JP4286802B2 - Cdmaシステムにおけるパイロット信号および不要トラヒック信号の消去 - Google Patents

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Description

本発明は、概括的にはディジタル通信に関する。より詳しくいうと、本発明は受信した符号分割多元接続信号からグローバルパイロット信号と不要なトラヒック信号とを除去し、それによって干渉成分であるそれらの信号を復号化の前に除去するシステムと方法に関する。
今日の高度先進通信技術は、伝送すべきデータを擬似雑音(pn)信号で変調することによりそのデータを拡大帯域で伝送する通信手法を利用している。この技術はディジタルスペクトラム拡散、すなわち、符号分割多元接続(CDMA)として知られる。CDMAは、信号帯域幅よりもはるかに広い帯域幅で信号を伝送することにより、伝送路内の信号歪や干渉周波数に影響を受けることなくデータを伝送できる。
図1に単純化した単一チャネルCDMA通信システムを示す。ある帯域幅のデータ信号をpn系列発生器からの拡散符号と混合してディジタルスペクトラム拡散信号を発生する。特定チャネルのデータを搬送する信号はトラヒック信号と呼ぶ。受信ののち、このデータを当該データの送信に用いたのと同じpn系列と相関をとって再生する。伝送帯域幅内の1つおきの信号が、逆拡散中の信号に対し雑音として現れる。
受信機との同期を図るために、各送信機はパイロット信号と称する非変調トラヒック信号を必要とする。このパイロット信号は受信機の各々が所定の送信機と同期をとれるようにし、受信機におけるトラヒック信号の逆拡散を可能にする。
通常の通信システムでは、基地局は複数の固定または移動加入者と個別に交信する。多くの信号を送信する基地局は、その基地局と交信する複数のユーザに共通のグローバルパイロット信号をより高い電力レベルで送信する。グローバルパイロット信号は、個々のユーザの初期捕捉、ユーザによるコヒーレント受信のための信号評価の達成、および受信中におけるマルチパス成分の合成に利用される。同様に、逆方向では各加入者局が固有割当パイロット信号を伝送して基地局と交信する。
pn系列が合致した場合だけ信号を復号化できるが、全ての信号が雑音や干渉成分として作用する。グローバルパイロット信号およびトラヒック信号は逆拡散中のトラヒック信号に対して雑音となる。所望の信号を逆拡散する前にグローバルパイロット信号および全ての不要なトラヒック信号を除去できれば、雑音全体の大部分を減らすことになり、ビット誤り率を減少させ、その結果として逆拡散ずみ信号の信号対雑音比(SNR)が改善される。
受信機のパイロット信号の相対強度に基づいて受信信号からパイロット信号を減算するいくつかの試みがなされてきた。Brackert 名義の米国特許第5,224,122号は、受信信号の中のスペクトラム拡散雑音信号の一部を既知の信号の拡散による評価信号の発生により消去するスペクトラム拡散雑音消去装置を開示している。受信スペクトラム拡散信号の復調出力からその評価信号を減算することによって、上記既知の信号を受信スペクトラム拡散信号から処理で除くのである。その場合は、主稼動セル基地局からの上記既知の信号の振幅情報および位相情報、マルチパス信号の雑音からの振幅情報および従稼動セルからの雑音の振幅に基づいてそれら評価信号を発生する。Yellin ほか名義のPCT国際出願公開第WO 98 43362号は、スペクトラム拡散信号から少なくとも一つの雑音含有ユーザ信号を検出するとともにパイロット信号の雑音およびその特定のユーザ信号への干渉の影響を除去することによって構成したCDMA雑音消去装置を開示している。しかし、信号強度値は地表反射により互いに異なる遅延を受ける複数の受信信号のために、干渉の計算のための正確な指標にならない。マルチパス伝搬のために電力レベルの評価の信頼性がなくなるのである。
