JP2023094086A - 摩擦具及び摩擦具の製造方法 - Google Patents

摩擦具及び摩擦具の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】摩擦体と筒体との円滑な挿入組立が得られ、且つ、摩擦体と筒体との組立時に摩擦体の外面が損傷することを抑えることができる摩擦具を提供する。【解決手段】摩擦具1は、ゴム弾性材料からなる摩擦体3と、摩擦体3が前端部に取り付けられる筒体2とを備える。筒体2の前端部が、軸方向前方に開口され且つ径方向に貫設される複数のスリット21と、径方向の可撓性を有する複数の支持片部22と、各々の支持片部22の内面に形成される係合凸部23と、を備える。摩擦体3が、前部31と、後部32と、前部31と後部32との間の外面に形成される係合凹部33とを備える。摩擦体3が筒体2に前端部に取り付けられた状態において、前部31が支持片部22の前端より前方に突出され、係合凸部23が係合凹部33に係合され、後部32が筒体2の係合凸部23より後方の支持片部22の内方に配置されてなる。【選択図】 図1

Description

本発明は、摩擦具及び摩擦具の製造方法に関する。詳細には、熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能なゴム弾性材料からなる摩擦体と、前記摩擦体が前端部に取り付けられる筒体とを備えた摩擦具及び摩擦具の製造方法に関する。
特許文献1には、摩擦体が、前側膨出部(本願の摩擦体の後部に相当)と、該前側膨出部の後方に連設される係合凹部と、該係合凹部の後方に連設される後側膨出部(本願の摩擦体の前部に相当)とからなり、軸筒の後端開口部内面に係合凸部を形成し、摩擦体の係合凹部と軸筒の係合凸部とを係合させ、後側膨出部を軸筒の後端開口部より後方に突出させる構成が記載されている。
特開2011-79206号公報
前記特許文献1の構成において、軸筒の係合凸部を摩擦体の係合凹部に係合させる過程で、摩擦体を径方向内方に大きく弾性変形させるため、摩擦体と軸筒との円滑な挿入組立が得られないおそれがある。また、前記特許文献1の構成において、軸筒の係合凸部を摩擦体の係合凹部に係合させる過程で、摩擦体の外面が係合凸部に引っかかり、摩擦体の外面を損傷させるおそれがある。
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、摩擦体と筒体との円滑な挿入組立が得られ、且つ、摩擦体と筒体との組立時に摩擦体の外面が損傷することを抑えることができる摩擦具を提供しようとするものである。本発明で、「前」とは、摩擦体において摩擦部側を指し、筒体において摩擦体の取り付け側を指し、「後」とはその反対側を指す。
本発明は、熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能なゴム弾性材料からなる摩擦体と、前記摩擦体が前端部に取り付けられる筒体と、を備えた摩擦具であって、前記筒体の前端部が、軸方向前方に開口され且つ径方向に貫設される複数のスリットと、前記各々のスリットの間に形成され、径方向の可撓性を有する複数の支持片部と、前記各々の支持片部の内面に形成される係合凸部と、を備え、前記摩擦体が、前部と、前記前部より後方に形成される後部と、前記前部と前記後部との間の外面に形成される係合凹部と、を備え、前記摩擦体が前記筒体に前端部に取り付けられた状態において、前記摩擦体の前部が前記各々の支持片部の前端より前方に突出され、前記各々の係合凸部が前記係合凹部に係合され、前記摩擦体の後部が前記各々の係合凸部より後方の支持片部の内方に配置されることを特徴とする。
本発明の摩擦体は、前記構成により、摩擦体と筒体との円滑な挿入組立が得られ、且つ、摩擦体と筒体との組立時に摩擦体の外面が損傷することを抑えることができる。
本発明は、前記摩擦具において、前記摩擦体の係合凹部の前端外縁部の外径が、前記摩擦体の係合凹部の後端外縁部の外径より小さく設定されることが好ましい。この構成により、本発明の摩擦具は、摩擦部の前部を筒体の係合凸部の後方からに前方に挿入し、係合凸部と係合凹部とを係合させる際、摩擦体の前部の大きな弾性変形を抑え、より一層、摩擦体と筒体との円滑な挿入組立が得られるとともに摩擦体と筒体との組立時に摩擦体の前部外面が損傷することを抑えることができる。
本発明は、前記摩擦具において、前記各々の係合凸部の後部の径方向内面に、後方に向かうに従い径方向外方に進む傾斜面を備えることが好ましい。この構成により、本発明の摩擦具は、摩擦部の前部を筒体の係合凸部の後方からに前方に挿入し、係合凸部と係合凹部とを係合させる際、摩擦体の前部と係合凸部との引っ掛かりを抑え、より一層、摩擦体と筒体との円滑な挿入組立が得られ且つ摩擦体と筒体との組立時に摩擦体の前部外面が損傷することを抑えることができる。
本発明は、前記摩擦具において、前記各々支持片部の前端部に、前記係合凸部より前方に突出する前端壁部が一体に形成され、前記摩擦体が前記筒体の前端部に取り付けられた状態において、前記各々前端壁部が前記摩擦体の前部の後端部外面を包囲することが好ましい。この構成により、本発明の摩擦具は、摩擦操作時、筒体に対する摩擦体の径方向のがたつきを抑え、安定した摩擦操作が可能となるとともに、係合凸部と係合凹部との強固な係合状態が維持される。
本発明は、前記摩擦具において、前記各々係合凸部の後面に後方に突出し且つ周方向に延びる後方突出部が一体に形成され、前記摩擦体の後部の前面に環状凹溝が形成され、前記摩擦体が前記筒体の前端部に取り付けられた状態において、前記各々後方突出部が前記環状凹溝に係合されることが好ましい。この構成により、本発明の摩擦具は、摩擦操作時、筒体に対する摩擦体の径方向のがたつきを抑え、安定した摩擦操作が可能となるとともに、係合凸部と係合凹部との強固な係合状態が維持される。
本発明は、前記摩擦具において、前記摩擦体が前記筒体の前端部に取り付けられた状態において、前記筒体の前端部の支持片部及びスリットが外部に露出され、摩擦操作時、前記支持片部及び前記スリットを把持可能に構成されることが好ましい。この構成により、本発明の摩擦具は、摩擦操作時に、スリットによって周方向の滑り止めがなされ、支持片部の外面を安定して把持できる。
本発明は、熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能なゴム弾性材料からなる摩擦体と、前記摩擦体が前端部に取り付けられる筒体と、を備えた摩擦具の製造方法であって、前記筒体の前端部が、軸方向前方に開口され且つ径方向に貫設される複数のスリットと、前記各々のスリットの間に形成され、径方向の可撓性を有する複数の支持片部と、前記各々の支持片部の内面に形成される係合凸部と、を備え、前記摩擦体が、前部と、前記前部より後方に形成される後部と、前記前部と前記後部との間の外面に形成される係合凹部と、前端が閉鎖され且つ後端が開口される内孔と、を備え、押し棒の前端部を前記摩擦体の内孔に挿入し、前記内孔の底壁部に前記押し棒の前端部を当接させ、その状態の前記押し棒の前端部を前記筒体の内部に後方から挿入し、前記摩擦体の内孔の底壁部を前記押し棒の前端部が前方に押圧することによって、前記摩擦体の前部を前記筒体の係合凸部より前方に移動させ、前記摩擦体の係合凹部と前記筒体の係合凸部とを係合させることを特徴とする。本発明の摩擦具の製造方法によれば、摩擦体と筒体との円滑な挿入組立ができるとともに、摩擦体と筒体との組立時に摩擦体の外面が損傷することを抑えることができる。
本発明の摩擦具は、摩擦体と筒体との円滑な挿入組立が得られ、且つ、摩擦体と筒体との組立時に摩擦体の外面の損傷を抑えることができる。
本発明の摩擦具の製造方法によれば、摩擦体と筒体との円滑な挿入組立ができるとともに、摩擦体と筒体との組立時に摩擦体の外面が損傷することを抑えることができる。
本発明摩擦具の第1の実施の形態の要部縦断面図である。 (a)が図1のA1-A1線断面図であり、(b)が図1のA2-A2線断面図である。 図1の摩擦体と筒体とを分離した状態の要部縦断面図である。 図1の摩擦具の組立過程を示す要部縦断面図である。 図1の摩擦具の要部斜視図である。 本発明摩擦具の第2の実施の形態の要部縦断面図である。 (a)が図6のB1-B1線断面図であり、(b)が図6のB2-B2線断面図である。 図6の摩擦体と筒体とを分離した状態の要部縦断面図である。 図6の摩擦具の組立過程を示す要部縦断面図である。 図6の摩擦具の要部斜視図である。 本発明摩擦具の第3の実施の形態の要部縦断面図である。 (a)が図11のC1-C1線断面図であり、(b)が図11のC2-C2線断面図である。 図11の摩擦体と筒体とを分離した状態の要部縦断面図である。 図11の摩擦具の組立過程を示す要部縦断面図である。 図11の摩擦具の要部斜視図である。 本発明摩擦具の第4の実施の形態の要部縦断面図である。 (a)が図16のD1-D1線断面図であり、(b)が図16のD2-D2線断面図である。 図16の摩擦体と筒体とを分離した状態の要部縦断面図である。 図16の摩擦具の組立過程を示す要部縦断面図である。 図16の摩擦具の要部斜視図である。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態を図1乃至図5に示す。
摩擦具1は、筒体2と、該筒体2の前端部に取り付けられる摩擦体3と、を備える。
・筒体
筒体2は、両端が開口された円筒体であり、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト、ポリプロピレン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂)の射出成形により得られる。
