JP4285631B2 - キャップと軸筒体の嵌合構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、筆記具または塗布具用のキャップおよび軸筒体との嵌合構造に関するものである。
【0002】
【従来技術】
筆記具または塗布具用のキャップの機能としては、主にペン先の保護や衣服等への汚染防止が挙げられる。さらに、ペン先を機密に被覆する弾性体や中キャップ等をキャップ内に設けた、いわゆる2重構造のキャップ形態に関しては、前述の機能に加えて、筆記または塗布されるインク成分の揮発防止などの気密性確保の機能も挙げられる。
しかし、キャップを軸筒体に装着したときにぐらつく状態、または軸筒体に対してキャップが回転しやすい状態など、いわゆるキャップと軸筒体の嵌合が甘い状態においては、軸筒体からキャップが外れやすいため、前述した様なキャップの持つ機能は低下し、製品自体の質感低下にもつながる。
特に前記2重構造のキャップにおいては、ペン先を機密に被覆するために、キャップ装着時に前記弾性体や中キャップが弾性変形するように施されている。従って、キャップ装着時にはキャップ装着方向とは逆方向の反発力が発生するため、キャップ内に弾性体や中キャップを設けていないキャップに比較して、より嵌合が甘い状態になりやすく、キャップと軸筒体の嵌合構造における前記問題はより深刻になる。
【0003】
従来におけるキャップと軸筒体との嵌合構造には様々なものが提案されている。
従来技術による軸筒体とキャップの嵌合構造については、周方向全体に連続的に形成された凹部と、周方向全体に連続的な凸部または周方向の複数箇所に形成された係合部との組合せを、キャップと軸筒体に設けることにより、前記凹部と凸部、または凹部と係合部を組合せて嵌合させる凹凸嵌合構造や、また、周方向全体に連続的な凸部と、周方向全体に連続的な凸部または周方向に複数箇所に形成された係合部との組合せをキャップと軸筒体に設けることにより、各凸部同士または凸部と係合部同士を乗り越えさせて嵌合させる乗り越え嵌合構造などが知られている。
【0004】
しかし、上記従来技術においてキャップ装着時のぐらつきや回転を防止のために嵌合力を強めようとすると、凸部または係合部の高さを高くしなければならず、それにより、キャップと軸筒体の初期状態における嵌合力が増して実使用上において支障を来すと同時に、嵌合させたときに各嵌合部箇所にかかる剪断力が増すことにより、キャップの着脱を繰り返すに連れて、前記嵌合部箇所及びその付近の部分が材料的に疲労または摩耗してしまい、キャップ装着時のぐらつき感や回転が発生してしまったり、さらにはクラックが発生してしまうことで嵌合が甘くなってしまうという問題があり、キャップの樹脂材質の硬度が高かったり、延びの悪いものにおいては、なおさら前記問題が発生しやすかった。
キャップ内に、ペン先を気密に被覆するための弾性体や中キャップが設けられているキャップについては、キャップの装着方向とは逆方向の反発力が発生するため、前記弾性体や中キャップを装着していない場合に比較して、前述したような問題がより発生しやすくなるのである。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−278476号公報
【0006】
特開平10−278476号公報においては、書き出し性能の悪化やインキの飛び出しを防止するために、キャップ装着時の摺動距離を短くし、先端部の気密を確保するとともに、キャップと軸筒体が軸方向に対してまっすぐに挿入されるような、キャップと軸筒体の嵌合構造を提言している。
【0007】
当文献の構成の様に、キャップと軸筒体が嵌合する部分を2カ所独立して設ける手法においては、前述の効果と同時にキャップのぐらつき感や回転を防止する効果も生じるといえる。
しかし、当文献の構造においてはキャップと軸筒体が嵌合する部分を、キャップと軸筒体双方に各2カ所を完全に独立して設けているために、従来方法と比較して嵌合力が大きくなってしまい、実使用上のキャップ脱着において支障を来してしまうことが考えられる。
