JP4288677B2 - パチンコ遊技機における賞球流通規制装置 - Google Patents

パチンコ遊技機における賞球流通規制装置 Download PDF

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Description

この発明は、パチンコ遊技機における賞球流通規制装置に係り、更に詳しくは、機裏側の機構セット盤における賞球貯留排出部の下流に連通状態で装備される球払出し部から賞球を払出し得る遊技機において、球払出し部の着脱に関連して賞球の流通を規制し得るようにした賞球流通規制装置に関するものである。
この種の遊技機に代表されるパチンコ機やアレンジボール機では、遊技に供された実施状態において、機外の補給装置から定期的に投入されるパチンコ球を賞球として裏側の賞球貯留排出部の球タンク内に受入れて、以降整流樋から球送出路そして最下端の賞球払出し装置の球ケースまたは球通路に至って通入収容している。そして、ゲーム中に発生したセーフ球または入賞成立に対して賞球払出装置の球払出し部から所定数単位の賞球を払出して、賞球排出路を介して機前側の上,下の球皿側へ排出するようになっており、この一方で貯留賞球の減少に伴い前記補給装置により定量のパチンコ球が補充投入されるようになっている。従ってこのような遊技機においては、賞球貯留排出部の点検や修理、特に賞球払出装置の取外し点検や新旧交換に際しては、同排出部内の賞球を所要部位で一時的に球止め(通出阻止)し得ることが望まれている。
そこで従来のこの種遊技機にあっては、賞球の球止めに係る一般的な技術として、前記賞球貯留排出部の下流部上方に鈎形状をなす回転式の制止部材が取着されており、賞球払出装置の取外しに先立つ球止め時には、この制止部材を通常の非球止め位置(解放位置)から整流樋側の球止め位置(拘束位置)に反転変向させて、その爪部で整流路および球送出路内の賞球を受止め、球止め位置から上流の球タンクに至る賞球分を通出阻止し得るようになっている。しかしこのような球止め技術では、制止部材の球止め位置から下流に亘る賞球を通出阻止し得ないために、賞球払出装置の取外し時においては、相当数をやむなく放出しなければならない。また、点検,修理済みの賞球払出装置の組付けセット後において、賞球の球詰め,球切り状態が未だ不充分である場合には、同装置の再度の取外し点検に伴い相当数の賞球を放出しなければならなくなってしまい、装置の点検,交換作業が案外煩わしくなっている。
また前述のように、賞球貯留排出部内の貯留賞球が賞球払出装置の取外しの都度やむなく放出されることは、遊技機1台毎の賞球貯留状態において、前記補給装置による投入個数と、入賞に対する正規の払出し個数と、残存個数との関係に大幅な誤差を生ずることになる。これに関連して遊技店内の制御部では、1台毎の賞球状況や誤差を把握し得ないまま当日分の球稼動状態を管理し続けることになり、有効正味投入データとして修正入力することが難しくまた煩わしい状況のもとで、遊技店の営業・稼動において不都合な事態を招いていた。
すなわち本発明は、前述した課題を好適に解決するべく新規に提案されたもので、機裏側の機構セット盤の賞球貯留排出部の下流に着脱可能に装備される球払出し部の施錠と解錠とをなすと共に、これに関連して賞球(貯留球)の球払出し部への流通を可否状態に規制し得るようにした小型で取扱い容易な賞球流通規制装置を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、期の目的を達成するため、本発明は、
機裏側の機構セット盤に装備された賞球貯留排出部下流の球送出路と、同セット盤下方に形成された賞球排出路との間の凹室部に、ケース体内に形成された球通路を連通し得る球払出し部が着脱可能にセットされて、同球払出し部から払出された賞球を賞球排出路を介して遊技者側に排出し得るパチンコ遊技機において、
前記機構セット盤の球送出路と前記球払出し部の球通路との連通部の近傍に、前記機構セット盤の外側所定位置の支点に回動可能に支持した施錠部材と、前記球送出路の出口部外の支点に回動可能に支持した可動規制部材とを夫々取着し
前記施錠部材は、指先操作用の摘み部または工具操作用の係合孔と、該摘み部または係合孔を操作することで前記ケース体の係止部を係脱可能に係止し得る係合盤部と、この係合盤部に形成された円弧状のカム縁と、係合盤部に形成された係合口と、係合盤部の裏面端部に突設された突片とを有し、
前記可動規制部材は、前記球送出路の出口部外の支点に対する自由端部側に形成されて、球送出路に出没して同路内の球の拘束と解放をなし得る規制弁部と、外向きに突出形成されて、前記施錠部材のカム縁に当接して係合口に係脱可能に係合し得る連繋ピンとを有し、
前記球払出し部の組付けセット時において、前記施錠部材の施錠操作により係合盤部をケース体の係止部に係止保持することに連動して、前記係合盤部の係合口を前記可動規制部材の連繋ピンに係合させて、該可動規制部材の規制弁部を球送出路から退出状態に変位して球の通出を可能とすると共に、前記突片が前記係止部に凹設された係合溝に整合突入して、前記施錠部材をロック係止位置で保持し、
前記球払出し部の取脱時において、施錠部材の解錠操作により係合盤部をケース体の係止部から解放することに連動して、可動規制部材の規制弁部を球送出路内に突出して球の通出を不能にすると共に、前記施錠部材が前記ロック係止位置と前記係合盤部が凹室部から退避したロック解除位置との間を回動するに際して、前記突片の先端が移動する軌跡に対応した位置に設けられた円弧状の突部に当接し、
前記ロック解除位置において、前記突片の先端と前記突部との当接が解除されると共に、該突部の端部に該突片の側面が係着して、前記施錠部材をロック解除位置で保持するよう構成したことを特徴とする。
(作用)
