このようなプラズマ処理装置においては、半導体等の電子デバイスの微細化に対応するために、電子密度が高くかつ電子温度の低い、高密度低電子温度プラズマを用いることが注目されている。
Cl2やSF6等のように負性の強いガス、言い換えれば、負イオン生じやすいガスをプラズマ化したとき、電子温度が3eV程度以下になると、電子温度が高いときに比べてより多量の負イオンが生成される。この現象を利用すると、正イオンの入射過多によって微細パターンの底部に正電荷が蓄積されることによって起きる、ノッチと呼ばれるエッチング形状異常を防止することができ、極めて微細なパターンのエッチングを高精度に行うことができる。
また、シリコン酸化膜等の絶縁膜のエッチングを行う際に一般的に用いられるCxFyやCxHyFz(x、y、zは自然数)等の炭素及びフッ素を含むガスをプラズマ化したとき、電子温度が3eV程度以下になると、電子温度が高いときに比べてガスの解離が抑制され、特にF原子やFラジカル等の生成が抑えられる。F原子やFラジカル等はシリコンをエッチングする速度が早いという特性を有しているため、電子温度が低い方が対シリコンエッチング選択比の大きい絶縁膜エッチングが可能になる。
また、電子温度が3eV以下になると、イオン温度やプラズマ電位も低下するので、プラズマCVDにおける基板へのイオンダメージを低減することができる。
電子温度が低いプラズマを生成できる技術として現在注目されているのは、例えば、特許文献1に述べられているようなVHF帯またはUHF帯の高周波電力を用いるプラズマ源である。
ここで、このようなプラズマ源を用いた従来の板状アンテナ式プラズマ処理装置の一例であるプラズマ処理装置500の模式的な構成を示す模式断面図を図8に示す。図8に示すプラズマ処理装置500においては、処理室である真空容器501内にガス供給装置502から所定のガス(反応ガス)を導入しつつ排気装置としての排気ポンプ503により排気を行い、真空容器501内を所定の圧力に保ちながら、アンテナ用高周波電源505により100MHzの高周波電力をアンテナ504に供給すると、真空容器501内のプラズマ発生領域にプラズマが発生し、基板保持台である基板電極506上に載置された基板11に対してエッチング、堆積、表面改質等のプラズマ処理を行うことができる。
このプラズマ処理の際に、図8に示すように、基板電極506にも基板電極用高周波電源507により高周波電力を供給することで、基板11に到達するイオンエネルギーを制御することができる。
また、アンテナ504とアンテナ504の周辺部に設けられた導体リング508との間の溝状の空間からなるプラズマトラップ509が設けられており、アンテナ504から放射された電磁波がプラズマトラップ509で強められる。これは、低電子温度プラズマではホローカソード放電が起きやすい傾向があるため、固体表面で囲まれたプラズマトラップ509においては、高密度のプラズマが発生しやすくなるからである。従って、真空容器501内においては、プラズマ密度がプラズマトラップ509で最も高くなり、拡散によって基板11の近傍に発生されたプラズマが供給される。
しかしながら、このホロカソード放電は、プラズマトラップ509の他に、真空容器501の内壁に形成された固体表面で囲まれたゲート空間510においても発生するため、プラズマが不均一になるという問題があり、これを回避するために、ゲート空間510をプラズマから遮るシャッター530を設け、基板11の上面近傍のプラズマを均一化している。なお、このゲート空間510は、真空容器501の外部に設けられた移載室520と真空容器501内の基板電極506との間で、基板11の搬出入を行なうための開口部であり、真空容器501の内壁に設けられた凹部でもある。
このシャッター530は、駆動伝達体531により昇降可能に支持されており、プラズマ処理中は、ゲート空間510を上記プラズマ発生領域から遮蔽するように覆っている。一方、プラズマ処理後(プラズマ処理が行われていない場合)においては、図9に示すように、シャッター530は駆動装置532により下降されて、上記遮蔽の解除を行ない、ゲート空間510と基板電極506とを結ぶ経路を確保する。これにより基板電極506と移載室520との間で基板11の搬出入を行うことができる。
また、このような駆動装置により上下に移動するシャッターを持つプラズマ処理装置としては、例えば、特許文献2に述べられているようなものがある。
特開2001−53060号公報
特開平10−199957号公報
特開昭59−43880号公報
しかしながら、図8及び図9に示した従来のプラズマ処理装置500では、シャッター530の駆動伝達体531がプラズマ発生領域内に露出しているため、プラズマ処理による反応性生物が駆動伝達体531に付着し、シャッター530の動作に伴って当該付着物の剥離が誘発されて、多量のパーティクルが発生するという問題がある。このような場合にあっては、高精度なプラズマ処理を行なうことができない場合がある。例えば、プラズマ処理装置500においては、基板に対するプラズマ処理を重ねていくうちに、プラズマ処理による反応生成物が、真空容器501の内壁やシャッター530や駆動伝達体531に付着し、当該付着物の剥離によりパーティクルが発生し、500枚以上の基板の連続した処理を行なうことができないという問題がある。