また、嵌合部が独立して2箇所に配置されることによりスペース的な制約が発生し、軸筒体先端部分及びキャップ内部の構造が一義的に決まってしまい、形状およびデザインの自由度が制限されてしまうという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、筆記具または塗布具におけるキャップと軸筒体の嵌合構造については、従来から用いられている凹凸嵌合構造や乗り越え嵌合構造においても、実使用上頻繁に行われるキャップの着脱の繰り返しにより、キャップおよび軸筒体における嵌合部箇所の材料的な疲労および摩耗により、初期の状態から嵌合力は徐々に低下してしまい、経時的に見て先に述べたキャップの機能を十分果たしているとは言いがたく、満足のいくものではなかった。
さらに、特許文献1のように、嵌合部箇所を2箇所完全に独立して設ける方法においては、経時的にもしっかりとした嵌合は得られるものの、形状的およびスペース的な制約が大きく、設計的にもデザイン的にも満足いくものを提供することは難しかった。
【0009】
そこで、本発明は、通常のキャップはもちろんのこと、キャップ内に弾性体や中キャップを設けているキャップにおいても、嵌合力を大きく変化させることがなく、キャップ着脱の繰り返しによる材料的な疲労やクラック発生を防止でき、さらにキャップのぐらつきや回転も有効に防止可能な嵌合構造を提供することを課題とするものである。さらに、従来からの形状的およびデザイン的な自由度を制約することなく、従来通りの前記自由度を保つことが可能な筆記具または塗布具のキャップと軸筒体との嵌合構造を提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以下に、上記課題を解決するための方法を具体的に記述する。
請求項1に記載の発明は、キャップと軸筒体から構成されて成る筆記具または塗布具であって、前記キャップ、あるいは、軸筒体のいずれか一方の部材の嵌合部の周方向全体に連続的な凸部を突設し、他方の部材の嵌合部には、該凸部を乗り越えて嵌合する第1の係合部および、凸部に当接する第2の係合部を設けることを特徴とする。
【0011】
仮に第2の係合部が存在しない場合、第1の係合部のみが凸部を乗り越えて嵌合することになる。この第1の係合部のみで嵌合力を増加させる手段としては、第1の係合部の高さを増加させる方法がある。しかし、高さを増加させてしまうと前述のとおり第1の係合部が摩耗しやすくなるため、キャップの着脱を繰り返すにつれて嵌合力が低下してしまうという問題がある。
そこで、本発明では第2の係合部を設け、この第2の係合部が、凸部に当接する構成とした。そして、この当接箇所でも、キャップと軸筒体との間で保持力が発生するようにした。よって、第1の係合部の高さを増加させないでも、第2の係合部により保持力を高めることが可能となる。
その結果、従来のキャップと軸筒体との嵌合構造よりも、凸部の摩耗などによる嵌合力の低下を抑えつつ、キャップのぐらつきや回転を防止でき、さらに、嵌合部の材料的な疲労や、クラックの発生を低減することができる。
更に、第1及び第2の係合部を、同一の凸部に嵌合及び当接させた。このため、第1の凸部に嵌合する第1の係合部、第2の凸部に嵌合する第2の係合部のように、凸部を複数設けたもの(特許文献1参照)と比較して、凸部の数を減らすことができるため、形状的及びデザイン的な自由度を確保することができる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のキャップと軸筒体の嵌合構造を限定するものであって、第1の係合部と該第2の係合部が周方向にお互い位相をずらした状態で設けられたことを特徴とする。
【0013】
このように前記第1の係合部と第2の係合部を周方向にお互い位相をずらして配置することで、寸法的に薄肉であるキャップにおいて、キャップ装着時に発生するキャップ側の凸部あるいは係合部部分にかかる応力が分散されるために、前記請求項1の説明で挙げた本発明の効果をさらに安定的に施すことが可能になる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のキャップと軸筒体の嵌合構造を限定するものであって、第2の係合部の先端形状を曲面としたことを特徴とする。
【0015】
これにより、一方の部材に設けられた周方向に連続的な凸部と、他方部材に設けられた第2の係合部との接触面積は最小限になるため、本発明のように係合部を増やした場合においても、キャップ装着時に手に伝わる装着感を明瞭にすることが可能となり、キャップ装着感が不明瞭であることで発生する不完全なキャップ装着状態によってキャップの機能が低下してしまう現象を防ぐことができる。
