JP2004032748A - 直交周波数分割多重化通信システムのためのマルチパス等化技術 - Google Patents
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Abstract
【課題】パイロット信号自体が弱くなっても、良好なチャンネル推定を行うことができるようにすること
【解決手段】乗算器において逆マッピングされたデータの共役を入力されたサブキャリアに乗算し、その結果に対して逆FFTを実行し、その結果をローパスフィルタ処理し、その結果に対してFFTを実行し、新しいチャンネル推定値を得ることによってこの改善されたチャンネル推定値が得られる。各サブキャリアを新しいチャンネル特性値で除算し、データ信号への新しい等化値を得る。収束が生じるまで、このチャンネル推定を繰り返し、逆マッピング後に出力が得られる。
【選択図】 図2
【解決手段】乗算器において逆マッピングされたデータの共役を入力されたサブキャリアに乗算し、その結果に対して逆FFTを実行し、その結果をローパスフィルタ処理し、その結果に対してFFTを実行し、新しいチャンネル推定値を得ることによってこの改善されたチャンネル推定値が得られる。各サブキャリアを新しいチャンネル特性値で除算し、データ信号への新しい等化値を得る。収束が生じるまで、このチャンネル推定を繰り返し、逆マッピング後に出力が得られる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は直交周波数分割多重化(OFDM)通信システムに関し、より詳細には、反復チャンネル推定によりOFDM通信システムのマルチパス等化を行うことに関する。
【0002】
【従来の技術】
直交周波数分割多重化(OFDM)通信システムは、欧州では地上波テレビのための地域規格(DVB−SI)として、更に日本では地上波テレビのための地域規格(ISDB−T)として既に採用されている。欧州用の規格DVB−SI規格に関しては、この規格は「テレビ、サウンドおよびデータサービスのためのデジタル放送システム;地上波デジタルテレビのためのフレーミング構造、チャンネル符号化および変調」ETS300744、1997年に記載されており、日本のための規格ISDB−Tに関しては「地上波テジタルテレビ放送の技術仕様」ARIBドラフト仕様、バージョン0.5、2000年12月が参考となろう。
【0003】
OFDMスペクトル拡散技術は精密な周波数で離間するように拡散された多数のサブキャリアにデータを載せて分散させるものである。サブキャリアを離間させたことによってこの技術では直交性が得られ、この直交性によって復調器が自己の周波数以外の周波数を処理することを防止できる。OFDM技術はキャリア間の干渉を除くために高速フーリエ変換(FFT)および逆高速フーリエ変換(IFFT)の直交性に依存している。送信機側ではIFFTによりキャリア周波数を精密設定する。多数の(キャリアごとに1つずつ)コンステレイション(constellation)エンコーダによりデータをコンステレイションポイントに符号化する。コンステレイションエンコーダの出力の複素数の値はIFFTへの入力信号となる。無線送信を行うためにIFFTの出力信号はアナログ波形に変換され、無線周波数までアップコンバートされ、増幅され、送信される。受信機側では逆のプロセスが実行される。受信された信号は増幅され、アナログ−デジタル変換に適したバンドにダウンコンバートされ、デジタル化され、キャリアを回復するようにFFTによって処理される。次に、多数のコンステレイションデコーダ(キャリアごとに1つずつ)において、多数のキャリアが復調され、元のデータを回復する。送信機でキャリアを組み合わせるのにIFFTが使用され、受信機側でキャリアを分離するのに対応するFFTが使用されているので、このプロセスではキャリア間の干渉が潜在的にゼロとなる。
【0004】
無線送信では信号はビル、車両、樹木、植栽および地形の特徴により、反射されたり散乱されたりすることがある。受信側のアンテナでは通過した各パスに応じて遅延時間が異なる信号の多数のコピーが加算される。このような現象を本書ではマルチパス伝搬またはより簡単にマルチパスと称すことにする。このようなマルチパスは周波数バンドにおけるフェージングおよび減衰を生じさせる。このような現象を補償しない場合、復号化プロセス時に許容できないほどの多くの数の誤りが生じる。従来の地上波アナログテレビの車両での受信時に遭遇するゴースト現象と称されるようなマルチパス干渉は、このOFDMデジタル変調および送信時の保護ガードインターバル(GI)を導入することにより、多くを除去しなければならない。
【0005】
更にこのような現象を防止するように、無線送信チャンネルを測定するために振幅および位相が既知となっているキャリアが送信される。これらキャリアはトレーニングトーンまたはパイロットトーンとして知られているものである。送信されるOFDMシンボル内の周波数領域および時間領域内にこれらパイロットトーンが周期的に挿入される。これらトレーニングトーンは推測的に知られているので、データトーン周波数での無線チャンネルの応答をトレーニングトーン周波数における既知の応答から補間できる。チャンネル推定値として知られる測定され、補間化されたチャンネル応答が復号化に使用される。
【0006】
従来、パイロット信号で得られたチャンネル推定値をこのように補間することによって、受信されたOFDMシンボルのデータ部分を等化させるためのチャンネル推定値を得ていた。次の参考文献は等化のための従来のチャンネル推定について述べたものである。
1.ヤギ外著、「地上波デジタルテレビ放送のためのOFDM送信機器の開発」ITE技術レポート第23巻第34号、1999年5月
2.ヤマモト外著、「OFDMシステムのための等化技術に関する研究」IEICE技術レポート、IE98−91、1998年11月
3.キソダ外著、「OFDMモデムの開発」ITE技術レポート第21巻第44号、1997年8月
4.シマ外著、「アレイアンテナを使用したOFDM等化器の特性の改良に関する研究」ITE年次総会3−1、2000年
5.チャオおよびファング著、「パイロット信号および変換−領域処理に基づくOFDM移動通信システムの新規なチャンネル推定方法」議事録VTC1997年、2089〜2093ページ
6.フォッサム フミミ著、「OFDMのための符号化されたパイロットに基づくチャンネル推定」議事録VTC1997年、1375〜1379ページ
7.マルチキャリアスペクトル拡散、169〜178ページ、クルワールアカデミックプレス、1997年
8.プレスキュラ外著、「プロ用DVB−T受信機のためのDSPに基づくOFDM復調器および等化器」IEEEトランザクション、放送、第45巻第3号、1999年9月
