JP4284873B2 - はんだ付け性試験装置及びはんだ付け性試験方法 - Google Patents

はんだ付け性試験装置及びはんだ付け性試験方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、はんだ付け性試験装置及びはんだ付け性試験に関する。
【0002】
【従来の技術】
良好なはんだ付けを達成するためには、母材を構成する金属(例えば、プリント配線板においては銅箔(ランド部)、表面実装部品においては電極部)と、はんだ(一般的には、錫と鉛の合金)との間で、充分な金属結合が形成される必要がある。そのためには、母材の表面がはんだ(より具体的には、錫)で濡れることが必要である。濡れたはんだ(錫)が母材中に拡散し、金属結合によって母材との間で合金層が形成され、これによってはんだ付けが完了する。従って、母材とはんだとの間の濡れ性の試験を行うことが、はんだ付け性の定量的な評価に繋がる。
【0003】
リード部品のリード部や表面実装部品のリード部や電極部、プリント配線板に設けられたランド部のはんだ濡れ性、フラックスの濡れ性、はんだ合金の濡れ性、ソルダペースト(クリームはんだ、あるいは、はんだペーストとも呼ばれる)の濡れ性等の評価装置として、例えば、特開平7−72064号公報に開示された装置や、これをもとに制定された日本電子機械工業会規格EIAJ ET−7404「ソルダペーストを用いた表面実装部品のはんだ付け性試験方法(平衡法)」に規定された装置が公知である。これらに開示されたはんだ付け性試験装置は、平衡法に基づくはんだ付け性試験に適した装置である。
【0004】
図1に概念図を示すように、このはんだ付け性試験装置は、具体的には、供試品保持手段20と、供試品保持手段20を支持する外力検出手段10と、ソルダペースト収納容器30と、加熱手段40から構成されている。外力検出手段10はロードセル(高感度加重センサー)を備えている。ソルダペースト収納容器30には、フラックスを含むソルダペースト31が納められている。供試品保持手段20は、供試品(又は、標準試験片)50を保持するための供試品保持部材23と、この供試品保持部材23を支持する伸縮可能なスライド部21と、このスライド部21をロックする電磁クラッチ22から構成されている。更には、スライド部21の上端が外力検出手段10に吊下げられている。
【0005】
ソルダペースト収納容器30はホルダー32によって支持されており、ソルダペースト収納容器30を含むホルダー32はステッピングモーター33によって上下動可能である。加熱手段40は、熱源として機能するはんだ槽41を備えている。はんだ槽41内に納められたはんだ42は、ヒータ43によって加熱され、溶融状態となる。また、はんだ槽41内に納められたはんだ42の温度を、図示しない温度センサー(例えば、熱電対)によって測定し、その結果に基づきヒータ43を制御する。これによって、はんだ槽41内に納められた溶融はんだ42の温度を所定の温度に制御することができる。そして、はんだ槽41内の溶融はんだ42にソルダペースト収納容器30を浸漬することによって、ソルダペースト収納容器30内のソルダペースト31を加熱し、所定の温度の溶融状態とすることができる。はんだ槽41は、下方に備えられたステッピングモーター44によって上下動可能である。
【0006】
図6の(A)には、供試品保持部材23によって供試品50(例えば、表面実装部品)を保持した状態を模式的に部分的に示す。ここで、従来のはんだ付け性試験装置における供試品保持部材23は、例えば、鋼材やステンレス鋼等の構造部材となり得る金属全般(融点が500゜C以下のもの、及び亜鉛やアルミニウム等のはんだ毒になるものを除く)から作製されている。
【0007】
はんだ付け性試験においては、供試品50を供試品保持部材23によって保持した状態にてステッピングモーター33を動作させ、ソルダペースト31を収納したソルダペースト収納容器30を含むホルダー32を上昇させると、供試品50の下端が、ソルダペースト31内に浸入し、ソルダペースト収納容器30の底面に衝突する。その後は、ソルダペースト収納容器30を含むホルダー32の上昇により、ソルダペースト収納容器30が供試品50を押し上げる。これによって、供試品保持手段20のスライド部21内を、供試品50の上昇分だけ供試品保持部材23は上方に移動する。そして、ソルダペースト収納容器30を含むホルダー32の上昇を停止させた後、電磁クラッチ22によってスライド部21をロックする。この状態において、供試品50の下端はソルダペースト収納容器30の底面(上底)と接した状態にある。その後、ステッピングモーター33を動作させて、ソルダペースト収納容器30を含むホルダー32を下降させる。これにより、供試品50の下部はソルダペースト31に所定の浸せき深さだけ浸漬され、ソルダーペースト収納容器の上底との間に所定の間隔が形成される。
【0008】
このとき、外力検出手段10を構成するロードセルには供試品保持手段20及び供試品50の重量が荷重として加わるので、この荷重分を風袋としてキャンセルし、荷重ゼロとしておく。
【0009】
続いて、ステッピングモーター44を動作させて、はんだ槽41を上昇させる。これにより、ソルダペースト収納容器30内に収納されたソルダペースト31が溶融はんだ42の温度まで急激に加熱され、溶融状態となる。このソルダペースト31が溶融する過程において、供試品50に加わるソルダペースト31による浮力や溶融ソルダペースト31の表面張力による作用力を、外力検出手段10を構成するロードセルによって検出し、電気信号として出力する。
