JP4284787B2 - 感光性重合体組成物、パターンの製造法及び電子部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性の感光性重合体組成物及びこの組成物を用いたパターンの製造法並びに電子部品に関し、さらに詳しくは、加熱処理により半導体素子等の電子部品の表面保護膜、層間絶縁膜等として適用可能なポリイミド系耐熱性高分子となるポジ型の耐熱性感光性重合体組成物及びこの組成物を用いたパターンの製造法並びに電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子の表面保護膜または層間絶縁膜としては、耐熱性、機械特性及び電気特性に優れ、また、膜形成が容易であり、表面を平坦化できる等の利点から、ポリイミドが幅広く使用されている。
ポリイミドを表面保護膜又は層間絶縁膜として使用する場合、スルーホール等の形成工程は、主にポジ型のフォトレジストを用いるエッチングプロセスによって行われている。しかし、工程にはフォトレジストの塗布や剥離が含まれ、煩雑であるという問題がある。そこで、作業工程の合理化を目的に感光性を兼ね備えた耐熱性材料(感光性ポリイミド)の検討がなされてきた。
【0003】
感光性ポリイミド組成物に関しては、1.エステル結合により感光基を導入したポリイミド前駆体組成物(特公昭52−30207号公報等)、2.ポリアミド酸に化学線により2量化または重合可能な炭素−炭素二重結合及びアミノ基と芳香族ビスアジドを含む化合物を添加した組成物(特公平3−36861号公報等)が知られている。
【0004】
感光性ポリイミド組成物の使用に際しては、通常、溶液状態で基板上に塗布後乾燥し、マスクを介して活性光線を照射し、露光部を現像液で除去し、パターンを形成する。
しかし、上記1及び2の組成物は、現像液に有機溶剤を使用するネガ型である。有機溶剤の現像液は、廃液処理の際の環境への負荷が大きく、近年環境への配慮から、廃現像液の処理の容易なアルカリ水溶液で現像可能な感光性耐熱材料が求められている。また、ポジ型のフォトレジストを用いるエッチングプロセスからネガ型の感光性ポリイミドに切り替えるためには、露光装置のマスクや現像設備の変更が必要になるという問題点がある。上記1及び2の組成物は、以上述べたような問題点がある。
【0005】
一方、ポジ型感光性ポリイミドに関しては、3.o−ニトロベンジル基をエステル結合により導入したポリイミド前駆体(特開昭60−37550号公報)、4.フェノール性水酸基を含むポリアミド酸エステルとo−キノンジアジド化合物を含む組成物(特開平4−204945号公報)等が知られている。また、ポジ型の耐熱性材料として、ポリイミドと同等の耐熱性、機械特性、電機特性を有するポリベンズオキサゾールを使用した材料、5.ヒドロキシポリアミド(ポリベンズオキサゾール前駆体)とo−キノンジアジド化合物を含む組成物(特開昭64−6947号公報、特開平9−302221号公報)も知られている。
【0006】
さらに、6.ヒドロキシ基を有するポリイミド或いはポリアミドイミドのヒドロキシ基にo−ナフトキノンジアジド化合物を反応させた組成物(特開平3−58048号公報、特開平3−273029号公報、特開平3−281535号公報)も知られている。
【0007】
しかし、上記3は感光する波長が主に300nm以下であるため、感度が低いという問題がある。
また、上記4及び5の組成物は、ポリイミド前駆体又はポリベンズオキサゾール前駆体とo−ナフトキノンジアジドを混合しているだけであり、光照射によりo−ナフトキノンジアジドはアルカリ可溶性に変わるが、ポリマー骨格の構造は何ら変化しないため、光照射前後での溶解速度差が小さく、感度が不十分という問題がある。
【0008】
また、ヒドロキシ基を有するポリイミドやポリアミドイミドにo−ナフトキノンジアジド化合物を反応させた、6の組成物も、感度が不十分という問題がある。
このように、十分な特性を有するポジ型感光性ポリイミドは得られていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記した従来技術の問題点を克服するものである。
すなわち、本発明は、感度、解像度が高く、パターンの形状や未露光部の残膜率も良好なポジ型の感光性重合体組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記の組成物の使用により、感度、解像度が高く、良好な形状のパターンが得られるパターンの製造法を提供するものである。
さらに本発明は、良好な形状の精密なパターンを有することにより、信頼性の高い電子部品を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも片末端にo−キノンジアジド骨格を有する、ポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体を含有してなる感光性重合体組成物であって、前記ポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体が、一般式(1)、(2)又は(3)
【化4】
(式中、個々のRは独立にH、COOH又はCOOR’であり、R’は1価の有機基であり、個々のR 1 は独立に4価の有機基であり、個々のR 2 は独立にカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有していてもよい2価の有機基であり、nは整数であり、個々のXは独立にo−キノンジアジド骨格を含む1価の有機基またはヒドロキシ基であり、個々のYは独立にo−キノンジアジド骨格を含む1価の有機基または水素原子である)で表されるものである感光性重合体組成物に関する。
【0011】
また本発明は、前記一般式(1)、(2)又は(3)において、RがCOOR’であり、R2がカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する2価の有機基であるポリアミド酸エステルを含有する感光性重合体組成物に関する。