【0016】
請求項4記載の発明は、筆記具または塗布具の軸筒体の先端部を気密に被覆するための弾性体をキャップの内側に備えたキャップにおいて、請求項1乃至3いずれかの項に記載のキャップと軸筒体の嵌合構造を、キャップと軸筒体に形成することを特徴とする。
【0017】
一般に、筆記または塗布されるインク成分の揮発防止などのために、ペン先を機密に被覆する弾性体をキャップ内に設けた構造をとると、キャップの装着方向とは逆方向の反発力が発生する。これにより、キャップが浮き気味になり、キャップ内に前記弾性体が無い場合よりも嵌合における条件が悪くなり、キャップのぐらつきや回転は発生しやすく嵌合が甘い状態になってキャップの機能低下が起こりやすくなるが、本発明のキャップと軸筒体の嵌合構造を用いることにより経時的にも安定した嵌合力が得られ維持されるため、本請求項における構造のキャップにおいても、前記請求項1の発明の説明で挙げた効果を得ることが可能になる。
【0018】
請求項5記載の発明は、筆記具または塗布具の軸筒体の先端部を気密に被覆するための中キャップをキャップの内側に備えたキャップにおいて、請求項1乃至3いずれかの項に記載のキャップと軸筒体の嵌合構造を、キャップと軸筒体に形成することを特徴とする。
【0019】
中キャップには、スプリング等を用いて決められたストローク内で移動可能なタイプとキャップ内に固定されるタイプがあるが、中キャップの機能としては、筆記または塗布されるインク成分の揮発防止などのために軸筒体の先端部を気密に被覆することであるため、気密性を高めるために、双方のタイプにおいて、キャップ内に弾性体を設けた場合と同じように、キャップを装着する方向とは反対方向の反発力が必ず働く。しかし、本発明のキャップと軸筒体の嵌合構造を用いることにより経時的にも安定した嵌合力が得られ維持されるため、本請求項における構造のキャップにおいても、前記請求項1の発明の説明で挙げた効果を得ることが可能になる。
【0020】
【発明実施の形態】
(実施形態1)
以下、図に基づき本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態1に係わるキャップ付き筆記具の軸筒体(1)を示した図である。図1に示すように、筆記具では、軸筒体(1)の長手方向端部に筆記チップ(10)を有しており、軸筒体(1)先端部には筆記具不使用時に筆記チップ(10)の保護または衣服等への汚染防止のために軸筒体(1)先端部を覆うキャップ(2)(図2参照)を着脱可能に設けられる構造となっている。
図1においては、筆記ボールを抱持する筆記チップ(10)が先端に設けられ、該筆記チップ(10)はインク逆流防止機構を備えた接合部材(11)により、グリップ部(12a)とインク収容部(12c)を一体に形成した軸筒(12)と連結されており、該軸筒(12)の中には剪断減粘性を有したインク(13)とその反筆記チップ側にインク(13)の逆流を防止するフォロワー(14)が設けられ、前記軸筒(12)のグリップ部(12a)より前方には周方向に連続的な凸部(12d)を有しており、さらに前記軸筒(12)のグリップ部(12a)より後方には、軸筒(12)のインク収容部(12c)を覆うように後軸(15)が軸筒(12)に接合されている。
【0021】
このように、図1においてはインク(13)が軸筒(12)内に直接的に収容された、いわゆる使い捨て式の筆記具の構成を示しているが、本発明はキャップと軸筒体の嵌合構造に関するものであるため、使い捨て式や換え芯式などの筆記具の形態、または、油性インクや水性インクなどのインクの種類などに制限されることはなく、キャップを有する筆記具の全てにおいて実施することが可能である。
また、本発明の嵌合構造で用いる凸部および第1の係合部と第2の係合部は、一対の組合せで用いられておれば良く、例えば、軸筒体側に凸部が設けられていても良いし、また、第1の係合部と第2の係合部が設けられていても良い。
【0022】
図2は、本発明の実施形態1に係るクリップ付きのキャップ(2)の縦断面図であり、図1で示した筆記具の軸筒体(1)に装着することができる。
