JP4290124B2 - 動き系列パターン検出 - Google Patents

Description

本発明は、一連のビデオフィールド内での動き系列の周期的なパターンを検出するための動き系列パターン検出器に関し、フィールドのペアの第一のフィールドと第二のフィールドとから導出された画素値間の差を計算し、次いで該差を予め決定された閾値と比較することで、一連のビデオフィールドのフィールドのペア間の動きの存在を検出し、該比較に基づいてフィールドのペアについて動き検出信号を出力するための動き検出ユニット、及びフィールドのペアについて動き検出信号の系列を予め決定された系列と比較することで周期的なパターンを検出するためのパターン認識ユニットを有している。

さらに、本発明は、画像処理装置に関し、一連のビデオフィールドに対応する信号を受信するための受信手段、先に記載されたような動き系列パターン検出器、一連のビデオフィールドに基づいて出力画像系列を計算し、動き系列パターン検出器により制御される画像処理ユニットを有している。

さらに、本発明は、一連のビデオフィールド内で周期的な動きのパターンを検出する方法に関し、フィールドのペアの第一のフィールドと第二のフィールドとから導出された画素値間の差を計算し、該差を予め決定された閾値と比較することで、一連のビデオフィールドのフィールドのペア間の動きの存在を検出し、該比較に基づいてフィールドのペアについて動き検出信号を出力するステップと、フィールドのペアについて動き検出信号の系列を予め決定された系列と比較することで周期的なパターンを検出するステップとを有している。

ピクチャレートに焦点を合わせたとき、３つのフォーマットを区別することができる。
５０Ｈｚビデオ：ＰＡＬ又はＳＥＣＡＭとして一般に知られている伝送規格であって、毎秒５０のインタレースされたフィールドを有している。それぞれのフレームは、６２５ラインを有しており、その偶数及び奇数ラインは、フィールドとして交互に送信される。５０Ｈｚビデオ規格は、日本及び北米を除いて世界の大部分で使用されている。
６０Ｈｚビデオ：ＮＴＳＣとして一般に知られている伝送規格であって、毎秒６０（性格には５９．９４）インタレースされたフィールドを有している。それぞれのフレームは、５２５ラインを有しており、その偶数及び奇数ラインは、フィールドとして交互に送信される。６０Ｈｚビデオ規格は、日本及び北米で使用される。
２４Ｈｚフィルム：透明材料の長いストリップに動画像を記録する方法に対応するフィルムである。毎秒２４画像のフレームレートは、動きを捕捉する能力と時間インターバル当たりに必要とされるフィルムの量と間の妥協である。規格は、ビデオ伝送規格よりも古い。伝送規格とより互換性のあるものとするため、フレームレートを毎秒２５及び３０の画像に調節する試みが行われた。たとえば、コマーシャルといった幾つかの例外を除いて、これらのフレームレートは、動画像の産業における主要な基礎を見出さない。したがって、２４Ｈｚフィルムは、動画像について最も一般的に使用される規格のままである。

テレビジョンが人気のあるメディアとなったとき、新たなコンテンツの必要性が増加した。これは、フォーマット変換方法と呼ばれる。動画像をテレビジョンに変換する以外に、テレビ番組は、異なる伝送規格の間で交換された。このコンテンツもまた、変換を必要とした。後に、テレビジョンが支配的であったとき、ビデオマテリアルは、たとえば、シネマにテレビコマーシャルを表示するためにフィルムに変換された。両方の芸術的及び経済的な理由のため、動画像産業は、フィルムフォーマットを伝送するための同じ手順をビデオフォーマットに適用している。

フィルムをビデオに変換するプロセスは、テレシネプロセスと呼ばれる。このプロセスの多くの実現のうちの１つは、フィルムを照射し、ビデオカメラによりフィルムを通して到来し、ビデオ信号の垂直帰線消去期間においてフィルムを進む光を捕捉することである。２４Ｈｚフィルムから５０Ｈｚ又は６０Ｈｚビデオへのフレームレートを変えるため、「プルダウン」と呼ばれるプロセスが使用される。プルダウンは、フィルムの前の画像が新たな画像が利用可能となるまで繰り返される方法である。この方法は、容易にメカニカルに実現することができる。２４Ｈｚを５０Ｈｚビデオに変換するため、フィルムのピクチャレートは、フィルムを僅かに高速に実行することで毎秒２５のピクチャに増加される。音の速度及びピッチの４パーセントの増加は、一般の人により困惑させるものとしてみなされない。次いで、それぞれのフィルムピクチャは、２度走査されて２つのビデオフィールドをつくる。本方法は、２：２ブルダウンと呼ばれる。また、図１Ｂを参照されたい。音のピッチにおける速度アップ及び変換は一般に人により許容することができないとみなされるので、２４Ｈｚフィルムを６０Ｈｚビデオに変換するため、３０Ｈｚへの速度アップが望まれない。したがって、別の方法は使用され、この場合、偶数フィルムの画像毎に３回繰り返され、奇数フィルムの画像毎に２回繰り返される。これにより、要素２．５だけフレームレートの増加を生じさせ、結果的に６０Ｈｚのビデオ信号となる。この方法は、３：２プルダウンと呼ばれる。図１Ｃを参照されたい。