【0010】
はんだ付けの過程において、溶融したソルダペースト31と供試品50との間で作用する力には、付着したソルダの重量を無視すると、次の2つが考えられる。即ち、溶融したソルダペースト31の表面張力による作用力f1、及び、溶融したソルダペースト31の浮力f2である。これらの作用力f1、浮力f2は、以下の式(1)及び式(2)で表すことができる。尚、下向きの力(張力)を正とする。
【0011】
[数1]
1=γlcosθ (1)
2=−ρvg (2)
【0012】
ここで、γ、θ、l、ρ、v、gは以下のとおりである。
γ・・・溶融ソルダペーストとフラックスとの界面張力
θ・・・溶融ソルダペーストと供試品の接触角
l・・・溶融ソルダペースト接触面での供試品の外周
ρ・・・溶融ソルダペースト(ソルダ)の密度
g・・・重力の加速度
【0013】
ソルダペースト31が加熱され始めると、ソルダペースト31中に混合されていたフラックスによる供試品50の表面の濡れが始まり、そのフラックスの作用によって、供試品50の表面における酸化膜や異物等が除去され、供試品50表面の清浄化が図られる。
【0014】
続いて、ソルダペースト31の溶融が開始し、溶融ソルダペースト31による浮力が作用し始めると共に、供試品の温度が所定の温度に上昇するにつれて、ソルダペースト31の濡れも開始する。ここで、供試品50に作用する力Fは、以下の式(3)のとおりである。
【0015】
[数2]
F=f1+f2
=γlcosθ−ρvg (3)
【0016】
この作用力の時間変化(濡れ曲線で表される)及び加熱過程の時間変化、並びに、供試品50の濡れ状態を図5に示す。図5において、ソルダペースト31中に浸漬された供試品50はA点で加熱が開始される。このときの供試品50及びソルダペースト31の状態を、図5中、(a)で示す。
【0017】
A点とB点との間で、ソルダペースト31のだれ、溶剤の蒸発、フラックスの濡れ(B点がフラックスの表面張力に起因する作用力の最大値)等の複雑な過程を経た後、B点でソルダペースト31が溶融し始める。ソルダペースト31の溶融の開始と共に、溶融ソルダ31の浮力が作用し始め、供試品50を排斥する力(図5では、下向きの力)が検出される。C点でこの力が最大となり、全てのソルダペースト31が溶融を完了している。そして、溶融したソルダペースト31と供試品50との接触角は、図5の(b)に模式的に示すように、最も大きくなっている(>90゜)。この時点においては、供試品50の表面が溶融ソルダペースト31によって濡れる条件が既に整っており、濡れが始まる。C点以降、溶融ソルダペースト31の表面張力による作用力(以下、張力と呼ぶ)が増加し、供試品50を吸引する力(図5では上向きの力)が検出され始める。D点で作用力F=0となり、浮力と張力が平衡する。
【0018】
この時点の接触角は、図5の(c)に模式的に示すように、90゜である。D点以降、接触角は90゜よりも小さくなり、供試品50の非浸漬部にも、溶融ソルダペースト31が濡れ上がり、図5の(d)に模式的に示すように、メニスカスが形成される。
【0019】
加熱開始(A点)からD点までの時間を濡れ時間tw(ゼロクロスタイム)と呼ぶ。D点は、図5に示すゼロラインと濡れ曲線との交点で近似して求めることができる。尚、ゼロラインと、試験開始前の荷重ゼロ状態を示すイニシャルラインとの間の荷重差は、試験完了時に供試品50に付着(残留)したソルダペーストの重量に相当する。この濡れ時間twが短いほど、ソルダペースト31と供試品50との間の濡れ性が良く、はんだ付け性が良好であると云える。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ソルダペースト31が加熱され始めると、ソルダペースト31中に混合されていたフラックスによる供試品50の表面の濡れが始まる。即ち、フラックスが供試品50の表面を伝って供試品50の上部へと濡れ上がり、供試品50と供試品保持部材23の供試品保持部分との間にフラックスが瞬時に浸入し、更には、供試品保持部材23の上部にまで瞬時に濡れ上がる場合がある。この状態を、模式的に図6の(B)に示すが、図6の(B)においては、フラックスの濡れ上がり部分を明示するために斜線を付した。このような現象は、フラックスの表面張力に起因する。このような供試品保持部材の上部までフラックスが濡れ上がる現象が発生すると、フラックスの過剰な表面張力と重量が外力検出手段10を構成するロードセルによって検出され、あるいは又、フラックスの急激な動きが作用力としてロードセルによって検出され、ロードセルによって検出される作用力に多大な悪影響(濡れ曲線の擾乱)を与える。あるいは又、ロードセルによって検出される作用力に対して、フラックスの表面張力による作用力が大きく影響を及ぼす。外力検出手段10を構成するロードセルによって検出する力は微小な力(数ミリニュートン乃至十数ミリニュートン程度)である。それ故、このような不要部分へのフラックスの浸入、濡れ上がりといった現象が発生すると、外力検出手段10を構成するロードセルによって供試品50に作用する作用力を正確に検出することができなくなる。しかも、このようなフラックスの濡れは、ソルダペーストの濡れと比較して急激であり、且つ、一様ではない。その結果、濡れ時間twの決定が極めて困難となる。尚、このような現象が発生したときの濡れ曲線を、図7に例示する。
