JP4290776B2 - 積層フィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は積層フィルタに係り、特に高周波領域で十分な減衰が得ることができるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のセラミック層を積層してなる積層体の各層間に信号ラインの導体コイルパターンと、接地ラインの導体コイルパターンを形成した積層ノイズフィルタが携帯電話等の各分野で使用されている。例えば特開平8−130430号公報に記載されている従来の積層ノイズフィルタは、図7(A)▲1▼〜▲4▼に示す如く、セラミック層11bに信号ライン用コイルパターン12bと接地ライン用コイルパターン13bを印刷し、セラミック層11cに信号ライン用コイルパターン12cと接地ライン用コイルパターン13cを印刷し、セラミック層11dに信号ライン用コイルパターン12dと接地ライン用コイルパターン13dを印刷し、セラミック層11hに信号ライン用コイルパターン12hと接地ライン用コイルパターン13hを印刷する。
【0003】
ここで図7(A)▲1▼に示すセラミック層11bはコイルパターンの印刷された最上位のものであり、信号ライン用コイルパターン12bの右端は、図7(B)に示す信号ライン側の端子電極16と接続される。そして図7(A)▲4▼で示すセラミック層11hはコイルパターンの印刷された最下位のものであり、信号ライン用コイルパターン12hの左端は、図7(B)に示す信号ライン側の端子電極17と接続される。また接地ライン用コイルパターン13b、13c、13d、13hにはそれぞれ引出し部21b、21c、21d、21hが形成され、図7(B)に示す接地ライン側の端子電極18と接続される。
【0004】
図7(A)▲1▼に示す信号ライン用コイルパターン12bの左端は、ビアホール導体14bにより▲2▼に示す信号ライン用コイルパターン12cの左端と接続され、この信号ライン用コイルパターン12cの右端はビアホール導体14cにより▲3▼に示す信号ライン用コイルパターン12dの右端と接続される。
【0005】
また図7(A)▲1▼に示す接地ライン用コイルパターン13bの左端はビアホール導体15bにより▲2▼に示す接地ライン用コイルパターン13cの左端と接続され、この接地ライン用コイルパターン13cの右端はビアホール導体15cにより▲3▼に示す接地ライン用コイルパターン13dの右端と接続される。
【0006】
また図7(A)▲3▼に示すセラミック層11dと▲4▼に示すセラミック層11hの間には少なくとも▲2▼で示すセラミック層11cが1枚が配置される。そしてそのコイルパターンを経由してビアホール導体により▲3▼の信号ライン用コイルパターン12dと▲4▼の信号ライン用コイルパターン12hが接続され、同様に▲3▼の接地ライン用コイルパターン13dと▲4▼の接地ライン用コイルパターン13hとが接続される。
【0007】
このようにしてそれぞれ信号ライン用コイルパターンと接地ライン用コイルパターンが形成されたセラミック層はそれぞれ積層され、少なくとも最上層のセラミック層11bの上にはこれらコイルパターンの形成されていないセラミック層が積層されて一体化されて焼結される。
【0008】
それから図7(B)に示す如く、両端に信号ライン側の端子電極16、17及び中央に接地ライン側の端子電極18が形成されて積層ノイズフィルタとなる積層体10が構成される。
【0009】
このとき各信号ライン用コイルパターンはビアホール導体で接続されて信号ラインコイル12を構成し、接地ライン用コイルパターンもまたビアホール導体で接続されて接地ラインコイル13を構成する。そしてこれらのコイルパターンを誘電体層であるセラミック層を介して対向させることによりキャパシタンスが形成される。これらコイルとキャパシタンスにより図7(C)に示す等価回路をもつ積層ノイズフィルタが構成される。
【0010】
ところでこの積層ノイズフィルタでは、図7(B)に示す如く、入出力端子となる信号ライン側の端子電極16、17が対向して形成されているため、同(C)に示す如く、キャパシタ19が存在することになる。すなわち信号ラインコイル12にはこのキャパシタ19が並列に接続されたものと等価となる。
【0011】