ＴＶのような画像処理装置は、より大量の系列の出力画像を一連の入力の原画像から計算するための画像処理ユニットを有している場合がある。そのケースでは、多数の出力画像は、連続する入力の原画像間に一時的に位置される。この計算は、イメージレートコンバージョンとして典型的に知られている。イメージレートコンバージョンについて、受信された画像の取得源のタイプを決定することに関連する。それは、良好な画質を達成するため、受信された画像がプログレッシブスキャンモードでより低いイメージレートで画像を取得したフィルムカメラから生じたか、又はビデオ信号のイメージレートで画像を取得したビデオカメラから生じたかを検出しなければならないことを意味する。その検出に基づいて、受信されたビデオフィールドは画像を形成するために結合される。受信されたビデオフィールドがフィルムに対応するケースでは、２つの連続するフィールドを比較的容易にマージすることができる。受信されたビデオフィールドがビデオに対応する場合、画像において検出された動きにより制御されるビデオフィールドの画素値の補間が必要とされる。フィルムモードとしてのビデオモード信号の誤った扱いは、出力画像において明らかに目に見ることができる深刻なアーチファクトを引き起こす。これらのアーチファクトは、フォーク（forks）、マウスティース（mouth teeth）、コムエフェクト（comb effect）又はジッパー（zippers）として知られている。誤ったビデオモード検出は、深刻さが少ないが、アーチファクトを生じる。

一般に、画像処理装置により受信された信号は、一連のビデオフィールドの取得源のタイプに関する明示的な指示を含んでいない。結果として、この情報は、ビデオフィールド自身から抽出される必要がある。典型的に、このことは、動き系列のパターンを検出することで行われる。

開始節で記載された種類の動き系列パターン検出器の実施の形態は、米国特許US4,982,280号から知られている。この特許明細書では、フィルムモード又はプログレッシブスキャンモードのような、一連のビデオフィールド内の動き系列の周期的なパターンを検出するために配置されている動き系列パターン検出器を開示している。動き系列パターン検出器は、一連のビデオ系列の予め決定されたインクリメント内でインクリメントするためにインクリメントからの動きの存在を検出して、これに応じてそれぞれの該インクリメントについて第一の動き検出信号を出力するための動き検出器を有している。動き検出器は、連続するビデオフィールドの画素値間の差を計算し、計算結果を雑音の影響を低減するための閾値と比較する。動き系列パターン検出器は、第一の動き検出信号に応答して、一連のビデオフィールド内の動き系列の周期的なパターンを検出するためのロジック回路を更に備えている。

典型的に、雑音は、ビデオの動きから区別することが困難である。雑音があるフィールドから次のフィールドまで異なるので、ビデオの動きとして認識されることがある。したがって、公知の検出器は、雑音をビデオの動きから区別するための閾値を使用する。画素値の違い、すなわちルミナンスの差が閾値を超えたとき、動きが存在すると想定される。ルミナンスの差が閾値を超えていない場合、差が雑音により生じていないことが想定される。したがって、閾値の適切な値の選択は重要である。

本発明の目的は、比較的に雑音に対してロバストである、開始節で記載された種類の動き系列パターン検出器を提供することにある。

本発明の上記目的は、動き系列パターン検出器が、予め決定された閾値とは異なる更なる予め決定された閾値に基づいてフィールドのペアについて更なる動き検出信号を決定すること、更なる動き検出信号の更なる系列を予め決定された系列と比較すること、及び動き検出信号の系列と予め決定された系列との比較、及び更なる動き検出信号の更なる系列と予め決定された系列との比較の両者に基づいて動き系列の周期的なパターンを検出すること、のために構成される点で達成される。