機構セット盤の球送出路と賞球排出路との間に球払出し部をセットした状態において施錠部材を所定方向へ回動操作すれば、球払出し部を収容したケース体の係止部と該施錠部材の係合盤部とが係合して、球払出し部は機構セット盤に取着セットされる。そして、前記施錠部材の回動操作に際して該施錠部材の係合口と可動規制部材の連繋ピンとが係合し、これにより可動規制部材が球送出路から退避するようになるから、該球送出路内の賞球が球払出し部のケース体内に形成された球通路内へ流入することを許容する。また、前記施錠部材を前と逆方向へ回動操作すれば、球払出し部を収容したケース体の係止部と該施錠部材の係合盤部との係合が解除され、球払出し部をケース体ごと機構セット盤から取外し得る。そして、前記施錠部材の回動操作に際して該施錠部材のカム縁が可動規制部材の連繋ピンに当接し、これにより可動規制部材が球送出路内へ延出するようになり、該球送出路内の賞球は該可動規制部材の規制弁部で流通が規制される。従って、前記球払出し部を機構セット盤から取外した際には、球送出路から賞球が全く流出しない。
本発明に係るパチンコ遊技機における賞球流通規制装置によれば、球払出し部を機構セット盤に取着セットする施錠部材に可動規制部材を連動するよう構成して、この施錠部材の施錠操作時には可動規制部材が賞球の規制解除状態となり、施錠部材の解錠操作時には可動規制部材が賞球の流出規制状態となるようにした。すなわち、施錠部材の施錠,解錠操作に可動規制部材が連動するので、球払出し部の取付け,取外しと賞球の流通規制,規制解除をワンタッチ操作で行なうことができ、賞球貯留排出部や球払出し部の点検,交換作業が極めて簡単となる。しかも、可動規制部材が球払出し部の球通路に連通する球送出路の出口部に設けられるので、該球払出し部をケース体ごと機構セット盤から取外した際に機外へ流出する賞球が全くない。このため、補給装置による投入個数と、入賞に対する正規の払出し個数と、残存個数との関係に大幅な誤差を生ずることがなくなり、遊技店の営業・稼動においては、各遊技機に対する賞球状況や球稼動状態を正確に管理し得る等の利点もある。
次に、本発明に係るパチンコ遊技機における賞球流通規制装置について、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお本実施例では、遊技球を1個ずつ遊技盤内に打出して遊技球の入賞ゲーム(アウト球とセーフ球との区分)を展開するタイプにあって、機裏側の貯留球を、入賞成立(セーフ球の発生)に対する賞球と、球貸しシステムを利用した遊技用の貸し球とに区分排出して球皿側へ供給し得るパチンコ機の場合を主に例示する。
先ず、図1に略示するパチンコ機および図2に略示する球処理部について要約説明すると、外枠Aに組付けられた前枠Bの裏側に、夫々の球処理部を有する機構セット盤Cが着脱可能にセットされている。このセット盤Cでは、遊技盤点検用の窓口1の周囲において、アウト球用の排出路2とセーフ球用の処理路3が区画形成されている一方、賞球用の球貯留排出経路部(賞球貯留排出部)4として、最上端の球タンク4aと整列用の整流樋4bおよび減圧用の送出樋(球送出路)4cが順に連設されて、相当数のパチンコ球を貯留して送出し得るようになっている。また送出樋4cの下流端に、後述する賞球払出装置Fおよび球流路の切換えユニット装置Gが着脱可能にセットされており、該切換えユニット装置Gの出口下方に、上下の球皿(図示しない)側に連絡される第1,第2の賞球路(賞球排出路)5,7が形成され、第1の賞球路5の上流部から分岐された球抜き路9が下部外側に形成されて、前記排出路2および処理路3に連絡されている。なお、第1の賞球路5は供給口6を介して上球皿の上流部に連絡され、また第2の賞球路7は供給口6の側方から分岐されて前枠Bの下部裏側に取着された容器8を介して下球皿に連絡されている(図1および図2参照)。
前述した機構セット盤Cにおけるその余の構成として、図1および図2に略示するように、前記整流樋4bと送出樋4cとの直交連絡部位に、賞球単列化用の球送り整列部10が装備され、また整流樋4bの所定位置に貯留球検出用のスイッチ11が設置され、そして第2の賞球路7の途上に賞球充満検出機構12が組込まれている。一方、送出樋4cの近傍に球抜き操作手段としてのレバー13およびスイッチ14が組付けられており、そして前記処理路3にセーフ球検出処理装置Dが着脱可能にセットされている。この装置Dでは、セーフ球を1個ずつ停留検出して賞球払出し後に解放通出する電動形態であって、図2および図3に例示するように、処理路3と連通する通路16を形成した本体15に、通路16内のセーフ球を1個ずつ通過検出し得るスイッチ17と、このスイッチ17の上,下方に位置するストッパー部18a,18bを形成して、1回毎の処理作動によりセーフ球に対する拘束と解放とによる通入出規制を行なうレバー状の規制処理部材18と、同部材18を各規制状態に交互に切換え操作する電磁ソレノイド19とを組付けて、全体が本体単位で構成・取扱い得るようになっている。なお図1中、20は電源部(AC24V)に接続されるターミナル基板、21はゲーム内容を制御する第1電子制御装置、22はセーフ球検出処理並びに賞球排出(払出しと球抜き)を制御する第2電子制御装置を夫々示す。
このような本実施例のパチンコ機は、遊技ホール内の設置枠台(通称「島」)の各区画枠内に前記球貸しシステムと共に設置されて縦向きで遊技に供される。この状態において、図示しないが、各列毎の設置枠台の補給設備における配球ユニットから必要時に供給される相当量のパチンコ球を、前記球貯留排出経路部4の球タンク4a内に受入れて各樋4b,4cに収容しており、パチンコゲーム中に発生したセーフ球に対して所定数の賞球を払出し得る。一方球貸しシステムでは、前記スイッチ11の球有り検出条件において、使用するカードの有効金額内における一定額単位に対して設定数球の貸出し制御をなすもので、カードリーダ23およびカード挿入口等を有するカードユニットEが外枠A外側に装備されて(図1参照)、前枠Bの裏側下部に設置された中継制御部(インターフェースボードともいう)24に、カードリーダ23と上球皿側の球貸し操作部および前記第2電子制御装置22が夫々接続されている。そして、カードリーダ23の球貸し判読制御処理条件に応答して後述の賞球払出装置Fが作動されることにより、払出された貸し球が上球皿へ供給されるようになっている。
