JP2001125263A - 感光性重合体組成物、パターンの製造法及び電子部品 - Google Patents

感光性重合体組成物、パターンの製造法及び電子部品

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JP2001125263A
JP2001125263A JP30902299A JP30902299A JP2001125263A JP 2001125263 A JP2001125263 A JP 2001125263A JP 30902299 A JP30902299 A JP 30902299A JP 30902299 A JP30902299 A JP 30902299A JP 2001125263 A JP2001125263 A JP 2001125263A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】感度、解像度が高く、パターンの形状や未露光
部の残膜率も良好なポジ型の感光性重合体組成物、パタ
ーンの製造法及び信頼性の高い電子部品を提供する。 【解決手段】少なくとも片末端にo−キノンジアジド骨
格を有する、ポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾ
ール前駆体が、一般式(1)、(2)又は(3) (式中、個々のRは独立にH、COOH又はCOOR’
であり、R’は1価の有機基であり、個々のRは独立
に4価の有機基であり、個々のRは独立にカルボキシ
ル基又はフェノール性水酸基を有していてもよい2価の
有機基であり、nは整数であり、個々のXは独立にo−
キノンジアジド骨格を含む1価の有機基またはヒドロキ
シ基であり、個々のYは独立にo−キノンジアジド骨格
を含む1価の有機基または水素原子である)で表される
感光性重合体組成物、パターンの製造法及び電子部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性の感光性重
合体組成物及びこの組成物を用いたパターンの製造法並
びに電子部品に関し、さらに詳しくは、加熱処理により
半導体素子等の電子部品の表面保護膜、層間絶縁膜等と
して適用可能なポリイミド系耐熱性高分子となるポジ型
の耐熱性感光性重合体組成物及びこの組成物を用いたパ
ターンの製造法並びに電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子の表面保護膜または層
間絶縁膜としては、耐熱性、機械特性及び電気特性に優
れ、また、膜形成が容易であり、表面を平坦化できる等
の利点から、ポリイミドが幅広く使用されている。ポリ
イミドを表面保護膜又は層間絶縁膜として使用する場
合、スルーホール等の形成工程は、主にポジ型のフォト
レジストを用いるエッチングプロセスによって行われて
いる。しかし、工程にはフォトレジストの塗布や剥離が
含まれ、煩雑であるという問題がある。そこで、作業工
程の合理化を目的に感光性を兼ね備えた耐熱性材料(感
光性ポリイミド)の検討がなされてきた。
【0003】感光性ポリイミド組成物に関しては、1.
エステル結合により感光基を導入したポリイミド前駆体
組成物(特公昭52−30207号公報等)、2.ポリ
アミド酸に化学線により2量化または重合可能な炭素−
炭素二重結合及びアミノ基と芳香族ビスアジドを含む化
合物を添加した組成物(特公平3−36861号公報
等)が知られている。
【0004】感光性ポリイミド組成物の使用に際して
は、通常、溶液状態で基板上に塗布後乾燥し、マスクを
介して活性光線を照射し、露光部を現像液で除去し、パ
ターンを形成する。しかし、上記1及び2の組成物は、
現像液に有機溶剤を使用するネガ型である。有機溶剤の
現像液は、廃液処理の際の環境への負荷が大きく、近年
環境への配慮から、廃現像液の処理の容易なアルカリ水
溶液で現像可能な感光性耐熱材料が求められている。ま
た、ポジ型のフォトレジストを用いるエッチングプロセ
スからネガ型の感光性ポリイミドに切り替えるために
は、露光装置のマスクや現像設備の変更が必要になると
いう問題点がある。上記1及び2の組成物は、以上述べ
たような問題点がある。
【0005】一方、ポジ型感光性ポリイミドに関して
は、3.o−ニトロベンジル基をエステル結合により導
入したポリイミド前駆体(特開昭60−37550号公
報)、4.フェノール性水酸基を含むポリアミド酸エス
テルとo−キノンジアジド化合物を含む組成物(特開平
4−204945号公報)等が知られている。また、ポ
ジ型の耐熱性材料として、ポリイミドと同等の耐熱性、
機械特性、電機特性を有するポリベンズオキサゾールを
使用した材料、5.ヒドロキシポリアミド(ポリベンズ
オキサゾール前駆体)とo−キノンジアジド化合物を含
む組成物(特開昭64−6947号公報、特開平9−3
02221号公報)も知られている。
【0006】さらに、6.ヒドロキシ基を有するポリイ
ミド或いはポリアミドイミドのヒドロキシ基にo−ナフ
トキノンジアジド化合物を反応させた組成物(特開平3
−58048号公報、特開平3−273029号公報、
特開平3−281535号公報)も知られている。
【0007】しかし、上記3は感光する波長が主に30
0nm以下であるため、感度が低いという問題がある。ま
た、上記4及び5の組成物は、ポリイミド前駆体又はポ
リベンズオキサゾール前駆体とo−ナフトキノンジアジ
ドを混合しているだけであり、光照射によりo−ナフト
キノンジアジドはアルカリ可溶性に変わるが、ポリマー
骨格の構造は何ら変化しないため、光照射前後での溶解
速度差が小さく、感度が不十分という問題がある。
【0008】また、ヒドロキシ基を有するポリイミドや
ポリアミドイミドにo−ナフトキノンジアジド化合物を
反応させた、6の組成物も、感度が不十分という問題が
ある。このように、十分な特性を有するポジ型感光性ポ
リイミドは得られていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記した従来
技術の問題点を克服するものである。すなわち、本発明
は、感度、解像度が高く、パターンの形状や未露光部の
残膜率も良好なポジ型の感光性重合体組成物を提供する
ものである。また、本発明は、前記の組成物の使用によ
り、感度、解像度が高く、良好な形状のパターンが得ら
れるパターンの製造法を提供するものである。さらに本
発明は、良好な形状の精密なパターンを有することによ
り、信頼性の高い電子部品を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも片
末端にo−キノンジアジド骨格を有する、ポリイミド前
駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体を含有してなる
感光性重合体組成物に関する。また本発明は、前記少な
くとも片末端にo−キノンジアジド骨格を有する、ポリ
イミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体が、一
般式(1)、(2)又は(3)
【化4】 (式中、個々のRは独立にH、COOH又はCOOR’
であり、R’は1価の有機基であり、個々のRは独立
に4価の有機基であり、個々のRは独立にカルボキシ
ル基又はフェノール性水酸基を有していてもよい2価の
有機基であり、nは整数であり、個々のXは独立にo−
キノンジアジド骨格を含む1価の有機基またはヒドロキ
シ基であり、個々のYは独立にo−キノンジアジド骨格
を含む1価の有機基または水素原子である)で表される
ものである感光性重合体組成物に関する。
【0011】また本発明は、前記一般式(1)、(2)
又は(3)において、RがCOOR’であり、Rがカ
ルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する2価の有
機基であるポリアミド酸エステルを含有する感光性重合
体組成物に関する。また本発明は、前記ポリイミド前駆
体又はポリベンゾオキサゾール前駆体が、一般式(1)
で示されるものであり、一般式(1)におけるXの少な
くとも一方が、
【化5】 である感光性重合体組成物に関する。
【0012】また本発明は、前記ポリイミド前駆体又は
ポリベンゾオキサゾール前駆体が、一般式(1)で示さ
れるものであり、一般式(1)におけるXの少なくとも
一方が、
【化6】 である感光性重合体組成物に関する。
【0013】また本発明は、前記のいずれかに記載の感
光性重合体組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、
露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を含
むパターンの製造法に関する。さらに本発明は、前記の
製造法により得られるパターンを表面保護膜又は層間絶
縁膜として有してなる電子部品に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明においては、耐熱性の重合
体として、ポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾー
ル前駆体を使用する。この具体的な構造としては、前記
一般式(1)、(2)又は(3)で表されるものが好ま
しく、この末端のX,Yを除いた部分は、アルカリ水溶
液に可溶性のポリイミド前駆体又はポリベンズオキサゾ
ール前駆体から選択される重合体の残基であり、アルカ
リ水溶液に対する溶解性は、酸性のヒドロキシ基やカル
ボキシル基を有することにより付与される。
【0015】これらの中でも、ジアミンの残基にフェノ
ール性水酸基やカルボキシル基を含むポリアミド酸エス
テルは、ポリマーの溶解性の面より好ましい。前記一般
式(1)で表されるポリアミド酸エステルは、例えば、
テトラカルボン酸二無水物とアルコールの反応より得ら
れるテトラカルボン酸ジエステルをテトラカルボン酸ジ
エステルジハライド等(クロライド、ブロマイド等)の
酸ハライドに変換後、カルボキシル基又はフェノール性
水酸基を有するジアミン化合物とo−キノンジアジド骨
格を有するアミンとの混合物と反応することにより得ら
れる。
【0016】また、前記一般式(2)で表されるポリア
ミド酸エステルは、例えば、テトラカルボン酸二無水物
とアルコールの反応より得られるテトラカルボン酸ジエ
ステルとo−キノンジアジド骨格を有するカルボン酸の
混合物を酸ハライド(クロライド、ブロミド等)に変換
後、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有するジ
アミン化合物と反応することにより得られる。反応は、
脱ハロ酸触媒の存在下に、有機溶媒中で行うことが好ま
しい。
【0017】前記酸ハライドとしては、酸クロリドが好
ましい。例えば、テトラカルボン酸ジエステルジクロリ
ドは、テトラカルボン酸二無水物とアルコール化合物を
反応させて得られるテトラカルボン酸ジエステルとハロ
ゲン化剤を反応させて得ることができる。ハロゲン化剤
としては、通常のカルボン酸の酸クロリド化反応に使用
される、塩化チオニル、塩化ホスホリル、オキシ塩化リ
ン、五塩化リン等が使用できる。
【0018】酸クロリドを合成する方法としては、カル
ボン酸誘導体と上記ハロゲン化剤を溶媒中で反応させる
か、過剰のハロゲン化剤中で反応を行った後、過剰分を
留去する方法で合成できる。反応溶媒としては、N−メ
チル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、トルエン、ベンゼン等が使用できる。
【0019】これらのハロゲン化剤の使用量は、溶媒中
で反応させる場合は、カルボン酸誘導体の1当量に対し
て、0.8〜1.5当量が好ましく、0.9〜1.2当
量がより好ましく、ハロゲン化剤中で反応させる場合
は、2.0〜25当量が好ましく、2.5〜10当量が
より好ましい。反応温度は、―10〜70℃が好まし
く、0〜20℃がより好ましい。
【0020】酸クロリドとジアミン類及びアミノ基やア
ルコール基を含有するo−キノンジアジド誘導体との反
応は、脱ハロゲン化水素剤の存在下に、有機溶媒中で行
うことが好ましい。脱ハロゲン化水素剤としては、通
常、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基が使用さ
れる。また、有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロ
リドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が使用
できる。反応温度は、―10〜30℃が好ましく、0〜
20℃がより好ましい。
【0021】この他にも、ポリマーを合成する方法に特
に制限は無く、カルボン酸を活性化するあらゆる手法が
適用できる。例えば、ポリイミド前駆体がポリアミド酸
である場合は、通常使用される一般的な方法、即ち、テ
トラカルボン酸二無水物、ジアミン化合物、及び、o−
キノンジアジド骨格を含むアミン、アルコール若しくは
カルボン酸との反応により合成が可能である。
【0022】本発明に用いられるポリイミド前駆体又は
ポリベンゾオキサゾール前駆体の分子量としては、重量
平均分子量で3,000〜200,000が好ましく、
5,000〜100,000がより好ましい。分子量