【0021】
通常、濡れ時間twは、外力検出手段10(具体的には、ロードセル)の出力(濡れ曲線に相当する)をパーソナルコンピュータを用いた解析を行うことによって求めることができる。しかしながら、図7に示した例においては、実際の濡れ時間tw(ゼロクロスタイム)がA点であるにも拘わらず、パーソナルコンピュータを用いた解析ではB点となってしまい、実際の濡れ時間twよりも観察される濡れ時間tw’が短い値となってしまう。図8に例示するように、このような現象が発生したときの濡れ曲線は、再現性、一様性に乏しいため、濡れ時間の解析を行うためのソフトウエアによって、このような問題を解決することは極めて困難である。尚、図8においては、6本の濡れ曲線を示すが、そのうちの2本は重ねて表示している。
【0022】
従って、本発明の目的は、供試品と供試品保持部材の供試品保持部分との間の上方までフラックスが浸入し、更に、供試品保持部材の上部にまでフラックスが濡れ上がるといった不要部分の濡れ現象の発生を確実に防止でき、特に、0603、1005等の小型SMDにおける正確な濡れ時間の測定を可能とするはんだ付け性試験装置、及び、はんだ付け性試験方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
以下に説明する本発明の第1の態様、第2の態様に係るはんだ濡れ性試験装置、あるいは、本発明の第1の態様〜第3の態様に係るはんだ濡れ性試験方法は、基本的には、日本電子機械工業会規格EIAJ ET−7404にて規定された「ソルダペーストを用いた表面実装部品のはんだ付け性試験方法(平衡法)」に基づいている。
【0024】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係るはんだ付け性試験装置は、
(A)供試品を保持するための供試品保持部材を備えた供試品保持手段と、
(B)該供試品保持手段を支持する外力検出手段と、
(C)フラックスを含むソルダペーストを納めたソルダペースト収納容器と、
(D)ソルダペーストを加熱するための加熱手段、
を備えたはんだ付け性試験装置であって、
少なくとも供試品保持部材の供試品保持部分の表面に、フラックス濡れ防止層が形成されていることを特徴とする。
【0025】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係るはんだ付け性試験方法は、
(A)供試品を保持するための供試品保持部材を備えた供試品保持手段と、
(B)該供試品保持手段を支持する外力検出手段と、
(C)フラックスを含むソルダペーストを納めたソルダペースト収納容器と、
(D)ソルダペーストを加熱するための加熱手段、
を備え、
少なくとも供試品保持部材の供試品保持部分の表面に、フラックス濡れ防止層が形成されているはんだ付け性試験装置を用いたはんだ付け性試験方法であって、
供試品保持部材によって保持された供試品の一部をソルダペースト中に浸漬した状態で、加熱手段によってソルダペーストを加熱して溶融状態とし、溶融ソルダペーストと供試品との間に働く作用力の経時変化を外力検出手段で測定することを特徴とする。
【0026】
本発明の第1の態様に係るはんだ付け性試験装置あるいははんだ付け性試験方法において、フラックス濡れ防止層は、少なくとも供試品保持部材の供試品保持部分の表面に形成されていればよく、供試品保持部材の表面の大半あるいは全面に形成されていてもよい。即ち、例えば、供試品保持部材の供試品保持部分及びその上部の表面(フラックスが濡れ上がる可能性のある部分)に、フラックス濡れ防止層が形成されていればよい。
【0027】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係るはんだ付け性試験装置は、
(A)供試品を保持するための供試品保持部材を備えた供試品保持手段と、
(B)該供試品保持手段を支持する外力検出手段と、
(C)フラックスを含むソルダペーストを納めたソルダペースト収納容器と、
(D)ソルダペーストを加熱するための加熱手段、
を備えたはんだ付け性試験装置であって、
少なくとも供試品保持部材の供試品保持部分は、フラックスの濡れ性が悪い材料から作製されていることを特徴とする。
【0028】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係るはんだ付け性試験方法は、
(A)供試品を保持するための供試品保持部材を備えた供試品保持手段と、
(B)該供試品保持手段を支持する外力検出手段と、
(C)フラックスを含むソルダペーストを納めたソルダペースト収納容器と、
(D)ソルダペーストを加熱するための加熱手段、
を備え、
少なくとも供試品保持部材の供試品保持部分は、フラックスの濡れ性が悪い材料から作製されているはんだ付け性試験装置を用いたはんだ付け性試験方法であって、
供試品保持部材によって保持された供試品の一部をソルダペースト中に浸漬した状態で、加熱手段によってソルダペーストを加熱して溶融状態とし、溶融ソルダペーストと供試品との間に働く作用力の経時変化を外力検出手段で測定することを特徴とする。
【0029】
本発明の第2の態様に係るはんだ付け性試験装置あるいははんだ付け性試験方法においては、供試品保持部材の供試品保持部分がフラックスの濡れ性が悪い材料から作製されていればよく、供試品保持部材全体がフラックスの濡れ性が悪い材料から作製されていてもよい。更には、供試品保持部材の供試品保持部分は、熱の不良導体材料から作製されていることが好ましい。