図2に示すように、本発明の実施形態1に係わるクリップ付きのキャップ(2)においては、樹脂により成形され、キャップ(2)の先端部が閉鎖して後端部が開口し全体が長い概略カップ形状をしており、キャップ(2)を装着した状態において前記軸筒体(1)のグリップ部(12a)まで覆うように形成されている。
キャップ(2)先端部内面には、キャップ(2)の内方に突出しキャップ(2)軸線方向に延伸している複数のリブ(21)が段部を有して設けられており、筆記チップ(10)の先端付近を気密に被覆するための弾性体(22)が該段部に挿入および固定され保持されている。
前記弾性体(22)よりも後方には、第2の係合部(24)が設けられ、さらに該第2の係合部(24)の後方に第1の係合部(23)が設けられている。前記第1の係合部(23)と第2の係合部(24)はキャップ(2)内壁面円周上に各4箇所設けられ、それぞれは45°位相をずらして90°間隔に配置されている。
前記第1の係合部(23)および第2の係合部(24)のさらに後方には、軸筒体(1)がキャップ(2)に過挿入されることを防止するための軸筒係止部(25)が設けられており、軸筒(12)のグリップ部先端(12b)に当接するように施されている。
【0023】
実施形態1のように、キャップ(2)内にペン先をさらに被覆する弾性体(22)を設けたキャップ(2)においても、本発明のキャップと軸筒体の嵌合構造を用いることにより、キャップ(2)内に設けた第1の係合部(23)が軸筒体(1)の凸部(12d)を乗り越えて嵌合することにより、双方の部材を連結すると同時に、キャップ(2)内の第2の係合部(24)が軸筒体(1)の凸部(12d)に当接することで、軸筒体(1)がキャップ(2)をしっかりと保持し、経時的にもキャップ(2)の機能を持続することができる。
なお、第2の係合部を凸部(12d)の最大径部に当接させることにより、さらに安定した保持力を得ることができ、キャップにより得られる機能を持続させることができる。
さらに、図2においてはキャップ(2)装着時に軸筒体(1)のグリップ部(12a)まで覆うクリップ付きのキャップ(2)を提示しているが、キャップ(2)にクリップが無い場合や軸筒体(1)のグリップ部(12a)を覆わない形態のキャップにおいても、本発明における嵌合構造が設けられておれば、本発明の実施は可能である。
また、キャップ(2)の材質は、樹脂であれば特に制限はされないが、樹脂の中でもPET(ポリエチレンテレフタレート)が好ましい。
【0024】
(実施形態2)
図3は本発明の実施形態2に係わるキャップ付き塗布具の軸筒体(1)を示した図である。図3に示すように、塗布具においても、軸筒体(1)の長手方向端部にペン芯(16)を有しており、ペン芯(16)には塗布具不使用時にインク(13)の乾燥等を防ぐために軸筒体(1)先端部を覆うキャップ(2)(図4参照)を着脱可能に設けられる構造となっている。
図3においては、樹脂または繊維束芯で形成されたペン芯(16)を先端に設け、該ペン芯(16)は、複数配置された板状の羽間の間隙(保留溝)にインクタンク(18)から毛細管現象でインク(13)が出入りできるようにした調節体であるインク保留体(17)の先端に保持されており、該インク保留体(17)が軸筒(12)の開口端部に嵌入されることにより、該インク保留体(17)との後方にインクタンク(18)が形成され、該インクタンク(18)には水性インク(13)が貯留してあり、前記インク保留体(17)の略中心に連通した中心孔には前記インクタンク(18)内のインク(13)をペン芯(16)に誘導するためのインク誘導芯(19)が設けられ、さらには、該インク保留体(17)は前記軸筒体(1)から抜け落ちぬよう、該インク保留体(17)とインクタンク(18)の先端部が筒状のカバー体(20)により止着されている。
さらには、前記軸筒(12)の先端部に周方向に連続的な凸部(12d)を有している。
【0025】
本発明はキャップと軸筒体の嵌合構造に関するものであるため、本発明の実施形態1と同様に、塗布具のインク保持の形態、または、インクの種類などに制限されることはなく、キャップを有する塗布具の全てにおいて実施することが可能である。
また、本発明の嵌合構造で用いる凸部および第1の係合部と第2の係合部は、一対の組合せで用いられておれば良く、例えば、軸筒体側に凸部が設けられても良いし、また、第1の係合部と第2の係合部が設けられても良い。