また本発明は、前記ポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体が、一般式(1)で示されるものであり、一般式(1)におけるXの少なくとも一方が、
【化5】
である感光性重合体組成物に関する。
【0012】
また本発明は、前記ポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体が、一般式(1)で示されるものであり、一般式(1)におけるXの少なくとも一方が、
【化6】
である感光性重合体組成物に関する。
【0013】
また本発明は、前記のいずれかに記載の感光性重合体組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を含むパターンの製造法に関する。
さらに本発明は、前記の製造法により得られるパターンを表面保護膜又は層間絶縁膜として有してなる電子部品に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明においては、耐熱性の重合体として、ポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体を使用する。
この具体的な構造としては、前記一般式(1)、(2)又は(3)で表されるものが好ましく、この末端のX,Yを除いた部分は、アルカリ水溶液に可溶性のポリイミド前駆体又はポリベンズオキサゾール前駆体から選択される重合体の残基であり、アルカリ水溶液に対する溶解性は、酸性のヒドロキシ基やカルボキシル基を有することにより付与される。
【0015】
これらの中でも、ジアミンの残基にフェノール性水酸基やカルボキシル基を含むポリアミド酸エステルは、ポリマーの溶解性の面より好ましい。前記一般式(1)で表されるポリアミド酸エステルは、例えば、テトラカルボン酸二無水物とアルコールの反応より得られるテトラカルボン酸ジエステルをテトラカルボン酸ジエステルジハライド等(クロライド、ブロマイド等)の酸ハライドに変換後、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有するジアミン化合物とo−キノンジアジド骨格を有するアミンとの混合物と反応することにより得られる。
【0016】
また、前記一般式(2)で表されるポリアミド酸エステルは、例えば、テトラカルボン酸二無水物とアルコールの反応より得られるテトラカルボン酸ジエステルとo−キノンジアジド骨格を有するカルボン酸の混合物を酸ハライド(クロライド、ブロミド等)に変換後、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有するジアミン化合物と反応することにより得られる。反応は、脱ハロ酸触媒の存在下に、有機溶媒中で行うことが好ましい。
【0017】
前記酸ハライドとしては、酸クロリドが好ましい。例えば、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドは、テトラカルボン酸二無水物とアルコール化合物を反応させて得られるテトラカルボン酸ジエステルとハロゲン化剤を反応させて得ることができる。ハロゲン化剤としては、通常のカルボン酸の酸クロリド化反応に使用される、塩化チオニル、塩化ホスホリル、オキシ塩化リン、五塩化リン等が使用できる。
【0018】
酸クロリドを合成する方法としては、カルボン酸誘導体と上記ハロゲン化剤を溶媒中で反応させるか、過剰のハロゲン化剤中で反応を行った後、過剰分を留去する方法で合成できる。反応溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン等が使用できる。
【0019】
これらのハロゲン化剤の使用量は、溶媒中で反応させる場合は、カルボン酸誘導体の1当量に対して、0.8〜1.5当量が好ましく、0.9〜1.2当量がより好ましく、ハロゲン化剤中で反応させる場合は、2.0〜25当量が好ましく、2.5〜10当量がより好ましい。反応温度は、―10〜70℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
【0020】
酸クロリドとジアミン類及びアミノ基やアルコール基を含有するo−キノンジアジド誘導体との反応は、脱ハロゲン化水素剤の存在下に、有機溶媒中で行うことが好ましい。脱ハロゲン化水素剤としては、通常、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基が使用される。また、有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が使用できる。反応温度は、―10〜30℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
【0021】
この他にも、ポリマーを合成する方法に特に制限は無く、カルボン酸を活性化するあらゆる手法が適用できる。
例えば、ポリイミド前駆体がポリアミド酸である場合は、通常使用される一般的な方法、即ち、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン化合物、及び、o−キノンジアジド骨格を含むアミン、アルコール若しくはカルボン酸との反応により合成が可能である。
【0022】
本発明に用いられるポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体の分子量としては、重量平均分子量で3,000〜200,000が好ましく、5,000〜100,000がより好ましい。分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算し、値を得ることができる。
【0023】
ついで、前記一般式(1)、(2)及び(3)について、説明する。
各一般式において、Rで示される基が、COOR’で示される場合、R’である1価の有機基としては、脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基が好ましく、炭素原子数1〜20のものが好ましく、炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基がより好ましい。nは、繰り返し数を示す整数であり、前記分子量になる数であればよいが、一般に、5〜50程度である。