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により
測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算し、値を
得ることができる。
【0023】ついで、前記一般式(1)、(2)及び
(3)について、説明する。各一般式において、Rで示
される基が、COOR’で示される場合、R’である1
価の有機基としては、脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化
水素基が好ましく、炭素原子数1〜20のものが好まし
く、炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基がより好ま
しい。nは、繰り返し数を示す整数であり、前記分子量
になる数であればよいが、一般に、5〜50程度であ
る。前記一般式(1)、(2)及び(3)において、R
で示される4価の有機基とは、ジアミンと反応して、
ポリベンゾオキサゾール前駆体又はポリイミド前駆体の
構造を形成しうる、ジカルボン酸若しくはそれらの誘導
体の残基又はテトラカルボン酸、その二無水物若しくは
それらの誘導体の残基であり、芳香族基又は脂肪族基で
あることが好ましく、炭素原子数が4〜40のものがよ
り好ましく、炭素原子数が4〜40の芳香族基がさらに
好ましい。
【0024】前記芳香族基としては、芳香環(ベンゼン
環、ナフタレン環等)を含み、2個又は4個の結合部位
はいずれも芳香環上に存在するものであることが好まし
い。また、ポリイミド前駆体を形成する4価の芳香族基
の結合部位は、2組の2個の結合部位に分けられ、その
2個の結合部位が芳香環の隣り合う炭素に存在する(即
ち、オルト位に位置するもの)ことが好ましい。前記の
2組は同一の芳香環に存在してもよいし、各種結合を介
して結合している別々の芳香環に存在してもよい。
【0025】ポリベンゾオキサゾール前駆体の材料とし
て用いられる、ジカルボン酸としては、イソフタル酸、
テレフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニ
ル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、
4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカル
ボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシテ
トラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)
スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プ
ロパン、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロ
モイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロ
ロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の
芳香族系ジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−
シクロペンタンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コ
ハク酸等の脂肪族系ジカルボン酸などが挙げられる。こ
れらの化合物を、単独で又は2種以上を組み合わせて使
用することができる。
【0026】また、ポリイミド前駆体の材料として用い
られる、テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリ
ット酸二無水物、3,3‘,4,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,3‘,4’−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、2,2‘,3,3’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3‘,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3‘,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸
二無水物、3,3‘,4,4’−ジフェニルスルホンテ
トラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペン
タンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフ
タレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナ
フタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−
ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6
−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,1
0−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3‘,
4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
物、3,3‘,4,4’−テトラフェニルシランテトラ
カルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物等の芳
香族系テトラカルボン酸二酸無水物が好ましく、これら
を単独で又は2種以上組み合わせて使用することができ
る。
【0027】ポリアミド酸エステルの合成に使用され
る、テトラカルボン酸ジエステルは、前記テトラカルボ
ン酸二無水物とアルコールとの反応により得られる。ア
ルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノ
ール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタ
ノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノール、2
−ヘキサノール、3−ヘキサノール等の脂肪族アルコー
ル、フェノール、ベンジルアルコール等が好ましく、こ