WO 98/43362 USP 5 719 852 USP 5 224 122
復号化の前に信号から複数の雑音要因を除去することによりシステム全体の性能を改善する必要がある。
本発明は、スペクトラム拡散通信システムで伝送されるグローバルパイロット信号および不要トラヒック信号の及ぼす雑音を減少させるものである。本発明は、復号化の前に受信機で所望のトラヒック信号からグローバルパイロット信号および不要トラヒック信号を実効的に除去するものである。そのようにして得られた信号では信号対雑音比が改善される。
従って、本発明の目的は、パイロット信号および不要な活性状態のトラヒック信号の及ぼす雑音を減らす符号分割多元接続通信システム用受信機を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、グローバルパイロット信号および活性状態のトラヒック信号の雑音効果を解消することによって所望のトラヒック信号のSNRを改善することである。
高度電気通信の当業者には、好適な実施例の詳細な説明を読めばこの発明のシステムおよび方法の上記以外の目的と利点が明らかになるであろう。
本発明によると、所望のトラヒック信号のSNRを改善しシステム容量を高めたスペクトラム拡散通信システムを提供できる。
全体を通して同じ参照数字で同じ構成要素を示した図面を参照しながら実施例を説明する。
第2図に示すとおり、B−CDMATM通信システム17は、基地局または移動加入者局受信機のどちらにも配置できる送信機19と受信機21とを含む。送信機19は音声信号および非音声信号25を種々のビットレートでデータに符号化する信号プロセッサ23を備える。
背景として、多元接続環境における伝送信号の生成には二つのステップが必要とされる。第1のステップでは、2相位相偏移変調信号と見なされ得る入力データを前向き誤り訂正符号化(FEC)27により符号化する。一方の信号を同相チャネル信号I33xで示し、他方の信号を直交位相チャネル信号Q33yで示す。2相位相偏移変調信号IおよびQは通常は4相位相偏移変調(QPSK)と呼ぶ。
第2のステップでは、二つの2相位相偏移変調データ、すなわちシンボル33x、33yを複素乗算器39により複素擬似雑音(pn)系列35I,35Qで拡散する。複素数乗算器39の動作は図2Bに示してあり、当該技術分野において周知である。拡散動作は次のとおり表すことができる。
(x+jy)+(I+jQ)=(xI−yQ)+j(xQ+yI)
=a+jb (式1)
複素数はa+jbの形式であり、この式においてaとbは実数であり、j=−1である。図2Aを再び参照すると、結果として得られる拡散ずみ信号I37aとQ37bは互いに異なる拡散符号を有する他の拡散ずみ信号(チャネル)と合成され45a、45b、搬送波信号43と乗算(混合)されて送信される47。この送信47は複数の個別の信号を含む。
受信機21は、伝送されてきた広帯域信号47を伝送搬送波43と混合して中間周波数51a、51bにする復調器49a、49bを含んでいる。第2の周波数逓減によりこの信号をベースバンドに下げる。次にQPSK信号55a、55bをフィルタにかけ53、伝送されてきた複素符号の共役値に一致する局部発生複素pn系列35I,35Qと混合する56。同一符号により拡散された原信号だけが逆拡散されることになる。他の全ての信号は受信機21に雑音として現れる。データ57x、57yは、たたみ込み符号化データに対してFEC復号化を行う信号プロセッサ59に供給される。
図3Aと図3Bに示すとおり、QPSKシンボルは同相(I)信号および直交位相(Q)信号の各々の1ビットから成る。これらのビットはアナログサンプルまたは、ディジタルデータを量子化したものを表す。シンボル持続時間tsはビット持続時間に等しいことが分かる。
