JP4288980B2 - 電動送風機およびそれを用いた電気掃除機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気掃除機の吸引風を発する電動送風機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
まず最初に一般家庭で使用される電気掃除機においては、吸引能力アップのために、流路抵抗の大きいモータ部を通過するまえに、排気風を放出するために、回転することで吸引風を発するインペラを覆うケーシングに排気部を設けるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−31091号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成において、電動送風機を掃除機本体に配設したときの、振動対策等の構成については開示されていない。
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、電動送風機の吸引性能の向上を図るとともに、低騒音化も実現する電動送風機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決するために本発明は、回転することで吸引風を発するインペラと、前記インペラを覆うケーシングと、前記ケーシングの外周に前記インペラにより吸引された気流の一部を排出する排気部と、前記ケーシングの吸気上流側先端の吸気流入部に向かって傾斜部を内側に有すると共に外周にリング状の縁部を有する略中空薄型円盤状の整流部材とを備え、前記ケーシングの外周に前記排気部から排出された気流の流れを方向づけるガイドと、前記ガイドの外周面を覆い前記ケーシングの外周に固定され、その中心軸を前記ケーシングの中心軸と略同一とし両端を開口した略中空円盤状の軟質部材とを設け、前記整流部材のリング状の縁部を前記軟質部材の中空円盤状の内側の内周部分に挟み込み、前記ケーシングに固定する構成としたもので、インペラを覆うケーシングに排気部を設けたことで、流路抵抗の大きいモータ部を通過するまえに、排気風を放出するとともに、前記ケーシングの外周に前記排気部から排出された気流の流れを方向づけるガイドを設けたことで、吸引能力アップを実現するとともに、前記ガイドの外周面に軟質部材を設け、電動送風機の振動が掃除機本体に伝達するのを防止でき、低騒音化も実現できる。また、電動送風機の吸気流入部に向かって傾斜部を有する整流部材を設けたことで、空気を電動送風機がスムースに吸引でき、吸引能力アップを実現するとともに、前記整流部材を前記ガイドの外周面に設けられた軟質部材により固定する構成としたことで、低コストで整流部材を電動送風機に固定する構成を実現できる。また、整流部材の振動も軟質部材が吸収するため、低騒音化も実現できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、回転することで吸引風を発するインペラと、前記インペラを覆うケーシングと、前記ケーシングの外周に前記インペラにより吸引された気流の一部を排出する排気部と、前記ケーシングの吸気上流側先端の吸気流入部に向かって傾斜部を内側に有すると共に外周にリング状の縁部を有する略中空薄型円盤状の整流部材とを備え、前記ケーシングの外周に前記排気部から排出された気流の流れを方向づけるガイドと、前記ガイドの外周面を覆い前記ケーシングの外周に固定され、その中心軸を前記ケーシングの中心軸と略同一とし両端を開口した略中空円盤状の軟質部材とを設け、前記整流部材のリング状の縁部を、前記軟質部材の中空円盤状の内側の内周部分に挟み込み、前記ケーシングに固定する構成としたもので、インペラを覆うケーシングに排気部を設けたことで、流路抵抗の大きいモータ部を通過するまえに、排気風を放出するとともに、前記ケーシングの外周に前記排気部から排出された気流の流れを方向づけるガイドを設けたことで、吸引能力アップを実現するとともに、前記ガイドの外周面に軟質部材を設け、電動送風機の振動が掃除機本体に伝達するのを防止でき、低騒音化も実現できる。さらに、電動送風機の吸気流入部に向かって傾斜部を有する整流部材を設けたことで、空気を電動送風機がスムースに吸引でき、吸引能力アップを実現するとともに、前記整流部材を軟質部材により固定する構成としたことで、低コストで整流部材を電動送風機に固定する構成を実現できる。また、整流部材の振動も軟質部材が吸収するため、低騒音化も実現できる。
【0008】
本発明の請求項2記載の発明は、上記請求項1に記載の電動送風機を本体に内蔵した電気掃除機で、吸引性能の向上を図るとともに、低騒音化も実現する電気掃除機を実現できる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について、図1〜図5に基づいて説明する。なお、従来と同一構成部分については説明を省略する。