れらを単独でまたは2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
【0028】テトラカルボン酸エステルを合成する方法
としては、例えば、前記テトラカルボン酸二無水物と前
記アルコール化合物を有機溶媒中、塩基の存在下反応す
ることにより得られる。テトラカルボン酸二無水物とア
ルコール化合物の割合(モル比)は、前者/後者で1/
2〜1/2.5の範囲とするのが好ましく、1/2とす
ることが最も好ましい。また、テトラカルボン酸二無水
物と塩基の割合(モル比)は、前者/後者で1/0.0
01〜1/3の範囲とするのが好ましく、1/0.00
5〜1/2とすることがより好ましい。反応温度は、1
0〜60℃が好ましく、反応時間は3〜24時間が好ま
しい。
【0029】前記一般式(1)、(2)又は(3)にお
いて、Rで示されるカルボキシル基又はフェノール性
水酸基を有してもよい2価の有機基とは、ジアミン化合
物のアミノ基を除いた残基であり、芳香族基又は脂肪族
基が好ましく、カルボキシル基を除いた炭素原子数が2
〜40のものがより好ましく、芳香族基がさらに好まし
い。ここで、芳香族基としては、芳香環(ベンゼン環、
ナフタレン環等)を含み、その2個の結合部位が芳香環
上に直接存在することが好ましく、この場合同一の芳香
環上に存在しても異なった芳香環上に存在してもよい。
また、ジアミンがカルボキシル基又はフェノール性水酸
基を有する場合、1〜8個有することが好ましく、これ
らも芳香環に直接結合しているものが好ましい。
【0030】前記ジアミン化合物としては、例えば、
2,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香
酸、3,5−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノテレ
フタル酸、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニ
ル)メチレン、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェ
ニル)エーテル、4,4‘−ジアミノ−3,3’−ジカ
ルボキシビフェニル、4,4‘−ジアミノ−5,5’−
ジカルボキシ−2,2‘−ジメチルビフェニル、1,3
−ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミ
ノ−5−ヒドロキシベンゼン、3,3’−ジアミノ−
4,4‘−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミ
ノ−3,3‘−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−ア
ミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−
アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3
−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビ
ス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフル
オロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン等の芳香族系ジアミン化
合物が好ましく、これらを単独で又は2種以上を組み合
わせて使用される。
【0031】一般式(1)、(2)及び(3)におい
て、Xで示される基は、o−キノンジアジド骨格を含む
残基またはヒドロキシ基を示し、Yで示される基は、o
−キノンジアジド骨格を含む残基または水素原子を示
す。合成等の容易さからは、一般式(1)で示されるも
のが好ましく、反応性等の点からは、両端ともo−キノ
ンジアジド骨格を含む残基であることが好ましい。
【0032】前記Xで示される残基を与える化合物とし
ては、o−キノンジアジド骨格を含むアミン、アルコー
ル等が挙げられ、次に示す構造の物が好ましい。
【化7】 (式中、Aは炭素原子数2〜30の2価の炭化水素基で
あり、Zはアミノ基又はヒドロキシ酸基である。)Aの
例としては、m−又はp−フェニレン基、炭素数2〜3
0のアルキレン基、同アリーレン基又は同アラルキレン
基などがあげられる。
【0033】具体的に好ましい化合物としては、
【化8】 等があげられる。なかでも、
【化9】 で示される化合物が、合成の容易さ等の面で好ましい。
【0034】また、前記Yで示される残基を与える化合
物としては、次式で示されるo−キノンジアジド骨格を
含むカルボン酸が挙げられ、次に示す構造の物が好まし
い。
【化10】 (式中、Aは炭素原子数2〜30の2価の炭化水素基で
ある。)Aの具体例としては、前記Xの説明で示したも
のと同様である。
【0035】具体的に好ましい化合物としては、
【化11】 等があげられる。
【0036】本発明の感光性重合体組成物は、前記ポリ
イミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体を溶剤
に溶解して得ることができる。溶剤としては、例えば、
N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスル
ホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、テトラメ
チレンスルホン、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性
極性溶剤が好ましく、これらを単独で又は2種以上併用
して用いられる。溶剤の使用量に特に制限はなく、一般
に、組成物中、樹脂固形分が10〜90重量%となる範
囲で使用される。
【0037】本発明の感光性重合体組成物には、さらに
必要に応じて接着助剤として、有機シラン化合物やアル
ミキレート化合物を含むことができる。有機シラン化合
物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピル
トリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシジル
プロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシランなどがあげられる。アルミキレ
ート化合物としては、例えば、トリス(アセチルアセト
ネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウ
ムジイソプロピレートなどがあげられる。接着助剤を用
いる場合は、ポリマー成分100重量部に対して、0.