また、駆動伝達体531は、真空容器501の底部を貫通して備えられているため、底部の略全体に基板電極506が配置されるような場合にあっては、当該底部に駆動伝達体531を設置する場所がなく、このような駆動伝達体を設けることができないという問題もある(例えば、特許文献3参照)。また、このような底部のスペースは、排気ポンプによる真空容器内の排気のための排気孔を設ける場所として利用されることも多く、上記駆動伝達体の設置がさらに困難なものとなる場合がある。このような問題は、特に、小型化あるいは省スペース化されたプラズマ処理装置において顕著な問題となる。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、処理室の内壁に存在する凹部をプラズマ発生領域から遮蔽して、発生されるプラズマの均一化を図りながら、プラズマ処理を繰り返して行なっても、パーティクルが発生しにくく、高精度なプラズマ処理を連続して行なうことができるプラズマ処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、基板に対するプラズマ処理が行なわれる処理室と、上記処理室の内部に配置され、上記基板を保持する基板保持台とを備え、上記処理室内を排気して所定の圧力に保ちながら、当該処理室内に反応ガスを導入してプラズマを発生させて、上記基板保持台に保持された上記基板に対するプラズマ処理を行なうプラズマ処理装置において、
上記処理室の内壁に存在する凹部を、上記プラズマ処理の際に上記処理室内部のプラズマ発生領域から遮蔽するシャッター部と、
上記凹部と上記プラズマ発生領域との間の位置であり、上記凹部の遮蔽が可能な遮蔽位置と、上記処理室の内壁に沿って上記遮蔽位置より離間された位置であって、上記凹部の遮蔽を解除可能な遮蔽解除位置との間にて、上記シャッター部を移動させる駆動装置とを備え、
上記駆動装置における上記処理室内への露出部分であり、上記シャッター部へ駆動を伝達する駆動伝達部が、上記プラズマ処理の際に、上記プラズマ処理にて生成される反応生成物の当該駆動伝達部への付着を抑制するように、上記シャッター部により上記プラズマ発生領域から遮蔽されることを特徴とするプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第2態様によれば、上記シャッター部は、上記遮蔽位置に位置された状態において、上記凹部のうちの5cm3未満の容積を有する小容積部を開放しながら、5cm3以上の容積を有する大容積部を遮蔽する第1態様に記載のプラズマ処理装置を提供する。
また、上記大容積部は、上記プラズマ処理の際に、ホロカソード放電を発生させて、上記プラズマ発生領域における上記プラズマの均一性に影響を及ぼすような容積を有する上記凹部であって、上記小容積部は、上記ホロカソード放電自体を発生させないか、あるいは、上記プラズマの均一性に影響を及ぼさない程度の上記ホロカソード放電しか発生しないような上記凹部である。
また、上記駆動装置による上記シャッター部の移動を制御する制御装置をさらに備え、上記制御装置は、上記駆動装置を制御して、上記プラズマ処理の際に、上記小容積部の開放させて、かつ、上記大容積部を遮蔽するように、上記シャッター部を移動させて、当該シャッター部を上記遮蔽位置に位置させることもできる。
本発明の第3態様によれば、上記大容積部は、上記処理室内部と外部との間の上記基板の移送のための基板移送開口部であり、上記小容積部は、上記プラズマ発生領域にて発生する上記プラズマを上記処理室外部から目視するための監視窓部、又はプラズマ処理状態を検出するためのセンサー設置用孔部である第2態様に記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第4態様によれば、上記処理室は、上記凹部を有する略円筒形状の内壁を有し、
上記シャッター部は、上記処理室の内壁に沿った略円筒形状又は部分的な略円筒形状を有する第1態様から第3態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第5態様によれば、上記駆動装置における上記駆動伝達部は、上記シャッター部と上記処理室の内壁との間に上記シャッター部と常時接触されて配置され、
上記駆動装置は、上記駆動伝達部を介して駆動力を上記シャッター部に伝達することで、上記処理室の略円筒形状の内壁の周方向に沿って、上記遮蔽位置と上記遮蔽解除位置との間で上記シャッター部を回転移動させる第4態様に記載のプラズマ処理装置を提供する。
また、上記駆動伝達体は、上記シャッター部により上記プラズマ発生領域から常時遮蔽されて配置されているような場合であってもよい。