このためこの構造で積層ノイズフィルタを小型化すると、端子電極16、17間の距離が小さくなるので、この端子電極16、17間のキャパシタ19の容量が増大し、高周波領域で十分な減衰が得られない。
【0012】
即ち、図5の実線Bに示す如く、例えば3000MHzの周波数では減衰量が−28dB程度であり、十分な減衰が得られない。
また信号側の端子電極を互に対向配置させないような積層ノイズフィルタとしては、特開平4−37005号公報に記載されている図8に示す如きものがある。
【0013】
図8(A)に示す如く、基板100−1上に絶縁板32−1を積層し、その中央に位置する中央セグメント32a−1の端面に補助端子部52a′を被覆形成し、さらにセグメント32a−1、32b−1の表面には補助端子部52a′から連続する第2の導電性エレメント54−1を被覆形成する。
【0014】
次に図8(B)に示す如く、絶縁板32−1の表面に、第2の導電性エレメント54−1の端部が露出するよう、次の絶縁板32−2の一部を構成する中央セグメント32a−2を積層する。そして第2の導電性エレメント54−1から連続する第2の導電性エレメント54−2を、サイドセグメント32b−1から、次の層の中央セグメント32a−2にかけて被覆形成する。これと同時に、第1層目のサイドセグメント32c−1の端面に補助端子部42a′を被覆形成する。さらにサイドセグメント32c−1から次の層の中央セグメント32a−2の表面に、前記補助端子部42a′から連続し、しかも中央セグメント32a−2を介し第2の導電性エレメント54−1と相対する第1の導電性エレメント44−1を被覆形成する。
【0015】
それから図8(C)に示す如く、各導電性エレメント44−2、54−1の端部が露出するよう次の層のサイドセグメント32b−2、32c−2を絶縁板32−1の表面に積層する。そしてセグメント32a−2、32c−2上に第2の導電性エレメント54−2から連続する第2の導電性エレメント54−3を被覆形成する。
【0016】
これと同時に、セグメント32a−2、32b−2上に、前記第1の導電性エレメント44−1から連続し、しかもこれら各セグメント32a−2、32b−2を介し第2の導電性エレメント54−2と相対向する第1の導電性エレメント44−2をコ字状に被覆形成する。
【0017】
このような絶縁層の積層工程と、エレメントの形成工程とを図8(D)〜(G)に示す如く、繰返して行う。その後、図8(H)に示す如く、絶縁性基板100−2を絶縁板32−4上に積層することにより、積層体30を形成する。これにより第1の導体40、第2の導体50は、それぞれ所定のターン数のコイルを形成する。
【0018】
このとき、図8(G)の工程で、サイドセグメント32b−4の端面に、第1の導電性エレメント44−6から連続する補助端子部42b′を被覆形成する。そして図8(I)の最終工程で、この積層体30の片側端部に、補助端子部42a′、42b′、52a′と電気的に接続された端子42a、42b、52aを被覆形成し、積層ノイズフィルタを得るものである。この場合、中央の端子52aは接地側の端子となり、その両側の端子42a、42bは信号ライン用の入出力端子となる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
この図8(I)に示す如く、信号ライン用の入出力端子42a、42bの間に接地側の端子52aを設けて、これらを同一平面上に位置させ、入出力端子42a、42bを対向しないように配置したので、図7に示す積層ノイズフィルタのように信号ライン用の入出力端子間におけるキャパシタは存在しない。このため、前記の如き高周波領域の減衰量が不充分となる欠点は生じないが、信号ライン用コイルと接地ライン用コイルを同一方向に巻き上げる構造のために端面への引出しパターンが同一層にない。これによって、信号ライン用コイルパターンと接地ライン用コイルパターンの巻き上げ開始層が同一でない。しかもパターンが複雑でどこが重なっているのか解明がむづかしく、そのため特性の調整を行うために必要な、両コイルのインダクタンス値及びコイル間のキャパシタンス値の確認、解析が非常に困難であった。
【0020】