複数の閾値を適用し、及び様々な動き検出信号の様々な系列を予め決定された系列との間の様々な比較の複数の結果を組み合わせることで、ロバストなパターン検出が達成される。不適切となる場合がある、ある画素値を閾値にチューニングするか又は選択することの代わりに、多数の画素値の差の閾値が使用されて、そのうちの少なくとも１つが適切である。周期的なパターンの偶発的な検出は、少なくとも、適切である画素値の差の閾値に基づいている。

本発明に係る動き系列パターン検出器の実施の形態は、動き検出信号の系列を予め決定された系列と比較すること、及び更なる動き検出信号の更なる系列を予め決定された系列で比較することに基づいて、フィルムモードであるとして一連のビデオフィールドの特性を示すモード信号を発生するために構成される。この動き系列パターン検出器は、いわゆるフィルム検出器であり、このフィルム検出器は、一連のビデオフィールドがプログレッシブスキャンで画像を捕捉したフィルムカメラから生じているかを検出するために構成される。フィルム検出器が、フィルムと整合する動き系列パターンを検出しないか、代替的に、ビデオモードと整合する、すなわちインタレースモードで捕捉された動き系列パターンを検出した場合、本発明に係るこの実施の形態の動き系列パターン検出器は、ビデオモードとして一連のビデオフィールドの特性を示すモード信号を発生するために構成される。

本発明に係る動き系列パターン検出器の実施の形態は、動き検出信号の系列が予め決定された系列に対応するか、又は更なる動き検出信号の更なる系列が予め決定された系列に対応する場合、フィルムモードとして一連のビデオフィールドの特性を示すモード信号を発生するために構成される。言い換えれば、適用された画素値の差の閾値に基づいて、一連のビデオフィールドの特性がフィルムモードに対応すると判定された場合、最終的な結果は、本発明に係るこの実施の形態の動き系列パターン検出器がフィルムモードである一連のビデオフィールドの特性を示すモード信号を発生することである。動き検出信号の系列が予め決定された系列に対応せず、更なる動き検出信号の更なる系列が予め決定された系列に対応しない場合、本発明に係る動き系列パターン検出器は、ビデオモードである一連のビデオフィールドの特性を示すモード信号を発生する。

本発明に係る動き系列パターン検出器の実施の形態は、更なる動き検出信号の更なる系列を予め決定された系列と比較することで周期的なパターンを検出するための更なるパターン認識ユニット、及び周期的なパターンがフィールドのペアについて動き検出信号の系列を予め決定された系列と比較した第一の結果を、更なる動き検出信号の更なる系列を予め決定された系列と比較した第二の結果と結合することで検出されたかを判定する判定ユニットを有している。

本発明に係るこの実施の形態の利点は、処理の一部、特に複数の画素値の差の閾値について動き測定がパラレルに実行されることである。結果として、更なる時間遅延が導入される。

本発明に係る動き系列パターン検出器の実施の形態では、動き検出ユニットは、フィールドのうちの第一のフィールドと第二のフィールドから導出された画素値間の差に関するヒストグラムを確定し、該ヒストグラムの第一のビンに属する画素値間の差の第一の数に基づいて第一の動き検出信号を確定し、ヒストグラムの第一のビンに属する画素値間の差の第一の数と、該ヒストグラムの第二のビンに属する画素値間の差の第二の数との合計に基づいて第一の更なる動き検出信号を確定するために構成される。本発明に係るこの実施の形態の利点は、画素値間の差が一度だけ計算される必要があることであって、多数回にわたり使用される。したがって、利点はリソースの使用を計算することに限定される。

本発明の別の目的は、開始節に記載された種類の画像処理装置を提供することであって、この画像処理装置は、比較的雑音に対してロバストである動き系列パターン検出器を有している。

本発明の目的は、動き系列パターン検出器が更に構成される点で達成される。予め決定された閾値とは異なる更なる予め決定された閾値に基づいてフィールドのペアについて更なる動き検出信号を決定し、更なる動き検出信号の更なる系列を予め決定された系列をと比較し、動き検出信号の系列を予め決定された系列と比較し、更なる動き検出信号の更なる系列を予め決定された系列と比較することに基づいて、動き系列の周期的なパターンを検出するために更に構成される。画像処理装置の画像処理ユニットは、１以上の以下のタイプの画像処理をサポートする場合がある。