伝送されてきたシンボルは複素pn系列をQPSKシンボルストリームに乗算することによって拡散される。Iチャネルpn系列およびQチャネルpn系列は一般にシンボルレートの100〜200倍という非常に高い周波数で生成されたビットストリームで構成される。このようなpn系列の一つを図3Cに示す。(上述のとおり)複素pn系列はシンボルビットストリームと混合され、ディジタル拡散信号を生成する。この拡散信号の成分は非常に小さい持続時間tcを有するチップとして知られる。
この信号を受信して復調すると、ベースバンド信号はチップレベルになる。拡散中に使用するpn系列の共役値により、この信号のI成分およびQ成分を逆拡散すると、この信号はシンボルレベルに戻る。
本発明の実施例を図4、図5および図7に示す。グローバルパイロット信号消去システム61の実施例を図4に示す。受信信号rは次のように表される。
r=αcp+βct+n (式2)
ここで、受信信号rは複素数であって、パイロット信号強度αとパイロット符号cpとを乗算したものに、トラヒック信号強度βとトラヒック符号ctとの積およびランダム雑音nとを加算したものである。この雑音nは全受信雑音を含み、干渉は他の全てのトラヒック信号を含む。受信信号rからグローバルパイロット信号を消去するために、このシステム61はパイロット符号α、すなわち
α≠β (式3)
の信号強度を導き出す必要がある。これは、グローバルパイロット信号がトラヒック信号よりも高い電力レベルで伝送されるからである。
時間領域で受信信号rを加算すると、式(2)は次のようになる。
Σr=αΣcp+βΣct+Σn (式4)
図4を参照すると、受信したベースバンド信号rは、パイロット信号消去システム61およびパイロット逆拡散器65に入力63され、この逆拡散器65により受信信号rからパイロット信号を逆拡散する。第1のミキサ67は、拡散の際に用いたパイロットpn符号の複素共役値cp69を乗算することにより受信信号rを逆拡散し、次式の信号を生ずる。
Σrcp=αΣcpcp+βΣctcp+Σncp (式5)
複素共役値は符号のみが異なり互いに等しい実数部と虚数部とを有する一対の複素数の一つである。
逆拡散ずみのパイロット信号71は第1の加算/ダンププロセッサ73に供給され、この信号を時間領域にわたって加算する。第1の加算/ダンププロセッサ73の出力Qsdlは次式で表される。
Osdl=αL1+βΣctcp+Σncp (式6)
ここで、L1はパイロット拡散符号cpとパイロット拡散符号の複素共役値cpとの積をLチップにわたって加算した値である。
加算/ダンププロセッサ73の出力Osdlは低域フィルタ75に供給される。低域フィルタ75は各信号成分の平均値を算定する。パイロット・トラヒック交差相関の平均値はゼロであり、したがって雑音nの平均値である。それゆえ、フィルタ処理75の後では、式(6)内の第2項および第3項はゼロになる。時間領域にわたる低域フィルタ75の出力Olpfは次の式で表される。
Olpf=αL (式7)
低域フィルタ75の出力Olpfは処理手段77に供給され、パイロット符号強度αを生ずる。処理手段77は低域フィルタ75の出力OlpfをLで除算することによりαを計算する。したがって、処理手段77の出力Opmは次の式で表される。
Opm=α
(式8)
パイロット拡散符号cp複素共役値発生器69は複素共役値プロセッサ79に結合され、パイロット拡散符号cpを生じる。パイロット拡散符号cpは第2のミキサ81に入力され、トラヒック拡散符号ct複素共役値発生器83の出力と混合される。この第2のミキサ81の出力から得られる積は第2の加算/ダンププロセッサ85に供給される。第2の加算/ダンププロセッサ85の出力Osd2はΣcpctであり、第3のミキサ87でαと合成される。第3のミキサ87の出力89はαΣcpctである。
受信信号rもトラヒック信号逆拡散器91により逆拡散される。トラヒック信号逆拡散器91は、第4のミキサ93を用いて、受信信号rを発生器83からのトラヒック符号複素共役値ctと混合することにより受信信号rを逆拡散し、次の信号を生じる。
