JP4285501B2 - ディーゼル機関の排気浄化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼル機関の排気浄化方法に関し、詳細には排気中に含まれる煤と窒素酸化物との両方を除去可能な排気浄化方法に関する。
ディーゼルエンジンの排気中の煤を除去する方法の例としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
同公報の方法は、機関排気系に酸化触媒と、その下流側に排気微粒子捕集用のフィルタ(ディーゼルパティキュレートフィルタ、以下「DPF」と称する)とを配置し、上流側の酸化触媒で排気中のNO(一酸化窒素)を酸化してNO2(二酸化窒素)を生成し、下流側のDPFで排気中の煤を捕集するとともに、この捕集された煤を酸化触媒で生成したNO2を用いて燃焼させることにより、DPF上の煤を除去している。
従来、DPF上の煤を通常の方法で燃焼させるためには、かなりの高温が必要とされていた。これに対して、上記公報の方法ではNO2と煤とを反応させることにより、ディーゼルエンジンの通常の排気温度(例えば300℃以下)で煤の燃焼を生じさせることが可能となる。このため、煤の燃焼用に特別な加熱手段等を設ける必要がなく、簡易な装置で排気中の煤を除去することが可能となる。
特開平1−318715号公報 特開平6−317143号公報 特開平6−117220号公報
ところが、上記公報の方法では、排気中の煤を簡易に除去することはできるものの、排気中の窒素酸化物の大気放出を防止し得ないという問題がある。
すなわち、NO2は煤を構成するカーボンと、
NO2+C→NO+CO、及び2NO2+2C→N2+2CO2
の反応を生じて煤を燃焼させる。しかし、本出願人の研究によれば、ディーゼルエンジンの通常の排気程度の比較的低い温度領域では、上記2NO2+2C→N2+2CO2の反応はほとんど生じず、DPFに流入する排気中のNO2の大部分はNO2+C→NO+COの反応によりNOに転換されてしまうことが判明している。このため、上記公報の方法で排気中の煤を処理するとNOが排気とともに大気に放出されてしまう問題が生じる。
また、ディーゼル燃料は比較的多量の硫黄分を含んでいるが、この燃料中の硫黄はエンジンで燃焼して排気中にSO2成分を生成する。ところが、上記公報のように、酸化触媒を用いて排気中のNOをNO2に酸化していると排気中のSO2成分も同時に酸化されて排気中にSO3(サルフェート)が生成されてしまう問題がある。
排気中のサルフェートは、DPFには捕集されずそのままDPF下流側に流出し、ディーゼル排気微粒子(ディーゼルパティキュレート)として検出される。このため、上記特許文献1の方法では、酸化触媒で生成されたサルフェートのためにDPFを通過する排気中のパティキュレートの量が増大してしまう問題が生じる。
本発明は、上記問題を解決しNOやパティキュレートの大気放出量の増大を生じることなく、DPFに捕集された煤を簡易に処理する方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明によれば、ディーゼル機関の排気浄化方法であって、機関排気中の一酸化窒素を酸化して排気中に二酸化窒素を生成する工程と、機関排気中の煤をパティキュレートフィルタを用いて捕集する工程と、生成された排気中の二酸化窒素とパティキュレートフィルタに捕集した煤とを反応させることにより煤を燃焼させるパティキュレートフィルタの再生操作時に、排気空燃比をリーン空燃比に維持したまま排気温度を上昇させ、排気中に一酸化窒素を生成する工程と、上記排気中に生成された一酸化窒素を、流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOXを吸収し、排気中の酸素濃度が低下すると吸収したNOXを放出するNOX吸収剤を用いて排気から除去する工程と、を備えたディーゼル機関の排気浄化方法が提供される。
再生操作実行時に排気温度を上昇させることにより、パティキュレートフィルタに捕集された煤は、排気中の二酸化窒素と反応しやすくなりパティキュレートフィルタで効率的に燃焼し除去される。また、煤と二酸化窒素との反応により二酸化炭素と一酸化窒素とが生成するが、本発明では、生成された一酸化窒素は、その後の工程で排気から除去されるため二酸化窒素の大気への放出が生じない。
請求項2に記載の発明によれば、前記再生操作時に、更にリーン空燃比を維持したままで排気空燃比を低下させる、請求項1に記載の排気浄化方法が提供される。
すなわち、請求項2に記載の発明ではパティキュレートフィルタの生成操作時に排気空燃比がリーン空燃比の範囲内で低下(リッチ空燃比方向に変化)させられる。空燃比が低下すると排気中に含まれる未燃燃料やHC、CO成分の量が増大する。この場合、酸化触媒などにより排気中の一酸化窒素酸化して排気中に二酸化窒素を生成している場合には、酸化触媒で未燃燃料やHC、CO成分が燃焼するため排気温度が上昇し、効率的にパティキュレートフィルタ上で煤と二酸化窒素とを反応させることができるようになる。
