JP4284651B2 - 液体容器 - Google Patents

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Description

本発明は、液体消費装置に供給される液体を貯留する液体容器であって、液体容器の内部の液体に溶存している気体を吸収する機能を備えた液体容器に関する。
従来の液体消費装置の代表例としては、噴射ヘッドから液滴を噴射する液体噴射装置があり、この液体噴射装置の代表例としては、画像記録用のインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置がある。インクジェット式記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さなドットを高い密度で形成できるため、昨今においてはカラー印刷を含めた多くの印刷に使用されている。
インクジェット式記録装置で代表される液体消費装置に対する液体の供給方式としては、液体を貯留した液体容器から液体消費装置に液体を供給する方式がある。さらに、この液体容器による液体供給方式においては、液体容器内の液体が消費された時点でユーザーが簡単に液体容器を交換できるようにするために、液体消費装置に対して着脱可能に構成されたカートリッジとして液体容器を構成するのが一般的である。
一般にインクジェット式記録装置は、インク滴を吐出する記録ヘッドが搭載され記録媒体の記録面に沿って往復動するキャリッジを備えており、インクカートリッジから記録ヘッドへのインクの供給方式としては、キャリッジにインクカートリッジを装着し、記録ヘッドと共に往復動するインクカートリッジから記録ヘッドにインクを供給する方式がある。また、他の方式としては、インクカートリッジを装置本体のケース等に装着すると共に、可撓性チューブ等で形成したインク流路を介してインクカートリッジから記録ヘッドにインクを供給する方式がある。
ところで、インクカートリッジにインクを充填した後に長時間放置すると、インク中の染料の化学変化によりNが発生することがある。また、カートリッジを構成するインク容器のバリア性が低い場合には、容器壁を透過して外部からNやOがインク中に混入する可能性がある。
そして、インクカートリッジ内のインクにNやOを多く溶存している状態で印刷を実行すると、インク吐出時の圧力変化等によってインク中に気泡が発生することがある。このようにインク中に気泡が発生すると、気泡によるインク流路の閉塞等によって吐出不良が生じ、印刷品質の劣化が引き起こされる可能性がある。
上述した問題を解決するために、特開平1−208145号には、インク組成分に不溶で気体透過性のある隔壁部材で包容された真空部分を有するインクジェット記録用インク容器が提案されている。
また、特開平9−327930号には、インク容器内に介在させた気体透過性フィルムにより、該インク容器内を、インク収容室と、インク中に気体を取込む負圧の気体取込み室とに区画したインクジェット記録装置用のインク容器が提案されている。
特開平1−208145号 特開平9−327930号
しかしながら、特開平1−208145号で提案された、隔壁部材で包容された真空部分を有するインク容器においては、当該真空部分がインク容器内で固定されていないため、インク容器に振動・落下等の衝撃が加えられると、隔壁部材で包容された真空部分がインク容器の内面に衝突して傷つける可能性があった。また、可撓性の袋によって形成されたインクパックの場合、隔壁部材で包容された真空部分がインクパックのインク供給口から遠い端部位置に来てしまうと、インクパックが潰れにくくなり、これによりインク残量が多くなってしまうという問題があった。
さらに、この特開平1−208145号で提案された、隔壁部材で包容された真空部分を有するインク容器においては、真空部分における減圧状態の検査が極めて困難であり、製造時等において所定の減圧状態が確保されているか否かを確認できないという問題もあった。
また、特開平9−327930号で提案された、インク容器内を気体透過性フィルムでインク収容室と気体取込み室とに区画するインク容器においては、インク容器を構成する外側フィルムを利用して減圧空間を形成する関係で、インク容器の製造及びインクの充填のための作業が極めて煩雑になってしまうという問題があった。
また、この特開平9−327930号では、インク容器を構成する外側フィルムとは別体に気体透過性フィルムのみで減圧空間を形成する例も示されているが、この例においては減圧空間形成部材を内包する気体透過性フィルムの袋が、インク容器のインク供給口から離れた位置に配置されているために、インクパックが潰れにくくなってインク残量が多くなってしまうという問題があった。