前述したパチンコ機に実施される賞球払出装置Fは、前記第2電子制御装置22で制御作動されるもとで、セーフ球に対する賞球と遊技用の貸し球との区分排出並びに貯留球の抜出しの制御をなす電子制御作動形態のもので、図1および図2に略示するように、前記機構セット盤Cの設置部内に着脱可能にセットされている。この賞球払出装置Fでは、基本的な構成として図4〜図6に示すように、縦長方形箱状にユニット化された合成樹脂製のケース体26内に球通路を区画形成すると共に、この球通路に臨む部位に電動式の球払出し部30を夫々組付けて、ケース体毎に取扱い得るようになっている。そして機構セット盤Cの設置部、つまり前記球貯留排出経路部4の送出樋4c下端と、前記第1,第2の賞球路5,7および球抜き路9上端との間に形成された凹室部25内にケース体26単位で収容され、球通路を送出樋4cおよび各路5,7,9に整合連絡した状態で後述する所要の係止手段で固定セットされるようになっている。前記ケース体26は、凹室部25内の設置面に密着される1枚のベース板26Aに矩形のカバー26Bが組付けられており、このケース体26内の一側部(図4における右側)に、1列の球通路28を垂下状に形成した樋27が組込まれて、ベース板26Aとカバー26Bとにビス固定されている。
そして、前述のケース体26内に組込まれた前記球払出し部30は、球貯留排出経路部4からの球を1個ずつ通入出検出するもので、図4および図5に例示するように、ベース板26Aの支持部31に軸支持された回転スプロケット状の球送り体32と、球送り体32の回転・停止規制をなす規制片36の切換え作動源である電磁ソレノイド34と、第1,第2検出具38,39とを備えている。そして球送り体32は、外周に形成した受け部33(図示6個)を球通路28内に臨ませて、1個ずつの球を受けて回転により放出し得る。また電磁ソレノイド34は、図示のフラッパー形式例において、ベース板26Aに固定された金属製の支枠35にコイルを巻回した磁力発生部(ボビンともいう)34Aを装着し、通電時に発生された励磁力を磁着部34aに集中的に作用し得、これに対して規制片36は、支枠35の一端に傾動可能に支持されてバネ37で付勢され、磁着部34aとバネ37を利用して球送り体32の受け部33を係合停止,離隔解放するようになっている。一方、第1,第2検出具38,39は、互いに1球分の検出間隔で配置されて球通路28に臨み、通入球と通出球とを個々に検出するよう構成される。
このような球払出し部30では、電源投入時の作動状態において、電磁ソレノイド34の消磁(OFF)により磁着部34aから解放された垂下状態の規制片36が、球送り体32を拘束した通常状態に付勢保持されている(図4参照)。従ってこの球送り体32が、前記球貯留排出経路部4内に投入されて送出路4cから球通路28に入っている球の最先行(最下端)を、受け部33に受入れた状態で停止されていることにおいて、第1検出具38がこの球を直接有検出する。一方、電磁ソレノイド34の励磁(ON)により磁着部34aに吸着された規制片36が傾動変化して球送り体32を解放すると、同球送り体32が受けた1球の重みで回転して同球を放出することにおいて、第2検出具39が放出球を直接有検出し、電磁ソレノイド34が消磁復帰されるようになっている。なお第1,第2検出具38,39は、ともに光学センサータイプが使用される例において、前記第2の電子制御装置22側に接続される制御基板(図示せず)に配置された発光ダイオードと、回路基板(図示せず)に配置された受光ダイオードとが組とされている。なお、球払出し部30内での球詰り(判定)に対して、払出し用の電磁ソレノイド34の作動により振動を発生させて球詰りを解消する制御として、例えば特願平1−249973号公報に開示の技術を採用可能である。また第2検出具39の払出し球検出不良(故障)の判定処理の制御に関しては、例えば特願平1−249975号公報に開示の技術を採用し得る。更には、賞球(貯留球)の数量(検出間隔時間)に応じて球払出し速度を高速用モードと、低速用モードとに変更する制御に関しては、例えば特願平2−6789号公報や特願平5−285821号公報に開示の技術を採用することができる。
前記球流路の切換えユニット装置Gは、前記第2電子制御装置22で制御作動されるもとで、賞球および貸し球と貯留球とを切換え排出するもので、図1および図2に略示するように、前記機構セット盤Cの設置部内において前記賞球払出装置Fの下方に着脱可能にセットされている。この切換えユニット装置Gでは、基本的な構成として図4,図5,図13および図14に示すように、小型の方形箱体状にユニット化された合成樹脂製のケース体41内に球通路を区画形成すると共に、この球通路に臨む部位に電動式の球切換え排出部47を組付けて、ケース体毎に取扱い得るようになっている。そして機構セット盤Cの設置部、つまり前記凹室部25内において、前記賞球払出装置Fと第1の賞球路5および球抜き路9との間にケース体単位で収容され、球通路を前記球通路28と該第1の賞球路5および球抜き路9に整合連結した状態で後述する所要の係止手段で固定セットされるようになっている。なお前記ケース体41は、前記凹室部25内の設置面に密着されるベース体41Aにコ字形のカバー41Bが組付けられ、このケース体41内の一側部(図4における右側)に球通路が画成されている。
そして本実施例の切換えユニット装置Gでは、前記ケース体41の右部に形成された区画壁42と前記カバー41Bにより、前記賞球払出装置Fの球通路28に整合連通される球入路40が形成され、この球入路40の下部から垂下状に延在して前記第1の賞球路5に連通される球払出し路43が形成されると共に、前記球入路40の下部から後方へ分岐されて傾斜状に延在して前記球抜き路9に連通される球戻し路44が形成されており、前記ベース体41Aの略中央で上下に延在する仕切り板46と前記カバー41Bの右側壁部とにより各路40,43,44が覆蓋されている。なお、ベース体41Aの各部には組付け用のボスや台座等が配設されており、また球払出し路43と球戻し路44とは、図5に例示するように互いに略逆Vの字状に連通されて、その分岐連絡口部の一端に後述する切換え弁49用の逃し凹部45が形成されている。
