Nu/dKp)を除く、
    round((Nu/dKp)/2)<Ng<round(Nu/dKp)
    あるいは、
    round(Nu/dKp)<Ng<round((Nu/dKp)×2)
    の範囲内にある整数値であるOFDM信号としたことを特徴とする伝送装置。
  2. 互いに直交するK本の搬送波(キャリア)を情報符号で変調して伝送する直交周波数分割多重変調方式(OFDM方式)の伝送装置において、該OFDM方式の伝送信号であるOFDM信号は、有効シンボル長Tuのサンプリング点数がNuであり、4以上のdKp本毎にパイロットキャリアCPを挿入されたキャリア構造を有し、
    該OFDM信号のガード期間長Tgのサンプリング点数Ngが、Nu/dKpの四捨五入値round(Nu/dKp)を除く、
    round[Nu×dKp 2 /[(dKp+1) 2 ×(dKp−1)]]≦Ng<round(Nu/dKp)
    あるいは
    round(Nu/dKp)<Ng≦round[Nu×(dKp−1) 2 /[dKp 2 ×(dKp−2)]]
    の範囲内にある整数値であるOFDM信号としたことを特徴とする伝送装置。
  3. 請求項1または2に記載の伝送装置において、上記OFDM信号は、そのガード期間長Tgのサンプリング点数Ngが、2 ×M(但し、m=1,2,・・・、M=3,4,・・・)を満たす整数値であるOFDM信号としたことを特徴とする伝送装置。
  4. 互いに直交するK本の搬送波(キャリア)を情報符号で変調して伝送する直交周波数分割多重変調方式(OFDM方式)の伝送装置において、該OFDM方式の伝送信号であるOFDM信号は、有効シンボル長Tuのサンプリング点数がNuであり、dKp本毎にパイロットキャリアCPを挿入されたキャリア構造を有し、該パイロットキャリアCPが隣接するシンボル間で互いに異なるランダム符号列Wi,Wi’,Wi”,・・・で変調されたOFDM信号であることを特徴とする伝送装置。
  5. 請求項4に記載の伝送装置において、上記OFDM信号は、上記パイロットキャリアCPを互いに異なる2つのランダム符号列WiとWi’でシンボル毎に交互に変調したOFDM信号であることを特徴とする伝送装置。
  6. 請求項4または5に記載の伝送装置において、上記OFDM信号は、前記dKpが4以上であって、ガード期間長Tgのサンプリング点数Ngが、
    round[Nu×dKp 2 /[(dKp+1) 2 ×(dKp−1)]]≦Ng≦round[Nu×(dKp−1) 2 /[dKp 2 ×(dKp−2)]]
    の範囲内にある整数値であるOFDM信号としたことを特徴とする伝送装置。
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