従って本発明の目的は、コイルのインダクタンス値及びコイル間のキャパシタンス値の確認、解析が容易でしかも信号ライン用の入出力端子間のキャパシタの存在を抑制するために信号ライン用の入出力端子を対向させないようにした積層フィルタを提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の積層フィルタでは、図1に示す如く、信号ライン用コイルパターンと、該信号ライン用コイルパターンと同一平面に形成された接地ライン用コイルパターンと、前記各コイルパターンとが形成される誘電体層と、該誘電体層に形成される複数の内部回路接続点と、を備え、前記各コイルパターンと、前記誘電体層とを、交互に複数積層し前記内部回路接続点により接続することで信号ライン用コイル及び接地ライン用コイルをなす立方体からなり、前記立方体の少なくとも一面における一方に、第1(a)端子電極、該第1(a)端子電極に隣接する第2(g)端子電極、該第2(g)端子電極に隣接する第3(b)端子電極が配置され、前記立方体の少なくとも一面における他方に、前記第1(a)端子電極に対向する第4(a´)端子電極、該第4(a´)端子電極に隣接し、且つ前記第2(g)端子電極に対向する第5(g´)端子電極、該第5(g´)端子電極に隣接し、且つ前記第3(b)端子電極に対向する第6(b´)端子電極が配置される積層フィルタであって、前記信号ライン用コイルの巻き上げ方向と前記接地ライン用コイルの巻き上げ方向は同一であり、同一平面の前記各コイルパターンは対称のコイルパターンで形成され、前記各コイルパターン間を接続することでインダクタを形成し、更に、前記各コイルパターンは各誘電体層を挟んで積層方向に対向しており、この対向部分によりキャパシタンスを形成し、前記信号ライン用コイルを、前記第1(a)、第3(b)、第4(a´)、第6(b´)端子電極に接続し、信号ライン用コイル端子電極を形成し、前記接地ライン用コイルを、前記第2(g)、第5(g´)端子電極に接続し、接地ライン用コイル端子電極を形成し、前記信号ライン用コイルの両端のコイルパターンは内部回路接続点より同一平面に対称に2箇所ずつ同じ長さの信号ライン用コイルパターンを形成し、一端は前記第1(a)端子電極及び前記第4(a´)端子電極へ、他端は前記第3(b)端子電極及び前記第6(b´)端子電極へと接続され、前記一端につながる端子電極が前記他端につながる端子電極に対し対向配置されないように形成され、接地ライン用コイルの片端のコイルパターンは内部回路接続点より同一平面に対称に2箇所ずつ同じ長さの接地ライン用コイルパターンを形成し、前記第2(g)端子電極及び前記第5(g´)端子電極へと接続され、前記片端につながる端子電極が前記信号ライン用コイル端子電極に対し対向配置されないように形成されることを特徴とする。
【0022】
これによりコイルのインダクタ及びコイルのキャパシタの解析が非常に容易で、しかも信号ライン用の入出力端子の端子電極が、互に対向配置しない構成の積層フィルタを得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1〜図5に基づき説明する。図1は本発明により構成される積層フィルタの分解構成説明図、図2は本発明により構成される積層フィルタの各層のコイルパターン説明図、図3は本発明の信号ライン用コイルと接地ライン用コイルとの層間対向部分説明図、図4は本発明による積層フィルタの斜視図及び等価回路説明図、図5は本発明と従来例との特性比較図である。
【0024】
本発明の積層フィルタは、図1に示す如く、先ずコイルパターンの形成されていない誘電体グリーンシート1fを用意し、その上に、誘電体グリーンシート1eを積層し、この誘電体グリーンシート1e上に信号ライン用コイルパターン2e及び接地ライン用コイルパターン3eを形成する。この信号ライン用コイルパターン2eは、その両端に信号ライン用コイル引出電極4e−1、4e−2が形成され、中央部分には内部回路接続点C10が形成されている。また接地ライン用コイルパターン3eは、その両端に接地ライン用コイル引出電極4e−3、4e−4が形成され、中央部分には内部回路接続点C11が形成されている。
【0025】