【0030】
本発明の第1の態様に係るはんだ濡れ性試験装置あるいははんだ濡れ性試験方法において、フラックス濡れ防止層を構成する材料に対するフラックスの接触角θは、θ>90度を満足することが好ましい。そして、この場合、フラックス濡れ防止層を構成する材料を、高分子材料、あるいは、サーメット若しくはセラミックスとすることが望ましい。ここで、高分子材料は、耐熱性、耐摩耗性、撥水性等を有していることが好ましく、フッ素系樹脂あるいはその誘導体(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)、ポリオキシメチレン(POM)樹脂といった各種のエンジニアリングプラスチックスを例示することができる。あるいは又、サーメット若しくはセラミックスは、撥水性を有していることが好ましい。ここで、サーメットとは、セラミックスの粉末と金属等の粉末とを焼結した複合材料であり、あるいは、セラミックスと金属等から成る複合材料であり、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)等の金属やケイ素(Si)、ホウ素(B)と各種の炭化物(TiC、ZrC、B4C、WC、SiC等)、酸化物(Al23、ZrO2、ThO2等)や窒化物(W−N、Mo−N、TaN、B−N等)との複合材を例示することができる。また、セラミックスとして、アルミナやムライト、マグネシア、フォルステライト、ジルコニア、チタニア及びイットリア等のニューセラミックス、ホウ珪酸ガラスやホウ珪酸カリガラスといったガラス質材料、石英ガラス、リン珪酸ガラスを例示することができる。
【0031】
フラックス濡れ防止層の形成方法として、フラックス濡れ防止層を構成する材料にも依るが、供試品保持部材の供試品保持部分(場合によっては、供試品保持部材全体)(以下、便宜上、フラックス濡れ防止層形成部分と呼ぶ)を、フラックス濡れ防止層を構成する材料の溶液に浸漬し、乾燥する方法、フラックス濡れ防止層形成部分にフラックス濡れ防止層を構成する材料の溶液を塗布し、乾燥する方法、フラックス濡れ防止層形成部分にフラックス濡れ防止層を構成する材料を噴霧し、所望に応じて、かかる材料を焼き付けるか溶射する方法、コーティング(溶着)する方法、フラックス濡れ防止層形成部分にフラックス濡れ防止層を構成する材料をスパッタリング法、蒸着法といった物理的気相成長法(PVD法)や化学的気相成長法(CVD法)にて成膜する方法を例示することができる。また、プラスチック等を直接加工成型してもよい。
【0032】
また、本発明の第2の態様に係るはんだ濡れ性試験装置あるいははんだ濡れ性試験方法において、少なくとも供試品保持部材の供試品保持部分(場合によっては供試品保持部材全体)を構成する材料に対するフラックスの接触角θは、θ>90度を満足することが好ましい。そして、この場合、供試品保持部材の供試品保持部分(場合によっては供試品保持部材全体)を構成する材料を、良好なる耐熱性、加工性、耐摩耗性を有し、高強度を有する高分子材料(例えば、フッ素系樹脂あるいはその誘導体(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)やポリオキシメチレン樹脂)といった各種のエンジニアリングプラスチックスとし、あるいは、上述したサーメット若しくはセラミックスとすることが望ましい。
【0033】
本発明の第1の態様、第2の態様に係るはんだ濡れ性試験装置、あるいは、本発明の第1の態様、第2の態様に係るはんだ濡れ性試験方法(以下、これらを総称して、単に本発明と呼ぶ場合がある)において、供試品保持手段は、供試品保持部材を支持する伸縮可能なスライド部と、スライド部をロックする電磁クラッチから更に構成され、更には、スライド部の上端が外力検出手段に吊下げられている構成とすることが好ましく、あるいは又、可撓性(ばね性)を有する材料から供試品保持部材を作製し、かかる供試品保持部材の外周を覆うスリーブから更に構成され、更には、スリーブの上端が外力検出手段に吊下げられ、あるいは、供試品保持部材が外力検出手段に吊下げられている構成とすることが好ましいが、これらの構成に限定するものではない。
【0034】
本発明において、外力検出手段を、例えば、ロードセルといった高感度加重センサー、電子天秤から構成することができる。ソルダペースト収納容器として、具体的には、EIAJ ET−7404にて規定された試験ジグ板I、試験ジグ板IIを挙げることができる。加熱手段は、加熱板と比較して接触表面積の大きい液体金属を収納した加熱槽(例えば、はんだを収納したはんだ槽や、ウッド合金といった易融金属を収納した加熱槽)を備えていることが好ましい。
【0035】
本発明の第1の態様、第2の態様に係るはんだ濡れ性試験方法(以下、これらを総称して、本発明のはんだ濡れ性試験方法と呼ぶ場合がある)において、溶融ソルダペーストと供試品との間に働く作用力は、具体的には、溶融するソルダペースト中のソルダから供試品が受ける浮力と表面張力(張力)の合成力である。
【0036】
本発明においては、以下に例示する試験品の濡れ性あるいははんだ濡れ性の評価を行うことができる。
(1)リード部品のリード部
(2)表面実装部品の電極部(端子部)
(3)プリント配線板に設けられたランド部
(4)フラックス