1〜20重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ま
しい。また、さらに、別途、通常のオルトキノンジアジ
ド化合物などの光酸発生剤を添加することも可能であ
る。
【0038】本発明の感光性重合体組成物は、支持基板
上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程
及び加熱処理する工程を経て、ポリイミド又はポリベン
ゾオキサゾールのパターンとすることができる。支持基
板上に塗布し乾燥する工程では、ガラス基板、半導体、
金属酸化物絶縁体(例えばTiO、SiO等)、窒
化ケイ素などの支持基板上に、この耐熱性感光性重合体
組成物をスピンナーなどを用いて回転塗布後、ホットプ
レート、オーブンなどを用いて乾燥する。
【0039】次いで、露光工程では、支持基板上で被膜
となった感光性重合体組成物に、マスクを介して紫外
線、可視光線、放射線などの活性光線を照射する。現像
工程では、露光部を現像液で除去することによりレリー
フパターンが得られる。現像液としては、例えば、水酸
化ナトリウム,水酸化カリウム,ケイ酸ナトリウム,ア
ンモニア,エチルアミン,ジエチルアミン,トリエチル
アミン,トリエタノールアミン,テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシドなどのアルカリ水溶液が好ましいもの
としてあげられる。これらの水溶液の塩基濃度は、0.
1〜10重量%とされることが好ましい。さらに上記現
像液にアルコール類や界面活性剤を添加して使用するこ
ともできる。これらはそれぞれ、現像液100重量部に
対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好まし
くは0.1〜5重量部の範囲で配合することができる。
【0040】ついで、加熱処理工程では、得られたパタ
ーンに好ましくは150〜450℃の加熱処理をするこ
とにより、イミド環や他に環状基を持つ耐熱性ポリイミ
ド又はポリベンゾオキサゾールのパターンになる。
【0041】本発明の感光性重合体組成物は、半導体装
置や多層配線板等の電子部品に使用することができ、具
体的には、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層
配線板の層間絶縁膜等の形成に使用することができる。
本発明の半導体装置は、前記組成物を用いて形成される
表面保護膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限さ
れず、様々な構造をとることができる。
【0042】本発明の半導体装置の製造工程の一例を以
下に説明する。図1は多層配線構造の半導体装置の製造
工程図である。図において、回路素子を有するSi基板
等の半導体基板は、回路素子の所定部分を除いてシリコ
ン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上
に第1導体層が形成されている。前記半導体基板上にス
ピンコート法等で層間絶縁膜としてのポリイミド樹脂等
の膜4が形成される(工程(a))。
【0043】次に塩化ゴム系、フェノールノボラック系
等の感光性樹脂層5が前記層間絶縁膜4上にスピンコー
ト法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分
の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられてい
る(工程(b))。前記窓6Aの層間絶縁膜4は、酸
素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手
段によって選択的にエッチングされ、窓6Bがあけられ
ている。ついで窓6Bから露出した第1導体層3を腐食
することなく、感光樹脂層5のみを腐食するようなエッ
チング溶液を用いて感光樹脂層5が完全に除去される
(工程(c))。
【0044】さらに公知の写真食刻技術を用いて、第2
導体層7を形成させ、第1導体層3との電気的接続が完
全に行われる(工程(d))。3層以上の多層配線構造
を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を
形成することができる。
【0045】次に表面保護膜8が形成される。この図の
例では、この表面保護膜を前記感光性重合体組成物をス
ピンコート法にて塗布、乾燥し、所定部分に窓6Cを形
成するパターンを描いたマスク上から光を照射した後ア
ルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、加熱して
ポリイミド膜又はポリベンゾオキサゾール膜とする。こ
のポリイミド膜又はポリベンゾオキサゾール膜は、導体
層を外部からの応力、α線などから保護するものであ
り、得られる半導体装置は信頼性に優れる。なお、上記
例において、層間絶縁膜を本発明の感光性重合体組成物
を用いて形成することも可能である。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 合成例1 (1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4
−スルホン酸4−アミノフェニルの合成) 攪拌機、温度計及びジムロート冷却管を備えた0.3リ
ットルのフラスコ中に、p−アミノフェノール8.0g
(0.073モル)とジオキサン80gを仕込み溶解す
るまで撹拌する。溶解後、ジt-ブチルジカーボネート
16.8g(0.077モル)を30分間かけて滴下
後、30℃で1時間撹拌した。反応液を20℃に冷却
後、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホ
ン酸クロリド19.7g(0.073モル)をジオキサ
ン60gに溶かした溶液を滴下した。次に、反応液の温
度を15〜20℃に保ちながら、トリエチルアミン7.