請求項3に記載の発明によれば、前記再生操作中に、前記NOX吸収剤から吸収したNOXを放出させるべきときには排気空燃比を更に低下させてリッチ空燃比にする請求項1または2に記載の排気浄化方法が提供される。
すなわち、請求項3に記載の発明では、再生操作中に排気空燃比をリッチ空燃比にしてNOX吸収剤から吸収したNOXを放出させることにより、NOX吸収剤には高温かつリッチな排気が流入するようになるため、NOX吸収剤から吸収したNOXのみならずSOXをも放出させることができる。これにより、本発明ではNOX吸収剤が吸収したSOXで飽和してしまうことを効果的に防止することができる。
各請求項にに記載の発明によれば、ディーゼルエンジン排気中のNOをNO2に転換し、次いで排気温度を上昇させた状態で、捕集した排気中の煤とNO2とを反応させて煤を燃焼するとともに、この燃焼により生じたNOを排気から除去するようにしたことにより、NOXやパティキュレートの大気放出を防止しながら排気中の煤を効果的に除去することが可能となるという共通の効果を奏する。
以下添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の排気浄化方法を実施するための装置の構成を示す図である。図1において、1はディーゼルエンジン(図には1気筒のみの断面を示す)、2はエンジン1の吸気通路、3は排気通路、4はエンジン1の燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射弁をそれぞれ示している。
また、本実施形態では、吸気通路2には、吸気絞り弁6が設けられている。吸気絞り弁6は、バタフライ弁等の開弁時に吸気抵抗の少ない形式とされ、後述のパティキュレートフィルタ(DPF)の煤燃焼時に吸気通路2を絞り、エンジン1に供給される吸気量を減少させる。このように、吸気絞り弁6を設けて、エンジン1の吸入空気量を減少させることにより、エンジン排気温度を上昇させることができるためDPF上の煤の燃焼が容易になる。6aはECU20からの制御信号により吸気絞り弁6を開閉駆動する、負圧アクチュエータ、ソレノイドなどの適宜な形式のアクチュエータである。
また、図1に示すように本実施形態では、エンジン1の排気通路3には上流側から、排気中のNOを酸化してNO2を生成する酸化触媒5、排気中の煤を捕集するDPF7、排気中のNOXを吸収するNOX吸収剤9がそれぞれ配置されている。これらの要素については後に説明する。
図1に20で示すのはエンジン制御回路(ECU)20である。ECU20は、中央処理装置(CPU)21、ランダムアクセスメモリ(RAM)22、リードオンリメモリ(ROM)23、入力ポート24、出力ポート25を互いに双方向性バス26で接続した公知の構成のディジタルコンピュータからなり、エンジン1の燃料噴射制御などの基本制御を行うほか、本実施形態ではDPF7で捕集した煤の燃焼(以下「DPFの再生」という)とNOX吸収剤9の再生操作を制御している。これらの制御のために、ECU20の入力ポート24には、エンジン回転数、アクセル開度等の信号が、それぞれ図示しないセンサから入力されている。
また、ECU20の出力ポート25は図示しない駆動回路を介して、エンジン1の燃料噴射弁4と吸気絞り弁6のアクチュエータ6aにそれぞれ接続され、エンジンの燃料噴射量及び噴射時期、DPFの再生操作時の吸気絞り弁6の作動をそれぞれ制御している。
酸化触媒5は、例えばコージェライト製のモノリス担体にアルミナの触媒担持層をコーティングにより形成し、この担持層に白金Pt、パラジウムPd等の触媒成分を担持させたものが使用される。酸化触媒5は、排気空燃比が理論空燃比よりリーンのときに排気中のHC、CO成分を酸化するとともに、排気中に含まれるNO成分を酸化してNO2成分を生成する。なお、本明細書では排気系のある部分より上流側に供給された空気量と燃料量との比を、その部分における排気空燃比と称する。すなわち、排気通路に二次空気や燃料が供給されていない場合には、排気系の各部分における排気空燃比は機関の燃焼空燃比(燃焼室内の燃焼における空気と燃料との比)に等しくなる。
また、本実施形態では、酸化触媒5の上流側端面には、排気温度が低いエンジン始動直後の状態等で酸化触媒5を加熱して触媒反応を開始させるための電気ヒータ5aが設けられている。電気ヒータ5aのリレー(図示せず)にはECU20の出力ポート25からの制御信号が入力されており、ECU20により電気ヒータ5aのON、OFFが制御される。後述するように、このヒータ5aは吸気絞り弁6とともに、DPF7再生時に排気温度を上昇させるためにも使用される。