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えばビルの影内、または屋内で信号対ノイズ比(以下、キャリア対ノイズ比と称す)が、0dB近くまで低下した場合、パイロット信号自体が弱くなるので、良好なチャンネル推定を行うことが困難となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の一実施例によれば、まずパイロット信号を使ったチャンネル特性を推定することにより、OFDMシステムにおける改良されたマルチパス等化を行う。各サブキャリアをチャンネル特性で除算し、データ信号の等化を行う。データ信号を回復するのに逆マッピング処理(de−map processing)はチャンネル推定値の位相および振幅補正値を使用する。前のチャンネル推定値を使って得られたデータ信号の共役数を使ってチャンネル推定を繰り返す。各推定の後に各サブキャリアを新しいチャンネル特性で除算し、データ信号の等化を行う。データ信号を回復するのに逆マップ処理を行う。
【0009】
【発明の実施の形態】
DVB−SI用の従来のOFDM受信機の構造とISDB−Tのための従来のOFDM受信機の構造とは類似しており、一般的なOFDM受信機ではシンボル全体にパイロット信号が含まれることは普通のことである。
【0010】
OFDMでは周波数領域内のサブキャリアのグループ上にデータビットをマッピングする。変調されたデータ(4/16/64QAM、DQPSKなど)を次のように表示する。
【0011】
【数1】
【0012】ここで、c(k)は信号空間内にマップ化されたデータに対応し、時間領域内へ送信されるOFDM信号は(ISDB−Tモード1の場合)次のように表示される。
【0013】
【数2】
【0014】
この信号のシンボル長さは252μ秒であり、図1に示されるようにシンボルのテール部分をコピーすることによってこのシンボルに対して保護ガードインターバル(GI)が加えられる。このGIの長さはチャンネル状態に応じてシンボル長さの1/4、1/8、1/16または1/32に選択される。図2にはOFDM受信機の一般的な構造が示されている。シンボルのスタート点の検出は、繰り返されるGI信号の利点を活用すること、すなわち全時間においてGI長さに一致する窓をスライドさせることによって行われる。このシンボルの検出は受信信号をサンプリングするための同期化されたローカルクロック信号も発生させる。GIの検出回路15はチューナーのフロントエンド(AFC制御回路)11を制御する電圧制御式発振器(VCO)16を制御し、FFT復調器17におけるシンボルの同期化を行う。式2に表示される信号構造は1404個のサブキャリアを回復するのに2048ポイントでのFFTを必要とし、A/Dサンプリングクロックは必要とされる信号サンプリング速度に調節(AFC)される。
【0015】
チューナーのフロントエンド(RFおよびIF)11およびアナログ−デジタル(A/D)変換器13の後で、OFDMシンボルのスタート点が識別され、2048個のFFT17を使ってその後のシンボルセグメントを1404個のサブキャリアに変換する。チャンネル推定のために、図3に示されるように各OFDMシンボル内にパイロット信号が挿入される。図示されるように12番目ごとのサブキャリアがパイロット信号によって変調される(ISDB−Tモード1)。パイロットサブキャリアの位置は3つのサブキャリアだけ時間がずらされている(ISDB−Tモード1)ので、このパターンは4つのシンボルごとに繰り返される。散乱されたパイロット信号と称されることが多いこれらパイロット信号は疑似ランダム二進シーケンスである。サブキャリアの残りの部分にデータがマッピングされる。このデータ信号はチャンネルのマルチパス現象に起因し、位相回転および信号歪みを受ける。従って、データ信号を回復するために、逆チャンネル特性をデータ信号に乗算する必要がある。チャンネル特性の推定をチャンネル推定と称す。送信されるパイロット信号は推測的に知られているので、チャンネルをパイロット位置として推定できる。従来のチャンネル推定では、パイロット位置で得られたチャンネル推定値を補間し、データサブキャリアに対するチャンネル特性を誘導している。図3における散乱したパイロット信号の二次元構造から、二次元補間を実行することも可能であるが、改良はわずかにすぎず、フィルタリングのためにシンボルを節約するのにメモリ量が多くなるという問題も残る。
【0016】
以下の説明では、この点を考慮するだけでなく、説明を簡潔にするために、現在のシンボル内にしかないパイロット信号を使ってチャンネル推定について検討する。二次元へのチャンネル推定への拡張はストレートフォワードである。図3ではチャンネル特性を推定し、データを等化するのに、抽出されたパイロット信号を使用することが示されている。
【0017】
従来のチャンネル推定およびデータ等化を評価するために、次の条件で性能についてシミュレーションを行う。
・次の振幅および位相のマルチパス信号
M0(主信号:振幅=1、位相=−π、遅延時間=0)
M1:振幅=1/√2(1/Sqrt(2)、位相=−π、遅延時間=35サンプル
M2:振幅=1/2、位相=1.2π、遅延時間=40サンプル
M3:振幅=1/√10(1/Sqrt(10)、位相=−0.4π、遅延時間=50サンプル
・上記信号のすべての和に(主信号M0に対して)C/N=−6〜12dBのホワイトノイズ(AWGN)が加算されていること。
・マルチパス信号におけるドップラーシフトがないこと。
・マルチパス信号の最大遅延時間がGI長さの範囲内であること。
・仕様を満たすランダム符号発生器(BPSK)によって発生された散乱パイロットを有するISDB−Tモード1(2048FFT)によってOFDMシンボルが定められていること。
・データがランダムシーケンスであり、各サブキャリアに2ビットごとのペアがマッピングされている(4QUAMである)こと。
・パイロットとデータサブキャリアが同じパワーであること。
・サンプリングが理想的であること。(送信機と受信機との間で周波数ドリフトがないこと。)
・OFDMシンボルの境界が完全に識別されること。
【0018】
図4Aは受信されたマルチパスの発生したOFDM信号の一例を示し、図4BはそのOFDMサブキャリア信号を示す。これらサブキャリアの振幅は全範囲にわたって一様でなければならない。振幅の歪みはマルチパス干渉によって生じる。
【0019】
従来の等化方法のほとんどはパイロット信号側で計算されたチャンネル特性を補間することによるチャンネル特性の推定に基づくものである。従来技術の説明における上記参考例1〜8を参照されたい。これら等化方法は図5に示されるようなマルチパス効果の等価的実現により周波数領域内で等価的に実現できる。
【0020】
