JP6531202B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、生体組織の画像を処理する画像処理装置に関する。
内視鏡画像の色情報を解析して、被写体である生体組織の状態に関する情報(以下、「生体情報」という。)を得る内視鏡装置が知られている。
特許文献1には、血中ヘモグロビンの酸素飽和度に関する情報を画像化した酸素飽和度画像を生成する内視鏡システムが記載されている。特許文献1の内視鏡システムは、波長スペクトルが異なる2種類の照明光(白色光と狭帯域である酸素飽和度測定光)を交互に用いて連続して撮影した2フレームの色信号の関係から画素毎に酸素飽和度を求め、酸素飽和度と関連付けられた色差信号(疑似カラー)で表された酸素飽和度画像を生成する。また、特許文献1の内視鏡システムは、上記2フレームの色信号の関係から、画素毎に酸素飽和度の信頼度を計算し、疑似カラーの彩度を信頼度に応じて決定する。
特許第5302984号公報
特許文献1の内視鏡システムでは、画素毎に生体情報の信頼性が評価・表示されるに過ぎず、画像全体での信頼性(すなわち、撮影条件の良否)に適した画像処理を行うことができなかった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、画像全体での生体情報の信頼性に応じた画像処理が可能な画像処理装置を提供することである。
本発明の一実施形態によれば、生体組織を撮影した複数の画像データからなるカラー動画像データを取得する画像データ取得手段と、画像データに基づいて、画像データが表す画像に写された生体組織の病変の重症度を示すスコアを画素毎に計算するスコア計算手段と、画像データに基づいて、スコアの信頼性を評価する信頼性評価手段と、画像データの全画素数のうち、スコアが所定の信頼性を有する画素の割合を示すスコア信頼度を計算するスコア信頼度計算手段と、を備えた、画像処理装置が提供される。
上記の画像処理装置において、信頼性評価手段が、画素値に基づきハレーションの画素か否かを判定するハレーション判定手段を備え、ハレーションの画素と判定された画素を、スコアが所定の信頼性を有する画素から除外する構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、信頼性評価手段が、画素値に基づき暗部の画素か否かを判定する暗部判定手段を備え、暗部の画素と判定された画素を、スコアが所定の信頼性を有する画素から除外する構成としてもよい。
輝度が過度に高い又は過度に低い画素は、色情報の精度が低いため、スコアの信頼性も低いものとなる。ハレーションの発生部や暗部の画素を判定する手段を設け、ハレーションの発生部又は暗部と判定された画素をスコアの信頼性に乏しい画素と分類することにより、適切な信頼性の評価が可能になる。
上記の画像処理装置において、画像データの画素値をHSI(Heu-Saturation-Intensity)空間の画素値に変換する色空間変換手段を備え、信頼性評価手段が、色空間変換手段から出力された画素の輝度に基づいてスコアの信頼性を評価する構成としてもよい。
スコアの信頼性の計算には輝度情報が必要となるため、HSI空間上で表現された画像データを使用することで、スコアの信頼性の計算が容易になる。
上記の画像処理装置において、信頼性評価手段が、画素値に基づきいずれかのカラーチャンネルが飽和した飽和画素か否かを判定する飽和判定手段を備え、飽和画素と判定された画素を、スコアが所定の信頼性を有する画素から除外する構成としてもよい。
この構成によれば、従来考慮されていなかったカラーチャンネルの飽和に基づいてスコアの信頼性が評価されるため、より精密で適切な信頼性の評価が可能になる。
上記の画像処理装置において、飽和判定手段が、画素値に基づき飽和したカラーチャンネル数を計数する飽和チャンネル数計数手段を備え、飽和したカラーチャンネル数が所定数以上の画素を飽和画素と判定する構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、スコアの分布を示す印を画像上に付すマーキング手段を備え、マーキング手段が、スコア信頼度に応じて印の態様を変更する構成としてもよい。
この構成によれば、スコア信頼度に適したスコア分布の表示が可能になる。
上記の画像処理装置において、マーキング手段が、病変部の画素の色をスコアに応じた色に変更する第1カラーマッピングを行う構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、マーキング手段が、スコアの信頼性が低い画素が局在する画像の領域を、第1カラーマッピングを行う領域から除外する構成としてもよい。
この構成によれば、第1カラーマッピングに必要な計算量が削減される。
上記の画像処理装置において、マーキング手段が、スコアが所定の信頼性を有する画素と、信頼性を有しない画素とで、それぞれ異なる色を使用して第1カラーマッピングを行う構成としてもよい。
この構成によれば、信頼性の有無とスコアを直感的に把握可能なカラーマップ画像が得られる。
上記の画像処理装置において、マーキング手段が、画像においてスコアが所定値以上の領域の上に印を付す第1種簡易マーキング処理を行う構成としてもよい。
この構成によれば、少ない計算量で、信頼性の有無やスコアの分布を容易に把握できるマーキングが可能になる。
上記の画像処理装置において、印が符号又は図形であり、マーキング手段が、スコアに応じて、印の大きさ、色及び種類の少なくとも一つを変更する構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、第1種簡易マーキング処理が、スコアが所定値以上の領域の重心、又は、スコアが最大となる画素の上に単一の印を付す構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、第1種簡易マーキング処理が、スコアが所定値以上の領域に複数の印を付す構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、第1種簡易マーキング処理が、複数の印を互いに重なり合わないように付す構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、第1種簡易マーキング処理が、スコアが所定値以上の画素の上に、スコアに応じた大きさの印を付す構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、マーキング手段が、画像においてスコアが高い領域を囲むように印を付す第2種簡易マーキング処理を行う構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、印が、スコアが高い領域を囲む環、又は、スコアが高い領域を囲むように配列された複数の符号又は図形である構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、スコアの信頼性の評価結果を表示する信頼性表示手段を備えた構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、信頼性表示手段が、スコア信頼度を表示するスコア信頼度表示手段を備えた構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、信頼性表示手段が、暗部の画素の数に関する情報を表示する暗部情報表示手段を備えた構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、信頼性表示手段が、ハレーションの画素の数に関する情報を表示するハレーション情報表示手段を備えた構