8g(0.077モル)を滴下した。滴下後、30℃で
1時間撹拌を行った。反応液を、0.1%塩酸溶液1.
5Lに注入し、析出した固体をろ過、水洗後、40℃で
12時間乾燥して中間体30gを得た。
【0047】攪拌機、温度計及びジムロート冷却管を備
えた0.3リットルのフラスコ中に、中間体27g
(0.0616モル)、35%塩酸32g(0.307
モル)、ジオキサン270gを仕込み、50℃で2時間
撹拌を行った。反応終了後、析出した塩酸塩をろ過し、
50gのジオキサンで洗浄を行い取り出した。次に、取
り出した塩酸塩を、50gのNMPに溶かし、0.5%
の水酸化ナトリウム溶液1.3Lに滴下した。析出した
固体をろ過、500gの水で洗浄の後、40℃で36時
間減圧乾燥して、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド
−4−スルホン酸4−アミノフェニル17.2gを得
た。p−アミノフェノールからの収率は76%で、高速
液体クロマトグラフィーで測定した面積%は、99.2
%であった(測定波長:254nm)。
【0048】合成例2 (1,2−ナフトキノン−2−
ジアジド−4−スルホン酸2−ヒドロキシエチルの合
成) 攪拌機、温度計及びジムロート冷却管を備えた0.3リ
ットルのフラスコ中に、1,2−ナフトキノン−2−ジ
アジド−4−スルホン酸クロリド20g(0.074モ
ル)、エチレングリコール180gを仕込み撹拌した。
その懸濁液に、ピリジン29.4g(0.37モル)を
10分間かけて滴下した。滴下後、30℃で2時間撹拌
を行った。反応液を20℃まで冷却後、析出物をろ過、
水洗を行い取り出した。40℃で24時間減圧乾燥して
1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸
2−ヒドロキシエチル19.2gを得た。1,2−ナフ
トキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸クロリドから
の収率は88%で、高速液体クロマトグラフィーで測定
した面積%は、98.9%であった(測定波長:254
nm)。
【0049】実施例1 攪拌機、温度計を備えた0.3リットルのフラスコ中
に、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカ
ルボン酸二無水物13.03g(0.042モル)、1
−ブタノール4.36g(0.058モル)、メタノー
ル0.81g(0.025モル)、1,8―ジアザビシ
クロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.19g(0.
0013モル)、N−メチルピロリドン(NMP)3
4.9gを仕込み、室温で12時間攪拌し反応させて、
3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボ
ン酸ジエステル(1−ブタノールとメタノールのジエス
テル溶液)のNMP溶液を得た。
【0050】次に、この溶液を0℃に冷却した後、塩化
チオニル10.49g(0.088モル)を0〜10℃
の温度範囲内にて10分間で滴下した後、10℃以下の
温度で30分間反応させて、3,3’,4,4’−ジフ
ェニルエーテルテトラカルボン酸ジエステルジクロリド
の溶液を得た。次に、この反応液に、1,2−ナフトキ
ノン−2−ジアジド−4−スルホン酸4−アミノフェニ
ル2.87g(0.0084モル)をN−メチル−2−
ピロリドン8.6gに溶かした溶液を、0〜10℃の温
度範囲内にて10分間で滴下し、反応液(α)を得た。
【0051】攪拌機、温度計を備えた0.5リットルの
フラスコ中に、N−メチルピロリドン80gを仕込み、
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)
―1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン1
5.38g(0.042モル)を添加し、攪拌溶解した
後、ピリジン13.95g(0.176モル)を添加
し、温度を0〜10℃に保ちながら、反応溶液(α)を
20分間で滴下した後、温度を30℃にして1時間攪拌
を行った。反応溶液を1.5Lの水に投入し、析出物を
回収、洗浄した後、40℃で24時間以上減圧乾燥して
ポリマー末端に感光剤を導入したポリアミド酸エステル
35gを得た。
【0052】得られた感光剤を導入したポリアミド酸エ
ステル体の重量平均分子量は12,180であった(ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定
し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値。測定
装置:(株)日立製作所製、カラム:GL−S300M
PT−5(日立化成工業(株)製)2本を直列に接続し
使用、溶離液:THF/DMF=1/1、流速:1ml
/min.、検出波長:310nm)。
【0053】ポリアミド酸エステル10.0g、N−メ
チル−2−ピロリドン14.0gに攪拌溶解した。この
溶液を3μm孔のテフロンフィルタを用いて加圧濾過し
て感光性重合体組成物を得た。得られた感光性重合体組
成物をスピンナーを使用してシリコンウェハ上に回転塗
布し、ホットプレート上110℃で3分間加熱乾燥を行
い、6.7μmの塗膜を得た。この塗膜に露光機として
i線ステッパ(株式会社日立製作所製)を用い、レティ
クルを介し、100〜500mJ/cmの露光をし
た。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの
2.38重量%水溶液を現像液とし45秒間パドル現像
を行い、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。パタ
ーン観察により、適正露光量は250mJ/cmと判
断された。未露光部の残膜率は80%であった。パター
ン形状は良好で、解像度は3μmであった。
【0054】実施例2 攪拌機、温度計を備えた0.3リットルのフラスコ中
に、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカ
ルボン酸二無水物13.03g(0.042モル)、1
−ブタノール4.36g(0.058モル)、メタノー
ル0.81g(0.025モル)、1,8―ジアザビシ
クロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.19g(0.