FFT17(図2)からの2048個のFFT出力からのパイロットサブキャリアが乗算器49で既知のパイロット信号の共役と乗算される。この乗算によりランダムに発生されたパイロット信号は「1」に整合される。これらサブキャリア信号の残りの信号は図5で「0」への切り替えにより強制的にゼロにされる。この結果はマルチパス遅延プロフィルを抽出するためにFFT51でIFFT変換される。図6Bは図6Aに示されたOFDMサブキャリア信号を使った1つのこのような結果を示す。IFFTの出力端で強制的にゼロにしたことにより、エリアシング(aliasing)を除くのにLPF53でローパスフィルタリングを実施しなければならず、この結果は図6Cに示されている。この結果は図6Dに示されるような所望するチャンネル特性を得るのにFFT55でFFT変換される。図5に示されるように、各OFDMサブキャリアをFFT出力(反転器57および乗算器59)で除算することによりデータ信号への等化が達成される。
【0021】
異なるキャリア対ノイズ(C/N)レベルの等化されたデータ信号のビット誤り率(BER)に関して等化の性能を検討する。この性能は図7に示されている。
【0022】
本発明の一実施例によれば、図8に示されるような反復チャンネル推定により新しいマルチパス等化が達成される。図5で説明されるように、データ信号はアプリオリには既知ではないので、チャンネル特性を推定するのにパイロット信号しか使用しない。パイロット信号は乗算器79においてターミナル(a)からの既知のパイロット信号の共役と乗算され、サブキャリア信号の残りの信号は図8において(b)に切り替えることによって強制的にゼロにされる。この結果はマルチパス遅延プロフィルを抽出するのにIFFT81内でIFFT変換される。IFFTの入力端において強制的にゼロにしたことにより、エリアシングを除くのにLPF(a)83でローパスフィルタリングを実施しなければならない。所望するチャンネル特性を得るのにローパスフィルタLPF(a)83からの出力をFFT85でFFT変換する。除算器84において、86における1404個のOFDMサブキャリアの各々をFFT85からのFFT出力により除算することによってデータ信号への等化が行われる。このチャンネル特性を使ったデータ信号の位相および振幅補正は逆マッピング処理によってデータ信号を回復させるものである。逆マッピング処理回路87は変調された各サブキャリアを多数のビットにデコードする。例えば各4つのQAM変調されたサブキャリアは2つのビットにデコードされる。当然ながら、この結果得られるビットはチャンネル推定が完全でないので、若干の誤りを含む。それにもかかわらず、出力ビットの大多数は正常な条件では正しいと見なされるので、チャンネル推定のために回復されたデータ信号を使用できる。逆マッピング回路87からの逆マッピングされたデータ信号の共役を乗算器88で元の入力サブキャリアに乗算し、図8内の点線ブロックで示されるようにIFFT89で逆IFFTを実施し、LPF(b)91でローパスフィルタリングを実施し、FFT93でFFTを実施することにより、改良されたチャンネル推定値が得られる。ここでキーポイントとなることは、前のチャンネル推定値(乗算器84へのターミナル「d」への切り替え)を使用することによって得られるデータ信号を使用することによるチャンネル推定を繰り返すことである。ターミナル「d」を介したFFT93からの出力は逆マッピング回路87で逆マッピングされ、この逆マッピングされた信号の共役を乗算器88で乗算することによって新しいチャンネル推定値が得られ、この結果IFFT89とLPF91とFFT93とを含むループに加えられ、ターミナル「d」を介して逆マッピング回路87へ戻される。ローパスフィルタ(LPF(b))の役割はLPF(a)の役割と異なっている。まず第1に、すべてのサブキャリアを使用するので、この時点ではチャンネル推定値にエリアシングはない。しかしながら、改良されたチャンネル推定値を得るのにIFFTの出力としてマルチパスプロフィルで発生されるノイズを除く必要がある。このことは、例えばIFFTの出力をスレッショルドよりも小さく抑制することによって実現できる。このスレッショルドはマルチパスプロフィル内のノイズパワーから適当的に計算できる。チャンネル推定値におけるノイズを除くのにこのスレッショルドを設定する。推定されるチャンネル特性の第1部分はIFFT結果における低周波数で生じる。より高い周波数(例えばIFFT結果の高いほうの半分)におけるIFFTの結果を平均化することによって、平均ノイズレベルを推定できる。これをスレッショルドとして使用することにより(恐らくはこれに2を乗算し、より高い信頼性でノイズを除去することにより)良好なチャンネル推定値を除去できる。フィードバックループの数が十分となった時に、逆マッピング回路87の出力端から最終出力が取り出される。
【0023】
図9は異なるC/Nに対して繰り返し回数が増加した場合の出力ビットのビット誤り率(BER)の改善(図8)を示す。−6〜12dBのC/N範囲に対しては収束が高速であり、実際の応用例に対し、1つの追加フィードバックで十分であるようであることが判っている。図10は従来のマルチパス等化と新規なマルチパス等化との間の性能の比較を示す。−6〜6dBのC/N範囲に対して2dBを越える改善が得られる。チャンネルは12dBを越えるC/Nに対して極めて良好であると見なされるので、改善は多くはない。図11は等化されたOFDMシンボルを示す。図4Bに示された元のOFDMシンボルと比較すると、ほぼ理想的な等化が得られた。
【0024】
ISDB−TとDVBの双方はチャンネル符号化のためにたたみ込みエンコーダとビタビ(Viterbi)デコーダを使用していることも指摘したい。図12に示されるようなチャンネル推定ループ内にチャンネルデコーディングを組み込むことにより、マルチパス等化の性能を更に改善できよう。図12における改良された等化システムは、逆マッピング回路87と乗算器88との間にビタビデコーダ90とたたみ込みエンコーダ92を追加した、図8を参照して説明したのと同じ要素のすべて(これら要素は同じ番号で表示されている)を使用している。出力データはビタビデコーダの出力端から得られる。
【0025】
周波数領域におけるマルチパス等化を検討することにより、反復チャンネル推定に基づく新しい等化技術が提供され、ビット誤り率(BER)に関する性能が証明されている。−6〜6dBのC/N範囲において、2dBを越える等価的改善が可能であることが証明されている。マルチパスプロフィルにおけるノイズの低減は改良のためのキーステップである。チャンネル推定ループ内にチャンネル復号化回路を組み込むことによって更に性能を改善できる。
【0026】
以上の説明に関して更に以下の項を開示する。
(1) パイロット信号を使ってチャンネル特性を推定する第1の工程と、
データ信号に等化するように各サブキャリアをチャンネル特性値で除算する第1工程と、
データ信号を回復するようにチャンネル推定値の位相および振幅補正を使って逆マップ処理する工程と、