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、信頼性表示手段が、飽和したカラーチャンネルの数に関する情報を表示する飽和情報表示手段を備えた構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、飽和情報表示手段が、画素の色を飽和したカラーチャンネルの数に応じた色に変更する第2カラーマッピングを行う構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、飽和情報表示手段が、第1カラーマッピングとは異なる色を使用して第2カラーマッピングを行う構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、マーキング手段が、有彩色を使用して第1カラーマッピングを行い、飽和情報表示手段が、無彩色を使用して第2カラーマッピングを行う構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、画像のカラーバランスに基づいて、撮影条件の良否を判定する構成としてもよい。
上記の画像処理装置において、画像が、単一の広帯域照明光を用いて撮影された画像である構成としてもよい。
本発明の一実施形態によれば、画像全体での生体情報の信頼性に応じた画像処理が可能になる。
本発明の実施形態に係る電子内視鏡装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る電子内視鏡装置の画像処理に関する回路の概略構成を示したブロック図である。 画像メモリの記憶領域の概略構成を示す図である。 画像処理回路が行う処理の手順を示すフローチャートである。 TE処理に使用されるゲイン曲線の一例である。 有効画素判定処理の手順を示すフローチャートである。 病変判定処理の手順を示すフローチャートである。 生体組織像の画素値をHS座標空間にプロットした散布図である。 スコア計算処理の手順を示すフローチャートである。 色相距離、彩度距離と相関値との関係を示すグラフである。 信頼性評価処理の手順を説明するフローチャートである。 マーキング処理S9の手順を示すフローチャートである。 マーキング画像生成処理の手順を示すフローチャートである。 マーキング画像生成処理で生成される合成画像CPである。 表示画面生成処理によって生成される解析モード観察画面である。 第2実施形態のマーキング画像MP2(カラーマップ画像)である。
以下、本発明の画像処理装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下においては、本発明の一実施形態として電子内視鏡システムを例に取り説明する。
[電子内視鏡装置1全体の構成]
図1は、本発明の電子内視鏡装置1の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、電子内視鏡装置1は、電子スコープ100、プロセッサ200及びモニタ900を備えている。
プロセッサ200は、システムコントローラ202及びタイミングコントローラ204を備えている。システムコントローラ202は、メモリ212に記憶された各種プログラムを実行し、電子内視鏡装置1全体を統合的に制御する。また、システムコントローラ202は、操作パネル214に接続されている。システムコントローラ202は、操作パネル214より入力される術者からの指示に応じて、電子内視鏡装置1の各動作及び各動作のためのパラメーターを変更する。タイミングコントローラ204は、各部の動作のタイミングを調整する同期信号を電子内視鏡装置1内の各回路に出力する。
ランプ208は、ランプ電源イグナイタ206による始動後、照射光Lを射出する。ランプ208は、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ等の高輝度ランプやLED(Light Emitting Diode)である。照射光Lは、主に可視光領域から不可視である赤外光領域に広がるスペクトルを持つ広帯域光(又は少なくとも可視光領域を含む白色光)である。
ランプ208より射出された照射光Lは、集光レンズ210によりLCB(Light Carrying Bundle)102の入射端面に集光されてLCB102内に入射される。
LCB102内に入射された照射光Lは、LCB102内を伝播して電子スコープ100の先端に配置されたLCB102の射出端面より射出され、配光レンズ104を介して被写体に照射される。照射光Lにより照射された被写体からの戻り光は、対物レンズ106を介して固体撮像素子108の受光面上で光学像を結ぶ。
固体撮像素子108は、補色市松色差線順次方式の単板式カラーCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサである。固体撮像素子108は、受光面上で結像した被写体の光学像を撮像して、アナログ撮像信号を出力する。具体的には、固体撮像素子108は、受光面上の各画素で結像した光学像を光量に応じた電荷として蓄積して、イエローYe、シアンCy、グリーンG、マゼンタMgの色信号を生成し、生成された垂直方向に隣接する2つの画素の色信号を加算し混合して得た走査線を順次出力する。なお、固体撮像素子108は、CCDイメージセンサに限らず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやその他の種類の撮像装置に置き換えられてもよい。固体撮像素子108はまた、原色系フィルタ(ベイヤ配列フィルタ)を搭載したものであってもよい。
電子スコープ100の接続部内には、ドライバ信号処理回路110が備えられている。ドライバ信号処理回路110には、上述の走査線からなるアナログ撮像信号がフィールド周期で固体撮像素子108より入力される。なお、以降の説明において「フィールド」は「フレーム」に置き替えてもよい。本実施形態において、フィールド周期、フレーム周期はそれぞれ、1/60秒、1/30秒である。ドライバ信号処理回路110は、固体撮像素子108より入力されるアナログ撮像信号に対して所定の処理を施してプロセッサ200の画像処理回路220に出力する。
ドライバ信号処理回路110はまた、メモリ120にアクセスして電子スコープ100の固有情報を読み出す。メモリ120に記録される電子スコープ100の固有情報には、例えば、固体撮像素子108の画素数や感度、動作可能なフィールドレート、型番等が含まれる。ドライバ信号処理回路110は、メモリ120より読み出された固有情報をシステムコントローラ202に出力する。
システムコントローラ202は、電子スコープ100の固有情報に基づいて各種演算を行い、制御信号を生成する。システムコントローラ202は、生成された制御信号を用いて、プロセッサ200に接続されている電子スコープに適した処理がなされるようにプロセッサ200内の各種回路の動作やタイミングを制御する。
タイミングコントローラ204は、システムコントローラ202によるタイミング制御に従って、同期信号を生成する。ドライバ信号処理回路110は、タイミングコントローラ204から供給される同期信号に従って、プロセッサ200が生成するビデオ信号のフィールドレートに同期したタイミングで固体撮像素子108を駆動制御する。
画像処理回路220は、システムコントローラ202による制御の下、電子スコープ100から出力される撮像信号に基づいて画像データを生成する。また、画像処理回路220は、生成された画像データを使用してモニタ表示用の画面データを生成し、この画面データを所定のビデオ・フォーマットのビデオ信号に変換して出力する。ビデオ信号はモニタ900に入力され、被写体のカラー画像がモニタ900の表示画面に表示される。