この誘電体グリーンシート1eの上に誘電体グリ−ンシート1dを積層し、この誘電体グリーンシート1dの上に信号ライン用コイルパターン2d及び接地ライン用コイルパターン3dを形成する。この信号ライン用コイルパターン2dは、その両端に内部回路接続点C8 、C9 が形成され、また接地ライン用コイルパターン3dの両端に内部回路接続点C6 、C7 が形成されている。そして信号ライン用コイルパターン2dと接地ライン用コイルパターン3dは対称形であり、後述するように、同方向(例えば誘電体グリーンシートの下から上の方向に電流が流れるときは右廻り方向)に電流が流れるように巻回状に形成されている。
【0026】
誘電体グリーンシート1dの上には誘電体グリーンシート1cが積層され、この誘電体グリーンシート1cの上に信号ライン用コイルパターン2c及び接地ライン用コイルパターン3cを形成する。この信号ライン用コイルパターン2cはその両端に内部回路接続点C4 、C5 が形成され、また接地ライン用コイルパターン3cの両端に内部回路接続点C2 、C3 が形成されている。そして信号ライン用コイルパターン2cと接地ライン用コイルパターン3cは対称形であり、これまた同方向に電流が流れるように巻回状に形成されている。
【0027】
誘電体グリーンシート1cの上には誘電体グリーンシート1bが積層され、この誘電体グリーンシート1bの上に信号ライン用コイルパターン2b及び接地ライン用コイルパターン3bを形成する。この信号ライン用コイルパターン2bは、その両端に、しかも前記信号ライン用コイル引出電極4e−1、4e−2の位置とは反対端の離れた位置に、信号ライン用コイル引出電極4b−1、4b−2が形成され、中央部分には内部回路接続点C0 が形成されている。また接地ライン用コイルパターン3bは、その一端に内部回路接続点C1 が形成されているが、他端はどこにも電気接続されず、開放端を形成している。
【0028】
そしてこの誘電体グリーンシート1bの上に、何もコイルパターンの存在しない誘電体グリーンシート1aが積層される。
またこのように各誘電体グリーンシートを積層してコイルパターンを形成するとき、接続用ビアホール導体5により内部回路接続点C10とC8 、C9 とC5 、C4 とC0 が接続されて各信号ライン用コイルパターン2e、2d、2c、2bは電気的に接続されインダクタンスを構成する。同様に接続用ビアホール導体6により内部回路接続点C11とC7 、C6 とC2 、C3 とC1 が接続されて各接地ライン用コイルパターン3e、3d、3c、3bは電気的に接続されインダクタンスを構成する。
【0029】
それからこれら誘電体グリーンシート1a〜1fの積層体上に、図4に示す如く、信号ライン用コイル引出電極4e−1と接続する信号ライン用コイル端子電極aと、信号ライン用コイル引出電極4e−2と接続する信号ライン用コイル端子電極a′と、信号ライン用コイル引出電極4b−1と接続する信号ライン用コイル端子電極bと、信号ライン用コイル引出電極4b−2と接続する信号ライン用コイル端子電極b′と、接地ライン用コイル引出電極4e−3と接続する接地ライン用コイル端子電極gと、接地ライン用コイル引出電極4e−4と接続する接地ライン用コイル端子電極g′をその側壁部分に形成する。
【0030】
従って本発明による積層フィルタは、図4(A)に示すように、信号ライン用コイル端子電極a、a′と、信号ライン用コイル端子電極b、b′とが、図7(B)に示す端子電極6、7の如く対向配置していないため、これらの電極間にはキャパシタが存在することがない。即ち、等価回路は図4(B)の如く信号ライン用コイル2、接地ライン用コイル3、これらコイル間の容量を表現できる。そのため、本発明による積層フィルタは、図5の点線に示す如く、3000MHzの高域周波数域において、その減衰量が、実線で示す従来例の減衰量よりも約−10dB大きなものとすることができる。
【0031】
しかも本発明では、図1に示す如く、信号ライン用コイル引出電極4e−1、4e−2と、接地ライン用コイル引出電極4e−3、4e−4とを同一の層すなわち同一の誘電体グリーンシート1eに配置した。これにより、信号ライン用コイル及び接地ライン用コイルを、図2(B)、(C)に示す如く、対称のパターンで構成することができる。更に、図1に示す如く、接続用ビアホール導体5、6により接続することが可能となり、両コイルの層間で対向するパターンが、図3に示す斜線部で示す通りのものとなり、これにより各コイルパターン間の一層毎のキャパシタンス値が確定するのでその設計を容易にすることができる。すなわち、積層フィルタに必要なL、Cの値は、この図2(B)、(C)のパターンの積層数に基づき極めて容易に特性値の確認、解析することができる。