さらに、この特開平9−327930号で提案された、インク容器内を気体透過性フィルムでインク収容室と気体取込み室とに区画するインク容器においては、気体取込み室における減圧状態の検査が極めて困難であり、製造時等において所定の減圧状態が確保されているか否かを確認できないという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、液体容器内に貯留された液体中に溶存する気体を、減圧空間を利用して吸収できる気体吸収装置を備えると共に、液体容器を構成する可撓性液体袋の内面が気体吸収装置によって傷つけられることがなく、しかも、液体容器を構成する可撓性液体袋が潰れにくくならないように気体吸収装置の配置が最適化されている液体容器を提供することを目的とする。
また、本発明は、気体の吸収に必要な減圧状態の存否を容易に検査することができる気体吸収装置を備えた液体容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、液体消費装置に供給される液体を貯留する液体容器において、可撓性フィルムで形成され、前記液体を内部に貯留する可撓性液体袋と、前記可撓性液体袋に設けられ、前記液体を前記可撓性液体袋から外部に送出するための液体供給口部材と、前記可撓性液体袋の内部に貯留された前記液体中に溶存している気体を吸収するための減圧空間を有する気体吸収装置であって、前記可撓性液体袋とは別体に形成されて前記可撓性液体袋の内部に配置されると共に前記液体供給口部材に固定された気体吸収装置と、を備えたことを特徴とする。
また、好ましくは、前記可撓性液体袋の内部の液体が消費されて前記可撓性液体袋が潰れた際に、前記可撓性液体袋が前記気体吸収装置の外面に密着し易くなるように、前記液体供給口部材と前記気体吸収装置とが、それらの接続部分において略共通の外形を有している。
また、好ましくは、前記可撓性液体袋の内部の液体が消費されて前記可撓性液体袋が潰れた際に、前記可撓性液体袋が前記気体吸収装置の外面に密着し易くなるように、前記気体吸収装置の外面形状の少なくとも一部が丸みを帯びている。
また、好ましくは、前記可撓性液体袋の内部の液体が消費されて前記可撓性液体袋が潰れた際に、前記可撓性液体袋が前記気体吸収装置の外面に密着し易くなるように、前記気体吸収装置の前記液体供給口部材に接続された部分と反対側の端部が扁平状に形成されている。
また、好ましくは、前記気体吸収装置は、開口を有する減圧容器と、前記減圧容器の内部を減圧した状態にて前記開口を閉塞する可撓性フィルムと、を備え、前記減圧容器内の減圧された圧力を内面で受けると共に外面は前記液体容器内の液体に接触する部分の少なくとも一部が、前記液体容器の内部の液体中に溶存する気体が透過し得る気体透過性材料にて形成されている。
また、好ましくは、前記減圧容器の前記開口を閉塞する前記可撓性フィルムは、前記気体吸収装置の前記液体供給口部材に対向する部分に形成された前記開口に貼着されている。
また、好ましくは、前記減圧容器の前記開口は、前記液体供給口部材の前記気体吸収装置に対向する部分よりも小さな寸法にて形成されている。
また、好ましくは、前記気体吸収装置を前記液体供給口部材に固定するための固定手段をさらに有する。
また、好ましくは、前記固定手段は、前記液体供給口部材に設けられた爪状突起と、前記気体吸収装置に設けられ、前記爪状突起が挿入されて係止される係止孔と、を有する。
また、好ましくは、前記液体が前記可撓性液体袋から外部に流出する方向に流れた場合にのみ開放する逆止弁手段をさらに有し、前記逆止弁手段は、前記液体供給口部材とは別体に形成されて前記液体供給口部材に取り付けられた逆止弁蓋部材と、前記逆止弁蓋部材と前記液体供給口部材との間に収納される弁体と、を有し、前記爪状突起は前記逆止弁蓋部材に設けられている。
また、好ましくは、前記逆止弁蓋部材は、前記気体吸収装置の前記減圧容器と一体に形成され且つ前記固定手段の固定位置と開放位置との間で変位可能である。
また、好ましくは、前記減圧容器の少なくとも一部が前記気体透過性材料によって形成されている。
また、好ましくは、前記可撓性フィルムの少なくとも一部が前記気体透過性材料によって形成されている。
また、好ましくは、前記気体透過性材料は、熱可塑性樹脂を含む。
また、好ましくは、前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンのいずれかである。
また、好ましくは、前記可撓性フィルムは、熱溶着によって前記減圧容器の前記開口の周囲に気密に貼付されている。
また、好ましくは、前記液体消費装置はインクジェット式記録装置であり、前記液体容器は、前記インクジェット式記録装置に着脱自在に装着されるインクカートリッジである。