図2は、電子内視鏡装置1の画像処理に関する回路の概略構成を示したブロック図である。
ドライバ信号処理回路110は、駆動回路112とAFE(Analog Front End)114を備えている。駆動回路112は、同期信号に基づいて固体撮像素子108の駆動信号を生成する。AFE114は、固体撮像素子108から出力されるアナログ撮像信号に対して、ノイズ除去、信号増幅・ゲイン補正及びA/D変換を行い、デジタル撮像信号を出力する。なお、本実施形態においてAFE114が行う処理の全部又は一部を固体撮像素子108又は画像処理回路220が行う構成としてもよい。
画像処理回路220は、基本処理部220a、出力回路220b、TE(Tone Enhancement:トーン強調)処理部221、有効画素判定部222、色空間変換部223、病変判定部224、スコア計算部225、マーキング処理部226、画像メモリ227、表示画面生成部228、メモリ229及び信頼性評価部230を備えている。画像処理回路220の各部が行う処理については後述する。
図3は、画像メモリ227が備える記憶領域の概略構成を示す図である。本実施形態の画像メモリ227には、4つの記憶領域P、P、P、Pが設けられている。記憶領域Pは、基本処理部220aが生成する通常観察画像データN(通常観察画像NPを表す画像データ)を記憶する領域である。なお、記憶領域Pには連続して生成された二以上の通常観察画像データNを記憶させることができる。また、記憶領域Pへのデータの書き込み/読み出しは、先入れ先出し方式(FIFO)により行われる。記憶領域Pは、TE処理部221が生成するTE画像データE(TE画像EPを表す画像データ)を記憶する領域である。記憶領域Pは、マーキング処理部226が生成するマーキング画像データM(マーキング画像MPを表す画像データ)を記憶する領域である。記憶領域Pは、通常観察画像データN(又はTE画像データE)とマーキング画像データMとを合成した合成画像データC(合成画像CPを表す画像データ)を記憶する領域である。
また、図2に示されるように、メモリ229には、フラグテーブルFT、スコアテーブルST、色相相関値テーブルHCT、彩度相関値テーブルSCT、信頼性情報テーブルCT及び表示色テーブルDCTが格納される。フラグテーブルFT及びスコアテーブルSTは、それぞれ通常観察画像データNの各画素(x,y)に関する解析結果を示すフラグF(x,y)、スコアSc(x,y)から構成された数値テーブルである。具体的には、フラグF(x,y)は対応する画素(x,y)に写された組織の病変の有無を示すパラメーターであり、スコアSc(x,y)はその病変の重症度を示すパラメーターである。表示色テーブルDCTは、スコアSc(x,y)と後述するカラーマップ画像(マーキング画像MPの一形態)の表示色(カラーコード)との対応関係を規定する数値テーブルである。色相相関値テーブルHCT及び彩度相関値テーブルSCTについては後述する。
[基本処理S1]
次に、画像処理回路220が行う処理について説明する。
図4は、画像処理回路220が行う処理の手順を示すフローチャートである。AFE114から出力されたデジタル信号は、先ず基本処理部220aによって一般的な信号処理(基本処理S1)が行われて、通常観察画像データNが生成される。
基本処理S1には、AFE114から出力されたデジタル撮像信号を輝度信号Y及び色差信号Cb、Crに変換する処理、輝度信号Y及び色差信号Cb、Crから原色信号R、G、Bを分離する原色分離処理、オフセット成分を除去するクランプ処理、欠陥画素の画素値を周囲の画素の画素値を用いて補正する欠陥補正処理、単色の画素値からなる撮像データ(RAWデータ)をフルカラーの画素値からなる画像データに変換するデモザイク処理(補間処理)、カラーマトリクスを用いて撮像素子の分光特性を補正するリニアマトリクス処理、照明光のスペクトル特性を補正するホワイトバランス処理、空間周波数特性の劣化を補償する輪郭補正等が含まれる。
なお、本実施形態において基本処理部220aが行う処理の全部又は一部をドライバ信号処理回路110又は固体撮像素子108が行う構成としてもよい。
基本処理部220aによって生成された通常観察画像データNは、TE処理部221及び信頼性評価部230に入力されると共に、画像メモリ227の記憶領域Pに記憶される。
[動作モード判定処理S2]
次に、画像解析モードに設定されているか否かが判断される(S2)。本発明の実施形態に係る画像解析モードは、画像データの各画素について色情報を解析し、色情報の解析結果から所定の判定基準に基づいて病変部が写された画素(以下「病変画素」という。)であるか否かを判定して、病変画素を識別表示する動作モードである。判定する病変の種類は、検査内容に応じて選択することができる。以下に説明する例は、炎症性腸疾患(IBD)の病変である炎症(浮腫や易出血性を含む赤変病変)の観察像に特有な色域の画素を抽出して、識別表示するものである。
なお、本実施形態の電子内視鏡装置1は、画像解析モードと通常観察モードの2つの動作モードで動作するように構成されている。動作モードは、電子スコープ100の操作部130やプロセッサ200の操作パネル214に対するユーザ操作によって切り換えられる。通常観察モードに設定されている場合は(S2:No)、処理はS12へ進む。
[TE(トーン強調)処理S3]
画像解析モードが選択されている場合は(S2:Yes)、次にTE処理部221によるTE処理S3が行われる。TE処理S3は、病変の判定精度を上げるために、通常観察画像データNの各原色信号R,G,Bに対して非線形なゲイン(利得)を与えるゲイン調整を行い、判定対象の病変に特有の色域(特にその境界部)付近におけるダイナミックレンジを実質的に広げて、色表現の実効的な分解能を高める処理である。具体的には、TE処理S3では、各原色信号R,G,Bに対して、図5に示すような非線形のゲインを与えて原色信号R´,G´,B´(TE画像データE)を取得する処理が行われる。例えば、図5のゲイン曲線は、潰瘍に特徴的な色域の境界領域Rから、炎症に特徴的な色域の境界領域Rにかけて、傾きが急峻になっている。このようなゲイン曲線に従ってゲインを与えることにより、境界領域Rから境界領域Rにかけて原色信号R´(原色信号Rに対してTE処理S3を施した信号)の実質的なダイナミックレンジを広げることができ、より精密な閾値判定が可能になる。
なお、TE処理S3により、炎症部は赤く、潰瘍部は白く、正常部は緑色に色味が変化する。そのため、TE処理S3によって生成されたTE画像データEをモニタ900に表示した場合、TE処理S3前の通常観察画像データNを表示した場合よりも病変部(炎症部や潰瘍部)を容易に視認することができる。なお、上記のTE処理S3は、本発明に適用可能な色彩強調処理の一例であり、TE処理S3に替えて、色の質、具体的には色相又は彩度(あるいは色度)のコントラストを高める他の種類の色彩強調処理を使用してもよい。
[有効画素判定処理S4]
TE処理S3が完了すると、次にTE画像データEに対して有効画素判定部222による有効画素判定処理S4が行われる。なお、TE処理S3を省略して、通常観察画像データNに対して有効画素判定処理S4を行うこともできる。
図6は、有効画素判定処理S4の手順を示すフローチャートである。有効画素判定処理S4は、画素値が画像解析に適したものであるか否かを判定する処理であり、画像データを構成する全ての画素(x,y)について順次行われる。有効画素判定処理S4では、まず各画素(x,y)について、TE画像データEの原色信号R´(x,y),G´(x,y),B´(x,y)から、下記の数式1により補正輝度int(x,y)が計算される(S41)。