前のチャンネル推定値を使って得たデータ信号の共役を使ってチャンネル推定を繰り返す工程とを備えた、直交周波数分割多重化通信システムのためのマルチパス等化方法。
【0027】
(2) データ信号に等化するように各サブキャリアを新しいチャンネル特性で繰り返し除算する工程と、
データ信号を回復するように逆マップ処理する工程とを含む、第1項記載の方法。
【0028】
(3) 前記第1の推定工程がパイロットサブキャリアを既知のパイロット信号の共役で乗算する工程と、サブキャリア信号の残りを強制的にゼロにする工程と、マルチパス遅延プロフィルを抽出するように結果を逆高速フーリエ変換(IFFT)する工程と、エリアシングを除くようにIFFTの結果をローパスフィルタリングする工程と、チャンネル特性を供給できるようにフィルタリング処理された出力を高速フーリエ変換(FFT)する工程を含む、第1項または2項記載の方法。
【0029】
(4) 前記繰り返し工程が逆マッピングされたデータ信号の共役を入力されたサブキャリアに乗算する工程と、その結果に対して逆FFTを実施する工程と、その結果をローパスフィルタリングする工程と、フィルタリング処理された出力をFFT変換し、所望のチャンネル特性値を得る工程とを備えた、前記第1〜3項記載の方法。
【0030】
(5) データ信号を逆マッピングしてから、逆マッピングされたデータ信号の共役を乗算するまでの間にビタビデコーディングする工程、およびたたみ込みコード化をする工程を更に含む、第4項記載の方法。
【0031】
(6) 逆マッピング処理の後でデータ出力を得る、前記第1〜5のいずれかに記載の方法。
【0032】
(7) パイロット信号を使ってチャンネル特性を推定するための第1手段と、
データ信号に等化するように各サブキャリアをチャンネル特性で除算する前記推定手段に結合された除算器と、
データ信号を回復するようにチャンネル推定値の位相および振幅補正を使って逆マッピング処理するための手段と、
前のチャンネル推定値を使って得たデータ信号を使ってチャンネル推定を繰り返すよう、逆マッピング処理手段に結合された手段と、
データ信号への新しい等化を得るように、各サブキャリアを新しいチャンネル特性値で除算するための手段と、
データ信号を回復するように前記新しい等化値を逆マッピング処理するための手段とを備えた、直交周波数分割多重化通信システムのためのマルチパス等化システム。
【0033】
(8) 前記チャンネル推定を繰り返すための手段が、逆マッピングされたデータ信号の共役を入力されたサブキャリアに乗算するための手段と、この結果に対して逆高速フーリエ変換(FFT)を実行する手段と、この結果をローパスフィルタ処理する手段と、この結果に対して高速フーリエ変換(FFT)を実行する手段とを含む、第7項記載のシステム。
【0034】
(9) チャンネル特性値を推定する前記第1手段がパイロットサブキャリアを既知のパイロット信号の共役で乗算する手段と、サブキャリア信号の残りを強制的にゼロにする手段と、マルチパス遅延プロフィルを抽出するように結果を逆高速フーリエ変換(IFFT)する手段と、エリアシングを除くようにIFFTの結果をローパスフィルタリングする手段と、チャンネル特性値を得るようにフィルタリング処理された出力を高速フーリエ変換(FFT)する手段を含む、第7項または8項記載のシステム。
【0035】
(10) データ信号を逆マッピングしてから、逆マッピングされたデータ信号の共役を乗算するまでの間にビタビデコーディングすること、およびたたみ込みコード化をすることを更に含む、第7、8または9項記載の方法。
【0036】
(11) 直交周波数分割多重化通信(OFDM)システムのためのマルチパス等化システムは、パイロット信号を使ってチャンネル特性値を推定するための第1推定器を含む。この推定器には各サブキャリアをチャンネル特性値で除算し、データ信号への等化値を得るための除算器が結合されている。データ信号を回復するために逆マッピング回路がチャンネル推定値の位相および振幅補正を使用する。逆マッピング回路と、乗算器と、逆高速フーリエ変換器(IFF)と、ローパスフィルタと、高速フーリエ変換器(FFT)とを含む、反復チャンネル推定フィードバックループにより、改善されたチャンネル推定値が得られる。乗算器において逆マッピングされたデータの共役を入力されたサブキャリアに乗算し、その結果に対して逆FFTを実行し、その結果をローパスフィルタ処理し、その結果に対してFFTを実行し、新しいチャンネル推定値を得ることによってこの改善されたチャンネル推定値が得られる。各サブキャリアを新しいチャンネル特性値で除算し、データ信号への新しい等化値を得る。収束が生じるまで、このチャンネル推定を繰り返す。出力は逆マッピング後に得られる。性能を改善するためにチャンネルデコーディングをする場合、逆マッピング回路と乗算器との間のループ内にビタビデコーダおよびたたみ込みエンコーダが結合されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】送信されたOFDM信号の構造を示す。
【図2】従来のOFDM受信機の略ブロック図である。
【図3】OFDMシンボル内に含まれる、散乱されたパイロット信号の構造を示す。
【図4】Aは、受信されたマルチパスOFDM信号の振幅対周波数の関係を示すグラフである。Bは、OFDMサブキャリア信号の振幅対周波数の関係を示すグラフである。
【図5】従来のマルチパス等化の等価的実現例を示すブロック図である。
【図6】Aは、散乱したパイロット信号を使用するチャンネル推定におけるOFDMサブキャリア信号を示す。Bは、チャンネル推定においてエリアシングを生じさせた、抽出されたマルチパスプロフィルを示す。Cは、エリアシングを生じさせないマルチパスプロフィルを示す。Dは、推定されたチャンネル特性を示す。
【図7】従来のチャンネル推定による等化のシンボル当たりのビット誤り率(BER)とキャリア対ノイズ(単位dB)の性能の関係を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施例に従った、反復チャンネル推定によるマルチパス等化のブロック図である。
【図9】図8の実施例に係わるマルチパス等化の性能を示すためのシンボル当たりのBERと繰り返し回数との関係を示すグラフである。
【図10】本発明に係わるマルチパス等化と従来の等化との比較を示すための、シンボル当たりのBERとキャリア対ノイズ比(C/N)との関係を示すグラフであり、2dBを越えるC/Nの改善が得られた。
【図11】図8の実施例により等化されたOFDMシンボル(C/N=0dB)を示す。
【図12】本発明の第2実施例に係わるビタビデコーダを含む、反復チャンネル推定によるマルチパス等化装置のブロック図である。
【符号の説明】
79 乗算器
81 IFFT
83 LPF
84 乗算器