また、DPF7は多数の排気通路が互いに平行に形成されたコージェライト製のハニカムフィルタが使用される。DPF7内の排気通路は、上流側端部と下流側端部とが閉鎖されたものが交互に配列されており、排気は上流側端部が開放された排気通路内に流入し、排気通路間を隔てる多孔質の壁面から下流側端部が開放された排気通路に流入して下流側に流出する。このため、壁面通過時に排気中の煤等の微粒子が排気壁面に捕集される。また、本実施形態では捕集した煤の、NO2による燃焼が容易に生じるようにするため、DPF7の壁面には白金Ptを担持させたアルミナ層が形成されている。
次に、本発明に使用するNOX吸収剤9について説明する。
NOX吸収剤9としては、例えばコージェライト製のモノリス担体にアルミナ等の担持層を形成し、この担持層上に例えばカリウムK、ナトリウムNa 、リチウムLi 、セシウムCs のようなアルカリ金属、バリウムBa , カルシウムCa のようなアルカリ土類、ランタンLa 、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Pt のような貴金属とを担持したものを使用する。NOX吸収剤9は流入する排気の空燃比がリーンの場合にはNOXを吸収し、酸素濃度が低下するとNOXを放出するNOXの吸放出作用を行う。
例えば、担持層上に白金Pt、バリウムBaを担持させたものに例をとって説明すると、排気空燃比がリーンのときには、機関排気中のNOX(窒素酸化物)の大部分を占めるNOは、白金Pt上に付着したO2-またはO2-などにより酸化されて硝酸イオンNO3 -を生成する。次いで、この硝酸イオンNO3 -が酸化バリウムBaOと結合しながらBaO内に拡散するため、排気中のNOは硝酸イオンNO3 -の形でNOX吸収剤9内に吸収される。また、排気空燃比が理論空燃比またはリッチ空燃比になると、流入排気中の酸素濃度が低下して白金Pt上でのNO2の生成量が減少する。これにより反応は上記とは逆にNO3 -→NO2の方向に進み、BaO内の硝酸イオンNO3 -がNO2の形で放出される。すなわち、流入排気中の酸素濃度が低下するとNOX吸収剤9からNOXが放出されることになる。
一方、流入排気中に還元剤や未燃HC、CO等の成分が存在すると、これらの成分は白金Pt 上の酸素O2-またはO2-と反応して酸化され、排気中の酸素を消費して排気中の酸素濃度を低下させる。また、排気中の酸素濃度低下によりNOX吸収剤9から放出されたNO2はHC、COと反応して還元され、N2、CO2、H2O等を生成する。従って、HC、CO成分により白金Pt の表面上でNO2が還元されると、吸収剤から次から次へとNO2が放出され、排気中のHC、CO成分と反応するようになる。
すなわち、NOX吸収剤9はリーン空燃比時に流入する排気中のNOXを除去し、リッチ空燃比時には吸収したNOXを放出するとともに、流入する排気中のHC、CO成分と反応させる作用を行う。つまり、NOX吸収剤は排気中のHC、CO成分とNOX成分とを同時に浄化することができる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態では、ディーゼルエンジン1が使用されるため通常運転中の排気空燃比はかなりリーンになっている(例えば空燃比で30程度)。また、エンジン出口での排気には少量のNOX(主にNO)と比較的多量の煤が含まれている。 この排気は、まず酸化触媒5を通過し、排気中のNOが酸化され、
2NO+O2→2NO2
の反応によりNO2が生成される。
次いで、この排気はDPF7に流入し、排気中の煤がDPFに捕集される。DPFに捕集された煤は、一部が上記により生成されたNO2と反応し、
NO2+C→NO+CO
の反応を生じCOとNOとが発生する。しかし、エンジンで発生するNOの量に較べて煤の量が多いこと、及びディーゼルエンジンの通常運転時の排気温度が低く(例えば200℃程度)、実際には上記反応があまり生じないことから、DPF7上には捕集された煤が徐々に蓄積される。一方、上記反応により生成したNOと、煤と反応せずにDPF7を通過したNO2とを含む排気は、次にNOX吸収剤9に流入する。通常運転時では、ディーゼルエンジン1の排気空燃比はリーンであるため、この排気中のNO、NO2はNOX吸収剤9に吸収され排気から除去される。これにより、通常運転時には排気は煤とNOXとをほとんど含まない状態でNOX吸収剤9から排出される。
上述のように、通常運転時エンジン排気中の煤はDPF7により、NOX(NO、NO2)はNOX吸収剤9により、それぞれ除去されるが、これによりDPF7には煤が、また、NOX吸収剤9にはNOXが徐々に蓄積される。DPF7に蓄積された煤の量が増大するとDPF7での排気圧損が上昇するため、排気背圧の増大によりエンジン出力の低下等の問題が生じる。また、NOX吸収剤9に蓄積されたNOX量が増大するとNOX吸収剤9のNOX吸収能力は低下し、大気に放出されるNOXの量が増大する問題が生じる。
そこで、本実施形態では定期的にNOX吸収剤9から吸収したNOXを放出させ、NOX吸収能力を回復させる操作(「NOX吸収剤の再生操作」という)と、DPF7に捕集された煤を燃焼させて圧損を低減させる操作(DPFの再生操作)とを行う。