なお、計算した補正輝度int(x,y)の値は、次の適正露出判定処理S42に使用される。また、数式1から分かるように、補正輝度int(x,y)は、原色信号R´(x,y),G´(x,y),B´(x,y)の単純平均ではなく、ヒト(術者)の比視感度特性に基づいた加重平均として求められる。
次に、各画素(x,y)について、処理S41において計算したTE画像データEの補正輝度int(x,y)及び原色信号R´(x,y),G´(x,y),B´(x,y)に基づいて、画像解析に適した露出レベルであるか否かを判定する適正露出判定処理S42が行われる。適正露出判定処理S42では、次の2つの条件(数式2、数式3)の少なくとも一方(或いは、両方)を満たす場合に、適正露出(S42:Yes)と判定する。なお、数式2により補正輝度int(x,y)(全体の光量)の上限値が規定され、数式3により各原色信号R´(x,y),G´(x,y),B´(x,y)の下限値が規定されている。
画素(x,y)について、数式2又は数式3(或いは、数式2及び数式3)を満たし、適正露出と判定されると(S42:Yes)、有効画素判定部222は、メモリ229に格納されているフラグテーブルFTの画素(x,y)に対応するフラグF(x,y)の値を「1」に書き換える(S43)。
なお、フラグF(x,y)は、0〜2のいずれかのフラグ値をとる。各フラグ値の定義は以下の通りである。
0:画素データ無効
1:正常又は未判定(画素データ有効)
2:病変(炎症)
また、適正露出判定処理S42において、数式2、数式3のいずれの条件も(或いは、いずれかの条件を)満たさず、露出不適正と判定されると(S42:No)、有効画素判定部222は、フラグF(x,y)の値を「0」に書き換える(S44)。
次に、処理S45では、全ての画素(x,y)について処理が完了したかどうかが判定される。全ての画素(x,y)の処理が完了するまで、上記の処理S41〜S45が繰り返される。
[色空間変換処理S5]
有効画素判定処理S4が完了すると、次にTE画像データEに対して色空間変換部223により色空間変換処理S5が行われる。色空間変換処理S5は、RGB3原色で定義されるRGB空間の画素値を、色相(Hew)・彩度(Saturation)・輝度(Intensity)の3要素で定義されるHSI(Heu-Saturation-Intensity)空間の画素値に変換する処理である。具体的には、色空間変換処理S5において、TE画像データEの各画素(x,y)の原色信号R´(x,y),G´(x,y),B´(x,y)が、色相H(x,y),彩度S(x,y),輝度I(x,y)に変換される。
また、露出が不足又は過剰な画素(x,y)のデータは精度が低く、解析結果の信頼性を下げてしまう。そのため、色空間変換処理S5は、フラグF(x,y)の値が「1」に設定された(すなわち、上述の有効画素判定処理S4において適正露出と判定された)画素(x,y)についてのみ行われる。
色空間変換部223によって生成された各画素(x,y)の色相H(x,y)、彩度S(x,y)及び輝度I(x,y)からなる判定用画像データJ{H(x,y),S(x,y),I(x,y)}は、病変判定部224に入力される。
[病変判定処理S6]
色空間変換処理S5が完了すると、次に病変判定部224により判定用画像データJを用いた病変判定処理S6が行われる。病変判定処理S6は、内視鏡画像の各画素(x,y)について、判定用画像データJがHS空間(色相−彩度空間)上の後述する領域α、β(図8)のいずれにプロットされるかによって、その画素に写された生体組織の状態(炎症部であるか否か)を判定する処理である。なお、HS空間は、色度空間と同様に、色の質(明るさ・輝度を除いた色の要素)を表す空間である。例えば、CIE 1976 L*a*b*色空間等の他の色空間上で画像解析を行う場合には、病変判定部224は色度空間(例えばa*b*空間)上で行われる。
図7は、病変判定処理S6の手順を示すフローチャートである。病変判定処理S6は、画像データを構成する全ての画素(x,y)について順次行われる。病変判定処理S6では、まず、フラグテーブルFTを参照して、各画素(x,y)のデータが有効であるか否かを判断する(S61)。フラグF(x,y)の値が「1」(画素データ有効)であれば、次に炎症判定処理S62を行う。また、フラグF(x,y)の値が「0」(画素データ無効)であれば、炎症判定処理S62を行わずに、処理S64へ進む。
ここで、炎症判定処理S62について説明する。図8は、複数の炎症性腸疾患患者の内視鏡画像データから取得した判定用画像データJをHS空間上にプロットした散布図である。
図8の散布図は、右側下方の破線で囲まれた領域βと、それ以外の領域αとに区分される。本発明者の研究により、炎症性腸疾患の内視鏡診断に熟練した医師によって炎症部と判断された部位の画素の大半が領域βにプロットされ、非炎症部と判断された部位の画素の大半が領域αにプロットされることが判明した。このことは、生体組織を撮像した内視鏡観察画像の色相(色合い)と彩度(鮮やかさ)の2つの情報により、生体組織の状態(炎症の有無)を十分な確度で判別できることを意味している。
炎症判定処理S62においては、各画素(x,y)の判定用画像データJ{(H(x,y),S(x,y)}が、図8の領域βにプロットされるか否かが判定される。具体的には、判定用画像データJ{(H(x,y),S(x,y)}は、以下の数式4及び数式5の両方を満たす場合に、領域βにプロットされる(すなわち炎症部の画素と判定される)。また、判定用画像データJ{(H(x,y),S(x,y)}は、数式4及び数式5の少なくとも一方を満たさない場合に、領域αにプロットされる(すなわち炎症部の画素ではないと判定される)。なお、δS1、δH1及びδH2は、術者によって設定可能な補正値であり、これらの補正値の設定によって判定の厳しさ(感度)等を適宜調整することができる。
画素(x,y)の判定用画像データJ{(H(x,y),S(x,y)}が領域βにプロットされる場合は(S62:Yes)、画素(x,y)に対応するフラグF(x,y)の値が「2」(炎症)に書き換えられ(S63)、処理S64に進む。また、判定用画像データJ{H(x,y),S(x,y)}が領域βにプロットされない場合は(S62:No)、フラグF(x,y)は書き換えられずに、処理S64に進む。
処理S64では、全ての画素(x,y)について処理が完了したかどうかが判定される。全ての画素(x,y)の処理が完了するまで、上記の処理S61〜S64が繰り返される。
[スコア計算:S7]
病変判定処理S6が完了すると、次にスコア計算処理S7が行われる。スコア計算処理S7は、判定用画像データJの画素値に基づいて、病変部の重症度の評価値であるスコアSc(x,y)を計算する処理である。スコア計算処理S7は、全ての画素(x,y)について順次行われる。なお、以下に説明するスコア計算のアルゴリズムは一例であり、本発明は様々なアルゴリズムにより算出したスコアの画面表示に適用することができる。
[スコア計算の原理)]
ここで、本実施形態のスコア計算の原理について簡単に説明する。炎症部は、血管の拡張及び血漿成分の血管外への漏出等を伴い、症状が進行するほど、表面の正常粘膜が脱落するため、血液の色に近付くことが知られている。そのため、炎症部の色と血液の色との相関の程度(後述する相関値CV)が、炎症部の重症度を示す良い指標となる。本実施形態では、各画素(x,y)の判定用画像データJ{H(x,y),S(x,y)}と血液の色(色相、彩度)との相関値CV(x,y)を計算して、これを炎症部の重症度を示すスコアSc(x,y)として使用する。
[病変部の判定:S71]
図9は、スコア計算処理S7の手順を示すフローチャートである。スコア計算処理S7では、まずフラグテーブルFTが読み出され、画素(x,y)に対応するフラグF(x,y)の値が「2」(炎症)であるか否かが判断される(S71)。