85 FFT
87 逆マッピング回路
88 乗算器
89 IFFT
91 LPF
93 FFT
【発明の属する技術分野】
本発明は直交周波数分割多重化(OFDM)通信システムに関し、より詳細には、反復チャンネル推定によりOFDM通信システムのマルチパス等化を行うことに関する。
【0002】
【従来の技術】
直交周波数分割多重化(OFDM)通信システムは、欧州では地上波テレビのための地域規格(DVB−SI)として、更に日本では地上波テレビのための地域規格(ISDB−T)として既に採用されている。欧州用の規格DVB−SI規格に関しては、この規格は「テレビ、サウンドおよびデータサービスのためのデジタル放送システム;地上波デジタルテレビのためのフレーミング構造、チャンネル符号化および変調」ETS300744、1997年に記載されており、日本のための規格ISDB−Tに関しては「地上波テジタルテレビ放送の技術仕様」ARIBドラフト仕様、バージョン0.5、2000年12月が参考となろう。
【0003】
OFDMスペクトル拡散技術は精密な周波数で離間するように拡散された多数のサブキャリアにデータを載せて分散させるものである。サブキャリアを離間させたことによってこの技術では直交性が得られ、この直交性によって復調器が自己の周波数以外の周波数を処理することを防止できる。OFDM技術はキャリア間の干渉を除くために高速フーリエ変換(FFT)および逆高速フーリエ変換(IFFT)の直交性に依存している。送信機側ではIFFTによりキャリア周波数を精密設定する。多数の(キャリアごとに1つずつ)コンステレイション(constellation)エンコーダによりデータをコンステレイションポイントに符号化する。コンステレイションエンコーダの出力の複素数の値はIFFTへの入力信号となる。無線送信を行うためにIFFTの出力信号はアナログ波形に変換され、無線周波数までアップコンバートされ、増幅され、送信される。受信機側では逆のプロセスが実行される。受信された信号は増幅され、アナログ−デジタル変換に適したバンドにダウンコンバートされ、デジタル化され、キャリアを回復するようにFFTによって処理される。次に、多数のコンステレイションデコーダ(キャリアごとに1つずつ)において、多数のキャリアが復調され、元のデータを回復する。送信機でキャリアを組み合わせるのにIFFTが使用され、受信機側でキャリアを分離するのに対応するFFTが使用されているので、このプロセスではキャリア間の干渉が潜在的にゼロとなる。
【0004】
無線送信では信号はビル、車両、樹木、植栽および地形の特徴により、反射されたり散乱されたりすることがある。受信側のアンテナでは通過した各パスに応じて遅延時間が異なる信号の多数のコピーが加算される。このような現象を本書ではマルチパス伝搬またはより簡単にマルチパスと称すことにする。このようなマルチパスは周波数バンドにおけるフェージングおよび減衰を生じさせる。このような現象を補償しない場合、復号化プロセス時に許容できないほどの多くの数の誤りが生じる。従来の地上波アナログテレビの車両での受信時に遭遇するゴースト現象と称されるようなマルチパス干渉は、このOFDMデジタル変調および送信時の保護ガードインターバル(GI)を導入することにより、多くを除去しなければならない。
【0005】
更にこのような現象を防止するように、無線送信チャンネルを測定するために振幅および位相が既知となっているキャリアが送信される。これらキャリアはトレーニングトーンまたはパイロットトーンとして知られているものである。送信されるOFDMシンボル内の周波数領域および時間領域内にこれらパイロットトーンが周期的に挿入される。これらトレーニングトーンは推測的に知られているので、データトーン周波数での無線チャンネルの応答をトレーニングトーン周波数における既知の応答から補間できる。チャンネル推定値として知られる測定され、補間化されたチャンネル応答が復号化に使用される。
【0006】
従来、パイロット信号で得られたチャンネル推定値をこのように補間することによって、受信されたOFDMシンボルのデータ部分を等化させるためのチャンネル推定値を得ていた。次の参考文献は等化のための従来のチャンネル推定について述べたものである。
1.ヤギ外著、「地上波デジタルテレビ放送のためのOFDM送信機器の開発」ITE技術レポート第23巻第34号、1999年5月
2.ヤマモト外著、「OFDMシステムのための等化技術に関する研究」IEICE技術レポート、IE98−91、1998年11月
3.キソダ外著、「OFDMモデムの開発」ITE技術レポート第21巻第44号、1997年8月
4.シマ外著、「アレイアンテナを使用したOFDM等化器の特性の改良に関する研究」ITE年次総会3−1、2000年
5.チャオおよびファング著、「パイロット信号および変換−領域処理に基づくOFDM移動通信システムの新規なチャンネル推定方法」議事録VTC1997年、2089〜2093ページ
6.フォッサム フミミ著、「OFDMのための符号化されたパイロットに基づくチャンネル推定」議事録VTC1997年、1375〜1379ページ
7.マルチキャリアスペクトル拡散、169〜178ページ、クルワールアカデミックプレス、1997年
8.プレスキュラ外著、「プロ用DVB−T受信機のためのDSPに基づくOFDM復調器および等化器」IEEEトランザクション、放送、第45巻第3号、1999年9月
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えばビルの影内、または屋内で信号対ノイズ比(以下、キャリア対ノイズ比と称す)が、0dB近くまで低下した場合、パイロット信号自体が弱くなるので、良好なチャンネル推定を行うことが困難となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の一実施例によれば、まずパイロット信号を使ったチャンネル特性を推定することにより、OFDMシステムにおける改良されたマルチパス等化を行う。各サブキャリアをチャンネル特性で除算し、データ信号の等化を行う。データ信号を回復するのに逆マッピング処理(de−map processing)はチャンネル推定値の位相および振幅補正値を使用する。前のチャンネル推定値を使って得られたデータ信号の共役数を使ってチャンネル推定を繰り返す。各推定の後に各サブキャリアを新しいチャンネル特性で除算し、データ信号の等化を行う。データ信号を回復するのに逆マップ処理を行う。
【0009】
【発明の実施の形態】
DVB−SI用の従来のOFDM受信機の構造とISDB−Tのための従来のOFDM受信機の構造とは類似しており、一般的なOFDM受信機ではシンボル全体にパイロット信号が含まれることは普通のことである。
【0010】
OFDMでは周波数領域内のサブキャリアのグループ上にデータビットをマッピングする。変調されたデータ(4/16/64QAM、DQPSKなど)を次のように表示する。