本発明によれば、液体容器内に貯留された液体中に溶存する気体を、減圧空間を利用して吸収できる気体吸収装置を備えると共に、液体容器を構成する可撓性液体袋の内面が気体吸収装置によって傷つけられることがなく、しかも、液体容器を構成する可撓性液体袋が潰れにくくならないように気体吸収装置の配置が最適化されている液体容器を提供することができる。
以下、本発明による気体吸収装置を内蔵した液体容器の一実施形態として、インクジェット式記録装置用のインクカートリッジについて図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態によるインクカートリッジ1がカートリッジ装着部101に装着されたインクジェット式記録装置100を示した斜視図である。この例においては6つのカートリッジ装着部101がインクジェット式記録装置100に設けられており、各カートリッジ装着部101はインクジェット式記録装置100の前面に開口している。また、6つのカートリッジ装着部101は同一水平面内に並置されており、6つのインクカートリッジ1は平置きして並置される。
図2に示したようにインクカートリッジ1は、インク容器(液体容器)2と、このインク容器2を内蔵する剛性のケース部材50と、を備えている。ケース部材50は、上面が開口したケース本体50Aと、このケース本体50Aの上面開口を封止する蓋部材50Bとから成っている。ケース部材50の側面には、インクの種類、残量等の情報を記憶させるIC(半導体記憶素子)を搭載した回路基板51が設けられている。
インク容器2は、可撓性フィルムで形成されてインクを内部に貯留する可撓性インク袋(可撓性液体袋)3と、この可撓性インク袋3に設けられ、インクを可撓性インク袋3から外部に送出するためのインク供給口部材(液体供給口部材)4と、可撓性インク袋3の内部に貯留されたインク中に溶存しているN、O等の気体を吸収するための気体吸収装置5と、を備えている。なお、インク供給口部材4の供給口は、未使用時においては供給口フィルム40によって封止されている。
図3及び図4に示したように、インク供給口部材4の外側端部には、バネ6で付勢されたバネ座7を内部に配置してシール部材8が取り付けられている。また、インク供給口部材4の内側端部には、弁体9を内部に配置して逆止弁蓋部材10が取り付けられている。この逆止弁蓋部材10は、インク供給口部材4とは別体に形成された後にインク供給口部材4に熱カシメによって取り付けられる。
弁体9及び逆止弁蓋部材10から成る逆止弁手段17は、インクが可撓性インク袋3から外部に流出する方向に流れた場合にのみ開放するように機能する。
図4に示したように、ケース部材50の前面には、ケース部材50の内部のインクを加圧してインク容器2から送出するための加圧流体をケース部材50の内部に導入する加圧流体導入口52が形成されている。さらに、ケース部材50の前面には、カートリッジ装着部101に設けられた一対の位置決め突起部が挿入される一対の位置決め孔53a、53bが形成されている。
また、前面を含むケース部材50の一隅部には、誤装着防止構造54が設けられている。この誤装着防止構造54は、インクカートリッジ1をインクジェット式記録装置100に装着する際に、所定の位置に所定のインク種のインクカートリッジ1が正しく装着されるようにするために、正しいインク種のインクカートリッジ以外は装着できないようにする形状が付与されたものである。
さらに、ケース部材50の前面には、インク供給口部材4の先端部が配置されるインク供給開口55が形成されている。
図3乃至図5に示したように気体吸収装置5は、開口11を有する減圧容器12と、減圧容器12の内部を減圧した状態にて開口11を閉塞する可撓性フィルム13と、を備える。気体吸収装置5は、可撓性インク袋3とは別体に形成されて可撓性インク袋3の内部に配置されると共に、インク供給口部材4に固定される。
可撓性フィルム13は、熱溶着によって減圧容器12の開口11の周囲に気密に貼付される。熱溶着を用いることにより、可撓性フィルム13によって減圧容器12の開口11を確実に密閉することができる。
気体吸収装置5は、その外面の全体がインク容器2の内部のインクに接触している。そして、この気体吸収装置5においては、減圧容器12内の減圧された圧力を内面で受けると共に外面はインク容器2内のインクに接触する部材の少なくとも一部が、インク容器2の内部のインク中に溶存する気体が透過し得る気体透過性材料にて形成されている。より具体的には、減圧容器12の少なくとも一部及び/又は可撓性フィルム13の少なくとも一部が、気体透過性材料によって形成されている。好ましくは、減圧容器12の全体及び/又は可撓性フィルム13の全体を気体透過性材料で形成して、インクとの間で大きな接触面積を確保する。