フラグF(x,y)の値が「2」(炎症)である場合、すなわち画素(x,y)が病変画素である場合は(S71:Yes)、処理はS72へ進む。また、画素(x,y)が病変画素でない場合は(S71:No)、処理はS79へ進む。
[彩度の補正:S72]
血液や血液を含有する生体組織の画像の彩度は、輝度に依存することが知られている。具体的には、輝度と彩度は負の相関を有し、明るいほど彩度が低下する。S72では、本発明者が開発した以下の補正式(数式6)を使用して、判定用画像データJ(x,y)の輝度I(x,y)による彩度S(x,y)の変動が補正される。この補正により、スコア計算の精度を高めることができる。
但し、
Icorr.(x,y):判定用画像データJの補正後の輝度
Scorr.(x,y):判定用画像データJの補正後の彩度
Iref:基準値となる血液サンプルデータの輝度
Sref:基準値となる血液サンプルデータの彩度
θ:血液サンプルデータの輝度値と彩度値との相関係数(cosθ)を与える角度
なお、血液サンプルの彩度と輝度の相関係数(実測値)は−0.86であり、θ=149.32(deg)が適用される。
[色相距離DHUEの計算:S73]
次に、数式7により、色相距離DHUE(x,y)が計算される(S73)。色相距離DHUEは、血液サンプルデータの色相Hrefを基準とした、判定用画像データJ(x,y)の色相の相対値である。
[色相相関値HCVの決定:S74]
次に、色相距離DHUE(x,y)から色相相関値HCV(x,y)が決定される(S74)。色相相関値HCV(x,y)は、炎症部の重症度と強い相関を有するパラメーターである。図10(a)は、色相距離DHUEと色相相関値HCVとの関係を図示したグラフである。色相距離DHUEは、±30°以内の範囲(以下「色相近似範囲R11」という。)において、炎症部の重症度と強い相関を有し、それ以外の範囲(以下「色相近似外範囲R12」という。)においては殆ど相関を有しない。そのため、本実施形態の色相相関値HCV(x,y)は、色相近似外範囲R12においては最小値の0.0に設定され、色相近似範囲R11においては色相距離DHUE(x,y)が0°に近づくほど線形的に増加するように設定されている。また、色相相関値HCV(x,y)は、最小値が0.0、最大値が1.0となるように規格化されている。
図10(a)に示す色相距離DHUEと色相相関値HCVとの関係は、色相相関値テーブルHCTとしてメモリ229に格納されている。色相相関値テーブルHCTを参照することにより、色相距離DHUE(x,y)に対応する色相相関値HCV(x,y)が取得される。
[彩度距離DSATの計算:S75]
次に、数式8により、彩度距離DSAT(x,y)が計算される(S75)。彩度距離DSAT(x,y)は、血液サンプルデータの彩度Srefを基準とする、判定用画像データJ(x,y)の彩度の相対値である。
[彩度相関値SCVの決定:S76]
次に、彩度距離DSAT(x,y)から彩度相関値SCV(x,y)が決定される(S76)。彩度相関値SCV(x,y)も、炎症部の重症度と強い相関を有するパラメーターである。図10(b)は、彩度距離DSATと彩度相関値SCVとの関係を図示したグラフである。彩度距離DSATは、所定値以上の負の範囲(以下、「彩度近似範囲R22」という。)において、炎症部の重症度と強い相関を有し、負の所定値以下の範囲(以下「彩度近似外範囲R23」という。)においては殆ど相関を有しない。また、彩度距離DSATがゼロ以上の範囲、すなわち、病変画素の彩度が血液サンプルデータの彩度Sref以上となる範囲(以下「彩度一致範囲R21」という。)においては、重症度が極めて高いと考えられる。そのため、本実施形態の彩度相関値SCV(x,y)は、彩度一致範囲R21において最大値の1.0に設定され、彩度近似外範囲R23において最小値の0.0に設定され、彩度近似範囲R22において線形的に増加するように設定されている。また、彩度相関値SCV(x,y)も、最小値が0.0、最大値が1.0となるように規格化された値である。
図10(b)に示す彩度距離DSATと彩度相関値SCVとの関係は、彩度相関値テーブルSCTとしてメモリ229に格納されている。彩度相関値テーブルSCTを参照することにより、彩度距離DSAT(x,y)に対応する彩度相関値SCV(x,y)が取得される。
[相関値CVの計算:S77]
次に、色相相関値HCV(x,y)と彩度相関値SCV(x,y)との乗算により、病変画素(x,y)の色と血液の色との相関値CV(x,y)を得る。なお、相関値CV(x,y)も、最小値が0.0、最大値が1.0となるように規格化された値となる。また、相関値CV(x,y)は、0.1ポイント刻みで11段階に区分される。
[スコアSc更新:S78]
また、相関値CV(x,y)は炎症の重症度の良い指標となるため、スコアテーブルSTのスコアSc(x,y)の値が相関値CV(x,y)によって書き換えられる(S78)。
[スコアSc更新:S79]
また、画素(x,y)が病変画素でない場合は(S71:No)、上述した相関値CV(x,y)の計算を行わずに、スコアテーブルSTのスコアSc(x,y)の値が「0」に書き換えられる(S79)。これにより、少ない計算量で全ての画素(x,y)に対してスコアSc(x,y)を与えることができる。
処理S80では、全ての画素(x,y)について処理が完了したかどうかが判定される。全ての画素(x,y)の処理が完了するまで、上記の処理S71〜S80が繰り返される。
[信頼性評価:S8]
スコア計算処理S7の後、信頼性評価部230による信頼性評価処理S8が行われる。
ここで、本発明の実施形態に係る信頼性評価処理S8の概要について説明する。上述のように、スコアSc(x,y)は、TE画像EPの色情報に基づいて計算される。そのため、スコアSc(x,y)の精度は、TE画像EPの色情報の精度に依存し、色情報の精度が低い画素値から算出されたスコアSc(x,y)は精度の低いものとなる。
一般に、カラー画像の色は、輝度が中程度の時に最も鮮やかに(色情報が多く)なり、輝度が低くなるほど、また輝度が高くなるほど、彩度が低下(色情報が減少)する。すなわち、カラー画像の色情報の精度は、輝度の影響を受ける。輝度が高過ぎる場合(典型的には、ハレーションが発生した場合)や、逆に輝度が低過ぎる場合には、カラー画像の彩度が著しく低下し、カラー画像に写された被写体の色情報の精度も顕著に低下する。また、色情報の精度は、カラーチャンネル(色成分)の飽和(色成分の値が最大値又は略最大値を取ること)によっても低下する。
なお、本明細書において、カラーチャンネルとは、カラー画像の画素値の各色成分(例えば、RGBカラー画像におけるR(x,y)、G(x,y)、B(x,y))、又は、色成分の一つから構成されるグレースケール画像をいう。
精度(信頼性)の低いスコアSc(x,y)は、診断の妨げとなり得るため、ユーザ(医療従事者)に提示しないか、或いは信頼性の情報と共にユーザに提示することが望ましい。
そこで、本実施形態の信頼性評価処理S8では、スコアSc(x,y)の計算に使用された判定用画像データJ{H(x,y),S(x,y),I(x,y)}及びTE画像データE{R´(x,y),G´(x,y),B´(x,y)}に基づいて、各画素のスコアSc(x,y)の信頼性を評価する(すなわち、内視鏡画像のカラーバランスに基づいて、撮影条件の良否を判定する)。
図11は、信頼性評価処理S8の手順を説明するフローチャートである。信頼性評価処理S8は、全ての画素(x,y)について順次行われる。
[低輝度判定:S81]