まず、NOX吸収剤9の再生操作について説明する。本実施形態では、運転中に、エンジン排気空燃比を短時間理論空燃比よりリッチ側にすることにより、NOX吸収剤9の再生を行う。エンジン排気空燃比がリッチになると排気中の酸素濃度が急激に低下し、かつ排気中のHC、CO成分の量が増大する。また、排気空燃比がリッチであるためこれらHC、CO成分は酸化触媒5では酸化されず、その大部分が酸化触媒5とDPF7とを通過してNOX吸収剤9に到達する。このため、前述したようにNOX吸収剤9からはNOXが放出され、排気中のHC、CO成分により還元浄化される。
本実施形態では、ECU20はNOX吸収剤9再生時にエンジン1の燃料噴射弁4から各気筒の1サイクル当たり2回の燃料噴射を行うことによりエンジンの排気空燃比を理論空燃比よりリッチ側に制御する。通常運転中、各気筒からの燃料噴射量TAUは機関負荷に応じて設定されている。例えば、通常運転時、ECU20は機関アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)と機関回転数とから、予め定めた関係に基づいて燃料噴射量を算出し、算出した量の燃料を燃料噴射弁4から各気筒の圧縮行程後期に気筒内に噴射する。通常時には、この燃料噴射により機関空燃比は大幅なリーン(例えば空燃比で30程度)に維持されている。エンジン排気空燃比をリッチにするためには、この圧縮行程後期の燃料噴射量を増量することも考えられる。しかし、圧縮行程後期に気筒内に噴射する燃料量を増大すると、燃料の増量分だけエンジン出力トルクが上昇してしまい、トルクの急増によるショックや爆発力の増大によるエンジン耐久性の低下等の問題が生じる。
このため、本実施形態では、排気空燃比をリッチに移行させる場合には通常の圧縮行程後期燃料噴射に加えて、各気筒の排気行程に再度燃料噴射弁4から燃料噴射を行うようにしている。排気行程中に気筒内に噴射された燃料は、その一部は気筒内で燃焼するものの機関の出力増大には寄与しない。また、燃焼しなかった大部分の燃料は気筒内で気化して排気とともに排気通路に排出され、酸化触媒5で酸化され、多量のHC、CO成分を発生する。このため、NOX吸収剤9には酸素濃度が低く、多量のHC、CO成分を含む排気が流入することになり、短時間でNOX吸収剤9の再生が完了する。
なお、NOX吸収剤9からのNOX放出速度は排気空燃比がリッチであるほど大きくなる。このため、排気空燃比のリッチの程度が大きいほど(排気空燃比を低くするほど)NOX吸収剤9の再生を短時間で完了させることができる。また、再生操作はNOX吸収剤9に吸収されたNOX量が少ないほど短時間で完了する。本実施形態では、エンジン運転中にNOX吸収剤9の再生操作を数十秒から数分程度の間隔で行い、NOX吸収剤9再生時には0.5秒程度の時間排気空燃比を13程度のリッチ空燃比に維持するようにしている。
次に、DPF7の再生操作について説明する。本実施形態では前述したように排気中のNO2とDPFに堆積した煤(カーボン)とを反応させて煤を燃焼させる。また、このときに発生するNO成分をDPF7下流側のNOX吸収剤9に吸収させて大気への放出を防止する必要がある。このため、DPF7の再生時には、排気空燃比がリーンとなっていることが必要となる。また、NO2と煤との反応を促進するためには、排気温度は高い方が好ましい。そこで、本実施形態では排気空燃比がリッチにならない範囲で、NOX吸収剤9の再生時と同様、通常の圧縮行程後期の噴射に加えて排気行程での燃料噴射を行い、この燃料を酸化触媒5で燃焼させることにより排気温度を上昇させる。また、排気温度を上昇させるため、DPF7再生時には吸気通路2の吸気絞り弁6を一定開度まで閉弁し、吸入空気量を低減するとともに、必要に応じて酸化触媒5の電気ヒータ5aに通電を行う。吸気絞りにより、機関排気温度が上昇し、さらに排気行程中に噴射された燃料が酸化触媒5で燃焼するため、DPF7には通常より高い温度(例えば400℃から500℃程度)の排気が流入することになる。このため、排気中のNO2はDPF7に堆積した煤と容易に反応し、煤が燃焼して除去されるためDPF7の圧損が低下する。また、DPF7を通過する排気は、全体としてまだリーン空燃比であるため、NO2と煤との反応により発生したNOは、下流側のNOX吸収剤9により吸収され、排気から除去される。
本実施形態では、DPF7の再生操作は数十分から数時間の間隔で行い、再生時の空燃比は20程度のリーン空燃比に維持される。また、このときDPF7の再生は数分程度で完了する。
なお、前述したようにNOX吸収剤9の再生操作は数十秒から数分の間隔で実行されるが、本実施形態ではDPF7の再生操作中も、NOX吸収剤9の再生操作のタイミングになった場合には、吸気絞り弁6を閉弁したままで排気行程時の燃料噴射量を増大し排気空燃比を13まで低下させる。これにより、DPF7再生操作中は、通常のNOX吸収剤9再生操作に加えて、通常より高い排気温度で再生操作が実行されるようになる。このように、DPF7再生操作実行中もNOX吸収剤9の再生を行うのは、以下の理由による。