たとえば、ＭＰＥＧ規格に従うビデオ圧縮：すなわち符号化又は復号化
デ・インタレース：インタレースは、奇数又は偶数番号のイメージラインを交互に送信するための共通のビデオブロードキャスト手順である。デ・インタレースは、完全な垂直解像度を回復すること、すなわちそれぞれの画像について奇数及び偶数ラインを同時に利用可能にすること試みる。
イメージレートコンバージョン：一連の入力の原画像から、より大きな一連の出力画像が計算される。出力画像は、２つの入力の原画像の間に一時的に配置される。
一時的な雑音の低減：これは、空間処理を含み、結果的に空間−時間的な低減となる。

画像処理装置は、出力画像を表示するためのディスプレイ装置を任意に有している。画像処理装置は、入力画像又は出力画像のいずれかである、画像を記憶するための記憶手段を任意に有している。画像処理装置は、たとえば、ＴＶ、セットトップボックス、ＶＣＲ（Video Cassette Recorder）プレーヤ、サテライトチューナ、又はＤＶＤ（Digital Versatile Disk）プレーヤ又はレコーダである場合がある。

本発明の別の目的は、比較的雑音に対してロバスト性がある開始節に記載された種の方法を提供することにある。
本発明の目的は、本方法が予め決定された閾値とは異なる更なる予め決定された閾値に基づいてフィールドのペアについて更なる動き検出信号を決定するステップ、更なる動き検出信号の更なる系列を予め決定された系列と比較するステップ、及び動き検出信号の系列を予め決定された系列と比較すること、更なる動き検出信号の更なる系列を予め決定された系列と比較することの両者に基づいて動き系列の周期的なパターンを検出するステップを有することを特徴とする。

動き系列パターン検出器の変更及びその変形は、記載される本方法及び画像処理変更及び変形例に対応する。
本発明に係る方法、及び画像処理装置に動き系列パターン検出器のこれらの態様及び他の態様は、以下に記載される実現及び実施の形態から、及び添付図面を参照して明らかとなるであろう。同じ参照符号は、図面全体を通して同じ部材を示すために使用される。

図１Ａは、ビデオ信号の２つの連続するフィールド１００，１０２を概念的に示している。第一のフィールド１００は、フレームの奇数値のたとえば１０４−１１２である画素値を有しており、第二のフィールド１０２は、フレームの偶数ラインのたとえば１１４−１２２である画素値を有している。たとえば、第二のフィールド１０２の画素１１６に対応するフレーム座標では、第一のフィールド１００で直接的に利用可能な画素値１２４が存在しない。それは、ある画素値１２４が必要とされる場合に、この画素値は、他の画素値から導出されなければならないことを意味している。たとえば、この画素値は、たとえば、画素値１０４−１０９に基づく補間により、第一のフィールド１００の画素値の補間により計算することができる。任意に、より低い画素値が考慮される。補間は、メジアン演算のような順序統計演算（order statistical operation）をも含んでいる。また、フィールド１０２又はフィールド１００に先行する（図示されない）フィールドからの画素も含んでいる。

図１Ｂは、２：２プルダウンを概念的に示している。周波数２５Ｈｚによる画像１３０−１３６の入力ストリームは、周波数５０Ｈｚをもつビデオフィールド１３８−１５２の出力ストリームにアップコンバートされる。ビデオフィールドの異なるフェーズ｛０，１｝は、ビデオフィールド１３８−１５２に示されている。このフィルムフェーズは、繰返しパターンにおける位置を示し、フィルム検出器で典型的に計算される。

図１Ｃは、３：２プルダウンを概念的に示している。周波数２４Ｈｚをもつピクチャ１６０−１６４の入力ストリームは、周波数６０Ｈｚをもつビデオフィールド１６８−１８２の出力ストリームにアップコンバートされる。ビデオフィールドの異なるフェーズ｛０，１，２，３，４｝は、ビデオフィールド１６８−１８２に示される。

図２Ａは、本発明に係る動き系列パターン検出器２００の実施の形態を概念的に示している。動き系列パターン検出器２００の入力コネクタ２０８では、インタレースされたルミナンス信号が提供される。この入力は、３次元のルミナンス関数
（外１）

として示され、ベクトル
（外２）

は２つの空間座標ｘ及びｙを有し、ｎはフィールド番号に対応する時間座標である。ビデオ信号がインタレースされるので、各偶数又は各奇数ラインの画素値は定義されていない。出力コネクタ２１０では、入力のモード及びフェーズを示す離散信号のセットが提供される。表１は、異なるモード、及びこれらのモードのそれぞれのフェーズの可能性のある値を列挙している。

