JP4287159B2 - 真偽判定体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は真偽判定体に関する。詳しくは、基材上に一様な微小三角柱状プリズム構造体を有する真偽判定体であるが、認証媒体に使用した場合に、目視方向によってプリズム構造体界面で、全反射が生じる場合と生じない場合とが起こり得る。従って、真偽判定体の下面に絵柄等を有する場合には、ある方向からは全反射して絵柄が見えず、ある方向からは見える、という現象が生じる。
本発明はこの現象を利用する真偽判定体に関する。
このような真偽判定体は、証券、株券、商品券、ギフト券などの金券類、クレジットカード、プリペイドカード、パスポート、IDカードなどの各種カード、ビデオソフト、パソコン用ソフトなどに使用する真偽判定用シールなどの、偽造防止、真贋証明用途、等に使用される。
【0002】
【従来技術】
従来から、証券、株券、商品券、ギフト券などの金券類、クレジットカード、プリペイドカード、パスポート、IDカードなどの各種カード、ビデオソフト、パソコン用ソフトなどの認証シールなど、偽造防止・真偽判定機能の付与が求められる分野において、ホログラムは優れた意匠性、およびカラー複写機においても複製できない偽造・変造の困難性から数多く利用されてきた。
しかし、近年、ホログラムにも巧妙な偽造品が出現し、一見しただけでは真偽の判別ができない場合があり、目視で容易に判別できる真偽判定体が求められてきている。
【0003】
そこで、ホログラムを使用しない真偽判定体として光学的特性を有する媒体が考えられる。特許文献1は、光学的セキュリティ物品であるが構成が複雑であり、製造品はコスト高なものになると考えられる。
また、特許文献2は、光拡散シートの製造技術に関し真偽判定体に関わる技術ではないが、本発明の真偽判定体の製造に参照できる技術を記載している。
【0004】
【特許文献1】
特表平10−508549号公報
【特許文献2】
特開平5−169015号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明では、光学的機能を有する簡易な構成の真偽判定体を完成すべく、研究し本発明の完成に至ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第1は、透明な基材上に、高さhが1μmから200μmになるように透明な樹脂材料から形成された略直線状であって一様な微小三角柱状プリズムが一定ピッチで並列してなる連接体が、認証用絵柄が形成された認証媒体に固定されている真偽判定体において、微小三角柱状プリズムの頂角部の稜線が認証媒体面に、上記ピッチ範囲内で近接または接触し、稜線以外の稜線を挟む二面が認証媒体との間に微少三角柱状空間を形成するようにされていることを特徴とする真偽判定体、にある。
【0007】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第2は、透明な基材上に、高さhが1μmから200μmになるように透明な樹脂材料から形成された略直線状であって一様な微小三角柱状プリズムが一定ピッチで並列してなる連接体が、認証用絵柄が形成された認証媒体に固定されている真偽判定体において、微小三角柱状プリズムの頂角部の稜線と稜線を挟む二面が薄層の空隙を介して、実質的に同一断面形状であって同一寸法を有する認証媒体に、微小三角柱状プリズムの稜線が認証媒体の谷部に嵌め込まれて近接するようにされていることを特徴とする真偽判定体、にある。
【0008】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第3は、透明な基材上に、高さhが1μmから200μmになるように透明な樹脂材料から形成された略直線状であって一様な微小三角柱状プリズムが一定ピッチで並列しており、当該プリズム面にプリズム樹脂材料よりも屈折率が高い材質からなる厚み50nm〜1000nmの被膜を形成してなる連接体が、認証用絵柄が形成された認証媒体に固定されている真偽判定体において、微小三角柱状プリズムの頂角部の稜線が認証媒体面に、上記ピッチ範囲内で近接または接触し、稜線以外の稜線を挟む二面が認証媒体との間に微少三角柱状空間を形成するようにされていることを特徴とする真偽判定体、にある。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第4は、透明な基材上に、高さhが1μmから200μmになるように透明な樹脂材料から形成された略直線状であって一様な微小三角柱状プリズムが一定ピッチで並列しており、当該プリズム面にプリズム樹脂材料よりも屈折率が高い材質からなる厚み50nm〜1000nmの被膜を形成してなる連接体が、認証用絵柄が形成された認証媒体に固定されている真偽判定体において、微小三角柱状プリズムの頂角部の稜線と稜線を挟む二面が薄層の空隙を介して、実質的に同一断面形状であって同一寸法を有する認証媒体に、微小三角柱状プリズムの稜線が認証媒体の谷部に嵌め込まれて近接するようにされていることを特徴とする真偽判定体、にある。