【0011】
【数1】
【0012】ここで、c(k)は信号空間内にマップ化されたデータに対応し、時間領域内へ送信されるOFDM信号は(ISDB−Tモード1の場合)次のように表示される。
【0013】
【数2】
【0014】
この信号のシンボル長さは252μ秒であり、図1に示されるようにシンボルのテール部分をコピーすることによってこのシンボルに対して保護ガードインターバル(GI)が加えられる。このGIの長さはチャンネル状態に応じてシンボル長さの1/4、1/8、1/16または1/32に選択される。図2にはOFDM受信機の一般的な構造が示されている。シンボルのスタート点の検出は、繰り返されるGI信号の利点を活用すること、すなわち全時間においてGI長さに一致する窓をスライドさせることによって行われる。このシンボルの検出は受信信号をサンプリングするための同期化されたローカルクロック信号も発生させる。GIの検出回路15はチューナーのフロントエンド(AFC制御回路)11を制御する電圧制御式発振器(VCO)16を制御し、FFT復調器17におけるシンボルの同期化を行う。式2に表示される信号構造は1404個のサブキャリアを回復するのに2048ポイントでのFFTを必要とし、A/Dサンプリングクロックは必要とされる信号サンプリング速度に調節(AFC)される。
【0015】
チューナーのフロントエンド(RFおよびIF)11およびアナログ−デジタル(A/D)変換器13の後で、OFDMシンボルのスタート点が識別され、2048個のFFT17を使ってその後のシンボルセグメントを1404個のサブキャリアに変換する。チャンネル推定のために、図3に示されるように各OFDMシンボル内にパイロット信号が挿入される。図示されるように12番目ごとのサブキャリアがパイロット信号によって変調される(ISDB−Tモード1)。パイロットサブキャリアの位置は3つのサブキャリアだけ時間がずらされている(ISDB−Tモード1)ので、このパターンは4つのシンボルごとに繰り返される。散乱されたパイロット信号と称されることが多いこれらパイロット信号は疑似ランダム二進シーケンスである。サブキャリアの残りの部分にデータがマッピングされる。このデータ信号はチャンネルのマルチパス現象に起因し、位相回転および信号歪みを受ける。従って、データ信号を回復するために、逆チャンネル特性をデータ信号に乗算する必要がある。チャンネル特性の推定をチャンネル推定と称す。送信されるパイロット信号は推測的に知られているので、チャンネルをパイロット位置として推定できる。従来のチャンネル推定では、パイロット位置で得られたチャンネル推定値を補間し、データサブキャリアに対するチャンネル特性を誘導している。図3における散乱したパイロット信号の二次元構造から、二次元補間を実行することも可能であるが、改良はわずかにすぎず、フィルタリングのためにシンボルを節約するのにメモリ量が多くなるという問題も残る。
【0016】
以下の説明では、この点を考慮するだけでなく、説明を簡潔にするために、現在のシンボル内にしかないパイロット信号を使ってチャンネル推定について検討する。二次元へのチャンネル推定への拡張はストレートフォワードである。図3ではチャンネル特性を推定し、データを等化するのに、抽出されたパイロット信号を使用することが示されている。
【0017】
従来のチャンネル推定およびデータ等化を評価するために、次の条件で性能についてシミュレーションを行う。
・次の振幅および位相のマルチパス信号
M0(主信号:振幅=1、位相=−π、遅延時間=0)
M1:振幅=1/√2(1/Sqrt(2)、位相=−π、遅延時間=35サンプル
M2:振幅=1/2、位相=1.2π、遅延時間=40サンプル
M3:振幅=1/√10(1/Sqrt(10)、位相=−0.4π、遅延時間=50サンプル
・上記信号のすべての和に(主信号M0に対して)C/N=−6〜12dBのホワイトノイズ(AWGN)が加算されていること。
・マルチパス信号におけるドップラーシフトがないこと。
・マルチパス信号の最大遅延時間がGI長さの範囲内であること。
・仕様を満たすランダム符号発生器(BPSK)によって発生された散乱パイロットを有するISDB−Tモード1(2048FFT)によってOFDMシンボルが定められていること。
・データがランダムシーケンスであり、各サブキャリアに2ビットごとのペアがマッピングされている(4QUAMである)こと。
・パイロットとデータサブキャリアが同じパワーであること。
・サンプリングが理想的であること。(送信機と受信機との間で周波数ドリフトがないこと。)
・OFDMシンボルの境界が完全に識別されること。
【0018】
図4Aは受信されたマルチパスの発生したOFDM信号の一例を示し、図4BはそのOFDMサブキャリア信号を示す。これらサブキャリアの振幅は全範囲にわたって一様でなければならない。振幅の歪みはマルチパス干渉によって生じる。
【0019】
従来の等化方法のほとんどはパイロット信号側で計算されたチャンネル特性を補間することによるチャンネル特性の推定に基づくものである。従来技術の説明における上記参考例1〜8を参照されたい。これら等化方法は図5に示されるようなマルチパス効果の等価的実現により周波数領域内で等価的に実現できる。
【0020】
FFT17(図2)からの2048個のFFT出力からのパイロットサブキャリアが乗算器49で既知のパイロット信号の共役と乗算される。この乗算によりランダムに発生されたパイロット信号は「1」に整合される。これらサブキャリア信号の残りの信号は図5で「0」への切り替えにより強制的にゼロにされる。この結果はマルチパス遅延プロフィルを抽出するためにFFT51でIFFT変換される。図6Bは図6Aに示されたOFDMサブキャリア信号を使った1つのこのような結果を示す。IFFTの出力端で強制的にゼロにしたことにより、エリアシング(aliasing)を除くのにLPF53でローパスフィルタリングを実施しなければならず、この結果は図6Cに示されている。この結果は図6Dに示されるような所望するチャンネル特性を得るのにFFT55でFFT変換される。図5に示されるように、各OFDMサブキャリアをFFT出力(反転器57および乗算器59)で除算することによりデータ信号への等化が達成される。
【0021】
異なるキャリア対ノイズ(C/N)レベルの等化されたデータ信号のビット誤り率(BER)に関して等化の性能を検討する。この性能は図7に示されている。
【0022】