前記一般式(1)、(2)及び(3)において、R1で示される4価の有機基とは、ジアミンと反応して、ポリベンゾオキサゾール前駆体又はポリイミド前駆体の構造を形成しうる、ジカルボン酸若しくはそれらの誘導体の残基又はテトラカルボン酸、その二無水物若しくはそれらの誘導体の残基であり、芳香族基又は脂肪族基であることが好ましく、炭素原子数が4〜40のものがより好ましく、炭素原子数が4〜40の芳香族基がさらに好ましい。
【0024】
前記芳香族基としては、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環等)を含み、2個又は4個の結合部位はいずれも芳香環上に存在するものであることが好ましい。また、ポリイミド前駆体を形成する4価の芳香族基の結合部位は、2組の2個の結合部位に分けられ、その2個の結合部位が芳香環の隣り合う炭素に存在する(即ち、オルト位に位置するもの)ことが好ましい。前記の2組は同一の芳香環に存在してもよいし、各種結合を介して結合している別々の芳香環に存在してもよい。
【0025】
ポリベンゾオキサゾール前駆体の材料として用いられる、ジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の脂肪族系ジカルボン酸などが挙げられる。これらの化合物を、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0026】
また、ポリイミド前駆体の材料として用いられる、テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3‘,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3‘,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2‘,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3‘,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3‘,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3‘,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3‘,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3‘,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物等の芳香族系テトラカルボン酸二酸無水物が好ましく、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0027】
ポリアミド酸エステルの合成に使用される、テトラカルボン酸ジエステルは、前記テトラカルボン酸二無水物とアルコールとの反応により得られる。アルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール等の脂肪族アルコール、フェノール、ベンジルアルコール等が好ましく、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0028】
テトラカルボン酸エステルを合成する方法としては、例えば、前記テトラカルボン酸二無水物と前記アルコール化合物を有機溶媒中、塩基の存在下反応することにより得られる。
テトラカルボン酸二無水物とアルコール化合物の割合(モル比)は、前者/後者で1/2〜1/2.5の範囲とするのが好ましく、1/2とすることが最も好ましい。また、テトラカルボン酸二無水物と塩基の割合(モル比)は、前者/後者で1/0.001〜1/3の範囲とするのが好ましく、1/0.005〜1/2とすることがより好ましい。反応温度は、10〜60℃が好ましく、反応時間は3〜24時間が好ましい。
【0029】
前記一般式(1)、(2)又は(3)において、R2で示されるカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有してもよい2価の有機基とは、ジアミン化合物のアミノ基を除いた残基であり、芳香族基又は脂肪族基が好ましく、カルボキシル基を除いた炭素原子数が2〜40のものがより好ましく、芳香族基がさらに好ましい。ここで、芳香族基としては、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環等)を含み、その2個の結合部位が芳香環上に直接存在することが好ましく、この場合同一の芳香環上に存在しても異なった芳香環上に存在してもよい。また、ジアミンがカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する場合、1〜8個有することが好ましく、これらも芳香環に直接結合しているものが好ましい。
【0030】
前記ジアミン化合物としては、例えば、2,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノテレフタル酸、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)メチレン、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)エーテル、4,4‘−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4‘−ジアミノ−5,5’−ジカルボキシ−2,2‘−ジメチルビフェニル、1,3−ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−5−ヒドロキシベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4‘−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3‘−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等の芳香族系ジアミン化合物が好ましく、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