信頼性評価処理S8では、まず、低輝度であるか否かを判定する低輝度判定処理S81が行われる。具体的には、輝度I(x,y)の値が所定の低輝度基準値(例えば0.3)を下回るか否かが判定される。輝度I(x,y)の値が低輝度基準値を下回る場合には(S81:Yes)、色情報の精度が過度に低い暗部である可能性があるため、続いて色相判定処理S82が行われる。また、輝度I(x,y)の値が低輝度基準値以上である場合には(S81:No)、次に高輝度判定処理S84が行われる。
(色相判定:S82・暗部登録:S83)
色相判定処理S82では、色相H(x,y)の値が所定の正常範囲内(例えば60〜270°)であるか否かが判定される。この正常範囲は、赤い色合いの通常の内視鏡画像の色相の分布範囲である。色相H(x,y)の値が正常範囲内に無い場合(すなわち、色合いが赤色から外れる場合)、低輝度のために色相H(x,y)の精度が著しく低下していると考えられる。そのため、色相H(x,y)の値が60°未満又は270°を超える場合は(S82:No)、その画素(x,y)を「暗部」の画素と判定し、信頼性情報テーブルCTに「暗部」の判定結果を登録する暗部登録が行われる(S83)。
また、色相H(x,y)の値が60°以上かつ270°以下の正常範囲内であれば(S82:Yes)、次に高輝度判定処理S84が行われる。
以上のように、低輝度判定処理S81及び色相判定処理S82を通じて、その画素(x,y)が「暗部」の画素であるか否かが判定される。
[高輝度判定:S84]
高輝度判定処理S84では、高輝度の画素であるか否かが判定される。具体的には、輝度I(x,y)の値が所定の高輝度基準値(例えば0.8)を上回るか否かが判定される。輝度I(x,y)の値が高輝度基準値を上回る場合には(S84:Yes)、色情報の精度が過度に低いハレーション部である可能性があるため、続いて彩度判定処理S85が行われる。また、輝度I(x,y)の値が高輝度基準値以下である場合には(S84:No)、次に処理S86が行われる。
[彩度判定:S85・ハレーション登録:S87]
彩度判定処理S85では、彩度S(x,y)の値が所定の正常範囲内(例えば0.3〜0.7)であるか否かが判定される。この正常範囲は、通常の内視鏡画像の彩度の分布範囲である。彩度S(x,y)の値が正常範囲内に無ければ、高輝度のために彩度S(x,y)の精度が著しく低下していると考えられる。そのため、彩度S(x,y)の値が0.3未満又は0.7を超える場合には(S85:No)、その画素(x,y)を「ハレーション」の画素(すなわち、ハレーションが生じている部分の画素)と判定し、信頼性情報テーブルCTに「ハレーション」の判定結果を登録するハレーション登録が行われる(S87)。
また、彩度S(x,y)の値が0.3以上かつ0.7以下の正常範囲内であれば(S85:Yes)、次に処理S86が行われる。
[カラーチャンネル飽和判定:S86・飽和カラーチャンネル数登録]
処理S86では、TE画像データEにおける飽和しているカラーチャンネルの数を検出し、全てのカラーチャンネルが飽和しているか否かが判定される。具体的には、TE画像データEの要素R´(x,y),G´(x,y),B´(x,y)の全てが、飽和基準値(例えば220)を上回るか否かが判定される。全ての要素R´(x,y),G´(x,y),B´(x,y)が飽和基準値を上回る場合には(S86:Yes)、その画素(x,y)を「ハレーション」の画素と判定し、信頼性情報テーブルCTに判定結果を登録する(S87)。
また、TE画像データEの要素R´(x,y),G´(x,y),B´(x,y)の少なくとも一つが飽和基準値以下であれば(S86:No)、飽和したカラーチャンネルの数を信頼性情報テーブルCTに記録する(S88)。
全ての画素(x,y)の処理が完了するまで、上記の処理S81〜S88が繰り返される(S89)。
[マーキング:S9]
次に、スコアSc(x,y)に基づいて、TE画像データE(又は通常観察画像NP)上に病変部の位置や重症度を示す印を付すマーキング処理S9が行われる。
図12は、マーキング処理S9の手順を示すフローチャートである。
[スコア信頼度計算:S91]
マーキング処理S9では、まず、スコア信頼度SRを計算するスコア信頼度計算処理S91が行われる。
なお、以下に説明する本実施形態のスコア信頼度計算処理S91はTE画像データEに基づいて行われるが、通常観察画像データNに基づいてスコア信頼度計算処理S91を行う構成としてもよい。例えば、スコア計算処理S7が通常観察画像データNの色空間変換処理S5によって得られた判定用画像データJに基づく場合に、スコア信頼度計算処理S91が通常観察画像データNに基づいて行われる。
スコア信頼度SRは、一定の信頼性が認められるスコアSc(x,y)を有する画素(x,y)の割合として、数式9により計算される。すなわち、スコア信頼度SRは、TE画像EPの全画素数に対する、信頼性評価処理S8において暗部登録S83もハレーション登録S87もされていない画素の数の割合として計算される。
但し、
NEP:TE画像EPの全画素数
Ndark:TE画像EPの暗部登録S83された画素数
Nhalation:TE画像EPのハレーション登録S87された画素数
[マーキング画像生成:S92]
スコア信頼度計算処理S91に続いて、マーキング画像MPを生成するマーキング画像生成処理S92が行われる。
図13は、マーキング画像生成処理S92の手順を示すフローチャートである。
図14は、マーキング画像生成処理S92で生成されるマーキング画像MP(正確には、TE画像EP上にマーキング画像MPがオーバーレイ合成処理された合成画像CP)である。
マーキング画像生成処理S92では、TE画像EPのスコア信頼度SRに応じて、5種類のマーキング画像MPが生成される(S921〜S928)。更に、生成されたマーキング画像MPをTE画像EP上にオーバーレイ合成処理した合成画像CPが生成される(S929)。
なお、本実施形態のマーキング画像生成処理S92では、TE画像EP上にマーキング画像MPがオーバーレイ合成処理されるが、通常観察画像NP上にマーキング画像MPをオーバーレイ合成処理する構成としてもよい。
スコアSc(x,y)の信頼性が過度に低い画素(x,y)(すなわち、一定の信頼性が認められない画素)がTE画像EPの画素のほとんどを占め、スコア信頼度SRが極めて低い(例えば、スコア信頼度SRが25%未満である)場合には(S921:Yes)、十分に有用なマーキング画像MPを生成することができないため、マーキング画像MPは生成されない。
このとき、画像生成処理S929では、空のマーキング画像MPがTE画像EP上にオーバーレイ合成処理される。すなわち、図14(a)に示されるように、印が付されていないTE画像EPがそのまま合成画像CPとして記憶領域Pに記憶される。
[第1種簡易マーキング処理:S923]
また、信頼度が比較的に低い(例えば、スコア信頼度SRが25%以上〜50%未満)場合には(S922:Yes)、図14(b−1)に示されるように、最大スコアScの画素上に所定の印(例えば▲記号)を付したマーキング画像MPを生成して記憶領域Pに記憶させる第1種簡易マーキング処理S923が行われる。この構成によれば、ユーザは、最も重症度の高い箇所(病変部の中心付近である場合が多い)を確実に把握することができる。
第1種簡易マーキング処理S923では、予め定められた符号(文字、数字、記号)や図形が印として付される。また、印の重心が、最大スコアScの画素(又は、最大スコアScの画像領域の重心)と一致するように印が付される。なお、最大スコアScの値に応じて、印の色や大きさや種類を変更する構成としてもよい。この構成により、ユーザは、重症度も直観的に把握することができる。