Σrct=αΣcpct+βΣctct+Σnct (式9)
トラヒック信号逆拡散器91の出力95は第3の加算/ダンププロセッサ97に供給される。第3の加算/ダンププロセッサ97の時間に対する出力Osd3は次のようになる。
Osd3=Σrct=βL2+αΣcpct+Σnct (式10)
ここで、L2はトラヒック信号拡散符号ctとトラヒック信号拡散符号の複素共役値ctとの積をLチップにわたって加算した値である。
第3の加算/ダンププロセッサ97の出力Osd3は、第3のミキサ87の出力89を減算する加算器99に供給される。加算器99の出力Oaddは次式で与えられる。
Oadd=βL2+αΣcpct+Σnct−αΣcpct (式11)
したがって、パイロット信号消去システム61の出力Oaddは、下式で単純化したとおり受信信号rマイナスパイロット信号に等しい。
Oadd=βL2+Σnct
(式12)
本発明は、所望トラヒック信号から不要なトラヒック信号(s)を消去するのに類似の手法を使う。トラヒック信号は他のトラヒック信号にとってはグローバルパイロット信号と同様に干渉となるが、トラヒック信号はデータで変調されており、したがって動的な性質を備えるので、不要トラヒック信号の消去はグローバルパイロット信号の消去とは異なる。グローバルパイロット信号が一定の位相を備えるのに対して、トラヒック信号ではデータ変調により絶えず位相が変わる。
トラヒック信号消去システム101の実施例を図5に示す。上述のとおり、次式の受信信号rがこのシステムに入力103される。
r=ψdcd+βct+n
(式13)
ここで、受信信号rは複素数であり、トラヒック符号信号強度Ψとトラヒック信号データdと消去すべき不要トラヒック信号のトラヒック符号cdとの積に、所望のトラヒック符号ctを乗算した所望のトラヒック符号強度βと、雑音nとを加算したものである。雑音nは全受信雑音を含み、干渉成分は他の全てのトラヒック信号とグローバルパイロット信号とを含む。受信信号rから不要なトラヒック信号(s)を消去するには、システム101は減算すべき不要トラヒック符号Ψの信号強度を導き出してデータdを推算する必要がある。
ψ≠d≠β (式14)
受信信号rを時間領域にわたって加算すると、式13は次式で表される。
Σr=ψdΣcd+βΣct+Σn (式15)
図5を参照すると、受信ベースバンド信号rは、この受信信号rから所望トラヒック信号を逆拡散する所望トラヒック信号逆拡散器91に入力103される。所望トラヒック信号ミキサ93は受信信号rを、拡散の際に用いた所望トラヒックpn符号の複素共役値ctと混合する。逆拡散ずみのトラヒック信号を加算/ダンププロセッサ97に加え、時間領域にわたって加算する。加算/ダンププロセッサ97の出力Osd3は次式で与えられる。
Osd3=Σrct=βL2+ψdΣcdct+Σnct (式16)
図5に示したトラヒック信号消去システム101はn個の不要トラヒック信号キャンセラー1151〜115nを含む。この実施例は10個の(n=10)不要トラヒック信号キャンセラー1151〜11510を備えている。
不要トラヒック信号キャンセラー1151〜115nの各々は、第1のミキサ1171〜117nおよび不要トラヒック信号符号発生器1191〜119nを含む不要トラヒック信号逆拡散器1391〜139nと、第2のミキサ1331〜133nと、第1および第2の加算/ダンププロセッサ1211〜121nおよび1231〜123nと、硬判定プロセッサ1251〜125nと、低域フィルタ1271〜127nと、処理手段1291〜129nと、第3のミキサ1311〜131nと、共役値プロセッサ1351〜135nと、可調整増幅器1371〜137nと、所望トラヒック信号符号発生器83とを備える。