筒体2は、例えば、内部に熱変色性インキが収容され且つ該インキが吐出可能なペン先を備えた熱変色性筆記具の軸筒、前記軸筒のペン先側に着脱自在に装着されるキャップ、または内部に熱変色性インキが収容されず摩擦体3を保持する摩擦体保持筒などが挙げられる。尚、本発明で、熱変色性インキは、可逆熱変色性インキが好ましい。可逆熱変色性インキは、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態又は消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、又は、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独又は併用して構成することができる。
・スリット
筒体2の前端部には、複数(例えば4本)の軸方向に延びるスリット21(切り欠き)が形成される。各々のスリット21は、軸方向前方に開放され且つ径方向に貫通される。各々のスリット21の後端は閉鎖される。筒体2の前端部の各々のスリット21の間に、複数(例えば4本)の軸方向に延びる支持片部22が形成される。各々の支持片部22は、筒体2の前端部に一体に形成される。各々の支持片部22は径方向の可撓性を有する。
・支持片部
各々の支持片部22の前端部内面には、係合凸部23が一体に形成される。係合凸部23は、各々の支持片部22の前端部内面に円周状に形成される。各々の係合凸部23の前面は軸線に対して垂直な平面からなる。各々の係合凸部23の後面は軸線に対して垂直な平面からなる。各々の係合凸部23の後部の径方向内面には傾斜面231が形成される。各々の傾斜面231は、後方に向かうに従い径方向外方に進む形状を有する。
・摩擦体
摩擦体3は、先細円筒状の前部31と、前部31の後端より後方に一体に連設される直円筒状の縮径部34と、該縮径部34の後端より後方に一体に連設される直円筒状の後部32とを備える。前部31の後端面と、縮径部34の外面と、後部32の前端面とにより連続した環状の係合凹部33が形成される。摩擦体3の外面の係合凹部33の前端外縁部331の外径が、係合凹部33の後端外縁部332の外径より小さく設定される。摩擦体3は、軸方向に延びる内孔35が形成される。内孔35は、後端が開口し且つ前端が閉鎖された形状を有する。尚、係合凹部33は、複数個が周状に分散された非連続状に形成されてもよい。
摩擦体3は、ゴム弾性材料から形成される。ゴム弾性材料としては、ゴム弾性を有する合成樹脂(ゴム、エラストマー)が挙げられ、例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体)、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。本発明の摩擦体3は、熱可塑性エラストマー(例えば、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー)の射出成形により得ることが好ましい。前記ゴム弾性材料は、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)からなるものよりも、摩擦時に摩耗屑が殆ど生じない低摩耗性の弾性材料からなることが好ましい。
摩擦体3の前部31の頂部(前端部)外面は凸曲面状に形成される。摩擦体3の前部31の凸曲面状の頂部(前端部)が、摩擦操作時に熱変色性の筆跡または像を摩擦するための摩擦部311となる。前部31の凸曲面状の頂部の後方の外面には、前方に向かうに従い外径が小さくなる傾斜面312が形成される。摩擦体3の前部31の後端部に後向き段部313が形成される。後向き段部313が係合凹部33の前側内面を構成する。摩擦体3の後部32の前端部に前向き段部321が形成される。前向き段部321が、係合凹部33の後側内面を構成する。係合凹部33の前端外縁部331の外径は、係合凹部33の後端外縁部332の外径より小さく設定される。即ち、前部31の後向き段部313の最大外径は、後部32の前向き段部321の最大外径より小さく設定される。
・取り付け状態
摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、後向き段部313(係合凹部33の前側内面)と各々の係合凸部23の前面(筒体2の前端面)とが係止される。後向き段部313は、軸線に対して垂直な平面からなる。
摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、前向き段部321(係合凹部33の後側内面)と係合凸部23の後面とが係止される。前向き段部321は、軸線に対して垂直な平面からなる。
係合凹部33の前端外縁部331の外径は、係合凸部23の前端部の内径より大きく設定される。それにより、前部31の後向き段部313と係合凸部23の前面とが確実に係止される。
係合凹部33の後端外縁部332の外径は、係合凸部23の後端部(即ち傾斜面231の後端)の内径より大きく設定される。それにより、後部32の前向き段部321と係合凸部23の後面とが確実に係止される。
摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、摩擦体3の前部31が筒体3の前端(各々の係合片部22の前端)より前方に突出される。摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、摩擦体3の後部32が各々の係合凸部23より後方の支持片部22の内方に配置される。
係合凸部23より後方の支持片部22の内径は、摩擦体3の後部32の外径と略等しく設定される。それにより、摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、支持片部22の内面が摩擦体3の後部32をがたつきなく安定して支持できる。
尚、支持片部22の内径(または係合凸部23の内径)は、軸心対称位置に支持片部22(または係合凸部23)が設けられる場合、対向する支持片部22(または係合凸部23)間の径方向内面の径方向の距離であるが、軸心対称位置以外に支持片部22が設けられる場合、筒体2の軸心と支持片部22(または係合凸部23)の径方向内面との距離(半径)の2倍によって特定される。
・組立工程
摩擦体3の内孔35に押し棒4の前端部を挿入し、押し棒4の前端部を内孔35の底壁部351に当接させる。摩擦体3が装着された状態の押し棒4の前端部を、筒体2の後方より筒体2の内部に挿入し、筒体2に対して押し棒4を前方に移動させる。その後、摩擦体3の前部31が係合凸部23を乗り越え、係合凹部33と係合凸部23とが係合される。このとき、摩擦体3の前部31の後向き段部313と係合凸部23の前面とが係止されるとともに、摩擦体3の後部32の前向き段部321と係合凸部23の後面とが係止される。それにより、摩擦体使用時、摩擦体3の筒体2内に埋没することを防止できるとともに、摩擦体3が筒体2の前方から脱落することを防止できる。特に、押し棒4の前端部が摩擦体3の係合凹部33よりも前方の内孔35の底壁部351を前方に押圧することにより、係合凹部33と係合凸部23の係合過程で、摩擦体3の前部31が係合凸部23に引っかかることを抑えることができ、一層、円滑な組立が可能となる。本実施の形態の摩擦具1は、各々の支持片部22が径方向の可撓性を有するため、摩擦体3の前部31が係合凸部23を乗り越える際、各々の支持片部22が径方向外方に容易に一時的に弾性変形される。摩擦体3の前部31が係合凸部23を乗り越えた後、各々の支持片部22が径方向内方に即座に弾性変形され、係合凸部23と係合凹部33との係合が完了する。
押し棒4は、円柱状の棒状体であり、小径部41と、該小径部41の後方に段部を介して形成され且つ該小径部41より大きい外径を有する大径部42と、を備える。小径部41は、摩擦体3の内孔35に挿入される。小径部41の前端部は、凸曲面状に形成され、それにより、小径部41を内孔35内に円滑に挿入することができる。小径部41の前端部が摩擦体3の底壁部351に当接された状態において、摩擦体3の後端が小径部41と大径部42との間の段部に非当接状態に設定され、それにより、摩擦体3の底壁部351と押し棒4の前端部とが確実に当接され、摩擦体3の前部31(底壁部351)が押し棒4によって確実に前方に押圧される。
本実施の形態の摩擦具1は、熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能なゴム弾性材料からなる摩擦体3と、前記摩擦体3が前端部に取り付けられる筒体2と、を備えた摩擦具であって、前記筒体2の前端部が、軸方向前方に開口され且つ径方向に貫設される複数のスリット21と、前記各々のスリット21の間に形成され、径方向の可撓性を有する複数の支持片部22と、前記各々の支持片部22の内面に形成される係合凸部23と、を備え、前記摩擦体3が、前部31と、前記前部31より後方に形成される後部32と、前記前部31と前記後部32との間の外面に形成される係合凹部33と、を備え、前記摩擦体3が前記筒体2に前端部に取り付けられた状態において、前記摩擦体3の前部31が前記各々の支持片部22の前端より前方に突出され、前記各々の係合凸部23が前記係合凹部33に係合され、前記摩擦体3の後部32が前記各々の係合凸部23より後方の支持片部の内方に配置されてなる。本実施の形態の摩擦具1は、前記構成により、摩擦体3と筒体2との円滑な挿入組立が得られ、且つ、摩擦体3と筒体2との組立時に摩擦体3の外面が損傷することを抑えることができる。尚、本実施の形態では、摩擦体3を筒体2の後方より前方に挿入する構成が採用されるが、摩擦体3を筒体2の前方より後方に挿入する構成であってもよい。