【0032】
なお、図1において誘電体グリーンシート1fは必ずしも必要なものではないが、積層フィルタの寸法の調整や、その強度の補強(誘電体グリーンシート1eの厚みが薄いときの補強)などのために使用される。
【0033】
本発明の第2の実施の形態を図6にもとづき説明する。第1の実施の形態では、積層フィルタの信号ラインコイル用端子電極a、a′、b、b′及び接地ライン用コイル端子電極g、g′を、図4(A)に示す如く、その側壁に形成していたが、第2の実施の形態では、図6に示す如く、これらの信号ラインコイル用端子電極a、a′、b、b′及び接地ライン用コイル端子電極g、g′をその底部に形成したものである。
【0034】
本発明の第2の実施の形態では、図6に示す如く、先ず誘電体グリーンシート1h′を用意し、その上に同じく誘電体グリーンシート1g′を積層する。これらの誘電体グリーンシート1h′、1g′にはその所定の位置にそれぞれビアホールVhが形成されている。
【0035】
この誘電体グリーンシート1g′の上にはビアホールVhが形成された誘電体グリーンシート1e′を積層し、この上に信号用ライン用コイルパターン2e′及び接地ライン用コイルパターン3e′を形成する。この信号ライン用コイルパターン2e′はその両端に信号ライン用コイル引出電極4e−1′、4e−2′が形成され、中央部分には前記図1と同様に内部接続点C10′が形成されている。また接地ライン用コイルパターン3e′は、その両端に接地ライン用コイル引出電極4e−3′、4e−4′が形成され、中央部分には内部回路接続点C11′が形成されている。なお前記信号ライン用コイル引出電極4e−1′、4e−2′及び接地ライン用引出電極4e−3′、4e−4′は誘電体グリーンシート1e′の内側に形成されている。
【0036】
この誘電体グリーンシート1e′の上にはビアホールVhが形成された誘電体グリーンシート1d′を積層し、この上に信号ライン用コイルパターン2d′及び接地ライン用コイルパターン3d′を形成する。この信号ライン用コイルパターン2d′はその両端に内部回路接続点C8 ′、C9 ′が形成され、また接地ライン用コイルパターン3d′の両端に内部回路接続点C6 ′、C7 ′が形成されている。そして信号ライン用コイルパターン2d′と接地ライン用コイルパターン3d′は対称形であり、前記図1の例と同様に同方向に電流が流れるように巻回状に形成されている。
【0037】
誘電体グリーンシート1d′の上にはビアホールVhが形成された誘電体グリーンシート1cを積層し、その上に信号ライン用コイルパターン2c′及び接地ライン用コイルパターン3c′を形成する。この信号ライン用コイルパターン2c′はその両端に内部回路接続点C4 ′、C5 ′が形成され、また接地ライン用コイルパターン3c′の両端に内部回路接続点C2 ′、C3 ′が形成されている。そして信号ライン用コイルパターン2c′と接地ライン用コイルパターン3c′は対称であり、これまた同方向に電流が流れるように巻回状に形成されている。
【0038】
誘電体グリーンシート1c′の上にはビアホールVhが形成された誘電体グリーンシート1b′を積層し、その上に信号ライン用コイルパターン2b′及び接地ライン用コイルパターン3b′を形成する。この信号ライン用コイルパターン2b′はその両端に、しかも前記信号ライン用コイル引出電極4e−1′、4e−2′の位置とは反対端の離れた位置に、信号ライン用コイル引出電極4b−1′、4b−2′が形成され、中央部分には内部回路接続点C0 ′が形成されている。また接地ライン用コイルパターン3b′は、その一端に内部回路接続点C1 ′が形成されているが、他端はどこにも電気接続されず、開放端を形成している。なお前記信号ライン用コイル引出電極4b−1′、4b−2′は誘電体グリーンシート1b′の内側に形成されている。
【0039】
そしてこの誘電体グリーンシート1b′の上に、何もコイルパターンの存在しない誘電体グリーンシート1a′が形成される。