【0010】
上記要旨の第1〜第4において、認証媒体面の認証用絵柄が、微小三角柱状プリズムの各稜線に対して一方側面は認証用絵柄aであり、稜線の他方側面は認証用絵柄bである、ようにすることができ、認証媒体が透明または不透明な基材であって、その微小三角柱状プリズム面側に認証用絵柄が形成されている、ようにすることもでき、認証媒体がプリズム高さh未満の薄い透明な基材であって、その微小三角柱状プリズム面とは反対側面に認証用絵柄が形成されている、ようにすることもでき、微小三角柱状プリズムと認証媒体の間の薄層の空隙が突起状体または粒状体により形成されている、ようにすることもできる。
【0011】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第5は、透明な基材上に、一定ピッチで高さhが1μmから200μmになるように透明な樹脂材料から形成された略直線状であって一様な微小三角柱状プリズムが並列しており、当該プリズム面にプリズム樹脂材料よりも屈折率が高い材質からなる厚み50nm〜1000nmの被膜を形成してなる連接体が、薄層の空隙を介して認証媒体に固定されている真偽判定体において、当該プリズム樹脂材料よりも屈折率が高い材質からなる被膜面には認証用絵柄が形成されていることを特徴とする真偽判定体、にある。
【0012】
上記要旨の第5において、プリズム面の認証用絵柄が、微小三角柱状プリズムの各稜線に対して一方側面は認証用絵柄aであり、稜線の他方側面は認証用絵柄bである、ようにすることができる。
【0013】
上記要旨の第1〜第5において、微小三角柱状プリズムの長さ方向に直交する断面が二等辺三角形である、ようにすることができ、微小三角柱状プリズムの材質が着色透明である、ようにすることもできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の具体的実施形態を説明する前に、本発明の真偽判定体が利用する光学現象について、図8と図9を参照して説明する。
一般に、ある媒質1とそれよりは屈折率の大きい他の媒質2との間に界面3a,3bがある状態において(図8参照)、媒質2側から媒質1側に進む光L1の界面3aに対する入射角θ1が、ある角度(臨界角θt)より大きい場合には、媒質1側に進む光は生ぜず、全部が反射することが知られている。
一方、光L2のように入射角が臨界角より小さいθ3の場合は、光の一部が媒質1側に進み、残りの部分は媒質2側に反射する。媒質1側に進む光と媒質2側に反射する光の量の比は、入射角度に依存して変化する。
【0015】
図9(A)において、入射光線L3は、界面3bに対して臨界角θtと同一またはそれよりは大きい角度θ4で入射するので全反射する。
一方、光線L4は、界面3aに対して臨界角θtよりは小さい角度θ5で入射するので、一部が媒質1側に進み、残りの部分は媒質2側に反射する。
図9(B)の光線L5も同様であって、界面3に対して臨界角θtよりは小さい角度θ6で入射するので、一部が媒質1側に進み、残りの部分は媒質2側に反射する。一方、大きい角度θ7で入射する光線L6は全反射する。
【0016】
図8において、臨界角θtは、θt=arcsin(a/b)、で与えられる。なお、aは媒質1の屈折率、bは媒質2の屈折率である。
従って、aに対して、bの値が大きく(屈折率差が大)なるにしたがい臨界角θtが小さくなる。aに対してbの値が小さい場合は、全反射は生じない。
【0017】
本発明の真偽判定体の1実施形態では、透明な材質からなる一様な微小三角柱状プリズムが、薄層の空隙を介して認証媒体に近接するように配列している。
その1の三角柱状プリズムを観察する場合は、図9のようになる。
図9(A)は、右方向から観察した場合、図9(B)は、左方向から観察した場合、を示している。
図9(A)において、光線L3,L4は平行光線である。光線L3は界面3bにおいて全反射するので、認証媒体面の絵柄8bを観察することができないが、光線L4は界面3aにおいて全反射はしないので、絵柄8aを観察することができる。
図9(B)の場合も同様で、平行光線L5とL6において、光線L5は界面3bにおいて全反射しないので、絵柄8bを観察することができるが、光線L6は界面3aにおいて全反射するので、絵柄8aを観察することができない。
【0018】
本発明の真偽判定体は、このような現象を利用するものであるが、全反射の生じる角度は、媒質1と媒質2の屈折率差が大きい場合に、小さい臨界角で全反射が起きるので、絵柄の切り変わりが明瞭になる。
すなわち、真偽判定体を正面から観察する状態から小さな角度で視角を変えるだけで、絵柄の状態が変化する効果が得られる。ちなみに、媒質1が空気(屈折率≒1)であって、媒質2が樹脂材料(屈折率=1.4〜1.6)である場合は、臨界角θtは、38.7度〜45.6度となる。
【0019】
本発明の具体的実施形態は、大別して5種の実施形態が考えられるので、以下、図面を参照して順次説明することとする。