本実施の形態の摩擦具1は、前記摩擦具において、前記摩擦体3の係合凹部33の前端外縁部331の外径が、前記摩擦体3の係合凹部33の後端外縁部332の外径より小さく設定される。この構成により、本実施に形態の摩擦具1は、摩擦部311の前部31を筒体2の係合凸部23の後方からに前方に挿入し、係合凸部23と係合凹部33とを係合させる際、摩擦体3の前部31の大きな弾性変形を抑え、より一層、摩擦体3と筒体2との円滑な挿入組立が得られるとともに摩擦体3と筒体2との組立時に摩擦体3の前部31外面が損傷することを抑えることができる。
本実施の形態の摩擦具1は、前記摩擦具において、前記各々の係合凸部23の後部の径方向内面に、後方に向かうに従い径方向外方に進む傾斜面231を備える。この構成により、本実施の形態の摩擦具1は、摩擦部311の前部31を筒体2の係合凸部23の後方からに前方に挿入し、係合凸部23と係合凹部33とを係合させる際、摩擦体3の前部31と係合凸部23との引っ掛かりを抑え、より一層、摩擦体3と筒体2との円滑な挿入組立が得られ且つ摩擦体3と筒体2との組立時に摩擦体3の前部31外面が損傷することを抑えることができる。
本実施の形態の摩擦具1は、前記摩擦具において、前記摩擦体3が前記筒体2の前端部に取り付けられた状態において、前記筒体2の前端部の支持片部22及びスリット21が外部に露出され、摩擦操作時、前記支持片部22及び前記スリット21(即ちスリット21の外縁部)を把持可能に構成される。この構成により、本発明の摩擦具1は、摩擦操作時に、スリット21によって周方向の滑り止めがなされ、支持片部22の外面を安定して把持できる。
本実施の形態の摩擦具1は、支持片部22の径方向内方に位置する摩擦体3の外面が横断面円形である。本実施の形態の摩擦具1は、摩擦体使用時、複数の支持片部22(または複数の係合凸部23)が摩擦体3の外面に圧接され、支持片部22の径方向内方に位置する摩擦体3の外面が横断面円形であっても、筒体2に対して摩擦体3が回転することを抑えることができ、安定した摩擦操作が維持できる。
本実施の形態の摩擦具1は、摩擦操作時、筒体2の各々の係合凸部23の前面が摩擦体3の係合凹部33の前側内面に圧接される。それにより、摩擦操作時、各々の支持片部22が径方向外方に変形することを抑止できる。
本実施の形態の摩擦具1の製造方法は、熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能なゴム弾性材料からなる摩擦体3と、前記摩擦体3が前端部に取り付けられる筒体2と、を備えた摩擦具の製造方法であって、前記筒体2の前端部に、軸方向前方に開口され且つ径方向に貫設される複数のスリット21と、前記各々のスリット21の間に形成され、径方向の可撓性を有する複数の支持片部22と、前記各々の支持片部22の内面に形成される係合凸部23と、を備え、前記摩擦体3が、前部31と、前記前部31より後方に形成される後部32と、前記前部31と前記後部32との間の外面に形成される係合凹部33と、前端が閉鎖され且つ後端が開口される内孔35と、を備え、押し棒4の前端部を前記摩擦体3の内孔35に挿入し、前記内孔35の底壁部351に前記押し棒4の前端を当接させ、その状態の前記押し棒4の前端部を前記筒体2の内部に後方から挿入し、前記摩擦体3の内孔35の底壁部351を前記押し棒4の前端部が前方に押圧することによって、前記摩擦体3の前部31を前記筒体2の係合凸部23より前方に移動させ、前記摩擦体3の係合凹部33と前記筒体2の係合凸部23とを係合させることを特徴とする。この製造方法により、摩擦体3と筒体2との円滑な挿入組立ができるとともに、摩擦体3と筒体2との組立時に摩擦体3の外面が損傷することを抑えることができる摩擦具を得る。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図6乃至図10に示す。本実施の形態は、第1の実施の形態の変形例である。
摩擦具1は、筒体2と、該筒体2の前端部に取り付けられる摩擦体3と、を備える。
・筒体
筒体2は、両端が開口された円筒体であり、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト、ポリプロピレン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂)の射出成形により得られる。
筒体2は、例えば、内部に熱変色性インキが収容され且つ該インキが吐出可能なペン先を備えた熱変色性筆記具の軸筒、前記軸筒のペン先側に着脱自在に装着されるキャップ、または内部に熱変色性インキが収容されず摩擦体3を保持する摩擦体保持筒などが挙げられる。尚、本発明で、熱変色性インキは、可逆熱変色性インキが好ましい。可逆熱変色性インキは、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態又は消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、又は、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独又は併用して構成することができる。
・スリット
筒体2の前端部には、複数(例えば4本)の軸方向に延びるスリット21(切り欠き)が形成される。各々のスリット21は、軸方向前方に開放され且つ径方向に貫通される。各々のスリット21の後端は閉鎖される。筒体2の前端部の各々のスリット21の間に、複数(例えば4本)の軸方向に延びる支持片部22が形成される。各々の支持片部22は、筒体2の前端部に一体に形成される。各々の支持片部22は径方向の可撓性を有する。
・支持片部
各々の支持片部22の前部内面には、係合凸部23が一体に形成される。係合凸部23は、各々の支持片部22の前部内面に円周状に形成される。各々の係合凸部23の前面は軸線に対して垂直な平面からなる。各々の係合凸部23の後面は軸線に対して垂直な平面からなる。各々の係合凸部23の後部の径方向内面には傾斜面231が形成される。各々の傾斜面231は、後方に向かうに従い径方向外方に進む形状を有する。
・前端壁部
筒体2の各々の支持片部22の前端部に、係合凸部23の前端より前方に突出する前端壁部24が一体に形成される。摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、各々の支持片部22の前端壁部24によって摩擦体3の前部31の後端部外面が包囲され、各々の支持片部22の前端壁部24の内面が摩擦体3の前部31の後端部外面に接触される。この構成により、摩擦操作時、摩擦体3の前部31が径方向にがたつくことを抑止し、安定した摩擦操作が可能となるとともに、係合凸部23と係合凹部33との強固な係合状態が維持される。さらに、本実施の形態は、この構成により、係合凸部23と係合凹部33との係合過程(即ち摩擦体3の前部31が係合凸部23を後方から前方に乗り越える過程)で、摩擦体3の前部31の後端部外面に僅かに擦れ跡が発生したとしても、その擦れ跡を覆い隠すことができ、商品価値の低下を防ぐ。
・摩擦体
摩擦体3は、先細円筒状の前部31と、前部31の後端より後方に一体に連設される直円筒状の縮径部34と、該縮径部34の後端より後方に一体に連設される直円筒状の後部32とを備える。前部31の後端面と、縮径部34の外面と、後部32の前端面とにより連続した環状の係合凹部33が形成される。摩擦体3外面の係合凹部33の前端外縁部331の外径が、係合凹部33の後端外縁部332の外径より小さく設定される。摩擦体3は、軸方向に延びる内孔35が形成される。内孔35は、後端が開口し且つ前端が閉鎖された形状を有する。尚、係合凹部33は、複数個が周状に分散された非連続状に形成されてもよい。
摩擦体3は、ゴム弾性材料から形成される。ゴム弾性材料としては、ゴム弾性を有する合成樹脂(ゴム、エラストマー)が挙げられ、例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体)、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。本発明の摩擦体3は、熱可塑性エラストマー(例えば、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー)の射出成形により得ることが好ましい。前記ゴム弾性材料は、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)からなるものよりも、摩擦時に摩耗屑が殆ど生じない低摩耗性の弾性材料からなることが好ましい。
摩擦体3の前部31の頂部(前端部)外面は凸曲面状に形成される。摩擦体3の前部31の凸曲面状の頂部(前端部)が、摩擦操作時に熱変色性の筆跡または像を摩擦するための摩擦部311となる。前部31の凸曲面状の頂部の後方の外面には、前方に向かうに従い外径が小さくなる傾斜面312が形成される。摩擦体3の前部31の後端部に後向き段部313が形成される。後向き段部313が係合凹部33の前側内面を構成する。摩擦体3の後部32の前端部に前向き段部321が形成される。前向き段部321が、係合凹部33の後側内面を構成する。係合凹部33の前端外縁部331の外径は、係合凹部33の後端外縁部332の外径より小さく設定される。即ち、前部31の後向き段部313の最大外径は、後部32の前向き段部321の最大外径より小さく設定される。