(5)はんだ合金(Sn−Cu、Sn−Cu−Ag等の鉛フリーはんだを含む)(6)ソルダペースト(クリームはんだあるいははんだペーストとも呼ばれる)(7)線材(銅、CP線)、フープ材(リードフレーム、端子等に加工。426、42合金等)といった、部品(ブリキ、トタン等の亜鉛めっき鋼板やSnめっき鋼板)端子リード、リードフレーム等に加工する前の材料(素材)
(8)上記(7)にて示した材料に各種めっきを施した材料(めっき薬品のはんだ濡れ性の評価)
(9)PVD、CVD等の表面処理装置により上記(7)にて示した材料上に施された皮膜のはんだ付け性評価(装置の性能テスト)
(10)PVD、CVD等の表面処理装置及び方法のはんだ付け性に係る性能テスト
(11)フラックス以外のはんだ付け性に係る表面処理材料(BTA、イミダゾール)
【0037】
上記(1)、(2)、(3)の評価を行う場合には、リード部品、表面実装部品、プリント配線板、あるいはプリント配線板に設けられたランド部が供試品に相当する。尚、これらの場合には、例えば、EIAJ ET−7404にて規定された標準ソルダペーストや使用者が事前に決定した標準のペースト(参照用ペースト)を用いることが好ましい。そして、上記(1)〜(3)、(7)〜(10)の評価を行う場合には、本発明の第1の態様あるいは第2の態様に係るはんだ付け性試験方法に基づき試験を行うことが好ましい。これらの試験条件としては、EIAJ ET−7404にて規定された推奨試験条件に基づくことが好ましいが、これに限定するものではない。
【0038】
一方、(4)の評価を行う場合には、供試品として酸化銅線(直径0.6mm)、又は、使用者が決定した参照用の材料(例えば、Sn−Cu、Sn、Sn−Ag等の鉛フリーめっき電極等)を標準試料として用い、ソルダペーストを構成するはんだ粉末としてEIAJ ET−7404にて規定されたはんだ粉末を用い、ソルダペーストを調製することが好ましい。また、(5)、(6)、(11)の評価を行う場合には、供試品として酸化銅線(直径0.6mm)を標準試料として用いることが好ましい。これらの(4)、(5)、(6)、(11)の評価を行う場合には、本発明の第1の態様、第2の態様に係るはんだ付け性試験方法に基づき試験を行うことが好ましい。
【0039】
本発明の第1の態様、第2の態様に係るはんだ濡れ性試験方法において、標準ソルダペーストを用いる場合、加熱手段によってソルダペーストを加熱して溶融状態とするときの昇温プロファイル(供試品の昇温プロファイル)は、EIAJET−7404にて規定された急加熱昇温とすることが好ましいが、これらに限定するものではない。
【0040】
本発明においては、少なくとも供試品保持部材の供試品保持部分の表面にフラックス濡れ防止層が形成され、あるいは又、少なくとも供試品保持部材の供試品保持部分はフラックスの濡れ性が悪い材料から作製されているので、供試品と供試品保持部材の供試品保持部分との間の上部にフラックスが浸入し、供試品保持部材までフラックスが濡れ上がるといった現象の発生を確実に防止でき、正確な濡れ時間の測定が可能となる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、発明の実施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発明を説明する。
【0042】
(実施の形態1)
実施の形態1は、本発明の第1の態様に係るはんだ付け性試験装置及びはんだ付け性試験方法に関する。供試品保持部材23の構成を除き、実施の形態1のはんだ付け性試験装置は、図1を参照して説明した従来のはんだ付け性試験装置と同様の構造とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0043】
図2に、実施の形態1のはんだ付け性試験装置における供試品保持部材23の部分模式図を示す。この供試品保持部材23は、鋼材やステンレス鋼から作製されており、少なくとも供試品保持部材23の供試品保持部分23Aの表面に、フラックス上がり防止剤から成るフラックス濡れ防止層24が形成されている。尚、フラックス濡れ防止層24を明示するために、フラックス濡れ防止層24に斜線を付した。具体的には、セイミケミカル株式会社製、SFCOAT SIF−200 AEROSOL(主成分:フッ素樹脂のイソプロピルアルコール溶液)を供試品保持部材23の供試品保持部分23A及びその近傍の表面にスプレーした後、工業用のドライヤーによる約200゜Cの乾燥処理を行った。また、スプレー及び焼付け処理を3回繰り返した。こうして、供試品保持部材23の供試品保持部分23A及びその近傍の表面にフラックス濡れ防止層24を形成した。
【0044】
こうして作製された供試品保持部材23を図1に示したはんだ付け性試験装置に取り付けた。そして、表面にSnめっきの施された42合金端子を有するチップ型のタンタルコンデンサ(6.2mm×5.8mm×1.2mm)(ニチコン製)、または、Ag−Pd焼付(厚膜)電極の上にはんだめっきを施した端子を有する1.0×0.5のチップ抵抗器(太洋社製)等を供試品50とした。また、試験用のソルダペーストとしては、EIAJ ET−7404にて規定された標準ソルダペースト(タルチンケスター社製)を用いた。そして、EIAJ ET−7404にて規定された試験条件(浸せき角度:水平、浸せき方向1A)を採用し、加熱手段40によってソルダペースト31を加熱して溶融状態とするときの昇温プロファイル(供試品の昇温プロファイル)としてEIAJ ET−7404にて規定された急加熱昇温を採用し、ソルダペースト収納容器30としてEIAJ ET−7404にて規定された試験ジグ板IIを用い、浸せき深さを0.1mm〜0.2mm(部品サイズによる)とした。尚、はんだ付け性試験の具体的な手順は、従来の技術にて説明した手順と同様とした。