また、前記ケース体41内に組込まれた前記球切換え排出部47は、図4,図5,図13および図14に示すように、前記ベース体41Aの仕切り板46の左側に設置される電磁ソレノイド48と、仕切り板46の右側で回動可能に支持されるレバー状の切換え弁49とで構成されている。前記電磁ソレノイド48は、小型で方形の外郭体52を有するロータリー式で、該外郭体52内に組込まれた励磁力発生部53に挿通した回動軸54を回動可能に支持して、その一端部を支点軸部54aとして外郭体52外に延出した状態に構成されている。そして、この小型のロータリー式の電磁ソレノイド48は、前記ベース体41Aに一体成形された支片50により画成された設置部51に前記外郭体52を収容し、支点軸部54aを前記球払出し路43と球戻し路44との分岐部位に延出させた状態にセットされる。すなわち、電磁ソレノイド48が横向きにセットされ、球払出し路43および球戻し路44が該ソレノイド48の側方に位置するので、殊にケース体41の前後サイズが小さくなって切換えユニット装置Gが軽量かつ小型に構成されている。なお前記仕切り板46には、電磁ソレノイド48の回動軸54の挿通を許容する溝46aが形成されている。これに対して切換え弁49は、図5に示すように、前記電磁ソレノイド48の支点軸部54aに直結固定されて前記球払出し路43と球戻し路44との連絡部分内に位置し、前記回動軸54の回動変位下に切換え保持されるようになっている。また前記支点軸部54aには、各端部を切換え弁49と仕切り板46とに係止させて、該切換え弁49に付勢力を付与するねじりばね55が配設されている。
このように構成した球流路の切換えユニット装置Gでは、電源投入時の作動前状態において、電磁ソレノイド48の消磁(OFF)により回動軸54がフリー状態にある場合には、前記ねじりばね55による付勢力のもとに、前記切換え弁49が回動軸54を支点として起立払出し位置に保持され、球入路40と球払出し路43とを連通させて前記賞球払出装置Fから払出された球を該球払出し路43側へ案内する(図15(a)参照)。一方、電磁ソレノイド48の励磁(ON)により回動軸54が所定方向へ回動変位した場合には、前記切換え弁49が該回動軸54を支点として傾斜戻し位置に保持され、球入路40と球戻し路44とを連通させて前記賞球払出装置Fから払出された球を球戻し路44側へ案内するようになっている(図15(b)参照)。なお、切換えユニット装置Gの球切換え排出部47に関連する操作手段については、図1に略示した前記機構セット盤Cにレバー13およびスイッチ14が配置使用される例において、レバー13の操作によりスイッチ14が検出(ON)することに応答して、前記切換え用の電磁ソレノイド48と払出し用の電磁ソレノイド34とが夫々設定時間に亘り励磁されるようになっている。ちなみにレバー13は、前枠Bに形成された操作孔に挿入された針金状の操作具(共に図示しない)の押込みによる操作と、外枠Aから開放した前枠Bの裏側で指先による操作との何れも可能にされている。
前述のように構成された賞球払出装置Fと球流路の切換えユニット装置Gとは、前記機構セット盤Cの凹室部25に対して、ビスやボルト等を一切使用せずに、適宜の係止手段または施錠部材を利用したワンタッチ操作で簡単かつ容易に取付けられるようになっている。すなわち切換えユニット装置Gに関しては、図4,図6および図9に示すように、前記ケース体41におけるカバー41Bの左右両端部(外郭部)41aの上下部位に、左右外方へ延出した係止片(係止部)65,65が一体的に成形されており、また凹室部25の下部には、該係止片65,65が上方から係止し得るスライド溝(掛止部)66,66が形成されている。従って、ケース体41単位でユニット化された球流路の切換えユニット装置Gは、前記各係止片65,65を各スライド溝66,66の上方に整合させて位置決めし、この状態で下方へスライドさせることで各係止片65がスライド溝66内に嵌入し、該切換えユニット装置Gは凹室部25に固定セットされる。このとき、球払出し路43の出口部が第1賞球路5の入口部に整合すると共に、球戻し路44の出口部が球抜き路9の入口部に整合する(図5参照)。
また前記賞球払出装置Fに関しては、図4,図6および図9に示すように、前記ケース体26におけるベース板26Aの下端部に、下方へ延出した係止片67,67が一体的に成形されており、カバー26Bの上面中央には、上方に延出した係合片部(係止部)68が一体的に成形されている。これら係止片67,67は、前記切換えユニット装置Gのベース体41Aの上面に凹設した係止凹部69,69に整合するようになっており、賞球払出装置Fを上方からセットした際に各係止片67が各係止凹部69に嵌入して、凹室部25に固定セットされた該切換えユニット装置Gにより下部が固定保持されるようになっている。また前記係合片部68には、凹室部25の上方に回動可能に配設された施錠部材70に係合するようになっている。
前記施錠部材70は、図4〜図9に示すように、前記凹室部25の上方にビス着されるカバー部材71の外面から水平に延出した支点ボス(支点)72に回動可能に配設され、該支点ボス72が嵌挿する係合孔74を形成した摘み部73と、該摘み部73の下端部から側方に延在する扇状の係合盤(係合盤部)75とを一体的に成形して構成されている。そして施錠部材70は、前記支点ボス72に対して左回転させると、前記係合盤75が凹室部25の上端部から退避したロック解除位置に変位し(図9参照)、また該ボス72に対して右回転させると、該係合盤75が該凹室部25の上端部に位置したロック係止位置に変位するようになっている(図4参照)。すなわち、施錠部材70をロック解除位置に保持させた状態において、前記球流路の切換えユニット装置Gを固定セットした凹室部25の上部に前記賞球払出装置Fを位置決めし、この状態で該施錠部材70をロック係止位置に回動変位させれば、係合盤75が前記係合片部68に係合するようになり、前記係止片67と係止凹部69との係止作用および該係合盤75と係合片部68との係合作用下に、該賞球払出装置Fは凹室部25に固定セットされる。
前記係合片部68には、図6に示すように、前記施錠部材70における係合盤75のカム縁75aが摺接する曲面状の係合面68aが形成されると共に、該係合盤75の裏面端部に突設した突片76が整合突入する係合溝77が凹設されている。従って、施錠部材70がロック係止位置に回動変位した際には、前記突片76が係合溝77に突入するようになり、該部材70がロック係止位置に係止保持されてロック解除位置側への容易な回動変位が防止される。また、凹室部25にセットされた前記賞球払出装置Fおよび切換えユニット装置Gは、前記施錠部材70がロック係止位置に保持されている状態においては、前記カム縁75aと係合面68aとが好適に当接することにより、上下方向への移動が好適に規制されている。なお実施例の施錠部材70は、前記摘み部73を把持して回動変位させることの他に、該摘み部73に形成した六角孔(係合孔)78に対応の工具(六角レンチ等)を係止させて回動変位させることも可能となっている。