ここで、気体透過性材料は熱可塑性樹脂を含み、好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンのいずれかである。これらの熱可塑性樹脂は、インクとの化学反応を起こしにくい材料であり、しかも、適度な気体透過性を備えた材料である。
インク容器2の可撓性インク袋3は、気体吸収装置5の少なくとも一部を構成する気体透過性材料よりも気体透過性の小さい材料から成る可撓性フィルムによって形成されている。具体的には、アルミラミネートフィルム、シリカ蒸着フィルム、及びアルミナ蒸着フィルムのうちの少なくとも1種類のフィルムを有する単層フィルム又は積層フィルムによって可撓性インク袋3が構成されている。
このようにインク容器2の可撓性インク袋3を、気体吸収装置5の少なくとも一部を構成する気体透過性材料よりも気体透過性の小さい材料から成る可撓性フィルムによって形成することによって、インク容器2の可撓性インク袋3を透過してインク中に溶け込んだ気体を、気体吸収装置5によって確実に吸収することができる。
図6及び図7に示されているように、インク容器2の内部の液体が消費されて可撓性インク袋3が潰れた際に、可撓性インク袋3が気体吸収装置5の外面に密着し易くするために、インク供給口部材4と気体吸収装置5の減圧容器12とが、それらの接続部分において略共通の外形を有しており、また、気体吸収装置5の減圧容器12の外面形状が丸みを帯びている。さらに、気体吸収装置5のインク供給口部材4に接続された部分と反対側の端部5aが扁平状に形成されている。
これにより、インクの消費により潰れた可撓性インク袋3がインク供給口部材4及び気体吸収装置5の外面に十分に密着し、消費されずにインク容器2内に残留してしまうインクの量を少なくすることができる。
また、減圧容器12の開口11は、インク供給口部材4の気体吸収装置5に対向する部分よりも小さな寸法にて形成されている。これにより、インク供給部材4に対する気体吸収装置5の取り付けを支障なく行うことができる。また、インク供給口部材4と気体吸収装置5の間に段差がなく、インクの消費により潰れた可撓性インク袋3がインク供給口部材4及び気体吸収装置5の外面に十分に密着し、消費されずにインク容器2内に残留してしまうインクの量を少なくすることができる。
また、気体吸収装置5の可撓性フィルム13は、気体吸収装置5のインク供給口部材4に対向する部分に形成された開口11に貼着されているので、可撓性フィルム13を貼着するために必要となる平面状の貼着面を、気体吸収装置5とインク供給口部材4との間に位置させて外面に出ないように覆い隠すことができる。これにより、インク容器2内のインクが消費されて可撓性インク袋3が潰れた際に、可撓性インク袋3の気体吸収装置5の外面への密着が平面状のフィルム貼着面によって阻害されることがない。よって、インクの消費により潰れた可撓性インク袋3がインク供給口部材4及び気体吸収装置5の外面に十分に密着し、消費されずにインク容器2内に残留してしまうインクの量を少なくすることができる。
本実施形態におけるインク容器2は、さらに、気体吸収装置5をインク供給口部材4に固定するための固定手段14を有する。この固定手段14は、インク供給口部材4の容器内側の端部に設けられた一対の爪状突起15と、気体吸収装置5のインク供給口側の端部に設けられ、一対の爪状突起15が挿入されて係止される一対の係止孔16と、から構成されている。
本実施形態においては、一対の爪状突起15は、インク供給口部材4に直接には設けられておらず、逆止弁蓋部材10と一体に形成された後、この逆止弁蓋部材10を介してインク供給口部材4に取り付けられる。
そして、気体吸収装置5をインク供給口部材4に取り付ける際には、一対の爪状突起15を一対の係止孔16にスナップフィットにて接続することによって簡単に組み立てることができる。このため、製造コストを低減することができる。
次に、上述した気体吸収装置5の製造方法について説明する。
まず、開口11を有する減圧容器12を準備する。次に、減圧容器12の内部を大気圧よりも低い圧力に減圧した状態にて、開口11を可撓性フィルム13によって閉塞する。この閉塞工程は、図8(a)に示したように、大気圧よりも低い圧力に減圧された減圧室200の内部にて実施される。
次に、可撓性フィルム13が貼着された減圧容器12を減圧室2から取り出す。そして、図8(b)に示したように、開口11を閉塞している可撓性フィルム13の大気圧下における撓み量を光学センサ201等によって測定し、可撓性フィルム13の撓み量に基づいて減圧容器12の内部の減圧状態を検査する。
上述したように減圧容器12の少なくとも一部及び/又は可撓性フィルム13の少なくとも一部を気体透過性材料によって形成する。