上述のとおり、受信信号rは不要トラヒック信号キャンセラー1151〜115nの各々に入力103される。不要トラヒック信号逆拡散器1391〜139nはこの入力103に接続され、受信信号rを各不要信号対応のトラヒック信号pn系列の複素共役値cdl―cdnと混合1171〜117nする。逆拡散ずみのトラヒック信号1391〜139nは、この信号を時間領域で加算する第1の加算/ダンププロセッサ1211〜121nに供給する。第1の加算/ダンプ1211〜121nの出力Osdlは次式で表される。
Osd1n=Σrcdn=ψdL3+βΣctcdn+Σncdn (式17)
ここで、L3は不要トラヒック信号拡散符号cdnとの積でありcdnは不要トラヒック信号拡散符号の複素共役値である。
第1の加算/ダンププロセッサ1211〜121nの出力OsdInは硬判定プロセッサ1251〜125nに供給する。この硬判定プロセッサ1251〜125nは変調によるデータの位相偏移Φを判定する。硬判定プロセッサ1251〜125nは逆拡散ずみシンボル値に最も近いQPSKコンステレーション位置dも判定する。
図6に示すとおり、硬判定プロセッサ1251〜125nは信号の受信シンボルp0を四つのQPSKコンステレーション点x1、1、x−1、1、x−1、−1、x1、−1と比較する。マルチパスに起因するか無線周波数に起因するかに関わりなく、雑音や歪みによる伝送47中の劣化があるので、各受信シンボルp0を調べる必要がある。硬判定プロセッサは受信シンボルp0から各象限までの四つの距離d1、d2、d3、d4を計算し、最短距離d2を選び、そのシンボルdに位置x−1、1を割当てる。また、硬判定プロセッサは選択ずみのシンボル位置x−1、1に対応する位相に等しい位相量Φだけ当初の信号座標p0を位相逆回転(逆回転)する。当初のシンボル座標p0は放棄する。
硬判定プロセッサ1251〜125nの位相出力Φは低域フィルタ1271〜127nに供給する。これら低域フィルタ1271〜127nは時間の経過とともに各信号成分の平均値を算定する。トラヒック信号相互間交差相関の平均値と雑音nの平均値はゼロである。したがって、時間の経過に伴う低域フィルタ1271〜127nの出力Qlpfnは次式で与えられる。
Olpfn=ψL (式18)
低域フィルタ1271〜127nの出力Qlpfnは処理手段1291〜129nに供給され、不要トラヒック信号符号強度Ψを抽出する。処理手段1291〜129nはフィルタ1271〜127nの出力QlpfnをLで除算することによりΦを推算する。
硬判定プロセッサ1251〜125nのもう一つの出力はデータdである。これは図6に示すとおり距離d1、d2、d3、d4の最小値に対応するデータ点dである。第3のミキサ1311〜131nは不要トラヒック信号強度Ψを各データ値dと混合する。
不要トラヒック信号拡散符号複素共役値発生器cdl〜cdnは複素共役値プロセッサ1351〜135nに結合され、不要トラヒック信号拡散符号cdl〜cdnを生じ、これら信号は第2のミキサ1331〜133nに入力され、所望トラヒック信号拡散符号複素共役値発生器ctの出力と混合される。この積は第2の加算/ダンププロセッサ1231〜123nに供給される。第2の加算/ダンププロセッサ1231〜123nの出力Osd2nはΣcdnctであり、可変増幅器1371〜137nに供給される。可変増幅器1371〜137nは、決定ずみの利得である第3のミキサ1311〜131nの出力に従って第3の加算/ダンププロセッサ1231〜123nの出力Osd2nを増幅する。
可変増幅器1371〜137nの出力1411〜141nは、所望トラヒック信号逆拡散器105の出力から可変増幅器1371〜137nの各々の出力を減算する加算器143に供給される。この出力Oは次式で与えられる。
O=βL+ψdΣcdct+Σnct−ψdΣcdct
(式19)
加算器143の出力O(また、不要トラヒック信号消去システム101の出力でもある)は受信信号rマイナス不要トラヒック信号に等しく、次のとおり簡略表示される。
O=βL+Σnct
(式20)
ここで、雑音nは受信信号から減算したトラヒック信号量に応じて変化する。