【0045】
こうして得られた濡れ曲線を図3、図4に例示する。尚、図3、図4においては、それぞれ、6点、4点の濡れ曲線を示す。試験後に供試品保持部材23の供試品保持部分23Aを観察したところ、供試品保持部分23Aにフラックスの濡れ上がりは殆ど認められなかった。また、得られた濡れ曲線は図に示すように非常に安定しており、正確な濡れ時間の測定を行うことができた。
【0046】
(実施の形態2)
実施の形態2も、本発明の第1の態様に係るはんだ付け性試験装置及びはんだ付け性試験方法に関する。実施の形態2においても、供試品保持部材23は実施の形態1と同じ材料から作製されている。実施の形態2においては、表面全体にフッ素系樹脂誘導体から成るフラックス濡れ防止層24を形成した。具体的には、フッ素系樹脂誘導体のイソプロピルアルコール溶液あるいはパーフルオロカーボン溶液(フッ素系樹脂誘導体を0.2〜1%含む)に、供試品保持部材23全体を浸漬した後、かかる溶液をヘヤードライヤーで乾燥することによってフラックス濡れ防止層24を形成した。尚、供試品保持部材23の供試品保持部分23A及びその近傍をかかる溶液に浸漬した後、かかる溶液を乾燥すれば、供試品保持部材23の供試品保持部分23A及びその近傍の表面にフラックス濡れ防止層24を形成することができる。また、かかる溶液に浸漬する代わりに、刷毛等を用いて供試品保持部材23全体あるいは供試品保持部材23の供試品保持部分23A(及びその近傍)にかかる溶液を塗布し、その後、ヘヤードライヤー等で乾燥させてもよい。かかる溶液への浸漬あるいは塗布を複数回、行ってもよい。
【0047】
こうして作製された供試品保持部材23を図1に示したはんだ付け性試験装置に取り付けた。そして、実施の形態1と同様のはんだ付け性試験を行った。試験後に供試品保持部材23の供試品保持部分23Aを観察したところ、供試品保持部分23Aにフラックスの濡れ上がりは殆ど認められなかった。また、得られた濡れ曲線は安定しており、確実に濡れ時間の測定を行うことができた。
【0048】
(実施の形態3)
実施の形態3も、本発明の第1の態様に係るはんだ付け性試験装置及びはんだ付け性試験方法に関する。実施の形態3においても、供試品保持部材23は実施の形態1と同じ材料から作製されている。実施の形態3においては、表面全体にフッ素系樹脂誘導体から成るフラックス濡れ防止層24が形成されている。具体的には、ポリテトラフルオロエチレンをターゲットとしたスパッタリング法にて、フッ素系樹脂から成るフラックス濡れ防止層24を供試品保持部材23の供試品保持部分23A及びその近傍の表面に成膜した。
【0049】
こうして作製された供試品保持部材23を図1に示したはんだ付け性試験装置に取り付けた。そして、実施の形態1と同様のはんだ付け性試験を行った。試験後に供試品保持部材23の供試品保持部分23Aを観察したところ、供試品保持部分23Aにフラックスの濡れ上がりは殆ど認められなかった。また、得られた濡れ曲線は安定しており、確実な濡れ時間の測定を行うことができた。
【0050】
(実施の形態4)
実施の形態4も、本発明の第1の態様に係るはんだ付け性試験装置及びはんだ付け性試験方法に関する。実施の形態4においても、供試品保持部材23は実施の形態1と同じ材料から作製されている。実施の形態3においては、セラミックスから成るフラックス濡れ防止層24が形成されている。具体的には、アルミナをセラミックコーティングして、セラミックスから成るフラックス濡れ防止層24を供試品保持部材23の供試品保持部分23A及びその近傍の表面に溶着した。
【0051】
こうして作製された供試品保持部材23を図1に示したはんだ付け性試験装置に取り付けた。そして、実施の形態1と同様のはんだ付け性試験を行った。試験後に供試品保持部材23の供試品保持部分23Aを観察したところ、供試品保持部分23Aにフラックスの濡れ上がりは殆ど認められなかった。また、得られた濡れ曲線は安定しており、確実な濡れ時間の測定を行うことができた。
【0052】
(実施の形態5)
実施の形態5も、本発明の第1の態様に係るはんだ付け性試験装置及びはんだ付け性試験方法に関する。実施の形態5においても、供試品保持部材23は実施の形態1と同じ材料から作製されている。実施の形態3においては、サーメットから成るフラックス濡れ防止層24が形成されている。具体的には、SiCとTaNをターゲットとしたスパッタリング法にて、サーメットから成るフラックス濡れ防止層24を供試品保持部材23の供試品保持部分23A及びその近傍の表面に成膜した。
【0053】
こうして作製された供試品保持部材23を図1に示したはんだ付け性試験装置に取り付けた。そして、実施の形態1と同様のはんだ付け性試験を行った。試験後に供試品保持部材23の供試品保持部分23Aを観察したところ、供試品保持部分23Aにフラックスの濡れ上がりは殆ど認められなかった。また、得られた濡れ曲線は安定しており、確実な濡れ時間の測定を行うことができた。
【0054】