エンジン排気中にはディーゼル燃料に含まれる硫黄分により発生するSO2が含まれる。このSO2は酸化触媒5で酸化されてサルフェートSO3を生成する。このサルフェートSO3はDPF7では捕集されず、そのままDPFを通過してしまい、排気中の微粒子として検出される。このため、ディーゼルエンジン1の排気通路3に酸化触媒5を配置すると、大気に放出される微粒子(ディーゼルパティキュレート)の量が増大する。ところが、サルフェートSO3はNOX吸収剤9を通過する際に、NOの吸収と全く同じメカニズムで硫酸イオンSO4 2−を生成し、例えばBaSO4等の硫酸塩の形でNOX吸収剤9に吸収される。このため本実施形態のようにDPF7下流側にNOX吸収剤9を設けることにより、NOXのみならず、酸化触媒5で生成したサルフェートSO3を排気から除去することができる。すなわち、本実施形態ではNOX吸収剤9をDPF7下流側に配置したことにより、DPF上に堆積した煤の燃焼時のNOだけでなくサルフェートSO3をも同時に浄化することができる。
また、NOX吸収剤内に吸収されたSOXは、排気空燃比がリッチになったときにNOXの放出と同じメカニズムによりSO2として放出される。
ところが、一般にサルフェートによりNOX吸収剤内に生成される硫酸塩はNOXにより生成される硝酸塩より安定であり、通常のNOX吸収剤の再生操作に必要とされる温度より高い温度にならないとNOX吸収剤から放出されない。このため、単に排気空燃比をリッチにするだけの通常のNOX吸収剤再生操作を繰り返していると、NOX吸収剤内の硫酸塩の量が増大しNOX吸収剤のNOXとSO3との吸収能力が低下してしまう。そこで、本実施例では、DPF再生操作中にNOX吸収剤の再生を実行することにより、通常より高い温度でNOX吸収剤の再生を行い、吸収されたSO3をSO2の形で放出させるようにしている。これにより、DPF7の再生操作中に、NOXのみならずSO3をもNOX吸収剤9から放出させることが可能となり、NOX吸収剤の吸収能力を常に高く維持することが可能となる。
次に、図2から図4を用いて、上記DPF7とNOX吸収剤9との再生制御について説明する。
図2から図4は、本実施形態のDPF7とNOX吸収剤9との再生制御ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンはECU20により一定時間毎に実行される。
図2においてルーチンがスタートすると、ステップ201ではフラグADPFの値が1にセットされているか否かが判断される。ここで、フラグADPFはDPF7の再生操作実行フラグであり、DPFの再生操作実行条件が成立した場合に後述する図3のルーチンで1に設定される。ステップ201でADPF=1であった場合には、DPFの再生操作を実行するため、ステップ203に進み吸気通路2の絞り弁6が所定開度まで閉弁されるとともに、酸化触媒5のヒータ5aがオンにされる。
ステップ203実行後、ついでステップ205では別のフラグANOXの値が1にセットされているか否かが判定される。ここで、ANOXはNOX吸収剤9の再生操作実行フラグであり、NOX吸収剤9の再生操作実行条件が成立した場合に、後述する図3のルーチンで1に設定される。
ステップ205でANOX≠1、すなわちDPFの再生操作実行条件が成立しており、且つNOX吸収剤9の再生操作実行条件が成立していない場合には、ルーチンはステップ207に進み、機関回転数、アクセル開度に基づいて燃料噴射量料TAU21の値が算出される。ここで、TAU21は、通常の燃料噴射に加えて排気行程時に気筒内に噴射される燃料量であり、排気空燃比を理論空燃比よりリーン側の所定値(例えば空燃比で20程度)とするのに必要とされる燃料噴射量である。すなわち、ステップ207では、機関回転数から吸入空気量絞り弁6閉弁時の機関吸入空気量Qが算出され、アクセル開度から現在の通常時燃料噴射量TAUが算出され、排気空燃比を所定値(空燃比で20程度)にするために必要な排気行程燃料噴射量TAU21がQとTAUとから算出される。
また、ステップ209では排気行程燃料噴射量TAU2を、上記により算出したTAU21の値に設定しててルーチンを終了する。
TAU2の値がTAU21に設定されると、別途ECU20により実行される燃料噴射ルーチンにより、各気筒の排気行程時にTAU21の量の燃料が噴射され、機関には合計でTAU+TAU21の量の燃料が供給されるようになり、機関排気空燃比は20程度のリーンな値になる。
すなわち、この場合には吸気絞り弁6が所定開度まで閉弁され、機関に供給される燃料は通常時よりTAU21だけ増量されることになり、DPF7には酸化触媒5で生成した比較的多量のNO2を含む高温のリーンな排気が流入することになる。このため、DPF7上で煤がNO2と反応して燃焼し、DPF7の再生が行われるとともに、煤の燃焼により生成されたNOが下流側のNOX吸収剤9で吸収される。