図1は、本発明の真偽判定体の第1実施形態、図2は、第2実施形態、図3は、第3実施形態、図4は、第5実施形態、を示す断面図である。図5は、認証媒体に形成する認証用絵柄について説明する図である。
【0020】
本発明の真偽判定体の第1実施形態は、図1のように、一様な微小三角柱状プリズム3の並列してなる連接体が、認証用絵柄8が形成された認証媒体4の上に頂角部の各稜線3Rが認証媒体4面に近接または接触し、他の面部分は空間6を介して認証媒体4に固定されている。
ここに「近接」とは、ごく近くに接近していることをいい、接触状態を除き最大に離れる場合も微小三角柱状プリズムのピッチP程度までの範囲となる。
また、「固定」とは、認証媒体4の認証用絵柄8と各稜線3Rの相対的位置関係や空間間隔が変動しないようにされていることをいい、各稜線3R部分のみを認証媒体4に接着することのほか、真偽判定体の周囲部分のみを接着剤で貼着し認証用絵柄8部分は接触しないようにして固定するものであっても良い。
【0021】
微小三角柱状プリズム3は多くの場合、透明な基材2面に形成されたものであり、微小三角柱状プリズム3自体も透明または着色透明な樹脂材料により形成されている。ここで、「透明」とは、三角柱状プリズム3を透して認証媒体4面を明瞭に視認できる程度な透明性をいう。
微小三角柱状プリズム3の高さhは、1μmから200μm程度、より好ましくは5μmから100μm程度が好ましい。1μm以下では、回折現象が生じ効果が現われなくなり、200μm以上では認証媒体に固定する真偽判定体にしては厚みが厚くなり過ぎるからである。
【0022】
第1実施形態の真偽判定体1の特徴は、微小三角柱状プリズム3の頂角部の稜線3Rが、認証媒体4に近接または接触した状態にあって固定されているから、頂角部以外の部分は空間6を介して認証媒体4に対面する構成になっている。
空間6は微小三角柱状プリズム体間に有るので、微小三角柱状空間を形成することになる。
【0023】
微小三角柱状プリズム3が対面する認証媒体4面には、認証用絵柄8が形成されている。
認証媒体4は、透明であっても不透明な材質であっても良い。不透明な場合は、当然に認証用絵柄8は微小三角柱状プリズム3面側に設けられる。
認証媒体4が薄い透明基材である場合、認証用絵柄8はいずれの面であっても良いが、プリズム高さh以上に厚みのある基材の場合は、プリズム面側である方が好ましい。
認証用絵柄8は、プリズム形状とは無関係に一様な絵柄を印刷等して形成するものであって良いが、真偽判定体1の一方側から観察した場合と、他方側から観察した場合とは、異なる絵柄が切り変わって観察できるようにすることができる。
【0024】
図5は、そのような認証用絵柄の例であり、微小三角柱状プリズム3の稜線3Rに対して、一方側の絵柄8aと他方側の絵柄8bを、認証媒体面に交互に形成する。
絵柄8a,8bの繰り返しピッチpは、微小三角柱状プリズム3のピッチに正しく一致するように正確に合わせる。そして、微小三角柱状プリズム3の稜線3Rが、絵柄8aと8bの正しく中間になるように、微小三角柱状プリズム連接体を固定する。
細密ピッチの場合は、絵柄8a,8bの印刷にはマイクロジェットプリント等を採用する必要がある。
【0025】
第1実施形態の真偽判定体1は、以上のような構成からなるので、図5の認証用絵柄を用いた場合は、図9のように一方側から観察した場合は、絵柄8aを観察でき、他方側から観察した場合は、絵柄8bを観察できるようになる。
絵柄8aと絵柄8bは、必ずしも形状のある一定の図柄である必要はなく、単に色彩が異なるだけのものであってもよい。例えば、一方側が青色で、他方側が赤色であるような例である。
【0026】
本発明の真偽判定体の第2実施形態は、図2のように、一様な微小三角柱状プリズム3の並列した連接体を同様に使用するが、認証媒体4にも略同一形状を有するものを使用し対面させ嵌め合せた構成にする特徴がある。
これには、実質的に同一形状同一寸法の微小三角柱状プリズム3の連接体を、二つ準備し、一方を認証媒体とし、薄層の空隙7を介して双方を表裏逆転して重ね合わせすることによっても形成できるが、厳密に同一形状であることには限られないので、略同一形状と表現している。
すなわち、認証媒体4が紙基材等である場合は、微小三角柱状プリズム3の連接体と同形状のエンボス型を用いて紙基材等をエンボスして、これに微小三角柱状プリズム3の連接体を重ね合わせるものであっても良い。
【0027】
薄層の空隙7は、全反射のための界面を形成するもので、数μm以下であって干渉を生じない程度までの僅かな空間であって良い。
通常は、かなり精度の高い同一の凹凸形状を重ね合わせても、精密研磨加工したものでなければ微小な突起状体等があって、数μm程度の空隙ができるので薄層の空隙7を設けるための特別な工夫は必要としない。ただし、液晶パネルに用いる微小粒状体(径数μm以下程度の球状スペーサ等)を噛み合わせて空隙7を設けるものであってもよい。
【0028】