【0031】
一般式(1)、(2)及び(3)において、Xで示される基は、o−キノンジアジド骨格を含む残基またはヒドロキシ基を示し、Yで示される基は、o−キノンジアジド骨格を含む残基または水素原子を示す。合成等の容易さからは、一般式(1)で示されるものが好ましく、反応性等の点からは、両端ともo−キノンジアジド骨格を含む残基であることが好ましい。
【0032】
前記Xで示される残基を与える化合物としては、o−キノンジアジド骨格を含むアミン、アルコール等が挙げられ、次に示す構造の物が好ましい。
【化7】
(式中、Aは炭素原子数2〜30の2価の炭化水素基であり、Zはアミノ基又はヒドロキシ酸基である。)Aの例としては、m−又はp−フェニレン基、炭素数2〜30のアルキレン基、同アリーレン基又は同アラルキレン基などがあげられる。
【0033】
具体的に好ましい化合物としては、
【化8】
等があげられる。
なかでも、
【化9】
で示される化合物が、合成の容易さ等の面で好ましい。
【0034】
また、前記Yで示される残基を与える化合物としては、次式で示されるo−キノンジアジド骨格を含むカルボン酸が挙げられ、次に示す構造の物が好ましい。
【化10】
(式中、Aは炭素原子数2〜30の2価の炭化水素基である。)
Aの具体例としては、前記Xの説明で示したものと同様である。
【0035】
具体的に好ましい化合物としては、
【化11】
等があげられる。
【0036】
本発明の感光性重合体組成物は、前記ポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体を溶剤に溶解して得ることができる。
溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、テトラメチレンスルホン、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性極性溶剤が好ましく、これらを単独で又は2種以上併用して用いられる。
溶剤の使用量に特に制限はなく、一般に、組成物中、樹脂固形分が10〜90重量%となる範囲で使用される。
【0037】
本発明の感光性重合体組成物には、さらに必要に応じて接着助剤として、有機シラン化合物やアルミキレート化合物を含むことができる。
有機シラン化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシジルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどがあげられる。
アルミキレート化合物としては、例えば、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどがあげられる。
接着助剤を用いる場合は、ポリマー成分100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
また、さらに、別途、通常のオルトキノンジアジド化合物などの光酸発生剤を添加することも可能である。
【0038】
本発明の感光性重合体組成物は、支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を経て、ポリイミド又はポリベンゾオキサゾールのパターンとすることができる。
支持基板上に塗布し乾燥する工程では、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO2、SiO2等)、窒化ケイ素などの支持基板上に、この耐熱性感光性重合体組成物をスピンナーなどを用いて回転塗布後、ホットプレート、オーブンなどを用いて乾燥する。
【0039】
次いで、露光工程では、支持基板上で被膜となった感光性重合体組成物に、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線などの活性光線を照射する。
現像工程では、露光部を現像液で除去することによりレリーフパターンが得られる。現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,ケイ酸ナトリウム,アンモニア,エチルアミン,ジエチルアミン,トリエチルアミン,トリエタノールアミン,テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアルカリ水溶液が好ましいものとしてあげられる。これらの水溶液の塩基濃度は、0.1〜10重量%とされることが好ましい。さらに上記現像液にアルコール類や界面活性剤を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲で配合することができる。
【0040】
ついで、加熱処理工程では、得られたパターンに好ましくは150〜450℃の加熱処理をすることにより、イミド環や他に環状基を持つ耐熱性ポリイミド又はポリベンゾオキサゾールのパターンになる。
【0041】
本発明の感光性重合体組成物は、半導体装置や多層配線板等の電子部品に使用することができ、具体的には、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等の形成に使用することができる。
本発明の半導体装置は、前記組成物を用いて形成される表面保護膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
【0042】
本発明の半導体装置の製造工程の一例を以下に説明する。