動き系列パターン検出器２００は、動き検出ユニット２０２及びパターン認識ユニット２０４を有している。任意に、動き系列パターン検出器２００は、ビデオフィールドの一時的な記憶のためのビデオメモリ２１２を有している。代替的には、ビデオメモリ２１２は、共有されるメモリデバイスの一部である。動き系列パターン検出器２００の動作は、以下のようである。予め決定された画素値の差の閾値が与えられると、動き検出ユニット２０２は、一連のビデオフィールドのフィールドのそれぞれのペアについて動きの測定値を計算するよう構成される。言い換えれば、予め決定された画素値の差の閾値に基づいて、ビデオフィールドのそれぞれのペアについて、それぞれのペアの第一のフィールドと第二のフィールドとの間の動きの量を示す動きの値が決定される。この動きの値は、フィールドのペアの第一のフィールドと第二のフィールドから導出された画素値間の差を計算し、続いて、該差を予め決定された画素値の閾値と比較することで決定される。画素値間の差が予め決定された画素値の閾値よりも大きい場合、その画素、すなわち座標について、動きが存在するとされる。その場合、画素の動きカウンタが増加される。フィールドの全ての画素をテストすることで、最終的に画素の動きカウンタは、動きをもつ画素数を表している。それは、画素の動きカウンタの表現が調査中のビデオフィールドのペアについて動き値に対応することを意味する。なお、動きを計算するための代替的な方法、幾つかのフィルタリングを含むことが可能である。

予め決定された画素値の差の閾値の値を調節することで、そのフィールドのペアについて動きの値の最終的な値が変化することは明らかである。予め決定された画素値の差の閾値の比較的低い値により、雑音により生じる画素値間の僅かな差が動きとして解釈される、すなわちカウントされる確率は高い。他方で、画素値の差の閾値の比較的高い値により、動きにより実際に生じた大きな差が動きとして解釈されない確率が高くなる。このジレンマを克服するため、多数の予め決定された画素値の差の閾値について、それぞれの動きの値がビデオフィールドのペアのそれぞれについて計算される。これらの予め決定された画素値の差の閾値の値は、比較的低い値から比較的高い値にまで及ぶ。典型的に８つの異なる予め決定された画素値の差の閾値が適用される。好ましくは、これらの画素値の差の閾値の値間の差は、相互に等しくない。たとえば、
（外３）

の異なるルミナンス値の数は２５６に等しく、予め決定された画素値の差の閾値の値は、それぞれ２，４，６，８，１０，１４，２０及び２８である。

予め決定された画素値のそれぞれについて、一連の動きの値は、フィールドのペアについて計算される。これらの動きの値は、フィールドのペアの動き検出信号の系列を予め決定された系列と比較することで周期的なパターンを検出するために設計されるパターン認識ユニット２０４に動き検出信号として提供される。可能性のある周期的なパターンは、表２に列挙されている。

表２では、シンボルＨはビデオフィールドのついて高い動きを意味し、すなわち動き検出信号の実際の値は高い。シンボルＬは、ビデオフィールドについて低い動きの値を意味する。

本発明に係る動き系列パターン検出器２００は、フィルムモードに対応する周期的なパターンが予め決定された画素値の差の閾値のうちの１つについて検出された場合に、動き系列パターン検出器２００の出力コネクタ２１０で、離散信号は、モードがフィルムであることを示している。また、フィルムフェーズが提供される。予め決定された画素値の差の閾値のいずれについても、フィルムモードに対応する周期的なパターンが検出されず、動き系列パターン検出器２００の出力コネクタ２１０で、離散信号は、モードがビデオであることを示している。

予め決定された画素値の差の閾値のうちの１つについて、フィルムモードに対応する周期的なパターンが検出されるが、予め決定された画素値の差の閾値のうちの他の値について、フィルムモードに対応する周期的なパターンが検出されない確率は高い。それらは無視される。予め決定された画素値の差の閾値の不適切な値により、フィルムに対応する周期的なパターンを検出することはできないことが仮定される。このことは、不適切な予め決定された画素値の差の閾値に基づいて計算される一連の動きの値が相互に実質的に等しい値を含んでいることが仮定されることを意味している。言い換えれば、かかる一連の動きの値は、ビデオに対応する周期的なパターンＨＨＨＨＨＨＨＨＨと整合する。したがって、予め決定された画素値の差の閾値の適切な値により、フィルムに対応する周期的なパターンを検出することができることが仮定される。