【0026】
図4は、本発明の実施形態2に係わるクリップ付きのキャップ(2)の縦断面図であり、図3で示した塗布具の軸筒体(1)に装着することが可能になっている。
図4に示すように、本発明の実施形態2に係わるクリップ付きのキャップ(2)においては、樹脂により形成され、キャップ(2)の先端部が閉鎖して後端部が開口し全体が長い概略カップ形状をしており、キャップ(2)を装着した状態において前記軸筒体(1)のグリップ部(12a)まで覆うように形成されている。
キャップ(2)先端部内面には、ペン先付近を気密に被覆するための中キャップ(26)がキャップ(2)先端内側に止着された弾発体(27)を介して、キャップ(2)開口端部より飛び出さないよう、キャップ(2)内面の周上に複数設けられた中キャップ係止部(28)によって保持され、キャップ(2)軸線方向に決められたストロークを移動自在になるよう設けられている。
前記中キャップ(26)後方には、図2で示した本発明の実施形態1における筆記具用キャップ(2)と同様に、第2の係合部(24)が設けられ、さらに該第2の係合部(24)の後方に第1の係合部(23)が設けられ、さらに前記第1の係合部(23)と第2の係合部(24)はキャップ(2)内壁面円周上に各4箇所設けられ、それぞれは45°位相をずらして90°間隔に配置されている。
【0027】
実施形態2のように、キャップ(2)内にペン先をさらに被覆する中キャップ(26)を設けたキャップ(2)においても、本発明のキャップと軸筒体の嵌合構造を用いることにより、キャップ(2)内に設けた第1の係合部(23)が軸筒体(1)の凸部(12d)を乗り越えて嵌合することにより、双方の部材を連結すると同時に、キャップ(2)内の第2の係合部(24)が軸筒体(1)の凸部(12d)に当接することで、軸筒体(1)がキャップ(2)をしっかりと保持し、経時的にもキャップ(2)の機能を持続することができる。なお、第2の係合部(24)を凸部(12d)の最大径部に当接させることにより、さらに安定した保持力を得ることができ、キャップにより得られる機能を持続させることができる。
さらに、図4においてはキャップ(2)装着時に軸筒体(1)のグリップ部(12a)まで覆うクリップ付きのキャップ(2)を提示しているが、キャップ(2)にクリップが無い場合や軸筒体(1)のグリップ部(12a)を覆わない形態のキャップ(2)においても、本発明における嵌合形状が設けられておれば、本発明の実施は可能である。また、キャップ(2)の材質は、樹脂であれば特に制限はされないが、樹脂の中でもPET(ポリエチレンテレフタレート)が好ましい。
【0028】
図5は、実施形態1および実施形態2における筆記具および塗布具のキャップ(2)を軸筒体(1)に装着した時の、キャップ(2)内に設けた第1の係合部(23)と前記軸筒体(1)の凸部(12d)との嵌合状態を示している。図5上方がキャップ(2)後端側になり、下方がペン先側となる。
図5に示す様に、キャップ(2)を軸筒体(1)に装着した状態においては、前記キャップ(2)内に設けられた第1の係合部(23)は前記軸筒体(1)側の凸部(12d)を乗り越えることによって嵌合している。
【0029】
図6は、実施形態1および実施形態2における筆記具および塗布具のキャップ(2)を軸筒体(1)に装着した時の、キャップ(2)内に設けた第2の係合部(24)と前記軸筒体(1)の凸部(12d)との当接状態を示している。図6上方がキャップ(2)後端側になり、下方がペン先側となる。
図6に示す様に、キャップ(2)を軸筒体(1)に装着した状態においては、前記第2の係合部(24)は前記軸筒体(1)側の凸部(12d)に当接している。
【0030】
図6においては、第2の係合部(24)の先端形状は曲面に形成されているが、そうすることにより軸筒体(1)側の凸部(12d)の最大径部との接触面積は最小限になるため、本発明のように係合部を増やした場合においても、キャップ装着時に手に伝わる装着感を明瞭にすることが可能となり、キャップ装着感が不明瞭であることで発生する不完全なキャップ装着状態によってキャップの機能が低下してしまう現象を防ぐことができる。なお、前記第2の係合部が平面形状等であっても本発明の効果を十分に得ることが可能になる。