またこのように各誘電体グリーンシートを積層してコイルパターンを形成するとき、前記図1と同様に、接続用ビアホール導体5′により内部回路接続点C10′とC8 ′、C9 ′とC5 ′、C4 ′とC0 ′が接続されて各信号ライン用コイルパターン2e′、2d′、2c′、2b′は電気的に接続されインダクタンスを構成する。同様に接続用ビアホール導体6′により内部回路接続点C11′とC7 ′、C6 ′とC2 ′とC3 ′とC1 ′が接続されて各接地ライン用コイルパターン3e′、3d′、3c′、3b′は電気的に接続されインダクタンスを構成する。
【0040】
最後にこの図6において底部に示す、積層体の誘電体グリーンシート1h′の外部に信号ライン用コイル端子電極a、a′、b、b′及び接地ライン用コイル端子電極g、g′を形成する。
【0041】
これにより前記各パターンを形成すると同時に形成された接続用ビアホール導体5−1′により前記信号ライン用コイル引出電極4e−1′と信号ライン用コイル端子電極aが接続され、接続用ビアホール導体5−2′により信号ライン用コイル引出電極4e−2′と信号ライン用コイル端子電極a′が接続される。そして接続用ビアホール導体5−3′により信号ライン用コイル引出電極4b−1′と信号ライン用コイル端子電極bが接続され、接続用ビアホール導体5−4′により信号ライン用コイル引出電極4b−2′と信号ライン用コイル端子電極b′が接続される。さらに、接続用ビアホール導体6−1′により接地ライン用引出電極4e−3′と接地ライン用コイル端子電極gが接続され、接続用ビアホール導体6−2′により接地ライン用引出電極4e−4′と接地ライン用コイル端子電極g′が接続される。
【0042】
このようにして、各端子電極が積層体の一面のみ、例えば底面に形成された積層フィルタを構成することができる。
この図6に示す積層フィルタは、前記第一の実施の形態に示した積層フィルタの有するすぐれた作用効果に加えて、実装面積がそのチップサイズで可能となる更に他の面に端子電極がなく端子電極の存在による凹凸面がないので、エアーで吸引するとき空気もれがなく吸着し易い等のすぐれた特性を有する。
【0043】
なお前記説明では積層ノイズフィルタの例について説明したが、本発明は勿論これのみに限定されるものではない。
また、前記説明は、グリーンシートを積層した後に各パターンを形成する例を示したが、本発明は勿論これに限定されるものではなく、先に各パターンを形成したグリーンシートを用意しておき、これらグリーンシートを順次積層してもよい。更に、シート法に代えてスクリーン印刷法や、他の方法によって積層することもできる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、下記の如きすぐれた効果を奏することができる。
(1)信号側の端子電極が対向配置されていないので、その間にキャパシタンスを存在させることがなく、従って高周波領域において高い減衰特性を有する積層フィルタを提供することができる。
【0045】
(2)コンデンサ容量やインダクタンス値等の解析が極めて容易な積層フィルタを提供することができる。
(3)実装面積がそのチップサイズで可能となるのみならず、回路基板に取付けるときに電子部品用の自動装着機によるエアーで吸着しやすい作業効率の高い積層フィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の積層フィルタの分解構成説明図である。
【図2】本発明における各層のコイルパターン説明図である。
【図3】本発明における信号ライン用コイルと接地ライン用コイルの層間対向部分説明図である。
【図4】本発明における積層フィルタの斜視図及び等価回路説明図である。
【図5】本発明と従来例との特性比較図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の積層フィルタの分解構成説明図である。
【図7】第1の従来例説明図である。
【図8】第2の従来例説明図である。
【符号の説明】
1 積層体
1a〜1f 誘電体グリーンシート
2b〜2e 信号ライン用コイルパターン
3b〜3e 接地ライン用コイルパターン
4b−1、4b−2 信号ライン用コイル引出電極
4e−1、4e−2 信号ライン用コイル引出電極
4e−3、4e−4 接地ライン用コイル引出電極
5 接続用ビアホール導体
6 接続用ビアホール導体
C0 〜C11 内部回路接続点
a、a′ 信号ライン用コイル端子電極