認証媒体4側の稜線4Rの一方側には認証用絵柄8aを形成し、他方側には認証用絵柄8bを形成する。あるいは、一方側と他方側に異なる色彩を塗布したり反射体を形成するものでも良い。
異なる色彩の塗布はインキジェットプリンタを用い、ノズルを稜線4Rに直交する方向に向け、かつ認証媒体4の全体平面に対して、ほぼ平行する方向からインキを噴射するようにして塗布することができる。他方側面の塗布は認証媒体4を180度回転して異なる色彩を同様に噴射する。
同様に、ノズルを特定のパターン形状に走査すれば、認証用絵柄8aと認証用絵柄8bの異なる絵柄が形成できることも容易に理解できる。
【0029】
本発明の真偽判定体の第3実施形態は、図3のように、一様な微小三角柱状プリズム3の並列した連接体を同様に使用するが、微小三角柱状プリズム面に、屈折率が1.8〜2.6程度範囲であってプリズム樹脂材料よりも屈折率が高い材質からなる被膜9を形成する特徴がある。
屈折率の下限を1.8とするのは、1.8未満では樹脂成型体である微小三角柱状プリズムとの屈折率差を大きくできないからである。また、2.6を上限とするのは利用可能であって透明性の高い材料は、この程度の範囲と考えられるからである。このような材料には、後述するように金属酸化物や金属硫化物等を使用できる。当該被膜の形成は物理的蒸着または化学的蒸着法により形成できる。被膜の膜厚は、50nm〜1000nmの範囲程度が好ましい。膜厚は厚くても構わないが、製造コストが高くなる問題がある。
図示してないが、被膜9面に、さらに屈折率の低い樹脂からなる透明層を設けて、当該透明層を介して認証媒体に接着するものであっても良い。
【0030】
第3実施形態の認証媒体4は、第1実施形態のように平面状のものであっても良い。この場合は、第1実施形態と同様に、稜線3Rが認証媒体面に近接または接触するように固定する。
本発明の真偽判定体の第4実施形態は、図示していないが、認証媒体4は第2実施形態のように微小三角柱状プリズムと略同一形状にされたものとする。
認証媒体4に設ける認証用絵柄8も、前記第1、第2実施形態と同様にして形成する。
プリズムのみからなり、プリズム樹脂材料よりも屈折率が高い材質からなる被膜9を形成しない微小三角形状プリズムを、第2実施形態のように重ね合わせるものであっても良いが、その場合には被膜9と三角形状プリズム3の間に薄膜の空隙を介する必要がある。
【0031】
本発明の真偽判定体の第5実施形態は、図4のように、微小三角柱状プリズム3の並列した連接体を使用し、第3、第4実施形態と同様に微小三角柱状プリズム面に、屈折率が1.8〜2.6程度範囲であってプリズム樹脂材料よりも屈折率が高い材質からなる被膜9を形成するが、認証用絵柄8は当該プリズム樹脂材料よりも屈折率が高い材質からなる被膜9面に直接形成する特徴がある。
微小三角柱状プリズム3の被膜9面への認証用絵柄8の形成は、前記したインキジェットプリンタによる形成法等を採用することができる。
インキジェットプリンタのバインダー樹脂は屈折率が小さいものが全反射し易く好ましい。あるいは被膜9と認証用絵柄8との間にさらに屈折率の低い樹脂からなる透明層を設けても良い。
【0032】
図6は、微小三角柱状プリズム表面に高屈折率被膜を設けた場合の光の反射状態を示す。プラスチック樹脂からなる微小三角柱状プリズム3表面に、屈折率が1.8〜2.6程度範囲のプリズム樹脂材料よりも屈折率が高い材質の被膜9を設けた場合である。実際の被膜9は、600Å程度なので図示程、厚くはないが図解の容易のため、厚めに描いている。
この場合、光線L7は界面3a,3bでは全反射しないので、絵柄8bを観察することができる。一方、光線L8は界面3dで全反射するので、絵柄8aを観察することができない角度範囲が生じる。
なお、微小三角柱状プリズム3の樹脂層と被膜9の界面3a,3bでは、屈折率の小さい側から屈折率の大きい側へ光が進むため、全反射は生じない。
全反射が生じるのは、被膜9と絵柄のインキ樹脂との界面3cまたは3d間で生じるものである。被膜9面に直接絵柄8を印刷しないで、空気層を介して認証媒体面を見る場合も同様である。
【0033】
次に、真偽判定体の製造方法について説明する。
図7は、三角柱状プリズムの製造装置を示す図である。三角柱状プリズムの製造工程は、三角柱状プリズムの凹部が形成されたロール凹版を使用して行うが、凹部に樹脂を充填する充填工程、樹脂とシート基材を接触させる接触工程、樹脂を硬化させる硬化工程、樹脂とシート基材を密着する密着工程、凹版ロールからシート基材を剥離する剥離工程、とから構成されている。
【0034】
図7の製造装置において、10は三角柱状プリズムの凹部が形成されたロール凹版、11はそのロール凹版の凹部、12は電離放射線硬化性樹脂液をロール凹版10に塗工するための塗工装置、13は電離放射線硬化性樹脂液、2はシート基材、14は溶剤乾燥装置、15,16は硬化装置、17はロール凹版に当接してロール凹版10を押圧する押圧ロール、18は送りロール、である。
なお、図6において、三角柱状プリズムを形成するための凹部11がシート基材2の流れ方向に直交するように図示されているが、シート基材2の流れ方向に平行に形成されていても良いものとする。
