JP4289973B2 - 細隙灯顕微鏡から取得された白内障被検眼のカラー画像データに基づき、白内障の症状を定量化するための色補正装置 - Google Patents
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Description
図5には、本発明の方法において使用するのに適したカラーチャートの1例が示してある。図5を参照して、カラーチャート10は、中央の細隙灯顕微鏡用カラーチャート部分41と、細隙灯顕微鏡用カラーチャート部分41の両側に配置された初期参照色度ベクトル値測定用カラーチャート部分40a、40bとから構成されている。細隙灯顕微鏡用カラーチャート部分41は、細隙灯(光源)による光照射範囲内に収まるようなサイズ(幅約2mm)に形成され、また、初期参照色度ベクトル値測定用カラーチャート部分40a、40bには、細隙灯顕微鏡用カラーチャート部分41に配列されたカラーパッチと同じカラーパッチが配列されている。この場合、細隙灯顕微鏡用カラーチャート部分41の一部に孔42を設けることにより、黒色パッチとすることができる。こうして、ステップ(a)では、このカラーチャート10の初期参照色度ベクトル測定用カラーチャート部分40a、40bが使用され、ステップ(b)では、細隙灯顕微鏡用カラーチャート部分421が使用される。
を用いて求められる(図1のステップ(c)参照)。そして、細隙灯顕微鏡から取得されたカラー画像データをマトリクスAによって変換することにより、色補正がなされたカラー画像データを得ることができる。
を用いて求められ、補正色度ベクトル値(CQ0i)jに基づいて白内障被検眼のカラー画像データが補正され、それが記録されるとともに、補正後の白内障被検眼のカラー画像データにおける虹彩部分の補正色度ベクトル値の平均値が求められ、それが補正参照色度ベクトル値(W0)jとされる(図1のステップ(d)参照)。
を用いて求められ、補正色度ベクトル値(CQ1i)jに基づいて白内障被検眼のカラー画像データが補正され、補正後の白内障被検眼のカラー画像データにおける虹彩部分の補正色度ベクトル値の平均値(Wav)jが求められ、その平均値(Wav)jと補正参照色度ベクトル値(W0)jとの平均値が求められて新たな補正参照色度ベクトル値(W0)jとされ、さらに、平均値(Wav)jと新たな補正参照色度ベクトル値(W0)jとの差が求められ、その差に基づいて、補正後の白内障被検眼のカラー画像データがさらに補正され、それが記録される(図1のステップ(e)参照)。
と表すことにより分光分布sを41次元のベクトルで表すことができる。すなわち、
s=(s0,s1,s2,・・・,s40)
今、ある物体の分光反射率のベクトル表現をB、光源の分光分布のベクトル表現をF、人間の各錐体の分光感度のベクトル表現をそれぞれp、d、tとおくと三刺激値P、D、Tは
となる。
また物体から反射して目に入ってくる光の分光エネルギーのベクトル表現をOとし、分光感度をまとめて
とすると
と内積の形に表現できる。
人間の目にとっては、光の分光分布が異なっても三刺激値が同一であれば同じ色として感じられる。
今、CIEの標準により
赤の原色光Rとしてλ=700nmの単色光、
緑の原色光Gとしてλ=546.1nmの単色光、
青の原色光Bとしてλ=435.8nmの単色光、
を三原色として、380nm〜780nmの範囲内の各波長の単色光を三原色で等色した際のRGBの分光分布、等色関数と呼ばれる。
等色関数は三種の錐体の分光感度の線形変換となっている。
ここで、Aはマトリクスをあらわす。
また、未知の光源で未知の感度特性を有する撮像手段によりカラーパッチを撮像した際のRGB値を同様に(P1i)kとする。ここで、双方とも色空間を同じRGBとしているためj=kである。
(P0i)jと(P1i)kとの関係を、(P0i)j=Aijk×(P1i)kとし、未知の感度特性が等色関数でセンスされたものであると仮定すると、(P0i)jと(P1i)kとは線形の関係にあり、A0jk=A1jk=A2jk=・・・=A23jkとなり、最小二乗法によりパラメータAjkを求めることができる。
[(R1,G1,B1)(R2,G2,B2)・・・(R24,G24,B24)]
が求められる。
[(r1,g1,b1)(r2,g2,b2)・・・(r24,g24,b24)]
が求められる。
として、
Y=AX
が成立し、これから最小二乗法を用いて、
A(XXT)=YXT、
A=YXT(XTX)−1
から、マトリクスAが求められる。
Ri=ari+dgi+gbi
Gi=bri+egi+hbi
Bi=cri+fgi+ibi
を用いて求められ、補正RGB値(Ri,Gi,Bi)に基づいて白内障被検眼のカラー画像データが補正され、それが記録される。また、補正後の白内障被検眼のカラー画像データにおける虹彩部分の補正RGB値(Ri,Gi,Bi)の平均値が求められ、それが補正参照RGB値(WR,WG,WB)とされる。