本発明の一実施例によれば、図8に示されるような反復チャンネル推定により新しいマルチパス等化が達成される。図5で説明されるように、データ信号はアプリオリには既知ではないので、チャンネル特性を推定するのにパイロット信号しか使用しない。パイロット信号は乗算器79においてターミナル(a)からの既知のパイロット信号の共役と乗算され、サブキャリア信号の残りの信号は図8において(b)に切り替えることによって強制的にゼロにされる。この結果はマルチパス遅延プロフィルを抽出するのにIFFT81内でIFFT変換される。IFFTの入力端において強制的にゼロにしたことにより、エリアシングを除くのにLPF(a)83でローパスフィルタリングを実施しなければならない。所望するチャンネル特性を得るのにローパスフィルタLPF(a)83からの出力をFFT85でFFT変換する。除算器84において、86における1404個のOFDMサブキャリアの各々をFFT85からのFFT出力により除算することによってデータ信号への等化が行われる。このチャンネル特性を使ったデータ信号の位相および振幅補正は逆マッピング処理によってデータ信号を回復させるものである。逆マッピング処理回路87は変調された各サブキャリアを多数のビットにデコードする。例えば各4つのQAM変調されたサブキャリアは2つのビットにデコードされる。当然ながら、この結果得られるビットはチャンネル推定が完全でないので、若干の誤りを含む。それにもかかわらず、出力ビットの大多数は正常な条件では正しいと見なされるので、チャンネル推定のために回復されたデータ信号を使用できる。逆マッピング回路87からの逆マッピングされたデータ信号の共役を乗算器88で元の入力サブキャリアに乗算し、図8内の点線ブロックで示されるようにIFFT89で逆IFFTを実施し、LPF(b)91でローパスフィルタリングを実施し、FFT93でFFTを実施することにより、改良されたチャンネル推定値が得られる。ここでキーポイントとなることは、前のチャンネル推定値(乗算器84へのターミナル「d」への切り替え)を使用することによって得られるデータ信号を使用することによるチャンネル推定を繰り返すことである。ターミナル「d」を介したFFT93からの出力は逆マッピング回路87で逆マッピングされ、この逆マッピングされた信号の共役を乗算器88で乗算することによって新しいチャンネル推定値が得られ、この結果IFFT89とLPF91とFFT93とを含むループに加えられ、ターミナル「d」を介して逆マッピング回路87へ戻される。ローパスフィルタ(LPF(b))の役割はLPF(a)の役割と異なっている。まず第1に、すべてのサブキャリアを使用するので、この時点ではチャンネル推定値にエリアシングはない。しかしながら、改良されたチャンネル推定値を得るのにIFFTの出力としてマルチパスプロフィルで発生されるノイズを除く必要がある。このことは、例えばIFFTの出力をスレッショルドよりも小さく抑制することによって実現できる。このスレッショルドはマルチパスプロフィル内のノイズパワーから適当的に計算できる。チャンネル推定値におけるノイズを除くのにこのスレッショルドを設定する。推定されるチャンネル特性の第1部分はIFFT結果における低周波数で生じる。より高い周波数(例えばIFFT結果の高いほうの半分)におけるIFFTの結果を平均化することによって、平均ノイズレベルを推定できる。これをスレッショルドとして使用することにより(恐らくはこれに2を乗算し、より高い信頼性でノイズを除去することにより)良好なチャンネル推定値を除去できる。フィードバックループの数が十分となった時に、逆マッピング回路87の出力端から最終出力が取り出される。
【0023】
図9は異なるC/Nに対して繰り返し回数が増加した場合の出力ビットのビット誤り率(BER)の改善(図8)を示す。−6〜12dBのC/N範囲に対しては収束が高速であり、実際の応用例に対し、1つの追加フィードバックで十分であるようであることが判っている。図10は従来のマルチパス等化と新規なマルチパス等化との間の性能の比較を示す。−6〜6dBのC/N範囲に対して2dBを越える改善が得られる。チャンネルは12dBを越えるC/Nに対して極めて良好であると見なされるので、改善は多くはない。図11は等化されたOFDMシンボルを示す。図4Bに示された元のOFDMシンボルと比較すると、ほぼ理想的な等化が得られた。
【0024】
ISDB−TとDVBの双方はチャンネル符号化のためにたたみ込みエンコーダとビタビ(Viterbi)デコーダを使用していることも指摘したい。図12に示されるようなチャンネル推定ループ内にチャンネルデコーディングを組み込むことにより、マルチパス等化の性能を更に改善できよう。図12における改良された等化システムは、逆マッピング回路87と乗算器88との間にビタビデコーダ90とたたみ込みエンコーダ92を追加した、図8を参照して説明したのと同じ要素のすべて(これら要素は同じ番号で表示されている)を使用している。出力データはビタビデコーダの出力端から得られる。
【0025】
周波数領域におけるマルチパス等化を検討することにより、反復チャンネル推定に基づく新しい等化技術が提供され、ビット誤り率(BER)に関する性能が証明されている。−6〜6dBのC/N範囲において、2dBを越える等価的改善が可能であることが証明されている。マルチパスプロフィルにおけるノイズの低減は改良のためのキーステップである。チャンネル推定ループ内にチャンネル復号化回路を組み込むことによって更に性能を改善できる。
【0026】
以上の説明に関して更に以下の項を開示する。
(1) パイロット信号を使ってチャンネル特性を推定する第1の工程と、
データ信号に等化するように各サブキャリアをチャンネル特性値で除算する第1工程と、
データ信号を回復するようにチャンネル推定値の位相および振幅補正を使って逆マップ処理する工程と、
前のチャンネル推定値を使って得たデータ信号の共役を使ってチャンネル推定を繰り返す工程とを備えた、直交周波数分割多重化通信システムのためのマルチパス等化方法。
【0027】
(2) データ信号に等化するように各サブキャリアを新しいチャンネル特性で繰り返し除算する工程と、
データ信号を回復するように逆マップ処理する工程とを含む、第1項記載の方法。
【0028】
(3) 前記第1の推定工程がパイロットサブキャリアを既知のパイロット信号の共役で乗算する工程と、サブキャリア信号の残りを強制的にゼロにする工程と、マルチパス遅延プロフィルを抽出するように結果を逆高速フーリエ変換(IFFT)する工程と、エリアシングを除くようにIFFTの結果をローパスフィルタリングする工程と、チャンネル特性を供給できるようにフィルタリング処理された出力を高速フーリエ変換(FFT)する工程を含む、第1項または2項記載の方法。
【0029】
(4) 前記繰り返し工程が逆マッピングされたデータ信号の共役を入力されたサブキャリアに乗算する工程と、その結果に対して逆FFTを実施する工程と、その結果をローパスフィルタリングする工程と、フィルタリング処理された出力をFFT変換し、所望のチャンネル特性値を得る工程とを備えた、前記第1〜3項記載の方法。
【0030】