グローバルパイロット信号と不要トラヒック信号とを消去するもう一つの実施例145を図7に示す。前述のとおり、不要トラヒック信号消去システム101は所望トラヒック信号逆拡散器91と複数の不要トラヒック信号キャンセラー1151〜115nとを含む。このトラヒック信号消去システムは上述のパイロット信号消去システム61と並列に結合してあるが、所望トラヒック信号逆拡散器を備えていない。共通入力147をこれら両方のシステム101および61に接続し、これら両システム101および61からの出力OおよびOaddに共通の加算器149を接続してある。パイロット信号および不要トラヒック信号を所望のトラヒック信号から減算することによって、パイロット信号や複数の送信トラヒック信号による干渉のない出力151を生ずる。
以上、本発明の特定の実施形態を示して説明したが、当業者には本発明の原理や範囲を逸脱することなく多数の変更や修正が可能である。上述の説明は例示のためのものであって、特定の実施の態様に限定するものではない。
第3世代モバイル通信システムのシステム容量拡大および費用効率改善に利用できる。
従来技術のCDMA通信システムの単純化したブロック図。 B−CDMA通信システムの詳細なブロック図。 複素乗算器の詳細な構成図。 同相ビットストリームの図。 直交位相ビットストリームの図。 擬似雑音(pn)ビット系列のパイロット。 本発明によるグローバルパイロット信号消去システムのブロック図。 本発明による不要トラヒック信号消去システムのブロック図。 硬判定を示すQPSKコンステレーションに関する受信シンボルp0の図。 本発明によるパイロット信号消去システムおよび不要トラヒック信号消去システムの組合せのブロック図。
符号の説明
17 B−CDMA通信システム
19 送信機
21 受信機
23 シグナルプロセッサ
25 音声および非音声信号
27 前向き誤り訂正符合器
33x,33y シンボル
39 複素乗算器
43 搬送波
45a,45b 合成器
47 受信広帯域信号
49a,49b 復調器
55a,55b QPSK信号
53 フィルタ
56 複素乗算器
57x,57y データ信号
59 シグナルプロセッサ
61 パイロット信号消去システム
63 システム入力
65 パイロット信号逆拡散器
67,93,87 ミキサ
73 加算/ダンププロセッサ
75 低域フィルタ
91 トラヒック逆拡散器
93 所望トラヒック信号ミキサ
101 トラヒック信号逆拡散器
1151・・・115n 不要トラヒック信号キャンセラ
145 複素共役値発生器

Claims (5)

  1. 復号化の前にトラヒック信号から被選択信号を除去するように構成されたモバイルユーザ受信機において、
    前記モバイルユーザ受信機は、
    送信機から無線インタフェース経由で通信信号を受信するように構成された受信機入力を有する受信機を含み、
    前記受信機入力は、出力を有するトラヒック信号キャンセラであって、不要トラヒック信号を消去するように構成されたトラヒック信号キャンセラに供給されるとともに、グローバルパイロット信号を除去するように構成されたパイロット信号キャンセラに供給され、
    前記パイロット信号キャンセラは、
    前記受信機入力に接続され、加算出力を有するグローバルパイロット逆拡散器と、
    出力を有する所望トラヒック信号・グローバルパイロット信号間交差相関デバイスと
    を含み、
    前記グローバルパイロット逆拡散器の出力が出力を有するパイロット信号強度算定デバイスに接続され、
    前記パイロット信号強度算定デバイスの出力を前記交差相関デバイスの出力と乗算し、
    前記乗算の積が前記パイロット信号キャンセラの出力であり、
    前記パイロット信号キャンセラの前記出力は、前記トラヒック信号キャンセラの前記出力から減算して前記不要トラヒック信号および前記グローバルパイロット信号の影響を免れた受信機出力を生ずることを特徴とするモバイルユーザ受信機。