今、適当なディスプレイに、図3(A)に示された白内障被検眼のカラー画像20が表示され、そして、この画像20における虹彩21の適当な領域(例えば、図3(A)領域のM1)が、医師により適当なポインティング・デバイスを用いて指定される。そして、指定された領域M1を構成する画素のRGB値の平均値が求められ、求められた平均RGB値が補正参照RGB値(WR,WG,WB)とされる。なお、この例では、画像20中の虹彩21における適当な領域を医師が指定するようにしているが、この画像データに基づき、コンピュータを用いて自動的に虹彩部分を検出し、その画素のRGB値の平均値を求めるようにすることもできる。
第1演算部4は、第1色度ベクトル値検出部3によって求められた生の色度ベクトル値(P1i)jと、初期参照色度ベクトル値格納部2に格納された初期参照色度ベクトル値(P0i)jとから、細隙灯顕微鏡12の光源13の色特性Fと、細隙灯顕微鏡12に備えられた撮像手段14の感度特性Sの積からなるマトリクスAjk=F×Sを、
を用いて求める。
を用いて求める。また、第1画像データ補正部7は、第2演算部6によって求められた補正色度ベクトル値(CQ0i)jに基づいて、白内障被検眼11のカラー画像データを補正する。
図4を参照して、まず最初、既知の色特性を有する所定の光源、および既知の線形な感度特性を有する所定の撮像手段を使用してカラーチャートが撮像され、取得されたカラー画像データのカラーパッチ毎の初期参照色度ベクトル値(P0i)jが求められる(図4のステップ(a’)参照)。
2 初期参照色度ベクトル値格納部
3 第1色度ベクトル値検出部
4 第1演算部
5 第2色度ベクトル値検出部
6 第2演算部
7 第1画像データ補正部
8 第3色度ベクトル値検出部
9 第2画像データ補正部
10 カラーチャート
11 白内障被検眼
12 細隙灯顕微鏡
13 光源
14 撮像手段
Claims (1)
- 撮像手段を備えた細隙灯顕微鏡により取得された白内障被検眼のカラー画像データに基づき、白内障の症状を定量化するための色補正装置であって、
細隙灯顕微鏡に備えられた、線形な感度特性を有する撮像手段によって撮像され、取得されたカラーチャートのカラー画像データのカラーパッチ毎の生の色度ベクトル値(P 1i ) j を求める第1色度ベクトル値検出部と、
既知の色特性を有する所定の光源、および既知の線形な感度特性を有する所定の撮像手段を使用して前記カラーチャートを撮像し、取得した前記カラーチャートのカラー画像データに基づいて求められた、前記カラーチャートのカラーパッチ毎の初期参照色度ベクトル値(P 0i ) j を格納する初期参照色度ベクトル値格納部と、
前記第1色度ベクトル値検出部によって求められた前記生の色度ベクトル値(P 1i ) j と、前記初期参照色度ベクトル値格納部に格納された前記初期参照色度ベクトル値(P 0i ) j とから、前記細隙灯顕微鏡の光源の色特性Fと、前記細隙灯顕微鏡に備えられた撮像手段の感度特性Sの積からなるマトリクスA jk =F×Sを、
前記細隙灯顕微鏡に備えられた撮像手段によって撮像され、取得された白内障被検眼のカラー画像データを構成する各画素の生の色度ベクトル値(Q 0i ) j を求める第2色度ベクトル値検出部と、
前記第2色度ベクトル値検出部によって求められた前記生の色度ベクトル値(Q 0i ) j に対する補正色度ベクトル値(CQ 0i ) j を、前記第1演算部によって求められたマトリクスA jk の値、および
前記第2演算部によって求められた補正色度ベクトル値(CQ 0i ) j に基づいて、前記白内障被検眼のカラー画像データを補正する第1画像データ補正部と、
前記第1画像データ補正部によって補正された前記白内障被検眼のカラー画像データにおける虹彩部分の補正色度ベクトル値の平均値(W av ) j を求める第3色度ベクトル値検出部と、
前記白内障被検眼のカラー画像データが第1回目に取得されたとき、前記第3色度ベクトル値検出部によって求められた平均値(W av ) j を補正参照色度ベクトル値(W 0 ) j として記録するとともに、前記第1画像データ補正部によって補正された前記白内障被検眼のカラー画像データを記録するが、前記白内障被検眼のカラー画像データが第2回目以降に取得されたときには、前記第3色度ベクトル値検出部によって求められた平均値(W av ) j と前記補正参照色度ベクトル値(W 0 ) j との平均値を求めて新たな補正参照色度ベクトル値(W 0 ) j とし、さらに、前記平均値(W av ) j と前記新たな補正参照色度ベクトル値(W 0 ) j との差を求め、その差に基づいて、前記第1画像データ補正部によって補正された前記白内障被検眼のカラー画像データをさらに補正し、それを記録する第2画像データ補正部と、を有していることを特徴とする装置。
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