【0035】
三角柱状プリズム製造工程における充填工程は、三角柱状プリズムの型が形成されたロール凹版10を回転させ、そのロール凹版10の少なくとも凹部11に電離放射線硬化性樹脂液13を充填する工程である。
接触工程は、充填工程で充填された電離放射線硬化性樹脂液13に対して、ロール凹版10の回転方向に同期して走行するシート基材2を接触させる工程である。
【0036】
硬化工程は、接触工程でシート基材2がロール凹版10に接触している間に、ロール凹版10とシート基材2間にある電離放射線硬化性樹脂液13に、硬化装置15からの電離放射線を照射して硬化させる工程である。
密着工程は、硬化工程で硬化する電離放射線硬化性樹脂液13とシート基材2とを密着させる工程である。なお、硬化工程と密着工程は、通常同時に進行する。剥離工程は、密着工程で密着した電離放射線硬化性樹脂液13の半硬化物13aとシート基材2をロール凹版10から剥離する工程である。
【0037】
ロール凹版10は、円筒状の版材に所定形状の凹部11を設けたものである。このロール凹版は、版材を旋盤等で直接切削したり、電鋳法で型付けしたり、あるいはグラビア製版法で、製造することができる。
塗工装置12は、電離放射線硬化性樹脂液13をロール凹版10に塗工するための装置であって、ノズル塗工装置を用いることが多い。ノズル塗工装置は、所定寸法のノズルがTダイ状の長方形または線状の吐出口を有し、その吐出口の長手方向がロール凹版回転方向と直交する方向に設置されていて、ロール凹版の全幅のうち所定の幅部分にのみ樹脂液を吐出するようにされている。
【0038】
溶剤乾燥装置14は、樹脂の溶剤を揮発させるための装置である。溶剤乾燥装置14としては、温風や赤外線ヒータ等を用いることができる。この溶剤乾燥装置14を設けることにより、溶剤型の樹脂を用いることができ、使用する樹脂の選択の幅を広げることができる。なお、無溶剤型の電離放射線硬化性樹脂液13を用いる場合には、溶剤乾燥装置14は不使用となる。
【0039】
硬化装置15は、電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂液13を硬化させる装置である。なお、剥離工程後に脱離した電離放射線硬化性樹脂液の半硬化物13aを完全に硬化させるために、硬化装置16を設けてもよい。
ここで、電離放射線とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合、架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線、電子線等が用いられる。硬化装置15,16として紫外線の場合には、超高圧水銀灯、ブラックライトランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ灯の光源を用いることができる。
【0040】
<三角柱状プリズムの製造>
上記装置による三角柱状プリズムの製造方法は、まず、ロール凹版10の凹部11に、電離放射線硬化性樹脂液13を塗工装置12により充填し、シート基材2をロール凹版10の凹部11に充填させた電離放射線硬化性樹脂液13に近接するように接触させる。
電離放射線硬化性樹脂液13を凹部11に充填する方法としては、ロール凹版10の表面に予め電離放射線硬化性樹脂液13を所定量塗工しておいて、基材シート2をロール凹版10面に供給したときに、押圧ロール7の押圧により、基材シートを介して、塗工されている電離放射線硬化性樹脂液13を凹部11内に配分充填させる。
【0041】
この場合に、溶剤タイプの硬化性樹脂も使用でき、シート基材2に塗工された電離放射線硬化性樹脂液13は、流動性をある程度制御するために、その樹脂液の溶剤を希釈するために使用した溶剤などを溶剤乾燥装置14により乾燥除去し、さらに硬化装置15により溶剤を乾燥した樹脂液を半硬化させる。
【0042】
シート基材2がロール凹版10に接している間に、硬化装置15により電離放射線硬化性樹脂液13を硬化させる。硬化装置は必要により、ロール凹版の回転方向に沿って複数個設けることができる。多段による硬化により硬化物の歪みやシート基材2のカール等を低減させることができる。
また、ロール凹版10を石英、ガラス等の電離放射線の透過性がよい材質により形成して、ロール凹版10の内部側から照射することもできる。
【0043】
硬化装置15により、ロール凹版10の凹部11内にある電離放射線硬化性樹脂液13をシート基材2に密着させる。このとき、硬化度合は、少なくとも樹脂の流動性を失わせ、かつ、シート基材2との密着性を生じさせる程度であればよい。硬化装置15を通過した後、シート基材2をロール凹版10から剥離する。これにより、半硬化した電離放射線硬化性樹脂液13aがシート基材2と一体になって、凹部11から脱離され、プリズム化された表面を有する真偽判定体シートが得られる。
【0044】
<材質に関する実施形態>
(1)シート基材
基材としては、透明性の高い高分子フィルムが加工適性の点から好ましい。