また、前記球貯留排出経路部4における送出樋4cの出口部には、前記施錠部材70の回動変位に連動して作動される本実施例の球流通規制装置85が配設され、該送出樋4cからのパチンコ球の通出規制を行ない得るようになっている。この球流通規制装置85は、図7および図9〜図12に示すように、送出樋4cの出口部側方に配設された支点ピン(支点)86に揺動自在に枢支されて前記施錠部材70に係着しながら姿勢制御される可動規制部材87で構成されている。前記可動規制部材87は、その一端側が前記支点ピン86に枢支されると共に、揺動端側には前方へ延出した連繋ピン88が一体的に形成されている。この連繋ピン88は、図10に示すように、前記施錠部材70の係合盤75に形成された係合口80と前記カム縁75aに係合または当接するようになっており、該施錠部材70がロック係止位置とロック解除位置との間を回動変位する際に、連繋ピン88と係合口80およびカム縁75aの係合作用下に、可動規制部材87の姿勢が制御されるようになっている。
例えば、前記施錠部材70がロック解除位置に保持されている状態においては、図11に示すように、前記連繋ピン88が前記カム縁75aに当接するようになり、可動規制部材87は揺動端側が前記送出樋4cへ延出した傾動規制状態に姿勢保持される。これにより送出樋4cに沿って流下するパチンコ球は、傾動規制状態に保持されている可動規制部材87の規制弁(規制弁部)89に当接して、該送出樋4cからの流出が規制される。すなわち、前記施錠部材70をロック解除位置に保持して前記賞球払出装置Fを凹室部25から取外す際には、送出樋4cからのパチンコ球の流出が好適に規制されるようになっている。一方、前記施錠部材70をロック係止位置に変位させた際には、図10に示すように、前記連繋ピン88が前記係合口80に係合するようになり、可動規制部材87は揺動端側が前記送出樋4cから退避した規制解除状態に姿勢保持される。これにより送出樋4cに沿って流下するパチンコ球は、前記可動規制部材87に規制されることなく該送出樋4cの出口部から流出する。すなわち、凹室部25にセットした前記賞球払出装置Fをロック係止位置に変位させた前記施錠部材70で係止保持した際には、送出樋4cを流下するパチンコ球が該賞球払出装置Fの球通路28内へ流入するようになる。
なお前記カバー部材71には、図6および図7に示すように、施錠部材70がロック係止位置とロック解除位置との間を回動するに際して、前記突片76が移動する軌跡に対応した位置に、円弧状の突部79が形成されている。これにより、施錠部材70が回動変位する際には、前記突片76が前記突部79の上面に接触するようになり、該施錠部材70の容易な回動変位を制御するようになっている。また、施錠部材70がロック解除位置に変位した際には、図12に示すように、前記突片76と突部79との当接が解除されると共に、該突部79の端部に該突片76が位置するようになり、両者76,79の係着により施錠部材70がロック解除位置に保持され、これにより前記可動規制部材87が傾動規制状態に保持される。
そして本実施例のパチンコ機のその他の構成として、図2に示すように、前記凹室部25を開放可能に覆蓋する開閉蓋62が、機構セット盤Cに枢着されている。すなわち前記開閉蓋62は、その下端部に機構セット盤Cに枢支される枢支軸63,63を一体的に成形すると共に、上端部には係着片62aが一体的に形成されている。また前記凹室部25の上方には、前記係着片62aに係脱可能なロック部材64が回動可能に配設されている。従って、閉成した前記開閉蓋62により凹室部25内が略完全に覆蓋されるので、該凹室部25に固定セットした賞球払出装置Fおよび切換えユニット装置Gは、当該パチンコ機が遊技に供されている際に塵埃やたばこの煙等から隔離保護され、確実かつ安定した作動を長期間に亘って維持することが可能となる。
ここで、本実施例のパチンコ機の各部に配設された電気部品類および前記賞球払出装置Fの電気部品類に係る入出力制御系統について付記すると、図16に略示するように、前記第1の電子制御装置21に遊技盤(図示しない)に配置されたスイッチ等が接続されて、ゲームおよび賞球排出に係る制御処理がなされる。一方、前記第2の電子制御装置22に、前記カードユニットEのカードリーダ23、インターフェースボード24、球貸し操作用のスイッチ59および貸し球用のスイッチ11と、前記セーフ球検出処理装置Dのスイッチ17および電磁ソレノイド19と、前記球払出し部30の電磁ソレノイド34および第1,第2検出具38,39と、前記球切換え排出部47の電磁ソレノイド48および球抜き用のスイッチ14が夫々接続されて、貸し球と賞球との区分払出し、セーフ球検出処理、そして球抜きに係る夫々の制御処理がなされる。なお第2の電子制御装置22では、球抜き用のスイッチ14の1回の検出信号を有効入力して、球抜き指令により切換え用の電磁ソレノイド48、次いで払出し用の電磁ソレノイド34を各々の時間(例えば50秒と45秒)に亘り励磁し、そしてリセットスイッチ60の入力条件で次の球抜き用検出信号を有効入力可能に設定されている。
(実施例の作用)
前述のように構成された本実施例のパチンコ機では、該パチンコ機の組立製造時に、球流路の切換えユニット装置Gおよび賞球払出装置Fとを、機構セット盤Cに形成した凹室部25にワンタッチ操作で固定セットすることができ、極めて簡単かつ容易な組付けが可能となっている。すなわち切換えユニット装置Gは、各係止片65,65を各スライド溝66,66の上方に整合させて位置決めし、この状態で下方へスライド操作するだけでよく、これにより各係止片65がスライド溝66内に嵌入して該切換えユニット装置Gは凹室部25に固定セットされる。また賞球払出装置Fは、前記切換えユニット装置Gを凹室部25に固定セットした状態において、係止片67を該切換えユニット装置Gの係止凹部69に嵌入させると共に、施錠部材70をロック係止位置に回動変位させるだけで凹室部25に固定セットされる。これにより、賞球払出装置Fと切換えユニット装置Gとは、上下方向に連設した状態で凹室部25に固定セットされる。なお、施錠部材70がロック係止位置に変位していることにより、前記可動規制部材87が規制解除状態に姿勢保持されるので、送出樋4cに沿って流下するパチンコ球は、前記賞球払出装置Fの球通路28内に流入して球払出し部30における球送り体32に至る。