以上述べたように本実施形態によれば、気体吸収装置5の減圧容器12の少なくとも一部及び/又は可撓性フィルム13の少なくとも一部を気体透過性材料によって形成するようにしたので、インク中に溶存している気体は気体吸収装置5の気体透過性材料の部分を透過して減圧状態の減圧容器12の内部に吸収される。これにより、印刷時の圧力変化等によってインク容器2内のインク中に気体が発生することが抑制され、気体の発生による印刷品質の低下を防止することができる。
さらに、本実施形態においては、気体吸収装置5が固定手段14によってインク供給口部材4に固定されているので、インク容器2に振動・落下等の衝撃が加えられた場合でも、インク容器2の内部で気体吸収装置5が移動して可撓性インク袋3の内面を傷つけてしまうことがない。
しかも、気体吸収装置5の取付け位置がインク供給口側なので、インク消費に際して可撓性インク袋3が潰れにくくなってインク残量が多くなってしまうということがない。また、インク容器2のインク供給口側に気体吸収装置5が配置されていることにより、可撓性インク袋3が潰れた際にインク供給口と反対側に残ったインクが供給口側に流れるための流路が確保され、これによりインク残量が少なくなるという効果がある。
また、本実施形態においては、減圧状態にある減圧容器12の開口11を可撓性フィルム13によって封止することによって気体吸収装置5を構成することできるので、内部が減圧された気体吸収装置5を簡単に製造することができると共に、可撓性フィルム13の撓み量を光学センサ201等によって検査することによって、製造時等における減圧容器12の減圧状態を簡単に検査することができる。
次に、上述した実施形態の一変形例としては、図9乃至図11に示したように、逆止弁蓋部材10を、気体吸収装置5の減圧容器12と一体に形成することができる。具体的には、逆止弁蓋部材10を可撓片18を介して減圧容器12に接続し、固定手段14の固定位置(図11(b)、(d))と開放位置(図11(a)、(c))との間で変位可能なように構成する。
本変形例においても上述した実施形態と同様の効果が得られると共に、部品点数が少なくなることにより製造コストの低減を図ることができる。
本発明の一実施形態によるインクカートリッジが装着されたインクジェット式記録装置を示した斜視図。 本発明の一実施形態によるインクカートリッジを示した分解斜視図であって、インクカートリッジのケース部材を開放した状態を示した図。 本発明の一実施形態によるインクカートリッジを示した分解斜視図であって、インクカートリッジのケース部材を開放すると共にインク容器2を分解した状態を示した図。 図3に示したインクカートリッジを別の角度から見た状態を示した分解斜視図。 本発明の一実施形態によるインクカートリッジのインク容器を示した透視斜視図であって、(a)、(b)はそれぞれ別の角度から見た状態を示した図。 本発明の一実施形態におけるインク供給口部材及び気体吸収装置を示した図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はB−B線に沿った断面図、(d)はA−A線に沿った断面図、(e)は裏面図、(f)は正面図。 本発明の一実施形態におけるインク供給口部材及び気体吸収装置を示した図であり、(a)、(b)はそれぞれ別の角度から見た斜視図、(c)、(d)はそれぞれ別の角度から見た分解斜視図。 本発明の一実施形態における気体吸収装置を製造するための方法を説明するための図であり、(a)は減圧容器に可撓性フィルムを貼着する工程を示した図、(b)は減圧容器の減圧状態を検査する工程を示した図。 本発明の一実施形態の一変形例におけるインク供給口部材及び気体吸収装置を示した図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)はB−B線に沿った断面図、(d)はA−A線に沿った断面図、(e)は裏面図、(f)は正面図。 本発明の一実施形態の一変形例におけるインク供給口部材及び気体吸収装置を示した図であり、(a)、(b)はそれぞれ別の角度から見た斜視図、(c)、(d)はそれぞれ別の角度から見た分解斜視図。 図10に示した変形例における減圧容器及び逆止弁蓋部材を示した図であり、(a)、(c)は逆止弁蓋部材が固定手段の開放位置にある状態を示した平面図及び斜視図、(b)、(d)は逆止弁蓋部材が固定手段の固定位置にある状態を示した平面図及び斜視図。
符号の説明
1 インクカートリッジ
2 インク容器(液体容器)
3 可撓性インク袋(可撓性液体袋)
4 インク供給口部材(液体供給口部材)
5 気体吸収装置
9 弁体
10 逆止弁蓋部材
11 減圧容器の開口
12 減圧容器
13 可撓性フィルム
14 固定手段
15 爪状突起
16 係止孔