【0010】
図1において、電気掃除機は、塵埃を吸引する吸込具4と、吸引した塵埃を捕集する集塵手段である集塵袋(図示せず)と、塵埃を吸引するための吸引風を発する電動送風機(図示せず)を内蔵した掃除機本体1と、前記集塵袋(図示せず)に連通し前記掃除機本体1に接続したホース2と、前記吸込具4に接続された延長管3とを備え、前記ホース2と延長管3とは前記電動送風機(図示せず)の入力を使用者が操作することで制御する操作部を有する把手部5にて接続されている。なお、吸込具4、延長管3、把手部5、ホース2は吸気通路(図示せず)を有し、集塵袋(図示せず)を介して電動送風機(図示せず)に連通している。
【0011】
図2において、電動送風機について詳細に説明する。電動送風機7は、回転することで吸引風を発するインペラ20と、前記インペラ20を覆うケーシング23と、前記ケーシング23の外周に前記インペラ20により吸引された気流の一部を排出する排気部なる複数個のケーシング開口穴21を有している。また、前記ケーシング23の開口穴21から前記排出口9に至る排気流路28中に、前記電動送風機7の運転動作を制御(入力を制御)する制御部である制御基板13、もしく発熱素子18を配置して、前記複数個のケーシング開口穴21より排出された気流により前記制御基板13、もしく発熱素子18を冷却している。
【0012】
ケーシング23の開口穴21であれば、前記インペラ20を覆っていて、重量部品を保持はしていないため、電動送風機7自体の剛性低下を招くこともなく、より電動送風機7の信頼性を確保した状態で、制御基板13もしくは発熱素子18の冷却を効果的に行うことができる。
【0013】
基本的に電動送風機7の剛性は、ステータ(図示せず)や自在に回転するロータ(図示せず)を保持固定する負荷側と反負荷側からなるブラケット7の強度で決まる。ケーシング23は、元々インペラ20及び整流用のエアーガイド14を覆い、性能向上を図ることを目的としているため板厚は、0.3〜0.5mmと、ブラケット7が0.8〜1.0mmの板厚であるのに対し、比較的薄いものを使用している。従って、このケーシング23の外周に複数個のケーシング23の開口穴21を設けても、電動送風機7自体の剛性低下に繋がることはなく、電動送風機7の剛性低下による異常スパークの発生、異常振動の発生などを防ぎつつ、制御基板13もしくは発熱素子18の冷却を効率的に行うことができる。
【0014】
また、ケーシング開口穴21のみではなく、インペラ20の吸気下流側でエアガイド14の外周底面部にあたり、電動送風機7の外郭を形成するブラケット19にも前記インペラ20により吸引された気流の一部を排出する排気部なる複数個のブラケット開口穴15を設ければ、より冷却効果を向上させることができる。しかしながらこの場合は、ブラケット19に開口穴を空けることによる剛性低下が懸念されるため、電動送風機7の共振周波数を測定し、製品仕様に耐えうるレベルで開口穴の数、形状を抑えておくことが重要である。
【0015】
制御基板13もしくは発熱素子18の制御部については、樹脂などからなるカバー体17で保持し、前記ケーシング23の開口穴21から前記排出口9に至る排気流路28中に配設する。本実施例においては、電動送風機7に保持しており、電動送風機7のブラケット19等にビス等の締結部品で固定すれば、ケーシング開口穴21又はブラケット開口穴15からの吹き出し風が安定した位置で制御基板13もしくは発熱素子18に吹き付けるため、より安定して冷却することができる。
【0016】
さらに前記カバー体17については、ケーシング開口穴21又はブラケット開口穴15からの吹き出し風がカバー体17に入り込むための流入口16を設けることにより、より安定して冷却することができる。さらに前記流入口16については、ケーシング開口穴21からの吹き出し風に対してはケーシング開口穴からの流入口16aとし、ブラケット開口穴15からの吹き出し風に対してはブラケット開口穴15からの流入口16bと別々に設けることにより、それぞれの開口穴からの吹き出し風をより効率的に利用することができる。
【0017】
さらにカバー体17については、カバー体17へ流入した吹き出し風が、制御基板13もしくは発熱素子18を通過した後、カバー体17外部へ排出させるための流出口24を設けることにより、吹き出し風がよりスムーズにカバー体17内を通過するとともに、集塵袋12で捕獲できなかった塵埃がカバー体17内へ流入した際、カバー体17内へ堆積することなく流出口24から排出されるため、より制御基板13もしくは発熱素子18の信頼性向上を図ることができる。
【0018】
さらに塵埃に対する信頼性向上を図るには、ケーシング開口穴21もしくはブラケット開口穴15とカバー体17の流入口16との間にフィルター25を設けることにより、塵埃がカバー体17へ入り込むことなく塵埃をフィルター25で遮断するため、より信頼性の向上を図ることができる。