前述のように構成された本実施例のパチンコ機では、遊技ホール内の設置枠台にカードユニットEと共に設置されて遊技に供し得る。そして、カードユニットEに対するカードの挿入並びに機前側での球貸し操作により、機構セット盤Cの賞球払出装置Fから払出された貸し球を上球皿側へ給出して収容し得る。このもとで遊技操作(打球発射操作)を行なうことにより、機内の発射位置に1球ずつ送込まれた遊技球を遊技盤内に打出して所要のゲームを展開し得る。そうして、ゲーム中に発生したアウト球を機構セット盤Cの排出路2から機外へ排出し、またセーフ球を処理路3からセーフ球検出処理装置Dに導入して1球ずつ停留検出処理した後に機外へ排出する一方、このセーフ球の検出処理に対して賞球払出装置Fから設定数の賞球を払出して上球皿または下球皿へ給出するようになっている。そして、球抜き必要時の操作により球貯留排出経路部4内の貯留球を、賞球払出装置Fの解放状態で抜出して球抜き路9から機外へ排出することができる。
そこで、このようなパチンコ機に実施された賞球払出装置Fおよび本実施例の球流路の切換えユニット装置Gにおける球排出作動状態について、各図を参照しながら説明する。先ず貸し球の払出しについては、貸し球用のスイッチ11の球有り検出入力条件にあって、カードが挿入されて球貸し用のスイッチ59が操作されたことに基づいて球払出し部30が作動される。すなわち、同スイッチ59の操作入力に対するカードリーダ23,インターフェースボード24および第2の電子制御装置22間での制御処理および球貸し指令に基づいて、賞球払出装置Fの球払出し部30が作動されて電磁ソレノイド34の制御作動(励磁と消磁)および規制片36の切換え、第1,第2検出具38,39の球有り検出入力並びに球送り体32のピッチ回動により、所定数の球(例えば球貸し金額100円に対して貸し球25個)が1球ずつ払出され、切換えユニット装置Gにおける球払出し路43から第1賞球路5へ排出され、供給口6から上球皿へ給出される。この貸し球の具体的な排出状態を図5および図15(a)で観ると、全ての貸し球は、球送り体32の受け部33から解放された以降、第2検出具39でカウント検出されて球入路40へ通入し、起立払出し位置に保持されている切換え弁49に沿って球払出し路43側へ通出された後に、第1賞球路5へ排出される。
またセーフ球に対する賞球の払出しについては、図2および図3に示す前記セーフ球検出処理装置Dでのセーフ球検出毎に賞球払出装置Fの球払出し部30が作動される。すなわち、前記処理路3から通路16に通入して規制処理部材18のストッパー部18bにより検出位置で停留されたセーフ球をスイッチ17が検出した条件にあって、同検出入力に対する第1,第2の電子制御装置21,22間でのセーフ球信号と賞球信号との処理および払出し指令に基づいて、球払出し部30が前述と同様な態様で作動されて(図5および図15(a)参照)、電磁ソレノイド34の制御作動および規制片36の切換えに従う球送り体32のピッチ回動により、所定数の球(例えば5〜15個の賞球)が1球ずつ払出されて、球入路40,球払出し路43から第1賞球路5に通出され、供給口6から上球皿または第2賞球路7から下球皿へ給出される。そして、払出された所定数最後の賞球が第2検出具39でカウント検出された時点に基づいて、当該回の払出し作動が終了されて電磁ソレノイド34の消磁、規制片36の復帰に従い球送り体32が停止保持される。なお、払出し終了後セーフ球検出処理装置Dでは、第2の電子制御装置22からのセーフ球解放指令に基づいて、電磁ソレノイド19が1回作動(励磁と消磁)されることにより、規制処理部材18の切換えに従い検出位置のセーフ球が解放されて機外へ排出され、次のセーフ球が検出位置に入って停止される(図3参照)。
一方貯留球の球抜きについては、球抜き操作に基づいて、球流路の切換えユニット装置Gの球切換え排出部47と、賞球払出装置Fの球払出し部30が順次作動される。すなわち、前記球抜き用のスイッチ14が操作されたことにより、この検出入力に対する第2の電子制御装置22での制御処理および球抜き指令に基づいて球切換え排出部47が切換え作動されて、電磁ソレノイド48の励磁による回動軸54の回動と共に切換え弁49が傾斜戻し位置に切換え保持される(図5および図15(b)参照)。これに次いで(例えば1.5秒後)球払出し部30が開放作動されて、電磁ソレノイド34の励磁により規制片36が磁着変位されて球送り体32を解放する。この結果、同球送り体32が球通路28内の球を受けながら連続フリー回転するもとで、1球ずつ放出された球貯留排出経路部4内の貯留球が、切換え弁49で変向案内されながら球戻し路44に通出して球抜き路9から機外へ抜出される。そうして、設定時間経過後の球抜き指令終了時に、球払出し部30が元状復帰されてソレノイド34の消磁により、規制片36が変位復帰して球送り体32を停止保持する。これに次いで(例えば3.5秒後)球切換え排出部47が元状復帰されてソレノイド48の消磁により回動軸54がフリーとなり、ねじりばね55の付勢力下に切換え弁49が元の起立払出し位置(図15(a)の位置)に保持される。
なお前述の球抜き作動では、球貯留排出経路部4内で多少の球流れ遅れが発生したとしても、双方のソレノイド34,48の励磁時間設定により全球を的確に抜出すことができる。そして球抜き後においては、補給設備の運転により新たな相当量の球が球タンク4a内に投入されることにより、球払出し部30の球通路28内の所定位置(球送り体32の受止め位置)から球貯留排出経路部4内の全体に亘り通入(収容)されて、前述した貸し球,賞球の払出しが可能とされる。ちなみに、本実施例の賞球払出装置Fおよび球流路の切換えユニット装置Gに係る第2の電子制御装置22での別設定例として、球貸し操作信号は賞球払出し指令の終了後に入力可能とされ、また球抜き操作信号の入力以後は入力不可(無効)とされる。賞球払出し信号は、球貸し指令の終了以後に入力可能とされ、また球抜き操作信号の入力以後は入力不可(無効)とされる。また球抜き操作信号は、貸し球,賞球の払出し指令の終了以後に1回だけ有効入力可能とされる。