図14(b−2)は、第1種簡易マーキング処理S923が生成するマーキング画像MPの変形例である。この変形例では、所定の閾値以上のスコアSc(x,y)を有する画素(x,y)上に、スコアSc(x,y)に応じた大きさを有する複数の所定の印(×印)が付される。また、印が識別できるように、印は互いに重なり合わないように付される。この構成によれば、重症度の高い領域の位置及び分布(形状)を容易に把握することができる。
[第2種簡易マーキング処理:S925]
また、信頼度が比較的に高い(例えば、スコア信頼度SRが50%以上〜75%未満)場合には(S924:Yes)、図14(c−1)、(c−2)に示されるように、スコアSc(x,y)の高い領域を囲むような印を付したマーキング画像MPを生成する、第2種簡易マーキング処理S925が行われる。なお、図14(c−1)は、スコアSc(x,y)が高い領域を囲むように配列された複数の符号や図形(例えば矢印)からなる印を付した例であり、図14(c−2)は、スコアSc(x,y)が高い領域を囲む環状の印を付した例である。
(カラーマッピング処理:S928)
また、信頼度が極めて高く(例えば、スコア信頼度SRが75%以上)(S924:No)、スコアSc(x,y)の信頼性が過度に低い画素(x,y)が局在していない場合には(S926:No)、カラーマッピング処理S928(全体カラーマッピング処理)が行われる。カラーマッピング処理S928では、図14(d)に示されるように、病変部の画素をスコアSc(x,y)に応じた色で着色したカラーマップ画像がマーキング画像MPとして生成される。
0136
カラーマッピング処理S928では、先ず、メモリ229に格納された表示色テーブルDCTが参照され、スコアSc(x,y)に基づいて各画素(x,y)に適用される表示色Col(x,y)が決定される。次いで、表示色Col(x,y)を画素値とするカラーマップ画像データM(マーキング画像MP)が生成され、画像メモリ227の記憶領域Pに記憶される。
なお、表示色テーブルDCTは、スコアSc(x,y)とカラーマップ画像の表示色Col(x,y)を定義するカラーコードとの対応関係を規定する数値テーブルである。表示色テーブルDCTの一例を表1に示す。表示色は、11段階のスコアSc(x,y)毎に異なる色が設定される。なお、スコアSc(x,y)の値がゼロ(正常組織)の画素(x,y)に対しては、無色透明を示す空の値(null値)が与えられるため、正常組織の画素はカラーマッピング処理S928によって着色されない。また、各画素(x,y)に付すべき色の指定は、RGBによる指定に限らず、他の色表現(例えば、色相及び/又は彩度)によって指定することもできる。
図14(e)は、カラーマップ画像の変形例である。この変形例は、輝度情報のみを有する無彩色で構成されたグレースケールのカラーマップ画像である。例えば、スコア信頼度SRが低い場合に、図14(a)〜(c−2)のマーキング画像MPに替えて、本変形例のカラーマップ画像を表示してもよい。無彩色とすることで、ユーザはスコア信頼度SRが低いことを直感的に把握することができ、尚且つ、重症度に関する詳細な情報を得ることができる。
また、カラーマッピング処理S928において、例えばスコアSc(x,y)の信頼性の有無に応じて2種類の表示色テーブルDCT(有彩色カラーテーブルと無彩色カラーテーブル)を使用して、スコアSc(x,y)が一定の信頼性を有する画素(x,y)に対して有彩色によるカラーマッピングを行い、スコアSc(x,y)が一定の信頼性を有しない画素(x,y)に対して無彩色によるカラーマッピングを行う構成としてもよい。
[部分カラーマッピング処理:S927]
また、スコア信頼度SRが極めて高く(S924:No)、スコアSc(x,y)の信頼性の過度に低い画素(x,y)が局在している場合には(S926:Yes)、図14(f)に示されるように、スコアSc(x,y)の信頼性が過度に低い画素(x,y)が局在する領域LCを除いた領域に対してカラーマッピングを行う、部分カラーマッピング処理S927が行われる。領域LCには、信頼性の高いスコアSc(x,y)を有する画素(x,y)も含まれるが、そのような画素の数が少ないため有用なマッピング画像は形成されない。部分カラーマッピング処理S928では、信頼性の高いスコアSc(x,y)を有する画素(x,y)も含めて、領域LCを一括してカラーマッピングの対象外とすることにより、カラーマッピングに必要な計算量を大幅に軽減させることができる。また、領域LCを一括してカラーマッピングの対象外とすることにより、ユーザはスコアSc(x,y)の信頼性の低い領域LCを容易に把握することができる。
[表示画面生成:S10]
マーキング処理S9が完了すると、次に表示画面生成処理S10が行われる。表示画面生成処理S10は、画像メモリ227に記憶された各種画像データを使用して、モニタ900に表示するための表示画面データを生成する処理であり、画像処理回路220の表示画面生成部228によって行われる。表示画面生成部228は、システムコントローラ202の制御に応じて、複数種類の表示画面データを生成することができる。
図15は、表示画面生成処理S10によって生成される表示画面の一例であり、画像解析モードでの内視鏡観察中に表示される解析モード観察画面320である。解析モード観察画面320は、撮影日時が表示される日時表示領域321と、検査に関連する基本的な情報(例えば、患者の識別番号、年齢、性別や担当医師名)を表示する基本情報表示領域322と、マーキング画像MP及び/又はTE画像EP(若しくは通常観察画像NP)を表示する画像表示領域323と、解析精度(信頼性評価処理S8による評価結果)に関する情報を表示する解析精度情報表示領域324を備えている。
解析精度情報表示領域324には、スコア信頼度SRの表示324a、暗部登録S83された画素(x,y)の割合の表示(暗部割合表示)324b、ハレーション登録S87された画素(x,y)の割合の表示(反射部割合表示)324c及び飽和したカラーチャンネルの表示(飽和チャンネル表示)324dが含まれている。
スコア信頼度SRの表示324aは、スコア信頼度SRの値に応じて、「高」、「中」、「低」の3段階で表示される。例えば、スコア信頼度SRが75%以上の場合に「高」が表示され、25%以上〜75%未満の場合に「中」が表示され、25%未満の場合に「低」が表示される。
また、スコア信頼度SRの表示324aの色(色相、彩度、輝度の一つ以上)や大きさをスコア信頼度SRの値に応じて変化させてもよい。また、解析モード観察画面320(或いは解析精度情報表示領域324)の背景色によりスコア信頼度SRを色別表示してもよい。
暗部割合表示324bは、TE画像EPの全画素数NEPに対する暗部登録S83された画素数Ndarkの割合に応じて、「多」、「中」、「少」の3段階で表示される。例えば、暗部登録S83された画素数Ndarkの割合が50%以上の場合に「多」が表示され、10%以上〜50%未満の場合に「中」が表示され、10%未満の場合に「少」が表示される。
反射部割合表示324cも、暗部割合表示324bと同様に、TE画像EPの全画素数NEPに対するハレーション登録S87された画素数Nhalationの割合に応じて、「多」、「中」、「少」の3段階で表示される。例えば、TE画像EPの全画素数NEPに対するハレーション登録S87された画素数Nhalationの割合が50%以上の場合に「多」が表示され、10%以上〜50%未満の場合に「中」が表示され、10%未満の場合に「少」が表示される。
なお、暗部割合表示324b(又は反射部割合表示324c)の色(色相、彩度、輝度の一つ以上)や大きさを暗部登録S83(又はハレーション登録S87)された画素の割合に応じて変化させてもよい。