・取り付け状態
摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、後向き段部313(係合凹部33の前側内面)と各々の係合凸部23の前面とが係止される。後向き段部313は、軸線に対して垂直な平面からなる。
摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、前向き段部321(係合凹部33の後側内面)と各々の係合凸部23の後面とが係止される。前向き段部321は、軸線に対して垂直な平面からなる。
係合凹部33の前端外縁部331の外径は、係合凸部23の前端部の内径より大きく設定される。それにより、前部31の後向き段部313と係合凸部23の前面とが確実に係止される。
係合凹部33の後端外縁部332の外径は、係合凸部23の後端部(即ち傾斜面231の後端)の内径より大きく設定される。それにより、後部32の前向き段部321と係合凸部23の後面とが確実に係止される。
摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、摩擦体3の前部31が各々の支持片部22の前端(前端壁部24の前端)より前方に突出される。摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、摩擦体3の後部32が各々の係合凸部23より後方の支持片部22の内方に配置される。
係合凸部23より後方の支持片部22の内径は、摩擦体3の後部32の外径と略等しく設定される。それにより、摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、支持片部22の内面が摩擦体3の後部をがたつきなく安定して支持できる。
尚、支持片部22の内径(または係合凸部23の内径)は、軸心対称位置に支持片部22(または係合凸部23)が設けられる場合、対向する支持片部22(または係合凸部23)間の径方向内面の径方向の距離であるが、軸心対称位置以外に支持片部22が設けられる場合、筒体2の軸心と支持片部22(または係合凸部23)の径方向内面との距離(半径)の2倍によって特定される。
・組立工程
摩擦体3の内孔35に押し棒4の前端部を挿入し、押し棒4の前端部を内孔35の底壁部351に当接させる。摩擦体3が装着された状態の押し棒4の前端部を、筒体2の後方より筒体2の内部に挿入し、筒体2に対して押し棒4を前方に移動させる。その後、摩擦体3の前部31が係合凸部23を乗り越え、係合凹部33と係合凸部23とが係合される。このとき、摩擦体3の前部31の後向き段部313と係合凸部23の前面とが係止されるとともに、摩擦体3の後部32の前向き段部321と係合凸部23の後面とが係止される。それにより、摩擦体3使用時、摩擦体3の筒体2内に埋没することを防止できるとともに、摩擦体3が筒体2の前方から脱落することを防止できる。特に、押し棒4の前端部が摩擦体3の係合凹部33よりも前方の内孔35の底壁部351を前方に押圧することにより、係合凹部33と係合凸部23の係合過程で、摩擦体3の前部31が係合凸部23に引っかかることを抑えることができ、一層、円滑な組立が可能となる。本実施の形態の摩擦具1は、各々の支持片部22が径方向の可撓性を有するため、摩擦体3の前部31が係合凸部23を乗り越える際、各々の支持片部22が径方向外方に容易に一時的に弾性変形される。摩擦体3の前部31が係合凸部23を乗り越えた後、各々の支持片部22が径方向内方に即座に弾性変形され、係合凸部23と係合凹部33との係合が完了する。
押し棒4は、円柱状の棒状体であり、小径部41と、該小径部41の後方に段部を介して形成され且つ該小径部41より大きい外径を有する大径部42と、を備える。小径部41は、摩擦体3の内孔35に挿入される。小径部41の前端部は、凸曲面状に形成され、それにより、小径部41を内孔35内に円滑に挿入することができる。小径部41の前端部が摩擦体3の底壁部351に当接された状態において、摩擦体3の後端が小径部41と大径部42との間の段部に非当接状態に設定され、それにより、摩擦体3の底壁部351と押し棒4の前端部とが確実に当接され、摩擦体3の前部31(底壁部351)が押し棒4によって確実に前方に押圧される。
本実施の形態の摩擦具1は、熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能なゴム弾性材料からなる摩擦体3と、前記摩擦体3が前端部に取り付けられる筒体2と、を備えた摩擦具であって、前記筒体2の前端部が、軸方向前方に開口され且つ径方向に貫設される複数のスリット21と、前記各々のスリット21の間に形成され、径方向の可撓性を有する複数の支持片部22と、前記各々の支持片部22の内面に形成される係合凸部23と、を備え、前記摩擦体3が、前部31と、前記前部31より後方に形成される後部32と、前記前部31と前記後部32との間の外面に形成される係合凹部33と、を備え、前記摩擦体3が前記筒体2に前端部に取り付けられた状態において、前記摩擦体3の前部31が前記各々の支持片部22の前端より前方に突出され、前記各々の係合凸部23が前記係合凹部33に係合され、前記摩擦体3の後部32が前記各々の係合凸部23より後方の支持片部22の内方に配置されてなる。本実施の形態の摩擦具1は、前記構成により、摩擦体3と筒体2との円滑な挿入組立が得られ、且つ、摩擦体3と筒体2との組立時に摩擦体3の外面が損傷することを抑えることができる。尚、本実施の形態では、摩擦体3を筒体2の後方より前方に挿入する構成が採用されるが、摩擦体3を筒体2の前方より後方に挿入する構成であってもよい。
本実施の形態の摩擦具1は、前記摩擦具において、前記摩擦体3の係合凹部33の前端外縁部331の外径が、前記摩擦体3の係合凹部33の後端外縁部332の外径より小さく設定される。この構成により、本実施に形態の摩擦具1は、摩擦部311の前部31を筒体2の係合凸部23の後方からに前方に挿入し、係合凸部23と係合凹部33とを係合させる際、摩擦体3の前部31の大きな弾性変形を抑え、より一層、摩擦体3と筒体2との円滑な挿入組立が得られるとともに摩擦体3と筒体2との組立時に摩擦体3の前部31外面が損傷することを抑えることができる。
本実施の形態の摩擦具1は、前記摩擦具において、前記各々の係合凸部23の後部の径方向内面に、後方に向かうに従い径方向外方に進む傾斜面231を備える。この構成により、本実施の形態の摩擦具1は、摩擦部311の前部31を筒体2の係合凸部23の後方からに前方に挿入し、係合凸部23と係合凹部33とを係合させる際、摩擦体3の前部31と係合凸部23との引っ掛かりを抑え、より一層、摩擦体3と筒体2との円滑な挿入組立が得られ且つ摩擦体3と筒体2との組立時に摩擦体3の前部31外面が損傷することを抑えることができる。
本実施の形態の摩擦具1は、前記摩擦具において、前記各々の支持片部22の前端部に、前記係合凸部23より前方に突出する前端壁部24が一体に形成され、前記摩擦体3が前記筒体2の前端部に取り付けられた状態において、前記各々の前端壁部24が前記摩擦体3の前部31の後端部外面を包囲してなる。この構成により、本実施の形態の摩擦具1は、摩擦操作時、筒体2に対する摩擦体3の径方向のがたつきを抑え、安定した摩擦操作が可能となるとともに、係合凸部23と係合凹部33との強固な係合状態が維持される。
本実施の形態の摩擦具1は、前記摩擦具において、前記摩擦体3が前記筒体2の前端部に取り付けられた状態において、前記筒体2の前端部の支持片部22及びスリット21が外部に露出され、摩擦操作時、前記支持片部22及び前記スリット21(即ちスリット21の外縁部)を把持可能に構成される。この構成により、本発明の摩擦具1は、摩擦操作時に、スリット21によって周方向の滑り止めがなされ、支持片部22の外面を安定して把持できる。
本実施の形態の摩擦具1は、支持片部22の径方向内方に位置する摩擦体3の外面が横断面円形である。本実施の形態の摩擦具1は、摩擦体使用時、複数の支持片部22(または複数の係合凸部23)が摩擦体3の外面に圧接され、支持片部22の径方向内方に位置する摩擦体3の外面が横断面円形であっても、筒体2に対して摩擦体3が回転することを抑えることができ、安定した摩擦操作が維持できる。
本実施の形態の摩擦具1は、摩擦操作時、筒体2の各々の係合凸部23の前面が摩擦体3の係合凹部33の前側内面に圧接される。それにより、摩擦操作時、各々の支持片部22が径方向外方に変形することを抑止できる。
本実施の形態の摩擦具の製造方法は、熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能なゴム弾性材料からなる摩擦体3と、前記摩擦体3が前端部に取り付けられる筒体2と、を備えた摩擦具の製造方法であって、前記筒体2の前端部に、軸方向前方に開口され且つ径方向に貫設される複数のスリット21と、前記各々のスリット21の間に形成され、径方向の可撓性を有する複数の支持片部22と、前記各々の支持片部22の内面に形成される係合凸部23と、を備え、前記摩擦体3が、前部31と、前記前部31より後方に形成される後部32と、前記前部31と前記後部32との間の外面に形成される係合凹部33と、前端が閉鎖され且つ後端が開口される内孔35と、を備え、押し棒4の前端部を前記摩擦体3の内孔35に挿入し、前記内孔35の底壁部351に前記押し棒4の前端を当接させ、その状態の前記押し棒4の前端部を前記筒体2の内部に後方から挿入し、前記摩擦体3の内孔35の底壁部351を前記押し棒4の前端部が前方に押圧することによって、前記摩擦体3の前部31を前記筒体2の係合凸部23より前方に移動させ、前記摩擦体3の係合凹部33と前記筒体2の係合凸部23とを係合させることを特徴とする。この製造方法により、摩擦体3と筒体2との円滑な挿入組立ができるとともに、摩擦体3と筒体2との組立時に摩擦体3の外面が損傷することを抑えることができる摩擦具を得る。