また本実施例のパチンコ機では、前述のように遊技ホール内の設置枠台に設置されて遊技に供されている適時に、前記賞球貯留排出経路部4や前記賞球払出装置Fおよび球通路の切換えユニット装置Gの点検,修理や交換等に際しては、これら賞球払出装置Fと切換えユニット装置Gを、凹室部25からワンタッチ操作で簡単かつ容易に取外すことが可能である。すなわち、前記施錠部材70をロック解除位置へ回動操作して係合盤75と係合片部68との係合を解除した状態において、賞球払出装置Fを手前上方に引出せば該賞球払出装置Fを簡単に取外すことができる。また、前記賞球払出装置Fを凹室部25から取外した状態において、前記切換えユニット装置Gを上方へ引上げれば、該切換えユニット装置Gも簡単に取外すことが可能である。しかも、前記施錠部材70がロック解除位置に保持されている状態においては、前記球流通規制装置85における可動規制部材87が傾斜規制状態に姿勢保持され、更には該可動規制部材87が送出樋4cの出口部に配設されていることに伴い、例えば球貯留排出経路部4内にパチンコ球が残留していたとしても、該パチンコ球が送出樋4cから流出することは全くない。
このように、本実施例の賞球流通規制装置85では、施錠部材70の施錠・解錠操作に可動規制部材87が連動するので、賞球払出装置Fの取付け,取外しと賞球の流通規制,規制解除とをワンタッチ操作で行なうことができ、球貯留排出経路部や賞球払出装置Fおよび切換えユニット装置Gの点検,交換作業が極めて簡単となる。また、可動規制部材87が賞球払出装置Fの球通路28に連通する送出樋4cの出口部に設けられるので、該賞球払出装置Fをケース体26ごと機構セット盤Cから取外した際には、機外へ流出する賞球が全くない。このため、補給装置による投入個数と、入賞に対する正規の払出し個数と、残存個数との関係に大幅な誤差を生ずることがなくなり、遊技店の営業・稼動においては、各遊技機に対する賞球状況や球稼動状態を正確に管理し得る。
なお本実施例では、前記施錠部材70が支点ボス72に枢支させた回動操作形態、また可動規制部材87が支点ピン86に枢支された揺動変位形態として、施錠部材70の回動変位に連動して可動規制部材87を傾動規制状態と規制解除状態とに姿勢変位させる動作形態につき例示したが、本発明に係る賞球流通規制装置では、施錠部材70と可動規制部材87の動作形態はこれに限定されるものではない。すなわち施錠部材70においては、賞球払出装置Fの係合片部68に向けて前進・後退する直線移動(直動)形態とし得ると共に、また可動規制部材87においても、送出樋4cに向けて前進・後退する直線移動(直動)形態とすることが可能である。これにより、施錠部材70と可動規制部材87とを適宜連繋して連動させる前提において、前記実施例に示した(1)回動形態の施錠部材70と揺動形態の可動規制部材87の組合わせの他に、(2)回動形態の施錠部材70と直動形態の可動規制部材87の組合わせ、(3)直動形態の施錠部材70と揺動形態の可動規制部材87の組合わせ、(4)直動形態の施錠部材70と直動形態の可動規制部材87との組合わせ等が実施可能である。
(変更例)
図17は、前記球流路の切換えユニット装置の変更例を示す分解斜視図であり、また図18は、球切換え排出部における切換え弁の動作態様を示す縦断側面図である。この変更例に係る切換えユニット装置Gでは、前記実施例で示した切換えユニット装置Gに対し、ケース体26におけるカバー26Bの前面に形成した設置部93に、出没式のスイッチボタン91を該ケース体26内に指向させた保全スイッチ90が装備され、また前記切換え弁49の側方には、該スイッチボタン91を押圧する押圧片92が一体的に形成されている。この保全スイッチ90は、スイッチボタン91の非押圧状態ではOFF状態に保持され、切換え弁49が傾斜戻し位置へ回動変位して押圧片92がスイッチボタン91を押圧している間だけON状態とされる「a接点」タイプのもので、第2の電子制御装置22に接続されている(図16参照)。そして、前記球抜き用のスイッチ14が操作された条件において前記保全スイッチ90がOFF状態となると、切換え弁49の非検出条件が第2の電子制御装置22に入力され、球払出し部30が払出し解放不能状態に制御されて払出し用の電磁ソレノイド34が停止制御される。すなわち、切換え弁49が傾斜戻し位置に位置していることを検出する保全スイッチ90を装備することにより、例えばパチンコ機の前側から挿入させた針金等の不正物を利用した貯留球の不正抜取りを好適に阻止し得る。なお、カバー26Bの側面に円弧状の細長通孔94を形成してあり、切換え弁49の側面に形成した操作孔95に該通孔94を介して差込んだ操作杆を係止させて、該切換え弁49を手動で回動操作可能となっている。
このように構成した切換えユニット装置Gでは、前枠Bから挿入した操作杆により前記球抜き用のスイッチ14を操作すると、球切換え排出部47における切換え用の電磁ソレノイド48が励磁して、回動軸54の回動変位により切換え弁49が傾斜戻し位置に切換え保持される。このとき、切換え弁49の押圧片92が保全スイッチ90のスイッチボタン91を押圧することにより、該保全スイッチ90がON状態となり、切換え弁49の検出条件が第2の電子制御装置22に入力されると共に、払出し用の電磁ソレノイド34が作動制御されて貯留球が払出される。
そして、貯留球の球抜出し状態において、前記不正物を供給口6および第1賞球路5を介して球払出し路43側へ侵入させると、該不正物の先端が切換え弁49に当接して該切換え弁49が起立払出し位置側へ回動し、押圧片92によるスイッチボタン91の押圧が解除される。すなわち、前記保全スイッチ90がOFF状態となって切換え弁49の非検出条件が第2の電子制御装置22に入力されるから、前記払出し用の電磁ソレノイド34が消磁されて貯留球の払出しが中止される。従って、不正物により前記切換え弁49を強制的に起立払出し位置まで回動変位させ得たとしても、前記払出し用の電磁ソレノイド34が消磁されるから、以後の貯留球の払出しが規制されて球払出し路43の上流部にあった1,2個の球しか抜き取ることができない。