図1は多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。図において、回路素子を有するSi基板等の半導体基板は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層が形成されている。前記半導体基板上にスピンコート法等で層間絶縁膜としてのポリイミド樹脂等の膜4が形成される(工程(a))。
【0043】
次に塩化ゴム系、フェノールノボラック系等の感光性樹脂層5が前記層間絶縁膜4上にスピンコート法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられている(工程(b))。
前記窓6Aの層間絶縁膜4は、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段によって選択的にエッチングされ、窓6Bがあけられている。ついで窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光樹脂層5が完全に除去される(工程(c))。
【0044】
さらに公知の写真食刻技術を用いて、第2導体層7を形成させ、第1導体層3との電気的接続が完全に行われる(工程(d))。
3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を形成することができる。
【0045】
次に表面保護膜8が形成される。この図の例では、この表面保護膜を前記感光性重合体組成物をスピンコート法にて塗布、乾燥し、所定部分に窓6Cを形成するパターンを描いたマスク上から光を照射した後アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、加熱してポリイミド膜又はポリベンゾオキサゾール膜とする。このポリイミド膜又はポリベンゾオキサゾール膜は、導体層を外部からの応力、α線などから保護するものであり、得られる半導体装置は信頼性に優れる。
なお、上記例において、層間絶縁膜を本発明の感光性重合体組成物を用いて形成することも可能である。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
合成例1 (1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸4−アミノフェニルの合成)
攪拌機、温度計及びジムロート冷却管を備えた0.3リットルのフラスコ中に、p−アミノフェノール8.0g(0.073モル)とジオキサン80gを仕込み溶解するまで撹拌する。溶解後、ジt-ブチルジカーボネート16.8g(0.077モル)を30分間かけて滴下後、30℃で1時間撹拌した。
反応液を20℃に冷却後、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸クロリド19.7g(0.073モル)をジオキサン60gに溶かした溶液を滴下した。次に、反応液の温度を15〜20℃に保ちながら、トリエチルアミン7.8g(0.077モル)を滴下した。滴下後、30℃で1時間撹拌を行った。
反応液を、0.1%塩酸溶液1.5Lに注入し、析出した固体をろ過、水洗後、40℃で12時間乾燥して中間体30gを得た。
【0047】
攪拌機、温度計及びジムロート冷却管を備えた0.3リットルのフラスコ中に、中間体27g(0.0616モル)、35%塩酸32g(0.307モル)、ジオキサン270gを仕込み、50℃で2時間撹拌を行った。反応終了後、析出した塩酸塩をろ過し、50gのジオキサンで洗浄を行い取り出した。
次に、取り出した塩酸塩を、50gのNMPに溶かし、0.5%の水酸化ナトリウム溶液1.3Lに滴下した。析出した固体をろ過、500gの水で洗浄の後、40℃で36時間減圧乾燥して、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸4−アミノフェニル17.2gを得た。p−アミノフェノールからの収率は76%で、高速液体クロマトグラフィーで測定した面積%は、99.2%であった(測定波長:254nm)。
【0048】
合成例2 (1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸2−ヒドロキシエチルの合成)
攪拌機、温度計及びジムロート冷却管を備えた0.3リットルのフラスコ中に、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸クロリド20g(0.074モル)、エチレングリコール180gを仕込み撹拌した。その懸濁液に、ピリジン29.4g(0.37モル)を10分間かけて滴下した。滴下後、30℃で2時間撹拌を行った。反応液を20℃まで冷却後、析出物をろ過、水洗を行い取り出した。40℃で24時間減圧乾燥して1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸2−ヒドロキシエチル19.2gを得た。
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸クロリドからの収率は88%で、高速液体クロマトグラフィーで測定した面積%は、98.9%であった(測定波長:254nm)。
【0049】
実施例1
攪拌機、温度計を備えた0.3リットルのフラスコ中に、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物13.03g(0.042モル)、1−ブタノール4.36g(0.058モル)、メタノール0.81g(0.025モル)、1,8―ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.19g(0.0013モル)、N−メチルピロリドン(NMP)34.9gを仕込み、室温で12時間攪拌し反応させて、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジエステル(1−ブタノールとメタノールのジエステル溶液)のNMP溶液を得た。
【0050】
次に、この溶液を0℃に冷却した後、塩化チオニル10.49g(0.088モル)を0〜10℃の温度範囲内にて10分間で滴下した後、10℃以下の温度で30分間反応させて、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジエステルジクロリドの溶液を得た。