本発明の第6態様によれば、上記処理室内部に固定されて、上記凹部を覆うことなく、上記遮蔽位置に位置された状態の上記シャッター部の一部を覆い、上記遮蔽位置に位置された状態における上記シャッター部の上記一部を上記プラズマ発生領域から遮蔽して、上記反応生成物の当該シャッター部の上記一部への付着を抑制するシャッター保護部をさらに備える第4態様又は第5態様に記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第7態様によれば、上記シャッター保護部は、上記略円筒形状を有する上記処理室の内壁に沿った略円筒形状又は部分的な略円筒形状を有し、
上記シャッター保護部と上記処理室の内壁との間の間隙において、上記駆動装置により上記シャッター部が移動される第6態様に記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第8態様によれば、上記シャッター部は接地されている第1態様から第7態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第9態様によれば、上記駆動伝達部は導電性材料により形成され、
上記シャッター部の接地は、上記駆動伝達部の上記シャッター部への接触により行なわれる第8態様に記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第10態様によれば、上記シャッター部を上記移動可能に支持する支持部材をさらに備え、
上記支持部材は、上記プラズマ処理の際に、上記シャッター部により上記プラズマ発生領域から遮蔽される第1態様から第9態様のいずれか1つの記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第11態様によれば、上記処理室内の上記基板保持台に保持された上記基板に対向して配置されたアンテナをさらに備え、上記アンテナに高周波電力を印加することで上記プラズマ発生領域に上記プラズマを発生させる第1態様から第10態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第12態様によれば、上記アンテナに印加される高周波電力は、周波数50MHz〜3GHzのVHF帯若しくはUHF帯の高周波である第11態様に記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の上記第1態様によれば、処理室の内壁に存在する凹部をプラズマ発生領域から遮蔽するシャッター部が備えられていることにより、プラズマ処理の際に、上記凹部を遮蔽して、上記凹部にてホロカソード放電が発生することを防止し、均一なプラズマの発生を行なうことができ、高精度かつ安定したプラズマ処理を行なうことができる。
また、上記シャッター部を遮蔽位置と遮蔽解除位置との間で移動させる駆動装置における上記処理室内への露出部分である駆動伝達部が、上記プラズマ処理の際に、上記シャッター部により上記プラズマ発生領域から遮蔽されることで、上記駆動伝達部への反応生成物の付着を抑制することができる。これにより、上記シャッター部が上記駆動伝達部により駆動されて移動されるような場合であっても、上記駆動伝達部からパーティクルが発生することを抑制することができる。従って、パーティクルの発生量を低減させた高精度なプラズマ処理を実現することができる。また、繰り返しプラズマ処理を行なうような場合であっても、安定したプラズマ処理を行なうことができる。
本発明の上記第2態様によれば、上記シャッター部が、プラズマの均一性に影響を与える程のホロカソード放電を発生される恐れがある大容積部を遮蔽しながら、プラズマの均一性に影響を与える恐れが少ない小容積部を遮蔽することなく、開放させることで、プラズマの均一性に必要な部分のみを確実に遮蔽して、均一化されたプラズマを安定して発生させることができる。
本発明の上記第3態様によれば、上記大容積部が基板移送開口部であり、上記小容積部が監視窓部やセンサー設置用孔部であることにより、上記第2態様による効果を得ることができる。
本発明のその他の態様によれば、上記処理室が略円筒形状の内壁を有し、上記シャッター部が上記内壁に沿った略円筒形状又は部分的な略円筒形状を有していることにより、上記シャッター部の移動を、上記処理室の内壁に沿った上記シャッター部の回転移動というように、簡単な構成とすることができる。
また、上記駆動装置における上記駆動伝達部が、上記シャッター部と上記処理室の内壁との間に上記シャッター部と常時接触、例えば、上記シャッター部の外周部と常時接触されて配置され、上記駆動装置が、上記駆動伝達部を介して駆動力を上記シャッター部に伝達することで、上記処理室の略円筒形状の内壁の周方向に沿って、上記遮蔽位置と上記遮蔽解除位置との間で上記シャッター部を回転移動させることにより、上記プラズマ処理の際に、上記処理室内への露出部分である上記駆動伝達部を、上記シャッター部で上記プラズマ発生領域から確実に遮蔽することでき、上記駆動伝達部への反応生成物の付着を抑制することが、具体的に可能となる。