【0031】
また、キャップ(2)の嵌合部に設けられた第1の係合部(23)が軸筒体の凸部(12d)を乗り越えて嵌合することにより、双方の部材を連結すると同時に、キャップ(2)嵌合部の第2の係合部(24)を軸筒体(1)の凸部(12d)に当接させることで、従来においての連結という意味の嵌合構造に保持や回転防止という機能を付加することが可能になるため、キャップ(2)のぐらつき感等を防止できる。また、第1の係合部(23)と第2の係合部(24)の位相をずらした状態で配置することにより、キャップ(2)装着時に肉厚が薄肉であるキャップ(2)にかかる応力を分散することが可能になり、キャップ(2)着脱の繰り返しによって材料的に摩耗および疲労することで発生するキャップ(2)のぐらつき感等を防止することが可能になるのである。さらに、第1の係合部(23)と第2の係合部(24)を複数箇所に設けたり、等角度で等配したり、また双方を同数設けることにより、キャップ(2)装着時にキャップ(2)にかかる応力をさらに効率的に分散均一化することができるため、上記効果はより有効になる。
【0032】
【発明の効果】
本発明における筆記具および塗布具のキャップと軸筒体との嵌合構造においては、通常のキャップはもちろんのこと、キャップ内に弾性体や中キャップを設けているキャップにおいても、嵌合力を大きく変化させることがなく、キャップ着脱の繰り返しによる材料的な疲労やクラック発生を防止でき、さらにキャップのぐらつきや回転も有効に防止可能な嵌合構造を提供することが可能となる。さらに、従来からの形状的およびデザイン的な自由度を制約することなく、従来通りの前記自由度を保つことを可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に用いられる軸筒体の縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に用いられるキャップの縦断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に用いられる軸筒体の縦断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に用いられるキャップの縦断面図である。
【図5】本発明の実施形態の嵌合状態における第1の係合部付近を示した要部縦断面図である。
【図6】本発明の実施形態の嵌合状態における第2の係合部付近を示した要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 軸筒体
2 キャップ
10 筆記チップ
11 接合部材
12 軸筒
12a グリップ部
12b グリップ先端
12c インク収容部
12d 凸部
13 インク
14 フォロワー
15 後軸
16 ペン芯
17 インク保留体
18 インクタンク
19 インク誘導芯
20 カバー体
21 リブ
22 弾性体
23 第1の係合部
24 第2の係合部
25 軸筒係止部
26 中キャップ
27 弾発体
28 中キャップ係止部

Claims (3)

  1. キャップと軸筒体から構成されて成る筆記具または塗布具であって、
    前記キャップ、あるいは、軸筒体のいずれか一方の部材の嵌合部の周方向に連続的な凸部を突設し、他方の部材の嵌合部には、前記凸部を乗り越えて嵌合する第1の係合部および、前記凸部の最大径部と頂点が当接する第2の係合部を設けることを特徴とし、
    前記第1の係合部と前記第2の係合部は、周方向にお互い位相をずらした状態で設けられ、
    前記第1の係合部及び前記第2の係合部のさらに後方に軸筒体がキャップに過挿入を防止するための軸筒係止部が設けられており、軸筒のグリップ先端に当接するように構成されたことを特徴とするキャップと軸筒体の嵌合構造。
  2. 筆記具または塗布具の軸筒体の先端部を気密に被覆するための弾性体をキャップの内側に備えてなる請求項1に記載のキャップと軸筒体の嵌合構造。
  3. 筆記具または塗布具の軸筒体の先端部を気密に被覆するための中キャップをキャップの内側に備えてなる請求項1または請求項に記載のキャップと軸筒体の嵌合構造。
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