0013モル)、NMP34.9gを仕込み、室温で1
2時間攪拌し反応させて、3,3’,4,4’−ジフェ
ニルエーテルテトラカルボン酸ジエステル(1−ブタノ
ールとメタノールのジエステル溶液)のNMP溶液を得
た。
【0055】次に、この溶液を0℃に冷却した後、塩化
チオニル10.49g(0.088モル)を0〜10℃
の温度範囲内にて10分間で滴下した後、10℃以下の
温度で30分間反応させて、3,3’,4,4’−ジフ
ェニルエーテルテトラカルボン酸ジエステルジクロリド
の溶液を得た。次に、この反応液に、1,2−ナフトキ
ノン−2−ジアジド−4−スルホン酸2−ヒドロキシエ
チル2.47g(0.0084モル)をN−メチル−2
−ピロリドン7.4gに溶かした溶液を、0〜10℃の
温度範囲内にて5分間で滴下し、さらにピリジン13.
95g(0.176モル)を0〜10℃の温度範囲内に
て5分間で滴下し、反応液(α)を得た。
【0056】攪拌機、温度計を備えた0.5リットルの
フラスコ中に、N−メチルピロリドン80gを仕込み、
2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)
―1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン1
5.38g(0.042モル)を添加し攪拌溶解した
後、温度を0〜10℃に保ちながら、反応溶液(α)を
20分間で滴下した後、温度を30℃にして1時間攪拌
を行った。反応溶液を1.5Lの水に投入し、析出物を
回収、洗浄した後、40℃で24時間以上減圧乾燥して
ポリマー末端に感光剤を導入したポリアミド酸エステル
32gを得た。
【0057】得られた感光剤を導入したポリアミド酸エ
ステル体の重量平均分子量は15,960であった(ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定
し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値。測定
装置:(株)日立製作所製、カラム:GL−S300M
PT−5(日立化成工業(株)製)2本を直列に接続し
使用、溶離液:THF/DMF=1/1、流速:1ml
/min.、検出波長:310nm)。
【0058】ポリアミド酸エステル10.0g、N−メ
チル−2−ピロリドン14.0gに攪拌溶解した。この
溶液を3μm孔のテフロンフィルタを用いて加圧濾過し
て感光性重合体組成物を得た。得られた感光性重合体組
成物をスピンナーを使用してシリコンウェハ上に回転塗
布し、ホットプレート上110℃で3分間加熱乾燥を行
い、6.5μmの塗膜を得た。この塗膜に露光機として
i線ステッパ(株式会社日立製作所製)を用い、レティ
クルを介し、100〜500mJ/cm2の露光をし
た。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの
2.38重量%水溶液を現像液とし60秒間パドル現像
を行い、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。パタ
ーン観察により、適正露光量は300mJ/cmと判
断された。未露光部の残膜率は80%であった。パター
ン形状は良好で、解像度は3μmであった。
【0059】比較例1 攪拌機、温度計を備えた0.3リットルのフラスコ中
に、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカ
ルボン酸二無水物21.72g(0.070モル)、1
−ブタノール10.38g(0.140モル)、1,8
―ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.