また、上記処理室の内部に、上記シャッター部の表面の一部を覆い、かつ、上記遮蔽位置に位置された状態における上記シャッター部の上記一部を上記プラズマ発生領域から遮蔽して、上記反応生成物の付着を抑制するシャッター保護部がさらに備えられていることにより、回転移動により上記シャッター部の表面より剥離してパーティクルを発生される要因となる上記シャッター表面への上記反応生成物の付着量を低減させることができる。また、このような上記シャッター保護部は上記処理室内部に固定されているため、上記シャッター保護部の表面に上記反応生成物が付着されても、上記付着された反応生成物の剥離が誘発される可能性を低くすることができる。さらに、上記シャッター保護部は、上記凹部を覆うことがないように固定されているため、上記凹部の機能を阻害することはない。
また、上記シャッター部を移動可能に支持する支持部材が、上記プラズマ処理の際に、上記シャッター部により上記プラズマ発生領域から遮蔽されていることにより、上記支持部材への上記反応生成物の付着を抑制することができ、上記シャッター部が移動される場合でも、上記支持部材からパーティクルが発生することを防止することができる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかるプラズマ処理装置の一例であるプラズマ処理装置100の模式的な構成を示す模式断面図を図1に示す。図1に示すプラズマ処理装置100は、処理室の一例である真空容器101と、真空容器101内に反応ガスの供給を行なうガス供給装置102と、真空容器101内を真空排気する排気装置の一例である排気ポンプ103と、真空容器101内における底部に配置され、基板11を解除可能に保持する基板保持台の一例である基板電極106と、真空容器101の蓋部の一部を構成するとともに、高周波電力が印加されるアンテナ104と、上記蓋部の一部を構成するとともに、アンテナ104の周囲に配置された環状の導体リング108とを備えている。また、アンテナ104には、真空容器101の外部に配置されたアンテナ用高周波電源105に接続されており、アンテナ104に高周波電力を印加することが可能となっている。さらに、基板電極106は、真空容器101の外部に配置された基板電極用高周波電源107に接続されており、基板電極106に高周波電力を印加することが可能となっている。なお、109はプラズマトラップであり、アンテナ104から放射される電磁波を強める機能を有している。
このような構成のプラズマ処理装置100において、密閉された状態の真空容器101内を排気ポンプ103により排気しながら、真空容器101内にガス供給装置102から所定の反応ガスを導入して、真空容器101内を所定の圧力に制御し、この状態を保持しながらアンテナ用高周波電源105により100MHzの高周波電力をアンテナ104に印加すると、真空容器101内の領域(あるいは空間)であるプラズマ発生領域Rにプラズマが発生し、基板電極106上に載置された基板11に対して、エッチング、堆積、表面改質等のプラズマ処理を行うことができる。このとき、図1に示すように、基板電極106にも基板電極用高周波電源107により高周波電力を供給することで、基板11に到達するイオンエネルギーを制御することができる。なお、図1に示すプラズマ発生領域Rの形状及び範囲は一例であって、真空容器101の内部空間の形状、アンテナ104及び基板電極106の形状や配置、又は、プラズマ処理の際の諸条件により、様々な形状や範囲を取り得る。
また、真空容器101は、略円筒形状を有する内壁101aを有しており、この真空容器101の内壁101aには、凹部の一例でありかつ基板移送開口部の一例であるゲート部110という溝状若しくは矩形の凹状の空間が設けられている。このゲート部110は、真空容器101の外部に隣接して備えられたプラズマ処理予備室の一例である基板11の移載室120と、真空容器101の内部の基板電極106との間で、基板11の搬入又は搬出を行なうための通路空間であり、真空容器101の内壁101aを基板11が(あるいは、基板11及び基板11を搬送するための部材が)通過可能な大きさに当該内壁101aを貫通するように形成されている。なお、このゲート部110は、ゲート蓋部110aにより遮断可能とされている。
また、真空容器101の内壁101aに設けられたゲート部110を、上記プラズマ処理の際にプラズマ発生領域Rから遮蔽するシャッター部(遮蔽部材)の一例であるシャッター130が、真空容器101の内部に備えられている。シャッター130は、上記略円筒形状を有する真空容器101の内壁101aに沿うように、略円筒形状に形成されており、真空容器101の図示鉛直中心をその回転中心として、内壁101a沿いに上記円筒形状の周方向に沿って回転移動可能に備えられている。
また、図1に示すように、シャッター130は、真空容器101の内壁101aの図示上部近傍において、支持部材の一例である軸受け部131により上記回転移動可能に支持されている。なお、このような軸受け部131としては、例えば、真空用薄型ベアリングを用いることができる。また、このような軸受け部131を介して内壁101aに支持された状態のシャッター130の回転移動を行なう駆動装置の一例である回転駆動装置132が真空容器101の外部に設置されており、この回転駆動装置132は、回転駆動力をシャッター130に伝達する駆動伝達部の一例である駆動伝達体132aを備えている。駆動伝達体132a及び軸受け部131は、真空容器101の内部空間にその一部が露出されるように内壁101aに備えられているが、シャッター130が配置されていることにより、プラズマ発生領域Rからは遮断されている。