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態を図11乃至図15に示す。本実施の形態は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態の変形例である。
本実施の形態は、第1の実施の形態の変形例である。
摩擦具1は、筒体2と、該筒体2の前端部に取り付けられる摩擦体3と、を備える。
・筒体
筒体2は、両端が開口された円筒体であり、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト、ポリプロピレン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂)の射出成形により得られる。
筒体2は、例えば、内部に熱変色性インキが収容され且つ該インキが吐出可能なペン先を備えた熱変色性筆記具の軸筒、前記軸筒のペン先側に着脱自在に装着されるキャップ、または内部に熱変色性インキが収容されず摩擦体3を保持する摩擦体保持筒などが挙げられる。尚、本発明で、熱変色性インキは、可逆熱変色性インキが好ましい。可逆熱変色性インキは、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態又は消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、又は、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独又は併用して構成することができる。
・スリット
筒体2の前端部には、複数(例えば4本)の軸方向に延びるスリット21(切り欠き)が形成される。各々のスリット21は、軸方向前方に開放され且つ径方向に貫通される。各々のスリット21の後端は閉鎖される。筒体2の前端部の各々のスリット21の間に、複数(例えば4本)の軸方向に延びる支持片部22が形成される。各々の支持片部22は、筒体2の前端部に一体に形成される。各々の支持片部22は径方向の可撓性を有する。
・支持片部
各々の支持片部22の中間部内面には、係合凸部23が一体に形成される。係合凸部23は、各々の支持片部22の中間部内面に円周状に形成される。各々の係合凸部23の前面は軸線に対して垂直な平面からなる。各々の係合凸部23の後面は軸線に対して垂直な平面からなる。各々の係合凸部23の後部の径方向内面には傾斜面231が形成される。各々の傾斜面231は、後方に向かうに従い径方向外方に進む形状を有する。
・前端壁部
筒体2の各々の支持片部22の前端部に、係合凸部23の前端より前方に突出する前端壁部24が一体に形成される。摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、各々の支持片部22の前端壁部24によって摩擦体3の前部31の後端部外面が包囲され、各々の支持片部22の前端壁部24の内面が摩擦体3の前部31の後端部外面に接触される。この構成により、摩擦操作時、摩擦体3の前部31が径方向にがたつくことを抑止し、安定した摩擦操作が可能となるとともに、係合凸部23と係合凹部33との強固な係合状態が維持される。さらに、本実施の形態は、この構成により、係合凸部23と係合凹部33との係合過程(即ち摩擦体3の前部31が係合凸部23を後方から前方に乗り越える過程)で、摩擦体3の前部31の後端部外面に僅かに擦れ跡が発生したとしても、その擦れ跡を覆い隠すことができ、商品価値の低下を防ぐ。
各々の係合凸部23より前方の各々の前端壁部24の内面に、周方向に延びる係合溝25が形成される。さらに、各々の係合溝25より前方の前端壁部24の内面に、径方向内方に突出する周方向に延びる凸部26が一体に形成される。
・摩擦体
摩擦体3は、先細円筒状の前部31と、前部31の後端より後方に一体に連設される直円筒状の縮径部34と、該縮径部34の後端より後方に一体に連設される直円筒状の後部32とを備える。前部31の後端面と、縮径部34の外面と、後部32の前端面とにより連続した環状の係合凹部33が形成される。摩擦体3外面の係合凹部33の前端外縁部331の外径が、係合凹部33の後端外縁部332の外径より小さく設定される。摩擦体3の前部31の後端部外面に、鍔状突起314が一体に形成される。鍔状突起314の前端部に、面取り部(即ち、後方に向かうに従い径方向外方に進む傾斜面または曲面)が形成される。摩擦体3は、軸方向に延びる内孔35が形成される。内孔35は、後端が開口し且つ前端が閉鎖された形状を有する。尚、係合凹部33は、複数個が周状に分散された非連続に形成されてもよい。
摩擦体3は、ゴム弾性材料から形成される。ゴム弾性材料としては、ゴム弾性を有する合成樹脂(ゴム、エラストマー)が挙げられ、例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体)、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。本発明の摩擦体3は、熱可塑性エラストマー(例えば、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー)の射出成形により得ることが好ましい。前記ゴム弾性材料は、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)からなるものよりも、摩擦時に摩耗屑が殆ど生じない低摩耗性の弾性材料からなることが好ましい。
摩擦体3の前部31の頂部(前端部)外面は凸曲面状に形成される。摩擦体3の前部31の凸曲面状の頂部(前端部)が、摩擦操作時に熱変色性の筆跡または像を摩擦するための摩擦部311となる。前部31の凸曲面状の頂部の後方の外面には、前方に向かうに従い外径が小さくなる傾斜面312が形成される。摩擦体3の前部31の後端部に後向き段部313が形成される。後向き段部313が係合凹部33の前側内面を構成する。摩擦体3の後部32の前端部に前向き段部321が形成される。前向き段部321が、係合凹部33の後側内面を構成する。係合凹部33の前端外縁部331の外径は、係合凹部33の後端外縁部332の外径より小さく設定される。即ち、前部31の後向き段部313の最大外径は、後部32の前向き段部321の最大外径より小さく設定される。
・取り付け状態
摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、後向き段部313(係合凹部33の前側内面)と各々の係合凸部23の前面とが係止される。後向き段部313は、軸線に対して垂直な平面からなる。
摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、前向き段部321(係合凹部33の後側内面)と各々の係合凸部23の後面とが係止される。前向き段部321は、軸線に対して垂直な平面からなる。
摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、係合凸部23と係合凹部33と係合されるとともに係合溝25に鍔状突起314が係合され、さらに各々の支持片部22の前端壁部24によって摩擦体3の前部31の後端部外面が包囲され、鍔状突起314より前方の摩擦体3の前部31の外面と前端壁部24の前端内面(凸部26)とが接触される。それにより、摩擦操作時、より一層、筒体2に対する摩擦体3の径方向のがたつきを抑え、安定した摩擦操作が可能となるとともに、係合凸部23と係合凹部33との強固な係合状態が維持される。
係合凹部33の前端外縁部331の外径(鍔状突起314の後端部の外径)は、係合凸部23の前端部の内径より大きく設定される。それにより、前部31の後向き段部313と係合凸部23の前面とが確実に係止される。
係合凹部33の後端外縁部332の外径は、係合凸部23の後端部(即ち傾斜面231の後端)の内径より大きく設定される。それにより、後部32の前向き段部321と係合凸部23の後面とが確実に係止される。
摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、摩擦体3の前部31が各々の支持片部22の前端(前端壁部24の前端)より前方に突出される。摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、摩擦体3の後部32が各々の係合凸部23より後方の支持片部22の内方に配置される。
係合凸部23より後方の支持片部22の内径は、摩擦体3の後部32の外径と略等しく設定される。それにより、摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、支持片部22の内面が摩擦体3の後部32をがたつきなく安定して支持できる。
尚、支持片部22の内径(または係合凸部23の内径)は、軸心対称位置に支持片部22(または係合凸部23)が設けられる場合、対向する支持片部22(または係合凸部23)間の径方向内面の径方向の距離であるが、軸心対称位置以外に支持片部22が設けられる場合、筒体2の軸心と支持片部22(または係合凸部23)の径方向内面との距離(半径)の2倍によって特定される。
・組立工程