【0019】
また、制御基板13のトライアック等の発熱素子18については、カバー体17の流入口16近傍に配置することが冷却効果の向上には効果的である。さらに制御基板13のトライアック等の発熱素子18の冷却効果を向上させるためには、発熱素子18にフィン19等の放熱部品をビス等の締結手段で締結してもよい。
【0020】
さらに冷却構成としては、ケーシング23の外周に設けたケーシング開口穴21からの吹き出し風はインペラ20の遠心方向へ排出されるため、かなりの速度で遠心方向(電動送風機7のラジアル方向)へ排出される。従って、カバー体17のケーシング開口穴からの流入口16aにスムーズに導かれない。従ってケーシング23外周からカバー体17までを覆うガイド30を設け、流路を形成することにより、ケーシング開口穴21からの流入口16aに吹き出し風をスムーズに導くことができる。
【0021】
図3〜図5において、30はケーシング23を覆うように、また前記開口穴21に対して一定の間隔を保って設けられ、前記開口穴21からの吹き出し風を流入口16aに吹き出し風をスムーズに導くためのガイドである。
【0022】
32は電動送風機7の吸気流入部7aに向かって傾斜部32aを有する整流部材で、電動送風機7の吸気流入部7aに向かって傾斜部32aを有する整流部材32を設けたことで、吸引空気が前記傾斜部32aに沿って電動送風機7の吸気流入部7aに流入することで電動送風機7がスムースに吸引でき、吸引能力のアップを実現させることができる。
【0023】
31は軟質部材であるいわゆる防振ゴムで、前記ガイド30の外周面を覆い前記ケーシング23の外周に固定とともに、前記整流部材32を挟み込み前記ケーシング23に固定している。前記ガイド30と前記整流部材32とを軟質部材31により前記ケーシング23に固定する構成としたことで、低コストで整流部材32を電動送風機7に固定する構成を実現できる。また、ガイド30や整流部材32の振動も軟質部材31が吸収するとともに、前記ガイド30の外周面を覆い前記ケーシング23の外周に固定しているため、電動送風機7自体の低騒音化も実現できる。また、軟質部材31の内部に中空部33を設けることで、軟質部材の振動吸収性能がさらに向上する。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、電動送風機の吸引性能の向上を図るとともに、低騒音化も実現する電動送風機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す電気掃除機の全体図
【図2】 同電動送風機の側部分断面図
【図3】 同電動送風機の側部分断面図
【図4】 同電動送風機の側部分断面図
【図5】 同電動送風機ユニットの展開図
【符号の説明】
7 電動送風機
20 インペラ
21 ケーシング開口穴(排気部)
23 ケーシング
30 ガイド
31 軟質部材
32 整流部材
Claims (2)
- 回転することで吸引風を発するインペラと、前記インペラを覆うケーシングと、前記ケーシングの外周に前記インペラにより吸引された気流の一部を排出する排気部と、前記ケーシングの吸気上流側先端の吸気流入部に向かって傾斜部を内側に有すると共に外周にリング状の縁部を有する略中空薄型円盤状の整流部材とを備え、前記ケーシングの外周に前記排気部から排出された気流の流れを方向づけるガイドと、前記ガイドの外周面を覆い前記ケーシングの外周に固定され、その中心軸を前記ケーシングの中心軸と略同一とし両端を開口した略中空円盤状の軟質部材とを設け、前記整流部材のリング状の縁部を、前記軟質部材の中空円盤状の内側の内周部分に挟み込み、前記ケーシングに固定する構成とした電動送風機。
- 上記請求項1に記載の電動送風機を本体に内蔵した電気掃除機。
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JP2003088426A JP4288980B2 (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | 電動送風機およびそれを用いた電気掃除機 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013144069A (ja) * | 2012-01-16 | 2013-07-25 | Toshiba Corp | 電気掃除機 |
-
2003
- 2003-03-27 JP JP2003088426A patent/JP4288980B2/ja not_active Expired - Fee Related
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