ここでシャッター130の模式拡大図を図2に示す。図2に示すように、シャッター130は、その略円筒形状の面における幅寸法(高さ寸法)が、その他の部分よりも長く形成された遮蔽部130aを備えている(図2における左側の部分)。図1に示すように、シャッター130が回転移動されて、この遮蔽部130aがゲート部110の正面に配置されることで、ゲート部110をプラズマ発生領域Rから遮蔽することが可能となっている。一方、シャッター130を回転移動させて、図3に示すように遮蔽部130aがゲート部110の正面位置から離間するように位置されることで、ゲート部110の上記遮蔽を解除することが可能となっている。すなわち、図1及び図2に示すように、シャッター130の下端位置は、基本的にはゲート部110を遮蔽しないように形成されており、遮蔽部130aが形成されている部分のみがゲート部110を遮蔽可能なように形成されている。また、遮蔽部130aは、ゲート部110を覆うのに十分な面積を有するように形成されている。
なお、図1に示すように、遮蔽部130aによりゲート部110が遮蔽される位置が、遮蔽位置Aとなっており、また、図3に示すように、遮蔽部130aによるゲート部110の遮蔽が解除される位置が遮蔽解除位置Bとなっている。回転駆動装置132は、この遮蔽位置Aと遮蔽解除位置Bとの間で、シャッター130を正方向又は逆方向に、例えば所定の角度だけ回転移動させることができる。
また、発生されるプラズマがシャッター130に与える電気的な影響を抑えるため、シャッター130の回転を保持する駆動伝達体132aは完全な導通体で形成されており、シャッター130と接触されることで、シャッター130の接地が行ない、当該接地状態が常時保たれている。
また、真空容器101の内壁101aには、プラズマ処理中も、プラズマ発生状態の目視及び発光強度の監視又は検出を行うための穴(あるいは窓)である監視窓部140が形成されている。プラズマ処理の際に、遮蔽位置Aに位置された状態のシャッター130により、この監視窓部140が塞がれることがないように(すなわち開放されるように)、図1に示すように、シャッター130には、監視窓部140と合致するように孔部141が形成されている。なお、プラズマの発光強度を監視するためのセンサー用の孔等が設けられているような場合にも、このようなセンサー用の孔部を開放させるような孔部を、シャッター130に設けることができる。
また、監視窓部140やセンサー用の孔部も、ゲート部110と同様に真空容器101の内壁101aに形成された凹部の一例であるが、その容積が大きく異なる。ゲート部110は、基板11の搬入出のために比較的大きさ容積、例えば、5cm3以上の容積を有しており、大容積部の一例となっているのに対して、監視窓部140やセンサー用の孔部は、基板11等の物体を通過させる必要が無いため、比較的小さな容積、例えば、5cm3未満の容積を有しており、小容積部の一例となっている。なお、この「容積」とは、真空容器101の内壁101aの表面(開口されている部分における仮想的な表面)と、夫々の凹部の内側表面とで囲まれた容積(体積)のことである。
なお、プラズマ処理装置100において、シャッター130は、例えば、アルミニウムやステンレス等(例えば、SUS316)の金属材料が用いられて、厚さ2mm程度にて形成される。さらに、シャッター130へ付着した反応生成物の剥離防止のため、シャッター130の内側表面に表面処理が施されることが好ましい。例えば、シャッター130がアルミニウムで形成されている場合には、硬質アルマイトの表面処理を行なうことが望ましく、また、シャッター130がステンレス材料で形成されている場合には、ブラスト表面処理を行なうことが望ましい。また、シャッター130の裏面への反応生成物の侵入を抑制するため、シャッター130の端部における真空容器101の内壁101aとの間の隙間寸法を0.5mm以下程度、シャッター130の端部と天板、すなわち導体リング108との間の隙間寸法を0.5mm以下程度の寸法とすることが望ましい。
また、図1に示すように、プラズマ処理装置100においては、回転駆動装置132による駆動伝達体132aを介したシャッター130の回転移動動作、ガス供給装置102による反応ガスの供給動作、排気ポンプ103による真空容器101内の真空排気動作(あるいは、真空容器101内の排気による圧力調整動作、及び、アンテナ用高周波電源105及び基板電極用高周波電源107による高周波電力の付加動作の夫々の動作の制御を互いに関連付けながら統括的な制御を行なう制御装置9が備えられている。このような制御装置9が備えられていることにより、プラズマ処理装置100において、制御装置9により回転駆動装置132が制御されて、シャッター130が所定の角度だけ回転移動され、遮蔽位置Aに確実に位置された状態でプラズマ処理が行なわれ、また、シャッター130が所定の角度だけ回転移動されて遮蔽解除位置Bに位置された状態にて、ゲート部110が開放されて、基板11の搬入出を行なうことが可能となっている。また、このような制御装置9による回転駆動装置132の制御は、シャッター130が遮蔽位置Aに位置された状態で、シャッター130の孔部141が、監視窓部140の形成位置と合致するように行なわれる。なお、図3に示すプラズマ処理装置100の模式断面図においては、図の理解を容易なものとするため、制御装置9の表示を省略している。