摩擦体3の内孔35に押し棒4の前端部を挿入し、押し棒4の前端部を内孔35の底壁部351に当接させる。摩擦体3が装着された状態の押し棒4の前端部を、筒体2の後方より筒体2の内部に挿入し、筒体2に対して押し棒4を前方に移動させる。その後、摩擦体3の前部31が係合凸部23を乗り越え、係合凹部33と係合凸部23とが係合される。このとき、摩擦体3の前部31の後向き段部313と係合凸部23の前面とが係止されるとともに、摩擦体3の後部32の前向き段部321と係合凸部23の後面とが係止される。それにより、摩擦体3使用時、摩擦体3の筒体2内に埋没することを防止できるとともに、摩擦体3が筒体2の前方から脱落することを防止できる。特に、押し棒4の前端部が摩擦体3の係合凹部33よりも前方の内孔35の底壁部351を前方に押圧することにより、係合凹部33と係合凸部23の係合過程で、摩擦体3の前部31の変形を抑えることができ、一層、円滑な組立が可能となる。本実施の形態の摩擦具1は、各々の支持片部22が径方向の可撓性を有するため、摩擦体3の前部31が係合凸部23を乗り越える際、各々の支持片部22が径方向外方に容易に一時的に弾性変形される。摩擦体3の前部31が係合凸部23を乗り越えた後、各々の支持片部22が径方向内方に即座に弾性変形され、係合凸部23と係合凹部33との係合が完了する。
押し棒4は、円柱状の棒状体であり、小径部41と、該小径部41の後方に段部を介して形成され且つ該小径部41より大きい外径を有する大径部42と、を備える。小径部41は、摩擦体3の内孔35に挿入される。小径部41の前端部は、凸曲面状に形成され、それにより、小径部41を内孔35内に円滑に挿入することができる。小径部41の前端部が摩擦体3の底壁部351に当接された状態において、摩擦体3の後端が小径部41と大径部42との間の段部に非当接状態に設定され、それにより、摩擦体3の底壁部351と押し棒4の前端部とが確実に当接され、摩擦体3の前部31(底壁部351)が押し棒4によって確実に前方に押圧される。
本実施の形態の摩擦具1は、熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能なゴム弾性材料からなる摩擦体3と、前記摩擦体3が前端部に取り付けられる筒体2と、を備えた摩擦具であって、前記筒体2の前端部が、軸方向前方に開口され且つ径方向に貫設される複数のスリット21と、前記各々のスリット21の間に形成され、径方向の可撓性を有する複数の支持片部22と、前記各々の支持片部22の内面に形成される係合凸部23と、を備え、前記摩擦体3が、前部31と、前記前部31より後方に形成される後部32と、前記前部31と前記後部32との間の外面に形成される係合凹部33と、を備え、前記摩擦体3が前記筒体2に前端部に取り付けられた状態において、前記摩擦体3の前部31が前記各々の支持片部22の前端より前方に突出され、前記各々の係合凸部23が前記係合凹部33に係合され、前記摩擦体3の後部32が前記各々の係合凸部23より後方の支持片部22の内方に配置されてなる。本実施の形態の摩擦具1は、前記構成により、摩擦体3と筒体2との円滑な挿入組立が得られ、且つ、摩擦体3と筒体2との組立時に摩擦体3の外面が損傷することを抑えることができる。尚、本実施の形態では、摩擦体3を筒体2の後方より前方に挿入する構成が採用されるが、摩擦体3を筒体2の前方より後方に挿入する構成であってもよい。
本実施の形態の摩擦具1は、前記摩擦具において、前記摩擦体3の係合凹部33の前端外縁部331の外径が、前記摩擦体3の係合凹部33の後端外縁部332の外径より小さく設定される。この構成により、本実施に形態の摩擦具1は、摩擦部311の前部31を筒体2の係合凸部23の後方からに前方に挿入し、係合凸部23と係合凹部33とを係合させる際、摩擦体3の前部31の大きな弾性変形を抑え、より一層、摩擦体3と筒体2との円滑な挿入組立が得られるとともに摩擦体3と筒体2との組立時に摩擦体3の前部31外面が損傷することを抑えることができる。
本実施の形態の摩擦具1は、前記摩擦具において、前記各々の係合凸部23の後部の径方向内面に、後方に向かうに従い径方向外方に進む傾斜面231を備える。この構成により、本実施の形態の摩擦具1は、摩擦部311の前部31を筒体2の係合凸部23の後方からに前方に挿入し、係合凸部23と係合凹部33とを係合させる際、摩擦体3の前部31と係合凸部23との引っ掛かりを抑え、より一層、摩擦体3と筒体2との円滑な挿入組立が得られ且つ摩擦体3と筒体2との組立時に摩擦体3の前部31外面が損傷することを抑えることができる。
本実施の形態の摩擦具1は、前記摩擦具において、前記各々の支持片部22の前端部に、前記係合凸部23より前方に突出する前端壁部24が一体に形成され、前記摩擦体3が前記筒体2の前端部に取り付けられた状態において、前記各々の前端壁部24が前記摩擦体3の前部31の後端部外面を包囲してなる。この構成により、本実施の形態の摩擦具1は、摩擦操作時、筒体2に対する摩擦体3の径方向のがたつきを抑え、安定した摩擦操作が可能となるとともに、係合凸部23と係合凹部33との強固な係合状態が維持される。
本実施の形態の摩擦具1は、前記摩擦具において、前記摩擦体3が前記筒体2の前端部に取り付けられた状態において、前記筒体2の前端部の支持片部22及びスリット21が外部に露出され、摩擦操作時、前記支持片部22及び前記スリット21(即ちスリット21の外縁部)を把持可能に構成される。この構成により、本発明の摩擦具1は、摩擦操作時に、スリット21によって周方向の滑り止めがなされ、支持片部22の外面を安定して把持できる。
本実施の形態の摩擦具1は、支持片部22の径方向内方に位置する摩擦体3の外面が横断面円形である。本実施の形態の摩擦具1は、摩擦体使用時、複数の支持片部22(または複数の係合凸部23)が摩擦体3の外面に圧接され、支持片部22の径方向内方に位置する摩擦体3の外面が横断面円形であっても、筒体2に対して摩擦体3が回転することを抑えることができ、安定した摩擦操作が維持できる。
本実施の形態の摩擦具1は、摩擦操作時、筒体2の各々の係合凸部23の前面が摩擦体3の係合凹部33の前側内面に圧接される。それにより、摩擦操作時、各々の支持片部22が径方向外方に変形することを抑止できる。
本実施の形態の摩擦具の製造方法は、熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能なゴム弾性材料からなる摩擦体3と、前記摩擦体3が前端部に取り付けられる筒体2と、を備えた摩擦具の製造方法であって、前記筒体2の前端部に、軸方向前方に開口され且つ径方向に貫設される複数のスリット21と、前記各々のスリット21の間に形成され、径方向の可撓性を有する複数の支持片部22と、前記各々の支持片部22の内面に形成される係合凸部23と、を備え、前記摩擦体3が、前部31と、前記前部31より後方に形成される後部32と、前記前部31と前記後部32との間の外面に形成される係合凹部33と、前端が閉鎖され且つ後端が開口される内孔35と、を備え、押し棒4の前端部を前記摩擦体3の内孔35に挿入し、前記内孔35の底壁部351に前記押し棒4の前端を当接させ、その状態の前記押し棒4の前端部を前記筒体2の内部に後方から挿入し、前記摩擦体3の内孔35の底壁部351を前記押し棒4の前端部が前方に押圧することによって、前記摩擦体3の前部31を前記筒体2の係合凸部23より前方に移動させ、前記摩擦体3の係合凹部33と前記筒体2の係合凸部23とを係合させることを特徴とする。この製造方法により、摩擦体3と筒体2との円滑な挿入組立ができるとともに、摩擦体3と筒体2との組立時に摩擦体3の外面が損傷することを抑えることができる摩擦具を得る。
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態を図16乃至図20に示す。本実施の形態は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態の変形例である。
摩擦具1は、筒体2と、該筒体2の前端部に取り付けられる摩擦体3と、を備える。
・筒体
筒体2は、両端が開口された円筒体であり、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト、ポリプロピレン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂)の射出成形により得られる。
筒体2は、例えば、内部に熱変色性インキが収容され且つ該インキが吐出可能なペン先を備えた熱変色性筆記具の軸筒、前記軸筒のペン先側に着脱自在に装着されるキャップ、または内部に熱変色性インキが収容されず摩擦体3を保持する摩擦体保持筒などが挙げられる。尚、本発明で、熱変色性インキは、可逆熱変色性インキが好ましい。可逆熱変色性インキは、発色状態から加熱により消色する加熱消色型、発色状態又は消色状態を互変的に特定温度域で記憶保持する色彩記憶保持型、又は、消色状態から加熱により発色し、発色状態からの冷却により消色状態に復する加熱発色型等、種々のタイプを単独又は併用して構成することができる。
・スリット
筒体2の前端部には、複数(例えば4本)の軸方向に延びるスリット21(切り欠き)が形成される。各々のスリット21は、軸方向前方に開放され且つ径方向に貫通される。各々のスリット21の後端は閉鎖される。筒体2の前端部の各々のスリット21の間に、複数(例えば4本)の軸方向に延びる支持片部22が形成される。各々の支持片部22は、筒体2の前端部に一体に形成される。各々の支持片部22は径方向の可撓性を有する。
・支持片部