高分子フィルムの素材のプラスチックとしてはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂等が使用できる。また、液晶材料を使用することもできる。
この基材の厚みは、加工のしやすさ等の観点から12〜150μm程度の範囲のものが好ましい。
【0045】
(2)三角柱状プリズム体
プリズム体の素材は特に制約はないが、加工適性の点から樹脂材料が好ましい。また、プリズム特性から透明または着色透明であることが求められる。
上述した紫外線硬化樹脂でプリズム形状を形成する製造方法では、紫外線硬化型の電離放射線硬化性樹脂液が好ましく使用される。
このような樹脂液の具体例としては、分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマーおよび/または単量体を適宜混合した組成物を用いることができる。
【0046】
前記プレポリマー、オリゴマーとしては、不飽和ジカルボン酸と多値アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート類等があげられる。
【0047】
また、単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブチル、等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシメチル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル等の不飽和の置換アミノアルコールエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、ビニルピロリドン、および/または分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール等があげられる。
【0048】
特に、紫外線によって硬化させる場合には、前記電離放射線硬化性樹脂の組成物に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルメウラムモノサルファイド、チオキサントン類、及び/または光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用いることもできる。また、プリズムの微細の凹部11を持ったロール凹版10の形状を忠実に再現するためには、粘度は5000cps以下、特に1000cps以下にすることが好ましい。なお、プリズムを着色透明にする場合は硬化を阻害しない染料を添加しても良い。
【0049】
参考のため、各種高分子樹脂の屈折率を以下に例示する。
各種高分子樹脂は、1.4〜1.6の屈折率になる。
ポリブチルアクリレート(1.44)、ポリエチルアクリレート(1.47)、ポリメチルアクリレート(1.47)、ポリn−ブチルメタクリレート(1.48)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリ酢酸ビニル(1.47)、ポリプロピレン(1.49〜1.50)、ポリエチレン(1.5〜1.55)、ポリカーボネート(1.58)、ポリスチレン(1.59〜1.60)、ポリエチレンテレフタレート(1.64)、ポリ塩化ビニル(1.54)、ポリ塩化ビニリデン(1.60〜1.63)、等である。
【0050】
(3)プリズム樹脂材料よりも屈折率が高い材質
各種の材料があるが透明性のある材料としては、金属酸化物や硫化物、あるいはフッ化物等があり、これらの屈折率は、1.5〜2.7程度となる。
Fe2 O3 (2.7)、PbO(2.6)、CdS(2.6)、 Cr2 O3 (2.3)、TiO2 (2.3)、ZnS(2.1)、ZnO(2.1)、SiO(2.0)、Sb2 O3 (2.0)、WO3 (2.0)、ZrO2 (2.0)、In2 O3 (2.0)、TiO(1.9)、Si2 O3 (1.9)、PbF2 (1.8)、Cd2 O3 (1.8)、MgO(1.7)、Al2 O3 (1.6)、SiO2 (1.5)、等である。
【0051】
【実施例】
図1〜図7を参照して本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)基材2上に、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化性樹脂液を硬化させる方法によって、図1のように、高さ80μm、底辺長さ(ピッチP)が160μmの微小直角二等辺三角柱状プリズム3の連接体を、2cm×2cmの大きさに形成した。
一方、硬質塩化ビニル基材からなる認証媒体4面には、図5のように、ピッチpを160μmとして、異なる認証用絵柄8aと認証用絵柄8bを、それぞれ幅70μmで、2cm×2cmの大きさに印刷した。印刷にはマイクロキャピラリアレイを使用したインキジェットプリンタと導電性インキを使用して電圧を印加して印刷する精密印刷法を採用した。
【0052】