b、b′ 信号ライン用コイル端子電極
g、g′ 接地ライン用コイル端子電極
Claims (2)
- 信号ライン用コイルパターンと、該信号ライン用コイルパターンと同一平面に形成された接地ライン用コイルパターンと、前記各コイルパターンとが形成される誘電体層と、該誘電体層に形成される複数の内部回路接続点と、を備え、
前記各コイルパターンと、前記誘電体層とを、交互に複数積層し前記内部回路接続点により接続することで信号ライン用コイル及び接地ライン用コイルをなす立方体からなり、
前記立方体の少なくとも一面における一方に、第1(a)端子電極、該第1(a)端子電極に隣接する第2(g)端子電極、該第2(g)端子電極に隣接する第3(b)端子電極が配置され、
前記立方体の少なくとも一面における他方に、前記第1(a)端子電極に対向する第4(a´)端子電極、該第4(a´)端子電極に隣接し、且つ前記第2(g)端子電極に対向する第5(g´)端子電極、該第5(g´)端子電極に隣接し、且つ前記第3(b)端子電極に対向する第6(b´)端子電極が配置される積層フィルタであって、
前記信号ライン用コイルの巻き上げ方向と前記接地ライン用コイルの巻き上げ方向は同一であり、同一平面の前記各コイルパターンは対称のコイルパターンで形成され、前記各コイルパターン間を接続することでインダクタを形成し、
更に、前記各コイルパターンは各誘電体層を挟んで積層方向に対向しており、この対向部分によりキャパシタンスを形成し、
前記信号ライン用コイルを、前記第1(a)、第3(b)、第4(a´)、第6(b´)端子電極に接続し、信号ライン用コイル端子電極を形成し、
前記接地ライン用コイルを、前記第2(g)、第5(g´)端子電極に接続し、接地ライン用コイル端子電極を形成し、
前記信号ライン用コイルの両端のコイルパターンは内部回路接続点より同一平面に対称に2箇所ずつ同じ長さの信号ライン用コイルパターンを形成し、
一端は前記第1(a)端子電極及び前記第4(a´)端子電極へ、
他端は前記第3(b)端子電極及び前記第6(b´)端子電極へと接続され、
前記一端につながる端子電極が前記他端につながる端子電極に対し対向配置されないように形成され、
接地ライン用コイルの片端のコイルパターンは内部回路接続点より同一平面に対称に2箇所ずつ同じ長さの接地ライン用コイルパターンを形成し、
前記第2(g)端子電極及び前記第5(g´)端子電極へと接続され、
前記片端につながる端子電極が前記信号ライン用コイル端子電極に対し対向配置されないように形成されることを特徴とする積層フィルタ。 - 前記信号ライン用コイルの両端の端子電極が積層フィルタの1つの面のみに形成され、前記接地ライン用コイルの片端の端子電極も前記1つの面のみに形成されていることを特徴とする請求項1記載の積層フィルタ。
Priority Applications (1)
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JP33536597A JP4290776B2 (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 積層フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP33536597A JP4290776B2 (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 積層フィルタ |
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JPH11168009A JPH11168009A (ja) | 1999-06-22 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP4290776B2 (ja) |
-
1997
- 1997-12-05 JP JP33536597A patent/JP4290776B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH11168009A (ja) | 1999-06-22 |
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