動き検出ユニット２０２及びパターン認識ユニット２０４は、１つのプロセッサを使用して実現される場合がある。通常、これらの機能は、ソフトウェアプログラムプロダクトに制御下で実行される。実行の間、通常、ソフトウェアプログラムプロダクトは、ＲＡＭのようなメモリにロードされ、そこから実行される。プログラムは、ＲＯＭ、ハードディスク、若しくは磁気及び／又は光記憶のようなバックグランドメモリからロードされるか、又はインターネットのようなネットワークを介してロードされる。任意に、特定用途向け集積回路は、開示される機能を提供する。

図２Ｂは、本発明に係る動き系列パターン検出器２００の動き検出ユニット２０２の詳細を概念的に示している。動き検出ユニット２０２は、差分演算ユニット２１６及び出力ユニット２１４を有しており、それぞれの予め決定された画素値の差の閾値について複数の動き検出信号を提供するために構成されている。この態様は、図４と共により詳細に説明される。差分演算ユニット２１６は、第一のビデオフィールド１００から導出される第一の画素値１２４と第二のビデオフィールド１０２から直接的に採用される第二の画素値１１６との間の差を計算するために構成されている。第一の画素値１２４は、第一のビデオフィールド１００の画素値１０６及び１０７と、第二のビデオフィールド１０２の画素値１１６との中間値を採用することで計算される。画素値は、第一のビデオフィールド１００に先行する第三のビデオフィールドから導出される場合もある。この第三のビデオフィールドは示されていない。第一の画素値１２４と第二の画素値１１６との間の差は、差のヒストグラム４００のサンプルを計算するために適用される（図４と共に記載の参照されたい）。このヒストグラム４００に基づいて、それぞれ予め決定された画素値の差の閾値の複数の動き検出信号が決定される。第一の動き検出信号３１０は、ヒストグラム４００の第一のビン４０６に属している画素値間の差の第一の数に基づいて決定される。第二の動き検出信号３１２は、第一のビン４０６に属している画素値間の差の第一の数と、ヒストグラム４００の第二のビン４０８に属している画素値間の差の第二の数との合計に基づいて決定される。それは、第一の予め決定された画素値の差の閾値が第一のビン４０６の最大の値に対応し、第二の予め決定された画素値の差の閾値は、第二のビン４０８の最大値に対応する。

図３は、多数のパターン認識ユニット２０４及び３０２−３０６を有する本発明に係る動き系列パターン検出器の実施の形態を概念的に示している。これらのパターン認識ユニット３１０−３１６のそれぞれは、それぞれの動き検出信号３１０−３１６が周期的なパターンと整合するかを検出するために構成される。このことは、これらのパターン認識ユニット２０４及び３０２−３０６がそれぞれの動き検出信号３１０−３１６の離散的な値のサンプルのセットを検出されるべき周期的なパターンを表している値のリストと比較するために設計される。これらの比較の中間的な結果３１８−３２４は、これらの中間的な結果をモード及びフェーズを示す最終的な結果に結合するために構成される最終的な判定ユニット３０８に出力される。

図４は、図２及び図３と共に記載される動き系列パターン検出器により計算及び適用される、画素値の差に関するヒストグラム４００を概念的に示している。ｘ軸４０４は、図１Ａと図２Ｂと共に記載されるような関連される画素値間の差を表している。ｙ軸は、予め決定された差と余り異ならないが、別の予め決定された差と大きく異なる画素数を表している。ヒストグラム４００は、多数のビン４０６−４２６を備えている。それぞれのビンは、画素値間の所定の差のレンジに対応する。たとえば、第一のビン４０６は、ゼロよりも大きいが、２のルミナンスユニットよりも低いか等しい、第一及び第二のビデオフィールドの画素値間の絶対差を有し、第二のビン４０８は、２よりも大きいが、４のルミナンスユニットよりも低いか又は等しい第一及び第二のビデオフィールドの画素値間の絶対差を有している。そのケースでは、第一の予め決定された画素値の差の閾値の動きの値は、２のルミナンスユニットに等しく、第一のビン４０６の値に対応し、第二の予め決定された画素値の差の閾値の動きの値は、４のルミナンスユニットに等しく、第一のビン４０６の値と第二のビン４０８の値とからなる合計に対応する。ヒストグラム４００をひとたび決定することで、異なる予め決定された画素値の差の閾値の様々な動きの値を計算することが比較的容易になることは明らかである。適切なビン４０６−４２６の値のまさに統合である。この例は、予め決定された画素値の差の閾値の値とヒストグラム４００のビン４０６−４２６との間の関係が存在することを例示している。