次に、この反応液に、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸4−アミノフェニル2.87g(0.0084モル)をN−メチル−2−ピロリドン8.6gに溶かした溶液を、0〜10℃の温度範囲内にて10分間で滴下し、反応液(α)を得た。
【0051】
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン80gを仕込み、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)―1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン15.38g(0.042モル)を添加し、攪拌溶解した後、ピリジン13.95g(0.176モル)を添加し、温度を0〜10℃に保ちながら、反応溶液(α)を20分間で滴下した後、温度を30℃にして1時間攪拌を行った。反応溶液を1.5Lの水に投入し、析出物を回収、洗浄した後、40℃で24時間以上減圧乾燥してポリマー末端に感光剤を導入したポリアミド酸エステル35gを得た。
【0052】
得られた感光剤を導入したポリアミド酸エステル体の重量平均分子量は12,180であった(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値。測定装置:(株)日立製作所製、カラム:GL−S300MPT−5(日立化成工業(株)製)2本を直列に接続し使用、溶離液:THF/DMF=1/1、流速:1ml/min.、検出波長:310nm)。
【0053】
ポリアミド酸エステル10.0g、N−メチル−2−ピロリドン14.0gに攪拌溶解した。この溶液を3μm孔のテフロンフィルタを用いて加圧濾過して感光性重合体組成物を得た。
得られた感光性重合体組成物をスピンナーを使用してシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレート上110℃で3分間加熱乾燥を行い、6.7μmの塗膜を得た。この塗膜に露光機としてi線ステッパ(株式会社日立製作所製)を用い、レティクルを介し、100〜500mJ/cm2の露光をした。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38重量%水溶液を現像液とし45秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。パターン観察により、適正露光量は250mJ/cm2と判断された。未露光部の残膜率は80%であった。パターン形状は良好で、解像度は3μmであった。
【0054】
実施例2
攪拌機、温度計を備えた0.3リットルのフラスコ中に、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物13.03g(0.042モル)、1−ブタノール4.36g(0.058モル)、メタノール0.81g(0.025モル)、1,8―ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.19g(0.0013モル)、NMP34.9gを仕込み、室温で12時間攪拌し反応させて、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジエステル(1−ブタノールとメタノールのジエステル溶液)のNMP溶液を得た。
【0055】
次に、この溶液を0℃に冷却した後、塩化チオニル10.49g(0.088モル)を0〜10℃の温度範囲内にて10分間で滴下した後、10℃以下の温度で30分間反応させて、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジエステルジクロリドの溶液を得た。
次に、この反応液に、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸2−ヒドロキシエチル2.47g(0.0084モル)をN−メチル−2−ピロリドン7.4gに溶かした溶液を、0〜10℃の温度範囲内にて5分間で滴下し、さらにピリジン13.95g(0.176モル)を0〜10℃の温度範囲内にて5分間で滴下し、反応液(α)を得た。
【0056】
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン80gを仕込み、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)―1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン15.38g(0.042モル)を添加し攪拌溶解した後、温度を0〜10℃に保ちながら、反応溶液(α)を20分間で滴下した後、温度を30℃にして1時間攪拌を行った。反応溶液を1.5Lの水に投入し、析出物を回収、洗浄した後、40℃で24時間以上減圧乾燥してポリマー末端に感光剤を導入したポリアミド酸エステル32gを得た。
【0057】
得られた感光剤を導入したポリアミド酸エステル体の重量平均分子量は15,960であった(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値。測定装置:(株)日立製作所製、カラム:GL−S300MPT−5(日立化成工業(株)製)2本を直列に接続し使用、溶離液:THF/DMF=1/1、流速:1ml/min.、検出波長:310nm)。
【0058】
ポリアミド酸エステル10.0g、N−メチル−2−ピロリドン14.0gに攪拌溶解した。この溶液を3μm孔のテフロンフィルタを用いて加圧濾過して感光性重合体組成物を得た。