各々の支持片部22の前部内面には、係合凸部23が一体に形成される。係合凸部23は、各々の支持片部22の前部内面に円周状に形成される。各々の係合凸部23の前面は軸線に対して垂直な平面からなる。各々の係合凸部23の後面は軸線に対して垂直な平面からなる。各々の係合凸部23の後部の径方向内面には傾斜面231が形成される。各々の傾斜面231は、後方に向かうに従い径方向外方に進む形状を有する。
・後方突出部
筒体2の各々の支持片部22の内面に、係合凸部23の後端部に後方に突出し且つ周方向に延びる後方突出部27が一体に形成される。さらに、後方突出部27の径方向外面と支持片部22の径方向内面との間に、後方に開口し且つ周方向に延びる溝28が形成される。
・前端壁部
筒体2の各々の支持片部22の前端部に、係合凸部23の前端より前方に突出する前端壁部24が一体に形成される。摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、各々の支持片部22の前端壁部24によって摩擦体3の前部31の後端部外面が包囲され、各々の支持片部22の前端壁部24の内面が摩擦体3の前部31の後端部外面に接触される。この構成により、摩擦操作時、摩擦体3の前部31が径方向にがたつくことを抑止し、安定した摩擦操作が可能となるとともに、係合凸部23と係合凹部33との強固な係合状態が維持される。さらに、本実施の形態は、この構成により、係合凸部23と係合凹部33との係合過程(即ち摩擦体3の前部31が係合凸部23を後方から前方に乗り越える過程)で、摩擦体3の前部31の後端部外面に僅かに擦れ跡が発生したとしても、その擦れ跡を覆い隠すことができ、商品価値の低下を防ぐ。
・摩擦体
摩擦体3は、先細円筒状の前部31と、前部31の後端より後方に一体に連設される直円筒状の縮径部34と、該縮径部34の後端より後方に一体に連設される直円筒状の後部32とを備える。前部31の後端面と、縮径部34の外面と、後部32の前端面とにより連続した環状の係合凹部33が形成される。摩擦体3外面の係合凹部33の前端外縁部331の外径が、係合凹部33の後端外縁部332の外径より小さく設定される。摩擦体3は、軸方向に延びる内孔35が形成される。内孔35は、後端が開口し且つ前端が閉鎖された形状を有する。尚、係合凹部33は、複数個が周状に分散された非連続に形成されてもよい。
摩擦体3は、ゴム弾性材料から形成される。ゴム弾性材料としては、ゴム弾性を有する合成樹脂(ゴム、エラストマー)が挙げられ、例えば、シリコーン樹脂、SBS樹脂(スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体)、SEBS樹脂(スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体)、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が挙げられる。本発明の摩擦体3は、熱可塑性エラストマー(例えば、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー)の射出成形により得ることが好ましい。前記ゴム弾性材料は、高摩耗性の弾性材料(例えば、消しゴム等)からなるものよりも、摩擦時に摩耗屑が殆ど生じない低摩耗性の弾性材料からなることが好ましい。
摩擦体3の前部31の頂部(前端部)外面は凸曲面状に形成される。摩擦体3の前部31の凸曲面状の頂部(前端部)が、摩擦操作時に熱変色性の筆跡または像を摩擦するための摩擦部311となる。前部31の凸曲面状の頂部の後方の外面には、前方に向かうに従い外径が小さくなる傾斜面312が形成される。摩擦体3の後部32の前面に環状凹溝322が形成される。環状凹溝322の径方向外方の摩擦体3の後部32の前面に環状凸部323が一体に形成される。摩擦体3の前部31の後端部に後向き段部313が形成される。後向き段部313が係合凹部33の前側内面を構成する。摩擦体3の後部32の前端部に前向き段部321が形成される。前向き段部321が、係合凹部33の後側内面を構成する。係合凹部33の前端外縁部331の外径は、係合凹部33の後端外縁部332の外径より小さく設定される。即ち、前部31の後向き段部313の最大外径は、後部32の前向き段部321の最大外径より小さく設定される。
・取り付け状態
摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、後向き段部313(係合凹部33の前側内面)と各々の係合凸部23の前面とが係止される。後向き段部313は、軸線に対して垂直な平面からなる。
摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、前向き段部321(係合凹部33の後側内面)と各々の係合凸部23の後面とが係止される。前向き段部321は、軸線に対して垂直な平面からなる。
摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、後方突出部27と環状凹溝322とが係合される。
係合凹部33の前端外縁部331の外径は、係合凸部23の前端部の内径より大きく設定される。それにより、前部31の後向き段部313と係合凸部23の前面とが確実に係止される。
係合凹部33の後端外縁部332の外径は、係合凸部23の後端部(即ち傾斜面231の後端)の内径より大きく設定される。それにより、後部32の前向き段部321と係合凸部23の後面とが確実に係止される。
摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、摩擦体3の前部31が各々の支持片部22の前端(前端壁部24の前端)より前方に突出される。摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、摩擦体3の後部32が各々の係合凸部23より後方の支持片部22の内方に配置される。
係合凸部23より後方の支持片部22の内径は、摩擦体3の後部32の外径と略等しく設定される。それにより、摩擦体3が筒体2の前端部に取り付けられた状態において、支持片部22の内面が摩擦体3を後部がたつきなく安定して支持できる。
尚、支持片部22の内径(または係合凸部23の内径)は、軸心対称位置に支持片部22(または係合凸部23)が設けられる場合、対向する支持片部22(または係合凸部23)間の径方向内面の径方向の距離であるが、軸心対称位置以外に支持片部22が設けられる場合、筒体2の軸心と支持片部22(または係合凸部23)の径方向内面との距離(半径)の2倍によって特定される。
・組立工程
摩擦体3の内孔35に押し棒4の前端部を挿入し、押し棒4の前端部を内孔35の底壁部351に当接させる。摩擦体3が装着された状態の押し棒4の前端部を、筒体2の後方より筒体2の内部に挿入し、筒体2に対して押し棒4を前方に移動させる。その後、摩擦体3の前部31が係合凸部23を乗り越え、係合凹部33と係合凸部23とが係合される。このとき、摩擦体3の前部31の後向き段部313と係合凸部23の前面とが係止されるとともに、摩擦体3の後部32の前向き段部321と係合凸部23の後面とが係止される。それにより、摩擦体使用時、摩擦体3の筒体2内に埋没することを防止できるとともに、摩擦体3が筒体2の前方から脱落することを防止できる。特に、押し棒4の前端部が摩擦体3の係合凹部33よりも前方の内孔35の底壁部351を前方に押圧することにより、係合凹部33と係合凸部23の係合過程で、摩擦体3の前部31の変形を抑えることができ、一層、円滑な組立が可能となる。本実施の形態の摩擦具1は、各々の支持片部22が径方向の可撓性を有するため、摩擦体3の前部31が係合凸部23を乗り越える際、各々の支持片部22が径方向外方に容易に一時的に弾性変形される。摩擦体3の前部31が係合凸部23を乗り越えた後、各々の支持片部22が径方向内方に即座に弾性変形され、係合凸部23と係合凹部33との係合が完了する。
押し棒4は、円柱状の棒状体であり、小径部41と、該小径部41の後方に段部を介して形成され且つ該小径部41より大きい外径を有する大径部42と、を備える。小径部41は、摩擦体3の内孔35に挿入される。小径部41の前端部は、凸曲面状に形成され、それにより、小径部41を内孔35内に円滑に挿入することができる。小径部41の前端部が摩擦体3の底壁部351に当接された状態において、摩擦体3の後端が小径部41と大径部42との間の段部に非当接状態に設定され、それにより、摩擦体3の底壁部351と押し棒4の前端部とが確実に当接され、摩擦体3の前部31(底壁部351)が押し棒4によって確実に前方に押圧される。
本実施の形態の摩擦具1は、熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能なゴム弾性材料からなる摩擦体3と、前記摩擦体3が前端部に取り付けられる筒体2と、を備えた摩擦具であって、前記筒体2の前端部が、軸方向前方に開口され且つ径方向に貫設される複数のスリット21と、前記各々のスリット21の間に形成され、径方向の可撓性を有する複数の支持片部22と、前記各々の支持片部22の内面に形成される係合凸部23と、を備え、前記摩擦体3が、前部31と、前記前部31より後方に形成される後部32と、前記前部31と前記後部32との間の外面に形成される係合凹部33と、を備え、前記摩擦体3が前記筒体2に前端部に取り付けられた状態において、前記摩擦体3の前部31が前記各々の支持片部22の前端より前方に突出され、前記各々の係合凸部23が前記係合凹部33に係合され、前記摩擦体3の後部32が前記各々の係合凸部23より後方の支持片部の内方に配置されてなる。本実施の形態の摩擦具1は、前記構成により、摩擦体3と筒体2との円滑な挿入組立が得られ、且つ、摩擦体3と筒体2との組立時に摩擦体3の外面が損傷することを抑えることができる。尚、本実施の形態では、摩擦体3を筒体2の後方より前方に挿入する構成が採用されるが、摩擦体3を筒体2の前方より後方に挿入する構成であってもよい。