この認証媒体4と微小二等辺三角柱状プリズム3を位置合せし、プリズムの稜線3Rが認証媒体4面の認証用絵柄8aと認証用絵柄8bの正しく中間になるように位置合せして密着し、三角柱状プリズム3の連接体の周辺部0.4mm幅に接着剤を塗布して貼着して固定した。これにより図1図示のような真偽判定体1が完成した。
この真偽判定体1を一定の光源下で観察すると、微小三角形状プリズムの稜線3Rに対して右側から観察した場合には認証用絵柄8aを、左側から観察した場合は認証用絵柄8bが切り換わって観察できた。
【0053】
(実施例2)
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)基材2上に、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化性樹脂液を硬化させる方法によって、図2のように、高さ100μm、底辺長さ(ピッチP)が200μm、の微小直角直角二等辺三角柱状プリズム3の連接体を、2cm×2cmの大きさに2個形成した。
【0054】
この微小直角直角二等辺三角柱状プリズム3の連接体の1個のプリズムの傾斜面を赤色の昇華染料を含むジェットプリントインキで印刷し、他方側傾斜面を青色の昇華染料を含むジェットプリントインキで印刷した。
この印刷済みの微小直角二等辺三角柱状プリズムからなる認証媒体4と、印刷をしない微小直角直角二等辺三角柱状プリズム3の連接体を、三角柱状プリズムの稜線3Rが認証媒体4側の谷部に、嵌め込まれるように重ね合わせることにより、図2図示のような真偽判定体1が得られた。
この真偽判定体1を特定の光源下で観察すると、微小三角形状プリズムの稜線3Rに対して右側から観察した場合には赤色を、左側から観察した場合は青色が切り換わって観察できた。
【0055】
(実施例3)
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)基材2上に、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化性樹脂液を硬化させる方法によって、図4のように、高さ60μm、底辺長さが120μmの微小二等辺三角柱状プリズム3の連接体を、2cm×2cmの大きさに1個形成した。
その後、プリズム面に屈折率2.6の酸化チタン(TiO2 )を蒸着源として被膜9を60nmの厚みに蒸着した後、実施例2と同様に微小二等辺三角柱状プリズム3の連接体の1個の一方側のプリズムの傾斜面に赤色の昇華染料を含むジェットプリントインキで印刷し、他方側傾斜面に青色の昇華染料を含むジェットプリントインキを印刷した。
これにより、図4図示のような真偽判定体1が得られた。
【0056】
この真偽判定体1を特定の光源下で観察すると、微小三角形状プリズムの稜線3Rに対して右側から観察した場合には赤色を、左側から観察した場合は青色が切り換わって見えるのが観察できた。
【0057】
本発明の真偽判定体は上述の構成からなるが、実施形態の僅かな変形を伴う態様もほぼ同様な効果を発揮し得ることは当業者が容易に想到できることである。
例えば、微小三角柱状体プリズムの稜線部を、截頭した断面台形状の形状としても同様の効果を奏し得るが、本発明の真偽判定体の三角形柱状プリズムの辺を利用していることに異ならず、本発明の実施態様外とすることはできない。
また、微小三角柱状体プリズムの連接体は、電磁放射線硬化性樹脂の成型によって製造することに限らず、熱可塑性樹脂のエンボス成型によっても成型加工することができ、製造方法に限定されるものでもない。
【0058】
【発明の効果】
以上、詳述のように本発明の真偽判定体によれば以下の効果が得られる。
本発明の真偽判定体を備える認証媒体は、目視方向によって認証用絵柄が明瞭に変化するので、そのような状態変化を伴わない真偽判定体と対比して、直ちに真偽を判定することができる。
プリズムシートの構造を利用しているので、従来のホログラムやOVIとは異なる絵柄または色彩可変効果を有するセキュリティーシールが得られる。
また、真偽判定体の貼着された認証媒体等は複写機で正常に複写することができず、偽造、模造を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 真偽判定体の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】 真偽判定体の第2実施形態を示す断面図である。
【図3】 真偽判定体の第3実施形態を示す断面図である。
【図4】 真偽判定体の第5実施形態を示す断面図である。
【図5】 認証媒体に形成する認証用絵柄について説明する図である。
【図6】 微小三角柱状プリズム表面に高屈折率被膜を設けた場合の光の反射状態を示す図である。
【図7】 三角柱状プリズムの製造装置を示す図である。
【図8】 本発明が利用する光学現象について説明する図である。
【図9】 本発明が利用する光学現象について説明する図である。
【符号の説明】
1 真偽判定体
2 基材、シート基材
3 三角柱状プリズム