得られた感光性重合体組成物をスピンナーを使用してシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレート上110℃で3分間加熱乾燥を行い、6.5μmの塗膜を得た。この塗膜に露光機としてi線ステッパ(株式会社日立製作所製)を用い、レティクルを介し、100〜500mJ/cm2の露光をした。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38重量%水溶液を現像液とし60秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。パターン観察により、適正露光量は300mJ/cm2と判断された。未露光部の残膜率は80%であった。パターン形状は良好で、解像度は3μmであった。
【0059】
比較例1
攪拌機、温度計を備えた0.3リットルのフラスコ中に、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物21.72g(0.070モル)、1−ブタノール10.38g(0.140モル)、1,8―ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.32g(0.0021モル)、NMP58.1gを仕込み、室温で12時間反応を行い、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジ1−ブチルエステルのNMP溶液を得た。
【0060】
次に、フラスコを0℃に冷却した後、塩化チオニル16.66g(0.140モル)を0〜10℃の温度範囲内にて20分間で滴下し、滴下後10以下の温度で30分間撹拌して、酸クロ溶液(α)を得た。
次いで、攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン127gを仕込、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン30.77g(0.084モル)を添加し攪拌溶解した後、ピリジン22.15g(0.28モル)を添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、酸クロ溶液(α)を30分間で滴下した後、温度を30℃にして1時間攪拌を続ける。反応終了後、溶液を1.5Lの水に投入し、析出物を回収、洗浄した後、減圧乾燥してポリアミド酸エステル55gを得た。得られたポリアミド酸エステル体の重量平均分子量は11,500であった(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値。測定装置:(株)日立製作所製、カラム:GL−S300MPT−5(日立化成工業(株)製)2本を直列に接続し使用、溶離液:THF/DMF=1/1、流速:1ml/min.、検出波長:310nm)。
【0061】
得られたポリアミド酸エステル15.00g、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンとナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドを1/2.9のモル比で反応させたオルトキノンジアジド化合物2.25gを、N−メチルピロリドン24.47gに攪拌溶解した。この溶液を3μm孔のテフロン(登録商標)フィルタを用いて加圧濾過して感光性重合体組成物を得た。
【0062】
得られた感光性重合体組成物をスピンナーを使用してシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレート上110℃で3分間加熱乾燥を行い、6.7μmの塗膜を得た。この塗膜に露光機としてi線ステッパ(株式会社日立製作所製)を用い、レティクルを介し、100〜500mJ/cm2の露光をした。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38重量%水溶液を現像液とし35秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。パターン観察により、適正露光量は400mJ/cm2と判断された。未露光部の残膜率は82%であった。
各実施例のレリーフパターンを350℃で0.5時間加熱し、良好な形状のポリイミドパターンを得た。
【0063】
【発明の効果】
本発明の感光性重合体組成物は、感度が高く、解像度が高く、パターン形状や未露光部の残膜率も良好で、耐熱性に優れるものである。
また、本発明のパターンの製造法によれば、前記の、感度が高い組成物の使用により、解像度が高く、良好な形状のパターンが得られる。
また、本発明の電子部品は、良好な形状のパターンを表面保護膜または層間絶縁膜として有することにより、信頼性が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、2…保護膜、3…第1導体層、4…層間絶縁膜層、5…感光樹脂層、6A、6B、6C…窓、7…第2導体層、8…表面保護膜層。
Claims (6)
- 少なくとも片末端にo−キノンジアジド骨格を有する、ポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体を含有してなる感光性重合体組成物であって、前記ポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体が、一般式(1)、(2)又は(3)
- 前記一般式(1)、(2)又は(3)において、RがCOOR’であり、R2がカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する2価の有機基であるポリアミド酸エステルを含有することを特徴とする請求項1記載の感光性重合体組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の感光性重合体組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を含むことを特徴とするパターンの製造法。
- 請求項5記載のパターンの製造法により得られるパターンを表面保護膜又は層間絶縁膜として有してなることを特徴とする電子部品。
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