図５は、本発明に係る画像処理装置の実施の形態を概念的に示しており、以下の構成を有している。受信手段５０２は、ビデオフィールドを含む入力画像を表す信号を受信する。この信号は、アンテナ又はケーブルを介して受信されたブロードキャスト信号であるが、ＶＣＲ（Video Cassette Recorder）又はＤＶＤ（Digital Versatile Disk）のような記憶装置からの信号である場合がある。この信号は、入力コネクタ５１０で供給される。動き系列パターン検出器５０８は、図２Ａ，図２Ｂ又は図３のいずれかと共に記載されるようなものである。画像処理ユニット５０４は、一連のビデオフィールドに基づいて出力画像の系列を計算する。画像処理ユニット５０４は、動き系列パターン検出器５０８により制御される。制御は、動き系列パターン検出器５０８の出力が画像処理ユニット５０４に影響を及ぼすことを意味する。たとえば、画像処理ユニット５０４がデ・インタレースを実行するために構成される場合、対応するビデオフィールドを画像に結合するために出力（モード及びフェーズ）が使用される。ディスプレイ装置５０６は、画像処理ユニット５０４の出力画像を表示する。このディスプレイ装置５０６は任意である。画像処理装置５００は、たとえばＴＶである場合がある。代替的に画像処理装置５００は、任意のディスプレイ装置５０６を有さないが、ディスプレイ装置５０６を有する装置に出力画像を提供する。次いで、画像処理装置５００は、たとえば、セットトップボックス、サテライトチューナ、ＶＣＲプレーヤ、ＤＶＤプレーヤ、又はＤＶＤレコーダである場合がある。任意に、画像処理装置５００は、ハードディスクのような記憶手段、又はたとえば光ディスクといった取り外し可能なメディアへの記憶のための手段を有している。また、画像処理装置５００は、フィルムスタジオ又はブロードキャスタにより適用されるシステムである場合がある。

先に記載された実施の形態は本発明を限定するよりはむしろ例示するものであって、当業者であれば、特許請求の範囲から逸脱しない代替的な実施の形態を設計可能であることを述べておく。請求項では、括弧間に配置される参照符号は、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。単語“comprising”は、請求項に列挙された構成要素又はステップの存在を排除するものではない。構成要素に先行する単語“a”又は“an”は、複数のかかる構成要素の存在を排除するものではない。本発明は、幾つかの固有な構成要素からなるハードウェアにより、適切にプログラムされたコンピュータにより実現することができる。幾つかの手段を列挙している装置の請求項では、これら手段の幾つかは、同一のアイテムのハードウェアにより実施することができる。

１つのフレームの２つのフィールドを概念的に示す図である。 ２：２プルダウンを概念的に示す図である。 ３：２プルダウンを概念的に示す図である。 本発明に係る動き系列パターン検出器の実施の形態を概念的に示す図である。 本発明に係る動き系列パターン検出器の動き検出ユニットの詳細を概念的に示す図である。 多数のパターン認識ユニットを有する、本発明に係る動き系列パターン検出器の実施の形態を概念的に示す図である。 図２及び図３と共に記載される動き系列パターン検出器により計算され適用される、画素値の差に関するヒストグラムを概念的に示す図である。 本発明に係る画像処理装置５００の実施の形態を概念的に示す図である。

Claims (11)