また、ステップ205でNOX吸収剤9の再生操作実行条件が成立している場合には、ステップ205の次にステップ215が実行され、機関回転数とアクセル開度とに基づいて燃料噴射量TAU22の値が算出される。ここで、TAU22は排気空燃比を理論空燃比よりリッチ側の所定値(例えば空燃比で13程度)とするのに必要とされる排気行程燃料噴射量である。また、ステップ217では、排気行程燃料噴射量TAU2の値をTAU22に設定してルーチンを終了する。すなわち、この場合には吸気絞り弁を閉弁した状態で排気空燃比はリッチに制御される。このため、DPF7とNOX吸収剤9とにはHC、CO成分を多量に含む高温のリッチな排気が流入することになる。この状態では排気中にはNOX成分とO2成分とはほとんど含まれないため、一時的にDPFの再生操作は停止されるが、NOX吸収剤9は、この高温かつリッチな排気で再生が行われるためNOX吸収剤7に吸収されたNOXのみならずSO3も放出、還元浄化される。このため、NOX吸収剤9のSO3吸収によるNOX吸収能力の低下も解消され、NOX吸収剤の完全な再生が行われる。
また、ステップ201でADPF≠1であった場合、すなわちDPF7の再生実行条件が成立していない場合には、ステップ211で吸気絞り弁6が全開にされるとともに、酸化触媒5のヒータ5aがオフにされる。ついで、ステップ213では、NOX吸収剤9の再生操作実行条件が成立しているか否かが判断され、成立している場合(ANOX=1)にはステップ215、217でTAU2の値がTAU22にセットされる。この状態では吸気絞り弁6は全開であり、かつヒータ5aはオフになっているため、DPF7とNOX吸収剤9とには、比較的低温でリッチな排気が流入することになり、NOX吸収剤9は再生されるものの、吸収されたSOXは放出されず、NOXの吸収量のみが低下する。
また、ステップ213でNOX吸収剤9の再生操作実行条件が成立していない場合にはステップ219で排気行程燃料噴射量TAU2はゼロに設定される。すなわち、この場合には通常の圧縮行程燃料噴射のみが行われ、機関空燃比は大幅にリーンとなる。
すなわち、図2のルーチンでは、DPFの再生操作実行条件のみが成立した場合には、排気温度を上昇させ排気空燃比を20程度まで低下させる操作を行う。これにより、DPF7の再生のみが行われDPF7で発生したNOはNOX吸収剤9で吸収され、排気から除去される。
また、DPF7とNOX吸収剤9との両方の再生操作実行条件が同時に成立した場合には、排気温度を上昇させた状態でさらに燃料が増量され、排気空燃比は13程度まで低下される。これにより、NOX吸収剤9は高温状態で再生操作が実行されることになり、NOX吸収剤9に吸収されたSO3がSO2の形で放出される。
一方、DPF7の再生操作実行条件が成立しておらず、NOX吸収剤9の再生操作実行条件のみが成立した場合には、排気空燃比のみが13程度まで低下される。これにより、NOX吸収剤9は比較的低温状態で再生が行われるため、NOX吸収剤9からは吸収したNOXが放出、還元浄化されるものの吸収したSO3が放出されるまでるは至らない。
図3は、DPF7とNOX吸収剤9との再生操作実行条件判定ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンはECU20により一定時間毎に実行され、DPF7、NOX吸収剤9それぞれの再生操作実行条件が成立したときにフラグADPFとANOXとの値を1にセットする。
図3において、ステップ301から313はDPF7の再生操作実行フラグADPFの設定操作を示している。本実施形態では、エンジンへの燃料供給量を積算し、この積算値が所定値以上になった場合に再生操作を実行する。エンジンからの単位時間当たりの煤の発生量はエンジンへの燃料噴射量にほぼ比例すると考えられる。一方、単位時間当たりにDPF7に捕集される煤の量は単位時間当たりのエンジンの煤発生量に比例する。このため、DPF7に捕集された煤の総量はエンジンへの燃料供給量の積算値に比例すると考えられる。そこで、本実施形態ではエンジンへの燃料供給量の積算値が所定値に到達する毎にDPF7の煤捕集量が一定量を越えたと判断してDPF7の再生操作を実行するようにしている。
すなわち、図3においてルーチンがスタートすると、ステップ301では燃料積算カウンタFDの値が所定量FD0を越えたか否かが判定される。FDは、後述する別の燃料積算カウンタFNとともに、図4に示すルーチンで積算されるカウンタである。図4のルーチンはECU20により一定時間毎に実行され、アクセル開度ACCと機関回転数Nとから燃料噴射量TAUを算出し(図4ステップ401)、このTAUを積算して、それぞれFD、FNとして記憶する。