尚、実施の形態1〜実施の形態5において、熱伝導率の低い材料からフラックス濡れ防止層24を構成すれば、加熱手段40から供試品50に供給される熱が供試品保持部材23に伝導(逃散)することを防止できる結果、ソルダペースト31の温度制御精度を高めることができるし、濡れ時間に含まれる温度上昇時間の割合(温度上昇の遅れ)を少なくすることができ、一層正確な濡れ時間の測定が可能となる。尚、このような、フラックス濡れ防止層24を構成する材料の熱伝導率として、金属(Ni)の1/100以下[0.2〜1.0W・m-1・K-1(300K)]以下を例示することができる。
【0055】
(実施の形態6)
実施の形態6は、本発明の第2の態様に係るはんだ付け性試験装置及びはんだ付け性試験方法に関する。供試品保持部材23の構成を除き、実施の形態1のはんだ付け性試験装置は、図1を参照して説明した従来のはんだ付け性試験装置と同様の構造とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0056】
実施の形態6においては、フッ素系樹脂(具体的には、ポリテトラフルオロエチレン)から、図2に示したと同様の供試品保持部材23を切削加工した。
【0057】
そして、供試品保持部材23を図1に示したはんだ付け性試験装置に取り付け、実施の形態1と同様のはんだ付け性試験を行った。試験後に供試品保持部材23の供試品保持部分23Aを観察したところ、フラックスの濡れ上がりは殆ど認められなかった。また、得られた濡れ曲線は安定しており、確実な濡れ時間の測定を行うことができた。また、このようなフッ素系樹脂から供試品保持部材23を作製すれば、加熱手段40から供試品50に供給される熱が供試品保持部材23に伝導(逃散)することを防止できる結果、ソルダペースト31の温度制御精度を高めることができるし、濡れ時間に含まれる部品端子(被供試部分)の温度上昇時間の割合(温度上昇の遅れ)を少なくすることができ、一層正確な濡れ時間の測定が可能となる。尚、一般に、少なくとも供試品保持部材の供試品保持部分を構成する材料の熱伝導率として、金属(Ni)の1/100以下[0.2〜1.0W・m-1・K-1(300K)]以下を例示することができる。
【0058】
尚、供試品保持部材23の供試品保持部分23A(例えば、図2で斜線を付した部分)をフッ素系樹脂(具体的には、ポリテトラフルオロエチレン)から作製し、供試品保持部材23のその他の部分を他の材料(例えば、鋼材やステンレス鋼)から作製し、これらを組み立てることで、供試品保持部材23を作製することもできる。
【0059】
以上、本発明を、発明の実施の形態に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。発明の実施の形態にて説明したはんだ付け性試験装置の構造、はんだ付け性試験方法の条件等は例示であり、適宜変更することができる。
【0060】
【発明の効果】
本発明においては、部品端子(供試部分)に対してフラックスを確実に濡れ上がらせつつ、はんだの濡れに先行して発生していたフラックスの不要部分への濡れ上がりに起因した濡れ曲線における擾乱の発生を防止することができ、正確で、再現性が良く、信頼性の高い濡れ時間(ゼロクロスタイム)の測定が可能となる。また、パーソナルコンピュータで濡れ時間の解析を行っているが、このソフトウエアの改良と比較して、実現することが容易で、しかも、低費用で実現することができる。また、ソフトウエアの改善では対応できないくらい濡れ波形が擾乱されることもあるが、擾乱のもとを断つため、このことにも対応可能である。また、熱伝導率の低い材料から供試品保持部材を作製すれば、加熱手段から供試品に供給される熱が供試品保持部材に伝導(逃散)することを防止できる結果、ソルダペーストの温度制御精度を高めることができるし、濡れ時間に含まれる温度上昇時間の割合(昇温時間の遅れ)を少なくすることができ、一層正確な濡れ時間の測定が可能となる。更には、部品電極部の表面処理材料の鉛フリー化や、プリント配線板の銅箔(ランド)の表面処理用のプリフラックス中の揮発性有機化合物(VOC)フリー化、鉛フリーはんだや鉛フリーソルダペーストの開発を推進するに当たっての、はんだ付け性評価の共通の物差しとして強力なツールを提供することができる。また、供試品保持部材がフラックスによって汚染されることが無くなるので、供試品の脱着が容易になるし、供試品保持部材の清浄時間を減じることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】はんだ付け性試験装置の概念図である。
【図2】本発明のはんだ付け性試験装置における供試品保持部材の部分模式図である。
【図3】発明の実施の形態1における鉛フリー表面処理(Sn−Cuめっき)が施された部品(1005)の端子の濡れ曲線の例を示すグラフである。
【図4】発明の実施の形態1における鉛フリーソルダペースト(Sn−3.5Ag−0.5Cu)の濡れ曲線の例を示すグラフである。
【図5】溶融ソルダペーストによる供試品に対する作用力の時間変化(濡れ曲線)及び加熱過程の時間変化、並びに、供試品の濡れ状態の説明図である。
【図6】従来のはんだ付け性試験装置における供試品保持部材によって供試品を保持した状態を模式的に示す図(A)、及び、供試品保持部材の上部にまでフラックスが濡れ上がった状態を模式的に示す図(B)である。
【図7】供試品保持部材までフラックスが濡れ上がった場合(図6の(B)に相当する)の擾乱が含まれた濡れ曲線を示すグラフ(前記部品の例)である。