17 逆止弁手段
18 可撓片

Claims (17)

  1. 液体消費装置に供給される液体を貯留する液体容器において、
    可撓性フィルムで形成され、前記液体を内部に貯留する可撓性液体袋と、
    前記可撓性液体袋に設けられ、前記液体を前記可撓性液体袋から外部に送出するための液体供給口部材と、
    前記可撓性液体袋の内部に貯留された前記液体中に溶存している気体を吸収するための減圧空間を有する気体吸収装置であって、前記可撓性液体袋とは別体に形成されて前記可撓性液体袋の内部に配置されると共に前記液体供給口部材に固定された気体吸収装置と、を備えた液体容器。
  2. 前記可撓性液体袋の内部の液体が消費されて前記可撓性液体袋が潰れた際に、前記可撓性液体袋が前記気体吸収装置の外面に密着し易くなるように、前記液体供給口部材と前記気体吸収装置とが、それらの接続部分において略共通の外形を有している請求項1記載の液体容器。
  3. 前記可撓性液体袋の内部の液体が消費されて前記可撓性液体袋が潰れた際に、前記可撓性液体袋が前記気体吸収装置の外面に密着し易くなるように、前記気体吸収装置の外面形状の少なくとも一部が丸みを帯びている請求項1又は2に記載の液体容器。
  4. 前記可撓性液体袋の内部の液体が消費されて前記可撓性液体袋が潰れた際に、前記可撓性液体袋が前記気体吸収装置の外面に密着し易くなるように、前記気体吸収装置の前記液体供給口部材に接続された部分と反対側の端部が扁平状に形成されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体容器。
  5. 前記気体吸収装置は、開口を有する減圧容器と、前記減圧容器の内部を減圧した状態にて前記開口を閉塞する可撓性フィルムと、を備え、前記減圧容器内の減圧された圧力を内面で受けると共に外面は前記液体容器内の液体に接触する部分の少なくとも一部が、前記液体容器の内部の液体中に溶存する気体が透過し得る気体透過性材料にて形成されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体容器。
  6. 前記減圧容器の前記開口を閉塞する前記可撓性フィルムは、前記気体吸収装置の前記液体供給口部材に対向する部分に形成された前記開口に貼着されている請求項5記載の液体容器。
  7. 前記減圧容器の前記開口は、前記液体供給口部材の前記気体吸収装置に対向する部分よりも小さな寸法にて形成されている請求項6記載の液体容器。
  8. 前記気体吸収装置を前記液体供給口部材に固定するための固定手段をさらに有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体容器。
  9. 前記固定手段は、前記液体供給口部材に設けられた爪状突起と、前記気体吸収装置に設けられ、前記爪状突起が挿入されて係止される係止孔と、を有する請求項8記載の液体容器。
  10. 前記液体が前記可撓性液体袋から外部に流出する方向に流れた場合にのみ開放する逆止弁手段をさらに有し、前記逆止弁手段は、前記液体供給口部材とは別体に形成されて前記液体供給口部材に取り付けられた逆止弁蓋部材と、前記逆止弁蓋部材と前記液体供給口部材との間に収納される弁体と、を有し、前記爪状突起は前記逆止弁蓋部材に設けられている請求項9記載の液体容器。
  11. 前記逆止弁蓋部材は、前記気体吸収装置の前記減圧容器と一体に形成され且つ前記固定手段の固定位置と開放位置との間で変位可能である請求項10記載の液体容器。
  12. 前記減圧容器の少なくとも一部が前記気体透過性材料によって形成されている請求項1乃至11のいずれか一項に記載の液体容器。
  13. 前記可撓性フィルムの少なくとも一部が前記気体透過性材料によって形成されている請求項1乃至12のいずれか一項に記載の液体容器。
  14. 前記気体透過性材料は、熱可塑性樹脂を含むこと特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の液体容器。
  15. 前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンのいずれかである請求項14記載の液体容器。
  16. 前記可撓性フィルムは、熱溶着によって前記減圧容器の前記開口の周囲に気密に貼付されている請求項1乃至15のいずれか一項に記載の液体容器。
  17. 前記液体消費装置はインクジェット式記録装置であり、
    前記液体容器は、前記インクジェット式記録装置に着脱自在に装着されるインクカートリッジである請求項1乃至16のいずれか一項に記載の液体容器。
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