32g(0.0021モル)、NMP58.1gを仕込
み、室温で12時間反応を行い、3,3’,4,4’−
ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジ1−ブチルエス
テルのNMP溶液を得た。
【0060】次に、フラスコを0℃に冷却した後、塩化
チオニル16.66g(0.140モル)を0〜10℃
の温度範囲内にて20分間で滴下し、滴下後10以下の
温度で30分間撹拌して、酸クロ溶液(α)を得た。次
いで、攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラス
コ中に、N−メチルピロリドン127gを仕込、ビス
(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン30.77g(0.084モル)を添加し攪
拌溶解した後、ピリジン22.15g(0.28モル)
を添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、酸クロ溶液
(α)を30分間で滴下した後、温度を30℃にして1
時間攪拌を続ける。反応終了後、溶液を1.5Lの水に
投入し、析出物を回収、洗浄した後、減圧乾燥してポリ
アミド酸エステル55gを得た。得られたポリアミド酸
エステル体の重量平均分子量は11,500であった
(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測
定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値。測
定装置:(株)日立製作所製、カラム:GL−S300
MPT−5(日立化成工業(株)製)2本を直列に接続
し使用、溶離液:THF/DMF=1/1、流速:1m
l/min.、検出波長:310nm)。
【0061】得られたポリアミド酸エステル15.00
g、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンとナフト
キノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドを
1/2.9のモル比で反応させたオルトキノンジアジド
化合物2.25gを、N−メチルピロリドン24.47
gに攪拌溶解した。この溶液を3μm孔のテフロン(登
録商標)フィルタを用いて加圧濾過して感光性重合体組
成物を得た。
【0062】得られた感光性重合体組成物をスピンナー
を使用してシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレ
ート上110℃で3分間加熱乾燥を行い、6.7μmの
塗膜を得た。この塗膜に露光機としてi線ステッパ(株
式会社日立製作所製)を用い、レティクルを介し、10
0〜500mJ/cmの露光をした。次いで、テトラ
メチルアンモニウムヒドロキシドの2.38重量%水溶
液を現像液とし35秒間パドル現像を行い、純水で洗浄
してレリーフパターンを得た。パターン観察により、適
正露光量は400mJ/cmと判断された。未露光部
の残膜率は82%であった。各実施例のレリーフパター
ンを350℃で0.5時間加熱し、良好な形状のポリイ
ミドパターンを得た。
【0063】
【発明の効果】本発明の感光性重合体組成物は、感度が
高く、解像度が高く、パターン形状や未露光部の残膜率
も良好で、耐熱性に優れるものである。また、本発明の
パターンの製造法によれば、前記の、感度が高い組成物
の使用により、解像度が高く、良好な形状のパターンが
得られる。また、本発明の電子部品は、良好な形状のパ
ターンを表面保護膜または層間絶縁膜として有すること
により、信頼性が高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多層配線構造の半導体装置の製造工程図であ
る。
【符号の説明】
1…半導体基板、2…保護膜、3…第1導体層、4…層
間絶縁膜層、5…感光樹脂層、6A、6B、6C…窓、
7…第2導体層、8…表面保護膜層。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/037 501 G03F 7/037 501 7/40 501 7/40 501 H01L 21/027 H01L 21/30 502R (72)発明者 佐々木 守 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成デュポンマイクロシステムズ株式会社山 崎開発センタ内 (72)発明者 安斎 隆徳 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成デュポンマイクロシステムズ株式会社山 崎開発センタ内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA03 AA04 AA10 AA13 AA20 AB17 AB20 AC01 AD03 BE02 CB25 CB26 CB43 CB45 FA29 2H096 AA27 BA10 EA02 HA01 4J002 CM031 CM041 EP016 EV206 EV216 FD026 FD200 GQ00 4J043 PA02 PA19 PB07 PB11 PB17 QB23 QB25 QB26 QB31 QB34 RA05 RA35 RA52 SA05 SA06 SA71 TA12 TA22 TA26 UA012 UA121 UA122 UA131 UA132 UA261 UA262 UB121 UB122 UB301 UB302

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも片末端にo−キノンジアジド骨
    格を有する、ポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾ
    ール前駆体を含有してなる感光性重合体組成物。
  2. 【請求項2】少なくとも片末端にo−キノンジアジド骨
    格を有する、ポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾ
    ール前駆体が、一般式(1)、(2)又は(3) 【化1】 (式中、個々のRは独立にH、COOH又はCOOR’
    であり、R’は1価の有機基であり、個々のRは独立
    に4価の有機基であり、個々のRは独立にカルボキシ
    ル基又はフェノール性水酸基を有していてもよい2価の
    有機基であり、nは整数であり、個々のXは独立にo−
    キノンジアジド骨格を含む1価の有機基またはヒドロキ
    シ基であり、個々のYは独立にo−キノンジアジド骨格
    を含む1価の有機基または水素原子である)で表される
    ものである請求項1記載の感光性重合体組成物。
  3. 【請求項3】一般式(1)、(2)又は(3)におい
    て、RがCOOR’であり、Rがカルボキシル基又は
    フェノール性水酸基を有する2価の有機基であるポリア
    ミド酸エステルを含有する請求項2記載の感光性重合体
    組成物。
  4. 【請求項4】ポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾ
    ール前駆体が、一般式(1)で示されるものであり、一
    般式(1)におけるXの少なくとも一方が、 【化2】 である請求項3記載の感光性重合体組成物。
  5. 【請求項5】ポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾ
    ール前駆体が、一般式(1)で示されるものであり、一
    般式(1)におけるXの少なくとも一方が、 【化3】 である請求項3記載の感光性重合体組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の感光性重
    合体組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光す
    る工程、現像する工程及び加熱処理する工程を含むパタ
    ーンの製造法。
  7. 【請求項7】請求項6記載の製造法により得られるパタ
    ーンを表面保護膜又は層間絶縁膜として有してなる電子
    部品。
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