飽和チャンネル表示324dには、飽和しているカラーチャンネル(例えば、所定数を超える画素で飽和が生じているもの)が表示される。例えば、飽和しているカラーチャンネルを示す記号(例えば、文字「R」、「G」、「B」)又は図形が、当該カラーチャンネルと同じ色相(例えば、Rチャンネルならば赤色)で、彩度及び輝度が高い色で表示される。また、飽和していないカラーチャンネル(例えばBチャンネル)を示す記号(例えば文字「B」)は、表示されないか、或いは、例えば輝度の低い無彩色(例えばグレー)で目立たないように表示される。また、飽和している(又は、飽和していない)カラーチャンネルの表示には、記号等を使用せず、単なる色別表示を行ってもよい。
表示画面生成処理S12において、表示画面生成部228は、画像メモリ227の記憶領域群Pからマーキング画像データMを読み出し、及び/又は、記憶領域群PからTE画像データE(若しくは、記憶領域群Pから通常観察画像データN)を読み出し、画像表示領域323に表示する。また、日時表示領域321及び基本情報表示領域322には、システムコントローラ202から提供された情報が表示される。
[出力処理:S11]
表示画面生成処理S10により生成された表示画面データは、出力回路220bにより、ガンマ補正等の処理が行われた後、所定のビデオ・フォーマットのビデオ信号に変換され、モニタ900に出力される(出力処理S11)。
術者は、解析モード観察画面320を見ながら内視鏡観察を行う。具体的には、画像表示領域323に表示されるマーキング画像MPを見ながら内視鏡観察を行う。マーキング画像MPにおいてマーキングされた部位について特に慎重に観察を行うことで、病変部を見落とすことなく、正確な診察を行うことができる。
表示画面生成処理S10及び出力処理S11が完了すると、次に、内視鏡観察を継続するか否かが判断される(S12)。プロセッサ200の操作パネル214に対して、内視鏡観察終了又は電子内視鏡装置1の運転停止を指示するユーザ操作が行われる(S12:No)まで、上記の処理S1〜S11が繰り返される。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図16は、第2実施形態のマーキング画像MP2(カラーマップ画像)である。
本実施形態のカラーマッピング処理では、信頼性情報テーブルCTを参照して、カラーチャンネルの飽和が生じている画素については、表1に示される表示色テーブルDCTに基づく着色は行われず、飽和したカラーチャンネル数に応じた輝度情報を有する無彩色(すなわちグレースケール)に着色される。本実施形態では、飽和したカラーチャンネル数が多いほど高い輝度が与えられる。図16のマーキング画像MP2において、領域MP21は1つのカラーチャンネルで飽和が生じている領域であり、領域MP22は2つのカラーチャンネルで飽和が生じている領域であり、領域MP23は3つのカラーチャンネルで飽和が生じている領域である。
なお、カラーチャンネルの飽和が生じておらず、且つ、暗部登録S83もハレーション登録S87も成されていない画素については、表1に従って重症度に応じたカラーマッピングが行われる。重症度を示すカラーマップは彩度が大きい色から構成されるため、カラーチャンネルの飽和数を示す無彩色のカラーマップと混在しても、両者を容易に識別することができる。
また、ハレーション登録S87された画素を、領域MP23と同じ色(又は、領域MP23よりも明るい無彩色)で着色する構成としてもよい。また、暗部登録S83された画素を、領域MP21よりも暗い無彩色で着色する構成としてもよい。
なお、上記の実施形態は、本発明を電子内視鏡装置に適用した例であるが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、電子内視鏡装置によって撮影された内視鏡観察映像を再生する映像再生装置に本発明を適用することができる。また、内視鏡画像以外の観察画像(例えば、通常のビデオカメラにより撮影した体表の観察画像や、手術中の体内の観察画像)の解析にも本発明を適用することができる。
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本発明の実施形態に含まれる。
1 電子内視鏡装置
100 電子スコープ
200 電子内視鏡用プロセッサ
220 画像処理回路
220a 基本処理部
221 TE処理部
222 有効画素判定部
223 色空間変換部
224 病変判定部
225 スコア計算部
226 マーキング処理部
227 画像メモリ
228 メモリ
229 表示画面生成部
220b 出力回路
230 信頼性評価部
900 モニタ

Claims (9)

  1. 生体組織を撮影した画像データを取得する画像データ取得手段と、
    前記画像データに基づき、該画像データが表す画像に写された前記生体組織の病変の重症度を示すスコアを画素毎に計算するスコア計算手段と、
    前記画像データに基づいて前記スコアの信頼性を評価する信頼性評価手段と、
    を備え、
    前記画像データに基づいて前記スコアの信頼性を評価することは、
    前記画像のカラーバランスに基づいて、前記スコアが計算された各画素より構成される該画像の全体での撮影条件の良否を判定することである、
    画像処理装置。
  2. 前記信頼性評価手段は、
    前記各画素の輝度、色相、彩度、カラーチャンネルの飽和状態、の少なくとも1つに基づいて、前記画像の全体での撮影条件の良否を判定する、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記画像の全体での撮影条件の良否の判定は、
    前記各画素の輝度及び色相に基づいて該各画素がハレーションの画素であるか否かを判定することを含む、
    請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像の全体での撮影条件の良否の判定は、
    前記各画素の彩度とカラーチャンネルでの飽和状態の少なくとも一方と、該各画素の輝度に基づいて、該各画素が暗部の画素であるか否かを判定することを含む、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  5. 前記画像データの画素値をHSI(Heu-Saturation-Intensity)空間の画素値に変換する色空間変換手段を備え、
    前記画像の全体での撮影条件の良否の判定は、
    前記色空間変換手段から出力された各画素の輝度に基づいて該各画素のスコアの信頼性を評価することを含む、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記画像の全体での撮影条件の良否の判定は、
    画素値に基づきいずれかのカラーチャンネルが飽和した飽和画素か否かを画素毎に判定することを含む、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記信頼性評価手段は、
    画素値に基づき飽和したカラーチャンネル数を計数し、
    飽和したカラーチャンネル数が所定数以上の画素を前記飽和画素と判定する、
    請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記信頼性評価手段による評価の結果に基づいて画像処理を行う手段
    を備える、
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  9. 前記スコアの信頼性の評価結果を表示する信頼性表示手段を備えた、
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
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