1. 一連のビデオフィールド内で動き系列の周期的なパターンを検出するための動き系列パターン検出器であって、
   ・フィールドのペアの第一及び第二のフィールドから導出された画素値間の差を計算し、該差を所定の閾値と比較し、動きのある画素の数をカウントすることによって、前記一連のビデオフィールドのフィールドのペア間の動きの存在を検出し、ここで、動きのある画素とは前記差が前記所定の閾値より大きな画素であり、前記動きのある画素の数に基づいてフィールドのペアについて動き検出信号を出力する動き検出ユニットと、
   ・前記フィールドのペアの動き検出信号の系列を所定の系列と比較することによって、周期的なパターンを検出して第一の系列比較結果を与えるパターン認識ユニットとを有し、
   当該動き系列パターン検出器は更に更なるパターン認識ユニット及び判定ユニットを有しており：
   ・前記動き検出ユニットは更に、前記所定の閾値とは異なる更なる所定の閾値に基づいて前記フィールドのペアについて更なる動き検出信号を決定するよう構成されており、
   ・前記更なるパターン認識ユニットは更に、前記更なる動き検出信号の更なる系列を前記所定の系列と比較して第二の系列比較結果を与えるよう構成されており、
   ・当該動き系列パターン検出器は、前記判定ユニットにより前記第一及び第二の系列比較結果を組み合わせることにより動き系列の周期的なパターンを検出するよう構成されており、ここで、当該動き系列パターン検出器は、前記第一及び第二の系列比較結果の少なくとも一つが周期的なパターンを示すのに応答して周期的なパターンを検出するよう構成されている、
   ことを特徴とする動き系列パターン検出器。
2. 前記所定の系列がフィルムモードについての系列であり、前記周期的なパターンが検出されるときに前記一連のビデオフィールドの特性をフィルムモードであるとして示すモード信号を発生するよう構成されたモード信号指示手段を有する、
   ことを特徴とする請求項１記載の動き系列パターン検出器。
3. 前記動き検出信号の系列が前記所定の系列に対応するか、前記更なる動き検出信号の更なる系列が前記所定の系列に対応する場合、前記一連のビデオフィールドの特性をフィルムモードであるとして示すモード信号を発生するよう構成される、
   ことを特徴とする請求項２記載の動き系列パターン検出器。
4. 前記更なる動き検出信号の更なる系列を前記所定の系列と比較することで、該周期的なパターンを検出する更なるパターン認識ユニットと、
   前記フィールドのペアの前記動き検出信号の系列を前記所定の系列と比較した第一の結果と、前記更なる動き検出信号の更なる系列を前記所定の系列と比較した第二の結果とを結合することで、周期的なパターンが検出されたかを判定する判定ユニットと、
   を有することを特徴とする請求項３記載の動き系列パターン検出器。
5. 前記動き検出ユニットは、フィールドのうちの第一のフィールドと第二のフィールドとから導出された画素値間の差に関するヒストグラムを決定するよう構成され、前記ヒストグラムの第一のビンに属する画素値間の差の第一の数に基づいて第一の動き検出信号を決定し、前記第一のビンに属する画素値間の差の第一の数と前記ヒストグラムの第二のビンに属する画素値間の差の第二の数との合計に基づいて第一の更なる動き検出信号を決定するよう構成される、
   ことを特徴とする請求項３記載の動き系列パターン検出器。
6. ・一連のビデオフィールドに対応する信号を受信する受信手段と、
   ・前記一連のビデオフィールド内で動き系列の周期的なパターンを検出する請求項１記載の動き系列パターン検出器と、
   ・前記一連のビデオフィールドに基づいて出力画像の系列を計算し、前記動き系列パターン検出器により制御される画像処理ユニットと、
   を有することを特徴とする画像処理装置。
7. 前記出力画像を表示するためのディスプレイ装置を更に有する、
   ことを特徴とする請求項６記載の画像処理装置。
8. 当該画像処理装置はＴＶである、
   ことを特徴とする請求項７記載の画像処理装置。
9. 前記出力画像の記憶のための記憶手段を更に有する、
   ことを特徴とする請求項６記載の画像処理装置。
10. 当該画像処理装置はＤＶＤレコーダである、
    ことを特徴とする請求項９記載の画像処理装置。
11. 一連のビデオフィールド内で動き系列の周期的なパターンを検出する方法であって、
    ・フィールドのペアの第一及び第二のフィールドから導出された画素値間の差を計算し、該差を所定の閾値と比較し、動きのある画素の数をカウントすることによって、前記一連のビデオフィールドのフィールドのペア間の動きの存在を検出し、ここで、動きのある画素とは前記差が前記所定の閾値より大きな画素であり、前記動きのある画素の数に基づいてフィールドのペアについて動き検出信号を出力するステップと、
    ・前記フィールドのペアの動き検出信号の系列を所定の系列と比較することによって、該周期的なパターンを検出して第一の系列比較結果を与えるステップと、
    ・前記所定の閾値とは異なる更なる所定の閾値に基づいて前記フィールドのペアについて更なる動き検出信号を決定するステップと、
    ・前記更なる動き検出信号の更なる系列を前記所定の系列と比較て第二の系列比較結果を与えるステップと、
    ・前記第一及び第二の系列比較結果を組み合わせることにより、前記第一及び第二の系列比較結果の少なくとも一つが周期的なパターンを示すのに応答して動き系列の該周期的なパターンを検出するステップとを有する、
    ことを特徴とする方法。

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