また図19は、球切換え排出部47における球払出し路43と球戻し路44を、逆Y字状に形成した変更例を例示したもので、電磁ソレノイド48の回動軸54に配設した切換え弁49が、左右に傾動変位可能に配設されている。そして、貸し球の払出しおよび賞球の払出しに際しては、切換え弁49を右方へ傾動させた球払出し位置に保持させ、パチンコ球を球払出し路43側へ通出案内する。また、貯留球の球抜きに際しては、前記電磁ソレノイド48の励磁による回動軸54の回動下に、切換え弁49を左方へ傾動させた球戻し位置に保持させ、貯留球を球戻し路44側へ通出案内する。
更に本実施例のパチンコ機では、前述したように、賞球払出装置Fおよび切換えユニット装置Gの取外しが極めて簡単かつ容易に行ない得るので、例えば当該パチンコ機を廃棄処理するに際し、部品毎の分解作業の迅速化および合理化を図り得る。
カードユニットを併設したパチンコ機の背面図である。 パチンコ機裏側の機構セット盤に配設した球処理部の背面図である。 セーフ球検出処理装置を作動変化状態で示す正面図である。 賞球払出装置および球流路の切換えユニット装置をケースの一部破断状態で示す正面図である。 賞球排出装置および球流路の切換えユニット装置を一部断面状態で示す縦断側面図である。 機構セット盤の凹室部,賞球払出装置,切換えユニット装置,施錠部材および球流通規制装置を示す分解斜視図である。 本実施例の施錠部材および球流通規制装置の分解斜視図である。 施錠部材および球流通規制装置の組付け状態を示す横断平面図である。 機構セット盤の凹室部に対する賞球払出装置と球流路の切換えユニット装置の取付け形態を示す正面図である。 ロック係止位置に回動変位した施錠部材に連動して球流通規制装置が規制解除状態に姿勢変位した状態を一部破断して示す作動説明図である。 ロック解除位置に回動変位した施錠部材に連動して球流通規制装置が流通規制状態に姿勢変位した状態を一部破断して示す作動説明図である。 図11における施錠部材の係合盤と可動規制部材の連繋ピンとの係合状態を拡大して示す説明図である。 本実施例の球流路の切換えユニット装置の分解斜視図である。 凹室部に取付けられた球流路の切換えユニット装置の横断平面図である。 切換え弁の起立払出し位置と傾斜戻し位置とで示す球流路の切換えユニット装置の縦断側面図である。 制御系統のブロック図である。 切換え弁の球戻し位置への変位を検出可能なスイッチを装備した球流路の切換えユニット装置を示す分解斜視図である。 図17に示す切換えユニット装置を、切換え弁の起立払出し位置と傾斜戻し位置とで示す縦断側面図である。 球払出し路および球戻し路の形態変更例を示す側面図である。
符号の説明
4 賞球貯留排出経路部(賞球貯留排出部)
4c 送出樋(球送出路)
5 第1の賞球路(賞球排出路)
7 第2の賞球路(賞球排出路)
25 凹室部
26 ケース体
28 球通路
30 球払出し部
68 係合片部(係止部)
70 施錠部材
72 支点ボス(支点)
73 摘み部
78 六角孔(係合孔)
75 係合盤(係合盤部)
75a カム縁
80 係合口
86 支点ピン(支点)
87 可動規制部材
88 連繋ピン
89 規制弁(規制弁部)
C 機構セット盤

Claims (1)

  1. 機裏側の機構セット盤(C)に装備された賞球貯留排出部(4)下流の球送出路(4c)と、同セット盤(C)下方に形成された賞球排出路(5,7)との間の凹室部(25)に、ケース体(26)内に形成された球通路(28)を連通し得る球払出し部(30)が着脱可能にセットされて、同球払出し部(30)から払出された賞球を賞球排出路(5,7)を介して遊技者側に排出し得るパチンコ遊技機において、
    前記機構セット盤(C)の球送出路(4c)と前記球払出し部(30)の球通路(28)との連通部の近傍に、前記機構セット盤(C)の外側所定位置の支点(72)に回動可能に支持した施錠部材(70)と、前記球送出路(4c)の出口部外の支点(86)に回動可能に支持した可動規制部材(87)とを夫々取着し
    前記施錠部材(70)は、指先操作用の摘み部(73)または工具操作用の係合孔(78)と、該摘み部(73)または係合孔(78)を操作することで前記ケース体(26)の係止部(68)を係脱可能に係止し得る係合盤部(75)と、この係合盤部(75)に形成された円弧状のカム縁(75a)と、係合盤部(75)に形成された係合口(80)と、係合盤部(75)の裏面端部に突設された突片(76)とを有し、
    前記可動規制部材(87)は、前記球送出路(4c)の出口部外の支点(86)に対する自由端部側に形成されて、球送出路(4c)に出没して同路(4c)内の球の拘束と解放をなし得る規制弁部(89)と、外向きに突出形成されて、前記施錠部材(70)のカム縁(75a)に当接して係合口(80)に係脱可能に係合し得る連繋ピン(88)とを有し、
    前記球払出し部(30)の組付けセット時において、前記施錠部材(70)の施錠操作により係合盤部(75)をケース体(26)の係止部(68)に係止保持することに連動して、前記係合盤部(75)の係合口(80)を前記可動規制部材(87)の連繋ピン(88)に係合させて、該可動規制部材(87)の規制弁部(89)を球送出路(4c)から退出状態に変位して球の通出を可能とすると共に、前記突片(76)が前記係止部(68)に凹設された係合溝(77)に整合突入して、前記施錠部材(70)をロック係止位置で保持し、
    前記球払出し部(30)の取脱時において、施錠部材(70)の解錠操作により係合盤部(75)をケース体(26)の係止部(68)から解放することに連動して、可動規制部材(87)の規制弁部(89)を球送出路(4c)内に突出して球の通出を不能にすると共に、前記施錠部材(70)が前記ロック係止位置と前記係合盤部(75)が凹室部(25)から退避したロック解除位置との間を回動するに際して、前記突片(76)の先端が移動する軌跡に対応した位置に設けられた円弧状の突部(79)に当接し、
    前記ロック解除位置において、前記突片(76)の先端と前記突部(79)との当接が解除されると共に、該突部(79)の端部に該突片(76)の側面が係着して、前記施錠部材(70)をロック解除位置で保持するよう構成した
    ことを特徴とするパチンコ遊技機における賞球流通規制装置。
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