(5) データ信号を逆マッピングしてから、逆マッピングされたデータ信号の共役を乗算するまでの間にビタビデコーディングする工程、およびたたみ込みコード化をする工程を更に含む、第4項記載の方法。
【0031】
(6) 逆マッピング処理の後でデータ出力を得る、前記第1〜5のいずれかに記載の方法。
【0032】
(7) パイロット信号を使ってチャンネル特性を推定するための第1手段と、
データ信号に等化するように各サブキャリアをチャンネル特性で除算する前記推定手段に結合された除算器と、
データ信号を回復するようにチャンネル推定値の位相および振幅補正を使って逆マッピング処理するための手段と、
前のチャンネル推定値を使って得たデータ信号を使ってチャンネル推定を繰り返すよう、逆マッピング処理手段に結合された手段と、
データ信号への新しい等化を得るように、各サブキャリアを新しいチャンネル特性値で除算するための手段と、
データ信号を回復するように前記新しい等化値を逆マッピング処理するための手段とを備えた、直交周波数分割多重化通信システムのためのマルチパス等化システム。
【0033】
(8) 前記チャンネル推定を繰り返すための手段が、逆マッピングされたデータ信号の共役を入力されたサブキャリアに乗算するための手段と、この結果に対して逆高速フーリエ変換(FFT)を実行する手段と、この結果をローパスフィルタ処理する手段と、この結果に対して高速フーリエ変換(FFT)を実行する手段とを含む、第7項記載のシステム。
【0034】
(9) チャンネル特性値を推定する前記第1手段がパイロットサブキャリアを既知のパイロット信号の共役で乗算する手段と、サブキャリア信号の残りを強制的にゼロにする手段と、マルチパス遅延プロフィルを抽出するように結果を逆高速フーリエ変換(IFFT)する手段と、エリアシングを除くようにIFFTの結果をローパスフィルタリングする手段と、チャンネル特性値を得るようにフィルタリング処理された出力を高速フーリエ変換(FFT)する手段を含む、第7項または8項記載のシステム。
【0035】
(10) データ信号を逆マッピングしてから、逆マッピングされたデータ信号の共役を乗算するまでの間にビタビデコーディングすること、およびたたみ込みコード化をすることを更に含む、第7、8または9項記載の方法。
【0036】
(11) 直交周波数分割多重化通信(OFDM)システムのためのマルチパス等化システムは、パイロット信号を使ってチャンネル特性値を推定するための第1推定器を含む。この推定器には各サブキャリアをチャンネル特性値で除算し、データ信号への等化値を得るための除算器が結合されている。データ信号を回復するために逆マッピング回路がチャンネル推定値の位相および振幅補正を使用する。逆マッピング回路と、乗算器と、逆高速フーリエ変換器(IFF)と、ローパスフィルタと、高速フーリエ変換器(FFT)とを含む、反復チャンネル推定フィードバックループにより、改善されたチャンネル推定値が得られる。乗算器において逆マッピングされたデータの共役を入力されたサブキャリアに乗算し、その結果に対して逆FFTを実行し、その結果をローパスフィルタ処理し、その結果に対してFFTを実行し、新しいチャンネル推定値を得ることによってこの改善されたチャンネル推定値が得られる。各サブキャリアを新しいチャンネル特性値で除算し、データ信号への新しい等化値を得る。収束が生じるまで、このチャンネル推定を繰り返す。出力は逆マッピング後に得られる。性能を改善するためにチャンネルデコーディングをする場合、逆マッピング回路と乗算器との間のループ内にビタビデコーダおよびたたみ込みエンコーダが結合されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】送信されたOFDM信号の構造を示す。
【図2】従来のOFDM受信機の略ブロック図である。
【図3】OFDMシンボル内に含まれる、散乱されたパイロット信号の構造を示す。
【図4】Aは、受信されたマルチパスOFDM信号の振幅対周波数の関係を示すグラフである。Bは、OFDMサブキャリア信号の振幅対周波数の関係を示すグラフである。
【図5】従来のマルチパス等化の等価的実現例を示すブロック図である。
【図6】Aは、散乱したパイロット信号を使用するチャンネル推定におけるOFDMサブキャリア信号を示す。Bは、チャンネル推定においてエリアシングを生じさせた、抽出されたマルチパスプロフィルを示す。Cは、エリアシングを生じさせないマルチパスプロフィルを示す。Dは、推定されたチャンネル特性を示す。
【図7】従来のチャンネル推定による等化のシンボル当たりのビット誤り率(BER)とキャリア対ノイズ(単位dB)の性能の関係を示すグラフである。
【図8】本発明の一実施例に従った、反復チャンネル推定によるマルチパス等化のブロック図である。
【図9】図8の実施例に係わるマルチパス等化の性能を示すためのシンボル当たりのBERと繰り返し回数との関係を示すグラフである。
【図10】本発明に係わるマルチパス等化と従来の等化との比較を示すための、シンボル当たりのBERとキャリア対ノイズ比(C/N)との関係を示すグラフであり、2dBを越えるC/Nの改善が得られた。
【図11】図8の実施例により等化されたOFDMシンボル(C/N=0dB)を示す。
【図12】本発明の第2実施例に係わるビタビデコーダを含む、反復チャンネル推定によるマルチパス等化装置のブロック図である。
【符号の説明】
79 乗算器
81 IFFT
83 LPF
84 乗算器
85 FFT
87 逆マッピング回路
88 乗算器
89 IFFT
91 LPF
93 FFT
Claims (2)
- パイロット信号を使ってチャンネル特性を推定する第1の工程と、
データ信号に等化するように各サブキャリアをチャンネル特性値で除算する第1工程と、
データ信号を回復するようにチャンネル推定値の位相および振幅補正を使って逆マップ処理する工程と、
前のチャンネル推定値を使って得たデータ信号の共役を使ってチャンネル推定を繰り返す工程とを備えた、直交周波数分割多重化通信システムのためのマルチパス等化方法。 - パイロット信号を使ってチャンネル特性を推定するための第1手段と、
データ信号に等化するように各サブキャリアをチャンネル特性で除算する前記推定手段に結合された除算器と、
データ信号を回復するようにチャンネル推定値の位相および振幅補正を使って逆マッピング処理するための手段と、
前のチャンネル推定値を使って得たデータ信号を使ってチャンネル推定を繰り返すよう、逆マッピング処理手段に結合された手段と、
データ信号への新しい等化を得るように、各サブキャリアを新しいチャンネル特性値で除算するための手段と、
データ信号を回復するように前記新しい等化値を逆マッピング処理するための手段とを備えた、直交周波数分割多重化通信システムのためのマルチパス等化システム。
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