このような構成のプラズマ処理装置100においては、移載室120からゲート部110を通して真空容器101内への基板11の搬入の際には、回転駆動装置132によりシャッター130を回転移動させて、遮蔽部130aを遮蔽解除位置Bに位置させることで、ゲート部110を開放された状態とし、この状態において(すなわち、図3の状態において)、基板11の搬入を行なうことができる。
その後、基板11が搬入されて基板電極106上に載置されて保持されると、回転駆動装置132により駆動伝達体132aを介してシャッター130を回転移動させて、遮蔽部130aを遮蔽位置Aに位置させる。これにより、ゲート部110とプラズマ発生領域Rとの間に遮蔽部130aが位置された状態とされ、ゲート部110が遮蔽された状態(すなわち、図1の状態)とされる。それとともに、ゲート蓋部110aが閉止されて、真空容器101が密閉された状態とされる。このような状態で、上述した手順でプラズマ処理が行なわれるが、ゲート部110はプラズマ発生領域Rから遮蔽されているため、当該プラズマ処理により生成される反応生成物がゲート部110に付着することを防止することができる。また、内壁101aに形成された凹部であるゲート部110をこのようにシャッター130の遮蔽部130aで遮蔽することにより、固体表面で囲まれたゲート部110の内部空間にてホロカソード放電が発生することを防止することができる。
さらに、真空容器101内でシャッター130を支持する軸受け部131及び駆動伝達体132aと、プラズマ発生領域Rとの間に、シャッター130が位置されているため、軸受け部131及び駆動伝達体132aに、反応生成物が付着することを防止することができる。これにより、軸受け部131や駆動伝達体132aが駆動されるような場合であっても、反応生成物の付着量が抑制されているため、当該反応生成物の剥離によるパーティクルの発生を防止(あるいは抑制)することができる。なお、上述のプラズマ処理装置100における夫々の動作の制御は、制御装置9により互いに関連付けられながら統括的な制御として行なわれる。
このようなプラズマ処理装置100において、例えば、真空容器101内に反応ガスとして塩素ガスを、流量100sccm、圧力1Paにて供給し、アンテナ用高周波電源より、高周波電力としてVHFパワー1500Wをアンテナ104に印加し、基板電極用高周波電源より、100Wを基板電極106に印加して、基板11としてシリコン基板(シリコン基板の表面にポリシリコン薄膜が堆積形成された基板)におけるポリシリコン薄膜に対してエッチングを行なった。この結果、圧力1Pa、基板電極の温度が20℃で、基板11上49点でのポリシリコンエッチングレートのウエハ面内均一性は±4.3%であった。これは、従来のプラズマ処理装置の場合における均一性±8.2%に比べて約4ポイントもの向上が見られた上に、シリコン基板の連続処理を行った場合、2500枚を越えてもパーティクルの発生は認められなかった。
なお、上記説明においては、シャッター130の形状が、略円筒形状である場合について説明したが、このような場合にのみ限定されるものではない。このような場合に代えて、シャッター130が部分的な円筒形状を有しているような場合であってもよい。すなわち、シャッターは、遮蔽位置Aに位置された場合にゲート部110を遮蔽し、遮蔽解除位置Bに位置された場合にゲート部110の上記遮蔽を解除する機能を少なくとも有していればよい。
さらに、このような場合に代えて、図4に示すように、円筒上部が半球形状を有しているようなシャッター230が用いられるような場合であってもよい。このようなシャッター230においては、シャッター130と同様に、遮蔽位置Aに位置された際にゲート部110を遮蔽する遮蔽部230aが形成されている。また、円筒上部が半球形状を有しているため、プラズマ処理の際に軸受け部131や駆動伝達体132aをより確実に遮蔽することができ、反応生成物の付着抑制効果をさらに高めることができる。なお、このように円筒上部が半球形状を有しているような場合に代えて、図5に示すように、円筒下部が半球形状を有しているようなシャッター330が用いられるような場合であってもよい。シャッター330においては、遮蔽部330aが形成されている部分以外の円筒状の側面には、その上部に円筒部分が残るように開口部330bが形成されており、当該円筒部分が軸受け部131により支持されることで、シャッター330の支持が可能となっている。
また、上記においては、ゲート部110への反応生成物の堆積を防止するためにシャッター130が用いられるような場合について説明したが、本実施形態はこのような場合にのみ限定されるものではなく、その他様々な形状を有する真空容器が備える凹部への反応生成物の堆積防止に適用することもできる。