本実施の形態の摩擦具1は、前記摩擦具において、前記摩擦体3の係合凹部33の前端外縁部331の外径が、前記摩擦体3の係合凹部33の後端外縁部332の外径より小さく設定される。この構成により、本実施に形態の摩擦具1は、摩擦部311の前部31を筒体2の係合凸部23の後方からに前方に挿入し、係合凸部23と係合凹部33とを係合させる際、摩擦体3の前部31の大きな弾性変形を抑え、より一層、摩擦体3と筒体2との円滑な挿入組立が得られるとともに摩擦体3と筒体2との組立時に摩擦体3の前部31外面が損傷することを抑えることができる。
本実施の形態の摩擦具1は、前記摩擦具において、前記各々の係合凸部23の後部の径方向内面に、後方に向かうに従い径方向外方に進む傾斜面231を備える。この構成により、本実施の形態の摩擦具1は、摩擦部311の前部31を筒体2の係合凸部23の後方からに前方に挿入し、係合凸部23と係合凹部33とを係合させる際、摩擦体3の前部31と係合凸部23との引っ掛かりを抑え、より一層、摩擦体3と筒体2との円滑な挿入組立が得られ且つ摩擦体3と筒体2との組立時に摩擦体3の前部31外面が損傷することを抑えることができる。
本実施の形態の摩擦具1は、前記摩擦具において、前記各々の支持片部22の前端部に、前記係合凸部23より前方に突出する前端壁部24が一体に形成され、前記摩擦体3が前記筒体2の前端部に取り付けられた状態において、前記各々の前端壁部24が前記摩擦体3の前部31の後端部外面を包囲してなる。この構成により、本実施の形態の摩擦具1は、摩擦操作時、筒体2に対する摩擦体3の径方向のがたつきを抑え、安定した摩擦操作が可能となるとともに、係合凸部23と係合凹部33との強固な係合状態が維持される。
本実施の形態の摩擦具1は、前記摩擦具において、前記各々の係合凸部23の後面に後方に突出し且つ周方向に延びる後方突出部27が一体に形成され、前記摩擦体3の後部32の前面に環状凹溝322が形成され、前記摩擦体3が前記筒体2の前端部に取り付けられた状態において、前記各々の後方突出部27が前記環状凹溝322に係合されることが好ましい。この構成により、本実施の形態の摩擦具1は、摩擦操作時、筒体2に対する摩擦体3の径方向のがたつきを抑え、安定した摩擦操作が可能となるとともに、係合凸部23と係合凹部33との強固な係合状態が維持される。
本実施の形態の摩擦具1は、前記摩擦具において、前記摩擦体3が前記筒体2の前端部に取り付けられた状態において、前記筒体2の前端部の支持片部22及びスリット21が外部に露出され、摩擦操作時、前記支持片部22及び前記スリット21(即ちスリット21の外縁部)を把持可能に構成される。この構成により、本発明の摩擦具1は、摩擦操作時に、スリット21によって周方向の滑り止めがなされ、支持片部22の外面を安定して把持できる。
本実施の形態の摩擦具1は、支持片部22の径方向内方に位置する摩擦体3の外面が横断面円形である。本実施の形態の摩擦具1は、摩擦体使用時、複数の支持片部22(または複数の係合凸部23)が摩擦体3の外面に圧接され、支持片部22の径方向内方に位置する摩擦体3の外面が横断面円形であっても、筒体2に対して摩擦体3が回転することを抑えることができ、安定した摩擦操作が維持できる。
本実施の形態の摩擦具1は、摩擦操作時、筒体2の各々の係合凸部23の前面が摩擦体3の係合凹部33の前側内面に圧接される。それにより、摩擦操作時、各々の支持片部22が径方向外方に変形することを抑止できる。
本実施の形態の摩擦具の製造方法は、熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能なゴム弾性材料からなる摩擦体3と、前記摩擦体3が前端部に取り付けられる筒体2と、を備えた摩擦具の製造方法であって、前記筒体2の前端部に、軸方向前方に開口され且つ径方向に貫設される複数のスリット21と、前記各々のスリット21の間に形成され、径方向の可撓性を有する複数の支持片部22と、前記各々の支持片部22の内面に形成される係合凸部23と、を備え、前記摩擦体3が、前部31と、前記前部31より後方に形成される後部32と、前記前部31と前記後部32との間の外面に形成される係合凹部33と、前端が閉鎖され且つ後端が開口される内孔35と、を備え、押し棒4の前端部を前記摩擦体3の内孔35に挿入し、前記内孔35の底壁部351に前記押し棒4の前端を当接させ、その状態の前記押し棒4の前端部を前記筒体2の内部に後方から挿入し、前記摩擦体3の内孔35の底壁部351を前記押し棒4の前端部が前方に押圧することによって、前記摩擦体3の前部31を前記筒体2の係合凸部23より前方に移動させ、前記摩擦体3の係合凹部33と前記筒体2の係合凸部23とを係合させることを特徴とする。この製造方法により、摩擦体3と筒体2との円滑な挿入組立ができるとともに、摩擦体3と筒体2との組立時に摩擦体3の外面が損傷することを抑えることができる摩擦具を得る。
本実施の形態の構成(即ち、前記係合凸部23の後面に後方に突出し且つ周方向に延びる後方突出部27が一体に形成され、前記摩擦体3の後部32の前面に環状凹溝322が形成され、前記摩擦体3が前記筒体2の前端部に取り付けられた状態において、前記後方突出部27が前記環状凹溝322に係合される構成)を、第1の実施の形態または第3の実施の形態の摩擦具に採用することができる。
1 摩擦具
2 筒体
21 スリット
22 支持片部
23 係合凸部
231 傾斜面
24 前端壁部
25 係合溝
26 凸部
27 後方突出部
28 溝
3 摩擦体
31 前部
311 摩擦部
312 傾斜面
313 後向き段部
314 鍔状突起
32 後部
321 前向き段部
322 環状凹溝
323 環状凸部
33 係合凹部
331 前端外縁部
332 後端外縁部
34 縮径部
35 内孔
351 底壁部
4 押し棒
41 小径部
42 大径部

Claims (7)

  1. 熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能なゴム弾性材料からなる摩擦体と、前記摩擦体が前端部に取り付けられる筒体と、を備えた摩擦具であって、
    前記筒体の前端部が、軸方向前方に開口され且つ径方向に貫設される複数のスリットと、前記各々のスリットの間に形成され、径方向の可撓性を有する複数の支持片部と、前記各々の支持片部の内面に形成される係合凸部と、を備え、
    前記摩擦体が、前部と、前記前部より後方に形成される後部と、前記前部と前記後部との間の外面に形成される係合凹部と、を備え、
    前記摩擦体が前記筒体に前端部に取り付けられた状態において、
    前記摩擦体の前部が前記各々の支持片部の前端より前方に突出され、
    前記各々の係合凸部が前記係合凹部に係合され、
    前記摩擦体の後部が前記各々の係合凸部より後方の支持片部の内方に配置されることを特徴とする摩擦具。
  2. 前記摩擦体の係合凹部の前端外縁部の外径が、前記摩擦体の係合凹部の後端外縁部の外径より小さく設定される請求項1に記載の摩擦具。
  3. 前記各々の係合凸部の後部の径方向内面に、後方に向かうに従い径方向外方に進む傾斜面を備える請求項1または2に記載の摩擦具。
  4. 前記各々の支持片部の前端部に、前記係合凸部より前方に突出する前端壁部が一体に形成され、
    前記摩擦体が前記筒体の前端部に取り付けられた状態において、
    前記各々の前端壁部が前記摩擦体の前部の後端部外面を包囲する請求項1乃至3の何れかに記載の摩擦具。
  5. 前記各々の係合凸部の後面に後方に突出し且つ周方向に延びる後方突出部が一体に形成され、
    前記摩擦体の後部の前面に環状凹溝が形成され、
    前記摩擦体が前記筒体の前端部に取り付けられた状態において、
    前記各々の後方突出部が前記環状凹溝に係合される請求項1乃至4の何れかに記載の摩擦具。
  6. 前記摩擦体が前記筒体の前端部に取り付けられた状態において、前記筒体の前端部の支持片部及びスリットが外部に露出され、摩擦操作時、前記支持片部及び前記スリットを把持可能に構成される請求項1乃至5の何れかに記載の摩擦具。
  7. 熱変色性インキを用いて被筆記面上に形成した熱変色性の像または筆跡を摩擦し、その際に生じる摩擦熱で前記熱変色性の像または筆跡を熱変色可能なゴム弾性材料からなる摩擦体と、前記摩擦体が前端部に取り付けられる筒体と、を備えた摩擦具の製造方法であって、
    前記筒体の前端部が、軸方向前方に開口され且つ径方向に貫設される複数のスリットと、前記各々のスリットの間に形成され、径方向の可撓性を有する複数の支持片部と、前記各々の支持片部の内面に形成される係合凸部と、を備え、
    前記摩擦体が、前部と、前記前部より後方に形成される後部と、前記前部と前記後部との間の外面に形成される係合凹部と、前端が閉鎖され且つ後端が開口される内孔と、を備え、
    押し棒の前端部を前記摩擦体の内孔に挿入し、前記内孔の底壁部に前記押し棒の前端部を当接させ、その状態の前記押し棒の前端部を前記筒体の内部に後方から挿入し、前記摩擦体の内孔の底壁部を前記押し棒の前端部が前方に押圧することによって、前記摩擦体の前部を前記筒体の係合凸部より前方に移動させ、前記摩擦体の係合凹部と前記筒体の係合凸部とを係合させることを特徴とする摩擦具の製造方法。
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