ステップ301でFD>FD0であった場合にはステップ307から313で一定の時間DPF7の再生操作実行フラグADPFの値が1に保持される。すなわち、ステップ307ではカウンタTDの値を1カウントアップし、ステップ311と313では、カウンタTDの値が所定値TD0を越えるまでフラグADPFの値を1に保持し、TD>TD0になった場合にはステップ311で燃料積算カウンタFDの値をクリアする。これにより、次回のルーチン実行時にはステップ301の次にステップ303、305が実行され、カウンタTDがクリアされるとともに、フラグADPFの値が0に復帰される。
すなわち、ステップ301から313では、燃料積算カウンタFDの値が所定値FD0に到達する毎に一定時間(カウンタTDの値がTD0に到達するまでの時間)フラグADPFの値を1に保持し、この一定時間が経過するとフラグADPFの値を0に復帰させるとともに、カウンタFDの値をクリアする。これにより、エンジン運転中燃料供給量の積算値が一定量に到達する毎に図2のルーチンにより一定時間吸気絞り弁6の閉弁とヒータ5aの通電とともに、通常の燃料噴射に加えて排気行程燃料噴射が実行され、DPF7が再生される。
なお、上記燃料積算カウンタFDの値の判定値FD0、再生操作実行時間TD0はDPFの種類、容量等により異なるため、実験等により最適値を定めることが好ましいが、本実施形態では、例えばFD0は燃料供給量にして6リットル程度、TD0は180秒程度に設定されている。
図3、ステップ315から327はNOX吸収剤9の再生操作実行フラグANOXの設定操作を示す。本実施形態では、DPFの場合と同様にエンジンへの燃料供給量の積算値が所定値に到達する毎にNOX吸収剤9の再生操作を行う。エンジンからのNOX発生量はエンジンで燃焼した燃料量に比例するため、DPFの場合と同様NOX吸収剤9のNOX吸収量も燃料供給量の積算値に比例すると考えられる。そこで、本実施形態では、DPFの場合と同様に燃料供給量積算値が所定値に到達する毎にNOX吸収剤9の再生操作を行っている。ステップ315から327において、FNは図4でカウントアップされる燃料積算カウンタ、TNは積算カウンタが所定値FN0に到達する毎に一定時間TN0だけフラグANOXの値を1に維持するためのカウンタである。ステップ315から327のステップは上述のステップ301から313のステップとほぼ同一であるため、ここでは説明を省略する。
ステップ315から327の実行により、NOX吸収剤9のNOX吸収量が一定量に到達する毎に、通常の燃料噴射に加えて排気行程時燃料噴射が実行され、エンジンの排気空燃比は理論空燃比よりリッチ側に制御される。また、DPF7の再生操作実行中であっても、NOX吸収剤9の再生操作実行条件が成立するとNOX吸収剤9の再生が行われるため、DPF7の再生中は通常より高温でNOX吸収剤9の再生が行われる。
なお、燃料積算カウンタFNの判定値FN0、NOX吸収剤再生操作実行時間TN0の値はNOX吸収剤の種類、容量により異なるため、実際には実験等により最適な値を設定することが好ましいが、本実施形態では、例えばFN0は燃料供給量にして0.2リットル程度に、またTN0は0.5秒程度に設定されている。
図5は、上記図2から図4のルーチンによるDPF7とNOX吸収剤9との再生時期を示すタイミング図である。
例えば、排気量2400CCのディーゼルエンジンを回転数2000RPM、トルク80NMで運転した場合、FD0=6リットルとするとDPF7の再生操作は60分程度の時間毎に実行される。また、FN0=0.2リットルとすると、NOX吸収剤9の再生操作は2分程度の時間間隔で行われることになる(図5参照)。また、DPF7の再生操作実行時間TD0を3分程度、NOX吸収剤9の再生操作実行時間TN0を0.5秒程度に設定すると、図5に示すようにDPF7の再生操作実行中に必ず1〜2回のNOX吸収剤再生操作が実行されるようになる。このため、NOX吸収剤9は定期的に高温状態で再生されるようになるため、通常のNOXの放出、還元浄化に加えてSO3の放出が行われることになる。このため、SOXの蓄積によりNOX吸収剤の吸収能力が低下することが防止される。
なお、上記実施形態ではDPF7とNOX吸収剤9との再生のため、通常の燃料噴射に加えて各気筒の排気行程時に燃料噴射を行うようにしているが、エンジン排気通路3の酸化触媒5の上流側に燃料を噴射する燃料噴射弁を設け排気通路に直接燃料を噴射するようにしても良い。
また、上記実施形態では、エンジンへの燃料供給量に基づいてDPF7の煤捕集量とNOX吸収剤9のNOX吸収量とを推定しているが、煤の捕集量やNOX吸収量にかかわらず一定時間毎にそれぞれDPF7とNOX吸収剤9との再生を行うようにして制御を簡略化することも可能である。