また、上記においては、プラズマ処理装置100において、アンテナ104にアンテナ用高周波電源105より100MHzの高周波電力を供給する場合について説明したが、供給される電力の周波数はこのような場合にのみ限定されるものではなく、例えば、50MHz〜3GHzの範囲の周波数が用いられるような場合であってもよい。
上記第1実施形態によれば、以下のような様々な効果を得ることができる。
まず、真空容器101の内壁101aに沿うような略円筒形状に形成されたシャッター130が真空容器101内に備えられ、このシャッター130の遮蔽部130aが、遮蔽位置Aに位置された場合にゲート部110をプラズマ発生領域Rから遮蔽可能であって、遮蔽解除位置Bに位置された場合にゲート部110を開放して、基板11の搬入出を可能であることにより、ゲート部110が有する基板11の搬入出の機能を阻害することなく、プラズマ処理の際に、ゲート部110への反応生成物の付着・堆積を防止することができる。従って、当該堆積された反応生成物の再飛散によるパーティクルの発生を防止することができ、高精度なプラズマ処理を行なうことができる。
また、内壁101aに形成された凹部であるゲート部110を、プラズマ処理の際に遮蔽することで、固体表面で囲まれたゲート部110の内部空間にホロカソード放電が発生することを防止することができる。これにより、プラズマ処理の際にプラズマ発生領域Rに発生されるプラズマを均一なものとすることができ、より高精度なプラズマ処理を安定して行なうことが可能となる。
また、真空容器101の内壁101aにおいて、ホロカソード放電の発生によりプラズマの均一化に大きく影響を与えるような大容量の凹部であるゲート部110をシャッター130により遮蔽し、上記プラズマの均一化への影響が比較的小さな小容量の凹部である監視窓部140を遮蔽しないことで、プラズマの均一化のために必要な部分の遮蔽のみを確実に行なうことができ、プラズマ均一化に寄与することができる。また、監視窓部140に合致するシャッター130の周面に孔部141を設けることで、監視窓部140の機能をシャッター130が阻害することを防止することができる。また、このようなことより、上記大容積部が、プラズマ処理の際に発生されるプラズマの均一性に影響を与える程度のホロカソード放電が発生されるような凹部であり、逆に、上記小容積部が、プラズマの均一性に影響を与えない程度のホロカソード放電を発生させる、あるいはホロカソード放電自体を発生させないような凹部であると言える。
また、シャッター130を真空容器101内において回転移動可能に支持する軸受け部131と上記回転移動を行なう駆動伝達体132aは、共に真空容器101内に露出されているもののシャッター130によりプラズマ発生領域Rから遮蔽された状態とされているため、軸受け部131及び駆動伝達体132aへの反応生成物の付着・堆積を防止することができる。従って、シャッター130の回転移動が行われて、軸受け部131及び駆動伝達体132aが稼動されるような場合であっても、上記反応生成物の付着・堆積が防止されていることにより、パーティクルの発生量を抑制することができる。特に、このような軸受け部131や駆動伝達体132aのようなシャッター130を支持あるいは駆動する部材への反応生成物の付着量は、基板に対するプラズマ処理の回数が増加するに従って増加し、これに伴って上記パーティクルの発生量も増加することより、繰り返してプラズマ処理を行なうことができないという従来の問題を解決し、連続したプラズマ処理を繰り返して行なうことを可能とし、高精度かつ効率的なプラズマ処理を行なうことができるプラズマ処理装置を提供することができる。
また、シャッター130の支持駆動機構が、真空容器101の底部に設けられているのではなく、側面の内壁101aに軸受け部131及び駆動伝達体132aとして備えられていることにより、真空容器101の容積の小型化(コンパクト化)及び製作コストの低減を図ることができる。また、このような小型化を図らないような場合であっても、基板電極106の周囲における底部に排気ポンプ103による排気孔を配置する等、真空容器101内の配置を有効に活用することができる。
(第2実施形態)
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、本発明の第2の実施形態にかかるプラズマ処理装置400の模式的な構成を示す模式断面図を図6に示す。図6に示すように、プラズマ処理装置400は、上記第1実施形態のプラズマ処理装置100と比べて、真空容器101内に備えられたシャッター130のさらに内側に、シャッター130の内側表面の一部を、プラズマ発生領域Rから遮蔽するシャッター保護部440を備えている点において、異なる構成を有しているが、その他の構成については、プラズマ処理装置100と同様な構成となっている。以下、この構成の異なる部分についてのみ説明するものとする。なお、以下の説明においては、その理解を容易なものとするため、図6のプラズマ処理装置400において、図1に示すプラズマ処理装置100と同じ構成の部材には、同じ参照番号を付している。また、図6は、プラズマ処理装置400におけるシャッター130の遮断部130aが、遮断位置Aに位置されて、プラズマ処理が行われている状態を示しており、シャッター130の遮断部130aが遮断解除位置Bに位置された状態のプラズマ処理装置400を図7に示す。