  2. 前記トラヒック信号キャンセラが、加算/ダンププロセッサに接続されて出力を生ずる所望トラヒック信号逆拡散器および不要トラヒック信号キャンセラを含み、
    前記不要トラヒック信号キャンセラが、
    前記受信機入力に接続した信号入力と、不要トラヒック信号符号発生器と、前記符号発生器の出力と前記受信機入力とを混合して不要トラヒック信号逆拡散器加算出力を生ずる第1のミキサとを有する不要トラヒック信号逆拡散器を含み、
    前記不要トラヒック信号逆拡散器加算出力を、位相出力およびデータ出力を有する硬判定プロセッサに接続し、
    前記硬判定プロセッサの前記位相出力を、出力を有する低域フィルタに接続し、
    前記低域フィルタの前記出力をプロセッサ、すなわち前記不要トラヒック信号と所望のトラヒック信号との交差相関の結果をフィルタ処理して前記不要トラヒック信号の強度を出力するプロセッサの入力に接続し、
    前記プロセッサの出力を前記硬判定プロセッサのデータ出力と乗算して、第1の乗算器が調節可能な増幅器に出力を供給し、
    前記不要トラヒック信号符号発生器の出力を、出力を有する複素共役値プロセッサの入力に接続し、
    前記複素共役値プロセッサの出力を前記所望のトラヒック信号符号の複素共役値と出力を有する第2のミキサで混合し、
    前記第2のミキサの出力を、出力を有する第1の加算/ダンププロセッサの入力に接続し、
    前記第1の加算/ダンププロセッサの出力を、前記乗算器の出力により制御可能な可変利得増幅器の入力に接続し、
    前記増幅器の出力を、それら増幅器の各々の出力を前記所望のトラヒック信号逆拡散器の加算出力から減算して前記トラヒック信号キャンセラの出力を生ずる加算器に接続したことを特徴とする請求項1に記載のモバイルユーザ受信機。
  3. 前記交差相関デバイスが、
    グローバルパイロット拡散用符号複素共役値符号発生器と、
    所望トラヒック信号複素共役値符号発生器と、
    前記グローバルパイロット拡散用符号と前記所望トラヒック信号複素共役値符号との間の交差相関をとる第3のミキサと、
    前記交差相関の結果を時間領域で加算する第2の加算/ダンププロセッサと
    を含む請求項に記載のモバイルユーザ受信機。
  4. 前記パイロット信号強度算定デバイスが、
    出力を有する低域フィルタと、
    前記低域フィルタの出力に接続され、前記グローバルパイロット信号強度を抽出し出力するプロセッサと
    をさらに含む請求項に記載のモバイルユーザ受信機。
  5. 復号化の前に所望のトラヒック信号からグローバルパイロット信号を除去するように構成されたグローバルパイロット信号キャンセラを有するモバイルユーザ受信機であって、
    前記モバイルユーザ受信機は、
    送信機から通信信号を受信するように構成された受信機入力と、受信機出力とを有する受信機を含み、
    各々が加算出力を有するグローバルパイロット信号逆拡散器および所望トラヒック信号逆拡散器に前記受信機入力が接続されており、
    所望トラヒック信号・グローバルパイロット信号交差相関デバイスをさらに含み、
    前記グローバルパイロット信号逆拡散器の出力を、出力を有する低域フィルタと、前記低域フィルタ出力に接続され前記グローバルパイロット信号強度を抽出し出力するプロセッサとを有するパイロット信号強度算定デバイスに接続し、
    前記パイロット信号強度算定デバイスの出力を前記交差相関デバイスの出力と乗算し、
    前記乗算の積を前記所望トラヒック信号逆拡散器の出力から減算して前記グローバルパイロット信号の影響を免れた前記所望のトラヒック信号を出力することを特徴とするモバイルユーザ受信機。
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