3a,3b,3c,3d 界面
3R 稜線
4 認証媒体
6 空間
7 薄層の空隙
8 認証用絵柄
8a,8b 絵柄
9 被膜
10 ロール凹版
11 凹部
12 塗工装置
13 電離放射線硬化性樹脂液
14 溶剤乾燥装置
15,16 硬化装置
17 押圧ロール
18 送りロール
Claims (12)
- 透明な基材上に、高さhが1μmから200μmになるように透明な樹脂材料から形成された略直線状であって一様な微小三角柱状プリズムが一定ピッチで並列してなる連接体が、認証用絵柄が形成された認証媒体に固定されている真偽判定体において、微小三角柱状プリズムの頂角部の稜線が認証媒体面に、上記ピッチ範囲内で近接または接触し、稜線以外の稜線を挟む二面が認証媒体との間に微少三角柱状空間を形成するようにされていることを特徴とする真偽判定体。
- 透明な基材上に、高さhが1μmから200μmになるように透明な樹脂材料から形成された略直線状であって一様な微小三角柱状プリズムが一定ピッチで並列してなる連接体が、認証用絵柄が形成された認証媒体に固定されている真偽判定体において、微小三角柱状プリズムの頂角部の稜線と稜線を挟む二面が薄層の空隙を介して、実質的に同一断面形状であって同一寸法を有する認証媒体に、微小三角柱状プリズムの稜線が認証媒体の谷部に嵌め込まれて近接するようにされていることを特徴とする真偽判定体。
- 透明な基材上に、高さhが1μmから200μmになるように透明な樹脂材料から形成された略直線状であって一様な微小三角柱状プリズムが一定ピッチで並列しており、当該プリズム面にプリズム樹脂材料よりも屈折率が高い材質からなる厚み50nm〜1000nmの被膜を形成してなる連接体が、認証用絵柄が形成された認証媒体に固定されている真偽判定体において、微小三角柱状プリズムの頂角部の稜線が認証媒体面に、上記ピッチ範囲内で近接または接触し、稜線以外の稜線を挟む二面が認証媒体との間に微少三角柱状空間を形成するようにされていることを特徴とする真偽判定体。
- 透明な基材上に、高さhが1μmから200μmになるように透明な樹脂材料から形成された略直線状であって一様な微小三角柱状プリズムが一定ピッチで並列しており、当該プリズム面にプリズム樹脂材料よりも屈折率が高い材質からなる厚み50nm〜1000nmの被膜を形成してなる連接体が、認証用絵柄が形成された認証媒体に固定されている真偽判定体において、微小三角柱状プリズムの頂角部の稜線と稜線を挟む二面が薄層の空隙を介して、実質的に同一断面形状であって同一寸法を有する認証媒体に、微小三角柱状プリズムの稜線が認証媒体の谷部に嵌め込まれて近接するようにされていることを特徴とする真偽判定体。
- 認証媒体面の認証用絵柄が、微小三角柱状プリズムの各稜線に対して一方側面は認証用絵柄aであり、稜線の他方側面は認証用絵柄bであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれか1の請求項に記載の真偽判定体。
- 認証媒体が透明または不透明な基材からなり、その微小三角柱状プリズム面側に認証用絵柄が形成されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれか1の請求項に記載の真偽判定体。
- 認証媒体がプリズム高さh未満の薄い透明な基材からなり、その微小三角柱状プリズム面とは反対側面に認証用絵柄が形成されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれか1の請求項に記載の真偽判定体。
- 微小三角柱状プリズムと認証媒体の間の薄層の空隙が突起状体または粒状体により形成されていることを特徴とする請求項2または請求項4記載の真偽判定体。
- 透明な基材上に、一定ピッチで高さhが1μmから200μmになるように透明な樹脂材料から形成された略直線状であって一様な微小三角柱状プリズムが並列しており、当該プリズム面にプリズム樹脂材料よりも屈折率が高い材質からなる厚み50nm〜1000nmの被膜を形成してなる連接体が、薄層の空隙を介して認証媒体に固定されている真偽判定体において、当該プリズム樹脂材料よりも屈折率が高い材質からなる被膜面には認証用絵柄が形成されていることを特徴とする真偽判定体。
- プリズム面の認証用絵柄が、微小三角柱状プリズムの各稜線に対して一方側面は認証用絵柄aであり、稜線の他方側面は認証用絵柄bであることを特徴とする請求項9記載の真偽判定体。
- 微小三角柱状プリズムの長さ方向に直交する断面が二等辺三角形であることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項9のいずれか1の請求項に記載の真偽判定体。
- 微小三角柱状プリズムの材質が着色透明であることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1の請求項に記載の真偽判定体。
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