次に、本発明の別の実施形態について説明する。上述の実施形態ではDPF7の下流側の排気通路に、リーン空燃比下で排気中のNOXを吸収し、酸素濃度低下時に吸収したNOXを放出、還元浄化するNOX吸収剤9を設けることにより、DPF7下流側の排気中のNOを吸収(捕集)して排気からNOを除去している。これに対して、本実施形態ではNOX吸収剤9の代わりにリーン空燃比雰囲気下で排気中のNOを選択的に還元可能なNOX選択還元触媒を設ける点が相違している。なお、本実施形態の構成については、図1のNOX吸収剤9の代わりにDPF7下流側の排気通路にNOX選択還元触媒を配置する点のみが図1と相違しており、他の構成は図1と全く同じであるため、ここでは図示を省略する。
NOX選択還元触媒としては、例えばゼオライトZSM−5にCu等の金属をイオン交換して担持させたものが用いられる。NOX選択還元触媒は排気空燃比がリーンのときに、適量のHC、CO等の存在下でNOXをHC、COと選択的に反応させることにより、排気中のNOXを還元してN2に転換する機能を有している。すなわち、NOX選択還元触媒は、流入する排気中にHC等の成分が存在すると、これらHC成分等をゼオライトの細孔に吸着して保持し、このHC成分等を用いてリーン空燃比雰囲気下で排気中のNOXを還元浄化する。
従って、DPF7の下流側排気通路にNOX選択還元触媒を配置することにより、通常運転時にDPF7を通過するNOXやDPF再生時に煤との反応により発生する排気中のNOを効果的に還元浄化することが可能となる。
上述のように、NOX選択還元触媒でNOXを浄化するためには触媒内に適量のHC成分等が吸着されていることが必要とされる。
ところが、ディーゼルエンジンの通常運転時の排気空燃比は大幅なリーンであるため、排気中のHC成分等の量は極めて少なくなる。このため、通常のリーン空燃比運転が続くと吸着されたHC成分等が排気中のNOXの還元に消費されて選択還元触媒内のHC吸着量が減少してしまい、触媒のNOX浄化能力が低下してしまう。これを防止するためには、リーン空燃比運転実施時には定期的にNOX選択還元触媒にHC成分等を供給することにより、常に選択還元触媒内に適量のHC成分等が保持されるようにする必要がある。このため、本実施形態においても、定期的に短時間排気空燃比を理論空燃比よりリッチ側にして排気中のHC、CO成分を増大させる操作を行う。すなわち、本実施形態においても、図2から図3と同様な操作を行い、排気行程噴射を実行することにより排気空燃比を短時間理論空燃比よりリッチ側に制御する。これにより、多量のHC、CO成分を含む排気がNOX選択還元触媒に流入し、選択還元触媒内にHC、CO成分が蓄積される。このため、排気空燃比がリーンに復帰した場合に、DPF7を通過してくる排気中のNO、NO2をNOX選択還元触媒により還元浄化することが可能となる。すなわち、DPF下流側にNOX選択還元触媒を配置することにより、排気中のNOが大気に放出されることを防止しつつ簡易に排気中の煤を除去することが可能となる。
本発明の排気浄化方法を実施するための装置の概略構成を説明する図である。 本発明の排気浄化方法における、DPFとNOX吸収剤との再生操作制御の一例を示すフローチャートである。 本発明の排気浄化方法における再生操作実行条件判定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 図3のルーチンに使用するカウンタの設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 図1の実施形態におけるDPF再生とNOX吸収剤再生とのタイミングを示すタイミング図である。
符号の説明
1 ディーゼルエンジン
2 吸気通路
3 排気通路
4 燃料噴射弁
5 酸化触媒
6 吸気絞り弁
7 DPF
9 NOX吸収剤
20 エンジン制御回路(ECU)

Claims (3)

  1. ディーゼル機関の排気浄化方法であって、
    機関排気中の一酸化窒素を酸化して排気中に二酸化窒素を生成する工程と、
    機関排気中の煤をパティキュレートフィルタを用いて捕集する工程と、
    生成された排気中の二酸化窒素とパティキュレートフィルタに捕集した煤とを反応させることにより煤を燃焼させるパティキュレートフィルタの再生操作時に、排気空燃比をリーン空燃比に維持したまま排気温度を上昇させ、排気中に一酸化窒素を生成する工程と、
    上記排気中に生成された一酸化窒素を、流入する排気の空燃比がリーンのときに排気中のNOXを吸収し、排気中の酸素濃度が低下すると吸収したNOXを放出するNOX吸収剤を用いて排気から除去する工程と、
    を備えたディーゼル機関の排気浄化方法。
  2. 前記再生操作時に、更にリーン空燃比を維持したままで排気空燃比を低下させる、請求項1に記載の排気浄化方法。
  3. 前記再生操作中に、前記NOX吸収剤から吸収したNOXを放出させるべきときには排気空燃比を更に低下させてリッチ空燃比にする請求項1または2に記載の排気浄化方法。
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