図6に示すプラズマ処理装置400において、真空容器101の内壁101aの内側にはシャッター130が備えられており、シャッター130のさらに内側には、当該シャッター130の内側周面に沿うような略円筒形状を有するシャッター保護部440が備えられている。シャッター130は、シャッター保護部440と真空容器101の内壁101aとの間の間隙において、回転駆動装置132により駆動されて、その回転移動を行なうことが可能となっている。このようにシャッター保護部440が配置されることにより、プラズマ発生領域Rに面するように配置されていたシャッター130の内側表面の一部を覆うことができ、プラズマ発生領域Rから遮蔽することが可能となっている。なお、シャッター130は回転移動可能に真空容器101内に支持されているのに対して、シャッター保護部440は、真空容器101内にて移動されることなく固定されている。また、シャッター130とシャッター保護部440との間の隙間寸法は、当該隙間への反応生成物の侵入を抑制するため、0.5mm以下程度の寸法とされていることが望ましい。
また、図6に示すように、シャッター保護部440におけるゲート部110に対応する部分には、ゲート部110における基板11の搬入出を妨げることが無いように、開口部440aが設けられている。また、同様に、シャッター保護部440における監視窓部140に対応する部分には、監視窓部140における監視機能を妨げることが無いように、開口部440bが設けられている。また、夫々の開口部440a及び440bの形成部分においては、シャッター保護部440は、シャッター130の表面を覆うことができないが、これらの開口部440a及び440bは、必要最小限度の大きさとなるように形成されているため、シャッター保護部440によるシャッター130の保護機能が大幅に低減することはない。
このような構成のプラズマ処理装置400においては、移載室120からゲート部110を通して真空容器101内への基板11の搬入の際には、回転駆動装置132によりシャッター130を回転移動させて、遮蔽部130aを遮蔽解除位置Bに位置させることで、図7に示すように、シャッター保護部440の開口部440aを通してゲート部110を開放された状態とし、この状態において、基板11の搬入を行なうことができる。
その後、基板11が搬入されて基板電極106上に載置されて保持されると、回転駆動装置132により駆動伝達体132aを介してシャッター130を、シャッター保護部440と真空容器101の内壁101aとの間の間隙にて回転移動させて、図6に示すように遮蔽部130aを遮蔽位置Aに位置させる。これにより、ゲート部110とプラズマ発生領域Rとの間に遮蔽部130aが位置された状態とされ、ゲート部110が遮蔽された状態とされる。それとともに、ゲート蓋部110aが閉止されて、真空容器101が密閉された状態とされる。このような状態で、上述した手順でプラズマ処理が行なわれるが、ゲート部110はプラズマ発生領域Rから遮蔽されているため、当該プラズマ処理により生成される反応生成物がゲート部110に付着することを防止することができる。また、内壁101aに形成された凹部であるゲート部110をこのようにシャッター130の遮蔽部130aで遮蔽することにより、固体表面で囲まれたゲート部110の内部空間にてホロカソード放電が発生することを防止することができる。
さらに、プラズマ処理の際には、シャッター130の内側表面の大半を、シャッター保護部440で覆っているため、シャッター130の表面への反応生成物の付着量を、著しく低減させることができる。このようにシャッター130の表面への反応生成物の付着量を低減させることで、真空容器101の内部で回転移動されるシャッター130の表面より、当該回転移動の際にシャッター130の表面から剥離して発生するパーティクルの量を著しく低減させることができる。また、反応生成物はシャッター保護部440に付着堆積されることとなるが、シャッター保護部440は、真空容器101内にて移動されることなく、固定されているため、堆積された反応生成物を再飛散させる可能性は低い。従って、基板11に繰り返しプラズマ処理を行なうような場合であっても、均一なプラズマを発生しながら高精度なプラズマ処理をより安定して行なうことができる。
なお、上記においては、シャッター保護部440により、シャッター130の一部を覆うような場合について説明したが、このような場合に代えて、シャッター130の内側表面の略全面を覆うような場合であってもよい。ただし、このような場合であっても、夫々の開口部440a及び440bは必要である。また、シャッター保護部440の形状は、略円筒形状の場合のみに限られることなく、部分的な円筒形状等を有するような場合であってもよい。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。