【図8】供試品保持部材までフラックスが濡れ上がった場合(図6の(B)に相当する)の擾乱が含まれた濡れ曲線を示すグラフ(前記鉛フリーソルダペーストの例)である。
【符号の説明】
10・・・外力検出手段、20・・・供試品保持手段、21・・・スライド部、22・・・電磁クラッチ、23・・・供試品保持部材、23A・・・供試品保持部分、24・・・フラックス濡れ防止層、30・・・ソルダペースト収納容器、31・・・ソルダペースト、32・・・ホルダー、33・・・ステッピングモーター、40・・・加熱手段、41・・・はんだ槽、42・・・(溶融)はんだ、43・・・ヒータ、44・・・ステッピングモーター、50・・・供試品又は標準試験片

Claims (16)

  1. (A)供試品を保持するための供試品保持部材を備えた供試品保持手段と、
    (B)該供試品保持手段を支持する外力検出手段と、
    (C)フラックスを含むソルダペーストを納めたソルダペースト収納容器と、
    (D)ソルダペーストを加熱するための加熱手段、
    を備えたはんだ付け性試験装置であって、
    少なくとも供試品保持部材の供試品保持部分の表面に、フラックス濡れ防止層が形成されていることを特徴とするはんだ付け性試験装置。
  2. フラックス濡れ防止層を構成する材料に対するフラックスの接触角θは、θ>90度を満足することを特徴とする請求項1に記載のはんだ付け性試験装置。
  3. フラックス濡れ防止層を構成する材料は、フッ素系樹脂であることを特徴とする請求項2に記載のはんだ付け性試験装置。
  4. フラックス濡れ防止層を構成する材料は、サーメット若しくはセラミックスであることを特徴とする請求項2に記載のはんだ付け性試験装置。
  5. (A)供試品を保持するための供試品保持部材を備えた供試品保持手段と、
    (B)該供試品保持手段を支持する外力検出手段と、
    (C)フラックスを含むソルダペーストを納めたソルダペースト収納容器と、
    (D)ソルダペーストを加熱するための加熱手段、
    を備えたはんだ付け性試験装置であって、
    少なくとも供試品保持部材の供試品保持部分は、フラックスの濡れ性が悪い材料から作製されていることを特徴とするはんだ付け性試験装置。
  6. 供試品保持部材の供試品保持部分を構成する材料に対するフラックスの接触角θは、θ>90度を満足することを特徴とする請求項5に記載のはんだ付け性試験装置。
  7. 供試品保持部材の供試品保持部分を構成する材料は、フッ素系樹脂であることを特徴とする請求項6に記載のはんだ付け性試験装置。
  8. 供試品保持部材の供試品保持部分を構成する材料は、サーメット若しくはセラミックスであることを特徴とする請求項6に記載のはんだ付け性試験装置。
  9. (A)供試品を保持するための供試品保持部材を備えた供試品保持手段と、
    (B)該供試品保持手段を支持する外力検出手段と、
    (C)フラックスを含むソルダペーストを納めたソルダペースト収納容器と、
    (D)ソルダペーストを加熱するための加熱手段、
    を備え、
    少なくとも供試品保持部材の供試品保持部分の表面に、フラックス濡れ防止層が形成されているはんだ付け性試験装置を用いたはんだ付け性試験方法であって、
    供試品保持部材によって保持された供試品の一部をソルダペースト中に浸漬した状態で、加熱手段によってソルダペーストを加熱して溶融状態とし、溶融ソルダペーストと供試品との間に働く作用力の経時変化を外力検出手段で測定することを特徴とするはんだ付け性試験方法。
  10. フラックス濡れ防止層を構成する材料に対するフラックスの接触角θは、θ>90度を満足することを特徴とする請求項9に記載のはんだ付け性試験方法。
  11. フラックス濡れ防止層を構成する材料は、フッ素系樹脂であることを特徴とする請求項10に記載のはんだ付け性試験方法。
  12. フラックス濡れ防止層を構成する材料は、サーメット若しくはセラミックスであることを特徴とする請求項10に記載のはんだ付け性試験方法。
  13. (A)供試品を保持するための供試品保持部材を備えた供試品保持手段と、
    (B)該供試品保持手段を支持する外力検出手段と、
    (C)フラックスを含むソルダペーストを納めたソルダペースト収納容器と、
    (D)ソルダペーストを加熱するための加熱手段、
    を備え、
    少なくとも供試品保持部材の供試品保持部分は、フラックスの濡れ性が悪い材料から作製されているはんだ付け性試験装置を用いたはんだ付け性試験方法であって、
    供試品保持部材によって保持された供試品の一部をソルダペースト中に浸漬した状態で、加熱手段によってソルダペーストを加熱して溶融状態とし、溶融ソルダペーストと供試品との間に働く作用力の経時変化を外力検出手段で測定することを特徴とするはんだ付け性試験方法。
  14. 供試品保持部材の供試品保持部分を構成する材料に対するフラックスの接触角θは、θ>90度を満足することを特徴とする請求項13に記載のはんだ付け性試験方法。
  15. 供試品保持部材の供試品保持部分を構成する材料は、フッ素系樹脂であることを特徴とする請求項14に記載のはんだ付け性試験方法。
  16. 供試品保持部材の供試品保持部分を構成する材料は、サーメット、セラミックス又は耐熱性プラスチックスであることを特徴とする請求項14に記載のはんだ付け性試験方法。
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